JP2021075929A - 止水板及びこれを用いた止水構造 - Google Patents

止水板及びこれを用いた止水構造 Download PDF

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Abstract

【課題】連設タイプの止水板本体において、板体を連設する際に、建物開口の間口方向の位置が適切になるように板体同士を連設できるとともに、板体同士の間口方向での相互移動を適切に防止することができる止水板と、並びにこれを用いた止水構造とを提供する。【解決手段】複数の板体を高さ方向に連設して構成され、建物開口に当接する開口当接面とグラウンドに当接するグラウンド当接面とを含み、建物開口の前方に載置される止水板において、高さ方向に連設する一方の板体と他方の板体のうち、一方の板体の他方の板体と連設する端部に凸条が形成され、他方の板体の一方の板体と連設する端部に凸条と嵌装する凹溝が形成されており、他方の板体が、建物開口の間口方向の両端部に凹溝の側縁の少なくとも一部を閉塞する側壁を具備しており、一方の板体の凸条の、建物開口の間口方向の少なくとも一方の端縁が、他方の板体との連設面の垂直方向に対して傾斜している。【選択図】図1

Description

本発明は、豪雨や河川氾濫等に起因して建物開口に押し寄せる雨水や氾濫水の、建物内への浸入を防止する止水板及びこれを用いた止水構造に関し、とくに、止水板本体が上下方向(高さ方向)に2以上の板体を連結して構成された止水板であって、高い水位を以てして浸入しようとする雨水や氾濫水にも安定して対処できるとともに、高い止水性を発揮できるものである。
止水板を建物開口の外部にあたる前方に設置し、止水板本体をグラウンド面に当接させるとともに、建物開口の前方端縁に当接させて、建物開口の内部にあたる後方(即ち、建物内部)への水の浸入を防止する技術が知られている(例えば特許文献1)。
この技術を用いる場合、想定水位(浸入するであろう雨水や氾濫水の水位)が高い場合、止水板本体の高さを単純に高くする方策が採られるが、止水板本体が高いと、重量やサイズが嵩み、取扱いや保管に支障を来すおそれがあるため、止水板本体を上下複数の板体で構成する方策がとられる(例えば特許文献2)。
このように止水板本体を上下複数の板体で構成する場合、設置場所で板体を連結(結合)する連結タイプの止水板本体と、連設(当接や嵌装等によって上下方向に分離可能な状態での接合)する連設タイプの止水板本体がある。
しかし、連結タイプでは、連結手段を起動させる作業自体が複雑で、煩雑となる懸念があり、手順誤りや手順飛ばしが生じると、止水性能が担保できなかったり、危急の際に設置が間に合わなかったりする。止水板は、洪水等の発生を事前に予測して、または洪水等の兆候が認められたときに設置されるため、素早く簡便に設置されなければならない。即ち、不慣れな設置者であっても、直感的に設置ができなければならず、設置マニュアルを熟読して、はじめて設置できたり、止水機能が発揮できたりするようでは、災害対策の製品としては相応しくない。
このため、止水板本体の構成は、連設タイプが望ましいものの、連設タイプで、且つ止水板本体の上方から下方に向けて押圧する下向き押圧機構によって止水性を発揮させる止水板にあっては、次に説明する問題があった。即ち、止水板本体に下向きの押圧力を負荷すると、止水板本体の上端側には、鉛直下向きの応力とともに、前後方向の応力も負荷され得るため、板体間の連接部で止水板本体が屈曲してしまう場合がある。
また、止水板本体が連接部で屈曲した状態で設置されると、屈曲の無い状態(複数の各板体が前後方向に傾倒せず、高さ方向に略直線的に連設された状態)に比べて止水板本体の総高さが高くなる。よって、前方から押し寄せる水の圧力によって、止水板本体全体が建物開口側に押され、屈曲した状態から略直線状態(図16(a)から(b)に示すように、直線状の板体が連なって連設された状態)に変化し、止水板本体の総高さは低くなる。このとき、止水板が、トグル式等による下向き押圧機構による下方への押圧力でグラウンド当接面とグラウンドとが密接的に当接する構成である場合、トグルによる押し出し距離(伸び距離)には限界があるため、下向き押圧機構による密接的に当接していた止水板本体のグラウンド当接面とグラウンドとの間の圧接状態が解除(又は圧接状態が減殺)され、両者間に止水パッキンを介在させたとしても当該止水パッキンの潰れ量が小さく、水の浸入を許してしまうおそれがあった。特にグラウンド近傍は上方より水圧が高くなるため、洪水等の浸入を確実に防止するには、上記課題の解決が必要不可欠である。
これに対し、上記特許文献2には、「建造物の開口に設置して水の浸入を堰き止める止水板と、止水板を支持する支持部材と、の間の隙間の止水構造において、吸水するにつれて体積が膨張する吸水性膨張材が前記隙間で膨張するように止水板に取り付けられ、止水板は、立てられた状態の複数の板材が積み重ねられて構成されており、下段の板材の上面が凸状に形成され、上段の板材の下面には板材の上面に重なり嵌合する凹状の溝が形成され、溝の底部に吸水性膨張材が設けられた止水構造」が開示されている。
