JP2021075173A - 燃料タンク構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】給油ガンを給油する位置に挿入し易くすると共に、ノズル先端部から給油される燃料と、燃料タンクから上方に排出されようとする空気と、を適切に分離することができる燃料タンク構造を提供する。【解決手段】燃料タンク60と、燃料タンク60から上方に延びその上部に給油口71を形成する燃料給油管70と、燃料給油管70の中途部に形成される絞り管部120と、絞り管部120の外側に設けられる空気排出通路130と、を備える燃料タンク構造において、絞り管部120は下方に向かうに連れて先細る形状に形成されたテーパ状の突当て面121を備え、突当て面121は絞り管部120に挿入されて給油する給油ガン150のノズル先端部152の外周側に位置し、突当て面121は給油ガン150が絞り管部120に挿入される場合にノズル先端部152が突き当たることで給油ガン150の挿入深さを規制する。【選択図】図8

Description

本発明は、燃料タンク構造に関する。
従来、燃料タンクに、燃料が注入される燃料注入管が上方に延びて設けられるとともに、この燃料注入管の内部に下方(下流)に行くほど先細りとなる筒部材が設けられ、給油ガンの先端部を、前記筒部材に当接させることで給油ガンの挿入深さを規制する構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、筒部材内に燃料を通し、筒部材の外側にて燃料タンク内の空気を抜く空気排出通路を形成している。
特開2016−64779号公報
車体レイアウトの自由度を向上させる観点から、空気排出通路を構成する領域を小さくすることが望まれる。しかしながら、空気排出通路を小さくすると、空気が通過し難くなるため、燃料タンク内の空気は空気排出通路を通る一方で、給油ガンの先端部と筒部材との間の隙間からも上方に上がり易くなる。このとき、給油ガンから給油される燃料と隙間を上がってくる空気とが混ざり合い、隙間から泡状の燃料が上方に上がってくる場合がある。ここで、給油ガンのノズルには燃料油面が達することで給油を自動的に止める為のストップセンサが備わっているが、前記上方に上がる泡状の燃料によって、燃料タンクに十分に燃料が満たされる前に、ストップセンサが反応して給油を停止してしまうという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、給油ガンを給油する位置に挿入し易くすると共に、ノズル先端部から給油される燃料と、燃料タンクから上方に排出されようとする空気と、を適切に分離することができる燃料タンク構造を提供することを目的とする。
燃料タンク構造は、燃料タンク(60)と、前記燃料タンク(60)から上方に延び、その上部に給油口(71)を形成する燃料給油管(70)と、前記燃料給油管(70)の中途部に形成される絞り管部(120、220)と、前記絞り管部(120、220)の外側に設けられる空気排出通路(130)と、を備える燃料タンク構造において、前記絞り管部(120、220)は、下方に向かうに連れて先細る形状に形成されたテーパ状の突当て面(121、221)を備え、前記突当て面(121、221)は、前記絞り管部(120、220)に挿入されて給油する給油ガン(150)のノズル先端部(152)の外周側に位置し、前記突当て面(121、221)は、前記給油ガン(150)が前記絞り管部(120、220)に挿入される場合に前記ノズル先端部(152)が突き当たることで前記給油ガン(150)の挿入深さを規制することを特徴とする。
上記構成において、前記突当て面(121、221)は、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、円形形状に形成されていてもよい。
また、上記構成において、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に対して、前記突当て面(121、221)は、15度以上30度以下の傾斜角度(θ1、θ2)に形成されていてもよい。
また、上記構成において、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、前記ノズル先端部(152)と前記突当て面(121、221)との距離は全周に亘って最大2mm以下に設定されてもよい。
また、上記構成において、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、前記ノズル先端部(152)と前記突当て面(121、221)との間に形成される隙間(140、240)の断面積は、前記ノズル先端部(152)の開口(152A)の断面積の5%以内に設定されていてもよい。
