JP2021075930A - バルコニー固定構造 - Google Patents

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Sohei Fujiwara
宗平 藤村
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Abstract

【課題】主に、後からでもバルコニーに対する支持荷重を増加させるような改変ができるようにする。【解決手段】建物本体3の外側面4に、バルコニー2の下部がアタッチメント5を介して取付けられているバルコニー固定構造に関する。バルコニー2は、アタッチメント5に対し、上中2つの止点16,17によって、建物本体3の外側面4と平行で水平な方向にボルト固定されている。そして、中間の止点17よりも下側の位置に追加の止点22を設けることで、止点間ピッチ23が上下方向18に拡大可能となっている。【選択図】図5

Description

この発明は、バルコニー固定構造に関するものである。
住宅などの建物には、バルコニーを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、建物に対して予め、取付用のボルトを面直方向に突設しておき、建築現場で、建物から突設された取付用のボルトを用いて建物にバルコニーを固定するようにしていた。
特開平8−209808号公報
特許文献1のものは、構造的に、取付用のボルトを後から建物に追加することができないようになっているので、また、取付用のボルトは後からの仕様変更ができないようになっているので、バルコニーに対する支持荷重を増加させるような改変を後から加えるようなことは難しかった。
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
上記課題に対して、本発明は、
建物本体の外側面に、バルコニーの下部がアタッチメントを介して取付けられているバルコニー固定構造であって、
前記バルコニーは、前記アタッチメントに対し、上中2つの止点によって、前記建物本体の前記外側面と平行で水平な方向にボルト固定されており、
中間の前記止点よりも下側の位置に追加の止点を設けることで、止点間ピッチが上下方向に拡大可能となっていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、後からでもバルコニーに対する支持荷重を増加させるような改変が可能となる。
実施例にかかるバルコニー固定構造を適用する建物の斜視図である。 図1の建物に対するアタッチメントの取付状態を示す分解斜視図である。 アタッチメントに対するバルコニーの下部の取付状態を示す分解斜視図である。 建物およびバルコニーの下部に取付けたアタッチメントを示す図である。このうち、(a)はアタッチメントの正面図、(b)はアタッチメントの側面図である。 アタッチメントとバルコニーの下部との間に追加の止点を取付ける様子を示す建物の外観部分の部分拡大斜視図である。このうち、(a)は取付前、(b)は取付中である。 アタッチメントとバルコニーの下部との間に追加の止点を取付ける様子を示す建物の内部構造を示す分解斜視図である。 追加の止点を取付けたアタッチメントを示す図4と同様の図である。このうち、(a)はアタッチメントの正面図、(b)はアタッチメントの側面図である。 建物にサイディング材を取付ける様子を示す斜視図である。このうち、(a)は取付前、(b)は取付後である。 サイディング材が取付けられたバルコニーに作用する力を示す建物の側面図である。 バルコニーの下部の止め点に作用する剪断力を示す側面図である。このうち、(a)は追加の止点の取付前、(b)は追加の止点の取付後である。 建物に対するバルコニーの設置パターンと、追加の止点を取付ける状態との関係を示す平面図であり、(a)は独立タイプ、(b)は入隅タイプ、(c)は2連続タイプ、(d)は3連続タイプである。 (a)(b)(c)(d)は、バルコニーに対する格子の設置位置と、追加の止点を取付ける状態との関係を示す平面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図12は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1に示すように、住宅などの建物1に対して、バルコニー2を設置する。
