JP2021071711A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータの種類を判別する必要のない場合もモータの種類を判別する処理が行われることによって、電力の供給状態が第1状態から第2状態に遷移した後に画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が、電力の供給状態が第1状態から第2状態に遷移した際に判別処理が実行されない場合よりも長くなってしまう。【解決手段】 常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給されていない状態から、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給された状態になると、モータの種類を判別する処理が実行される。また、常夜回路604に電力が供給され且つ非常夜回路608に電力が供給されていない状態から、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給された状態になっても、モータの種類を判別する処理は実行されない。【選択図】 図10

Description

本発明は、モータの種類を判別する画像形成装置に関する。
従来、モータを制御するモータ制御装置に接続されたモータの種類を判別する構成が知られている。特許文献1では、画像形成装置の電源投入時に、モータに電流を供給することにより当該モータの種類を判別する処理(以下、判別処理と称する)が実行されることが述べられている。電源投入時にモータの種類を判別することにより、画像形成装置に取り付けられたモータに応じた適切な制御を行うことができる。その結果、画像形成装置のジョブ実行中にモータが脱調してしまうことを抑制することができる。
特開2017−46469号公報
一般的に、モータの交換は、画像形成装置内の装置(モータに電流を供給する駆動回路、及び、画像形成装置における電力を制御するCPU)に電力が供給されていない状態(例えば、画像形成装置の電源スイッチがオフである状態)で行われる。これは、モータを取り換える作業者の安全を確保するためである。
特開2017−46469号公報の構成においては、画像形成装置の電源がオフからオンに切り替わった場合だけでなく、駆動回路に電力が供給されておらず且つCPUに電力が供給されている状態(第1状態)から、駆動回路及びCPUに電力が供給されている状態(第2状態)に、電力の供給状態が遷移した場合(即ち、モータが交換されていない場合)にも、判別処理が実行される可能性がある。即ち、特開2017−46469号公報の構成においては、判別処理を実行する必要がない場合においても判別処理が実行されてしまう可能性がある。判別処理にはモータに電流を供給する処理等が含まれるため、当該判別処理を完了するには所定の時間を要する。即ち、特開2017−46469号公報の構成においては、判別処理を実行する必要がない場合においても判別処理が実行されることに起因して、電力の供給状態が第1状態から第2状態に遷移した後に画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が、電力の供給状態が第1状態から第2状態に遷移した際に判別処理が実行されない場合よりも長くなってしまう。
上記課題に鑑み、本発明は、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、当該駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、
記録媒体に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
商用電源に接続され、前記商用電源から電力が供給される電源と、
負荷を駆動するモータと、
前記モータの巻線が接続され、且つ、前記電源から供給される電力に基づいて前記巻線に駆動電流を供給する駆動回路を備えるモータ制御装置と、
前記電力が前記電源から前記駆動回路に供給される第1状態と、前記電力が前記電源から前記駆動回路に供給されない第2状態と、に切り替わる第1スイッチング素子と、
前記電源から供給される電力により動作し、前記第1スイッチング素子の状態を制御する制御手段と、
前記巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記駆動回路に接続されたモータの種類を判別する判別手段と、
前記判別手段によって判別されたモータの種類に対応する制御値を設定する第1設定手段と、
を有し、
前記モータ制御装置は、
前記検出手段によって検出された駆動電流と前記第1設定手段によって設定された前記制御値とを用いて前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記位相決定手段によって決定された回転位相と前記モータの回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように、前記巻線に供給すべき電流の目標値を設定する第2設定手段と、
を備え、
前記モータ制御装置は、前記駆動回路が所定の電流を前記巻線に供給する第1モードと、前記駆動回路が前記第2設定手段によって設定された目標値に対応する駆動電流を前記巻線に供給する第2モードと、を備え、
前記判別手段は、前記第1モードにおいて前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記駆動回路に接続されたモータの種類を判別し、
前記モータ制御装置は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態において前記電力が供給されていない前記制御手段に前記電力が供給されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御すると、前記第1モードを実行し、
前記モータ制御装置は、前記制御手段に前記電力が供給され且つ前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態においてトリガー信号が前記制御手段に入力されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御する場合は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態から前記第1状態に切り替わることに起因して前記駆動回路に前記電力が供給されても前記第1モードを実行せず、
前記トリガー信号は、前記駆動回路への前記電力の供給を行うトリガーとなる信号であることを特徴とする。
本発明によれば、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、当該駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。 前記画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 A相及びB相から成る2相のモータと回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。 モータ制御装置の構成を示すブロック図である。 モータ駆動部の構成の例を示す図である。 PWM生成器がPWM信号を生成する構成を説明する図である。 PWM生成器がPWM信号を生成する方法を説明する図である。 PWM+のデューティ比が50%である場合における電流iαを示す図である。 モータの種類を判別する方法を説明するフローチャートである。 第1実施形態における電源の構成を示すブロック図である。 第3実施形態における電源の構成を示すブロック図である。 速度フィードバック制御を行うモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲が以下の実施の形態に限定される趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、モータ制御装置は記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置にも用いられる。
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、原稿給送装置201及び読取装置202を含む原稿読取装置200及び画像印刷装置301を有する。原稿給送装置201は、読取装置202に対して回動可能である。
<原稿読取装置>
原稿給送装置201の原稿積載部2に積載された原稿Pは、ピックアップローラ3によって1枚ずつ給送され、その後、給送ローラ4によって更に下流へと搬送される。給送ローラ4と対向する位置には、給送ローラ4に圧接する分離ローラ5が設けられている。分離ローラ5は、該分離ローラ5に所定のトルク以上の負荷トルクがかかると回転する構成となっており、2枚重なった状態で給送された原稿を分離する機能を有する。