しかし、かかる構成では、支持部材を伴わず、建物開口部の外部にあたる前方に止水板が載置され、止水板の両端縁が自由端となった止水板に対しては、適切に建物開口の止水性を担保できない。即ち、複数の板材が積み重ねられる際に、下段の板材の上面にある凸状と、上段の板材の下面にある凹状の溝とを嵌合させたとしても、下段の板材と上段の板材とが、互いに左右方向、即ち建物開口の間口方向への移動が許容されている状態であり、建物開口の前方端縁に当接する開口当接面における止水性が担保できない。
これを解消するためには、止水板の設置者が止水板の板体同士を連設する際に、十分に注意して、開口方向の位置が適切になるように板体同士を連設しなければならず、また、建物開口部に押し寄せる水の水圧によっても、板体同士の間口方向での相互移動を適切に防止する手段が必要となり、煩雑でありまた製造コストがアップする。また、各板体の開口当接面に止水パッキンが配設された止水板の場合、各板体が間口方向に移動して載置されたり、水圧で移動したりし、各板体の相互移動により開口当接面にある止水パッキンが建物開口の立設面に当接できず、圧接・圧潰で止水性を発揮する止水パッキンが機能せず、漏水の原因となるおそれがあった。
特開2017−160693号公報 特開2017−031627号公報
以上のような従来技術における種々の問題点に鑑み、本発明の目的は、連設タイプの止水板本体において、板体を連設する際に、なんらの顧慮を払うことなく、ほぼ自動的に建物開口の間口方向の位置が適切になるように板体同士を連設できるとともに、複雑な機構を備えずとも、板体同士の間口方向での相互移動を適切に防止することができる止水板と、並びにこれを用いた止水構造と、を提供することにある。
上記の課題を解決すべく、本発明は、
建物開口の外部にあたる前方から内部にあたる後方に向けての水の浸入を防止する止水板であって、
複数の板体を高さ方向に連設して構成され、前記建物開口の前方端縁に当接する開口当接面と、グラウンドに当接するグラウンド当接面と、を含み、前記建物開口の前方に載置される立設板状の止水板本体を具備して構成され、
(1)前記高さ方向に連設する一方の板体と他方の板体のうち、
前記一方の板体の、他方の板体と連設する端部に、凸条が形成され、
前記他方の板体の、一方の板体と連設する端部に、前記凸条と嵌装する凹溝が形成されており、
(2)前記他方の板体が、建物開口の間口方向の両端部に前記凹溝の側縁の少なくとも一部を閉塞する側壁を具備しており、
(3)前記一方の板体の凸条の、建物開口の間口方向の少なくとも一方の端縁が、前記他方の板体との連設面の垂直方向に対して傾斜していること、
を特徴とする止水板、
を提供する。
このような構成を有する本発明の止水板によれば、板体を連設する際に、一方の板体の、他方の板体と連設する端部に形成された凸条が、他方の板体の、一方の板体と連設する端部に形成された凹条とが嵌装する。そしてこのとき、他方の板体が、建物開口の間口方向の両端部に凹溝の側縁の少なくとも一部を閉塞する側壁を具備し、かつ、一方の板体の凸条の、建物開口の間口方向の少なくとも一方の端縁が、他方の板体との連設面の垂直方向に対して傾斜していることから、なんらの顧慮を払うことなく、ほぼ自動的に建物開口の間口方向の位置が適切になるように板体同士を連設でき、板体同士の間口方向での相互移動を適切に防止することができる。また、従来技術のように、止水板の両端に嵌合用柱乃至は支持部材を必要とせず、止水板の両端はいわば自由端である。
また、上記の本発明の止水板においては、
前記一方の板体の凸条の傾斜部が垂直部に続いて傾斜していること、
が好ましい。
このような構成を有する本発明の止水板によれば、板体の連設時に、一方の板体の、他方の板体と連設する端部に形成された凸条が、他方の板体の、一方の板体と連設する端部に形成された凹条とが嵌装する際、一方の板体の凸条が他方の板体の凹条の側壁により確実に当接するため、板体同士の間口方向での相互移動をより適切に防止することができる。
また、上記の本発明の止水板においては、
前記一方の板体の他方の板体側端部の前方側外縁及び後方側外縁に、前記他方の板体の一方の板体側端部を嵌装させる立設面が形成されていること、
が好ましい。
このような構成を有する本発明の止水板によれば、一方の板体と他方の板体とによって止水板本体を屈曲することなく構成し、簡便かつ確実に止水板本体を建物開口に設置することができると共に、止水板全体の止水性能、特に止水板本体のグラウンド当接面とグラウンドとの間の止水性を好適に担保することができる。
また、上記の本発明の止水板においては、
前記後方側外縁に位置する前記立設面が、前記止水板本体の前記開口当接面以外に形成されていること、
が好ましい。
このような構成を有する本発明の止水板によれば、立設面(立設片)が止水板本体と建物開口の前方の端縁との間で干渉することがなく、止水板本体と建物開口の前方の端縁が密接でき、間隙の発生を防止できるので、止水板本体と建物開口との間の止水性を担保することができる。
また、上記の本発明の止水板においては、
前記止水板本体が、前記止水板本体を上方から下方に向けて押圧する下向き押圧機構を具備して構成されていること、
が好ましい。
このような構成を有する本発明の止水板によれば、このような構成を有する本発明の止水板によれば、簡便かつ確実に止水板本体を建物開口に設置することができると共に、板体同士や板体と躯体との間を公知の方式で固定するという煩雑で複雑な作業が不要で、一方の板体と他方の板体を嵌装して連設するだけであるので、設置作業に不慣れな者や力の弱い者であっても、危急の際に、素早く、簡単、確実に止水板を設置できる。
