以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図17は作業車両1の平面図であり、図18は作業車両1の側面図である。作業車両1は、農作業を行うための車両であり、本実施形態の場合はトラクタである。以下、作業車両1がトラクタ1であるとして説明する。但し、作業車両1はトラクタには限定されない。
以下の説明において、トラクタ1の運転席10に着座した運転者の前側(図17、図18の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図17、図18の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(図17の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(図17の矢印B2方向)を右方として説明する。また、図17、図18の矢印K1で示す方向を前後方向として説明する。また、前後方向に直交する水平方向(図18の矢印K2方向)を車体幅方向という。
<作業車両の全体構成>
図17、図18に示すように、トラクタ1は、車体2と、走行装置3と、連結部4と、を備えている。
図18に示すように、車体2は、車体フレーム5と、クラッチハウジング6と、ミッションケース7とを有している。車体フレーム5は、車体2の前後方向に延びている。車体フレーム5には、原動機8が搭載されている。本実施形態の場合、原動機8はエンジン8である。エンジン8の上方は、ボンネット13により覆われている。クラッチハウジング6は、エンジン8の後部に連設されており、クラッチを収容している。ミッションケース7は、クラッチハウジング6の後部に連結されており、変速装置や後輪差動装置(後輪デフ装置)等を収容している。変速装置は、トラクタ1の走行速度を変更する装置であって、主変速装置と副変速装置とを含む。車体2の後方(ミッションケース7の後方)にはPTO軸(リヤPTO)9が突出している。また、図示していないが、車体2の前方にもPTO軸(フロントPTO)が突出している。リヤPTO及びフロントPTOは、PTOクラッチ(図示略)を接続又は遮断することによって回転又は停止する。
走行装置3は、車体2の前部に設けられた前輪3Fと、車体2の後部に設けられた後輪3Rとを有している。前輪3Fは、車体フレーム5に支持されている。後輪3Rは、後輪差動装置の出力軸に支持されている。後輪3Rは、タイヤであってもよいし、クローラであってもよい。
連結部4は、車体2の後部に設けられている。連結部4は、圃場(農地)等に対して作業を行う作業装置(対地作業機)をトラクタ1の後部に連結するための部分である。作業装置は、例えばPTO軸9から伝達される駆動力によって駆動する。具体的には、作業装置は、耕耘機、散布機、播種機等であるが、これらに限定はされない。
連結部4は、油圧シリンダ等のアクチュエータにより駆動して作業装置を上昇又は下降させる昇降装置である(以下、「昇降装置4」ともいう)。本実施形態の場合、昇降装置4は、3点リンク機構であって、リフトアーム4a、ロアーリンク4b、トップリンク4c、リフトロッド4d、リフトシリンダ4eを有している。また、車体2の後部には、作業装置を水平に維持するための水平制御装置(モンロー)が設けられている。
車体2には、運転席10と、運転席10を囲うキャビン11が搭載されている。図1に示すように、運転席10は、背もたれ部10aと座部10bとを有している。運転席10の前方には、ステアリングホイール12が設けられている。
トラクタ1は、走行系や作業系の制御を行う制御装置(図示略)を備えている。制御装置は、演算部(CPU等)や記憶部(メモリ)等を備えており、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて所定の制御を実行する。より具体的には、制御装置は、運転席10の周囲に設置された操作具(レバー、スイッチ、ダイヤル等)を操作したときの操作信号や、車体2に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置は、操作具からの操作信号に基づく変速装置の変速(増速又は変速)に関する操作や、操作具からの操作信号に基づく昇降装置4の昇降に関する制御や、アクセルペダルセンサからの検出信号に基づくエンジン8の回転数の制御等を実行する。
<アームレスト>
図1に示すように、運転席10の一側方側には、アームレスト15が設けられている。アームレスト15は、長手方向が前後方向を向き、短手方向が車体幅方向を向いて配置されている。以下、アームレスト15の短手方向をアームレスト15の幅方向という。アームレスト15の幅方向は、アームレスト15の長手方向と直交する方向であって、車体幅方向と同じ方向である。また、本実施形態の場合、一側方側は右側であり、一側方側と反対側の他側方側は左側である。従って、アームレスト15の一側方側は運転席10側と反対側であり、アームレスト15の他側方側は運転席10側である。
図2~図8に示すように、アームレスト15は、本体16と、当該本体16に設けられた揺動操作部17、肘置き部18、操作具配置部19を有している。本体16は、上面16a、下面16b、左側面16c、右側面16d、前面16e、後面16fを有している。
図6に示すように、上面16aは、上方に向けて凸状に緩やかに湾曲している。上面16aは、前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。下面16bは、前部16b1に比べて後部16b2が上方に凹んでいる。これにより、アームレスト15の下面16bが運転席10に着座した作業者の膝(右膝)と接触することが回避される。下面16bの後部16b2には、アームレスト15を運転席10の側部に取り付けるための取付具39が設けられている。
左側面16cは、上面16aの左部と下面16bの左部とを接続している。右側面16dは、上面16aの右部と下面16bの右部とを接続している。前面16eは、上面16aの前部、下面16bの前部、左側面16cの前部、右側面16dの前部を接続している。後面16fは、上面16aの後部、下面16bの後部、左側面16cの後部、右側面16dの後部を接続している。
図4に示すように、左側面16cの前部は、前方に向かうにつれて運転席10側と反対側(右側)に移行するように傾斜する傾斜面16c1となっている。図7に示すように、左側面16cは、下方に向かうにつれて右方に移行するように傾斜している。右側面16dは、下方に向かうにつれて左方に移行するように傾斜している。図5、図6に示すように、前面16eの下部は、下方に向かうにつれて後方に移行するように傾斜している。前面16eの上部は、上方に向かうにつれて後方に移行するように傾斜している。後面16fの下部は、下方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜している。後面16fの上部は、上方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜している。
図3、図4、図6に示すように、アームレスト15の側面には、凹み部15aが設けられている。凹み部15aは、アームレスト15の運転席10側と反対側の側面(本体16の右側面16d)に設けられている。凹み部15aは、前後方向の長さが上方から下方に向かうにつれて次第に広くなっており、側面視にて略台形状である。凹み部15aは、右側面16dから左方に向けて最も深く凹んだ平面部15a1と、右側面16dから平面部15a1に至るように次第に深くなるように傾斜した傾斜部15a2とを有している。
凹み部15aは、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域と重なる領域に設けられている。尚、「Aが、前後方向においてBと重なる」とは、AとBの前後方向の位置のみを比較したときに、AとBとが重なることを意味する。
具体的には、凹み部15aが設けられる領域は、以下の5つの場合のいずれかである。
第1の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部と後端部の間に位置し、且つ凹み部15aの後端部が操作具配置部19が設けられた領域の後端部よりも後方に位置する場合である。つまり、凹み部15aが、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域に対して後方にずれて重なっている場合である。図示された本実施形態は、この「第1の場合」に該当する。
第2の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部よりも前方に位置し、且つ凹み部15aの後端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部と後端部の間に位置する場合である。つまり、凹み部15aが、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域に対して前方にずれて重なっている場合である。
第3の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部よりも前方に位置し、且つ凹み部15aの後端部が操作具配置部19が設けられた領域の後端部よりも後方に位置する場合である。つまり、凹み部15aが、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域を前方及び後方に越えて長く延びている場合である。
第4の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部及び後端部の両方が操作具配置部19が設けられた領域の前端部と後端部の間に位置する場合である。つまり、凹み部15aが、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域を前方にも後方にも越えずに短く延びている場合である。
第5の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部と一致し、且つ凹み部15aの後端部が操作具配置部19が設けられた領域の後端部と一致する場合である。つまり、凹み部15aが設けられる領域が、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域と一致している場合である。
図13に示すように、操作具配置部19には、複数の操作具61~75が配置されている。複数の操作具の一部(操作具69と操作具70、操作具66~68、操作具64と操作具65、操作具61~63)は、前後方向に並んで配置されている。また、複数の操作具の一部(例えば、操作具69と操作具66と操作具61)は、車体幅方向に並んで配置されている。別の言い方をすれば、複数の操作具の一部(例えば、操作具69と操作具66と操作具61)は、凹み部15aが設けられた側面(右側面16d)の側から当該側面と反対側の側面(左側面16c)側に向けて並んで配置されている。
凹み部15aは、前後方向において、前後方向に並んで配置された複数の操作具(操作具69と操作具70、操作具66~68、操作具64と操作具65、操作具61~63)と重なる領域に設けられている。詳しくは、凹み部15aは、前後方向において、前後方向に並んで配置された複数の操作具(操作具69と操作具70、操作具66~68、操作具64と操作具65、操作具61~63)の全長にわたって設けられている。言い換えれば、凹み部15aの前端部は、前後方向に並んで配置された複数の操作具の前端部よりも前方に位置し、凹み部15aの後端部は、前後方向に並んで配置された複数の操作具の後端部よりも後方に位置している。また別の言い方をすれば、凹み部15aは、前後方向において、後述する第1操作具群60Aが設けられた範囲の全長にわたって設けられている。
凹み部15aは、運転席10に着座した運転者が、操作具配置部19に配置された操作具を操作するときに親指を除く4指を引っ掛けることが可能な大きさに形成されている。そのため、凹み部15aの前後方向の長さは、親指を除く4指を引っ掛けることが可能な長さに設定されている。凹み部15aは、前後方向において、肘置き部18と操作具配置部19とに跨る範囲に設けられている。
アームレスト15の側面に凹み部15aが設けられていることにより、運転者(作業者)は凹み部15aに親指以外の指を引っ掛けた状態で、操作具配置部19に配置された操作具を親指等で操作することができる。そのため、操作具配置部19に配置された操作具を安定して確実に操作することが可能となる。
<揺動操作部>
図2~図8に示すように、揺動操作部17は、アームレスト15の前部に設けられている。揺動操作部17は、台座20と操作レバー21とを有している。
台座20は、操作レバー21の基部(下部)を支持する部分である。台座20は、アームレスト15の前部に隆起して設けられている。台座20は、本体16の上面16aから上方に隆起している。台座20は、肘置き部18の上面18aより高く隆起している。言い換えれば、台座20の上端部の高さ(上面16aからの高さ)は、肘置き部18の上面18aの高さよりも高い。台座20は、略四角錐台状に形成されており、上方に向かうにつれて細くなっている。台座20は、上面20a、前面20b、後面20c、左面20d、右面20eを有している。前面20bと後面20cとの間の距離、及び、左面20dと右面20eとの間の距離は、上方に向かうにつれて狭くなっている。図11に示すように、台座20の上面20aは、上方に向けて凸状の円弧状に湾曲している。