ピックアップローラ3と給送ローラ4は揺動アーム12によって連結されている。揺動アーム12は、給送ローラ4の回転軸を中心にして回動できるように給紙ローラ4の回転軸によって支持されている。
原稿Pは、給送ローラ4、搬送ローラ6等の各種搬送ローラによって搬送されて、排紙ローラ11によって排紙トレイ10へ排出される。
読取装置202には、搬送される原稿の第1面の画像を読み取る原稿読取部16が設けられている。原稿読取部16に読み取られた画像情報は、画像印刷装置301へ出力される。
また、原稿給送装置201には、搬送される原稿の第2面の画像を読み取る原稿読取部17が設けられている。原稿読取部17に読み取られた画像情報は、原稿読取部16において説明した方法と同様にして画像印刷装置301へ出力される。
前述の如くして、原稿の読取が行われる。
原稿の読取モードとして、第1読取モードと第2読取モードがある。第1読取モードは、上述した方法で搬送される原稿の画像を読み取るモードである。第2読取モードは、原稿ガラス214(透明部材)上に載置された原稿の画像を、一定速度で移動する原稿読取部16によって読み取るモードである。なお、原稿は、原稿給送装置201が読取装置202に対して回動した状態において原稿ガラス214上に載置される。通常、シート状の原稿の画像は第1読取モードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿の画像は第2読取モードで読み取られる。
<画像印刷装置>
画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等は記録媒体に含まれる。
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、ピックアップローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、ピックアップローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
原稿読取装置200から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、原稿読取装置200から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。
続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写帯電器315によって記録媒体に転写される。レジストレーションローラ308は、転写帯電器315によって記録媒体に画像が転写される転写タイミングに合わせて記録媒体を転写位置へ送り込む。
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
また、第1面に画像形成された記録媒体がフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙される場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送される。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に搬送ローラ320の回転が反転することによって、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、例えば、ピックアップローラ3,303、305、レジストレーションローラ308等の各種ローラや感光ドラム309、現像器314、搬送ベルト317等は負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。
<画像形成装置の制御構成>
図2は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置100には電源34が設けられている。電源34は交流電源(商用電源)ACに接続されており、画像形成装置100の内部の各種装置は電源34から出力される電力によって稼働する。
システムコントローラ151は、図2に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置600、センサ類159、ACドライバ160、通信I/F162、シートセンサSS1、角度検出センサSS2と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置600に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが格納される。
システムコントローラ151は、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部112に送信する。更に、システムコントローラ151は、センサ類159からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。
高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。
モータ制御装置600は、CPU151aから出力された指令に応じて、画像印刷装置301に設けられた負荷を駆動するモータ509を制御する。なお、図2においては、負荷を駆動するモータとしてモータ509のみが記載されているが、実際には、画像形成装置には複数個のモータが設けられている。また、モータ制御装置1個で複数個のモータを制御する構成であっても良い。更に、図2においては、モータ制御装置が1個しか設けられていないが、実際には、複数個のモータ制御装置が設けられている。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
通信I/F162は、画像形成装置100の外部の通信機器からデータの受信を行う。具体的には、例えば、通信I/F162は、画像形成装置100の外部の通信機器から、画像形成装置100による画像形成のジョブを受信する。通信I/F162は、受信結果をCPU151aに通知する。
シートセンサSS1は、原稿積載部2に積載された原稿の有無を検出するセンサである。シートセンサSS1は、検出結果をCPU151aに出力する。
角度検出センサSS2は、原稿給送装置201の読取装置202に対する開閉角度が所定の角度以上であるか否かを検出し、検出結果をCPU151aに通知する。
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成動作の進行状況、画像印刷装置301及び原稿給送装置201におけるシートのジャムや重送等に関する情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
[モータ制御装置]
次に、本実施形態におけるモータ制御装置600について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置600は、第2モードとしてのベクトル制御によってモータ509を制御する。なお、本実施形態では、モータ509として、モータA又はモータAとは種類が異なるモータBが画像形成装置100に取り付けられ得るが、以下の説明では、モータ509としてモータAがモータ制御装置600に接続された構成について説明する。
<ベクトル制御>
まず、図4及び図5を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置600がベクトル制御を行う方法について説明する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていない。
図3は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、モータと称する)509と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図3では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図3では、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、ベクトル制御では、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とが用いられる。
ベクトル制御とは、回転子の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法もある。
図4は、モータ509を制御するモータ制御装置600の構成の例を示すブロック図である。本実施形態におけるモータ制御装置600は、ベクトル制御を用いてモータを制御するモータ制御部157及びモータの巻線に駆動電流を供給してモータを駆動させるモータ駆動部158によって構成されている。なお、モータ制御装置600は、少なくとも1つのASICで構成されており、以下に説明する各機能を実行する。
