以下に添付図面を参照して、この発明にかかる表示装置および防犯支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(表示装置100の外観) まず、この発明にかかる実施の形態の表示装置の外観について説明する。図1〜5は、この発明にかかる実施の形態の表示装置の外観の一例を示す説明図である。
図1において、符号100は、エレベーターのかご内に設置され、エレベーターの乗員に対して画像を表示する表示装置である。表示装置100は、情報処理装置101と、情報処理装置101を支持する支持部材102と、から構成される。また、図1において、符号103は、表示装置100の表示画面(ディスプレイ)を示しており、符号104は、表示装置100の撮像部(カメラ)を示している。
図1は、表示装置100の全体の外観を示している。そして、図2は、図1の矢印Aの方向から見た表示装置100の外観である。また、図3は、図1の矢印Bの方向から見た表示装置100の外観であり、図4は、図1の矢印Cの方向から見た表示装置100の外観であり、図5は、図1の矢印Dの方向から見た表示装置100の外観である。図1〜図5において、同じ構成部には同じ符号を付している。
図1〜図5のうち、図1および図2における表示装置100は、支持部材102が、エレベーターのかご内の壁面に装着する形態を示しており、図3〜図5における表示装置100は、支持部材102が、エレベーターのかご内のコーナーに装着する形態を示している。その形態の違いについての詳細は、後述する。
(支持部材102の構成) 図1および図2からわかるように、支持部材102は、前面部105、上端部106、壁面接着部107の3つの部材から構成されており、たとえば、1つの板状部材を折り曲げることによって、前面部105、上端部106、壁面接着部107の3つの部材としている。なお、図示は省略するが、前面部105、上端部106、壁面接着部107の3つの部材は一つの部材から構成されていなくてもよく、また、それぞれの別々の部材を、たとえばネジ止めなどによって結合することで、支持部材102を構成するようにしてもよい。
支持部材102の前面部105の面と、壁面接着部107の面とは、所定の角度(「角度G」)をなすように折り曲げられている。所定の角度(「角度G」)は、具体的には、以下のような条件によって定められる。すなわち、エレベーターの乗員の視線の高さよりも上側になるように設置された表示装置100の表示画面103を乗員が顔を上げて見る際に、見やすい角度であることを条件としており、この条件を満たすように「角度G」を設定することが望ましい。
また、「角度G」は、乗員が、かご内のどの位置に立っていても、表示画面103が見やすいような角度が望ましい。したがって、より具体的には、「角度G」は10°から80°程度であることが望ましい。ただし、「角度G」は、この範囲に限定されるものではない。
また、図示は省略するが、「角度G」を可変にできるように構成してもよい。より具体的には、前面部105と壁面接着部107をそれぞれ別の部材として、それぞれの部材を接合部によって接合する。その接合部による接合の際に、両者が任意の角度となるように調整することによって、「角度G」を可変にすることができる。
このように、前面部105の面と、壁面接着部107の面とは、所定の角度(「角度G」)をなすようにすることによって、支持部材102は、表示画面103が乗員側に向くように、かつ、乗員の視線の高さよりも上側になるように、前記エレベーターのかごの内壁面に設置され、支持部材102が設置された際に、表示画面103の上辺(上端部106)が内壁面から離間するように、当該表示画面103を前記内壁面に対して所定の角度(「角度G」)で傾斜させるようにすることができる。
なお、表示装置100の設置位置に関する詳細については、図11〜図13を用いて、後述する。
また、支持部材102は、図1および図4に示すように、情報処理装置止め部108を有している。情報処理装置止め部108は、情報処理装置101が支持部材102から脱落しないように、情報処理装置101を押さえる部材である。
支持部材102の材質は、具体的には、アルミニウムなどの金属であってもよく、また、プラスチックなどの非金属であってもよい。また、前面部105、上端部106、壁面接着部107ごと、それぞれ別の材質を用いるようにしてもよい。
また、図2〜図5に示すように、支持部材102は、情報処理装置保持部201を有している。情報処理装置保持部201は、前面部105と、壁面接着部107ではさまれた間に設けられており、その一端には、情報処理装置止め部108が設けられている。情報処理装置101は、前面部105と、上端部106と、情報処理装置保持部201とによって
形成された空間に収納される。そして、情報処理装置保持部201は、前面部105、上端部106、情報処理装置止め部108と相まって、情報処理装置101を確実に保持することができる。
