JP2021070726A - 樹脂組成物、樹脂フィルム及び金属張積層板 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂フィルム及び金属張積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】 球状のフィラーを多量に充填させた場合においても、粘度調整が可能であり、ポリイミド中に空隙が生じにくい樹脂組成物を提供する。【解決手段】 樹脂組成物は、ポリアミド酸又はポリイミドと、球状アルミナ粒子と、を含有し、球状アルミナ粒子の含有量がポリアミド酸又はポリイミドに対し5〜80体積%の範囲内である。球状アルミナ粒子の90重量%以上が、a)レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D50が0.5〜5μmの範囲内である、b)円形度が0.9以上である、c)真比重が3.4〜3.8の範囲内である、という条件を満たす。【選択図】 なし

Description

本発明は、熱伝導性フィラーである球状アルミナ粒子を含有する樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム及び金属張積層板に関する。
近年、携帯電話、LED照明器具、自動車エンジン周り関連部品に代表されるように電子機器の小型化、軽量化に対する要求が高まってきている。それに伴い、機器の小型化、軽量化に有利なフレキシブル回路基板が電子技術分野において広く使用されるようになってきている。そして、その中でもポリイミドを絶縁層とするフレキシブル回路基板は、その耐熱性、耐薬品性などが良好なことから、広く用いられている。一方、最近の電子機器の小型化により、回路の集積度が上がってきており、さらに、情報処理の高速化及び信頼性の向上を図るべく、機器内に生じる熱の放熱特性を高めるための技術が注目されている。
電子機器内に生じる熱の放熱特性を高めるには、電子機器の熱伝導性を高めることが有効と考えられる。そのため、配線基板等を構成する絶縁樹脂層中に熱伝導性フィラーを含有させる技術が検討されている。より具体的には、絶縁樹脂層を形成する樹脂中に、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの熱伝導性の高い充填材を分散配合することが検討されている。そして、耐熱性の高いポリイミドに対して熱伝導性フィラーを配合する技術が提案されている(例えば特許文献1〜4)。
特許第5235211号公報 特許第5442491号公報 特許第5665449号公報 特許第5297740号公報
熱伝導性フィラーの充填率を高めると、ポリイミド溶液やその前駆体であるポリアミド酸溶液の粘度上昇を招きやすいという問題や、絶縁樹脂層の形成過程で該絶縁樹脂層中に多くの空隙が発生して、耐電圧性を低下させてしまうという問題があった。
本発明の目的は、球状のフィラーを多量に充填させた場合においても、粘度調整が可能であり、ポリイミド中に空隙が生じにくい樹脂組成物を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド酸又はポリイミドと、球状アルミナ粒子と、を含有する樹脂組成物であって、前記球状アルミナ粒子の含有量が、前記ポリアミド酸又は前記ポリイミドに対し5〜80体積%の範囲内である。
本発明の樹脂組成物は、前記球状アルミナ粒子の90重量%以上が、下記の条件a〜c;
a)レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D50が0.5〜5μmの範囲内であること;
b)円形度が0.9以上であること;
c)真比重が3.4〜3.8の範囲内であること;
を満たすものである。
本発明の樹脂組成物は、前記球状アルミナ粒子が、更に下記の条件d及びe;
d)累積値が90%となる粒子径D90が2.0〜6.0μmの範囲内であること;
e)累積値が10%となる粒子径D10が0.3〜1.8μmの範囲内であること;
を満たすものであってもよい。
本発明の樹脂組成物は、前記球状アルミナ粒子の最大粒子径が15μm以下であってもよい。
本発明の樹脂フィルムは、単層又は複数層のポリイミド層を有する樹脂フィルムであって、前記ポリイミド層の少なくとも1層が、上記いずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導性ポリイミド層であり、前記熱伝導性ポリイミド層の厚みが2〜100μmの範囲内である。
本発明の樹脂フィルムは、前記球状アルミナ粒子の最大粒子径が前記熱伝導性ポリイミド層の厚みに対して0.05〜0.7の範囲内であってもよい。
本発明の金属張積層板は、絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板であって、前記絶縁樹脂層が上記樹脂フィルムからなるものである。
本発明の樹脂組成物は、球状アルミナ粒子として、その90重量%以上が条件a〜cを満たすものを用いることによって、樹脂組成物の粘度の上昇が抑えられており、球状アルミナ粒子の分散性に優れている。さらに、多量に球状アルミナ粒子を含有させた場合でも、絶縁樹脂層中の空隙の発生が抑制又は低減されるので、耐電圧性を優れたものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[樹脂組成物]