モータ制御部157は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511等を有する。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、q軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線に流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるq軸成分の電流値(q軸電流)とd軸成分の電流値(d軸電流)とによって表される。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当する。モータ制御装置600は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御部157は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、ベクトル制御においては、図4に示す電流ベクトルの大きさは、回転子402にかかる負荷トルクに応じて変化する。
モータ制御部157は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151aは、モータ509の回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成し、指令位相θ_refをモータ制御装置600へ出力する。なお、実際には、CPU151aはモータ制御装置600に対してパルス信号を出力しており、パルスの数が指令位相に対応し、パルスの周波数が目標速度に対応する。指令位相θ_refは、例えば、モータ509の目標速度に基づいて生成される。
減算器101は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算し、該偏差を位相制御器502に出力する。
位相制御器502は、所定の時間周期T(例えば、200μs)で、減算器101から出力される偏差を取得する。位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から出力される偏差が小さくなるように、目標値としてのq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器101から出力された偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。即ち、位相制御器502は、第1設定手段として機能する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しても良い。なお、本実施形態においては、巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、モータ駆動部158によって後述する方法により検出される。モータ駆動部158によって検出された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図5に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511と誘起電圧決定器512とに入力される。
座標変換器511は、次式によって、静止座標系における電流値iα及びiβを回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに変換する。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
減算器102には、位相制御器502から出力されたq軸電流指令値iq_refと座標変換器511から出力された電流値iqとが入力される。減算器102は、q軸電流指令値iq_refと電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
また、減算器103には、位相制御器502から出力されたd軸電流指令値id_refと座標変換器511から出力された電流値idとが入力される。減算器103は、d軸電流指令値id_refと電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、PID制御に基づいて、入力される偏差がそれぞれ小さくなるように駆動電圧Vq及びVdを生成する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差がそれぞれ0になるように駆動電圧Vq及びVdを生成して座標逆変換器505に出力する。なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しても良い。
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに逆変換する。
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
座標逆変換器505は、逆変換された駆動電圧Vα及びVβを誘起電圧決定器512及びPWMインバータ506に出力する。
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有する。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβに基づくPWM(パルス幅変調)信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、PWMインバータはハーフブリッジ回路等であっても良い。
次に、回転位相θの決定方法について説明する。回転子402の回転位相θの決定には、回転子402の回転によってモータ509のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα及びEβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα及びiβと、座標逆変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt (7)
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (8)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。巻線レジスタンスR及び巻線インダクタンスLの値(以下、制御値と称する)は使用されているモータ509としてのモータAに固有の値であり、ROM151bに予め格納されている。なお、モータBについての制御値もROM151bに予め格納されている。CPU151aは、モータの種類に基づいて、モータAについての制御値、又は、モータBについての制御値、のいずれかを制御値として設定する。なお、本実施形態における制御値には、例えば、q軸電流指令値iq_ref等の電流指令値を決定する際の(即ち、PID制御の)ゲイン値等も含まれる。
誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα及びEβは位相決定器513に出力される。
位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比に基づいて、次式によってモータ509の回転子402の回転位相θを決定する。
θ=tan^−1(−Eβ/Eα) (9)
なお、本実施形態においては、位相決定器513は、式(9)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、ROM151b等に記憶されている、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβと誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβとに対応する回転位相θとの関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定してもよい。
前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、減算器101、座標逆変換器505及び座標変換器511に入力される。
モータ制御装置600は上述の制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置600は、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を用いたベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。また、位相フィードバック制御が行われることによって、回転子の回転位相が所望の位相になるように回転子の回転位相を制御される。したがって、画像形成装置において、回転子の回転位相が精度よく制御される必要がある負荷(例えばレジストレーションローラ)を駆動するモータに位相フィードバック制御によるベクトル制御が適用されることによって、記録媒体への画像形成が適切に行われる。
<モータ駆動部>