燃料タンク構造は、燃料タンク(60)と、前記燃料タンク(60)から上方に延び、その上部に給油口(71)を形成する燃料給油管(70)と、前記燃料給油管(70)の中途部に形成される絞り管部(120、220)と、前記絞り管部(120、220)の外側に設けられる空気排出通路(130)と、を備える燃料タンク構造において、前記絞り管部(120、220)は、下方に向かうに連れて先細る形状に形成されたテーパ状の突当て面(121、221)を備え、前記突当て面(121、221)は、前記絞り管部(120、220)に挿入されて給油する給油ガン(150)のノズル先端部(152)の外周側に位置し、前記突当て面(121、221)は、前記給油ガン(150)が前記絞り管部(120、220)に挿入される場合に前記ノズル先端部(152)が突き当たることで前記給油ガン(150)の挿入深さを規制する。この構成によれば、給油する場合に給油ガンを燃料給油管に挿入する場合に、突当て面により、給油ガンのノズル先端部を給油する位置まで挿入し易くできる。また、突当て面により、給油する位置におけるノズル先端部と絞り管部との間の隙間を小さくし易く、ノズル先端部から給油される燃料と、燃料タンクから上方に排出されようとする空気と、を適切に分離することができる。
上記構成において、前記突当て面(121、221)は、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、円形形状に形成されていてもよい。この構成によれば、ノズル先端部が円筒状なので、ノズル先端部を突当て面に沿わせ易く、突当て面とノズル先端部との全周で泡状の燃料が上方に出難くなっている。
また、上記構成において、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に対して、前記突当て面(121、221)は、15度以上30度以下の傾斜角度(θ1、θ2)に形成されていてもよい。この構成によれば、突当て面の傾斜角度を15度以上30度以下の間に設定したため、ノズル先端部を給油する位置に移動させ易くしつつ、燃料を流れ易くできる。
また、上記構成において、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、前記ノズル先端部(152)と前記突当て面(121、221)との距離は全周に亘って最大2mm以下に設定されてもよい。この構成によれば、ノズル先端部と突当て面との間に最大2mm以下の隙間を許容することで、隙間からの実質的な空気の排出を抑止しつつ、突当て面の成形精度を抑えて加工コストを抑えることができる。
また、上記構成において、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、前記ノズル先端部(152)と前記突当て面(121、221)との間に形成される隙間(140、240)の断面積は、前記ノズル先端部(152)の開口(152A)の断面積の5%以内に設定されていてもよい。この構成によれば、前記ノズル先端部と前記突当て面との間に、ノズル先端部の開口の断面積の最大5%以下の隙間の断面積を許容することで、隙間からの実質的な空気の排出を抑止しつつ、突当て面の成形精度を抑えて加工コストを抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 燃料タンクの左側面図である。 図2の矢印III方向(燃料給油管の軸線方向)に見た図である。 燃料給油管の車幅方向中心を通る燃料タンクの縦断面図である。 図5は、図4の拡大図である。 図2のVI−VI線断面図である。 図6からガイド部材を省略した図である。 給油ガンが給油する位置に挿入された場合の説明図である。 給油ガンが給油する位置に挿入された場合のノズルとガイド部材と絞り管部との関係を説明する説明図(後方視)である。 図8のX−X線断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る突当て面部の横断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
スクータ型車両(自動二輪車)10は、車両前部に設けられるヘッドパイプ11から下方に延びるダウンフレーム12と、このダウンフレーム12の途中で車幅方向左右に分岐され下方に延びる左右のダウンフレーム12Lの下部から車両後方に延びる左右一対のロアフレーム13Lと、これら左右のロアフレーム13Lの後端部から後上がりに延びる左右のシートレール14Lと、左右のロアフレーム13Lの前部から後方に延びる左右のフロアパイプ15Lとを有する。左右のダウンフレーム12L、12Rと左右のロアフレーム13L、13Rは、それぞれ一本の鋼管によって形成される。なお、符号についたLは、左を示す添え字であり、Rは、右を示す添え字である。
