JP2021071149A - 留め具 - Google Patents

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Abstract

【課題】再利用時にも所望の係止力を得ることができる留め具を提供する。【解決手段】この留め具10はグロメット20とピン70とを有し、ピン70は軸部73及び拡径部75を有し、グロメット20は、フランジ部21と、筒状部30と、筒状部内側に形成され、拡径部75に係合する係合突部40と、筒状部30に形成された軸方向に延びる一対の軸方向スリット51,52と、該一対の軸方向スリット51,52を介して撓み変形可能に形成された、取付孔5の裏側に係合する弾性係合片50とを有しており、軸方向から見て、フランジ部21の、弾性係合片50に整合する位置には、同フランジ部21の周方向に沿って延びる、溝部25が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、被取付部材に形成された取付孔に取付けられる留め具に関する。
例えば、自動車の車体パネル等の被取付部材に形成された取付孔に、車両部品等の取付部材を取付ける際に、グロメットとピンとからなる留め具(2ピースクリップ)が用いられることがある。このような留め具としては、例えば、グロメットの外周に、撓み変形可能な係止部を設けておき、このグロメットを取付孔に挿入して、係止部を取付孔の裏面周縁に係合させ、その状態でグロメットにピンを挿入することにより、係止部が縮径するのを抑制して、取付孔にグロメットをしっかりと固定するものがある。
下記特許文献1には、部品側に取付けられる雄部材と、パネルの取付孔に係着される雌部材の2部品からなり、雄部材は、下端に拡大係合部を設けた軸部を有し、雌部材は、雄部材の軸部を挿入する中空胴部と、該中空胴部の上端開口縁に設けられたフランジ部と、中空胴部の対向する側壁にスリットを介して設けられた一対の係止爪とを有する、止め具が記載されている。また、雌部材の中空胴部に設けられた各係止爪の内側には、膨出部が形成されている。更に、中空胴部の、一対の係止爪が設けられていない対向する側壁内面には、雄部材の拡大係合部に係止する、一対の係止段部が形成されている。
そして、部品に取付けられた雄部材の軸部を、パネルの取付孔の裏側に一対の係止爪が係止して、取付孔に係着された状態の、雌部材の中空胴部に挿入することで、軸部の拡大係合部が、一対の係止段部に係止するので、雌部材に雄部材が雌雄嵌合して、パネルに部品を取付けることが可能となっている。
実開平7−41030号公報
ところで、被取付部材から取付部材を取外したい場合がある。上記特許文献1の止め具では、雌部材の中空胴部から雄部材の軸部を引抜くことになるが、この際、軸部下端の拡大係合部によって、一対の係止段部が削られてしまうことが多い。この場合、雌部材に雄部材を再度雌雄嵌合させるべく、雌部材の中空胴部に雄部材の軸部を挿入して、軸部下端の拡大係合部を、一対の係止段部に係止させても、所望の係止力が得にくく、止め具を再利用しにくい。
したがって、本発明の目的は、再利用時に所望の係止力を得ることができる、留め具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、グロメットとピンとを有し、被取付部材に形成された取付孔に取付けられる留め具であって、前記ピンは、軸部を有しており、該軸部の先端側に拡径部が設けられており、前記グロメットは、前記取付孔の表側に配置されるフランジ部と、該フランジ部の裏側から筒状をなして延出し、その内側に前記軸部が挿入される筒状部と、該筒状部の内側に形成され、前記拡径部に係合する係合突部と、前記筒状部に形成された軸方向に延びる一対の軸方向スリットと、該一対の軸方向スリットを介して撓み変形可能に形成された、前記取付孔の裏側に係合する弾性係合片とを有しており、軸方向から見て、前記フランジ部の、前記弾性係合片に整合する位置には、同フランジ部の周方向に沿って延びる、溝部が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る留め具によれば、取付孔に留め具を取付後、取付孔に取付けたグロメットからピンを引抜く際に、フランジ部の弾性係合片に整合する位置に、フランジ部の周方向に沿って延びる溝部が形成されているので、フランジ部が変形しやすくなり、それによって筒状部も変形しやすくなっている。そのため、グロメットの筒状部からピンの軸部を引き抜く過程で、軸部の拡径部によって、筒状部内側の係合突部が押圧されると、筒状部が径方向に拡径し、軸部の拡径部が係合突部を乗り越えやすくなるので、拡径部によって係合突部が削られにくくすることができる。したがって、再度、グロメットの筒状部内にピンの軸部を挿入した場合に、係合突部に拡径部をしっかりと係合させて、所望の係止力を得ることができ、留め具の再利用を図ることができる。