以上のように、モータの駆動制御においては、巻線に流れる駆動電流の電流値を検出し、検出した電流値に基づいて巻線に流れる駆動電流を制御する。即ち、モータの駆動制御においては、巻線に流れる駆動電流の電流値を検出する構成、及び、駆動電流を巻線に供給する構成が必要となる。
図5は、本実施形態におけるモータ駆動部158の構成の例を示す図である。図5に示すように、モータ駆動部158は、A相におけるPWMインバータ506a、A/D変換器510a、電流値生成器530aを有する。また、モータ駆動部158は、B相におけるPWMインバータ506b、A/D変換器510b、電流値生成器530bを有する。なお、図4に示すPWMインバータ506にはPWMインバータ506aとPWMインバータ506bとが含まれる。また、図4に示すA/D変換器510にはA/D変換器510aとA/D変換器510bとが含まれる。更に、図4に示す電流値生成器530には電流値生成器530aと電流値生成器530bとが含まれる。このように、PWMインバータ、A/D変換器及び電流値生成器はモータ509のA相とB相それぞれに対応して設けられており、相毎に独立に駆動される。なお、PWMインバータ506aの構成とPWMインバータ506bの構成は同じ構成であるため、図5においては、PWMインバータ506aの具体的構成を示している。PWMインバータ506aは、モータ駆動回路50a、モータ駆動回路50aに設けられた複数のFETのオン動作/オフ動作を制御するPWM信号を生成するPWM生成器203、抵抗器200の両端の電圧信号を増幅する増幅器300を有する。
図5に示すように、モータ駆動回路50aは、スイッチング素子としてのFET Q1〜Q4及びモータの巻線L1等を有する。具体的には、FET Q1〜Q4はHブリッジ回路を構成し、巻線L1は、FET Q1とQ3との接続点とFET Q2とQ4との接続点とを繋ぐように接続されている。また、FET Q1及びQ2のドレイン端子は24Vの電源端子に接続され、FET Q3及びQ4のソース端子は、抵抗器200の一端に接続される。更に、抵抗器200の他端はグラウンド(GND)に接続される。即ち、抵抗器は接地されている。なお、図5においては、巻線L1は、実際には、モータ509に設けられている巻線である。即ち、巻線L1はモータ制御装置600の外部に設けられている。
FET Q1及びQ4はPWM信号であるPWM+によって駆動され、FET Q2及びQ3はPWM信号であるPWM−によって駆動される。なお、PWM+とPWM−は互いに逆位相の関係にある。即ち、PWM+が‘H(ハイレベル)’である場合は、PWM−は‘L(ローレベル)’である。また、PWM−が‘H’である場合は、PWM+は‘L’である。
PWM+が‘H’である場合は、電源、FET Q1、巻線L1、FET Q4、GNDの順に駆動電流が流れる。その後、PWM+が‘L’になると、巻線L1には、電流の変化を阻止する方向に誘導起電力が生じる。この結果、GND、FET Q3、巻線L1、FET Q2、電源の順に駆動電流が流れる。また、PWM+が‘L’である場合は、電源、FET Q2、巻線L1、FET Q3、GNDの順に駆動電流が流れる。その後、PWM+が‘H’になると、巻線L1には、電流の変化を阻止する方向に誘導起電力が生じる。この結果、GND、FET Q4、巻線L1、FET Q1、電源の順に駆動電流が流れる。
{駆動電流を供給する方法}
まず、モータ駆動部158が巻線に駆動電流を供給する方法について説明する。
図6は、本実施形態におけるPWM生成器203がPWM信号を生成する構成を説明する図である。図6に示すように、本実施形態におけるPWM生成器203は、変調波と搬送波とを比較する比較器203aを有する。PWM生成器203は、比較器203aを用いて変調波と搬送波とを比較することによってPWM信号を生成している。なお、本実施形態においては、PWM生成器203が所定の周波数の三角波搬送波を生成している。また、該三角波搬送波の値が極小値となるタイミングから次に極小値となるタイミングまでの期間を一周期とした場合に、該三角波搬送波の波形は、1周期において該三角波搬送波の値が極大値となるタイミングを基準として線対称となるような波形である。また、A相における三角波搬送波とB相における三角波搬送波は同期されている。
図7は、PWM生成器203がPWM信号を生成する方法を説明する図である。以下に、図5乃至図7を用いて、PWM生成器203がPWM信号を生成する方法を説明する。
図5に示すように、モータ制御部157から出力された駆動電圧Vαは、PWM生成器203に入力される。PWM生成器203は、比較器203aを用いて変調波としての駆動電圧Vαと三角波搬送波とを比較し、駆動電圧Vαが三角波搬送波よりも大きい期間(ハイ期間)は‘H’、駆動電圧Vαが三角波搬送波よりも小さい期間(ロー期間)は‘L’としてPWM+を生成する。また、PWM生成器203は、PWM+の位相を反転させたPWM−を生成する。
図5に示すように、PWM生成器203は、PWM+をFET Q1及びQ4に出力し、PWM−をFET Q2及びQ3に出力する。FET Q1乃至Q4は、PWM+とPWM−によって、オン動作/オフ動作が制御される。この結果、A相の巻線L1に供給する駆動電流の大きさ及び向きを制御することができる。
本実施形態においては、駆動電圧が24Vである場合はデューティ比が100%、駆動電圧が0Vである場合はデューティ比が50%、駆動電圧が−24Vである場合はデューティ比が0%に対応する。即ち、本実施形態においては、駆動電圧VαはPWM+のデューティ比に対応する値である。なお、本実施形態においては、PWM+の周期に対するハイ期間の割合をデューティ比と定義するが、PWM+の周期に対するロー期間の割合をデューティ比と定義しても良い。
{電流検出方法}
次に、モータ駆動部158が巻線に流れる駆動電流の電流値を検出する方法について説明する。
前述したように、巻線に流れる駆動電流は抵抗器200にかかる電圧Vsnsに基づいて検出される。増幅器300は、電圧Vsnsの信号を増幅してA/D変換器510aに出力する。A/D変換器510aは、電圧Vsnsをアナログ値からデジタル値へと変換して、電流値生成器530aに出力する。
電流値生成器530aは、A/D変換器510aから出力された値を所定の周期でサンプリングし、サンプリングした値に基づいて電流値を生成する。電流値生成器530aは、生成した電流値を電流値iαとして出力する。
<モータの種類を判別する方法>
次に、モータ制御装置600に取り付けられているモータの種類を判別する方法を説明する。なお、以下に説明するモータの種類を判別する処理は、第1モードに対応する。
図8は、PWM+のデューティ比が50%である場合における電流iαを示す図である。図8に示すように、PWM+のデューティ比が50%である場合において、モータAの巻線に流れる電流iαの最大値及び最小値はモータBの巻線に流れる電流iαの最大値及び最小値とは異なる値である。これは、モータAの巻線の抵抗値R及びインダクタンス値Lが、モータBの巻線の抵抗値R及びインダクタンス値Lとは異なる値であるためである。
本実施形態では、デューティ比が所定の値(例えば、50%)に設定されたPWM信号に基づいてA相の巻線に電圧が印加された状態おいて当該A相の巻線に流れる電流に基づいて、モータ制御装置600に接続されているモータの種類が判別される。
図4に示すように、電流値生成器530によって生成された電流値iα、iβはCPU151aに出力される。CPU151aは、電流値iαが入力された後に最初に電流値iαが極小値となるタイミングから次に極小値となるタイミングまでの期間における電流値iαの極大値(最大値)に基づいて、モータ制御装置600に接続されているモータの種類を判別する。具体的には、CPU151aは、前記期間における電流値iαの極大値が閾値ith以上である場合は、モータ制御装置600に接続されているモータがモータBであると判定し、制御値をモータBに対応する値に設定する。また、CPU151aは、前記期間における電流値iαの極大値が閾値ith未満である場合は、モータ制御装置600に接続されているモータがモータAであると判定し、制御値をモータAに対応する値に設定する。即ち、CPU151aは、判別手段、第2設定手段として機能する。なお、閾値ithは、デューティ比が所定の値に設定されたPWM信号に基づいて巻線に電圧が印加された状態おいてモータAの巻線に流れる電流の極大値よりも大きい値に設定される。更に、閾値ithは、デューティ比が所定の値に設定されたPWM信号に基づいて巻線に電圧が印加された状態おいてモータBの巻線に流れる電流の極大値よりも小さい値に設定される。即ち、電流値iαの極大値が閾値ith未満であることはモータ制御装置600に取り付けられているモータがモータAであることを意味する。また、電流値iαの極大値が閾値ithより大きいことはモータ制御装置600に取り付けられているモータがモータBであることを意味する。