(支持部材102の前面部105および上端部106について) 図3に示すように、支持部材102の前面部105には、表示画面用孔302と、撮像部用孔303が設けられている。また、図3は、情報処理装置101が、支持部材102に装着される前の状態を示している。情報処理装置101には、表示画面103と、撮像部104とが設けられている。図3に示すように、表示画面103と撮像部104とは、情報処理装置101の同一面に設けられている。
図3の矢印に示す方向に、情報処理装置101をスライドさせ、前面部105と、上端部106と、情報処理装置保持部201との間に設けられた空間に挿入することによって、情報処理装置101を支持部材102に装着することができる。
そして、支持部材102の前面部105の表示画面用孔302に情報処理装置101の表示画面103を合わせる。また、支持部材102の前面部105の撮像部用孔303に情報処理装置101の撮像部104を合わせる。もともと、前面部105において、表示画面用孔302および撮像部用孔303は、情報処理装置101を装着した際に、表示画面103および撮像部104の位置と一致するように設けられている。
図1〜図5からもわかるように、上端部106は、情報処理装置101をスライドして装着する際のガイドとしての役割と、装着された情報処理装置101が、上側から飛び出すのを防止する防止部材の役割を果たしている。また、情報処理装置101が、乗員に対して見えないようにするための目隠しとしての役割や、物の落下などの外部(特に上方)からの衝撃から情報処理装置101を保護する役割も果たしている。
情報処理装置101を支持部材102に装着後、情報処理装置止め部108によって、情報処理装置101の移動を固定する。これによって、図1に示したような、表示装置100が完成する。図4に示すように、情報処理装置止め部108は可動式の構造となっており、情報処理装置止め部108による固定を解除することによって、情報処理装置101は、容易に支持部材102から取り外すことが可能となる。
(壁面接着部107について) 図2に示すように、壁面接着部107の前面部105とは反対側の表面には、磁石部材202が設けられている。磁石部材202は、たとえば、接着剤などを用いて壁面接着部107に貼り付けることにより、壁面接着部107の表面に設けることができる。磁石部材202は、図2に示すように、壁面接着部107の表面のほぼ全面に設けるようにしてもよく、また、図示を省略するが、壁面接着部107の表面の一部(たとえば周辺部や中央部)にのみ設けるようにしてもよい。
表示装置100をエレベーターのかごの内壁面に対して磁力を用いて固定(接着)するのは、ネジ止めなどの一般的な設置作業と比較して、表示装置100の設置作業をより容易にするためである。また、一般的な撤去作業と比較して、表示装置100の撤去作業をより容易にするためである。さらには、撤去に際しての、内壁面の修復作業をより簡易にするためである。ネジ止めなどの一般的な設置方法により表示装置100を設置した場合は、内壁面に孔や傷(設置痕)が生じてしまうため、その修復のための時間や費用がかかってしまう。磁力を用いて固定することによって、これらの時間や費用がかかることを防止することができる。
また、表示装置100をエレベーターのかごの内壁面に対して磁力を用いて固定(接着)することによって、表示装置100の設置位置の自由度の幅が大きくなる。一般的に、エレベーターの種類や、かご内の状況などは多種多様である。磁力を用いて固定することによって、そのような状況において、表示装置100を設置に際して支障のない位置に容易に設置することができる。
また、磁力を用いて固定(接着)することによって、設置後の表示装置100の設置位置の移動が容易である。したがって、一旦、表示装置100を設置したが、表示装置100が見えづらいなどの理由によって、別の位置へ容易に移動させることができる。また、表示装置100を容易に移動させることができることから、定期的に、かご内において、表示装置100の設置位置を移動させることで、かご内の雰囲気を変えることができ、乗員に対して、新鮮な感覚を与えることもできる。
また、図3において、符号300aおよび300bは、接着補助部であり、壁面接着部107に接合される。壁面接着部107と接着補助部300aおよび300bの接合は、図示は省略するが、ネジ止めなどでもよく、また、その他(磁力など)の方法であってもよい。
接着補助部300aの一辺と接着補助部300b一辺とが最も近づく点(図4および図5に示す「X」)において、両者が形成する角度は略90°である。これによって、エレベーターのかごのいずれかの四隅(コーナー)にこのX点を配置させるように、そのコーナーをはさんだ内壁面に、接着補助部300aおよび300bを接触させることができる。そのために、接着補助部300aおよび300bの表面には、それぞれ、磁石部材500a(図5参照)、磁石部材400b(図4参照)が設けられている。