本発明に係る留め具の、一実施形態を示す分解斜視図である。 同留め具を構成するグロメットの拡大斜視図である。 同留め具を構成するグロメットの正面図である。 同留め具を構成するグロメットの側面図である。 同留め具を構成するグロメットを示しており、(a)はその平面図、(b)は溝部を説明するための説明図である。 図5(a)のA−A矢示線における断面図である。 図5(a)のB−B矢示線における断面図である。 同留め具の取付方法を示す断面説明図である。 同留め具を介して、被取付部材に取付部材を取付けた状態の断面説明図である。 同留め具を介して、被取付部材に取付部材を取付けた状態を示しており、図9とは異なる角度での断面説明図である。 同留め具を介して、被取付部材に取付部材を取付けた状態を示しており、被取付部材が図9の被取付部材より厚い場合の断面説明図である。 グロメットにピンを組付けた状態で、取付孔に筒状部を挿入する際の、断面説明図である。 図12の状態から、更にグロメットを押込んだ際の、断面説明図である。 図13の状態から、更にグロメットを押込んだ際の状態を示しており、図12及び図13とは異なる角度での断面説明図である。 本発明に係る留め具の、他の実施形態を示しており、その平面図である。 同留め具の断面図である。 本発明に係る留め具の、更に他の実施形態を示しており、その平面図である。 同留め具の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る留め具の、一実施形態について説明する。
図1に示すように、この留め具10は、グロメット20とピン70とを有し、被取付部材1に形成された取付孔5に挿入されて取付けられるものである。また、図8に示すように、ピン70には取付部材7が固定されるようになっており、図9に示すように、留め具10を介して、被取付部材1に取付部材7が取付けられるようになっている。
図1に示すように、この実施形態における被取付部材1は、円形の丸孔状をなした取付孔5が形成されている。また、図8に示すように、取付部材7には、枠状をなした取付座8が一体形成されており、その底部に係止溝8aが形成されている。なお、取付孔としては、楕円形孔、角形孔等であってもよく、特に限定はされない。
また、この実施形態における被取付部材1としては、例えば、車体パネルや車体フレーム等が挙げられ、前記取付部材7としては、例えば、トリムボード、カバー、ガーニッシュ、アシストグリップ、バンパー、ランプ等の電装部品、インシュレータ(防音材)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、この実施形態では、取付部材7に取付座8を設けているが、例えば、取付部材7に挿通孔を設けて、該挿通孔にグロメット20を挿通させ、同グロメット20のフランジ部21(後述)を配置して、グロメット20によって被取付部材1及び取付部材7を挟持するようにしてもよく、特に限定はされない。なお、本発明の留め具としては、上記用途のみならず、取付孔の閉塞用等(いわゆるホールプラグ)として用いてもよく、特に限定はされない。
まず、グロメット20の筒状部30(図1参照)内に挿入されて抜け止め保持される、ピン70について説明する。
図1や図8に示すように、このピン70は、取付部材7に形成された枠状の取付座8に係止する頭部71と、この頭部71の裏側から延出する軸部73とを有している。
前記頭部71は、取付座8の底部に形成された係止溝8aに挿入される首部71aと、同首部71aの一端に連結され、前記係止溝8aの表側周縁に係合する、円板状の第1ピンフランジ71bと、前記首部71aの他端に連結され、前記係止溝8aの裏側周縁に係合すると共に、前記グロメット20のフランジ部21(図1参照)の表面側に当接する、円板状の第2ピンフランジ71cとを有している。
前記軸部73は、前記第2ピンフランジ71cの裏側中央から所定長さで円柱状に延出しており、その軸方向途中の外周に、くびれた形状をなした凹部74が形成されている。また、軸部73の軸方向の先端側には、前記凹部74よりも拡径した拡径部75が設けられている。この拡径部75は、最も拡径した頂部75aから軸方向先端に向けて次第に縮径したテーパ面75bと、前記頂部75aから軸方向基端側(頭部71側)に向けて次第に縮径した係合面75cとを有している。
なお、ピンの形状や構造は、グロメットの筒状部内に挿入された状態で、一対の係合突部に係合して、グロメットの筒状部から抜け止め保持される形状であれば、特に限定はされない。
次に、グロメット20について説明する。
図1〜7に示すように、この実施形態におけるグロメット20は、取付孔5の表側に配置されるフランジ部21と、該フランジ部21の裏側(取付孔に近接する側)から筒状をなして延出し、その内側に、ピン70の軸部73が挿入される筒状部30と、この筒状部30の内側に形成され、ピン70の拡径部75に係合する係合突部40と、筒状部30に形成された軸方向に延びる一対の軸方向スリット51,52と、該一対の軸方向スリット51,52を介して撓み変形可能に形成され、取付孔5の裏側に係合する一対の弾性係合片50,50とを有している。
なお、本発明における「取付孔の表側」とは、取付孔が形成された被取付部材の厚さ方向一側部を意味しているが、被取付部材に、他の部材が載置された場合には、この他の部材の厚さ方向一側部を意味するものとし、取付孔の表側に、グロメットのフランジ部が、他の部材を介して間接的に配置された場合も含むものである。また、本発明における「取付孔の裏側」とは、取付孔が形成された被取付部材の厚さ方向の他側部であって、グロメットのフランジ部の配置側とは反対側を意味している。
前記フランジ部21は、平坦な略円板状をなした基板22と、この基板22の周縁から、筒状部30の軸方向先端に向けて斜め外方に傘状に延びる、傘状部23とを有している。また、基板22には、ピン70の軸部73を挿通させるための、挿通孔22aが形成されている。