台座20は、硬質素材から形成されており、操作レバー21を揺動したときに変形しない。図11に示すように、台座20の上面20aには、開口部20fが形成されている。開口部20fは、前後方向に延びる長円形状に形成されている。
操作レバー21は、アームレスト15の上面(本体16の上面16a)から上方に突出して設けられている。図4、図5に示すように、操作レバー21は、揺動体22とグリップ23とを有している。
図5に示すように、揺動体22は、台座20に挿通された軸体であって、操作レバー21の揺動軸(揺動する軸)である。揺動体22は、前後方向に揺動可能である。揺動体22は、台座20の上面20aを貫通して上方に突出している。図11に示すように、揺動体22の上部の周囲は、下部にスカート22aを有するカバーより被覆されている。スカート22aは、台座の上面20aに沿って湾曲している。スカート22aは、操作レバー21の揺動に伴って台座の上面20aに沿って移動する。
図4に示すように、操作レバー21の揺動軸である揺動体22は、アームレスト15の運転席10側の側面(左側面16c)よりも運転席10側と反対側の側面(右側面16d)に近い位置に配置されている。別の言い方をすれば、揺動体22は、アームレスト15の車体幅方向の中心に対して右側に偏位した位置にある。
揺動体22の下部は、アームレスト15の内部に設けられた横軸(車体幅方向に延びる軸)21a(図5参照)に揺動可能に支持されている。横軸21aは、揺動体22の揺動支点となる軸である。操作レバー21(揺動体22及びグリップ23)は、横軸21a回りの前後方向の揺動操作が可能である。操作レバー21を前後方向に揺動操作することにより、変速装置(主変速装置)を作動させて変速操作を行うことが可能である。つまり、操作レバー21は、前方又は後方への揺動によって変速装置に増速又は減速を実行させるレバーである。具体的には、操作レバー21を前方に揺動することによって、変速装置に増速操作を実行させることができる。操作レバー21を後方に揺動することによって、変速装置に減速操作を実行させることができる。
上記制御装置は、操作レバー21の操作に基づいて変速装置(主変速装置)の駆動を制御する。具体的には、制御装置は、操作レバー21が前方に揺動操作された場合には変速装置に増速操作を実行させ、操作レバー21が後方に揺動操作された場合には変速装置に減速操作を実行させる。
操作レバー21は、操作を止めると操作位置(前方又は後方へ揺動させた位置)から非操作位置(揺動操作前の位置)に復帰する自己復帰型のレバーである。操作レバー21を前方又は後方に揺動させて操作位置とすると変速装置のON操作が行われて変速が実行される状態となり、操作レバー21から手を離すと操作レバー21は非操作位置に戻って変速装置のOFF操作が行われて変速が実行されない状態となる。
操作レバー21は、前方に揺動したときには揺動体22が開口部20fの前縁に当たって止まり、後方に揺動したときには揺動体22が開口部20fの後縁に当たって止まる。つまり、操作レバー21の前後方向の揺動は、開口部20fにより規制される。
図5に示すように、グリップ23は、揺動体22の上部に設けられている。図7、図9、図11、図13に示すように、グリップ23は、握り部24、操作部25、延出部26を有している。握り部24は、運転席10に着座した作業者が片手(右手)で握る部分である。操作部25は、握り部24を握った作業者が親指を伸ばして操作を行うための部分である。延出部26は、握り部24を握った作業者が掌の小指側(小指球)等を載せるための部分であり、握り部24を握った掌が下方及び側方にずれ落ちないように支持する。握り部24と操作部25と延出部26とは、一体的に形成されている。
先ず、グリップ23の握り部24の形状について説明する。
握り部24は、グリップ23の一側方側(右側)に設けられている。言い換えれば、握り部24は、グリップ23の運転席10側と反対側に設けられている。図7~図13に示すように、握り部24は、表面24a、裏面24b、上面24c、下面24d、左側面24e、右側面24f、角縁面24gを有している。
握り部24の表面24aは、グリップ23の表面(運転席10に着座した作業者に対向する面)の右部を構成している。表面24aは、握り部24を握る際に掌が当たる部分である。図10に示すように、表面24aは、他側方側(左側)から一側方側(右側)に向けて湾曲して延びる湾曲面である。以下、握り部24の表面24aを「湾曲面24a」という。図10に示すように、湾曲面24aは、後方に向けて膨らむように凸状に湾曲している。湾曲面24aの右部は、左側から右側に向かうにつれて後方から前方に移行している。また、図11、図12に示すように、湾曲面24aは、後方から前方に向かうにつれて下方から上方に移行するように傾斜しながら湾曲している。
図9等に示すように、湾曲面24aは、側縁部24h、上縁部24i、下縁部24j、角縁部24k、湾曲縁24rを有している。側縁部24h、上縁部24i、下縁部24j、角縁部24k、湾曲縁24rによって、湾曲面24aの外縁部が構成されている。
側縁部24hは、第1側縁部24h1と第2側縁部24h2とを含む。第1側縁部24h1は、湾曲面24aの一側方側(右側)の縁部を構成している。第2側縁部24h2は、湾曲面24aの他側方側(左側)の縁部を構成している。上縁部24iは、湾曲面24aの上側の縁部を構成している。下縁部24jは、湾曲面24aの下側の縁部を構成している。角縁部24kは、側縁部(第1側縁部)24h1と上縁部24iとを繋いでおり、湾曲面24aの一側方側(右側)の上角の縁部を構成している。湾曲縁24rは、側縁部(第1側縁部)24h1と下縁部24jとを繋いでおり、湾曲面24aの一側方側(右側)の下角の縁部を構成している。
第1側縁部24h1、第2側縁部24h2、上縁部24i、下縁部24j、角縁部24k、湾曲縁24rは、湾曲している。
第1側縁部24h1は、上方から下方に向けて延びている。図9等に示すように、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かう中途部で僅かに一側方(右方)に膨らむように凸状に湾曲している。また、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かうにつれて他側方(左方)から一側方(右方)に移行している。図12等に示すように、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かうにつれて前方から後方に移行している。
第2側縁部24h2は、上方から下方に向けて延びている。図9等に示すように、第2側縁部24h2は、上方から下方に向かうにつれて一側方(右方)から他側方(左方)に移行している。第1側縁部24h1と第2側縁部24h2との間の距離は、上方から下方に向かうにつれて次第に拡がっている。図11等に示すように、第2側縁部24h2は、上方から下方に向かうにつれて前方から後方に移行している。第2側縁部24h2は、上方から下方に向かう中途部で上後方に膨らむように凸状に湾曲している。当該湾曲は、上方から下方に向かうにつれて急激となっている。
図9等に示すように、上縁部24iは、他側方(左方)から一側方(右方)に向けて延びており、他側方から一側方に向かうにつれて上方から下方に移行するように傾斜しながら湾曲している。図10等に示すように、上縁部24iは、一側方(右方)から他側方(左方)に向かう中途部で後方に膨らむように凸状に湾曲している。
図9等に示すように、下縁部24jは、他側方(左方)から一側方(右方)に向けて延びている。下縁部24jは、他側方から一側方に向かう中途部で後方に膨らむように凸状に湾曲している。
図9等に示すように、角縁部24kは、第1側縁部24h1と上縁部24iとを滑らかな曲線で繋ぐように湾曲している。角縁部24kは、第1側縁部24h1及び上縁部24iに比べて小さい曲率半径で湾曲している。言い換えれば、角縁部24kは、第1側縁部24h1及び上縁部24iに比べて急激に湾曲している。
図9等に示すように、湾曲縁24rは、下縁部24jの右端と第1側縁部24h1の下縁とを連絡している。湾曲縁24rは、右下方(右後方)に向けて凸状に膨らむ円弧状に形成されている。
図9~図11に示すように、握り部24の左側面24eは、操作部25から握り部24の湾曲面24aに向けて立ち上がっている。以下、握り部24の左側面24eを「起立面24e」という。起立面24eは、湾曲面24aに掌を当てて握り部24を握った際に、親指で触ることができる部分である。起立面24eは、操作部25と湾曲面24aの第2側縁部24h2とを繋いでいる。図10に示すように、起立面24eは、操作部25から湾曲面24aに向けて起立するにつれて他側方(左方)から一側方(右方)に向かうように僅かに傾斜している。起立面24eの下縁部は、操作部25の表面25aと繋がっている。起立面24eの上縁部は、握り部24の上面24cと繋がっている。起立面24eの右縁部は、湾曲面24aの第2側縁部24h2と繋がっている。
握り部24の上面24cは、グリップ23の上面の右部を構成している。図9等に示すように、握り部24の上面24cは、他側方(左方)から一側方(右方)に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。また、上面24cは、湾曲面24aの上縁部24iの湾曲に沿って湾曲している。図11、図12に示すように、上面24cは、前方から後方に向かうにつれて下方から上方に移行しており、上方から下方に向かう中途部で上前方に膨らむように凸状に湾曲している。上面24cの前縁部は、湾曲面24aの上縁部24iと繋がっている。上面24cの後縁部は、裏面24bと繋がっている。上面24cの左縁部は、起立面24eの上縁部と繋がっている。また、上面24cの左縁部は、操作部25の上面25cとも繋がっている。
握り部24の右側面24fは、グリップ23の右側面の上部を構成している。図8等に示すように、握り部24の右側面24fは、湾曲面24aの第1側縁部24h1の湾曲に沿って湾曲している。詳しくは、右側面24fは、上方から下方に向けて延びており、上方から下方に向かうにつれて一側方(右方)に移行している。起立面24eと右側面24fとの間の距離は、上方から下方に向かうにつれて次第に拡がっている。右側面24fの下部は、後述する延出部26の側方部位26Bの側面の上部と繋がっている。
図9等に示すように、握り部24の角縁面24gは、上面24cと右側面24fとを繋いている。角縁面24gは、湾曲面24aの角縁部24kの湾曲に沿って湾曲している。角縁面24gは、上面24cと右側面24fとを滑らかな曲面で繋ぐように湾曲している。角縁面24gは、上面24c及び右側面24fに比べて小さい曲率半径で湾曲している。言い換えれば、上面24c及び右側面24fが緩やかに湾曲しているのに対して、角縁面24gは急激に湾曲している。
握り部24の裏面24bは、グリップ23の裏面の右部を構成している。裏面24bは、湾曲面24aに掌を当てて握り部24を握った際に、親指以外の指先が当たる部分である。図12に示すように、握り部24の裏面24bは、後方から前方に向かうにつれて下方から上方に移行するように傾斜している。また、図10に示すように、裏面24bは、一側方(左方)から他側方(右方)に向かうにつれて前方から後方に移行するように傾斜している。裏面24bの上縁部は、上面24cと繋がっている。裏面24bの下縁部は、下面24dと繋がっている。裏面24bの左縁部は、操作部25の裏面25bと繋がっている。裏面24bの右縁部は、右側面24f及び延出部26の側方部位26Bと繋がっている。裏面24bの角縁部は、角縁面24gと繋がっている。図12に示すように、裏面24bには、後述する案内凹部37及び操作スイッチ36が設けられている。
握り部24の下面24dは、グリップ23の下面の右部を構成している。図11、図12に示すように、握り部24の下面24dには、揺動体22の上端部が接続されている。下面24dの前縁部は、裏面24bと繋がっている。下面24dの後縁部は、延出部26の下面と繋がっている。下面24dの左縁部は、操作部25の下面25dと繋がっている。下面24dの右縁部は、右側面24f及び延出部26の側面と繋がっている。
次に、グリップ23の操作部25の形状について説明する。
操作部25は、グリップ23の他側方側(左側)に設けられている。言い換えれば、操作部25は、グリップ23の運転席10側に設けられている。
図7~図12に示すように、操作部25は、表面25a、裏面25b、上面25c、下面25d、左側面25eを有している。以下、握り部24の表面24a等との区別を明確化するために、操作部25の表面25aを「第2表面25a」、裏面25bを「第2裏面25b」、上面25cを「第2上面25c」、下面25dを「第2下面25d」、左側面25eを「第2左側面25e」という場合がある。