接着補助部300aおよび300bは、壁面接着部107に容易に取り外し可能に接合しているため、表示装置100を設置するエレベーターを実際の現場で確認して、表示装置100を接着する位置(内壁面にするか、あるいは、四隅(コーナー)にするか)を決め、それに応じて、接着補助部300aおよび300bを使用するか否かを決めることができる。このように、接着補助部300aおよび300bを用いることによって、支持部材102自体を取り替えることなく、表示装置100の設置位置の自由度の幅を広げることができる。
また、符号301は、蓋部であり、壁面接着部107と、接着補助部300aおよび300bとによって形成される直角二等辺三角形の上側に嵌合する。蓋部301を嵌合した後、図示を省略するが、ネジ止めなどによって、壁面接着部107と、接着補助部300aおよび300bで固定する。これによって、壁面接着部107と、接着補助部300aおよび300bとの接合を補強して強度を上げることができる。それにより、表示装置100をかごのコーナーにより安定して固定(接着)することができる。
(情報処理装置101のハードウエア構成) 図6は、この発明にかかる実施の形態の表示装置を構成する情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図6において、表示装置100は、CPU601と、メモリ602と、各種センサ603と、GPS(Global Positioning System)受信機604と、カメラ605と、ディスプレイ606と、スピーカ607、入出力デバイス608と、通信インタフェース609と、を備える。
CPU601は、メモリ602に記憶されたプログラムを実行することによって、表示装置100の装置全体の制御をつかさどる。メモリ602は、CPU601が実行するプログラムを記憶するととともに、取得した各種情報を記憶する。メモリ602は、ハードディスクメモリのほか、ICメモリ、SSD(Solid State Drive)などであってもよい。
各種センサ603は、照度センサを含む。照度センサは、光を電気信号に変換する、フォトトランジスタや、フォトダイオードを用いて、照らされる面の明るさを数値化することで、単位面積あたりの光束を測定する。これにより、照度センサの周辺の照度の値を測定することができる。各種センサ603は、照度センサのほか、加速度センサ、振動センサ、傾きセンサ、温度センサ、人感センサ(人の動きなどによって、人がいることを検知するセンサ)などのセンサを含む。
GPS受信機604は、3つ乃至5つのGPS衛星からの電波を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求めるものであり、地球上どこでも計測可能である。電波としては、1,575.42MHzの搬送波で、C/A(Coarse and Access)コードおよび航法メッセージが載っているL1電波を用いておこなわれる。C/Aコードはビット率1.023Mbpsで、コードの長さは1023bit=1msである。また、航法メッセージはビット率50bpsで、コードの長さは、サブフレームが300bit=6sであり、メインフレームが1500bit=30sであり、5サブフレームが1メインフレームであり、25メインフレームが1マスターフレームである。すなわち、GPS衛星からの電波を受信してGPS測位データを出力する。
GPS受信機604により、表示装置100の現在位置を把握することができる。したがって、表示装置100が持ち去られるなどによって、その設置位置が変わった場合であっても、その所在位置がわかるため、表示装置100の盗難防止の役割を果たすことができる。
カメラ605は、撮像素子を備え、撮像素子がレンズを通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報を取得する。カメラは、静止画を撮影するものであってもよく、動画を撮影するものであってもよい。
ディスプレイ606は、電力量その他の各種情報を表示する液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現される。ディスプレイ606には、算出した最新の位置情報を表示するようにしてもよい。
スピーカ607は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。また、スピーカ607は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカを接続して、音を発生させるようにしてもよい。スピーカ607により、表示装置100の表示画面103(ディスプレイ606)に表示される画像と連動した音声あるいは画像とは連動しない音声を発生することができる。