また、ヘッドパイプ11に操舵系20が軸支される。操舵系20は、ヘッドパイプ11に軸支されるボトムブリッジ21と、このボトムブリッジ21に設けられ下部に前輪22を備えるフロントフォーク23と、このフロントフォーク23の上部に設けられ前輪22を操舵するハンドル24と、を備える。
スクータ型車両10は、ロアフレーム13Lの後部に上下揺動可能に設けられ後部に後輪25を備えるパワーユニット30と、このパワーユニット30とシートレール14Lとの間に設けられ地面からの衝撃を吸収するリアクッション26と、シートレール14Lの上部に設けられ乗員27が着座するシート28と、このシート28の下方に設けられ物品を収納する収納ボックス29とを有する。
パワーユニット30は、前部を構成するエンジン31と、このエンジン31の後部に一体的に連結した無断変速機32とからなり、この無断変速機32の後部に後輪25が取り付けられているユニットスイングパワーユニットである。エンジン31の上方に、吸気系33が配置される。エンジン31の下方を通って車両後方に延出するように、排気系34が配置される。
吸気系33は、外部から取り入れた空気を浄化するエアクリーナ35と、このエアクリーナ35から延ばされているコネクティングチューブ36と、このコネクティングチューブ36に接続されているスロットルボディ37と、このスロットルボディ37から延ばされている吸気管38とからなり、吸気管38はシリンダ部39に接続されている。
ハンドル24はハンドル24と一体的に回転するハンドルカバー41で覆われ、ヘッドパイプ11の車両前方側はフロントカバー42で覆われ、ヘッドパイプ11の車両後方側及びダウンフレーム12はレッグシールド43で覆われ、ロアフレーム13Lはフロア44及びアンダーカバー45で覆われ、シートレール14Lはサイドカバー46及びリアカバー47で覆われる。フロア44は、車両前後方向において、シート28とハンドル24との間に配置されている。
前輪22の上方にフロントフェンダ51が設けられ、後輪25の上方にリアフェンダ52が設けられ、ハンドルカバー41の前部に前照灯53が設けられる。
フロア44の下方に燃料タンク60が配置される、燃料タンク60の給油口71はレッグシールド43で囲われる。給油口71の車両後上方にてレッグシールド43にリッド54が設けられており、このリッド54を開けることで給油口71へアクセスして給油することができる。給油口71は、乗員27の膝55の高さより低い位置に設けられる。
図2は、燃料タンク60の左側面図である。図3は、図2の矢印III方向(燃料給油管70の軸線方向)に見た図である。なお、図3では、フューエルキャップ74が省略されている。
燃料タンク60の前部には、上方に延びる筒状のタンク側開口部61が形成されている。タンク側開口部61には、上方に延びて、その上部に給油口71(図3参照)を形成する燃料給油管70が接続されている。詳細には、燃料給油管70は、接続管72を備える。なお、接続管72はゴムで成形されるが、接続管72の材質はゴムに限るものではない。接続管72はタンク側開口部61に接続され前上方に延びる。接続管72の上端部には、給油フィラー73が接続される。給油フィラー73の上部には、給油口71が形成されている。給油口71は、フューエルキャップ74で閉塞される。燃料給油管70は、接続管72と、給油フィラー73と、給油口71と、フューエルキャップ74とを備えている。
燃料タンク60には、燃料給油管70の右側に、気液セパレータ80(図3参照)が取り付けられている。気液セパレータ80は、気液混合燃料を気体と液体に分けて燃料タンク60内の気体のみを外部に逃がす。気液セパレータ80には、燃料タンク60の内部から空気を逃がすタンクブリーザホース81が接続されている。タンクブリーザホース81は、燃料タンク60の上面に固定されたホルダ82に支持される。
タンクブリーザホース81の上端81Aには、二股状に分岐する分岐管83が接続されている。分岐管83の排出側の一方には、給油フィラー73の内部に連通するホース84が接続される。
分岐管83の排出側の他方には、タンクブリーザホース81を介して蒸発燃料を吸気するチャージホース85が接続されている。チャージホース85は、燃料給油管70の後部を左方から右方に周り込むように配索される。チャージホース85には、第2チャージホース86が接続されている。第2チャージホース86は後方に延びてキャニスタ90に接続される。
キャニスタ90は、蒸発燃料を吸着する。キャニスタ90の内部には、蒸発燃料を吸着する吸着部材が収容される。吸着部材としては、例えば、活性炭が使用可能である。キャニスタ90は、円筒状のホルダ91を介して燃料タンク60に固定される。
キャニスタ90には、第2チャージホース86や、キャニスタ90内の燃料をエンジンに送るパージホース87、新しい空気をキャニスタ90に取り込む新気導入ホース(不図示)、キャニスタ90の燃料を排出するドレンホース88が接続されている。