第2表面25aは、グリップ23の表面の左部を構成している。第2表面25aは、湾曲面24aに掌を当てて握り部24を握った際に、親指を伸ばして触ることができる部分である。図11等に示すように、第2表面25aは、後方から前方に向かうにつれて下方から上方に移行するように傾斜している。図7、図10、図11等に示すように、第2表面25aは、他側方(左方)から一側方(右方)に向かうにつれて前方から後方に向かうように傾斜している。図10等に示すように、第2表面25aは、握り部24の表面である湾曲面24aよりも前方に位置している。第2表面25aには、後述する複数の操作スイッチ30、31、32、34、35が設けられている。
第2上面25cは、グリップ23の上面の左部を構成している。図9等に示すように、第2上面25cは、他側方(左方)から一側方(右方)に向かうにつれて下方から上方に向かうように傾斜している。握り部24の上面24cと操作部25の上面(第2上面)25cとは、握り部24と操作部25との境界付近を頂点29として山形状に連なっている。
第2下面25dは、グリップ23の下面の左部を構成している。図9等に示すように、第2下面25dは、他側方(左方)から一側方(右方)に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。第2上面25cと第2下面25dとの間の距離は、他側方から一側方に向かうにつれて次第に拡がっている。第2下面25dは、握り部24の下面24d及び延出部26(後方部位26A)の下面と繋がっている。
第2左側面25eは、グリップ23の左側面を構成している。第2左側面25eの上部は、第2上面25cの左部と繋がっている。第2左側面25eの下部は、第2下面25dの左部と繋がっている。第2左側面25eと第2上面25cとの境界部、第2左側面25eと第2下面25dとの境界部は、それぞれ湾曲している。
第2裏面25bは、グリップ23の裏面の左部を構成している。図10、図12に示すように、第2裏面25bは、ごく緩やかに湾曲する概ね平坦な面である。第2裏面25bの上縁部は、第2上面25cと繋がっている。第2裏面25bの下縁部は、第2下面25dと繋がっている。第2裏面25bの左縁部は、第2左側面25eと繋がっている。第2裏面25bの右縁部は、握り部24の裏面24bと繋がっている。
図7、図9~図12等に示すように、延出部26は、握り部24の下部及び右部から延出し、後方(後下方)及び右方に延びている。図9に示すように、握り部24から延出部26へと移行する部分には、帯状の移行領域23aが形成されている。図11に示すように移行領域23aは、側面視にて円弧状に湾曲している。
図9等に示すように、延出部26は、後方部位26Aと側方部位26Bとを有している。
後方部位26Aは、握り部24の下部(湾曲面24aの下縁部24j)から後方に延出されている。後方部位26Aは、他側方(左方)から一側方(右方)に向けて延びており、他側方から一側方に向かうにつれて後方に移行している。後方部位26Aの他側方側の部分(左部)は、湾曲面24a及び起立面24eよりも他側方(左方)まで延びており、連絡面27を介して操作部25の表面(第2表面)25aと繋がっている。図9に示すように、握り部24の下部から延出された延出部26(後方部位26A)は、一側方側(右側)の延出幅W1が他側方側(左側)の延出幅W2よりも広い(W1>W2)。
図9に示すように、側方部位26Bは、握り部24の一側方側(右側)の縁部(第1側縁部24h1)から一側方側(右側)に延出されている。後方部位26Aと側方部位26Bは、握り部24の下部から一側方側(右側)にわたって連続して設けられている。延出部26の幅は、握り部24の一側方側の下部(右下部)において最も広くなっている。言い換えれば、延出部26の幅は、後方部位26Aと側方部位26Bとの境界において最も広くなっている。側方部位26Bは、握り部24の一側方側(右側)において、下端部から上下方向の中途部までの範囲に設けられている。つまり、側方部位26Bは、握り部24の一側方側(右側)の上部には設けられていない。
図9に示すように、側方部位26Bの上部の側面は、握り部24の右側面24fと繋がっている。握り部24の右側面24fから延出部26の側方部位26Bに移行する部分には、略V字状(谷状)に屈曲する屈曲部24mが形成されている。屈曲部24mは、鈍角のV字状に凹んでいる。握り部24を握ったときに屈曲部24mに指を当てることで、手の位置を定めることができる。これにより、握り部24を握った手が滑りにくい。また、握り部24を握った状態で手の位置が安定するため、操作部25及び起立面24eに設けられた操作スイッチ30~35に親指を伸ばして操作することが容易となる。
図7、図9~図12に示すように、グリップ23は、滑り止め部28を有している。
滑り止め部28は、ゴム等の滑り止め機能を有する素材から構成されている。滑り止め部28の表面の摩擦係数は、握り部24の表面(滑り止め部28が設けられていない部分の表面)の摩擦係数よりも大きい。滑り止め部28は、例えば、ゴム板等の滑り止め部材を握り部24の表面に貼付する、滑り止め部材を握り部24の表面に埋め込む等の方法により構成される。滑り止め部28が設けられることにより、握り部24を握って操作レバー21を操作するとき等に手が滑ることが防止される。これにより、操作レバー21の確実な操作が可能となると共に、握り部24を強く握る必要がないため手の疲れが生じにくい。
滑り止め部28は、握り部24から延出部26の表面にわたって(跨って)設けられている。具体的には、滑り止め部28は、握り部24の湾曲面24aから延出部26(後方部位26A及び側方部位26B)の表面にわたって設けられている。以下、滑り止め部28のうち、握り部24の湾曲面24aに設けられた部分を「滑り止め部28a」、延出部26の表面に設けられた部分を「滑り止め部28b」という。
滑り止め部28aは、握り部24の湾曲面24aの表面の大部分の領域にわたって設けられている。具体的には、滑り止め部28aの上縁部は、湾曲面24aの上縁部24iの近傍に位置している。滑り止め部28aの右上の縁部は、湾曲面24aの角縁部24k及び第1側縁部24h1の近傍に位置している。滑り止め部28aの左縁部は、湾曲面24aの第2側縁部24h2の近傍に位置している。滑り止め部28aの右下の縁部及び下縁部は、湾曲面24aの下縁部24j及び湾曲縁24rを越えて延びている。これにより、握り部24を握った掌の大部分が滑り止め部28aに接触するため、操作スイッチ等の操作中に掌が滑って誤操作することを効果的に防ぐことができる。
滑り止め部28bは、延出部26の後方部位26A及び側方部位26Bに設けられている。滑り止め部28bは、湾曲面24aの下縁部24j、第1側縁部24h1、湾曲縁24rを越えて後方部位26A及び側方部位26Bの表面まで延びている。滑り止め部28bは、延出部26の大部分の領域にわたって設けられている。具体的には、滑り止め部28bは、延出部26の後方部位26Aの後縁部及び側方部位26Bの側縁部の近傍まで延びている。これにより、滑り止め部28aは、延出部26が有する機能である、握り部24を握った掌が下方及び側方にずれ落ちないように支持する機能を確実に発揮させることができる。
次に、グリップ23に設けられた操作スイッチについて説明する。
グリップ23には、複数の操作スイッチが設けられている。複数の操作スイッチは、握り部24と操作部25にそれぞれ設けられている。
図7、図9~図11に示すように、操作部25には、複数の操作スイッチ30、31、32、34、35が設けられている。複数の操作スイッチ30、31、32、34、35は、操作部25の表面(第2表面)25aに設けられている。具体的には、操作スイッチ30、31、32は、操作部25の表面(第2表面)25aの上部に設けられている。操作スイッチ34、35は、第2表面25aの下部に設けられている。
複数の操作スイッチ30、31、32、34、35は、握り部24を右手で握った作業者が親指を伸ばして操作できる範囲に配置されている。操作スイッチ30、31は、シーソースイッチである。操作スイッチ32、34、35は、押しボタンスイッチである。
具体的には、操作スイッチ30は、変速装置を操作するシャトルスイッチ(走行車両1の前後進の切り換えスイッチ)である。操作スイッチ30の上部(「F」の部分)を押すことにより前進に切り換えられ、操作スイッチ30の下部(「R」の部分)を押すことにより後進に切り換えられる。
操作スイッチ31は、昇降装置4を駆動して作業装置を昇降させるポンパスイッチである。操作スイッチ31の上部を押すことにより作業装置が上昇し、操作スイッチ31の下部を押すことにより作業装置が下降する。
操作スイッチ32は、自動変速のオート/マニュアルの切り換えスイッチである。操作スイッチ32を押すことにより、オート変速モードとマニュアル変速モードとが切り換わる。オート変速モードでは、予め作業者が設定した車速段の範囲内で電子制御により最適な車速段が自動で選択される。マニュアル変速モードでは、作業者が手動で車速段を切り換えることができる。
操作スイッチ34、35は、エンジン回転数メモリスイッチであり、エンジン8の回転数を制御装置の記憶部に予め記憶されたエンジン回転数に設定する。操作スイッチ34は、押圧することにより、エンジン8の回転数を予め設定された第1回転数に設定することができる。操作スイッチ35は、押圧することにより、エンジン8の回転数を予め設定された第1回転数とは異なる第2回転数に設定することができる。
図9~図11に示すように、握り部24の起立面24eには、操作部25に設けられた操作スイッチ30、31、32、34、35とは異なる他の操作スイッチ33が設けられている。起立面24eに設けられた他の操作スイッチ33は、押しボタンスイッチである。
操作スイッチ33は、揺動体22の揺動の許否を切り換えるスイッチであり、具体的には、副変速牽制スイッチである。操作スイッチ33を押すことにより揺動体22の揺動が可能となる。操作スイッチ33を押しながら揺動体22を前方に揺動させると副変速段がシフトアップされ、後方に揺動させるとシフトダウンする。つまり、操作スイッチ33は、揺動体22の揺動による変速操作の許否を切り換えるスイッチである。
図9等に示すように、滑り止め部28は、少なくとも操作スイッチ30、31、32、33、34、35と上下方向にてオーバーラップする範囲にわたって設けられている。これにより、握り部24に右手の掌を当てて握りながら親指で操作スイッチ30~35を操作するときに、掌の滑りが抑制されるため、操作スイッチ30~35を確実に操作することができる。
図8、図12に示すように、握り部24の裏面24bにも、操作部25に設けられた操作スイッチ30、31、32、34、35とは異なる他の操作スイッチ36が設けられている。握り部24の裏面24bに設けられた操作スイッチ36は、押しボタンスイッチである。操作スイッチ36は、シャトルスイッチである操作スイッチ30の操作の許否を切り換えるシャトル牽制スイッチである。操作スイッチ(シャトル牽制スイッチ)36を押しながら操作スイッチ(シャトルスイッチ)30を操作することにより、前進と後進との切り換えが可能となる。
操作スイッチ36は、握り部24の裏面24bにおける運転席10と反対側(右側)の上角部24nに配置されている。上角部24nは、握り部24の湾曲面24aの角縁部24kの裏側に位置しており、角縁面24gと繋がっている。
図8、図10に示すように、操作スイッチ36は、裏面24bから突出していない。そのため、握り部24を握って操作レバー21を操作する際に、意図せずに操作スイッチ36を押してしまうことを防止できる。また、握り部24を握って操作レバー21を操作する際の操作感が、操作スイッチ36により損なわれることが防止できる。
図8、図12に示すように、操作スイッチ36の周囲の裏面24bには、円環状の隆起部24b1が形成されている。操作スイッチ36の表面は、隆起部24b1の内周縁に対して凹んで配置されている。隆起部24b1は、外周側から内周側(操作スイッチ36側)に向かうにつれて次第に盛り上がるように隆起している。これによって、隆起部24b1の盛り上がりに沿って指を滑らせることにより、指が自然と操作スイッチ36へと導かれる。
図8、図12に示すように、握り部24の裏面24bには、操作スイッチ36に向けて指を案内する案内凹部37が設けられている。操作スイッチ36は、握り部24を右手で握った状態において、右手の人差し指により操作される。案内凹部37は、握り部24を握った右手の人差し指を操作スイッチ36に向けて案内する。
案内凹部37は、握り部24の裏面24bから凹んで形成されている。案内凹部37は、裏面24bから最も深く凹んだ最深部37aと、この最深部37aの周囲に形成された傾斜部37bとを有している。傾斜部37bは、最深部37aに近づくにつれて次第に深くなるように傾斜している。傾斜部37bは、右上部において隆起部24b1の外周縁に繋がっている。これにより、傾斜部37bに沿って指を移動させることで、指が隆起部24b1の外周縁に導かれ、隆起部24b1により操作スイッチ36に向けて案内される。