前記筒状部30は、フランジ部21を構成する基板22の挿通孔22aの裏側(ピン挿通方向側)周縁から一定外径で筒状に延びる周壁部31と、該周壁部31の延出方向先端から、軸方向先端に向けて次第に縮径して延びる先端部33とを有している。また、図5(a)や図7に示すように、先端部33の径方向に対向する位置には、筒状部30の内部空間に連通する、切欠き33aがそれぞれ形成されている。なお、図7、10や、他の実施形態を示す図16、18において、フランジ部21と、筒状部30との境界部には、二点鎖線で境界線Sが描かれている。また、前記筒状部30の外径は、前記取付孔5の内径よりも小さく形成されている(取付孔の内径>筒状部の外径)。
更に図5(a)や図7に示すように、筒状部30を構成する周壁部31の内側であって、径方向に対向する位置には、係合突部40がそれぞれ形成されている。これらの一対の係合突部40,40は、先端部33,33に形成した一対の切欠き33a,33aに整合した位置に設けられている。また、図7に示すように、各係合突部40は、筒状部30の周壁部31の内面から最も高く突出する頂部41から、筒状部30の軸方向先端側に向けて次第に突出高さが低くなるピン係合面43と、前記頂部41から筒状部30の軸方向基端側(頭部71側)に向けて次第に突出高さが低くなるテーパ面44とを有している。更に図5に示すように、筒状部30を軸方向の一端側から見たときに、各係合突部40の内面は円弧状をなしている。なお、上記の係合突部は、一個であってもよく、その形状や位置も、上記態様に限定されるものではない。
また、上記の「内面」とは、筒状部30の軸心C(図5参照)に向く面を意味しており、後述する弾性係合片50や、突部60等においても同様の意味である。更に、以下の説明において、「外面」とは、上記の内面とは反対側の面を意味する。
そして、図10に示すように、前記ピン70の凹部74内に、グロメット20の一対の係合突部40,40が入り込んで、各係合突部40のピン係合面43が、ピン70の拡径部75の係合面75cにそれぞれ係合することで、グロメット20の筒状部30内にピン70が抜け止め保持されるようになっている。なお、各係合突部40のピン係合面43が、ピン70の拡径部75の係合面75cに係合した状態では、図8に示すように、ピン70の頭部71の第2ピンフランジ71cが、グロメット20のフランジ部21(ここでは基板22)の表面側に当接するようになっている。
また、図5(a)に示すように、筒状部30を構成する周壁部31の径方向に対向する位置であって、前記一対の係合突部40,40の対向方向に対して直交する箇所には、周壁部31の軸方向に沿って互いに平行に延びる、一対の軸方向スリット51,52がそれぞれ形成されている。一対の軸方向スリット51,52は、図7に示すように、フランジ部21に向かう軸方向の一端が、それぞれフランジ部21に至るまで延びている。なお、一対の軸方向スリット51,52は、筒状部30の内部空間に連通している。
また、この実施形態においては、図5(a)に示すように、各弾性係合片50の、後述する突部60が設けられた周方向一端と、同周方向一端に対向する周壁部31の端部との間に、一方の軸方向スリット51が形成されており、各弾性係合片50の、突部60とは反対側に位置する周方向他端と、同周方向他端に対向する周壁部31の端部との間に、他方の軸方向スリット52が形成されている。
そして、図5(a)に示すように、軸方向から見て、フランジ部21の、弾性係合片50に整合する位置には、同フランジ部21の周方向に沿って延びる、溝部25が形成されている。より具体的には、フランジ部21を筒状部30の軸方向の一端側から見たときに、一対の弾性係合片50,50に整合するように、フランジ部21の径方向に対向する位置に、フランジ部21を構成する基板22の外周や、傘状部23の内周に沿って、円弧状をなすように溝部25がそれぞれ形成されている。
図5(b)には、留め具10を軸方向から見た場合において、筒状部30を省略した説明図が示されている。本発明における「溝部」とは、この図5(b)に示すように、留め具10を軸方向から見たときに、フランジ部21の内周に形成される仮想円P(二点鎖線で示す円)に対して、外径方向に切欠かれる溝状をなすものとなっている。
また、図5(a)に示すように、各溝部25は、各弾性係合片50の周方向に沿った長さL1(以下、単に「周方向長さL1」ともいう)の全域をカバーすると共に、その周方向両端が、前記一対の軸方向スリット51,52に至る長さで延びている。すなわち、各溝部25の周方向に沿った長さL2(以下、単に「周方向長さL2」ともいう)は、各弾性係合片50の周方向長さL1よりも長く延びている。更に図6に示すように、各溝部25は、フランジ部21の厚さ方向の全域(ここでは基板22の厚さ方向の全域)に亘って形成されている。すなわち、各溝部25は、フランジ部21の基板22を貫通して形成されており、筒状部30の内部空間に連通した構成となっている。また、各溝部25の周方向両端が、一対の軸方向スリット51,52の一端に連通しており、その結果、一対の軸方向スリット51,52の一端どうしが、溝部25を介して連結されている。
なお、この実施形態における溝部25は、フランジ部21を貫通するスリット状をなしているが、溝部としては、フランジ部を貫通しなくとも、フランジ部の表面(取付孔から離反した面)から、所定深さで形成された凹溝状をなしていてもよく、フランジ部の厚さを薄くして、その柔軟性を高めることができる形状であればよい。また、溝部の周方向長さL2は、少なくとも弾性係合片の周方向長さL1と同じか(これについては後述する実施形態で説明する)、又は、弾性係合片の周方向長さL1よりも長ければよい。