そのための固定構造(バルコニー固定構造)として、図2(〜図4)に示すように、建物本体3の外側面4に、バルコニー2の下部を、アタッチメント5を介して取付けるようにする。
ここで、建物本体3は、建物1の本体部分を構成するものである。建物本体3については後述する。
建物本体3の外側面4は、建物本体3の外側に位置して外部に露出する面のことである。この実施例では、分かり易いように、建物本体3のバルコニー2を取付ける面に外側面4の符号を付している。建物本体3の外側面4には、外壁材6が取付けられている。この外壁材6は、建築当初からのものである。ただし、バルコニー2やアタッチメント5などを取付ける部分については、必要に応じて、部分的に外壁材6を切除しても良い。
バルコニー2は、建物本体3の外側面4から外方への張出部分である。バルコニー2は、例えば、バルコニー床7や、バルコニー床7の周縁部からバルコニー床7を囲むように立上がる側壁8などを有している。
バルコニー2の下部は、バルコニー床7またはその周辺部分のことである。バルコニー床7には、アタッチメント5に取付けられる取付部9が取付けられている。取付部9は、バルコニー床7における、建物本体3の外側面4寄りの部分(例えば、両側部など)などに設けられる。
側壁8の少なくとも外側面4には、建物本体3と同じ外壁材6が取付けられている。なお、バルコニー2の外壁材6は、大部分が工場で取付けられるが、アタッチメント5に取付ける部分については、取付部9が露出されるように、外壁材6を部分的に取付けないようにしておく。この部分については、建築現場でアタッチメント5を上から覆い隠すように外壁材6が後から取付けられる。
アタッチメント5は、建物本体3にバルコニー2を固定するための固定金具である。建築現場では、建物本体3にアタッチメント5を取付けると共に、アタッチメント5にバルコニー2(の取付部9)を取付けることで、建物本体3にバルコニー2が設置される。
アタッチメント5は、少なくとも、建物本体3の外側面4に当接固定される建物固定面11と、バルコニー2の下部(の取付部9)に当接固定されるバルコニー固定面12とを有している。建物固定面11は、バルコニー2を取付ける建物本体3の外側面4と平行な縦向きの平坦面とされている。バルコニー固定面12(および、バルコニー2の下部の取付部9)は、建物固定面11と垂直な縦向きの平坦面とされている。建物固定面11とバルコニー固定面12とは、平面視でほぼT字状に組み合わせられた状態で一体化されている。建物固定面11およびバルコニー固定面12の下部には、必要に応じて建物固定面11およびバルコニー固定面12と垂直な横向きの下部支持面13を、建物固定面11およびバルコニー固定面12と一体に設けても良い。
建物本体3の外側面4に対し、アタッチメント5の建物固定面11は、上側の二箇所の位置を、ボルト、ナットなどの締結固定具14,15で、建物本体3の外側面4と垂直で水平な方向に固定される。なお、建物固定面11の締結固定具14,15は、建物固定面11の上半部に取付けられる。
そして、バルコニー2は、アタッチメント5に対し、上中2つの止点16,17によって、建物本体3の外側面4と平行で水平な方向にボルト固定される。
上中2つの止点16,17は、アタッチメント5のバルコニー固定面12の上部の位置と、上下方向18の中間部の位置とに対し、上下方向18に間隔19(建築当初の止点間ピッチ)を有してそれぞれ設けられている。上側の止点16は、建物固定面11の締結固定具14より若干低い位置となっている。また、中間の止点17は、上下方向18の中央部よりも若干低い位置に設けられており、建物固定面11の締結固定具15よりも低い位置となっている。上中2つの止点16,17は、それぞれボルト、ナットなどの締結固定具を用いて固定したものとされる。上下方向18の間隔19は、バルコニー固定面12(および、バルコニー2の下部の取付部9)の上下寸法よりも短くなっている。