案内凹部37は、握り部24の裏面24bにおいて上方(前方)から下方(後方)に向けて細長く延びている。案内凹部37の外縁部37cは、握り部24の裏面24bにおいて閉じた領域を形成している。案内凹部37の外縁部37cのうち、下縁部は、裏面24bの下縁部に到達しており、延出部26の後方部位26Aの裏面まで延びている。案内凹部37の外縁部37cのうち、上縁部、左縁部、右縁部は、それぞれ裏面24bの上縁部、左縁部、右縁部よりも内側に位置している。これにより、握り部24の裏面24bには、案内凹部37の外縁部37cが形成する閉じた領域の外側に、凹んでいない領域24pが形成されている。凹んでいない領域24pは、案内凹部37の外縁部37cの周囲(外側)にある。
<肘置き部>
次に、肘置き部18について説明する。
肘置き部18は、運転席10に着座した作業者が肘を置く部分である。肘置き部18は、全部又は一部(少なくとも上面)がクッション性のある素材から構成されている。
図2~図6に示すように、肘置き部18は、アームレスト15の後部に設けられている。肘置き部18は、アームレスト15の本体16に取り付けられており、本体16の上面16aの後部を覆っている。
肘置き部18は、操作レバー21の後方に配置されている。図4に示すように、操作レバー21は、肘置き部18の車体幅方向の中心に対して右方に偏位している。言い換えれば、車体幅方向において、操作レバー21の左端部(グリップ23の左端部)は肘置き部18の左端部よりも右方に位置し、操作レバー21の右端部(グリップ23の右端部)は肘置き部18の右端部よりも右方に位置している。
肘置き部18は、上面18a、左側面18b、右側面18c、前面18d、後面18eを有している。上面18aは、本体16の上面16aの上方に配置されている。上面18aは、略平坦な面であって、前方から後方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。前面18dは、上面18aの前部から下方に延びる面であって、下方に延びるにつれて前方に移行するように傾斜している。後面18eは、上面18aの後部から下方に延びる面であって、下方に延びるにつれて後方に移行するように傾斜している。左側面18bは、上面18aの左部から下方に延びる面であって、下方に延びるにつれて左方に移行するように傾斜している。左側面18bは、本体16の左側面16cよりも左方に位置している。右側面18cは、上面18aの右部から下方に延びる面であって、下方に延びるにつれて右方に移行するように傾斜している。
肘置き部18の前部には、上面18aから操作具配置部19に向けて下向きに傾斜する傾斜面18fが設けられている。傾斜面18fは、肘置き部18の右前部に設けられている。傾斜面18fは、アームレスト15の幅方向(車体幅方向)において、肘置き部18の凹み部15aが設けられた側(右側)に設けられている。傾斜面18fの右縁部は、右側面18cと繋がっている。また、アームレスト15の幅方向(車体幅方向)において、傾斜面18fの長さ(幅)は、アームレスト15の長さ(幅)の半分以上に設定されている。図13に示すように、傾斜面18fは、アームレスト15の幅方向において、後述する第6前部操作具66~第10前部操作具70と重なる範囲(一方側上面15Aから中間上面15Bにわたる範囲)にわたって延びている。
このように、操作具配置部19に向けて下向きに傾斜する傾斜面18fが肘置き部18の前部に設けられていることによって、肘置き部18よりも低い位置にある操作具配置部19に配置された操作具へのアクセスが容易となり、これらの操作具の操作性が向上する。特に、傾斜面18fが設けられた側(右側)にある操作具(第6前部操作具66~第10前部操作具70)の操作性が大きく向上する。
図4に示すように、傾斜面18fは、前後方向において、凹み部15aと重なる範囲に設けられている。詳しくは、傾斜面18fは、前後方向において、凹み部15aの前端部と後端部の間の領域に設けられている。
図3、図6に示すように、肘置き部18は、右側面18cの下部がヒンジ38により本体16と接続されている。これにより、肘置き部18は、ヒンジ38を支点として上方に回動することができる。肘置き部18を上方に回動させることにより、肘置き部18を本体16の右上方に退避させることができる。これにより、図15に示すように、肘置き部18により覆われていた本体16の後部の上面16aを開放することができる。
図15、図16に示すように、肘置き部18により覆われる本体16の後部の上面16aには、複数の操作具が設けられている。以下、この複数の操作具を「後部操作具群40」と称する。図15において、後部操作具群40を符号40が付された仮想線(二点鎖線)で囲んで示している。後部操作具群40は、本体16の後部に配置されている。後部操作具群40は、肘置き部18を使用しているときには肘置き部18により覆われており、肘置き部18を開放したときに露出して操作可能となる。
後部操作具群40は、互いに操作形態が異なる操作具群40Aと操作具群40Bとを含む。以下、説明の便宜上、操作具群40Aを「第3操作具群40A」、操作具群40Bを「第4操作具群40B」と称する。
第3操作具群40Aは、押圧により操作される複数の操作具を含む。具体的には、第3操作具群40Aは、第1後部操作具41、第2後部操作具42、第3後部操作具43、第4後部操作具44、第5後部操作具45、第6後部操作具46、第7後部操作具47、第8後部操作具48を含む。第1後部操作具41~第8後部操作具48は、押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)である。
第4操作具群40Bは、縦軸(上下方向の軸)回りの回転により操作される複数の操作具を含む。具体的には、第4操作具群40Bは、第9後部操作具49、第10後部操作具50、第11後部操作具51、第12後部操作具52、第13後部操作具53を含む。第9後部操作具49~第13後部操作具53は、縦軸回りの回転により操作を行う回転ダイヤルである。
第3操作具群40A(第1後部操作具41~第8後部操作具48)は、本体16の上面16aの左部(運転席10側)に配置されている。第4操作具群40B(第9後部操作具49~第13後部操作具53)は、本体16の上面16aの右部(運転席10側と反対側)に配置されている。つまり、押しボタンスイッチである第3操作具群40A(第1後部操作具41~第8後部操作具48)が上面16aの左部(運転席10側)に配置され、回転ダイヤルである第4操作具群40B(第9後部操作具49~第13後部操作具53)が上面16aの右部(運転席10側と反対側)に配置されている。これにより、運転席10に着座した作業者は、手指の自然な動きによって押しボタンスイッチと回転ダイヤルを容易に操作することができる。
第1後部操作具41は、自動変速のモード切り替えスイッチであって、押圧することにより走行に適した自動変速モードになる。第2後部操作具42は、自動変速のモード切り替えスイッチであって、押圧することにより圃場作業に適した自動変速モードになる。第3後部操作具43は、エンジン回転数を一定に保つ制御モードのON/OFFスイッチである。第4後部操作具44は、DHCスイッチであって、エンジンの負荷に応じて変速操作を円滑にする。第5後部操作具45及び第6後部操作具46は、エンジンメモリ調整スイッチであり、エンジン回転数メモリスイッチ(操作スイッチ34、35)による設定回転数(第1回転数、第2回転数)を調整する。具体的には、第5後部操作具45は設定回転数を減少させ、第6後部操作具46は設定回転数を増加させる。第7後部操作具47は、ドラフト制御とポジション制御とを切り換える切り換えスイッチである。第8後部操作具48は、予備スイッチであって、必要に応じて機能が付加される。
図15、図16に示すように、第1後部操作具41と第2後部操作具42、第3後部操作具43と第4後部操作具44、第5後部操作具45と第6後部操作具46、第7後部操作具47と第8後部操作具48は、それぞれアームレスト15の幅方向に並んでいる。また、第1後部操作具41、第3後部操作具43、第5後部操作具45、第7後部操作具47は、前後方向に並んでいる。第2後部操作具42、第4後部操作具44、第6後部操作具46、第8後部操作具48は、前後方向に並んでいる。
第9後部操作具49は、オート変速モード感度調整用の回転ダイヤルである。第10後部操作具50は、エンジン回転数の上限設定用の回転ダイヤルである。第11後部操作具51は、ドラフト比調整用の回転ダイヤルである。第12後部操作具52は、3P(リフトアーム)の上限調整用の回転ダイヤルである。第13後部操作具53は、作業装置の落下速度調整用の回転ダイヤルである。
後部操作具群40に含まれる複数の後部操作具は、原則的には、走行しながら使用しない操作具である。後部操作具群40は、作業車両1の走行時には肘置き部18により覆われるため、走行時に意図せずに接触して操作されてしまうことを防止できる。また、後部操作具群40は、作業車両1の走行を停止してから肘置き部18を開放して使用すればよいため、走行時に肘置き部18により覆われていても操作性の低下は生じない。但し、後部操作具群40に含まれる具体的な後部操作具の種類及び数は、上述した後部操作具の種類及び数には限定されない。
図15に示すように、後部操作具群40の後方には、収納部55が設けられている。収納部55は、本体16の上面16aから凹んだ空間を有しており、当該空間には例えばスマートフォン(多機能携帯電話)等の物品を収納可能である。収納部55は、肘置き部18を使用しているときには肘置き部18により覆われており、肘置き部18を開放した状態において物品の出し入れが可能である。
<操作具配置部>
図2~図6、図13に示すように、操作具配置部19には、複数の操作具が配置されている。以下、操作具配置部19に配置された複数の操作具を「前部操作具群60」と称する。図13において、前部操作具群60を符号60が付された仮想線で囲んで示している。前部操作具群60は、後部操作具群40の前方に配置されている。操作具配置部19に配置された前部操作具群60に含まれる操作具は、肘置き部18により覆われる後部操作具群40に含まれる操作具に比べて操作頻度が多い操作具である。
操作具配置部19は、アームレスト15の前方寄りの位置に設けられている。具体的には、操作具配置部19は、揺動操作部17の後方且つ肘置き部18の前方に設けられている。言い換えれば、操作具配置部19は、揺動操作部17と肘置き部18との間に設けられている。図13、図14に示すように、操作具配置部19は、アームレスト15の本体16の上面16aに設けられた第1配置部19Aと、アームレスト15の本体16の側面(左側面16c)に設けられた第2配置部19Bとを含む。第1配置部19Aは、本体16の上面16aのうち、揺動操作部17と肘置き部18との間に位置する部分にある上面に位置している。第2配置部19Bは、本体16の側面(左側面16c)のうち、揺動操作部17と肘置き部18との間に位置する部分にある側面(後述する部分側面16g)に位置している。
図14に示すように、前部操作具群60は、第1操作具群60Aと第2操作具群60Bと第3操作具群60Cとを含む。図14において、第1操作具群60Aを符号60Aが付された仮想線で、第2操作具群60Bを符号60Bが付された仮想線で、第3操作具群60Cを符号60Cが付された仮想線で、それぞれ囲んで示している。
第1操作具群60Aは、操作具配置部19の第1配置部19Aの後部に配置されている。第2操作具群60Bは、操作具配置部19の第1配置部19Aの前部に配置されている。つまり、操作具配置部19の第1配置部19Aにおいて、第2操作具群60Bは第1操作具群60Aよりも前方に配置されている。第3操作具群60Cは、操作具配置部19の第2配置部19Bに配置されている。第3操作具群60Cは、アームレスト15の幅方向に並んでおり、前後方向において第2操作具群60Bの後方に配置されている。
先ず、第1操作具群60Aについて説明する。
図14に示すように、第1操作具群60Aは、第1前部操作具61、第2前部操作具62、第3前部操作具63、第4前部操作具64、第5前部操作具65、第6前部操作具66、第7前部操作具67、第8前部操作具68、第9前部操作具69、第10前部操作具70から構成される。
第1前部操作具61~第8前部操作具68は、押圧操作具としての押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)である。つまり、第1操作具群60Aは、押圧により操作される複数の操作具を含む。詳しくは、第1前部操作具61~第5前部操作具65は、走行による操作を押圧により行う走行系押圧操作具である。第6前部操作具66~第8前部操作具68は、作業に関する操作を押圧により行う作業系押圧操作具である。
第1前部操作具61は、2WD/4WD切り換えスイッチ(マニュアル)であり、押すことによって2WDと4WDとを切り換えることができる。第2前部操作具62は、2WD/4WD切り換えスイッチ(自動)であり、押すことによって車速と前輪の切れ角等に応じて2WDと4WDとが自動的に切り換わる。第3前部操作具63は、倍速スイッチであり、押すことによって旋回時前輪を速く回して小回りの旋回が可能となる。第4前部操作具64は、デフロックスイッチ(マニュアル)である。第5前部操作具65は、デフロックスイッチ(自動)である。