また、図7に示すように、筒状部30には、同筒状部30の周方向に延びる周方向スリット53が形成されており、該周方向スリット53は、一対の軸方向スリット51,52どうしを連結すると共に、溝部25にも連通している。この実施形態では、筒状部30を構成する周壁部31の基端側(フランジ部21側)に、周壁部31の周方向に沿って延びる周方向スリット53が形成されており、該周方向スリット53は、一対の軸方向スリット51,52の、溝部25よりも他端側の部分どうしを連結すると共に、溝部25に連通した構成となっている。その結果、図7に示すように、筒状部30を正面方向から見た場合に、前記一対の軸方向スリット51,52と、周方向スリット53とによって、略コ字状をなすスリットが形成されるようになっている。それによって、一対の軸方向スリット51,52及び周方向スリット53を介して、筒状部30の内側及び外側に向けて、撓み変形可能となるように、弾性係合片50が形成されるようになっている。
なお、この実施形態では、筒状部30に周方向スリット53が形成されているが、筒状部に周方向スリットを形成しなくともよい(この態様については、後述する実施形態で説明する)。
弾性係合片50について詳述すると、図3や図6に示すように、各弾性係合片50は、筒状部30の軸方向先端側に位置する他端(固定端)が、筒状部30に連結されており、筒状部30の軸方向基端側であってフランジ部21に近接する側に、一端54(自由端)が位置する片持ち梁状をなしている。また、図6に示すように、各弾性係合片50の一端54側であって、その外面側には、複数の段状をなし、取付孔5の裏側に係合する係合段部55,57が形成されている。具体的には図6に示すように、弾性係合片50の一端54の外周縁部に、第1係合段部55が形成されており、この第1係合段部55よりも、一端54から軸方向に離れた外周縁部に、第2係合段部57が形成されている。更に、弾性係合片50の一端54側の外面であって、第1係合段部55と第2係合段部57との間には、取付孔当接部58が形成されている。なお、この実施形態では、係合段部は2段で設けられているが、係合段部としては、3段以上の複数段で設けてもよい。
そして、この実施形態では、図9に示すように、被取付部材1の厚さが薄い場合には、各弾性係合片50の一端54に設けた突部60(後述)が、取付孔5の内周に挿入されて当接すると共に、各弾性係合片50の第1係合段部55が取付孔5の裏側周縁にそれぞれ係合するようになっている。一方、図11に示すように、被取付部材1の厚さが、図9における被取付部材1よりも厚い場合には、各弾性係合片50の取付孔当接部58が、取付孔5の内周に挿入されて当接すると共に、各弾性係合片50の第2係合段部57が取付孔5の裏側周縁にそれぞれ係合するようになっている。
なお、上記の弾性係合片は、一個であってもよく、その形状や位置も、上記態様に限定されるものではない。
また、図5(a)や図6に示すように、各弾性係合片50の内面側には、筒状部30における係合突部40が形成された部分の内径よりも拡径した、拡径内周部59がそれぞれ設けられている。これについて具体的に説明すると、この実施形態では、図7に示す筒状部30における一対の係合突部40,40が形成された部分の最大内径D1(筒状部30の、係合突部40,40が形成された部分における、周壁部31の内面どうしの最大内径を意味する。)に対して、図6に示す一対の弾性係合片50,50の最大内径D2(対向配置された弾性係合片50,50の、一端54,54における内面どうしの最大内径を意味する。)が小さく形成されている。その結果、一対の弾性係合片50,50の内面側に、筒状部30における一対の係合突部40,40が形成された部分の最大内径D1よりも拡径した、拡径内周部59,59が径方向に対向してそれぞれ設けられている。
また、図6に示すように、一対の弾性係合片50,50の内面は、筒状部30に連結される他端(固定端)どうしの内径が、前記D1と等しく、一端側に向かうについて、その内径が次第に大きくなるように設けられている。更に、図5(a)に示すように、フランジ部21における、一対の溝部25,25が形成された位置の最大内径D3は、前記D2よりも大きくなるように設けられている。
また、図2や図5(a)に示すように、各弾性係合片50の一端54には、同弾性係合弁50の周方向一端側に偏位した位置に、突部60がそれぞれ設けられている。この実施形態においては、図5(a)に示すように、筒状部30を軸方向の一端側から見たときに、一対の弾性係合片50,50の一端54,54側の、内周縁部(筒状部30の軸心C側の縁部)であって、同弾性係合片50の周方向Rの一端(前記一対の軸方向スリット51,52のうち、一方の軸方向スリット51に近接する側)に、突部60,60が設けられている。なお、この実施形態の突部60は、各弾性係合片50の一端54の、同弾性係合片50の周方向Rの一端に設けられているが、突部としては、弾性係合片の一端の周方向一端側に偏位した位置に設けられていればよい。