燃料タンク60の後部には、燃料ポンプ92が配置されている。
図4は、燃料給油管70の車幅方向中心を通る断面における燃料タンク60の縦断面図である。図5は、図4の拡大図である。
燃料給油管70の給油フィラー73は、接続管72に挿入されて接続された円筒状の挿入筒部100を備える。挿入筒部100の上部には、給油口71が形成される。
図6は、図2のVI−VI線断面図(燃料給油管70の軸線に直交する断面図)である。
図4〜図6を参照して挿入筒部100の上下方向中途部には、ガイド部材110が形成されている。ガイド部材110は、円形の深皿状に形成されている。ガイド部材110は、挿入筒部100の内周面に溶接により固定されている。ガイド部材110の底壁部111には、上下方向に貫通する開口112が形成される。開口112は、給油ガン150のノズル151の外径に対応する半円孔形状の小径開口部112Aと、小径開口部112Aよりも大径の半円孔形状の大径開口部112Bとを備える。
小径開口部112Aは後方に形成され、大径開口部112Bは小径開口部112Aの前側に形成される。すなわち、ガイド部材110の底壁部111は、小径開口部112Aを形成する広い後底部111Aと、大径開口部112Bを形成する狭い前底部111Bと、を備える。
給油ガン150(図5参照)を給油フィラー73に挿入する際に、給油ガン150はリッド54側である後方から挿入されるため、ノズル先端部152(図5参照)は後底部111Aに当たり易い。このため、後底部111Aによってノズル先端部152が小径開口部112Aに案内され易くなっている。また、ノズル151が小径開口部112Aに挿入された場合、大径開口部112Bにより、ガイド部材110の上下を空気が移動可能となっている。
図7は、図6からガイド部材110を省略した図である。
図4〜図7を参照して、ガイド部材110の下方には、絞り管部120が形成される。絞り管部120は、漏斗状に形成されている。絞り管部120は、挿入筒部100の内周面に溶接により固定されている。絞り管部120の上部には、下方に向かうに連れて先細る略円錐形状(テーパ状)に形成された突当て面部(突当て面)121が設けられる。突当て面部121は、下方(給油の下流側)に行くほど挿入された給油ガン150のノズル軸線L0に近づくように形成される面である。
突当て面部121の上端の内径はノズル先端部152(図5参照)の外径よりも径が大きくなっており、21.5mm以上に設定される。突当て面部121の下端の内径はノズル先端部152(図5参照)の外径よりも径が小さくなっており、20mm未満に設定される。突当て面部121の下端には、ノズル先端部152よりも径が小さい直円筒状の円筒面部122が形成される。円筒面部122には、下方に延びる直円筒状の延長管123が接続されている。延長管123は、タンク側開口部61の開口61Aまで延び、開口61Aの内周部から半径方向に離間している。
突当て面部121の上方には、突当て面部121から上方に延長された形状のガイド部(ガイド面)121Aが形成される。
絞り管部120は、突当て面部121と、円筒面部122と、延長管123と、ガイド部121Aを備える。
円筒面部122および延長管123の外側に対応して、絞り管部120と接続管72との間には空気排出通路130が形成される。
ガイド部121Aの後部には、後方視にて、上方に開放するU字状に切りかれた切欠き124が形成される。切欠き124により、空気排出通路130と、絞り管部120の内周側上方の空間が連通する。切欠き124が、ガイド部材110の大径開口部112Bの反対側となる後方に形成されることで、切欠き124を通過した空気はガイド部材110の下方を迂回しながら大径開口部112Bを通過させることができる。
図8は、給油ガン150が給油する位置に挿入された場合の説明図である。図9は、給油ガン150が給油する位置に挿入された場合のノズル151とガイド部材110と絞り管部120との関係を説明する説明図(後方視)である。
給油ガン150のノズル先端部152は突当て面部121まで挿入可能となっている。本実施の形態では給油ガン150は突当て面部121に突き当たって給油する位置に位置決めされる。
突当て面部121は、給油ガン150が給油する位置に移動した場合に、ノズル軸線L0が突当て面部121の中心軸に一致するように形成されている。これにより、ノズル軸線L0は、燃料給油管70の軸線に平行になるように位置決めされる。