そして、アタッチメント5のバルコニー固定面12、および、バルコニー2の下部の取付部9には、中間の止点17よりも下側に、所要の大きさの取付代21が形成されている。
そして、上記のような構成に対し、この実施例は、以下のような構成を備えることができる。
(1)図5(〜図7)に示すように、中間の止点17よりも下側の位置に追加の止点22を設けるようにする。これにより、止点間ピッチ23(図7)が拡大されるようにする。
ここで、追加の止点22は、アタッチメント5のバルコニー固定面12の下部における、上側の止点16および中間の止点17のほぼ鉛直下方となる取付代21の位置に設けるのが好ましい。追加の止点22は、ボルト、ナットなどの締結固定具を用いて、建物本体3の外側面4と平行で水平な方向に、アタッチメント5のバルコニー固定面12と、バルコニー2の下部の取付部9との間をボルト固定したものとされる。なお、追加の止点22を設けた場合には、中間の止点17は、取外しても良い。
止点間ピッチ23は、上側の止点16と追加の止点22との間の上下方向18の間隔19のことである。止点間ピッチ23が拡大されるとは、上側の止点16と中間の止点17との間の建築当初の止点間ピッチ(間隔19)よりも上下方向18の間隔19が大きくなることである。
なお、追加の止点22を設けたものであるかどうかについては、中間の止点17の有無や、中間の止点17を外した痕跡(ボルト穴)の有無などによって知ることができる。
(2)図8に示すように、バルコニー2は、外面にサイディング材31が設置されても良い。
ここで、サイディング材31は、リフォームの時などに建物本体3やバルコニー2の外面に対して、外壁材6の上にそのまま被せるように取付けることができるようにした壁面被覆材のことである。外壁材6の上にサイディング材31を取付けることで、図9に示すように、バルコニー2は重量32が増加し、その分、バルコニー2の下部に作用される回転方向の力33が大きくなる。
このような場合でも、図10に示すように、バルコニー固定面12と取付部9との間に追加の止点22を設けることで、上側の止点16と追加の止点22とに作用する水平方向の剪断力34(図10(b))を、上中2つの止点16,17に作用する水平方向の剪断力35(図10(a))よりも小さくすることが可能になる。
(3)図11に示すように、追加の止点22は、バルコニー2の長手方向41の側部における、建物本体3と直交する側壁8aの位置に設けられても良い。
ここで、バルコニー2の長手方向41は、建物本体3の外側面4に沿ったバルコニー2の延設方向のことである。
建物本体3と直交する側壁8aは、バルコニー2の周囲を囲う側壁8のうち、建物本体3の外側面4と平行な側壁8bの端部に設けられるものである。
以下、この実施例のバルコニー固定構造が適用される建物本体3について説明する。
まず、建物1は、どのような構造のものとしても良いが、例えば、図1に示すような、複数の建物ユニット42,43で構成されたユニット建物とすることができる。
ユニット建物は、予め工場で製造した箱型の建物ユニット42,43を建築現場へ搬送して建築現場で組み立てることにより、短期間のうちに構築できるようにした建物1のことである。
例えば、2階建てのユニット建物の場合、建物本体3は、下階の建物ユニット42と上階の建物ユニット43とで形成される。そして、上階の建物ユニット43の上に屋根44を設置することによって、ユニット建物が形成される。
なお、建物ユニット42,43には、鉄骨系のものや木質系のものがあるが、鉄骨系の建物ユニット42,43は、例えば、図6に示すように、4本の柱45の上端間に4本の天井梁46を接続して矩形状の天井フレームを形成すると共に、4本の柱45の下端間に4本の床梁47を接続して矩形状の床フレームを形成して成るボックスラーメン構造のユニットフレームを有している。
バルコニー2は、上階の建物ユニット43の外側面4に対して取付けられる。バルコニー2は、予め工場で、建物ユニット42,43の長さなどの規格寸法と同じ長さの寸法を有する単位ユニット(バルコニーユニット)として製造される。そして、例えば、建築現場で、上階の建物ユニット43の構成に合わせて、上階の建物ユニット43の外側面4に、単位ユニットを単数または複数設置して連結することで、バルコニー2が形成される。バルコニー2は単位ユニットごとに、上階の各建物ユニット42,43に対し、アタッチメント5を介して取付けられる。そして、建築当初においては、バルコニー2とアタッチメント5とは、上中2つの止点16,17でボルト固定される。
