JP2021075319A - 折り畳み式断熱箱 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1及び2は、前後の側壁を内側に倒して、長方形の底部の上に前後の側壁を前後に並べて配置し、その次に、左右の側壁を内側に倒して、前後の側壁の上に左右の側壁を左右に並べて配置して、折り畳むようにした折り畳み式断熱箱を開示したものである。ところがこの構造では、側壁の高さが長方形の底部の短辺の半分以下に制限されてしまう。
ところが、特許文献3では、前後の側壁は何を上にするかはその構造上予め決定されてしまっており、逆の順に重ねようとすると折り畳むことができない。これでは、いちいち側壁の前後を確認してから折り畳む必要があるが、断熱箱、特に前後対称な直方体の断熱箱で、前後を確認してから折り畳むことは困難であり、手間が必要となってしまう。
本発明は、折り畳みの効率化と高さの自由度の向上との両立を図った折り畳み式断熱箱の提供を図ることを課題とする。
本発明の折り畳み式断熱箱にあっては、対向する少なくとも一対の側壁は、前記ヒンジが上下にスライド可能である。これによって、前記一対の前記側壁のうち何の前記側壁を先に折り畳んでも、後に折り畳まれる前記側壁の前記ヒンジが上方にスライドすることによって、前記一対の前記側壁を上下に重ねて折り畳むことができるように構成されたことを特徴とする。
前記固定ヒンジは、軸と前記軸を上下にスライド不可能且つ回動可能に受容する固定受け部とを備え、前記軸と前記固定受け部とのいずれか一方が前記左右側壁と前記嵩上壁とのいずれか一方に設けられ、前記軸と前記固定受け部とのいずれか他方が前記左右側壁と前記嵩上壁とのいずれか他方に設けられているものとすることができる。
前記スライドヒンジは、軸と前記軸を上下にスライド可能且つ回動可能に受容するスライド受け部とを備え、前記軸と前記スライド受け部とのいずれか一方が前記側壁と前記嵩上壁とのいずれか一方に設けられ、前記軸と前記スライド受け部とのいずれか他方が前記左右側壁と前記嵩上壁とのいずれか他方に設けられているものとすることができる。
前記スライド受け部は、前記嵩上壁の内面の左右両側に設けられた長溝あり、
前記長溝はその上端が上方へ解放されており、前記軸受け孔は前記長溝の上端によりも高い位置にあり、前記長溝の前記上端が、前記左右側壁によって閉ざされているものとして実施することができる。
また本発明では、前記側壁の高さが長方形の底部の短辺の半分以下に制限されてしまうことがないため、前記前後側壁は、前記左右側壁よりも水平長さが長いものとすることができる。
また本発明は、折り畳みの効率化と高さの自由度の向上との両立を図った折り畳み式断熱箱の提供することができたものである。
この実施の形態に係る折り畳み式断熱箱は、図1及び図2に示すように、底部11と、一対の前後側壁12(前後を区別する場合及び図では12F:前側壁、12B:後側壁とする)と、一対の左右側壁13(左右を区別する場合及び図では13L:左側壁、13R:右側壁とする)とによって断熱箱本体の収納部が構成され、その上に蓋部51が開閉可能に配置されている。これらはいずれも、内部の図示は省略するが、合成樹脂などの硬質の外壁の中部に発泡フォームや真空断熱材などの断熱材が収納されており、箱内外の遮温性を確保して収納部内の保温性を高めているため、通常のオリコンよりも厚みが大きく設定されている。
その際、前後側壁12のヒンジがスライドヒンジである。その結果、前側壁12Fと後側壁12Bのどちらを先に畳んでも、後に畳まれる前側壁12Fと後側壁12Bの何か他方のヒンジが上方にスライドすることによって、上下に重ねて折り畳むことができる。具体的には、図2(A)(B)のように前側壁12Fを先に畳んで、その上に後側壁12Bを重ねることもできるし、図2(C)(D)のように後側壁12Bを先に畳んで、その上に前側壁12Fを重ねることもできる。そして、図2(E)のように左側壁13Lと右側壁13Rを左右から畳むことができる。その際、左右側壁13は前後側壁12の上に重なるため、底部11には左右に嵩上壁21(左右を区別する場合及び図では21L:左側壁、21R:右側壁とする)を設けて、その上に左右側壁13を、固定ヒンジを介して設けることによって、上下に3枚の側壁を重ねることができる。
