JP2021070863A - アルカリ水電解用電極 - Google Patents

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智香 藤田
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偉明 南山
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Masatsugu Morimitsu
正嗣 盛満
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Abstract

【課題】発生する酸素の排出と比表面積とのバランスが改善され、電流密度を大きくしても、電力の損失を少なくできるアルカリ水電解用電極を提供することを目的とする。【解決手段】導電性粒子と疎水性材料とを含む電極本体を有し、導電性粒子の外表面は、ニッケル単体又はニッケル基合金からなり、電極本体に対する疎水性材料の含有割合は、30体積%以下であるアルカリ水電解用電極を用いる。【選択図】なし

Description

本発明はアルカリ水電解用電極に関する。
水素製造のためのアルカリ水電解用の電極には、アルカリ中で安定なニッケル系の材料が一般的に用いられる。例えば、特許文献1では、陽極である酸素極の電極基材として用いられる導電性基材に溶射により吹き付けられた酸化ニッケルを還元した多孔質の金属ニッケルが開示されている。
また、特許文献2では、陽極及び陰極の電極基材として、少なくとも表面がニッケル又はニッケル基合金よりなる、エクスパンドメッシュ、及び多孔質エクスパンドメッシュが開示されている。
ところで、実際に電気分解を行うには、水の電気分解に対する理論分解電圧よりも大きな電圧をかける必要がある。このため、余剰な電圧がかかることになり、電力の損失が発生する。一般的に、電極の比表面積を大きくし、電流密度を下げることで、この余剰な電圧が低くなり、電力の損失が少なくなることが知られている。しかし、特許文献1及び2に記載の電極は触媒層の比表面積を大きくしているものの、触媒を担持する電極基材自体の比表面積については十分に検討されておらず、電極全体の比表面積を大きくする余地が残されている。
前記電極基材自体の比表面積を大きくする方法として、粒子状の電極基材を用いる方法が知られている。例えば、特許文献3では、粒子状のコア部をニッケル又はニッケル基合金で被覆した粒子状の導電材料から成形した空気二次電池用の正極が開示されている。
特開2017−206731号公報 WO2018/047961号公報 特開2016−152068号公報
しかしながら、水素製造のためのアルカリ水電解では、空気二次電池の正極に比べて、流れる電流密度が大きく、電極の単位面積当たりでの酸素の発生量が多くなる。そのため、粒子状のコア部を用いた導電材料から成形した、全体が多孔質の電極では、内部で発生した酸素の気泡が排出されずにとどまり、比表面積を大きくした効果が十分に得られないおそれがあった。
この様な状況を鑑みて、本発明では、発生する酸素の排出と比表面積とのバランスが改善され、電流密度を大きくしても、電力の損失を少なくできるアルカリ水電解用電極を提供することを目的とする。
この発明は、特定の電極用混練物を用いて成形されたアルカリ水電解用電極を用いることにより、前記の課題を解決したものであり、その要旨は、下記の[1]〜[6]に存する。
[1]導電性粒子と疎水性材料とを含む電極本体を有し、前記導電性粒子の外表面は、ニッケル単体又はニッケル基合金からなり、前記電極本体に対する疎水性材料の含有割合は、30体積%以下であるアルカリ水電解用電極。
[2]酸素発生触媒含む[1]に記載のアルカリ水電解用電極。
[3]前記疎水性材料がポリテトラフルオロエチレンからなる[1]又は[2]に記載のアルカリ水電解用電極。
[4]前記導電性粒子は、コア部とその表面に形成された導電性被覆層を有し、前記導電性被覆層はニッケル単体又はニッケル基合金からなる[1]〜[3]のいずれか1項に記載のアルカリ水電解用電極。
[5]前記コア部が、セラミック、樹脂及び軽金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする[4]に記載のアルカリ水電解用電極。
アルカリ水電解用電極の構成材料の一つである疎水性材料の含有割合を上記の範囲内とすることにより、導電性粒子がアルカリ水と接触できる面積をより大きくすることができ、また、疎水性材料によりアルカリ水がはじかれて導電性粒子とアルカリ水との接触が困難になる部分を減少させることができる。