そして、各突部60は、図8に示すように、グロメット20の筒状部30に、ピン70の軸部73が挿入され、軸部73の拡径部75に一対の係合突部40,40が係合した状態(以下、この状態を「グロメット20にピン70が組付けられた状態」ともいう)で、取付孔5に筒状部30が挿入される際に、図13に示すように、軸部73に当接して、各弾性係合片50を、同弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅が狭くなる方向に撓み変形可能とするものである(すなわち、周方向R側に撓み変形させる)。また、図9に示すように、被取付部材1の厚さが薄い場合には、弾性係合片50が被取付部材1の取付孔5の裏側に係合した状態で、各突部60は取付孔5の内周に挿入されるようになっている。
なお、一対の弾性係合片50,50は、上記のようにグロメット20にピン70が組付けられた状態で、その突部60,60がピン70の軸部73に当接すると、次のようにして、撓み変形するようになっている。
すなわち、図12に示すように、グロメット20にピン70が組付けられた状態で、ピン70ごとグロメット20を押込むと、ピン70の第2ピンフランジ71cにより、グロメット20のフランジ部21が押されて、筒状部30が取付孔5に挿入されていき、取付孔5の内周に一対の弾性係合片50,50の外面が押圧されて、一対の弾性係合片50,50が筒状部30の内側に向けて撓み変形していく。
上記状態からグロメット20及びピン70が更に押込まれると、図13に示すように、弾性係合片50,50に設けた突部60,60の内面が軸部73の外周に当接して、これらの突部60,60が軸部73の外周を摺接することで、突部60,60を介して、一対の弾性係合片50,50が、各弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅が狭くなる方向に、すなわち、周方向R側に向けて捩じられるように互いに撓み変形していく。
更にグロメット20及びピン70が押込まれると、図14に示すように、突部60,60の内面は、軸部73の外周から離れるが、今度は、弾性係合片50の一端54の内面が、軸部73の外周に当接して、一対の弾性係合片50,50が、各弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅がより狭くなる方向に、周方向R側に向けて更に大きく捩じられるように撓み変形するようになっている。すなわち、各弾性係合片50に設けた突部60は、取付孔5へのグロメット20及びピン70の押込み時に、一対の弾性係合片50,50を軸部73の外周において周方向R側に捩じられるように撓み変形させて、取付孔5の裏側から係合段部55,57を抜け出させやすくするようになっている(これについては、後で詳述する)。
なお、上記構成からなるグロメット20や、ピン70の材質は、例えば、ナイロン等のポリアミド系樹脂や、ポリアセタール(POM)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂材料で形成することができる。更に、上記樹脂材料に、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等を含有させて補強した、繊維強化樹脂で形成してもよい。また、グロメット20を構成する各部分、すなわち、フランジ部21、筒状部30、係合突部40、弾性係合片50、突部60等は、一体形成されている。更に、ピン70を構成する各部分、すなわち、頭部71、軸部73、拡径部75等も、一体形成されている。
次に、上記構成からなる留め具10の使用方法及び作用効果について説明する。
この実施形態の留め具10では、通常の2ピース構成の留め具とは異なり、まず、グロメット20にピン70を組付ける。すなわち、ピン70の軸部73を、グロメット20の挿通孔22aを通して、筒状部30内に挿入していく。すると、ピン70の拡径部75のテーパ面75bが、一対の係合突部40,40のテーパ面44,44を押圧して、筒状部30を内側から押し広げるように変形させる。そして、ピン70の拡径部75の頂部75aが、一対の係合突部40,40の頂部41,41を乗り越えると、筒状部30が弾性復帰して、ピン70の軸部73のくびれた凹部74内に、一対の係合突部40,40が入り込み、そのピン係合面43,43が、拡径部75の係合面75cに係合する。それと共に、ピン70の第2ピンフランジ71cが、グロメット20のフランジ部21の表側に当接する。その結果、図8に示すように、グロメット20にピン70を組付けることができる。
その後、取付部材7に形成された取付座8の係止溝8aに、ピン70の首部71aを挿入して、係止溝8aの表裏周縁に両ピンフランジ71b,71cを係合させることで、取付座8の底部が両ピンフランジ71b,71cで挟持されて、図8に示すように、取付座8にピン70の頭部71を取付けることができ、その結果、取付部材7にピン70及びグロメット20を固定することができる。
上記状態で、図8に示すように、被取付部材1に形成された取付孔5に、ピン70ごとグロメット20の筒状部30を、その軸方向先端側から挿入していく。すると、一対の弾性係合片50,50が取付孔5の内周で押圧されて、筒状部30の内側に向けて撓み変形していき(図12参照)、更にグロメット20及びピン70が押込まれると、図13に示すように、突部60,60の内面が軸部73の外周に当接し、これらの突部60,60を介して、一対の弾性係合片50,50が、各弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅が狭くなる方向に、周方向R側に向けて捩じられるように撓み変形した後、図14に示すように、弾性係合片50の一端54の内面が軸部73の外周に当接して、一対の弾性係合片50,50が、各弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅が狭くなる方向に更に大きく捩じられるように撓み変形する。そして、第1係合段部55が取付孔5の裏側から抜け出ると、各弾性係合片50が弾性復帰して、取付孔5の裏側周縁に第1係合段部55がそれぞれ係合すると共に、取付孔5の内周に突部60が挿入され、更に取付孔5の表側周縁にフランジ部21が当接するので、図9や図10に示すように、取付孔5にグロメット20が取付けられて、同グロメット20に組付けられたピン70を介して、被取付部材1に取付部材7を取付けることができる。