第6前部操作具66は、3Pリンクロックスイッチであり、押すことによって作業装置が下降しないように昇降装置4をロックすることができる。第7前部操作具67及び第8前部操作具68は、昇降装置4を駆動して作業装置を昇降させるポンパスイッチである。第7前部操作具67を押すと、昇降装置4は作業装置を下降させる。第8前部操作具68を押すと、昇降装置4は作業装置を上昇させる。
第1前部操作具61~第6前部操作具66は、それぞれ押圧操作部80と表示部81と突起82とを有している。以下、押圧操作部80と表示部81と突起82とを有する操作具を「一の操作具」という場合がある。
第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)は、平面視にて長手方向(長辺)と短手方向(短辺)を有する長方形状である。本実施形態の場合、長手方向が前後方向、短手方向が車体幅方向である。表示部81と突起82と押圧操作部80は、前方から後方に向けてこの順番に並んでいる。
押圧操作部80は、押圧により操作される部分である。押圧操作部80は、突起82よりも長手方向の他方側(後側)に設けられた押圧可能な(押圧により動く)部分である。押圧操作部80には、操作の内容を表すシンボルマーク(図柄)Mが記載されている。第1前部操作具61~第6前部操作具66には、それぞれ異なるシンボルマークMが記載されている。
表示部81は、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)の長手方向の一方側に設けられた押圧不能な(押圧しても動かない)部分である。表示部81は、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを示す。操作状態は、押圧操作部80が押圧されている状態(機能を発揮している状態)である。非操作状態は、押圧操作部80が押圧されていない状態(機能を発揮していない状態)である。表示部81は、点灯可能なLED等のランプから構成されている。表示部81を構成するランプは、操作状態において点灯し、非操作状態において消灯する。つまり、表示部81は、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを点灯と消灯の切り換えによって示すインジケータである。作業者は、表示部81が点灯状態にあるか消灯状態にあるかを見ることによって、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを把握可能である。つまり、表示部81の表示の切り換わりによって、操作に関するフィードバックを操作者(運転者)に伝えることができる。
また、押圧操作部80のシンボルマークMは透過性を有しており、表示部81を構成するランプの光はシンボルマークMを透過する。これにより、夜間であってもシンボルマークMを視認することができる。
突起82は、押圧操作部80と表示部81との間に設けられており、押圧操作部80と表示部81とを区画している。突起82は、押圧操作部80と表示部81との間において直線状に延びている。突起82は、シンボルマークMとランプとを区画している。つまり、突起82は、シンボルマークとランプとの間に設けられている。
尚、上述した第1後部操作具41~第4後部操作具44、及び第7後部操作具47は、押圧操作部80と表示部81と突起82とを有しているため、「一の操作具」に含まれる。第1後部操作具41~第4後部操作具44、及び第7後部操作具47は、平面視にて長手方向(長辺)と短手方向(短辺)を有する長方形状であって、短手方向が前後方向、長手方向が車体幅方向である。表示部81と突起82と押圧操作部80は、右方から左方に向けてこの順番に並んでいる。
第7前部操作具67及び第8前部操作具68は、それぞれ押圧操作部80と突起82とを有しているが、表示部81を有していない。以下、押圧操作部80と突起82とを有するが、表示部81を有さない操作具を「他の操作具」という場合がある。第5後部操作具45及び第6後部操作具46も「他の操作具」に含まれる。
第7前部操作具67及び第8前部操作具68(他の操作具)の突起82は、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)の突起82とは異なる位置に設けられている。具体的には、第7前部操作具67及び第8前部操作具68(他の操作具)の突起82は、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)の突起82に比べてシンボルマークMから離れた位置に設けられている。第7前部操作具67及び第8前部操作具68(他の操作具)の突起82は、第1前部操作具61~第6前部操作具66(一の操作具)の突起82に比べて、操作具の長手方向(前後方向)の縁(前縁又は後縁)に近い位置にある。
第7前部操作具67に設けられた突起82と、第8前部操作具68に設けられた突起82とは、操作具の長手方向(前後方向)における位置が異なっている。具体的には、第7前部操作具67に設けられた突起82は操作具の長手方向の一方側(前側)に位置しており、第8前部操作具68に設けられた突起82は操作具の長手方向の他方側(後側)に位置している。つまり、第7前部操作具67と第8前部操作具68において、突起82は互いに反対方向に配置されている。
第7前部操作具67と第8前部操作具68とは、互いに反対方向の操作を行うための操作具である。具体的には、第7前部操作具67と第8前部操作具68とは、作業装置を互いに反対方向に移動(上昇又は下降)させる操作具(ポンパスイッチ)である。従って、互いに反対方向の操作を行うための操作具(第7前部操作具67、第8前部操作具68)において、突起82は互いに反対方向に配置されている。これにより、運転者(作業者)は、視覚により直感的に或いは指先で突起82の位置を確認することによって、操作具(第7前部操作具67、第8前部操作具68)による操作の内容を把握することが可能となる。
作業装置を下降させる操作具である第7前部操作具67と、作業装置を上昇させる操作具である第8前部操作具68は、前後方向に並んで配置されている。具体的には、第7前部操作具67が前方に配置され、第8前部操作具68が後方に配置されている。そして、前方に配置された第7前部操作具67の突起82は操作具の前側に位置し、後方に配置された第8前部操作具68の突起82は操作具の後側に位置しているため、第7前部操作具67の突起82と第8前部操作具68の突起82との間が広くあいている。これにより、第7前部操作具67の突起82と第8前部操作具68の突起82とを、視覚的に或いは指先の触覚により明確に判別することが可能となる。その結果、2つの操作具67,68を明確に判別することが可能となり、誤操作のリスクを低減することができる。
また、運転者は、上述した突起82の位置の違いや表示部81の有無によって、操作具の種類を直感的に判別することが可能となり、操作性を向上させることができる。
第9前部操作具69及び第10前部操作具70は、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転操作具である。つまり、前部操作具群60は、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転操作具(第9前部操作具69、第10前部操作具70)を含む。回転操作具69,70は、操作具配置部19の右後部に配置されている。第9前部操作具69は、ドラフト比の調整ダイヤルである。第10前部操作具70は、昇降装置4を駆動して作業装置による作業深さ(耕耘機による耕耘深さ)を調整する耕深調整ダイヤルである。
図13、図14に示すように、アームレスト15の表面(上面16a)は、一方側上面15Aと中間上面15Bと他方側上面15Cとを含む。一方側上面15Aと中間上面15Bと他方側上面15Cとは、操作具配置部19に設けられている。言い換えれば、操作具配置部19が設けられた上面は、一方側上面15Aと中間上面15Bと他方側上面15Cとを有している。一方側上面15Aと中間上面15Bと他方側上面15Cは、操作具配置部19のうち、第1配置部19Aの後部にあって第1操作具群60Aが配置された領域である。
一方側上面15Aは、運転席10側と反対側(凹み部15aが設けられた側)に設けられた領域である。他方側上面15Cは、運転席10側(凹み部15aが設けられた側と反対側)に設けられた領域である。中間上面15Bは、一方側上面15Aと他方側上面15Cとの間に設けられた領域である。
図2、図3に示すように、一方側上面15Aと中間上面15Bと他方側上面15Cとは、それぞれ高さが異なっている。具体的には、中間上面15Bは、一方側上面15Aよりも高く且つ他方側上面15Cよりも低い。つまり、一方側上面15A、中間上面15B、他方側上面15Cは、一方側上面15Aが最も低く、中間上面15Bが次に低く、他方側上面15Cが最も高い階段状に形成されている。そのため、操作具配置部19が設けられた上面16aは、アームレスト15の幅方向において、凹み部15aが設けられた側の領域(一方側上面15A)の高さが、凹み部15aが設けられた側と反対側の領域(他方側上面15C)の高さに比べて低い。中間上面15Bの高さは、肘置き部18の傾斜面18fの下端部(前端部)の高さと略等しい高さである。
一方側上面15A及び中間上面15Bには、作業に関する操作を行う作業系の操作具(第6前部操作具66~第10前部操作具70)が配置されている。中間上面15Bには、作業系操作具のうち、第6前部操作具66~第8前部操作具68が配置されている。一方側上面15Aには、作業系操作具のうち、第9前部操作具69及び第10前部操作具70が配置されている。他方側上面15Cには、走行に関する操作を行う走行系の操作具が配置されている。具体的には、他方側上面15Cには、走行系押圧操作具(第1前部操作具61~第5前部操作具65)が配置されている。
このように、操作具配置部19が設けられた上面には、高さが異なる複数の領域(一方側上面15A、中間上面15B、他方側上面15C)が設けられ、異なる機能をもつ操作具が複数の領域に分けて配置されている。これにより、運転者は、操作具が設けられた上面の高さによって操作具を判別することができるため、視覚的に操作具の判別を容易に行うことができる。また、視覚に頼らずに指で高さを認識して操作具を判別することも可能となる。
また、第1前部操作具61~第5前部操作具65は、同じ高さの上面(他方側上面15C)に配置されている。これにより、走行に関する操作の操作性が向上する。また、第6前部操作具66と第7前部操作具67と第8前部操作具68は、同じ高さの上面(中間上面115B)に配置されている。これにより、昇降装置4に関する操作の操作性が向上する。
次に、第2操作具群60Bについて説明する。
図14に示すように、第2操作具群60Bは、第11前部操作具71、第12前部操作具72、第13前部操作具73を含む。第11前部操作具71は、横軸(略車体幅方向に延びる水平軸)回りに回転操作される操作具である。第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、横軸(略車体幅方向に延びる水平軸)回りに揺動操作される操作具である。つまり、第2操作具群60Bは、横軸回りの回転又は揺動により操作される複数の操作具を含む。
第11前部操作具71は、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う走行系操作具であって、回転ダイヤルから構成されている。本実施形態の場合、第11前部操作具71は、エンジン8の回転数を増加又は減少させるアクセルダイヤルである。
第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、作業に関する操作を横軸回りの揺動により行う作業系操作具である。具体的には、第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、PTOクラッチの接続又は遮断の操作を行うPTOクラッチコントロールスイッチである。第12前部操作具72は、リヤPTOクラッチコントロールスイッチである。第13前部操作具73は、フロントPTOクラッチコントロールスイッチである。
走行系操作具である第11前部操作具71と、作業系操作具である第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、アームレスト15の幅方向に並んで配置されている。走行系操作具である第11前部操作具71は、運転席10側に配置されている。作業系操作具である第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、運転席10側と反対側に配置されている。また、作業系操作具である第12前部操作具72及び第13前部操作具73の揺動方向と、走行系操作具である第11前部操作具71の回転方向とは、平面視において平行である。
図2~図6、図13に示すように、走行系操作具(第11前部操作具71)と作業系操作具(第12前部操作具72、第13前部操作具73)との間には突起84が設けられている。突起84は、走行系操作具(第11前部操作具71)と作業系操作具(第12前部操作具72、第13前部操作具73)とを隔てるように隆起している。突起84は、作業系操作具(第12前部操作具72、第13前部操作具73)の揺動方向及び走行系操作具(第11前部操作具71)の回転方向と平行に延びている。突起84の高さは、後方から前方に向かうにつれて次第に高くなっている。