入出力デバイス608は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーまたはボタンなどを備え、情報処理装置101に対して、操作の指示やデータの入力をおこなうことができる。入出力デバイス608は、具体的には、たとえば、入力操作内容を指定する操作キーやテンキーなどを表示するディスプレイ606および当該ディスプレイ606に積層されたタッチパネルによって、その機能を実現することができる。この場合、液晶ディスプレイの表示内容を変更することにより、複数のキーを設けることなく、タッチパネルを介して複数種類の入力操作をおこなうことができる。
また、入出力デバイス608は、情報処理装置101に設けられたメカ的なスイッチなどによって、その機能を実現するようにしてもよい。また、入出力デバイス608は、情報処理装置101に設けられた入力端子に各種装置を接続して、当該各種装置からの情報の入力であってもよい。また、入出力デバイス608は、情報処理装置101に接続可能な外部記録媒体(外付けハードディスク、ICメモリ、USBメモリ、SSDなど)によって、その機能を実現するようにしてもよい。
通信インタフェース609は、通信回線を通じて情報処理装置101と接続されるインタフェースである。通信インタフェース609には、たとえば、Wi−Fi(登録商標)による無線インタフェースであり、インターネットなどのネットワーク650に接続される。また、通信インタフェース609は、携帯電話回線、PHS、Bluetooth(登録商標)などの無線通信のインタフェースであってもよく、また、モデムやLANアダプタなどの有線通信のインタフェースを採用することができる。そして、通信
インタフェース609は、ネットワークと内部のインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
(情報処理装置101の機能的構成) 図7は、この発明にかかる実施の形態の表示装置を構成する情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図7において、表示装置100は、画像情報受信部701と、画像情報記憶部702と、制御部703と、撮像情報記憶部704と、照度測定部705とを、含む構成となっている。さらに、表示装置100は、上述した表示画面103と、撮像部104を含んでいる。
画像情報受信部701は、図示を省略する管理サーバ(画像送信サーバ)から、画像に関する情報(画像情報)を無線通信によって受信する。画像情報受信部701は、具体的には、たとえば、図6に示した通信インタフェース609などによって、その機能を実現することができる。
画像情報記憶部702は、画像情報受信部701によって受信した画像情報を所定の記憶領域に記憶する。画像情報記憶部702は、具体的には、たとえば、図6に示したCPU601が、メモリ602などに記憶されたプログラムを実行することによって、また、図6に示したメモリ602などによって、その機能を実現することができる。また、図6に示した入出力デバイス608、より具体的には外部記録媒体などによって、その機能を実現することもできる。
制御部703は、表示装置100の全体の制御をつかさどる。制御部703は、具体的には、たとえば、図6に示したCPU601が、メモリ602などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
制御部703は、表示画面103を制御して、画像情報記憶部702に記憶された画像情報を表示する。表示画面103は、具体的には、たとえば、図6に示したディスプレイ606などによって、その機能を実現することができる。
表示画面103に表示される画像は、画像情報記憶部702から、あらかじめ定められた順序で、順次表示される。表示の順序はランダムであってもよい。また、画像情報には、優先順位が設定されていてもよく、その優先順位の重み付けによって、再生される頻度が変わるようにしてもよい。
表示される画像は、時刻によって変えるようにしてもよい。具体的には、朝と日中と夕方とでは、表示する画像を変えてもよい、また、エレベーターのかごが移動中の場合と、かごが、所定の階に停止している間とで、表示する画像を変えてもよい。また、かごが上昇している場合と、下降している場合とで、表示する画像を変えてもよい。かごが移動中か/停止しているか、あるいは、上昇しているか/下降しているかについては、たとえば、図6に示した各種センサ(加速度センサ)603などの測定結果に基づいて判断するようにしてもよい。