底部11は、平面視長方形などの矩形の底壁31と、その前辺と後辺とにそれぞれ沿って立設された下外合わせ代部32(図3参照)とを備えると共に、その左辺と右辺とには嵩上壁21を備える。なおこの例では、下外合わせ代部32の左右両側は、徐々に高くなるように構成することで、嵩上壁21との関係において強度を向上させていると共に、嵩上壁21の段部35よりも上方に突き出した突出部33を備えている。この突出部33は嵩上壁21の内壁面部34の内面側よりも内面(左右方向における内側)へも突出している。なお、突出部33と下外合わせ代部32の前後方向の内面の位置はほぼ同じで実質的に面一となっている。
より詳しくは、スライド受け部15は、内壁面部34から左右方向の外側に向けて凹んでおり、その上端が段部35上に開放されている。このスライド受け部15の解放された上端からスライド軸14が挿入され、スライド軸14はスライド受け部15内を上下に摺動可能となっていると共に、スライド受け部15内で回動可能となっている。これによって、前後側壁12は、その左右両端のスライド軸14がスライド受け部15に受容された状態で、上下方向に移動しながら左右方向に延びる軸を中心に起伏回動可能となっている。
前後側壁12は正面視略長方形などの矩形をなしている。前後側壁12の左右両端面の下部には、前述のスライド軸14が突出して設けられている。このスライド軸14を回転軸として、スライド受け部15に受容された状態で前後側壁12は、折り畳み式断熱箱の内側に向けて起伏回動する。これによって、前側壁12Fと後側壁12Bはどちらが先に倒されても、2枚が重なった状態で折り畳まれる。
なお、前側壁12Fと後側壁12Bは前と後ろで位置関係が異なるだけで実質的には同じ構造であるため、先に後側壁12Bを倒した場合でも、上記と前後逆の状態となるだけで同じ動きとなる。
前後側壁12は、下辺については底部11に対して、左右辺については左右側壁13および嵩上壁21に対して、それぞれ合わせ代をもって接している。
前後側壁12の下辺には下内合わせ代部37が形成されており、底部11の下外合わせ代部32の内側に重ねられる(図5参照)。下内合わせ代部37は、前後側壁12の本体よりも厚みが小さく、本体の内側(図5では左側)から下方に突出している。言い換えれば、前後側壁12は、下内合わせ代部37の外側は凹部となっており、この凹部に下外合わせ代部32が入った状態で下内合わせ代部37と下外合わせ代部32は重ねられる。前述のように、下内合わせ代部37は、左右両端寄りでは高さが徐々に高くなっているため、それに合わせて下内合わせ代部37の長さも徐々に大きくなっている。
左右側壁13は正面視略長方形などの矩形をなしている。この例では、左右側壁13の高さは、前後側壁12の左右長さの半分程度かそれ以下であり、左側壁13Lと右側壁13Rは同じ高さで向かい合った状態で折り畳まれる。前後側壁12の高さは、左右側壁13と嵩上壁21の高さの和にほぼ等しく、且つ、左右側壁13と嵩上壁21のそれぞれの前後長さとほぼ等しい。これによって、前側壁12Fと後側壁12Bは上下に重なり合って折り畳まれ、その上に左側壁13Lと右側壁13Rが向かい合った状態で折り畳まれる。
前後方向においては、底部11の下外合わせ代部32及び突出部33の内側に、前後側壁12の下内合わせ代部37と下方凹部42が来るように重ね合わせられると共に、左右側壁13の左右外合わせ代部38の内側に、前後側壁12の左右内合わせ代部39が来るように重ね合わせられる(図4及び図5参照)。
これによって、内外の空気の流通を抑制して断熱効果を高めることができるとともに、前後側壁12と左右側壁13の厚みの均一化に有利であると共に、接触した部分の厚み合計を側壁本体の厚みと同じにして、断熱性能に必要な厚みを確保することができる。
またこの構造は、折り畳みに際しては、左右側壁13は前後側壁12が折り畳まれないと、折り畳むことができない構造となっている。
蓋部51は、長方形などの平面視矩形状をなしており、前後側壁12及び左右側壁13の上に被せられる。蓋部51の内部にも必要に応じて断熱材を配置することができる。また、図3や図6に示すように前後側壁12及び左右側壁13の上端面には上凸状部26を設けて、これを受け入れる凹部を蓋部51の下面に設けて、両者を嵌合させることにより、断熱効果を高めるようにしておくことも好ましい。また、蓋部51は、組立時の形態の他、折り畳み時の形態においても被せることができコンパクトな形態に一体化できるようになっていると共に、折り畳み式断熱箱同士や他のオリコンともを重ねることができる。