突当て面部121は、ノズル先端部152のノズル軸線L0に対して、予め設定された範囲内の傾斜角度θ2(図5参照)となるように形成されている。傾斜角度θ2は、10度以上30度以下が好適である。傾斜角度θ2は、上方のガイド部121Aの傾斜角度θ1よりも小さい。傾斜角度θ2は下方に向かうに連れて小さくしてもよい。この場合に、傾斜角度θ2は連続的に小さくしても良いし、段階的に小さくしてもよい。このようにして、突当て面部121を、下方(給油の下流側)に行くほど挿入された給油ガン150のノズル軸線L0に近づくように形成される面としている。突当て面部121の傾斜角度θ2は、15度以上30度以下に形成されているため、ノズル先端部152が当接する際のノズル先端部152と突当て面部121との密着性が良くなる。また、ノズル先端部152が突当て面部121に圧入されてしまうことを抑制でき、給油ガン150のノズル151の抜き差しがし易くできる。
図10は、図9のX−X線断面図である。図10は、ノズル軸線(L0)に直交し且つノズル先端部152を通る横断面に対応する。
給油ガン150のノズル151は円筒状である。ノズル先端部152が全周で当接するように突当て面部121が形成されることが望ましい。すなわち、突当て面部121はノズル軸線L0に直交する断面において円形形状となるように形成される。突当て面部121は、ノズル軸線L0に直交する断面においては、全周においては同一の傾斜角度θ2に形成される。
本実施の形態では、突当て面部121の断面が円形形状であるため、ノズル先端部152が突き当たって挿入深さが規制されると、加工精度に応じた隙間140は生じ得るが、略全周でノズル先端部152が突当て面部121に沿って当接または十分に近接した状態に保持される。ノズル先端部152が突当て面部121に突き当たることにより、隙間140の大きさを最小限に抑えることができる。なお、隙間140の径方向の開口幅は2mmよりも小さい。また、隙間140の断面積の合計は、ノズル先端部152の開口152Aの断面積の5%よりも小さい。
ノズル先端部152と突当て面部121との間に最大2mm以下の隙間140を許容するように突当て面部121を形成してもよい。これにより、隙間140からの実質的な空気の排出を抑止しつつ、突当て面部121の成形精度を抑えて加工コストを抑えることができる。
また、隙間140の断面積が、ノズル先端部152の開口151Aの断面積の5%以内となるように突当て面部121を形成してもよい。ノズル先端部152と突当て面部121との間に、ノズル先端部152の開口151Aの断面積の最大5%以下の隙間140の断面積を許容することで、隙間140からの実質的な空気の排出を抑止しつつ、突当て面部121の成形精度を抑えて加工コストを抑えることができる。
なお、突当て面部121は絞り加工により成形可能である。
次に本実施の形態の作用を説明する。
リッド54が開かれると、フューエルキャップ74にアクセス可能となる。フューエルキャップ74が取り外されて、給油口71に給油ガン150が挿入されると、ノズル先端部152が給油フィラー73内を下方に移動する。この際に、ノズル先端部152がガイド部材110の後底部111Aに接触する場合には、後底部111Aによって、ノズル151が小径開口部112Aに案内される。ノズル151が小径開口部112Aに挿入されると、ノズル151の外周部がガイド部材110に接触して位置決めされた状態でノズル先端部152が下方に移動し易くなっている。
給油ガン150がさらに下方に挿入されると、ノズル先端部152は、周囲に形成されたガイド部121Aや突当て面部121に接触するなどして、給油する位置に案内される。このとき、ノズル先端部152が下方に挿入されるほど、突当て面部121との離間する最大距離が小さくなる。ノズル先端部152がさらに下方に挿入されると、ノズル先端部152が突当て面部121に突き当たり、給油ガン150の挿入深さが規制される。すなわち、ノズル151が図8に示す給油する位置に移動した状態となる。
本実施の形態では、突当て面部121がノズル軸線L0に対して円形形状であるため、ノズル先端部152が突き当たって挿入深さが規制されると、略全周でノズル先端部152が突当て面部121に沿って当接または十分に近接した状態に保持される。
この状態で給油ガン150から燃料が給油されると、ノズル先端部152から絞り管部120に燃料が供給される。絞り管部120では突当て面部121の傾斜角度θ2により燃料が滑らかに流れ易くなっており、ノズル先端部152と突当て面部121との間から燃料が溢れ出ずに下方の円筒面部122、延長管123に流れ易くなっている。円筒面部122、延長管123に流れた燃料は、図8の矢印Fで示すように、タンク側開口部61を通じて燃料タンク60内に供給される。
燃料が燃料タンク60内に供給されると、燃料タンク60内の空気がタンク側開口部61から上方に抜け出る。タンク側開口部61から上方に抜け出る空気は、絞り管部120の外側では、矢印A1で示すように空気排出通路130を通過し、矢印A2で示すように切欠き124を通じて絞り管部120の上方に移動する。絞り管部120の上方に移動した空気は、大径開口部112Bから上方に移動し、矢印A3で示すように、給油口71から外方に抜け出る。