突起84の前部84a(第11前部操作具71、第12前部操作具72、第13前部操作具73よりも前方にある部分)は、台座20の側面(左面20d)に接続されている。突起84の前部84aは、第11前部操作具71の前方に延びている。突起84の前部84aの左縁は、本体16の左側面16cと繋がっている。突起84の前部84aの前縁は、本体16の前面16eと繋がっている。
このように、走行系操作具(第11前部操作具71)と作業系操作具(第12前部操作具72、第13前部操作具73)との間に突起84が設けられることによって、走行系操作具と作業系操作具のいずれか一方の操作具を操作する際に、いずれか他方の操作具に誤って接触して誤操作が生じることを防止することができる。
図14に示すように、第12前部操作具72及び第13前部操作具73には、表示部81が設けられている。この表示部81は、点灯可能なLED等のランプから構成されている。表示部81を構成するランプは、操作状態において点灯し、非操作状態において消灯する。つまり、表示部81は、第12前部操作具72及び第13前部操作具73が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを点灯と消灯の切り換えによって示すインジケータである。作業者は、表示部81が点灯状態にあるか消灯状態にあるかを見ることによって、第12前部操作具72及び第13前部操作具73が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを把握可能である。
第12前部操作具72及び第13前部操作具73には、表示部81の隣に操作の内容を表すシンボルマークMが記載されている。シンボルマークMは透過性を有しており、表示部81を構成するランプの光はシンボルマークMを透過する。これにより、夜間であってもシンボルマークMを視認することができる。
図2、図3に示すように、第12前部操作具72の周囲には第1凹部76が設けられている。第13前部操作具73の周囲には第2凹部77が設けられている。第1凹部76及び第2凹部77は、本体16の上面16aに対して下方に凹んでいる。第12前部操作具72の下部は、第1凹部76内に位置している。第13前部操作具73の下部は、第2凹部77内に位置している。そのため、第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、上面16aからの突出高さが低くなっている。これにより、操作レバー21を操作する人の手が第12前部操作具72及び第13前部操作具73に当たることを防止できる。
図2に示すように、第11前部操作具(アクセルダイヤル)71は、回転体71aと摘み部71bとを有している。回転体71aは、アームレスト15の上面から側面視にて上向きに凸の円弧状に突出している。摘み部71bは、回転体71aの上面から突出している。回転体71aは、アームレスト15の内部に配置された横向き(水平方向)の支軸回りに回動可能に取り付けられている。摘み部71bを摘んで前方又は後方に移動させることにより、回転体71aが支軸回りに回動する。摘み部71bを前方に移動させると、エンジン8の回転数が増加する。摘み部71bを後方に移動させると、エンジン8の回転数が減少する。
前部操作具群60と後部操作具群40とは、別々の基板に配置してもよいが、1枚の基板に配置することができる。詳しくは、前部操作具群60の全部と後部操作具群40の全部とを1枚の基板に配置することができる。また、前部操作具群60の一部と後部操作具群40の全部とを1枚の基板に配置することもできる。また、前部操作具群60の全部と後部操作具群40の一部とを1枚の基板に配置することもできる。また、前部操作具群60の一部と後部操作具群40の一部とを1枚の基板に配置することもできる。
前部操作具群60に含まれる操作具のうち、縦軸回りの回転により操作される回転操作具(第9前部操作具69、第10前部操作具70)は、アームレスト15の本体16の上面16aの一側方側(運転席10側と反対側)の領域に配置されている。また、後部操作具群40に含まれる操作具のうち、縦軸回りの回転により操作される回転操作具(第9後部操作具49~第13後部操作具53)も、上面16aの一側方側(運転席10側と反対側)の領域に配置されている。つまり、縦軸回りの回転により操作される回転操作具は、アームレスト15の本体16の上面16aの一側方側の領域に配置されている。これにより、縦軸回りの回転操作のための右手の指の動き(親指と他の指で摘んで回す動き)を自然に円滑に行うことができる。
前部操作具群60に含まれる操作具のうち、押圧により操作される押圧操作具(第1前部操作具61~第8前部操作具68)は、アームレスト15の本体16の上面16aの他側方側(運転席10側)の領域に配置されている。また、後部操作具群40に含まれる操作具のうち、押圧により操作される押圧操作具(第1後部操作具41~第8後部操作具48)も、上面16aの他側方側(運転席10側)の領域に配置されている。つまり、押圧操作具は、アームレスト15の本体16の上面16aの他側方側の領域に配置されている。これにより、親指や人差し指に近い側に押圧操作具が配置されるため、押圧操作具の操作を円滑に行うことができる。
但し、前部操作具群60に含まれる具体的な前部操作具の種類及び数は、上述した前部操作具の種類及び数には限定されない。
次に、第3操作具群60Cについて説明する。
図13、図14に示すように、第3操作具群60Cは、第1操作具群60Aと車体幅方向に並んで配置されている。第3操作具群60Cは、第14前部操作具74及び第15前部操作具75を含む。第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、走行に関する操作を押圧により行う押圧操作具である。詳しくは、第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、押圧によって変速装置(主変速装置)に増速又は減速を実行させる操作スイッチである。具体的には、第14前部操作具74は、押圧によって増速操作を行う増速スイッチである。第15前部操作具75は、押圧によって減速操作を行う減速スイッチである。これらの操作スイッチは、押しボタンスイッチである。
上記制御装置は、操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の操作に基づいて変速装置(主変速装置)の駆動を制御する。具体的には、制御装置は、第14前部操作具74が押圧操作された場合には変速装置に増速操作を実行させ、第15前部操作具75が押圧操作された場合には変速装置に減速操作を実行させる。
上述したように、操作レバー21は、前方又は後方への揺動によって変速装置(主変速装置)に増速又は減速を実行させるレバーである。そのため、第14前部操作具74及び第15前部操作具75からなる操作スイッチは、操作レバー21と同じ機能(主変速機能)を有している。従って、運転者は、変速装置(主変速装置)に増速又は減速を実行させる変速操作を、変速操作レバー21を操作することにより実行することもできるし、第14前部操作具74又は第15前部操作具75を操作することにより実行することもできる。つまり、主変速操作時において、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)とは選択的に使用される。
操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)は、操作を止めると操作位置(押圧した位置)から非操作位置(押圧前の位置)に自動的に復帰する自己復帰型のスイッチである。操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)を押圧して操作位置とすると変速装置のON操作が行われて変速が実行される状態となり、操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)から手を離すと当該操作スイッチ74,75は非操作位置に戻って変速装置のOFF操作が行われて変速が実行されない状態となる。
図2、図4、図5、図13、図14に示すように、第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、アームレスト15の本体16の側面に配置されている。具体的には、第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、アームレスト15の運転席10側の側面(本体16の左側面16c)に配置されている。
このように、第14前部操作具74及び第15前部操作具75がアームレスト15の側面に配置されていることにより、運転者が後方を振り返りながらトラクタ1を運転するときに、腕を前方に伸ばすことなく(操作レバー21を握ることなく)、増速又は減速の操作を行うことができ、操作性に優れている。例えば、運転者が後方を振り返ってトラクタ1の後部に連結した作業装置による作業状況を見ながら、増速又は減速を行う場合などにおいて、運転者の操作の快適性を向上させることができる。
第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、操作レバー21の後方且つ肘置き部18の前方に配置されている。第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、操作レバー21よりも肘置き部18に近い位置に配置されている。
アームレスト15の運転席10側の側面(本体16の左側面16c)のうち、第14前部操作具74及び第15前部操作具75が配置された部分の側面(「部分側面16g」という)は、他方側上面15Cと繋がっている。部分側面16gの上縁は、他方側上面15Cの左縁と繋がっている。部分側面16gの前縁は、他方側上面15Cの前縁と繋がっている。部分側面16gと他方側上面15Cとの境界部分は、緩やかに湾曲している。
図2、図5に示すように、部分側面16gは、上面16aよりも下方位置から上方位置まで延びている。部分側面16gは、後方から前方に向かうにつれて運転席10から離れる方向(右方)に移行するように傾斜している。また、部分側面16gは、下方から上方に向かうにつれて運転席10から離れる方向(右方)に移行するように傾斜している。これにより、部分側面16gに配置された第14前部操作具74及び第15前部操作具75に対して、運転席10側の上方(左上方)からアクセスすることが容易となる。そのため、運転者(作業者)は、左上方から右手の親指を伸ばして第14前部操作具74及び第15前部操作具75を容易に押圧操作することができる。
第14前部操作具(増速スイッチ)74と第15前部操作具(減速スイッチ)75は、アームレスト15の側面(部分側面16g)において前後方向に並んで配置されている。具体的には、第14前部操作具74が前方に配置され、第15前部操作具75が後方に配置されている。これにより、親指を前後に移動させるだけで、第14前部操作具(増速スイッチ)74と第15前部操作具(減速スイッチ)75とを選択的に操作することができるため、操作性が優れている。
第14前部操作具74と第15前部操作具75は、前方に位置するスイッチが後方に位置するスイッチよりも上方に配置されている。つまり、第14前部操作具74は、第15前部操作具75よりも上方に配置されている。これにより、肘置き部18から遠い側(前方)に配置された操作スイッチ(第14前部操作具74)が上方に位置することとなるため、当該操作スイッチ(第14前部操作具74)に親指が届き易くなり、操作性が向上する。
図4に示すように、操作レバー21の揺動軸(揺動体22)は、アームレスト15の運転席10側の側面(本体16の左側面16c)よりも運転席10側と反対側の側面(本体16の右側面16d)に近い位置に配置されている。つまり、操作レバー21の揺動軸(揺動体22)は、車体幅方向において、第14前部操作具74及び第15前部操作具75が配置された部分側面16gと反対側に偏位している。これにより、同一の機能を有する操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)とを離間させて配置して選択的な使用を促すことができる。
図19及び図20は、操作レバー21の操作と、操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の操作と、制御装置による変速装置(主変速装置)の動作との関係を示す図である。
図19のA部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置(ON)となり且つ他方が減速操作の操作位置(ON)となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差S1が所定時間未満(例えば、10ms未満)である場合には、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の操作を共に無効とし(操作を受け付けず)、変速装置に変速(増速又は減速)を実行させない。