なお、図11に示すように、被取付部材1の厚さが、図9や図10における被取付部材1よりも厚い場合は、取付孔5の裏側周縁に、各弾性係合片50の第2係合段部57がそれぞれ係合すると共に、各弾性係合片50の取付孔当接部58が、取付孔5の内周に当接し、更に取付孔5の表側周縁にフランジ部21が当接して、取付孔5にグロメット20が取付けられるので、これに組付けられたピン70を介して、被取付部材1に取付部材7を取付けることができる。
そして、この実施形態の留め具10においては、上述したように、弾性係合片50は、筒状部30の径方向に対向して一対設けられており、各弾性係合片50の一端54には、同弾性係合片50の周方向一端側に偏位した位置に、突部60がそれぞれ設けられており、筒状部30に軸部73が挿入され、軸部73の拡径部75に係合突部40が係合した状態で、取付孔5に筒状部30が挿入される際に、軸部73に当接して、各弾性係合片50を、各弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅が狭くなる方向に撓み変形可能とされていると共に、弾性係合片50が被取付部材1の取付孔5の裏側に係合した状態で、取付孔5の内周に挿入されるように構成されている。
そのため、上述したように、グロメット20に予めピン70が組付けられて、グロメット20とピン70とが一体化した状態であっても、グロメット20の筒状部30を取付孔5に挿入していく際には、図13や図14に示すように、突部60,60を介して、各弾性係合片50が、各弾性係合片50の周方向一端側に位置する軸方向スリット51との幅が狭くなる方向に捩じられるように撓み変形させることができるので、筒状部30内に軸部73が挿入配置されている場合でも、弾性係合片50の撓み変形を許容して、弾性係合片50に設けた係合段部55,57を、取付孔5の裏側から抜け出させて係合させることができる。このように本留め具10においては、グロメット20とピン70とが組付けられて一体化した状態から、そのままグロメット20を取付孔5に取付けることができるので、留め具10の搬送時等において、グロメット20とピン70とが分離してしまうことを抑制して、留め具10の取扱い性を向上させることができる。
また、各弾性係合片50の一端54に設けた突部60は、弾性係合片50の第1係合段部55が取付孔5の裏側に係合した状態で、取付孔5の内周に挿入されるので、グロメット20に横ずれ方向の力(筒状部30の軸方向に直交する方向の力)が作用した場合には、取付孔5の内周に挿入された突部60が取付孔5の内周に当接して、グロメット20のガタ付きを抑制することができると共に、取付孔5に対するグロメット20の位置決めを図ることができる。
なお、この実施形態では、グロメット20に予めピン70を組付けた後、取付部材7や被取付部材1に固定するようになっているが、グロメット20だけを被取付部材1の取付孔5に取付けた後、取付部材7の取付座8に固定したピン70を、グロメット20に組付けることで、留め具10を介して、被取付部材1に取付部材7を取付けるようにしてもよい。
また、図9や図11に示すように、留め具10を介して、被取付部材1に取付部材7を取付けた状態では、一対の弾性係合片50,50の内面側に、ピン70の軸部73が位置して、一対の弾性係合片50,50の、筒状部30の内側への撓み変形を規制するので、一対の弾性係合片50,50が、取付孔5の裏側周縁に係合した状態を保持させることができる。
ところで、メンテナンスや部品交換等の理由によって、被取付部材1から取付部材7を取外したい場合がある。この場合には、取付部材7を把持して、被取付部材1から離反させて、グロメット20の筒状部30から、ピン70の軸部73を引き抜く。すると、ピン70の軸部73の拡径部75の係合面75cが、一対の係合突部40,40のピン係合面43,43を押圧して、筒状部30を押し広げていき、軸部73の拡径部75の頂部75aが、係合突部40の頂部41を乗り越えて、一対の係合突部40,40の間から、軸部73の拡径部75が抜け出ることで、グロメット20の筒状部30内からピン70の軸部73を引き抜くことができる。
この際、本発明の留め具10においては、図2や図5(a)に示すように、フランジ部21の、一対の弾性係合片50,50に整合する位置に、溝部25,25が形成されているので、フランジ部21が変形しやすくなり、それによって筒状部30も変形しやすくなっている。
そのため、上記のように、グロメット20の筒状部30からピン70の軸部73を引き抜く過程で、軸部73の拡径部75によって、筒状部内側の一対の係合突部40,40が押圧されると、筒状部30が径方向に拡径し、軸部73の拡径部75が、一対の係合突部40,40を乗り越えやすくなるので、軸部73の拡径部75によって、一対の係合突部40,40が削られにくくすることができる。また、グロメット20の筒状部30に、ピン70の軸部73を挿入する際も、軸部73の拡径部75によって、一対の係合突部40,40が削られることを抑えることができる。