この際に、タンク側開口部61から上方に抜け出る空気は、絞り管部120の内側、すなわち、延長管123内に進入して燃料と混ざって泡状の燃料が上方に移動する場合がある。本実施の形態では、ノズル先端部152と突当て面部121とが略全周で当接または十分に近接しているため、泡状の燃料がノズル先端部152の当接部よりも上方に移動することが規制される。すなわち、泡状の燃料が隙間140を通過できず、ノズル先端部152から給油される燃料と、燃料タンク60から上方に排出されようとする空気とを適切に分離することができる。
燃料タンク60内の液面が上昇して、給油ガン150のストップセンサ153に燃料が検知されると、給油ガン150からの燃料の供給がストップする。この際に、ガイド部材110は、液面の上昇に伴ってガイド部材110の下方に上昇した泡状の燃料をノズル151のストップセンサ153にガイド可能である。
本実施の形態では、燃料タンク60内の燃料が満杯になる前に、泡状の燃料が給油ガン150のストップセンサ153に検知されることを防止し易くなっている。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、燃料タンク60と、燃料タンク60から上方に延び、その上部に給油口71を形成する燃料給油管70と、燃料給油管70の中途部に形成される絞り管部120と、絞り管部120の外側に設けられる空気排出通路130と、を備える燃料タンク構造において、絞り管部120は、下方に向かうに連れて先細る形状に形成されたテーパ状の突当て面部121を備え、突当て面部121は、絞り管部120に挿入されて給油する給油ガン150のノズル先端部152の外周側に位置し、突当て面部121は、給油ガン150が絞り管部120に挿入される場合にノズル先端部152が突き当たることで給油ガン150の挿入深さを規制する。したがって、給油する場合に給油ガン150を燃料給油管70に挿入する場合に、突当て面部121により、給油ガン150のノズル先端部152を給油する位置まで挿入し易くできる。また、突当て面部121により、給油する位置におけるノズル先端部152と絞り管部120との間の隙間を小さくし易く、ノズル先端部152から給油される燃料と、燃料タンク60から上方に排出されようとする空気と、を適切に分離することができる。
本実施の形態では、突当て面部121は、ノズル軸線L0に直交し且つノズル先端部152を通る横断面において、円形形状に形成されている。したがって、ノズル先端部152が円筒状なので、ノズル先端部152を突当て面部121に沿わせ易く、突当て面部121とノズル先端部152との全周で泡状の燃料が上方に出難くなっている。
本実施の形態では、ノズル軸線L0に対して、突当て面部121は、15度以上30度以下の傾斜角度θ2に形成されている。したがって、突当て面部121の傾斜角度θ2を15度以上30度以下の間に設定したため、ノズル先端部152を給油する位置に移動させ易くしつつ、燃料を流れ易くできる。特に、本実施の形態では、傾斜角度θ2は15度以上30度以下の間に設定したため、ノズル先端部152が当接する際のノズル先端部152と突当て面部121との密着性と、ノズル先端部152が圧入されてしまうことを抑制できて、抜き差しのしやすさとの両立を図ることが出来る。
本実施の形態では、ノズル軸線L0に直交し且つノズル先端部152を通る横断面において、ノズル先端部152と突当て面部121との距離は全周に亘って最大2mm以下に設定される。したがって、ノズル先端部152と突当て面部121との間に最大2mm以下の隙間140を許容することで、隙間140からの実質的な空気の排出を抑止しつつ、突当て面部121の成形精度を抑えて加工コストを抑えることができる。
本実施の形態では、ノズル軸線L0に直交し且つノズル先端部152を通る横断面において、ノズル先端部152と突当て面部121との間に形成される隙間140の断面積は、ノズル先端部152の開口152Aの断面積の5%以内に設定されている。したがって、ノズル先端部152と突当て面部121との間に、ノズル先端部152の開口152Aの断面積の最大5%以下の隙間140の断面積を許容することで、隙間140からの実質的な空気の排出を抑止しつつ、突当て面部121の成形精度を抑えて加工コストを抑えることができる。
<第2の実施の形態>
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る突当て面部221の横断面図である。
第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の燃料給油管70は、絞り管部120に代えて絞り管部220を備える。