図20のA部分とB部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置(ON)となり且つ他方が減速操作の操作位置(ON)となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差S2が所定時間以上(例えば、10ms以上)である場合には、先に操作位置となった方の操作を有効とし(操作を受け付け)、後に操作位置となった方の操作を無効とする(操作を受け付けない)。
具体的には、A部分においては、制御装置は、先に操作位置となった方の操作である増速操作を有効として後に操作位置となった方の操作である減速操作を無効とし、変速装置に増速を実行させる。B部分においては、制御装置は、先に操作位置となった方の操作である減速操作を有効として後に操作位置となった方の操作である増速操作を無効とし、変速装置に減速を実行させる。
図19のB部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置(ON)となり且つ他方も増速装置の操作位置(ON)となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差S1が所定時間未満(例えば、10ms未満)であっても、増速操作を有効とし、変速装置に増速を実行させる。つまり、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置となり且つ他方も増速装置の操作位置となったときは、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、変速装置に増速を実行させる。
図19のC部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が減速操作の操作位置(ON)となり且つ他方も減速操作の操作位置(ON)となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差S1が所定時間未満(例えば、10ms未満)であっても、減速操作を有効とし、変速装置に減速を実行させる。つまり、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が減速操作の操作位置となり且つ他方も減速操作の操作位置となったときは、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、変速装置に減速を実行させる。
また、図20のC部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)が共に操作位置(ON)となった後は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)が共に非操作位置(OFF)となるまで、次の操作レバー21の操作又は操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の操作(矢印C1参照)を受け付けない(操作を無効とする)。
図20のD部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)が共に操作位置(ON)となった後、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)が共に非操作位置(OFF)となると、次の操作レバー21の操作又は操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の操作(矢印D1参照)を受け付ける(操作を有効とする)。
<操作具の操作方向と運転席との関係等>
図1に示すように、平面視において、操作レバー21の揺動方向の延長線L1上に運転席10が位置している。また、平面視において、走行系操作具である第11前部操作具71(アクセルダイヤル)の回転方向の延長線L2上に運転席10が位置している。延長線L1、L2の向きから理解できるように、平面視において、操作レバー21の揺動方向及び第11前部操作具71の回転方向は、前後方向に対して少し傾斜した(ずれた)方向であり、後方に向かうにつれて運転席10側(左側)に移行する方向である。尚、操作レバー21の揺動方向の延長線L1は、平面視において、操作レバー21の揺動体22を通る線である。
また、平面視において、アームレスト15の側面(部分側面16g)に設けられた複数の押圧操作具(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の並び方向の延長線L3上に運転席10が位置している。延長線L3の向きから理解できるように、平面視において、押圧操作具(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の並び方向は、前後方向に対して傾斜した(ずれた)方向であり、後方に向かうにつれて運転席10側(左側)に移行する方向である。
また、操作レバー21の操作部25の表面(第2表面)25aの長手方向の延長線L4上に運転席10が位置している。表面(第2表面)25aは、走行に関する操作を押圧により行う押圧操作具(操作スイッチ30、32)等が設けられた取り付け面である。尚、操作部25の表面(第2表面)25aの長手方向は、操作スイッチ30,31の長手方向と平行な方向である。また、当該長手方向は、起立面24eの長手方向と平行な方向でもある。
延長線L4の向きから理解できるように、平面視において操作部25の表面(第2表面)25aの長手方向は、前後方向に対して少し傾斜した(ずれた)方向であり、後方に向かうにつれて運転席10側(左側)に移行する方向である
アームレスト15の長手方向(前後方向)に対する延長線L1、L2、L3、L4の方向の傾き(ずれ)の角度は鋭角(例えば、約10~30°の範囲)である。
上記したように、操作レバー21の揺動方向の延長線L1、第11前部操作具71の回転方向の延長線L2上、アームレスト15の側面に設けられた複数の押圧操作具(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の並び方向の延長線L3上、第2表面25aの長手方向の延長線L4上に運転席10が位置している。これによって、運転席10から手を伸ばしたときの腕の方向と各延長線L1、L2、L3、L4とが略平行となる。そのため、運転席10から手を伸ばして操作を行う運転者にとって、操作具の操作が行い易くなる。
尚、運転席10は、背もたれ部10aと座部10bの少なくともいずれか一方が延長線L1、L2、L3、L4上に位置していればよい。つまり、背もたれ部10aと座部10bの両方が延長線L1、L2、L3、L4上に位置していてもよいし、背もたれ部10aのみが延長線L1、L2、L3、L4上に位置していてもよいし、座部10bのみが延長線L1、L2、L3、L4上に位置していてもよい。また、運転席10に対するアームレスト15の位置が調整可能である場合、少なくともいずれかのアームレスト15の位置において、運転席10が延長線L1、L2、L3、L4上に位置していればよい。
また、延長線L1、L2、L3、L4は、平面視においてアームレスト15の傾斜面16c1と略平行に延びている。そして、操作レバー21の揺動方向及び走行系操作具である第11前部操作具71(アクセルダイヤル)11の回転方向の各延長線L1,L2は、平面視においてアームレスト15の長手方向に対して傾いている。押圧操作具(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の並び方向は、平面視において、アームレスト15の長手方向に対して傾いている。尚、アームレスト15の長手方向は前後方向であって、運転席10はアームレスト15の長手方向の延長線上に位置していない。
また、平面視において、作業系操作具である第12前部操作具72及び第13前部操作具73の揺動方向は、走行系操作具である第11前部操作具71の回転方向と平行である。これによって、運転席10から手を伸ばす方向と第12前部操作具72及び第13前部操作具73の揺動方向とが略平行となり、運転席10から第12前部操作具72及び第13前部操作具73の操作が行い易くなる。また、平面視において、操作スイッチ30、31の長手方向は、前後方向に対して少しずれた方向であり、後方に向かうにつれて運転席10側(左側)に移行する方向である。これによって、運転席10から手を伸ばしたときの腕の方向と操作スイッチ30、31の長手方向とが略平行となる。そのため、運転席10から手を伸ばして操作を行う運転者にとって、シーソースイッチである操作スイッチ30、31の操作が行い易くなる。
<効果>
上記作業車両によれば、以下の効果を奏する。
作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト15と、走行速度を変更する変速装置と、を備え、アームレスト15は、前方又は後方への揺動によって変速装置に増速又は減速を実行させる操作レバー21と、押圧によって変速装置に増速又は減速を実行させる操作スイッチ74,75と、を有している。
この構成によれば、運転者の姿勢等によって操作レバー21を操作しにくい場合であっても、押圧によって変速装置に増速又は減速を実行させる操作スイッチ74,75を操作することによって変速操作を良好に行うことができる。例えば、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合、操作レバー21の代わりに操作スイッチ74,75を押圧して変速操作を行うことができる。
また、操作レバー21はアームレスト15の上面から上方に突出して設けられ、操作スイッチ74,75はアームレスト15の側面に配置されている。
この構成によれば、運転者がアームレスト15の上方に手を伸ばしにくい姿勢であっても、アームレスト15の側面に配置された操作スイッチ74,75を押圧して変速操作を行うことができる。
また、操作スイッチ74,75は、アームレスト15の運転席10側の側面16cに配置されている。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合、アームレスト15の側面16cに配置された操作スイッチ74,75を容易に押圧して変速操作を行うことができる。
また、アームレスト15は運転席10に着座した運転者が肘を置く肘置き部18を備え、操作レバー21は肘置き部18の前方に配置され、操作スイッチ74,75は操作レバー21の後方且つ肘置き部18の前方に配置されている。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合、アームレスト15の肘置き部18に腕を置いた状態で、肘置き部18の前方にある操作スイッチ74,75を容易に押圧して変速操作を行うことができる。
また、操作スイッチ74,75は、増速操作を行う増速スイッチ74と、減速操作を行う減速スイッチ75とを含み、増速スイッチ74と減速スイッチ75は、側面(部分側面)16gにて前後方向に並んで配置されている。
この構成によれば、増速スイッチ74と減速スイッチ75とが肘置き部18からの距離が異なるように配置されるため、2つのスイッチを混同して操作することを防止することができる。
また、増速スイッチ74と減速スイッチ75は、前方に位置するスイッチが後方に位置するスイッチよりも上方に配置されている。
この構成によれば、肘置き部18から遠い側(前方)に配置された操作スイッチ74が上方に位置することとなるため、当該操作スイッチ74に親指が届き易くなり、操作性が向上する。
また、操作スイッチ74,75は、押しボタンスイッチである。
この構成によれば、操作スイッチ74,75の操作が簡単となるため、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合等でも、操作スイッチ74,75の操作を確実に行うことができる。
また、操作レバー21の揺動軸(揺動体22)は、アームレスト15の運転席10側の側面16cよりも運転席10側と反対側の側面16dに近い位置に配置されている。
この構成によれば、操作レバー21の揺動軸22が操作スイッチ74,75と反対側に偏位して配置されるため、同一の機能を有する操作レバー21と操作スイッチ74,75とが離間して配置されることで選択的な使用が促される。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト15と、を備え、アームレスト15は、走行に関する操作を前方又は後方への揺動により行う操作レバー21と、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う走行系操作具71と、を有し、平面視において操作レバー21の揺動方向及び走行系操作具71の回転方向の各延長線L1,L2上に運転席10が位置している。
この構成によれば、走行に関する操作を前方又は後方への揺動により行う操作レバー21と、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う走行系操作具71とが共にアームレスト15に設けられており、且つ、操作レバー21の揺動方向及び走行系操作具71の回転方向の各延長線L1,L2上に運転席10が位置しているため、運転席10に着座した運転者が伸ばす腕の方向と操作レバー21の揺動方向及び走行系操作具71の回転方向とが平行に近くなり、走行に関する操作を行う操作具(操作レバー21、走行系操作具71)の操作性に優れている。