図9は、モータの種類を判別する方法を説明するフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU151aによって実行される。
S1001において、CPU151aは、PWMインバータ506(モータ駆動部158)を駆動させる。具体的には、CPU151aは、PWM+のデューティ比を所定の値に設定し、モータ509の巻線に電圧を印加する。
S1002において、電流値iαが閾値ith未満である場合は、S1003において、CPU151aは、モータ制御装置600に接続されているモータ509がモータAであると判定し、モータ制御装置600における制御値をモータAに対応する制御値に設定する。
一方、S1002において、電流値iαが閾値ith以上である場合は、S1004において、CPU151aは、モータ制御装置600に接続されているモータ509がモータBであると判定し、モータ制御装置600における制御値をモータBに対応する制御値に設定する。
S1005において、CPU151aは、PWMインバータ506(モータ駆動部158)の駆動を停止させ、このフローチャートの処理を終了する。
<モータの種類を判別するタイミング>
次に、モータの種類を判別するタイミングについて説明する。
図10は、本実施形態における電源34の構成を示すブロック図である。図10に示すように、電源34は、商用電源ACから電力が供給される常夜電源602、ユーザによって操作されるメイン電源スイッチ603を有する。また、電源34は、FETなどのスイッチング素子によって構成され常夜回路604によってオン状態/オフ状態が制御されるラッチスイッチ605を有する。更に、電源34は、FETなどのスイッチング素子によって構成され常夜回路604によってオン状態/オフ状態が制御される非常夜電源スイッチ606、商用電源ACから非常夜電源スイッチ606を介して電力が供給される非常夜電源607を有する。なお、ラッチスイッチ605はリレー回路によって構成されていてもよい。また、非常夜電源スイッチ606はリレー回路によって構成されていてもよい。
常夜回路604は、画像形成装置100の内部の各種装置への電力の供給状態を制御する回路であり、例えばCPLDによって構成される。なお、CPU151aは常夜回路604に含まれる。また、モータ制御装置600は非常夜回路608に含まれる。
ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜電源602から常夜回路604に電力を供給するための経路が遮断される。ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜回路604は、非常夜電源スイッチ606をオフ状態にする。この結果、商業電源ACから非常夜電源607への電力の供給が遮断される。また、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜回路604は、非常夜回路608をオフ状態にする。その後、常夜回路604は、ラッチスイッチ605をオフ状態にして、常夜回路604自身をオフ状態にする。
このように、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、商用電源ACから常夜電源602以外の回路への電力の供給が停止される。
{通常電力モード}
以下に、メイン電源スイッチ603がオンである状態における電力モードとしての通常電力モードについて説明する。なお、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられると、常夜回路604は、画像形成装置100の電力モードを通常電力モードに設定する。
ユーザによってメイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられると、常夜電源602から常夜回路604への電力の供給が開始されて常夜回路604が起動する。常夜回路604は、ラッチスイッチ605の状態をオン状態にして、自身への電力の供給状態をラッチする。この結果、メイン電源スイッチ604がユーザによってオン状態からオフ状態に切り替えられたとしても、常夜電源602から常夜回路605への電力の供給がラッチスイッチ603を介して維持される。また、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられると、常夜回路604は、例えば、ROM151bに格納されているデータをレジスタ604aに書き込む等の初期動作を行う。さらに、常夜回路604は、非常夜電源スイッチ606をオン状態にする。この結果、非常夜電源607から非常夜回路608への電力の供給が行われる。即ち、通常電力モードでは、モータ制御装置600(モータ駆動回路)に電力が供給される。
{スリープモード}
次に、メイン電源スイッチ603がオンである状態における電力モードとしてのスリープ(省電力)モードについて説明する。スリープモードは、通常電力モードよりも消費電力が小さい電力モードである。
常夜回路604は、通常電力モードにおいて、操作部152に設けられた節電ボタンがユーザによって押下されると、電力モードを通常電力モードからスリープモードに切り替える。また、常夜回路604は、通常電力モードにおいて、操作部152に設けられた表示部がユーザによって操作されない状態が所定時間継続すると、電力モードを通常電力モードからスリープモードに切り替える。更に、常夜回路604は、通常電力モードにおいて、画像形成を行うジョブを通信I/F162が受信しない状態が所定時間継続すると、電力モードを通常電力モードからスリープモードに切り替える。
常夜回路605は、スリープモードでは、例えば、非常夜回路608への電力の供給を遮断する。即ち、スリープモードでは、モータ制御装置600(モータ駆動回路)に電力は供給されず、常夜回路605に電力が供給される。
常夜回路604は、スリープモードにおいて、操作部152に設けられた節電ボタンがユーザによって押下されると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。また、常夜回路604は、スリープモードにおいて、操作部152に設けられた表示部がユーザによって操作されると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。更に、常夜回路604は、スリープモードにおいて、画像形成を行うジョブを通信I/F162が受信すると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。電力モードがスリープモードから通常電力モードに切り替わると、モータ制御装置600を含む各装置への電力の供給が開始される。
{起動フラグ}
図10に示すように、常夜回路604はレジスタ604aを有する。常夜回路604は、メイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられたことに起因して電力モードが通常電力モードになると、起動フラグを‘0’に設定してレジスタ604aに書き込む。一方、常夜回路604は、電力モードがスリープモードから通常電力モードになると、起動フラグを‘1’に設定してレジスタ604aに書き込む。
モータの交換は、モータ駆動回路への電力の供給が行われていない状態において行われる。即ち、モータの交換は、スリープモードのようにモータ駆動回路への電力の供給が行われている状態においては行われない。
そのため、本実施形態では、CPU151aは、電力モードが通常電力モードになると、レジスタ604aに書き込まれている起動フラグをチェックする。起動フラグが‘0’である場合は、CPU151aは、上述したモータの種類の判別処理を実行する。即ち、CPU151aは、オフ状態からオン状態にメイン電源スイッチ603が切り替わったことに起因して電力モードが通常電力モードになった後の最初に画像形成のジョブが開始される前に、モータの種類を判別する処理を実行する。また、起動フラグが‘1’である場合は、CPU151aは、モータの種類の判別処理を実行しない。
以上のように、本実施形態では、CPU151aは、モータが交換された可能性がある場合に、モータの種類を判別する処理を実行する。具体的には、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給されていない状態から、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給された状態になると、CPU151aは、モータの種類を判別する処理を実行する。また、常夜回路604に電力が供給され且つ非常夜回路608に電力が供給されていない状態から、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給された状態になっても、CPU151aは、モータの種類を判別する処理を実行しない。この結果、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。