更に、本発明は、上記の本発明の止水板を前記建物開口に載置することにより前記建物開口からの水の浸入を防止すること、
を特徴とする建物開口の止水構造、
も提供する。
このような構成を有する本発明の止水構造によれば、設置時に屈曲なく止水板本体を構成することができ、止水板全体の止水性能、特に止水板本体のグラウンド当接面とグラウンドとの間の止水性を担保することができる。
本発明によれば、連設タイプの止水板本体において、板体を連設する際に、なんらの顧慮を払うことなく、ほぼ自動的に建物開口の間口方向の位置が適切になるように板体同士を連設できるとともに、複雑な機構を備えずとも、板体同士の間口方向での相互移動を適切に防止することができる止水板と、並びにこれを用いた止水構造と、を提供することができる。
本実施形態における止水板1の概要を示す模式図である。 一方の板体11の構造を示す図であって、図2(a)は、一方の板体11の正面図であり、図2(b)は、図2(a)における矢視Aの側面図である。 一方の板体11の上端部の構造を示す図であって、図3(a)は、図2(a)における矢視Bの部分側面図であり、図3(b)は、図2(a)における矢視Cの部分断面図であり、図3(c)は、図2(a)の破線領域を拡大した部分正面図である。 一方の板体11の上端部の構造を示す図であり、図2(a)における矢視Dの平面図である。 立設片31のその他の形成態様を示す図であって、図5(a)は、前方X1側及び後方X2側外縁に位置する立設片31を同間隔で連続して形成する態様を示す一方の板体11の平面図であり、図5(b)は、前方X1側と後方X2側外縁に位置する立設片31を異なる間隔で連続して形成する態様を示す一方の板体11の平面図である。 一方の板体11の上端部の構造を部分的に示す概略斜視図である。 他方の板体13の構造を示す図であって、図7(a)は、他方の板体13の正面図であり、図7(b)は、図7(a)における矢視Eの側面図である。 他方の板体13の下端部の構造を示す図であって、図8(a)は、図7(a)における矢視Fの部分側面図であり、図8(b)は、図7(a)における矢視Gの部分断面図であり、図8(c)は、図7(a)の破線領域を拡大した部分正面図である。 他方の板体13の下端部の構造を示す図であり、図7(a)における矢視Hの平面図である。 内側凸条35を有する一方の板体11を他方の板体13に嵌装する様子を説明する模式図である。 建物開口81に一方の板体11を設置した状態を示す模式図である。 一方の板体11の上端部と他方の板体13の下端部との嵌装態様を示す図であって、図12(a)は、一方の板体11の上端部と他方の板体13の下端部とを接近させる状態を示す模式図であり、図12(b)は、一方の板体11の上端部と他方の板体13の下端部とが嵌装した状態を示す模式図である。 建物開口81に止水板1を設置した状態の模式図である。 その他の内側凸条35及び内側凹溝41の態様を示す図であって、図14(a)は、内側凸条35を略台形に構成した態様を示す断面図であり、図14(b)は、内側凸条35の開口方向Xの角部を斜めに面取りした態様を示す断面図であり、図14(c)は、内側凹溝41の開口方向Xにおける内側の角部を斜めに面取りした態様を示す断面図である。 一方の板体11の上端部及び他方の板体13の下端部におけるその他の態様を示す図であって、図15(a)は、一方の板体11が内側凹溝41、立設面15(立設片31)、及び止水パッキン37を具備し、他方の板体13が内側凸条35を具備する態様を示す断面図であり、図15(b)は、一方の板体11が内側凹溝41及び立設面15(立設片31)を具備し、他方の板体13が内側凸条35及び止水パッキン37を具備する態様を示す断面図であり、図15(c)は、一方の板体11の上端部及び他方の板体13の下端部が略平滑であり、一方の板体11が立設面15(立設片31)及び止水パッキン37を具備する態様を示す断面図である。 従来の止水板本体が屈曲した状態(a)と、当該止水板の直線状の板体が連なって連設されて略直線状となった状態(b)とを示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の止水板の代表的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られるものではなく、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて大小や長短の比率や数量を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
なお、本実施形態では、建物開口81を基準として、前後方向をX、間口方向をY、高さ方向をZとしており、更に詳細には、前後方向Xのうち前方をX1、後方をX2とし、間口方向Yのうち一方をY1、他方をY2とし、また高さ方向Zのうち上方をZ1、下方をZ2として説明する。
1.止水板1
図は、本発明の一実施形態に係る止水板1の概要を示す模式図である。図1に示すとおり、本実施形態の止水板1は、例えば有事の際に発生した洪水等の大量の水が、建物開口81の外部にあたる前方X1(図1の左手前側)から内部にあたる後方X2(図1の右奥側)に向けての水の侵入を防止するものである。