そして、築年数が経過してリフォームを行う時などに、必要に応じて、建物本体3やバルコニー2の外面に対してサイディング材31を取付けることになる。この際、サイディング材31によるバルコニー2の重量32の増加に対する補強として、必要な箇所に追加の止点22を設けるようにする。具体的には、図11に示すように、追加の止点22は、重量32の増加の影響が比較的大きい側壁8aの位置に対して設けるようにし(図中の黒丸の位置)、重量32の増加の影響が比較的小さい側壁8aのない位置(図中の白丸の位置)に対しては、追加の止点22を設けないようにする(建築当初の上中2つの止点16,17のままにする)。
例えば、図11(a)の場合は、単位ユニットの単体で構成されたバルコニー2の両側に側壁8aが設けられているので、追加の止点22は、バルコニー2の両側の側壁8aの位置に設けるようにする。
図11(b)の場合は、単位ユニットの単体で構成されたバルコニー2であるが、片側にのみ側壁8aが設けられているので、追加の止点22は、バルコニー2の片側の側壁8aの位置に設けるようにする。
図11(c)の場合は、2つの単位ユニットを直列に連結して構成されたバルコニー2の両側に側壁8aが設けられているので、追加の止点22は、バルコニー2の両側の側壁8aの位置に設けると共に、2つの単位ユニットの間の連結部の位置には、追加の止点22は設けないようにする。
図11(d)の場合は、3つの単位ユニットを直列に連結して構成されたバルコニー2の両側に側壁8aが設けられているので、追加の止点22は、バルコニー2の両側の側壁8aの位置に設けると共に、3つの単位ユニットの相互間の連結部の位置には、追加の止点22は設けないようにする。
(4)また、図12に示すように、バルコニー2における、建物本体3の外側面4と平行な側壁8bの一部に格子51が設けられている場合には、項目(3)の例外として、建物本体3と直交する側壁8aの位置であっても、追加の止点22を設けなくても良い場合が生じ得る。
即ち、格子51がバルコニー2の長手方向41の中心位置52に対し偏って設けられている場合には、
追加の止点22は、バルコニー2の長手方向41の側部のうちの、格子51が偏っている側とは反対の側の、建物本体3と直交する側壁8aの位置に設けられるようにしても良い。
ここで、格子51は、建物本体3の外側面4と平行な側壁8bに形成された開口部分のことである。格子51が存在することで、リフォームの時などに建物本体3やバルコニー2の外面に対してサイディング材31を取付けても、格子51の部分には、サイディング材31が取付けられないので、格子51の部分は、重量32の増加の影響が比較的小さくなる。
よって、格子51の一部が所要の幅寸法53以上に存在している側の側壁8aについては、(バルコニー2の重量32の増加に対する)追加の止点22による補強を不要にできる。所要の幅寸法53は、サイディング材31の設置による重量32の増加の影響が小さいため補強を不要化できる大きさであり、例えば、450mm以上などとすることができる(なお、この値は、状況に応じて異なるものである)。例えば、幅900mm以上の格子51が、バルコニー2の長手方向41の中心位置52に偏らずに設けられた場合には、中心位置52の両側に450mm以上の幅寸法53の開口部分が存在されるので、両側の側壁8a共に追加の止点22による補強は不要となる(建築当初の上中2つの止点16,17のままにできる)。
中心位置52は、バルコニー2を構成する単位ユニットごとの長手方向41の中心である。
格子51が偏るとは、バルコニー2の長手方向41の中心位置52と、格子51の長手方向41の中央部の位置とが、バルコニー2の長手方向41にズレることである。
例えば、図12(a)の場合は、格子51が、バルコニー2の長手方向41の中心位置52に対し全て右側に存在するように偏っているので、追加の止点22は、バルコニー2の左側の側壁8aの位置のみに設けるようにすると共に、バルコニー2の右側の側壁8aの位置には、追加の止点22は設けないようにできる。