また、本願のアルカリ水電解用電極は、電解を行うための電極であり、電池のように外部から気体である酸素を電極に供給するための連続した気相部は不要となる。このため、疎水性材料の使用量を減少させても、適宜な気体を排出できる程度の連通孔が確保することが可能となる。
以上から、電極の比表面積を大きくすることができ、電解により大量に発生する酸素等とのバランスを改善することができる。
また、導電性粒子の周囲に疎水性材料が配されるので、酸素等の電極からの脱離がスムーズに行われ、電流密度を大きくしても、電力の損失を少なくすることが可能となる。
そして、これらの効果により、アルカリ水電解に必要となる余剰な電圧を低下させることが可能となる。
実施例1の結果を示すサイクリックボルタモグラム 実施例2の結果を示すサイクリックボルタモグラム 比較例1の結果を示すサイクリックボルタモグラム 実施例3の結果を示すサイクリックボルタモグラム
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[アルカリ水電解用電極]
本発明のアルカリ水電解用電極(以下、単に「電極」と称する場合がある。)は、アルカリ水を電気分解して酸素を発生させる陽極として使用される電極であり、少なくとも導電性粒子と疎水性材料とを含む電極用混練物を用いて成形された電極本体を有する。この電極用混練物は、必要に応じて、電気分解を促進するための酸素発生触媒等を含んでいてもよい。
なお、陰極として使用される電極は、耐腐食性を有する白金や金等の貴金属や炭素等からなる電極が一般に使用されるが、本願のアルカリ水電解用電極を用いることもできる。
[アルカリ水]
水の電気分解に使用される電解液としてアルカリ水が使用される。このアルカリ水としては、電気分解の効率の観点から、pHが10以上のものが好ましく用いられる。このアルカリ水の例としては、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等があげられる。
[導電性粒子]
本発明の導電性粒子は、その外表面がニッケル単体又はニッケル基合金からなる粒子である。
この導電性粒子は、一種類の材質からなる粒子であってもよく、内部(コア部)と外表面部(シェル部)が異なる材質からなるコア−シェル構造を有する粒子であってもよい。
前記の一種類の材質からなる粒子としては、アルカリ中で安定な、ニッケル単体からなる粒子やニッケル基合金からなる粒子等があげられる。ニッケル基合金は、ニッケルが主成分、すなわち、最大量成分として含有され、その他の成分として、銅、クロム、鉄、モリブデン等の各種金属元素が含まれる合金である。
前記のコア−シェル構造を有する粒子は、コア部の表面にシェル部を構成する導電性被覆層を形成した粒子である。そして、この導電性被覆層は、前記のニッケル単体やニッケル基合金からなる。
前記コア部を構成する材料としては、金属や金属以外の材料を用いることができる。
前記コア部を構成する金属材料としては、シェル部に用いられるニッケル単体又はニッケル基合金に、さらに任意の元素を含有させた合金、シェル部に用いられるニッケル基合金から任意の元素を抜いたニッケル単体又はニッケル基合金、アルミニウム、チタン、アルミニウム−チタン等の軽金属や軽金属合金、ニッケル単体を主成分として含まない他の金属やその合金等があげられる。
さらに、前記コア部を構成する金属以外の材料として、シリカ、アルミナ等のセラミック、アクリル樹脂、スチレン樹脂などの樹脂等があげられる。
これらの中でも、ニッケルより比重の小さい材料を用いると、本発明の電極を軽量化することができる。この様なコア部としては、前記のセラミックからなる粒子、樹脂からなる粒子、軽金属や軽金属合金からなる粒子等があげられる。
前記導電性粒子の粒子径は、1μm以上100μm以下がよく、5μm以上40μm以下であることがより望ましい。1μm未満では、電極内部で水が電極に接触したり、発生する酸素を排出したりする経路を確保できなくなり、40μmを超えると電極の比表面積が大きくならず、本発明の効果が十分に得られない。
導電性粒子の形状としては、特に制限はない。例えば、真球状、楕円体状、多面体状、針状、粒子状、柱状、粉末状やこれらの内部が中空状のもの、ファイバー状、チューブ状、ウイスカー状、筒状、不定形状等の様々の形状があげられる。これらの中でも、球状であれば、水が電極に接触したり、発生する酸素を排出したりする経路を確保しやすく好ましい。