止水板1は、複数の板体を高さ方向Zに連設して構成され、建物開口81の前方X1の端縁83に当接する開口当接面5と、グラウンド85に当接するグラウンド当接面7と、を具備する立設板状の止水板本体3と、止水板本体3を上方Z1から下方Z2に向けて押圧する下向き押圧機構9と、を具備して構成されている。高さ方向Zに連設する一方の板体11と他方の板体13のうち、一方の板体11の他方の板体13側端部(上端部)の前方側外縁及び後方側外縁に、他方の板体13の一方の板体11側端部(下端部)を嵌装させる立設面15が形成されている。
また、本実施形態の止水板本体3は、止水板本体を建物開口81側に付勢させる付勢装置19と、建物開口81の端縁83とグラウンド85との間の止水性を担保する止水パッキン17と、を具備している。ここでいう建物間口81は、より具体的には、家屋やビル等の建築物における扉や戸等のある出入口や窓のほか、外構の出入口、地下街や駐車場への出入口等が例示できる。なお、図1においては、立設面15が表れないため、立設面15の符号を表示していない。
<止水板本体3>
上述のとおり、止水板本体3は、複数の板体を高さ方向Zに連設して構成されるものであり、本実施形態では下側板体となる一方の板体11と、上側板体となる他方の板体13と、の2枚を高さ方向Zに連設することによって構成されている。以下、一方の板体11及び他方の板体13の構造について詳述する。
<一方の板体11>
図2〜図5を用いて、一方の板体11の構造について詳細に説明する。図2は、一方の板体11の構造を示す図であって、図2(a)は、一方の板体11の正面図(建物開口の前方側から建物開口側をみた状態)であり、図2(b)は、図2(a)における矢視Aの側面図である。図3は、一方の板体11の上端部の構造を示す図であって、図3(a)は、図2(a)における矢視Bの部分側面図であり、図3(b)は、図2(a)における矢視Cの部分断面図であり、図3(c)は、図2(a)の破線領域を拡大した部分正面図である。図4は、図2(a)における矢視Dの平面図である。
図2(a)及び(b)に示すとおり、一方の板体11は、所定の厚さで構成された略矩形の板状部品であって、前後方向Xの後方X2に対向する面における間口方向Yの一方Y1及び他方Y2の領域に開口当接面5を具備し、高さ方向Zの下方Z2に対向する面にグラウンド当接面7を具備している。なお、開口当接面5の領域は、構成する止水板本体3及び止水する建物開口81のサイズに応じて適宜決定される。また、本実施形態では一方の板体11が、前後方向Xの前方X1に対向する面の上方に把持部21が配設され、設置時や撤去時において一方の板体11を確実に把持して容易に操作及び運搬できるよう構成されている。
また、把持部21が配設された面の下方中央には、止水板本体3を建物開口81に向けて付勢する付勢装置19が配設されている。この付勢装置19は、例えば特開2019−105059号公報に開示された止水板を建物開口81に付勢する機構が採用できる。付勢装置19について具体的には、グラウンド当接部23と、グラウンド当接部23を支点に傾斜角度が変更自在な傾斜板25と、から構成され、傾斜板25の一方の端部27側の底面にグラウンド当接部23が配設され、他方の端部29が一方の板体11に対して略鉛直方向にスライド自在に接続され、傾斜板25の傾斜角度のさらなる傾斜により一方の板体11(止水板本体3)を付勢するものである。
このような付勢装置19を具備すれば、設置者が傾斜板19Bを上方Z1から下方Z2に踏み込むことにより、傾斜板25の一方の端部27側が具備するグラウンド当接部23がグラウンド面85に当接した状態で、他方の端部29側が下方Z2にスライドし、傾斜板25が下方Z2に傾斜する。これによって、グラウンド当接部23とグラウンド85との当接位置を支点として傾斜板25の他方の端部29が建物開口81側に向けた付勢力を発し、一方の板体11(止水板本体3)を建物開口81側に付勢して移動させることができる。
一方の板体11の上端部は、他方の板体13の下端部と嵌装する構造を有している。図3(a)(b)(c)に示すとおり、一方の板体11の上端部には、前方X1側外縁及び後方X2側外縁で略上方Z1に突出した二つの立設片31と、略中央で略上方Z1に突出した内側凸条35と、が形成されている。また、立設片31と内側凸条35間には止水パッキン37が配設されている。
二つの立設片31は、間口方向Yに伸びつつ、上端の一部が上方Z1に向って前方X1又は後方X2に傾斜し(二つの立設片31間の離隔距離が上方Z1に向って広がる。)、当該傾斜面が立設ガイド面33となり、立設ガイド面33から下方Z2が立設面15となる。内側凸条35は、一方の板体11の剛性向上の観点から間口方向Yの略全長に亘って形成することが望ましいが、後述する他方の板体13の側壁51に干渉しないよう、間口方向Yの両端から1mm〜3mm程度控除することが好ましい。
一方の板体11の上端部の前後方向Xの幅寸法は、後述する他方の板体13の下端部の前後方向Xの幅寸法と略同一に形成するのが、板体11,13の強度や製造コストの観点から望ましい。そして、この場合、前方X1側外縁にある立設面15と、後方X2側外縁にある立設面15との間の距離(前後方向Xの離隔寸法)は、他方の板体13の下端部の幅寸法と同一か、それより0.5〜1mm程度大きく形成しておき、他方の板体13の下端部が容易に嵌装できるようにしておくことが望ましい。したがって、他方の板体13の下端部の幅寸法と略同一の幅寸法となる一方の板体11の上端部から、それぞれ前後方向X(即ち、板体11の外側)に向けて突出するように二つの立設片31を設け、さらに立設面15は一方の板体11の外縁面の仮想延長線上若しくは仮想延長線よりもわずかに外側に、それぞれ設けられることが望ましい。