第1実施形態では、モータ509が、画像印刷装置301に設けられた負荷を駆動する構成について説明した。本実施形態では、モータ509は、原稿給送装置201に設けられたピックアップローラ3、給送ローラ4、搬送ローラ6等の負荷を駆動する。
原稿給送装置201における電力モードは、例えば、以下のような場合に、通常電力モードからスリープモードに切り替えられる。具体的には、常夜回路604は、通常電力モードにおいて、操作部152に設けられた節電ボタンがユーザによって押下されると、電力モードを通常電力モードからスリープモードに切り替える。また、常夜回路604は、通常電力モードにおいて、操作部152に設けられた表示部がユーザによって操作されない状態が所定時間継続すると、電力モードを通常電力モードからスリープモードに切り替える。更に、常夜回路604は、通常電力モードにおいて、画像形成を行うジョブを通信I/F162が受信しない状態が所定時間継続すると、電力モードを通常電力モードからスリープモードに切り替える。
また、原稿給送装置201における電力モードは、以下のような場合に、スリープモードから通常電力モードに切り替えられる。具体的には、常夜回路604は、スリープモードにおいて、操作部152に設けられた節電ボタンがユーザによって押下されると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。また、常夜回路604は、スリープモードにおいて、原稿積載部2に原稿が積載されたことがシートセンサSS1によって検出されると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。更に、常夜回路604は、スリープモードにおいて、原稿給送装置201の読取装置202に対する開閉角度が所定の角度以上であることが角度検出センサSS2によって検出されると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。更に、常夜回路604は、スリープモードにおいて、例えば、画像形成装置100から所定の範囲内にユーザが居ることを検知する人感センサによってユーザが検出されると、電力モードをスリープモードから通常電力モードに切り替える。
CPU151aは、電力モードが通常電力モードになると、レジスタ604aに書き込まれている起動フラグをチェックする。起動フラグが‘0’である場合は、CPU151aは、上述したモータの種類の判別処理を実行する。即ち、CPU151aは、オフ状態からオン状態にメイン電源スイッチ603が切り替わったことに起因して電力モードが通常電力モードになった後の最初に原稿の搬送が開始される前に、モータの種類を判別する処理を実行する。また、起動フラグが‘1’である場合は、CPU151aは、モータの種類の判別処理を実行しない。
以上のように、本実施形態では、CPU151aは、モータが交換された可能性がある場合に、モータの種類を判別する処理を実行する。具体的には、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給されていない状態から、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給された状態になると、CPU151aは、モータの種類を判別する処理を実行する。また、常夜回路604に電力が供給され且つ非常夜回路608に電力が供給されていない状態から、常夜回路604及び非常夜回路608に電力が供給された状態になっても、CPU151aは、モータの種類を判別する処理を実行しない。この結果、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することができる。
〔第3実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。
本実施形態では、商用電源ACのプラグの抜き差しがあった場合に、モータの種類の判別処理が実行される。
図11は、本実施形態における電源34の構成を示すブロック図である。図11に示すように、本実施形態における電源34は、商用電源ACから常夜電源602に入力される電圧を検出する電源監視部609を有する。なお、電源監視部609は、常夜電源602から供給される電力によって動作してもよい。また、電源監視部609は、バッテリーを備え、当該バッテリーの電力によって動作してもよい。
{プラグ抜き差しフラグ}
商用電源ACのプラグが抜かれると、常夜電源602に入力される電圧が減少する。電源監視部609は、常夜電源602に入力される電圧の値が所定値以下になると、プラグ抜き差しフラグを‘0’から‘1’に書きかえる。即ち、プラグ抜き差しフラグが‘1’であることは、商用電源ACのプラグが抜かれたことを意味する。
本実施形態では、モータの交換は、画像形成装置100の内部の各種装置への電力の供給が行われていない状態(メイン電源スイッチ603がオフ状態)且つ商用電源ACのプラグが抜かれている状態において行われる。そこで、本実施形態では、CPU151aは、CPU151aへの電力の供給が開始されると、レジスタ604aに書き込まれているプラグ抜き差しフラグをチェックする。プラグ抜き差しフラグが‘1’である(商用電源ACのプラグが抜かれた)場合は、CPU151aは、上述したモータの種類の判別処理を実行する。また、プラグ抜き差しフラグが‘0’である(商用電源ACのプラグが抜かれていない)場合は、CPU151aは、モータの種類の判別処理を実行しない。
以上のように、本実施形態では、CPU151aは、モータが交換された可能性がある場合に、モータの種類を判別する処理を実行する。この結果、メイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられる度にモータの種類の判別を実行することを抑制することができる。即ち、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することができる。なお、プラグ抜き差しフラグのチェックが完了すると、常夜回路604はレジスタ604aに書き込まれたプラグ抜き差しフラグを‘0’に設定する。
〔第4実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。
本実施形態では、商用電源ACのプラグの抜き差しがあった場合に、モータの種類の判別処理が実行される。
{電源オフフラグ}
本実施形態では、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜電源602から常夜回路604に電力を供給するための経路が遮断される。ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜回路604は、非常夜電源スイッチ606をオフ状態にする。この結果、商業電源ACから非常夜電源607への電力の供給が遮断される。また、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜回路604は、非常夜回路608をオフ状態にする。その後、常夜回路604は、電源オフフラグを‘0’から‘1’にした後に、ラッチスイッチ605をオフ状態にして、常夜回路604自身をオフ状態にする。
一方、メイン電源スイッチ603がオン状態である状態において商用電源ACのプラグが抜かれると、常夜回路604が電源オフフラグを‘0’から‘1’に切り替えることなく、常夜電源604への電力の供給が遮断される。即ち、メイン電源スイッチ603がオン状態である状態において商用電源ACのプラグが抜かれると、商用電源ACのプラグが商用電源に接続されて常夜回路604への電力の供給が開始された際の電源オフフラグは、‘0’である。即ち、電源オフフラグが‘0’であることは、商用電源ACのプラグが抜かれたことを意味する。
本実施形態では、モータの交換は、画像形成装置100の内部の各種装置への電力の供給が行われていない状態(メイン電源スイッチ603がオフ状態)且つ商用電源ACのプラグが抜かれている状態において行われる。そこで、本実施形態では、CPU151aは、CPU151aへの電力の供給が開始されると、レジスタ604aに書き込まれている電源オフフラグをチェックする。電源オフフラグが‘0’である(商用電源ACのプラグが抜かれた)場合は、CPU151aは、上述したモータの種類の判別処理を実行する。また、プラグ抜き差しフラグが‘1’である(商用電源ACのプラグが抜かれていない)場合は、CPU151aは、モータの種類の判別処理を実行しない。
以上のように、本実施形態では、CPU151aは、モータが交換された可能性がある場合に、モータの種類を判別する処理を実行する。この結果、メイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられる度にモータの種類の判別を実行することを抑制することができる。即ち、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することができる。なお、常夜電源604は、CPU151aが電源オフフラグをチェックすると、電源オフフラグを‘0’に設定する。