[コア−シェル構造を有する導電性粒子の製造]
本発明に用いられる導電性粒子のうち、コア−シェル構造を有する導電性粒子の製造は、コア部の表面にニッケル単体及び/又はニッケル基合金を被覆して導電性被覆層を形成することによって製造される。この被覆方法としては、電気めっき法、無電解めっき法、溶融めっき法、物理蒸着法、化学蒸着法、電気泳動法、加圧・減圧又は静電的に表面を被覆する方法、コア部の表面に前駆体を塗布した後、これを所定の温度で還元して金属又は合金を生じさせて被覆する方法等を用いることができる。
前記のコア−シェル構造を有する導電性粒子の導電性被覆層の厚みは、コア部のサイズや形状によって適切な範囲が異なるが、例えばコア部が粒子の場合には、50nm以上1μm以下の範囲が望ましい。導電性被覆層がこの範囲よりも小さくなると導電性被覆層の電気抵抗が大きくなって導電性を保つことが難しくなり、またこの範囲よりも大きくなると導電性被覆層の重量が大きくなるため、コア部として、ニッケルより比重の小さい材料を用いている場合、軽量化の効果が得られにくくなる。
[疎水性材料]
本発明に使用する疎水性材料としては、疎水性の樹脂材料が好適に使用できる。この例としては、フッ素樹脂材料やシリコーン樹脂材料等があげられる。このフッ素樹脂材料の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等があげられる。
また、前記シリコーン樹脂材料の具体例としては、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体の単独重合体や、他の重合性単量体との共重合体、それら加水分解性シリル基を加水分解後架橋させた重合体微粒子、ジメチルポリシロキサンなどのオルガノポリシロキサン樹脂などが挙げられる。
これらのなかでも、特に、せん断力を加えると繊維化し、結着材としての特徴を有することが望ましい。その特徴を有し、かつ、優れた耐水性・耐熱性を有する点から、PTFEをより好ましく使用できる。
なお、この疎水性材料としては、前記した疎水性の各材料を水、メタノール、エタノール等の水溶性溶媒に分散又は懸濁した材料分散液を用いることもできる。
[酸素発生触媒]
本発明においては、電気分解の効率を向上させるため、さらに酸素発生触媒(以下、単に「触媒」と称することがある。)を加えてもよい。
この触媒は、粒子状のものを混合して電極を成形するだけでもよいが、導電性粒子表面に担持させるとより高い効果が得られる。
この触媒としては、ビスマスイリジウム酸化物やビスマスルテニウム酸化物などのパイロクロア型複合酸化物などがあげられる。中でも酸素発生反応に対して二元機能的に活性を示す点から、パイロクロア型構造のビスマスルテニウム酸化物BiRu7−xを用いることが好ましい。
[電極の作製]
本発明にかかる電極は、まず、前記の導電性粒子、疎水性材料、及び使用する場合は触媒、必要量の水等を混合して電極用混練物を得る。
具体的には、前記触媒を用いる場合は、まず、導電性粒子と触媒を混練する。これにより、触媒を導電性粒子の表面に担持させることができる。次いで、疎水性材料及び水を加え、粘土状となるまで混練し、電極用混練物を得る。このとき、疎水性材料として前記の材料分散液を用いてもよい。なお、この場合は、加えられる水の量を調整すればよい。
上記の電極用混練物を得る際、各成分をPTFE製の乳鉢、乳棒を用いて混練することが、導電性粒子、特にコア−シェル構造の導電性粒子におけるシェル部分の破損や形状変化を防止する観点から好ましい。
前記疎水性材料の固形分の前記電極用混練物の固形分に対する含有割合は、30体積%以下がよく、24体積%以下が好ましい。30体積%より多いと、この電極用混練物から電極を製造した際の疎水性材料の含有割合が多くなりすぎ、導電性粒子がアルカリ水と接触できる面積を十分に確保しにくくなり、また、疎水性材料によりアルカリ水がはじかれて導電性粒子とアルカリ水との接触が困難になる部分が増大するため、本願発明の効果を十分に奏することが困難となる傾向がある。
一方、含有割合の下限は、5体積%がよく、10体積%が好ましい。5体積%より少ないと、電極を製造したとき、成形体の強度が不十分になり、導電性粒子の脱落が生じるおそれがある。
なお、前記電極用混練物から得られる成形体である電極本体に含まれる疎水性材料の電極本体に対する含有割合は、前記疎水性材料(固形分)の前記電極用混練物(固形分)に対する含有割合と同じである。