一方の板体11の上端部に設けられた立設面15の存在により、一方の板体11に嵌装された他方の板体13は、下向きの押圧機構によって押圧されたとしても、立設面15が倒れようとする他方の板体13の外縁面を支持するので、板体が前後方向に傾倒することなく、止水板本体を建物開口に設置できる。
また、内側凸条35の前後方向Xの幅は、後述する内側凹溝41の前後方向Xの幅と同寸法以上であることが望ましい。内側凸条35の前後方向Xの幅を上記のように設定することにより、一方の板体11と他方の板体13との嵌着度を向上し、双方の板体を屈曲なく連設することができる。なお、本実施形態では、内側凸条35及び後述する内側凹溝41を略矩形に形成した態様を代表して説明するが、図14に示す態様を採用し、部分的(内側凸条35の根本近傍)に内側凸条35の前後方向Xの幅を内側凹溝41の前後方向Xの幅と同寸法以上となるよう構成してもよい。
ここで、図14(a)に示す態様は、内側凸条35が上方Z1を上底とする略台形であり、下底の前後方向Xの幅が内側凹溝41の幅と同寸法以上に構成されている。また、図14(b)の態様は、内側凸条35の開口方向Xの角部が斜めに面取りされ、当該面取部の下方Z2における前後方向Xの幅が内側凹溝41の幅と同寸法以上に構成されている。また、図14(c)の態様は、内側凹溝41の開口方向Xにおける内側の角部が斜めに面取りされ、内側凸条35の前後方向Xの幅が当該面取部の上方Z1における前後方向Xの幅と同寸法以上となるよう構成されている。上記のような態様を採用すれば、内側凸条35と内側凹溝41の嵌装が容易になり、一方の板体11と他方の板体13との連設を簡便に行うことができる。
一方の板体11の間口方向Y両端部には、一方の板体11の側縁を閉じる側板39が配設されている。側板39は、一方の板体11の側縁から水が板体内部に浸入しないよう封止すると共に、後述する他方の板体13の側壁51との干渉を避けるため、側板39が立設面15及び内側凸条35に達しないよう高さ方向Zの寸法を決定する。
立設片31の具体的な構造について、図4に示すとおり、後方X2側外縁に位置する立設面15(立設片31)が、止水板本体3の開口当接面5以外に形成されることが好ましい。立設片31は、上述のとおり前方X1又は後方X2に突出するように形成され、あるいは、その上端の一部が上方Z1に向って前方X1又は後方X2に傾斜しているため、後方X2側外縁に位置する立設片31が開口当接面5内に存在すると、止水板1の設置時に立設片31が建物開口81の前方X1の端縁83に干渉してしまい、建物開口81の前方X1の端縁83と一方の板体11の開口当接面5との間に間隙が発生し、水の浸入を許してしまう。このため、後方X2側外縁に位置する立設片31は、開口当接面域L以外に形成することが望ましい。
なお、立設片31は、図5(a)及び(b)に示すように、所定の間隔を設けて部分的に形成する構成を採用してもよい。より具体的には、前方X1側外縁に位置する立設片31と、後方X2側外縁に位置する立設片31と、を開口当接面域L以外で、間口方向Yに対して所定の間隔を設けて複数形成する(特に図5(a))、又は後方X2側外縁に位置する立設片31のみを開口当接面域L以外で複数形成し、前方X1側外縁に位置する立設片31は、開口当接面域Lを含めて複数形成(特に図5(b))してもよい。間口方向Yの位置を違えて複数形成する態様であると、嵌装する際の作業性が向上できる。
ここで、図6は、一方の板体11の上端部の構造を部分的に示す概略斜視図であり、内側凸条35の構造がわかり易いように、他の構成部分は省略している。図6(a)に示すように、本実施形態の一方の板体11の上端部に位置する内側凸条35は、建物開口81(図示せず)の間口方向Yの少なくとも一方の端縁が、他方の板体13(図示せず)との連設面11aの垂直方向に対して傾斜して傾斜部35aを構成していることを特徴としている。
このとき、内側凸条35の端縁に形成された傾斜部35aは、傾斜先端側が傾斜裾側に比べて間口方向Yの中央寄りに位置していることが必要であり、図6の実施形態でいうと、内側凸条35の端縁の傾斜先端側(上端側)が、傾斜裾側(下端側)よりも間口方向Yの中央寄り(左側)に位置している。
これにより、一方の板体11と他方の板体13とを連設する際、一方の板体11の内側凸条35が他方の板体13の内側凹溝41(後述参照)に嵌装されるとき、内側凸条35の端縁が傾斜部35aを構成しているため、なんらの顧慮を払うことなく、ほぼ自動的に建物開口の間口方向Yの位置が適切になるように板体同士を連設でき、板体同士の間口方向Yでの相互移動を適切に防止できる。なお、図6では、内側凸条35の両側端縁のうちの一方の端縁(右側端縁)に傾斜部35aが形成されていれば、上記の作用効果を奏するものの、前記一方の端縁の反対側の端縁にも傾斜部35aを形成することで、間口方向Yの両側の端縁に形成した構成にすると、上記の作用効果はより顕著に得られる。