〔第5実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。
第1実施形態では、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜回路604は、ラッチスイッチ605をオフ状態にして、常夜回路604自身をオフ状態にした。そして、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられると、常夜回路604は、ROM151bに格納されているデータをレジスタ604aに書き込む等の初期動作を行った。
本実施形態では、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられても、ラッチスイッチ605がオン状態に維持される。即ち、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられても、常夜回路604には、電力が供給される。この結果、ユーザによってメイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられた際に、常夜回路604は、初期動作の必要がないため、画像形成装置100の起動をより早く行うことができる。以下、常夜回路604が初期動作を行うことなく画像形成装置100の起動を行う動作をクイック起動と称する。
メイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられた後に、商用電源ACのプラグが抜かれることなく、メイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられると、常夜回路604はクイック起動を行うことができる。一方、メイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられた後に、商用電源ACのプラグが抜かれると、常夜回路604への電力が遮断される。この結果、商用電源ACのプラグが商用電源に接続された後にメイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられると、常夜回路604は、初期動作を行う必要がある。即ち、メイン電源スイッチ603がオン状態からオフ状態に切り替えられた後に、商用電源ACのプラグが抜かれると、常夜回路604は、クイック起動を行うことができない。
本実施形態では、モータの交換は、画像形成装置100の内部の各種装置への電力の供給が行われていない状態(メイン電源スイッチ603がオフ状態)且つ商用電源ACのプラグが抜かれている状態において行われる。そこで、本実施形態では、CPU151aは、常夜回路604がクイック起動を行ったか否かに基づいて、モータの種類の判別処理を実行するか否かを決定する。具体的には、CPU151aは、常夜回路604がクイック起動を行った場合は、上述したモータの種類の判別処理を実行する。また、CPU151aは、常夜回路604がクイック起動を行うことができなかった場合は、モータの種類の判別処理を実行しない。
以上のように、本実施形態では、CPU151aは、モータが交換された可能性がある場合に、モータの種類を判別する処理を実行する。この結果、メイン電源スイッチ603がオフ状態からオン状態に切り替えられる度にモータの種類の判別を実行することを抑制することができる。即ち、駆動回路に接続されたモータの種類を判別する画像形成装置において、駆動回路への電力の供給が行われてから画像形成装置が動作可能な状態になるまでの時間が長くなることを抑制することができる。
なお、第1実施形態乃至第5実施形態では、図8に示す方法によってモータの種類が判別されたが、この限りではない。例えば、モータにバーコードが設けられたが読みとられることによってモータの種類を判別する構成であってもよい。また、モータの巻線の抵抗値R及びインダクタンス値Lを測定することによってモータの種類が判別されてもよい。
また、第1実施形態乃至第5実施形態では、CPU151aがモータの種類を判別したが、この限りではない。例えば、モータの種類を判別するための構成としての判別部がCPU151aとは別途設けられていてもよい。
また、第1実施形態乃至第5実施形態では、CPU151aが制御値を設定したが、この限りではない。例えば、制御値を設定するための構成としての設定部がCPU151aとは別途設けられていてもよい。
なお、第1実施形態乃至第5実施形態におけるベクトル制御では、位相フィードバック制御を行うことによってモータ509を制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、回転子402の回転速度ωをフィードバックしてモータ509を制御する構成であっても良い。具体的には、図12に示すように、モータ制御装置の内部に速度制御器500を設け、CPU151aが回転子の目標速度を表す指令速度ω_refを出力する。また、モータ制御装置の内部に速度決定器514を設け、速度決定器514が位相決定器513から出力された回転位相θの時間変化に基づいて回転速度ωを決定する。速度制御器500は回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する構成とする。このような速度フィードバック制御を行うことによって、モータ509を制御する構成であっても良い。このような構成においては回転速度をフィードバックしているため、回転子の回転速度が所定の速度になるように制御することができる。したがって、画像形成装置において、記録媒体への画像形成を適切に行うために回転速度を一定速度に制御する必要がある負荷(例えば、感光ドラム、搬送ベルト等)を駆動するモータに速度フィードバック制御を用いたベクトル制御を適用する。この結果、記録媒体への画像形成を適切に行うことができる。
また、第1実施形態乃至第5実施形態においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、DCモータ等の他のモータであっても良い。また、モータは2相モータである場合に限らず、3相モータ等の他のモータであってもよい。
また、第1実施形態乃至第5実施形態においては、回転子として永久磁石が用いられているが、これに限定されるものではない。
なお、感光ドラム309、現像器314、定着器318等は、画像形成部に含まれる。
600 モータ制御装置
402 回転子
502 位相制御器
509 ステッピングモータ
513 位相決定器
540 界磁制御器

Claims (11)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
    商用電源に接続され、前記商用電源から電力が供給される電源と、
    負荷を駆動するモータと、
    前記モータの巻線が接続され、且つ、前記電源から供給される電力に基づいて前記巻線に駆動電流を供給する駆動回路を備えるモータ制御装置と、
    前記電力が前記電源から前記駆動回路に供給される第1状態と、前記電力が前記電源から前記駆動回路に供給されない第2状態と、に切り替わる第1スイッチング素子と、
    前記電源から供給される電力により動作し、前記第1スイッチング素子の状態を制御する制御手段と、
    前記巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記駆動回路に接続されたモータの種類を判別する判別手段と、
    前記判別手段によって判別されたモータの種類に対応する制御値を設定する第1設定手段と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記検出手段によって検出された駆動電流と前記第1設定手段によって設定された前記制御値とを用いて前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
    前記位相決定手段によって決定された回転位相と前記モータの回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように、前記巻線に供給すべき電流の目標値を設定する第2設定手段と、
    を備え、
    前記モータ制御装置は、前記駆動回路が所定の電流を前記巻線に供給する第1モードと、前記駆動回路が前記第2設定手段によって設定された目標値に対応する駆動電流を前記巻線に供給する第2モードと、を備え、
    前記判別手段は、前記第1モードにおいて前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記駆動回路に接続されたモータの種類を判別し、
    前記モータ制御装置は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態において前記電力が供給されていない前記制御手段に前記電力が供給されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御すると、前記第1モードを実行し、