また、操作レバー21の揺動方向及び走行系操作具71の回転方向の各延長線L1,L2は、平面視においてアームレスト15の長手方向に対して傾いている。
この構成によれば、アームレスト15の長手方向を運転席10に沿って配置することで運転者の腕を置き易くしつつ、運転席10に着座した運転者にとっての走行に関する操作を行う操作具(操作レバー21、走行系操作具71)の操作性を向上させることができる。
また、アームレスト15の側面16cには、走行に関する操作を押圧により行う複数の押圧操作具74,75が設けられており、平面視において複数の押圧操作具74,75の並び方向の延長線L3上に運転席10が位置している。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が伸ばす腕の方向と複数の押圧操作具74,75の並び方向とが平行に近くなり、運転席10に着座した運転者にとって押圧操作具74,75の操作性に優れている。
また、操作レバー21は、走行に関する操作を押圧により行う押圧操作具であって前記押圧操作具とは異なる押圧操作具30が設けられた取り付け面(第2表面)25aを有し、取り付け面25aの長手方向の延長線L4上に運転席10が位置している。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が伸ばす腕の方向と取り付け面25aの長手方向とが平行に近くなり、運転席10に着座した運転者にとって取り付け面25aに設けられた押圧操作具30の操作性に優れている。
また、アームレスト15は、作業に関する操作を横軸回りの揺動により行う作業系操作具72,73を有し、走行系操作具71と作業系操作具72,73は、アームレスト15の幅方向に並んで配置され、走行系操作具71と作業系操作具72,73との間に突起84が設けられている。
この構成によれば、走行系操作具71と作業系操作具72,73のいずれか一方の操作具を操作する際に、いずれか他方の操作具に誤って接触して誤操作が生じることを防止することができる。
また、作業系操作具72,73の揺動方向と走行系操作具71の回転方向とは、平面視において平行であって、突起84は、作業系操作具72,73の揺動方向及び走行系操作具71の回転方向と平行に延びている。
この構成によれば、作業系操作具72,73と走行系操作具71とを同様の向きから操作することができるため操作性が良好となるとともに、突起84によって作業系操作具72,73と走行系操作具71とを明確に区別して操作することができる。
また、走行系操作具71は運転席10側に配置され、作業系操作具72,73は運転席10側と反対側に配置されている。
この構成によれば、例えば、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う走行系操作具71を親指や人差し指を用いて操作し、作業に関する操作を横軸回りの揺動により行う作業系操作具72,73を親指以外の指を用いて操作すること等ができるため、操作性に優れている。
また、アームレスト15は操作レバー21の基部を支持する台座20を有し、台座20はアームレスト15の前部に隆起して設けられており、突起84の前部84aは台座20の側面(左面20d)に接続されている。
この構成によれば、突起84と台座20とが接続されることによって、突起84及び台座20の強度を向上させることができる。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト15と、を備え、アームレスト15は、上面16aに設けられ且つ操作具が配置された操作具配置部19と、側面16dに設けられた凹み部15aとを有し、凹み部15aは、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域と重なる領域に設けられている。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てて手の位置を固定した状態で、残りの指を伸ばしてアームレスト15の上面16aの操作具配置部19に配置された操作具を操作することができる。そのため、アームレスト15の上面16aに配置された操作具を操作する際の操作性に優れている。
また、操作具配置部19には、複数の操作具が前後方向に並んで配置されており、凹み部15aは、前後方向において、複数の操作具が設けられた領域の全長にわたって設けられている。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てて手の位置を固定した状態で、残りの指を伸ばして前後方向に並んだ複数の操作具を操作することができる。そのため、前後方向に並んだ複数の操作具を操作する際の操作性に優れている。
また、操作具配置部19には、凹み部15aが設けられた側面16dの側から当該側面16dと反対側の側面16c側に向けて、複数の操作具が並んで配置されている。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てて手の位置を固定した状態で、残りの指を伸ばして側面16dの側から当該側面16dと反対側の側面16c側に向けて並んだ複数の操作具を操作することができる。そのため、アームレスト15の幅方向に並んだ複数の操作具を操作する際の操作性に優れている。
また、凹み部15aは、運転席10側と反対側の側面16dに設けられている。
この構成によれば、凹み部15aに親指を除く指を当てて手の位置を固定した状態で、親指を伸ばしてアームレスト15の上面16aの操作具配置部19に配置された操作具を操作することができる。そのため、アームレスト15の上面16aに配置された操作具を操作する際の操作性に優れている。
また、凹み部15aは、運転席10に着座した運転者が、操作具配置部19に配置された操作具を操作するときに親指を除く4指を引っ掛けることが可能な大きさである。
この構成によれば、凹み部15aに親指を除く4指を引っ掛けて手の位置をしっかりと固定した状態で、親指を伸ばしてアームレスト15の上面16aの操作具配置部19に配置された操作具を操作することができる。
また、アームレスト15は、運転席10に着座した運転者が肘を置くための肘置き部18を有し、操作具配置部19は肘置き部18の前方に配置され、凹み部15aは、前後方向において、肘置き部18と操作具配置部19とに跨る範囲に設けられている。
この構成によれば、運転者は肘置き部18に肘を置いた状態で凹み部15aに指を当てて手の位置を固定することが可能となり、安定した姿勢で手の位置を固定することができる。
また、肘置き部18の前部には、操作具配置部19に向けて下向きに傾斜する傾斜面18fが設けられている。
この構成によれば、操作具配置部19に配置された操作具のうち、肘置き部18の前方の近い位置にある操作具を肘置き部18に妨げられずに操作することが可能となり、当該操作具の操作性を向上させることができる。
また、傾斜面18fは、アームレスト15の幅方向において、肘置き部18の凹み部15aが設けられた側に設けられている。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てた状態で、凹み部15aが設けられた側に設けられた操作具を肘置き部18に妨げられずに操作することが可能となり、当該操作具の操作性を向上させることができる。
また、操作具配置部19が設けられた上面は、アームレスト15の幅方向において、凹み部15aが設けられた側の領域の高さが、凹み部15aが設けられた側と反対側の領域の高さに比べて低い。
この構成によれば、凹み部15aに指(例えば、親指以外の4指)を当てた状態で、別の指(例えば、親指)を凹み部15aが設けられた側と反対側に向けて伸ばしたときに、別の指の根本側における上面の高さが先端側における上面の高さよりも低くなる。そのため、別の指を伸ばして操作する際の操作性が良好となる。
また、操作具配置部19が設けられた上面は、凹み部15aが設けられた側の領域である一方側上面15Aと、凹み部15aが設けられた側と反対側の領域である他方側上面15Cと、一方側上面15Aと他方側上面15Cとの間に設けられた領域である中間上面15Bとを有し、中間上面15Bは、一方側上面15Aよりも高く且つ他方側上面15Cよりも低い。
この構成によれば、操作具配置部19が設けられた上面が、凹み部15aから離れるにつれて高くなる階段状となるため、凹み部15aに指(例えば、親指以外の4指)を当てた状態で、別の指(例えば、親指)を凹み部15aが設けられた側と反対側に向けて伸ばしたときの操作性が良好となる。
また、一方側上面15Aには、走行に関する操作を行う走行系の操作具61~65が配置され、他方側上面15Cには、作業に関する操作を行う作業系の操作具69,70が配置されている。
この構成によれば、操作具配置部19の高い側に走行系操作具61~65が配置され、低い側に作業系操作具69,70が配置されるため、走行系操作具と作業系操作具とを明確に区別して認識して操作することが可能となる。
また、操作レバー21の操作又は操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)の操作に基づいて変速装置の駆動を制御する制御装置を備え、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置となり且つ他方が減速操作の操作位置となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差が所定時間未満である場合には、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)の操作を共に無効とし、前記時間差が所定時間以上である場合には、先に操作位置となった方の操作を有効として後に操作位置となった方の操作を無効とする。
この構成によれば、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)とで相反する操作(増速操作と減速操作)が行われたときに、制御装置によって適切な対応を行うことができる。具体的には、相反する操作が所定時間未満の時間差で行われたときには、誤操作の可能性が高いため、操作を共に無効とすることによって、誤操作に基づく作業者が意図しない変速の実行を回避することができる。また、相反する操作が所定時間以上の時間差をあけて行われたときには、誤操作の可能性が低いため、先の操作を有効として作業者の意向を反映した変速を実行することができる。
また、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置となり且つ他方も増速装置の操作位置となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、変速装置に増速を実行させる。
この構成によれば、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)とが共に増速操作の操作位置となったときは、作業者が減速操作を実行しようとする意向が明確であるため、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、作業者の意向を反映して変速装置に増速を実行させることができる。
また、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)のうち、一方が減速操作の操作位置となり且つ他方も減速操作の操作位置となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、変速装置に減速を実行させる。
この構成によれば、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)とが共に減速操作の操作位置となったときは、作業者が減速操作を実行しようとする意向が明確であるため、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、作業者の意向を反映して変速装置に減速を実行させることができる。
また、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)が共に操作位置となった後は、操作レバー21及び操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)が共に非操作位置となるまで、次の操作レバー21の操作又は操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)の操作を受け付けない。
この構成によれば、作業者が操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)を誤って共に操作位置とした場合は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)を非操作位置に戻してから再度操作しなければ変速が実行されないため、作業者の誤操作に基づく変速の実行を防ぐことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。