また、表示される画像は、広告情報または管理情報であってもよい。広告情報であれば、広告主からの広告料を徴収することができる。管理情報であれば、乗員に対して、有用な情報を効率的にかつ的確に提供することができる。表示装置100の表示画面103に管理情報(具体的には、ビルのメンテナンスや停電情報、その他の告知)を表示するので、かご内における貼り紙などによる告知よりもより、乗員の記憶に残りやすい。また、貼り紙は、貼り出す手間や、それを撤去する手間がかかるが、表示装置100の表示画面103に表示するのであれば、それらの手間をかけないで済む。
また、制御部703は、撮像部104を制御して、かご内を撮影する。撮像部104は、具体的には、たとえば、図6に示したカメラ605などによってその機能を実現することができる。その際、制御部703は、撮像部104を制御して、表示画面103に画像を表示している間だけ撮影するようにしてもよい。したがって、撮像部104は、表示画面103において画像の表示が開始するタイミングに合わせて、かご内の撮影を開始し、表示画面103において画像の表示が終了するタイミングに合わせて、かご内の撮影を終了するようにしてもよい。
撮像情報記憶部704は、撮像部104によって撮影された撮影情報を所定の記憶領域に記憶する。画像情報記憶部702は、具体的には、たとえば、図6に示したメモリ602によって、その機能を実現することができる。また、図6に示した入出力デバイス608、より具体的には外部記録媒体などによって、その機能を実現することもできる。
撮像部104は、表示画面103と同一面に設けられているため、かご内を撮影すると、表示画面103を見ている乗員の顔を撮影することができる(図12を参照)。乗員は、かごに乗り込んだ際に、表示装置100の表示画面103に画像が表示されていると、通常は、無意識に、表示画面103を見てしまうと考えられる。したがって、撮像部104は、より確実に、乗員の顔を撮影することができる。
また、カメラで撮影していることを乗員に事前に告知しておくことによって、乗員は、表示画面103と同一面に撮像部104があることを認識するようにしてもよい。
照度測定部705は、かごの照度を測定する。照度測定部705は、具体的には、たとえば、図6に示したカメラ605、各種センサ603(照度センサ)などによって、その機能を実現することができる。制御部703は、照度測定部705によって測定された結果、所定の照度以上になっている間だけ、表示画面103を制御して、画像情報記憶部702に記憶された画像情報を表示するようにしてもよい。したがって、所定の照度以上になった場合に、画像の表示を開始し、所定の照度未満になった場合に、当該画像の表示を停止するようにしてもよい。
ここで、所定の照度以上とは、たとえば、かご内の照明が点灯されている状態であると想定できる程度の照度以上であることを示している。したがって、所定の照度未満であるときは、かご内の照明が消灯されている状態であると想定できる。かご内の照度は、エレベーターの種類や設置環境によって異なる場合があるため、表示装置を設置する際に、個別に、所定の照度の値を設定するようにするとよい。
このようにすることで、かご内の照明の点灯/消灯に合わせて、画像の表示を制御することができる。かご内の照明が消灯されている場合は、乗員がいないことが明らかなので、画像を表示する必要がない。このように、画像の表示を停止することによって、無駄な電力消費を効率よく抑制することができる。
また、かご内の照明の点灯/消灯に合わせて、かご内の撮影を制御することができる。かご内が照明が消灯されている場合は、乗員がいないことが明らかなので、かご内を撮影する必要がない。このように、かご内の撮影を停止することによって、無駄な電力消費および記憶領域の記憶容量の使用を効率よく抑制することができる。
(表示装置100の処理手順) 図8〜図10は、この発明にかかる実施の形態の表示装置が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8のフローチャートは、表示装置100における画像の表示制御および撮影制御に関する処理の内容を示している。図8のフローチャートにおいて、表示装置100は、照度測定部705の測定結果に基づいて、かご内の照度の変化を検出したか否かを判断する(ステップS801)。ここで、照度の変化を検出しない場合(ステップS801:No)は、何もせずに、現在の状態を維持する。
一方、ステップS801において、かご内の照度の変化を検出した場合(ステップS801:Yes)は、つぎに、かご内の照度が所定の照度以上に変化したか否かを判断する(ステップS802)。ここで、所定の照度以上に変化した場合(ステップS802:Yes)は、かご内の照明が点灯されたと判断し、画像表示制御をONにして、表示画面103において画像の表示を開始する(ステップS803)。
それにともなって、撮影制御をONにして、かご内の撮影を開始する(ステップS804)。そして、撮影された撮影情報を所定の記憶領域に記憶する(ステップS805)。その後、ステップS801へ戻り、以後、ステップS801において、照度の変化を検出するまでは、画像の表示処理およびかご内の撮影処理を継続して実行する。