また、図6(b)に示すように、本実施形態の一方の板体11の上端部に位置する内側凸条35は、建物開口81(図示せず)の間口方向Yの少なくとも一方の端縁が、他方の板体13(図示せず)との連設面11aの垂直方向に対して傾斜して傾斜部35aを構成しており、かつ、傾斜部35aが垂直部35bに続いて傾斜している。即ち、内側凸条35の端縁には、連設面11aから上方に向かって垂直部35b及び傾斜部35aが続いて形成されている。
これにより、一方の板体11と他方の板体13とを連設する際、一方の板体11の内側凸条35が他方の板体13の内側凹溝41(後述参照)に嵌装されるとき、一方の板体11の内側凸条35が他方の板体13の内側凹溝41(後述参照)の側壁51(後述参照)に確実に当接するため、板体同士の間口方向Yでの相互移動を更に的確に防止できる。詳細は、後述する他の板体13についての説明において述べる。
<他方の板体13>
図7〜図9を用いて、他方の板体13の構造について詳細に説明する。図7は、他方の板体13の構造を示す図であって、図7(a)は、他方の板体13の正面図であり、図7(b)は、図7(a)における矢視Eの側面図である。図8は、他方の板体13の下端部の構造を示す図であって、図8(a)は、図7(a)における矢視Fの部分側面図であり、図8(b)は、図7(a)における矢視Gの部分断面図であり、図8(c)は、図7(a)の破線領域を拡大した部分正面図である。図9は、図7(a)における矢視Hの平面図である。
図7(a)及び(b)に示すとおり、他方の板体13は、所定の厚さで構成された略矩形の板状部品であって、前後方向Xの後方X2に対向する面における間口方向Yの一方Y1及び他方Y2の領域に開口当接面5を具備している。なお、開口当接面5の領域は、構成する止水板本体3及び止水する建物開口81のサイズに応じて適宜決定すればよい。また、本実施形態では他方の板体13が、高さ方向Zの上方Z1に突出した把持部43を上端部に具備し、設置時や撤去時において他方の板体13を確実に把持して容易に操作及び運搬できるよう構成されている。
また、他方の板体13の上端部には、他方の板体13(止水板本体3)を上方Z1から下方Z2に向けて押圧する下向き押圧機構9が配設されている。この下向き押圧機構9は、例えば特開2017−160693号公報に開示された止水板を下方に押し付けるトグル機構が採用でき、上側板体となる他方の板体13を下方Z2に押圧することで、止水板本体3全体に押圧力が付加されるように構成することが好ましい。
下向き押圧機構9は、具体的には、建物開口81の内向き立設面87に当接する押圧体45を具備して構成され、下向き押圧機構9のハンドルを操作することで、建物開口81の内向き立設面87に対して、押圧体45を間口方向Yの建物開口81の内向き立設面87に向けて押圧しながら、高さ方向Zの上方Z1に押圧する。このような下向き押圧機構9により、止水板本体3を下方Z2に押圧し、止水板本体3のグラウンド当接面7とグラウンド85との間の止水性を好適に担保し、設置作業も簡便化できる。つまり、この下向き押圧機構9は、押圧体45を建物開口81の内向き立設面87に向けて押圧することで、間口方向Yへの止水板本体3の横ずれを規制しながら、押圧体45の位置ずれを防止する。それと同時に押圧体45は高さ方向Zの上方Z1に押圧されるので、その反力で止水板本体3を下向きに強く押圧することができる。
しかし、その一方で、押圧体45(力の付加される点)は止水板本体(力の作用する点)より後方X2側に位置しているため、押圧機構9の下向きの押圧力は、やや斜め方向に力が付加されることになる。即ち、下方Z2への強い押圧とともに、前方X1への押圧が合成された押圧となる。本実施例の押圧機構9を採用した場合は、止水板本体の直上から真下に向けて押圧する押圧機構に比べ、より止水板本体3が屈曲しやすくなる傾向にあり、本構成の適用が好ましいといえる。
他方の板体13の下端部は、一方の板体11の上端部に嵌装される構造を有している。図8(a)(b)(c)及び図9に示すとおり、他方の板体13の下端部の略中央には、略上方Z1に窪む内側凹溝41が形成されており、間口方向Yの略全長にわたって形成されている。内側凹溝41は、他方の板体13の剛性向上の観点から間口方向Yの略全長に亘って形成することが望ましい。なお、高さ方向Zの下方Z2に対向する面の内、内側凹溝41以外の領域は端面47として一方の板体11が具備する止水パッキン37と当接する部位となる。
他方の板体13が、建物開口81の間口方向Y両端部に内側凹溝41の側縁の少なくとも一部を閉塞する側壁51を具備することが好ましい。より具体的には、他方の板体13の間口方向Y両端部には、他方の板体13の側縁を閉じる側板49が配設され、他方の板体13の端面から水が板体内部に浸入しないよう封止すると共に、側板49の一部が内側凹溝41の側縁を閉塞する側壁51を形成している。このような構造を採用することにより、側壁51が一方の板体11の内側凸条35の側縁と干渉するため、他方の板体13が建物開口81の間口方向Yにスライドせず、意図しないズレを防止して一方の板体11及び他方の板体13における嵌装部の止水性を担保することができる。