前記導電性粒子の固形分の前記電極用混練物の固形分に対する含有割合は、95体積%以下がよく、90体積%以下が好ましい。95体積%より多いと、電極を製造したとき、成形体の強度が不十分になり、導電性粒子が脱落するという問題点を生じる場合がある。
一方、含有割合の下限は、70体積%がよく、76体積%が好ましい。70体積%より少ないと、導電性粒子がアルカリ水と接触できる面積が小さくなるという問題点を生じる場合がある。
なお、前記電極用混練物から得られる成形体である電極本体に含まれる導電性粒子の電極本体に対する含有割合は、前記導電性粒子(固形分)の前記電極用混練物(固形分)に対する含有割合と同じである。
得られた前記の電極用混練物は、ロールプレス機や押し出し機等を用いて薄板状に成形したり、特定の型に混合物を入れて成形加工したりする。
この成形の際、外部端子への接続を可能とする集電体と一体に成形してもよく、成形後、前記集電体と一体化させてもよい。この集電体としては、網状、繊維状、多孔質体等の種々の形状の金属や導電性有機化合物を用いることができる。
得られた前記成形体は、加熱処理されることが好ましい。加熱処理をすることにより、導電性粒子と疎水性材料との結着性が向上すると共に、疎水性材料に生じる気孔部が増加し、導電性粒子が外部と接する面積を増加させることができる。
この加熱温度に関しては、80℃以上がよく、380℃以下が好ましい。80℃より低いと、疎水性材料と導電性粒子からなる電極を成形しにくくなるという問題点を生じる場合がある。また、380℃より高いと、疎水性材料が熱分解して電極を成形できなかったり、熱分解により有害な成分がガスとして生じるおそれがある。
このようにして得られた電極は、電極用混練物の成形体部分からなる電極本体と、集電体を有する場合は、この集電体とから構成され、前記アルカリ水の電解用の電極、特に陽極として使用することができる。
(導電性粒子の作製)
導電性粒子の作製方法について説明する。無電解めっき法を用いて作製を行った。まず、攪拌装置の攪拌槽内に準備したコア部の原料となるシリカ粒子を10g、イオン交換水20mLを投入し、これをスラリー化した。そして、該スラリーに0.02gの塩化パラジウムおよび1.5gの塩化第一スズを含む水溶液10mLを添加し、10分間攪拌した。なお、このときの槽内温度は50℃とした。これにより、シリカ粒子の表面にスズ−パラジウムコロイド粒子が吸着された。そして、上記処理後のスラリーを固液分離した後、イオン交換水で洗浄した。
次に、攪拌槽内にイオン交換水10mLを投入し、さらに、上記のスズ−パラジウム吸着シリカ粒子を添加した。1分間攪拌した後、10%硫酸を100mL添加し、5分間攪拌した。なお、このときの槽内温度は25℃とした。これにより、スズが除去され、パラジウムが金属化された。そして、固液分離した後、イオン交換水で洗浄してパラジウム担持シリカ粒子を得た。
次に、攪拌槽内にイオン交換水250mLを投入し、さらに上記パラジウム担持シリカ粒子を添加した。そして、1分間攪拌した後、下記の水溶液1〜3を添加して20分間攪拌した。これにより、シリカ粒子の表面に、ニッケル−リン被膜を形成するための無電解処理を行った。なお、このときの槽内温度は50℃とした。
・水溶液1:硫酸ニッケル14gをイオン交換水30mLに溶解させた水溶液
・水溶液2:次亜リン酸ナトリウム3.1gをイオン交換水30mLに溶解させた水溶液
・水溶液3:コハク酸ナトリウム3.0gをイオン交換水100mLに溶解させた水溶液
上記めっき処理後の処理液を固液分離した後、イオン交換水で洗浄して導電性粒子を得た。そして、得られた導電性粒子を、110℃で乾燥した。以下、実施例および比較例に係る導電性粒子は全て上記手法により作製した。
[実施例1]
シリカ粒子((株)アドマテックス製:FEF75H、平均粒径37μm)を用い、この表面を無電解めっき法により、ニッケル−リン合金(厚さ450nm)で被覆し、導電性粒子として、ニッケル基合金被覆粒子を作製した。
(電極の作製)
前記ニッケル基合金被覆粒子0.3975gとパイロクロア型のビスマスルテニウム酸化物であるBiRu7−x(日本重化学工業(株)製、平均粒子径40nm)0.2025gをPTFE製の乳鉢・乳棒を用いて10分間混練し、上記ニッケル基合金被覆粒子表面にBiRu7−xを全面に担持させた。
次に、上記混練物に蒸留水200μL、PTFEディスパージョン(ダイキン工業(株)製、D−210C、PTFE粒子の粒径は200nm、固形分含有割合は60重量%)0.15gを加えて粘土状の塊になるまで混練を続けた。