ステップS801において、かご内の照度の変化を検出し(ステップS801:Yes)、ステップS802において、その変化が、かご内の照度が所定の照度以上でない、すなわちかご内の照度が所定の照度未満である場合(ステップS802:No)は、かご内の照明が消灯されたと判断し、画像表示制御をOFFにして、表示画面103における画像の表示を停止する(ステップS806)。
それにともなって、撮影制御もOFFにして、かご内の撮影を停止する(ステップS807)。その後、ステップS801へ戻り、以後、ステップS801において、照度の変化を検出するまでは、画像の表示処理の停止状態およびかご内の撮影処理の停止状態を維持する。
さらに、図示は省略するが、所定の照度以上で、かつ、図6に示した各種センサ(人感センサ)などによって、かご内に乗員がいることを検出した場合にのみ、画像表示およびかご内の撮影をONにし、所定の照度以上であっても、かご内に乗員がいないと判断した場合には、画像表示およびかご内の撮影はOFFにするようにしてもよい。具体的には、かご内が空の状態で移動している場合にも、かご内の照明が点灯されている場合があり、その場合であっても、消費電力を抑制するために、画像表示およびかご内の撮影をおこなわないようにすることもできる。
図9のフローチャートは、表示装置100における画像の受信制御および受信した画像の管理に関する処理の内容を示している。図9のフローチャートにおいて、表示装置100は、管理サーバ(画像送信サーバ)から送信されてきた画像情報を受信したか否かを判断する(ステップS901)。ここで、画像情報を受信していない場合(ステップS901:No)は、ステップS907へ移行する。
一方、ステップS901において、画像情報を受信した場合(ステップS901:Yes)は、表示装置100内の記憶領域に、受信した画像情報を記憶できる空きがあるか否かを判断する(ステップS902)。ここで、記憶領域に空きがない場合(ステップS902:No)は、すでに、表示装置100内の記憶領域に記憶されている別の画像情報を削除する(ステップS903)。そして、当該別の画像情報を削除した旨を管理サーバ(画像送信サーバ)に対して通知する(ステップS904)。これは、各表示装置100に記憶されている画像情報および削除された画像情報の状況について管理サーバ(画像送信サーバ)に把握させるためである。
削除する別の画像情報は、たとえば、以下のルールによって決定するようにしてもよい。そして、各ルールを適用する際における優先順位についても、任意に設定することができる。たとえば、
(1)受信した日時が最も古い画像情報(常により新しい画像情報を表示するようにするため)(2)すでに再生された回数が最も多い画像情報(乗員が繰り返し見て飽きている可能性が高いため)(3)再生期間の終了日時が最も近い画像情報(同上)(4)記憶容量が最も大きい画像情報(より多くの記憶容量を確保するため)あるいは最も小さい画像情報(再度、受信する際により速く受信できるため)(5)再生期間の開始日時が未だ来ていない画像情報(とりあえず、開始日時までは記憶しておく必要がないため)(6)その他、別途、送信されてきた指示情報によって指示された画像情報(広告提供企業との契約や画像表示のために支払われた広告料などを考慮するため)
その後、ステップS902へ戻って、再度、記憶領域に空きがあるか否かを判断する
(ステップS902)。ここで、未だ、記憶領域の空きがない(足りない)場合(ステップS902:No)は、ステップS903およびステップS904を、記憶領域の空きが発生するまで、繰り返し実行する。
また、図示は省略するが、記憶領域の空きがない(足りない)場合(ステップS902:No)は、上記ステップS903およびS904の各処理をおこなわずに、たった今、受信した画像情報を破棄するようにしてもよい。
ステップS902において、記憶領域に空きがある(空きができた)場合(ステップS902:Yes)は、受信した画像情報を記憶領域に記憶する(ステップS905)。そして、画像情報の受信が成功した旨を管理サーバ(画像送信サーバ)に通知する(ステップS906)。その後、ステップS907へ移行する。
つぎに、ステップS907において、記憶領域に記憶されている画像情報の中に、期限切れ、すなわち、あらかじめ定められた再生期間の終了日時が経過した画像情報があるか否かを判断する(ステップS907)。ここで、期限切れの画像情報がない場合(ステップS907:No)は、何もせずに、ステップS901へ戻る。一方、期限切れの画像情報がある場合(ステップS907:Yes)は、当該期限切れの画像情報を削除する(ステップS908)。これにより、記憶領域における空き領域を効率よく確保することができる。その後、ステップS901へ戻って、以後、ステップS901〜ステップS908の各ステップによる処理を繰り返し実行する。