本発明は上記の実施の形態の他、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々変更して実施できるものである。例えば、前後左右の位置関係は、相対的な位置を示すに止まるものであると理解されるべきであるし、その形状、大きさや材質についても種々変更して実施することができる。また固定ヒンジとスライドヒンジについては、嵩上壁21側に1スライド軸14や固定軸16を設けるようにするなど、凹凸の関係を前後側壁12及び左右側壁13と入れ替えるようにしても構わない。
12 前後側壁
12F 前側壁
12B 後側壁
13 左右側壁
13L 左側壁
13R 右側壁
14 スライド軸
15 スライド受け部
16 固定軸
17 固定受け部
21 嵩上壁
21L 左嵩上壁
21R 右嵩上壁
25 蓋体
26 上凸状部
31 底壁
32 下外合わせ代部
33 突出部
34 内壁面部
35 段部
36 傾斜外合わせ代部
37 下内合わせ代部
38 左右外合わせ代部
39 左右内合わせ代部
40 下面段部
41 傾斜内合わせ代部
42 下方凹部
51 蓋部
また組立形態では、図1に示されているように、前後側壁12の左右両側の段部43と、左右側壁13の左右外合わせ代部38とが組み合わされた状態となる。
Claims (7)
- 底部と前記底部の上にヒンジを介して折り畳み可能に配置された断熱性を有する側壁とを備えた折り畳み式断熱箱おいて、
対向する少なくとも一対の側壁は、前記ヒンジが上下にスライド可能であることによって、前記一対の前記側壁のうち何の前記側壁を先に折り畳んでも、後に折り畳まれる前記側壁の前記ヒンジが上方にスライドすることによって、前記一対の前記側壁を上下に重ねて折り畳むことができるように構成されたことを特徴とする折り畳み式断熱箱。 - 前記側壁は、前後一対の前後側壁と、左右一対の左右側壁との4側壁から構成され、
前記左右側壁は、前記底部の左右辺に設けられた嵩上壁の上に配置され、
前記前後側壁の上に前記左右側壁が重ねられて折り畳まれるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式断熱箱。 - 前記左右側壁と前記嵩上壁とは固定ヒンジによって上下にスライド不可能且つ回動可能に接続され、
前記前後側壁と前記嵩上壁とはスライドヒンジによって上下にスライド可能且つ回動可能に接続され、
前記固定ヒンジは、前記スライドヒンジの上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の折り畳み式断熱箱。 - 前記固定ヒンジは、軸と前記軸を上下にスライド不可能且つ回動可能に受容する固定受け部とを備え、前記軸と前記固定受け部とのいずれか一方が前記左右側壁と前記嵩上壁とのいずれか一方に設けられ、前記軸と前記固定受け部とのいずれか他方が前記左右側壁と前記嵩上壁とのいずれか他方に設けられており、
前記スライドヒンジは、軸と前記軸を上下にスライド可能且つ回動可能に受容するスライド受け部とを備え、前記軸と前記スライド受け部とのいずれか一方が前記側壁と前記嵩上壁とのいずれか一方に設けられ、前記軸と前記スライド受け部とのいずれか他方が前記左右側壁と前記嵩上壁とのいずれか他方に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の折り畳み式断熱箱。 - 前記固定受け部は、前記嵩上壁の前記内面の左右から内側に突出して設けられた軸受け孔であり、
前記スライド受け部は、前記嵩上壁の内面の左右両側に設けられた長溝あり、
前記長溝はその上端が上方へ解放されており、前記軸受け孔は前記長溝の上端によりも高い位置にあり、
前記長溝の前記上端が、前記左右側壁によって閉ざされていることを特徴とする請求項4に記載の折り畳み式断熱箱。 - 前記嵩上壁の上端は外に向かうに従ってその高さが徐々に高くなる傾斜外合わせ代部を備えており、前記左右側壁の下端は外に向かうに従ってその高さが徐々に高くなる傾斜内合わせ代部を備えており、組立状態において前記傾斜外合わせ代部の内側に前記傾斜内合わせ代部が位置して対向するように構成されたことを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の折り畳み式断熱箱。
- 前記側壁は、硬質の外壁の中に断熱材が配置されたものであり、
前記前後側壁は、前記左右側壁よりも水平長さが長いことを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の折り畳み式断熱箱。
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