図12(b)の場合は、格子51が、バルコニー2の長手方向41の中心位置52の両側に跨るように存在しているが、両側共に所要の幅寸法53を有しているので、追加の止点22は、バルコニー2の両側の側壁8a共に不要にできる。
図12(c)の場合は、格子51が、バルコニー2の長手方向41の中心位置52の両側に跨るように存在しているが、左側のみ所要の幅寸法53を有しており、右側は所要の幅寸法53を有していないので、追加の止点22は、バルコニー2の右側の側壁8aの位置のみに設けるようにすると共に、バルコニー2の左側の側壁8aの位置には、追加の止点22は設けないようにできる。
図12(d)の場合は、格子51が、バルコニー2の長手方向41の中心位置52から離れて完全に右端に寄っているので、追加の止点22は、バルコニー2の左側の側壁8aの位置にのみ設けるようにすると共に、バルコニー2の右側の側壁8aの位置には、追加の止点22は設けないようにできる。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
この実施例のバルコニー固定構造は、以下のような手順によって施工される(バルコニー2の補強方法)。
バルコニー2を追加の止点22で補強する場合、
(a)まず、バルコニー2の下部(のバルコニー床7)の下面に取付けられている軒天井材(のうち、追加の止点22を設ける位置の周辺のもの)を、部分的に取り外す。
(b)次に、バルコニー2の側壁8aに取付けられた外壁材6における、アタッチメント5周辺部分の一部を切欠いて、アタッチメント5を外部に露出させ、アタッチメント5とバルコニー2の下部(の取付部9)との間に追加の止点22を設置する。
(c)そして、バルコニー2の側壁8aの外壁材6の切欠いた部分を埋めて、側壁8aを元の状態に戻す。埋め戻しには、外壁材6を切欠いた時の切欠片をそのまま用いることができる。
(d)必要に応じて更に、切欠いた部分を、SUSなどの金属板による保護部材で、上からカバーする。
(e)こうして、バルコニー2の下部が、追加の止点22によって補強されたら、建物本体3や、バルコニー2の側壁8に対してサイディング材31を取付ける。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果 1)建物本体3の外側面4に対し、バルコニー2の下部がアタッチメント5を介して取付けられている。バルコニー2は、アタッチメント5に対し、上中2つの止点16,17によって、建物本体3の外側面4と平行で水平な方向にボルト固定されている。
この場合に、中間の止点17よりも下側の位置に追加の止点22を設けて、止点間ピッチ23を(建築当初の状態よりも)拡大させるようにする。このように、止点間ピッチ23を拡大することで、上側の止点16と追加の止点22とに作用される水平方向の剪断力34を、上中2つの止点16,17に作用される水平方向の剪断力35よりも小さくすることができる。そのため、上側の止点16と追加の止点22とによるバルコニー2に対する支持荷重を増加させることができる。そして、追加の止点22を設けるだけで、後からでもバルコニー2に対する支持荷重を増加させるように改変することが可能となる。
(効果 2)バルコニー2は、外面にサイディング材31を設置しても良い。これにより、バルコニー2は、サイディング材31を設置した分だけ重量32が増加するが、追加の止点22を設けることで、止点間ピッチ23が上側の止点16と追加の止点22との間の間隔に拡大されて、上側の止点16と追加の止点22とによるバルコニー2に対する支持荷重が増加されているので、リフォームによってバルコニー2の外面にサイディング材31を設置した場合でも、重量32が増加したバルコニー2を支障なく支持することが可能になる。
(効果 3)追加の止点22は、バルコニー2の長手方向41の側部における、建物本体3と直交する側壁8aの位置に設けても良い。これにより、建物本体3と直交する側壁8aを有するバルコニー2の長手方向41の側部の位置のみを効率的に補強することができる。