次いで、ロールプレス機にて得られた混合物を薄板状に成形した後、ニッケルメッシュ((株)ニラコ製:NI−318100)を重ねて一体化させた。なお、ロールプレスの工程はロール間温度を80℃に加熱して行った。
その後、窒素雰囲気で370℃、13分間熱処理を行い、電極を作製した。得られた電極の導電性粒子、触媒、疎水性材料(固形分)の重量比は、導電性粒子/触媒/疎水性材料(固形分)で、58/29/13であり、体積比は、66.5/12.6/20.9であった。また、得られた電極の寸法は23×23×0.35mmとなった。
(酸素発生能評価)
得られた電極の酸素発生特性を3電極式の電気化学測定装置(北斗電工(株)製:HZ−7000)を用いて評価した。電解液として6mol/Lの水酸化カリウム水溶液を使用し、この電解液に対極である白金板、作用極である前記電極を浸漬した。参照電極には水銀−酸化水銀電極を使用し、液絡を用いて上記電解液と接続した。参照電極に対する作用極の電位を5mV/sで掃引し、電極電位に対する酸素発生電流を室温にて測定した。その結果、図1に示すサイクリックボルタモグラムが得られた。1.5Aにおける電極電位は0.76Vであった。
[実施例2]
導電性粒子として、粒径16μmのシリカ粒子((株)アドマテックス製:10μm−E4)をコア部の材料としたニッケル基合金被覆粒子以外は、実施例1と同様にして電極を作製した。得られた電極の導電性粒子、触媒、疎水性材料(固形分)の重量比は、導電性粒子/触媒/疎水性材料(固形分)で、58/29/13であり、体積比は、66.5/12.6/20.9であった。
得られた電極を実施例1と同様にして酸素発性特性の評価を行った。その結果、図2に示すサイクリックボルタモグラムが得られた。1.5Aにおける電極電位は0.96Vであった。
[比較例1]
ニッケルメッシュ((株)ニラコ製:NI−318100)のみを電極(23×23×0.23mm)として実施例1と同様の手法で酸素発性特性を評価した。その結果、図3に示すサイクリックボルタモグラムが得られた。1.5Aにおける電極電位は1.11Vであった。
[実施例3]
導電性粒子として、粒径2.5μmのシリカ粒子((株)アドマテックス製:SO−C6)をコア部の材料としたニッケル基合金被覆粒子0.6gと疎水性材料のPTFEディスパージョン0.2gを用いて酸素触媒を加えなかった以外は、実施例1と同様にして電極を作製した。得られた電極の導電性粒子、疎水性材料(固形分)の重量比は、導電性粒子/疎水性材料(固形分)で、83/17であり、体積比は、76/24であった。
得られた電極を実施例1と同様にして酸素発性特性の評価を行った。その結果、図4に示すサイクリックボルタモグラムが得られた。1.5Aにおける電極電位は1.04Vであった。
[比較例2]
疎水性材料のPTFEディスパージョン及び触媒を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、電極を作成した。得られた電極を実施例1と同様にして酸素発性特性の評価を行った。その結果、電気化学測定装置による測定中に電極が崩壊し、測定が不可能となった。
[結果]
以上の結果に示されるように、本発明のアルカリ水電解用電極材料は、電解の際、所定の電流を流すために必要な電圧が低減しており、もってアルカリ水電解の電力損失を低減することができることがわかった。

Claims (5)

  1. 導電性粒子と疎水性材料とを含む電極本体を有し、
    前記導電性粒子の外表面は、ニッケル単体又はニッケル基合金からなり、
    前記電極本体に対する疎水性材料の含有割合は、30体積%以下であるアルカリ水電解用電極。
  2. 酸素発生触媒含む請求項1に記載のアルカリ水電解用電極。
  3. 前記疎水性材料がポリテトラフルオロエチレンからなる請求項1又は2に記載のアルカリ水電解用電極。
  4. 前記導電性粒子は、コア部とその表面に形成された導電性被覆層を有し、
    前記導電性被覆層はニッケル単体又はニッケル基合金からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ水電解用電極。
  5. 前記コア部が、セラミック、樹脂及び軽金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項4に記載のアルカリ水電解用電極。
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