    前記モータ制御装置は、前記制御手段に前記電力が供給され且つ前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態においてトリガー信号が前記制御手段に入力されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御する場合は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態から前記第1状態に切り替わることに起因して前記駆動回路に前記電力が供給されても前記第1モードを実行せず、
    前記トリガー信号は、前記駆動回路への前記電力の供給を行うトリガーとなる信号であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2設定手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相と前記指令位相との偏差が小さくなるように、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分の目標値を前記目標値として設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 記録媒体に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
    商用電源に接続され、前記商用電源から電力が供給される電源と、
    負荷を駆動するモータと、
    前記モータの巻線が接続され、且つ、前記電源から供給される電力に基づいて前記巻線に駆動電流を供給する駆動回路を備えるモータ制御装置と、
    前記電力が前記電源から前記駆動回路に供給される第1状態と、前記電力が前記電源から前記駆動回路に供給されない第2状態と、に切り替わる第1スイッチング素子と、
    前記電源から供給される電力により動作し、前記第1スイッチング素子の状態を制御する制御手段と、
    前記巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記駆動回路に接続されたモータの種類を判別する判別手段と、
    前記判別手段によって判別されたモータの種類に対応する制御値を設定する第1設定手段と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記検出手段によって検出された駆動電流と前記第1設定手段によって設定された前記制御値とを用いて前記モータの回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
    前記速度決定手段によって決定された回転速度と前記モータの回転子の目標速度を表す指令速度との偏差が小さくなるように、前記巻線に供給すべき電流の目標値を設定する第2設定手段と、
    を備え、
    前記モータ制御装置は、前記駆動回路が所定の電流を前記巻線に供給する第1モードと、前記駆動回路が前記第2設定手段によって設定された目標値に対応する駆動電流を前記巻線に供給する第2モードと、を備え、
    前記判別手段は、前記第1モードにおいて前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記駆動回路に接続されたモータの種類を判別し、
    前記モータ制御装置は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態において前記電力が供給されていない前記制御手段に前記電力が供給されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御すると、前記第1モードを実行し、
    前記モータ制御装置は、前記制御手段に前記電力が供給され且つ前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態においてトリガー信号が前記制御手段に入力されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御する場合は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態から前記第1状態に切り替わることに起因して前記駆動回路に前記電力が供給されても前記第1モードを実行せず、
    前記トリガー信号は、前記駆動回路への前記電力の供給を行うトリガーとなる信号であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置は、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段を有し、
    前記第2設定手段は、前記速度決定手段によって決定された回転速度と前記指令速度との偏差が小さくなるように、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分の目標値を前記目標値として設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成装置は、ユーザによって操作され且つ前記電源と前記制御手段とを接続する操作スイッチであって、前記制御手段に前記操作スイッチを介して前記電源から電力が供給される第3状態と、前記制御手段に前記操作スイッチを介して前記電源から電力が供給されない第4状態と、に切り替わる操作スイッチを有し、
    前記モータ制御装置は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態において前記操作スイッチが前記第4状態から前記第3状態に切り替わったことにより前記制御手段に前記電力が供給されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御すると、前記第1モードを実行し、
    前記モータ制御装置は、前記操作スイッチが前記第3状態であり且つ前記第1スイッチング素子が前記第2状態である状態において前記トリガー信号が前記制御手段に入力されたことに応じて前記制御手段が前記第1スイッチング素子が前記第1状態になるように前記第1スイッチング素子を制御する場合は、前記第1スイッチング素子が前記第2状態から前記第1状態に切り替わることに起因して前記駆動回路に前記電力が供給されても前記第1モードを実行しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1設定手段は、第1の種類のモータに対応する第1制御値と、前記1の種類とは異なる第2の種類のモータに対応する第2制御値と、が記憶された記憶手段を備え、
    前記第1設定手段は、前記駆動回路に接続されたモータの種類が前記第1の種類であると判別された場合は前記第1制御値を前記記憶手段から読みだして前記制御値として設定し、前記駆動回路に接続されたモータの種類が前記第2の種類であると判別された場合は前記第2制御値を前記記憶手段から読みだして前記制御値として設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御値は、前記巻線の抵抗値に対応する値と、前記巻線のインダクタンスに対応する値と、を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記判別手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り替わるように前記スイッチが操作されたことに起因して前記電力モードが前記通常電力モードになった後の最初に前記画像形成部による前記記録媒体への画像形成のジョブが開始される前に、前記モータの種類を判別する処理を実行することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記負荷は、前記記録媒体を搬送する搬送ローラであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置は、
    原稿を積載する積載部と、前記積載部に積載された原稿を搬送する搬送部と、を備える原稿搬送ユニットと、
    透明部材と、前記透明部材上に載置された原稿の画像を読み取る読取部であって前記搬送部によって搬送された原稿の画像を読み取る読取部と、を備える読取ユニットと、
    を有し、
    前記原稿搬送ユニットは前記読取ユニットに対して回動可能であり、
    前記モータは、前記原稿搬送ユニットにおける負荷を駆動することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記負荷は、前記搬送部としての搬送ローラであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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