より具体的には、建物本体3は複数の建物ユニット42,43で構成されたユニット建物としても良い。この場合、バルコニー2は、例えば、建物ユニット42,43の整数倍の長さなどとなるように(単数または複数連結された単位ユニットで)構成される。
そして、バルコニー2の長手方向41の側部の側壁8がある位置については、追加の止点22を設けて、バルコニー2とアタッチメント5とを、上側の止点16と追加の止点22とによってボルト固定した状態にしても良い。バルコニー2の長手方向41の中間部や側壁8のない位置では、バルコニー2とアタッチメント5とは、上中2つの止点16,17でボルト固定された建築当初のままにしても良い。
バルコニー2の長手方向41の側部の側壁8bが設置された部分は、リフォーム時にサイディング材31が取付けられることで重量32の増加の影響が大きくなる。そこで、側壁8bが設置された部分を追加の止点22で補強する。このように、追加の止点22の設置位置を側壁8がある位置に限定することで、バルコニー2の長手方向41の側壁8が設置されている側部のみを効率的に補強することができる。
(効果 4)バルコニー2は、建物本体3の外側面4と平行な側壁8bの一部に格子51が設けられても良い。そして、格子51がバルコニー2の長手方向41の中心位置52に対し偏って設けられている場合には、追加の止点22は、バルコニー2の長手方向41の側部のうちの、格子51が偏っている側とは反対の側の、建物本体3と直交する側壁8aの位置に設けるようにしても良い。これにより、格子51が偏っている側とは反対の側の位置のみを効率的に補強することができる。格子51が偏っている側の長手方向41の側部では、バルコニー2とアタッチメント5とは、上中2つの止点16,17でボルト固定された建築当初のままにしても良い。
格子51が設けられている位置は、建築当初から、バルコニー2が部分的に軽量になっている。また、格子51の部分は、サイディング材31が設置されても、特に重量32が大きく増加することはない。そのため、格子51が近くにあるバルコニー2の長手方向41の側部については、追加の止点22を設ける必要をなくすることができる。このように、格子51の偏り具合に応じて、追加の止点22の設置の有無を決めるようにすることで、バルコニー2の格子51が偏っている側とは反対の側のみを効率的に補強することができる。
1 建物
2 バルコニー
3 建物本体
4 外側面
5 アタッチメント
8 側壁
8a 側壁
8b 側壁
16 上側の止点
17 中間の止点
22 追加の止点
23 止点間ピッチ
31 サイディング材
41 長手方向
42 建物ユニット
43 建物ユニット
52 中心位置

Claims (4)

  1. 建物本体の外側面に、バルコニーの下部がアタッチメントを介して取付けられているバルコニー固定構造であって、
    前記バルコニーは、前記アタッチメントに対し、上中2つの止点によって、前記建物本体の前記外側面と平行で水平な方向にボルト固定されており、
    中間の前記止点よりも下側の位置に追加の止点を設けることで、止点間ピッチが上下方向に拡大可能となっていることを特徴とするバルコニー固定構造。
  2. 請求項1に記載のバルコニー固定構造であって、
    前記バルコニーは、外面にサイディング材が設置されていることを特徴とするバルコニー固定構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバルコニー固定構造であって、
    追加の前記止点は、前記バルコニーの長手方向の側部における、前記建物本体と直交する側壁の位置に設けられていることを特徴とするバルコニー固定構造。
  4. 請求項1または請求項2に記載のバルコニー固定構造であって、
    前記バルコニーは、前記建物本体の前記外側面と平行な側壁の一部に格子が設けられており、
    該格子が前記バルコニーの長手方向の中心位置に対し偏って設けられている場合に、
    追加の前記止点は、前記バルコニーの長手方向の側部のうちの、前記格子が偏っている側とは反対の側の、前記建物本体と直交する側壁の位置に設けられていることを特徴とするバルコニー固定構造。
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