図10のフローチャートは、表示装置100における画像の受信制御に関する処理の内容を示している。図10のフローチャートにおいて、表示装置100は、管理サーバ(画像送信サーバ)から送信されてきた画像情報のファイルの一部のみのデータを受信したか否かを判断する(ステップS1001)。ここで、画像情報のファイルの一部のみのデータを受信していない場合(ステップS1001:No)は、ステップS1001へ戻る。そして、画像情報のファイルの一部のみのデータを受信した場合(ステップS1001:Yes)は、当該データを所定の記憶領域に記憶する(ステップS1002)。
つぎに、ファイルを構成するすべてのデータが記憶されているか否かを判断する(ステップS1003)。ここで、すべてのデータが未だ記憶されていない場合(ステップS1003:No)は、ステップS1001へ戻る。一方、すべてのデータが記憶されている場合(ステップS1003:Yes)は、記憶されているデータでファイルを再構築する(ステップS1004)。
ここで、ファイルを構成するすべてのデータが揃っているか否かについての判断、および、ファイルの再構築処理は、具体的には、たとえば、各データのヘッダ部分の情報に基づいて、おこなうことができる。
そして、ファイルの再構築ができた場合に、当該ファイルにかかる画像処理が受信できたと判断する(ステップS1005)。これにより、図9のフローチャートのステップS901の判断において、画像情報を受信したと判断することができる。
(表示装置の設置例) 図11は、この発明にかかる実施の形態の表示装置の設置の一例を示す説明図である。図11は、エレベーターのかご1100内の様子を示しており、図11において、エレベーターのかご1100内には、乗員が出入りする出入り口部分の扉1101と、かごに搭乗した乗員が操作する操作盤1102と、が備えられている。
表示装置100は、図11においては、扉1101および操作盤1102が設けられている壁面と同一の壁面に設けられている。これは、通常、かご内の乗員が、扉1101側の面を向いて立つことが一般的であることを想定している。
さらに、表示装置100は、扉1101よりも向かって左側であって、扉1101の上端よりも上側に設置されていることがわかる。これにより、乗員の頭の高さよりも上側に設置されているので、表示装置100が乗員により容易に触れることができない。したがって、乗員により表示装置100が取り外されたり、表示装置100を不正に操作されることを防止することができる。
このように、扉1101と同一の壁面の扉1101の上端よりも上側に設置することによって、エレベーターのかご1100内に乗り込んだ乗員が、表示装置100の表示画面を認識することができる。
図12は、撮像部が撮影した撮像情報の一例を示す説明図である。図12に示すように、表示画面103と同一面に設けられた撮像部104が撮影する画像は、エレベーターのかご1100内を上側から撮影していることがわかる。すなわち、現在、かご1100内には、2名の乗員がおり、2名の乗員の首が上向きになっていることから、いずれの乗員も、表示装置100の表示画面103に表示されている画像を見ているということがわかる。
エレベーターのかご内では、通常、下を向く場合が多い。これは、狭い空間においては、できるだけ、他人と目を合わせないようにしようという意識が働くからだと考えられている。特に近年は、スマートフォンの普及により、同乗した他の乗員との関わりを避けるために下を向いている。
そこで、表示装置100に画像を表示し、その画像を乗員に見させることによって、乗員にできるだけ上を向かせるようにしている。顎を上げることによって、背筋が伸び、気道の確保に繋がり、呼吸がより楽になったり、血行がよくなったりすることから、乗員のリフレッシュを促進することができる。また、乗員に上を向かせることで、下を向いているよりも、同乗の他の乗員にも自然と注意が向くようになり、他の乗員の不審な行動を事前に察知することができる。
そして、スマートフォンを見るのではなく、同じ内容の画像情報を他の乗客と一緒に見ることによって、互いに同じ情報を共有することができる。このように、同時に互いに同じ情報を共有することによって、たとえば、たまたまエレベーターに乗り合わせた同じマンションの住民同士の良好なコミュニケーションを図る機会を与えることができる。また、たとえば、同じオフィスビルなどの他の会社の社員と意見を交換することができるようになる。
このように、表示装置100は、エレベーター内に設けられた「天窓」をイメージすることができ、狭い空間において、窓がないことによる乗員の閉塞感を解消し、環境を改善し、短い時間においても、できるだけ乗員のリフレッシュに配慮することができる。また、この表示装置100という、エレベーターに設けられた仮想の窓は、乗員に清涼感を与えるとともに、他の乗員と同じ内容の画像情報を共有することによって、同乗者の疎遠になった人間関係の改善に寄与することができる。