したがって、再度、グロメット20の筒状部30内に、ピン70の軸部73を挿入した場合に、一対の係合突部40,40に、軸部73の拡径部75をしっかりと係合させて、所望の係止力を得ることができ、留め具10の再利用を図ることができる。
また、この実施形態の留め具10においては、図5(a)に示すように、溝部25は、フランジ部21の、弾性係合片50に整合する位置に、フランジ部21の周方向に沿って延びて形成されている。そのため、溝部25を長く形成することができ、フランジ部21がより変形しやすくすることができると共に、筒状部30もより変形しやすくすることができる。
更に、この実施形態においては、図7に示すように、一対の軸方向スリット51,52は、フランジ部21に向かう一端どうしが、フランジ部21に至るまで延びて、溝部25を介して連結されている。
そのため、フランジ部21に設けた溝部25を、弾性係合片50の周方向長さL1よりも長く形成することができ、グロメット20の筒状部30からのピン70の軸部73の引き抜き時に、筒状部30をより変形させやすくすることができ、一対の係合突部40,40をより削られにくくすることができる。また、一対の軸方向スリット51,52の一端どうしが、溝部25を介して連結されていることで、一対の軸方向スリット51,52を、グロメット20のフランジ部21や筒状部30と共に、筒状部30の軸方向に移動して抜型可能な型によって成形することができ、グロメット20の成形性を高めることができる。
更に、この実施形態においては、図7に示すように、筒状部30には、筒状部30の周方向に延びる周方向スリット53が形成されており、該周方向スリット53は、一対の軸方向スリット51,52どうしを連結すると共に、溝部25にも連通した構成となっている。
すなわち、筒状部30に設けた周方向スリット53は、フランジ部21に設けた溝部25にも連通して一体化しているので、溝部25に加えて、周方向スリット35によって、グロメット20の筒状部30からのピン70の軸部73の引き抜き時に、筒状部30を更に変形させやすくすることができ、一対の係合突部40,40を更に削られにくくすることができる。また、各弾性係合片50の周方向両側に、一対の軸方向スリット51,52が配置され、各弾性係合片50の、溝部25よりも他端側に、周方向スリット53が配置されて、各弾性係合片50の、他端(固定端)を除く部分が、一対の軸方向スリット51,52及び周方向スリット53で囲まれることになるので、各弾性係合片を撓み変形させやすくすることができる。
また、図5(a)に示すように、弾性係合片50の外面側には、複数の段状をなし、取付孔5の裏側に係合するた係合段部55,57が形成されており、更に図5(a)や図6に示すように、弾性係合片50の内面側には、筒状部30における係合突部40が形成された部分の内径よりも拡径した、拡径内周部59が設けられている。
そのため、グロメット20の筒状部30にピン70の軸部73を挿入する際に、軸部73の拡径部75が、弾性係合片50の内面に干渉しにくくなり、軸部73を筒状部30に挿入しやすくすることができる。また、グロメット20からピン70を外すべく、筒状部30内から軸部73を引き抜く際にも、軸部73の拡径部75が弾性係合片50の内面に引っ掛かりにくくなり、軸部73を筒状部30からスムーズに引き抜くことができる。
更に、図9に示すように、被取付部材1の厚さが薄い場合には、弾性係合片50の複数の係合段部55,57のうち、フランジ部21に近い第1係合段部55が取付孔5の裏側に係合し、図11に示すように、被取付部材1の厚さが厚い場合には、弾性係合片50の複数の係合段部55,57のうち、フランジ部21から離れた第2係合段部57が取付孔5の裏側に係合することで、被取付部材1の厚さ変化に対応するようになっているが、このとき、弾性係合片50の、筒状部30内方への撓み変形量も変化する。
すなわち、被取付部材1が薄く、フランジ部21に近い第1係合段部55が、取付孔5の裏側に係合する場合は、弾性係合片50の、筒状部30内方への撓み変形量は少ないが(図9参照)、被取付部材1が厚く、フランジ部21から離反した第2係合段部57が、取付孔5の裏側に係合する場合は、弾性係合片50の、筒状部30内方への撓み変形量は多くなる(図11参照)。このような場合であっても、弾性係合片50の内面側には、筒状部30における係合突部40が形成された部分の内径よりも拡径した、拡径内周部59が設けられているので、本発明における留め具10のように、グロメット20及びピン70からなるいわゆる2ピースクリップであっても、被取付部材1の厚さ変化に柔軟に対応して、取付孔5に留め具10をしっかりと取付けることができる。
図15及び図16には、本発明に係る留め具の、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の留め具10Aは、グロメット20Aの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、図15や図16に示すように、この実施形態のグロメット20Aは、フランジ部21の、各弾性係合片50に整合する位置に、フランジ部21の周方向に沿って延びる溝部25aがそれぞれ形成されていると共に、フランジ部21の、弾性係合片50の周方向両側に整合する位置に、溝部25A,25Aがそれぞれ形成されている。前記溝部25aが、本発明における「フランジ部の周方向に沿って延びる溝部」をなしている。また、前記溝部25A,25Aに、一対の軸方向スリット51,52の一端が連結されている(図16参照)。なお、各弾性係合片50の一端54側には、周方向スリット53は形成されていない。