第2の実施の形態に係る絞り管部220の突当て面部121には、ノズル軸線L0に沿って上下方向に延びる溝225が形成されている。溝225は、周方向に等間隔で複数形成されている。本実施の形態の溝225は径方向の深さ(距離)がL1に形成される。
ノズル先端部152が突当て面部221に突き当てられた場合に、突当て面部221とノズル151との間には、溝225によりノズル先端部152の径方向に隙間240が形成される。
溝225は、隙間240がノズル先端部152の開口の断面積の5%以内になるように形成される。また、本実施の形態では、溝225は、隙間240の径方向の深さL1は1mmとなるように形成される。すなわち、ノズル先端部152と突当て面部121との径方向の距離は全周に亘って最大2mm以下に設定されている。
第2の実施の形態では、給油ガン150が給油口71に挿入されると、ノズル先端部152が先細りの突当て面部221により、突当て面部221との間の離間する最大距離が小さくなりながら、突当て面部221に沿って下方に挿入される。ノズル先端部152がさらに下方に挿入されると、ノズル先端部152が突当て面部221に突き当たり、給油ガン150の挿入深さが規制されて給油する位置への移動が完了する。
第2の実施の形態では、ノズル軸線L0に沿って延びる溝225により、ノズル先端部152が下方に案内され易くなっている。
第2の実施の隙間240の径方向の深さL1は2mmよりも小さい。また、隙間240の断面積は、ノズル先端部152の開口152Aの断面積の5%よりも小さい。よって、隙間240を通じて泡状の燃料が上昇することも規制される。
したがって、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、ノズル先端部152から給油される燃料と、燃料タンク60から上方に排出されようとする空気とを適切に分離することができる。
60 燃料タンク
70 燃料給油管
71 給油口
120 絞り管部
121 突当て面部(突当て面)
130 空気排出通路
140 隙間
150 給油ガン
152 ノズル先端部
152A 開口
220 絞り管部
221 突当て面部(突当て面)
240 隙間
L0 ノズル軸線
θ2 傾斜角度

Claims (5)

  1. 燃料タンク(60)と、
    前記燃料タンク(60)から上方に延び、その上部に給油口(71)を形成する燃料給油管(70)と、
    前記燃料給油管(70)の中途部に形成される絞り管部(120、220)と、
    前記絞り管部(120、220)の外側に設けられる空気排出通路(130)と、を備える燃料タンク構造において、
    前記絞り管部(120、220)は、下方に向かうに連れて先細る形状に形成されたテーパ状の突当て面(121、221)を備え、
    前記突当て面(121、221)は、前記絞り管部(120、220)に挿入されて給油する給油ガン(150)のノズル先端部(152)の外周側に位置し、
    前記突当て面(121、221)は、前記給油ガン(150)が前記絞り管部(120、220)に挿入される場合に前記ノズル先端部(152)が突き当たることで前記給油ガン(150)の挿入深さを規制することを特徴とする燃料タンク構造。
  2. 前記突当て面(121、221)は、前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、円形形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク構造。
  3. 前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に対して、前記突当て面(121、221)は、15度以上30度以下の傾斜角度(θ2)に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料タンク構造。
  4. 前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、前記ノズル先端部(152)と前記突当て面(121、221)との距離は全周に亘って最大2mm以下に設定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料タンク構造。
  5. 前記給油ガン(150)のノズル軸線(L0)に直交し且つ前記ノズル先端部(152)を通る横断面において、前記ノズル先端部(152)と前記突当て面(121、221)との間に形成される隙間(140、240)の断面積は、前記ノズル先端部(152)の開口(152A)の断面積の5%以内に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料タンク構造。
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