発明者らは、上述のように、エレベーターのかご内に設けられた表示装置100において画像を表示することを、「(通常、設けることが困難な)エレベーターに窓を設けること」と考え、エレベーターのかご内の上側に、表示画面103を下側に向けて設置する表示装置100に、乗員の快適性を求め、それによって、かご内の環境改善の向上を目指している。
図13は、この発明にかかる実施の形態の表示装置の設置の別の一例を示す説明図である。図13において、表示装置100は、エレベーターのかご内の扉および操作盤がある壁面と、その壁面の向かって右側面との角(コーナー)に設けられていることがわかる。
このように、接着補助部300a、300bを用いて、表示装置100をコーナーに設置することによって、かご内の空間をより有効に活用することができる。また、表示装置100をコーナーに設置することによって、かご内の乗員がどの位置に立っていても、表示画面103を見やすくすることができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、エレベーターの乗員に対して画像を表示する表示装置であって、画像を表示する表示画面103を有する情報処理装置101と、情報処理装置101を支持する支持部材102と、を備えており、支持部材102が、表示画面103が乗員側に向くように、かつ、乗員の視線の高さよりも上側になるように、エレベーターのかごの内壁面に設置され、支持部材102が設置された際に、表示画面103の上辺が内壁面から離間するように、表示画面103を内壁面に対して所定の角度で傾斜させているので、エレベーターの乗員は、表示画面を見るためには、上を見なければならない。このように、乗員に無意識に上を向かせることによって、快適性を向上させ、防犯にも役立てることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、情報処理装置101が、表示画面103と同一面に、かご内を撮影する撮像部104を有しているので、表示画面103を見ている乗員の顔を撮影することができ、撮影された画像が記憶されるので、犯罪の抑止などに役立てることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、撮像部104が、画像が表示されている間だけ撮影するので、撮影のための消費電力を抑えることができるとともに、撮影画像を記憶する記憶領域の容量を節約することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、かごの照度を測定し、所定の照度以上になった場合に、画像を表示するので、画像を表示するための消費電力を抑えることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、画像に関する情報を無線通信によって受信するので、効率よく、新しい画像情報を取得し、表示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、内壁面に対して磁力を用いて固定するので、表示装置100の取り付け作業が容易で、かつ、取り外し作業が容易にできる。また、取り付け場所の幅が広く、取り付けた後に、取り付け場所を容易に変更することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の表示装置100は、画像が、広告情報または管理情報であるので、エレベーターの乗員に対して、効率的に広告活動をおこなうことができ、また、乗員においては有用な情報をエレベーター内において取得することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯支援プログラムは、エレベーターのかご内に設置されたコンピュータ(情報処理装置101)に、エレベーターの乗員に対して画像を表示する第1の処理と、第1の処理によって表示される画像を見ている乗員を撮影する第2の処理と、第2の処理によって撮影された情報を記憶する第3の処理と、を実行させるので、エレベーターの乗員に対して情報を提供することができるとともに、エレベーター内で発生する虞れがある犯罪行為などを抑止し、エレベーター内の防犯に寄与することができる。
なお、本実施の形態で説明した防犯支援プログラムは、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。防犯支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、MO(Magneto−Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、情報発信プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。