そして、この留め具10Aにおいては、フランジ部21の、各弾性係合片50に整合する位置に、フランジ部21の周方向に沿って延びる溝部25aを形成すると共に、弾性係合片50の周方向両側に整合する位置に、溝部25A,25Aがそれぞれ形成されているので、フランジ部21や筒状部30を変形しやすくして、筒状部30からの軸部73の引き抜き時に、軸部73の拡径部75が、一対の係合突部40,40を乗り越えやすくなり、一対の係合突部40,40を削られにくくすることができると共に、筒状部30への軸部73を挿入時にも、軸部73の拡径部75により、一対の係合突部40,40が削られることを抑えることができ、留め具10Aの再利用を図ることができる。
図17及び図18には、本発明に係る留め具の、更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の留め具10Bも、グロメット20Bの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、図17や図18に示すように、この実施形態のグロメット20Bは、図1〜14に示す実施形態のグロメット20と同様に、溝部25Bは、フランジ部21の、弾性係合片50に整合する位置に、フランジ部21の周方向に沿って延びて形成されている。ただし、この溝部25Bは、その周方向長さL2が、弾性係合片50の周方向長さL1と同じ長さとなっており、前記グロメット20に設けた溝部25よりも短く形成されている。
そして、この留め具10Bにおいても、溝部25Bが、フランジ部21の弾性係合片50に整合する位置に、フランジ部21の周方向に沿って延びて形成されているので、フランジ部21や筒状部30を変形しやすくして、筒状部30からの軸部73の引き抜き時に、軸部73の拡径部75が、一対の係合突部40,40を乗り越えやすくなり、一対の係合突部40,40を削られにくくすることができると共に、筒状部30への軸部73を挿入時にも、軸部73の拡径部75により、一対の係合突部40,40が削られることを抑えることができ、留留め具10Bの再利用を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
1 被取付部材
5 取付孔
10,10A,10B 留め具
20,20A,20B グロメット
21 フランジ部
25,25a,25A,25B 溝部
30 筒状部
35 周方向スリット
40 係合突部
50 弾性係合片
51,52 軸方向スリット
53 周方向スリット
59 拡径内周部
60 突部
70 ピン
71 頭部
73 軸部
75 拡径部

Claims (5)

  1. グロメットとピンとを有し、被取付部材に形成された取付孔に取付けられる留め具であって、
    前記ピンは、軸部を有しており、該軸部の先端側に拡径部が設けられており、
    前記グロメットは、前記取付孔の表側に配置されるフランジ部と、該フランジ部の裏側から筒状をなして延出し、その内側に前記軸部が挿入される筒状部と、該筒状部の内側に形成され、前記拡径部に係合する係合突部と、前記筒状部に形成された軸方向に延びる一対の軸方向スリットと、該一対の軸方向スリットを介して撓み変形可能に形成された、前記取付孔の裏側に係合する弾性係合片とを有しており、
    軸方向から見て、前記フランジ部の、前記弾性係合片に整合する位置には、同フランジ部の周方向に沿って延びる、溝部が形成されていることを特徴とする留め具。
  2. 前記一対の軸方向スリットは、前記フランジ部に向かう一端どうしが、前記フランジ部に至るまで延びて、前記溝部を介して連結されている、請求項1記載の留め具。
  3. 前記筒状部には、同筒状部の周方向に延びる周方向スリットが形成されており、該周方向スリットは、前記一対の軸方向スリットどうしを連結すると共に、前記溝部にも連通している請求項1又は2記載の留め具。
  4. 前記弾性係合片は、前記筒状部の径方向に対向して一対設けられており、
    各弾性係合片の一端には、同弾性係合片の周方向一端側に偏位した位置に、突部がそれぞれ設けられており、
    前記筒状部に前記軸部が挿入され、前記拡径部に前記係合突部が係合した状態で、前記取付孔に前記筒状部が挿入される際に、前記突部が前記軸部に当接して、前記弾性係合片を、同弾性係合片の周方向一端側に位置する前記軸方向スリットとの幅が、狭くなる方向に撓み変形可能とされていると共に、前記弾性係合片が前記取付孔の裏側に係合した状態で、前記取付孔の内周に挿入されるようになっている請求項3記載の留め具。
  5. 前記弾性係合片の外面側には、複数の段状をなし、前記取付孔の裏側に係合する係合段部が形成されており、
    前記弾性係合片の内面側には、前記筒状部における前記係合突部が形成された部分の内径よりも拡径した、拡径内周部が設けられている請求項1〜4のいずれか1つに記載の留め具。
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