上述した一方の板体11及び他方の一体13は、例えば樹脂製の板体に枠材を取り付けて構成するのがよく、持ち運び時の軽量性、耐久性や強度の観点から、ポリカーボネート樹脂製の中空複層体の周囲にアルミニウム製枠材を取り付けて構成することが望ましい。ただし、その他の態様、例えば合成樹脂製や金属製の板体を用いて構成してもよいことはいうまでもない。
また、本実施形態では、一方の板体11に内側凸条35及び立設面15(立設片31)を形成し、他方の板体13に内側凹溝41を形成する態様を代表しているが、図15(a)及び(b)に示すように、一方の板体11に内側凹溝41及び立設面15(立設片31)を形成し、他方の板体13に内側凸条35を形成し、全体の構成に応じて止水パッキン37を一方の板体11側又は他方の板体13側に選択して配設する態様を採用してもよい。また、図15(c)に示すように、一方の板体11の上端部及び他方の板体13の下端部に内側凸条35及び内側凹溝41を形成せず双方を略平滑にし、一方の板体11の上端部又は他方の板体13の下端部に立設面15(立設片31)のみを形成する態様を採用してもよい。
止水パッキン17は、一方の板体11と他方の板体13とを連設させて止水板本体3を構成した際に、止水板本体3と建物開口81の端縁83との間、及び止水板本体3とグラウンド85との間に位置するように配設することが望ましい。また、止水板本体3と建物開口81の端縁83との間に配設する止水パッキン17は、一方の板体11の下端部から他方の板体13の上端部にまで亘って配設する必要があるため、例えば双方の板体それぞれに止水パッキン17を配設し、止水板本体3を構成すると双方の板体の止水パッキン17同士が高さ方向Zで当接して止水板本体3と建物開口81の端縁83との間の止水性を担保するよう構成すればよい。
なお、止水パッキン17(止水パッキン37)は、止水板本体3に水圧がかかった際に弾性変形して圧力を受け止めると共に、水が浸入しないように間隙を密封することができるゴム材料、樹脂材料若しくは樹脂発泡体又は空気袋体等で構成することが望ましい。
一方の板体11及び他方の板体13を上述の態様で構成することにより、一方の板体11の上端部に形成された立設面15と他方の板体13の下端部との嵌装、及び一方の板体11の上端部に形成された内側凸条35と他方の板体13の下端部に形成された内側凹溝41との嵌装を簡便かつ確実に行うことができ、一方の板体11と他方の板体13とを嵌着して、止水板本体3の屈曲を好適に防止することができる。また、一方の板体11及び他方の板体13の剛性が向上し、双方を確実に連設することができる。
ここで、図10を参照しながら、特に図6の態様の内側凸条35を有する一方の板体11を他方の板体13に嵌装する場合の様子を説明する。図10は、内側凸条35を有する一方の板体11を他方の板体13に嵌装する様子を説明する模式図である。図10に示すように、一方の板体11を他方の板体13に嵌装する際には、互いを近付くことになるが、互いの位置が間口方向Yにおいて少しずれたとしても、一方の板体11の内側凸条35の端縁にある傾斜部35aが、他方の板体13の側壁51の先端部に当たり、内側凹溝41内に導かれて確実に嵌装されるのである。
また、特に図6(b)のように、一方の板体11の内側凸条35の端縁に傾斜部35a及び垂直部35bが設けられていれば、一方の板体11の内側凸条35が他方の板体13の内側凹溝41に入った際、内側凸条35の端縁にある垂直部35bが側壁51の内側面に当接することになり、一方の板体11と他方の板体13とが嵌着して堅固に連設され、間口方向Yにおける板体同士の位置関係が確実に固定される。
ここで、一方の板体11の傾斜部35aの角度(連設面11aに対する角度)αは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよいが、45°〜80°であるのが好ましく、更に好ましくは、45°〜60°であるのがよい。特に60°以下が好ましいが、あまり小さいと、スムースに嵌装できないため、45°以上にしておくことが好ましい。
また、図10に示すように、一方の板体11の内側凸条35と他方の板体13の内側凹溝41との間口方向Yでの寸法関係は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよいが、以下の条件を満たすのが好ましい。
・一方の板体11と他方の板体13と間口方向の幅 略同一
・B(垂直部35bの無い場合も同様) 1〜5mm程度
・A 1〜5mm程度
・D(内側凸条35の高さ) 10〜50mm程度
・C(垂直部35bの高さ) 0〜10mm程度
好ましくは1〜5mm程度
本実施形態では、一方の板体11と他方の板体13とにおける2つの板体によって止水板本体3を構成する態様を代表して説明したが、更に複数の板体を用いて止水板本体3を構成してもよい。3つ以上の板体で止水板本体3を構成する場合は、最も下方Z2に位置する板体を上述した一方の板体11と略同様、最も上方Z1に位置する板体を上述した他方の板体13と略同様の構造で構成し、その他の板体は上端部を一方の板体11の上端部と略同様、下端部を他方の板体13の下端部と略同様の構造で構成すれば全ての板体を高さ方向Zに連設して止水板本体3を構成することができる。
3.止水板1を用いた止水方法
次に、図11〜図13を用いて、止水板1を用いた止水方法について詳細に説明する。図11は、建物開口81に一方の板体11を設置した状態を示す模式図である。図12は、一方の板体11の上端部と他方の板体13の下端部との嵌装態様を示す図であって、図13(a)は、一方の板体11の上端部と他方の板体13の下端部とを接近させる状態を示す模式図であり、図13(b)は、一方の板体11の上端部と他方の板体13の下端部とが嵌装した状態を示す模式図である。図13は、建物開口81に止水板1を設置した状態の模式図である。
まず、図11に示すように、一方の板体11を建物開口81に接近させると共にグラウンド当接面7をグラウンド85に当接させ、更に開口当接面5を建物開口81の前方X1の端縁83に当接させる。そして、他方の板体13を一方の板体11の上方Z1の位置に移動し、他方の板体13の下端部を一方の板体11の上端部に対向させつつ、徐々に他方の板体13を一方の板体11に接近させる。
図12(a)及び(b)に示すとおり、内側凸条35に内側凹溝41を対向させつつ一方の板体11に他方の板体13を接近させることにより、一方の板体11が具備する立設片31の立設ガイド面33によって他方の板体13の下端部が前後方向Xに対して適正な位置に誘導され、二つの立設面15間に他方の板体13の下端部を簡便かつ確実に嵌装させることができ、これと同時に内側凸条35が内側凹溝41内に入り込んで内側凸条35と内側凹溝41とが嵌装する。これにより、一方の板体11と他方の板体13とが前後方向Xに傾倒することなく高さ方向Zに連設し、屈曲なく止水板本体3を構成することができる。
また、内側凸条35と内側凹溝41との嵌装によって、他方の板体13の端面47が、一方の板体11の止水パッキン37に接触し、他方の板体13の自重によって止水パッキン37が押圧され、他方の板体13の端面47と止水パッキン37とが間隙なく当接される。これにより、一方の板体11と他方の板体13との間の嵌装部から水が間口方向Yに入り込み、建物開口81の後方X2側に浸入することを防止できる。
上記手順を完了した後、付勢装置19を操作して止水板本体3を建物開口81に付勢し、更に下向き押圧機構9を操作して止水板本体3を下方Z2に押圧しつつ建物開口81に固定する。これにより、止水板本体3の開口当接面5と建物開口81の端縁83との間に配設された止水パッキン17、及び止水板本体3のグラウンド当接面7とグラウンド85との間に配設された止水パッキン17が押圧され、建物開口81に対して間隙なく止水板本体3を設置することができる。
1 止水板
3 止水板本体
5 開口当接面
7 グラウンド当接面
9 下向き押圧機構
11 一方の板体
11a 連設面
13 他方の板体
15 立設面
17 止水パッキン
19 付勢装置
21 把持部
23 グラウンド当接部
25 傾斜板
27 一方の端部
29 他方の端部
31 立設片
33 立設ガイド面
35 内側凸条
35a 傾斜部
35b 垂直部
37 止水パッキン
39 側板
41 内側凹溝
43 把持部
45 押圧体
47 端面
49 側板
51 側壁
81 建物開口
83 端縁
85 グラウンド
87 内向き立設面
L 開口当接面域

Claims (6)

  1. 建物開口の外部にあたる前方から内部にあたる後方に向けての水の浸入を防止する止水板であって、
    複数の板体を高さ方向に連設して構成され、前記建物開口の前方端縁に当接する開口当接面と、グラウンドに当接するグラウンド当接面と、を含み、前記建物開口の前方に載置される立設板状の止水板本体を具備して構成され、
    (1)前記高さ方向に連設する一方の板体と他方の板体のうち、
    前記一方の板体の、他方の板体と連設する端部に、凸条が形成され、
    前記他方の板体の、一方の板体と連設する端部に、前記凸条と嵌装する凹溝が形成されており、
    (2)前記他方の板体が、建物開口の間口方向の両端部に前記凹溝の側縁の少なくとも一部を閉塞する側壁を具備しており、
    (3)前記一方の板体の凸条の、建物開口の間口方向の少なくとも一方の端縁が、前記他方の板体との連設面の垂直方向に対して傾斜していること、
    を特徴とする止水板。
  2. 前記一方の板体の凸条の傾斜部が垂直部に続いて傾斜していること、
    を特徴とする請求項1に記載の止水板。
  3. 前記一方の板体の他方の板体側端部の前方側外縁及び後方側外縁に、前記他方の板体の一方の板体側端部を嵌装させる立設面が形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の止水板。
  4. 前記後方側外縁に位置する前記立設面が、前記止水板本体の前記開口当接面以外に形成されていること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の止水板。
  5. 前記止水板本体が、前記止水板本体を上方から下方に向けて押圧する下向き押圧機構を具備して構成されていること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の止水板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された止水板を前記建物開口に載置することにより前記建物開口からの水の浸入を防止すること、
    を特徴とする建物開口の止水構造。





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