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物は、ポリアミド酸又はポリイミドと、熱伝導性フィラーである球状アルミナ粒子と、を含有する樹脂組成物である。樹脂組成物は、ポリアミド酸を含有するワニス(樹脂溶液)であってもよく、溶剤可溶性のポリイミドを含有するポリイミド溶液であってもよい。
<ポリアミド酸又はポリイミド>
ポリイミドは、一般的に下記一般式(1)で表される。このようなポリイミドは、ジアミン成分と酸二無水物成分とを実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合させる公知の方法によって製造することができる。この場合、粘度を所望の範囲とするために、ジアミン成分に対する酸二無水物成分のモル比を調整してもよく、その範囲は、例えば0.980〜1.03のモル比の範囲内とすることが好ましい。
Figure 2021070726
ここで、Arは芳香族環を1個以上有する4価の有機基であり、Arは芳香族環を1個以上有する2価の有機基である。そして、Arは酸二無水物の残基ということができ、Arはジアミンの残基ということができる。また、nは、一般式(1)の構成単位の繰返し数を表し、200以上、好ましくは300〜1000の数である。
酸二無水物としては、例えば、O(OC)−Ar−(CO)Oによって表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、下記芳香族酸無水物残基をArとして与えるものが例示される。
Figure 2021070726
酸二無水物は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、及び4,4'-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)から選ばれるものを使用することが好ましい。
ジアミンとしては、例えば、HN−Ar−NHによって表される芳香族ジアミンが好ましく、下記芳香族ジアミン残基をArとして与える芳香族ジアミンが例示される。
Figure 2021070726
これらのジアミンの中でも、ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m-TB)、パラフェニレンジアミン(p−PDA)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)及び2,2−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)が好適なものとして例示される。
ポリイミドは、酸二無水物とジアミン化合物を溶媒中で反応させ、前駆体であるポリアミド酸を生成したのち加熱閉環(イミド化)させることにより製造できる。例えば、酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換して樹脂組成物を形成することができる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
<球状アルミナ粒子>
球状アルミナ粒子は、形状が真球状に近いアルミナ粒子である。球状アルミナ粒子は、その90重量%以上が下記の条件a〜cを満たす。
条件a):
レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D50が0.5〜5μmの範囲内であること。
平均粒子径D50が0.5μmに満たないと、熱伝導性向上の効果が小さくなる。また、球状アルミナ粒子の平均粒子径D50が5μmを超えると、充填しづらくなったり、樹脂フィルムを形成したときに周辺の樹脂収縮による応力の増加で空隙が発生したりして、発明効果の制御が難しくなる。
b)円形度が0.9以上であること。
円形度とは、当該粒子と同じ投影面積を持つ円との周囲長の比をいう。球状アルミナ粒子の円形度が0.9以上であることによって、α相が少ない状態(表面が滑らかになる)となるので、樹脂フィルムを形成したときにポリイミドと接する面での空隙が生じにくくなる。円形度が0.9に満たないと、球状アルミナ粒子同士の接触面積が大きく、ポリアミド酸を硬化させるときに発生する水や揮発させる溶剤が絶縁層から抜けづらくなるため、空隙が生じやすい。さらに、円形度が0.9に満たないと球状アルミナ粒子と樹脂との接触面積が大きくなり、球状アルミナ粒子を添加した樹脂組成物の粘度が高くなって樹脂の塗工が困難になる。
c)真比重が3.4〜3.8の範囲内であること。
真比重が3.4に満たないと放熱効果が薄れる。真比重が3.8を超える場合は、樹脂との比重差が大きくなり、球状アルミナ粒子が沈降・偏析したり、球状アルミナ粒子の分散性が悪くなる。なお、真比重を3.8よりも大きくすると、球状アルミナ粒子の結晶性が高くなるので、熱伝導性がより高くなるが、分散性を考慮して3.8を上限としている。
球状アルミナ粒子の90重量%以上の粒子が、上記a〜cの条件を満たすことによって、樹脂組成物の粘度調整が容易になり、球状アルミナ粒子の分散性を良好にすることができる。
球状アルミナ粒子は、更に下記の条件e及びfを満たすことが好ましい。
e)累積値が90%となる粒子径D90が2.0〜6.0μmの範囲内であること。
f)累積値が10%となる粒子径D10が0.3〜1.8μmの範囲内であること。
条件e、fを満たすことによって、粒度分布の幅が広くなるので、樹脂組成物の粘度をより調整しやすくなるとともに、樹脂フィルムを形成したときに空隙が生じにくくなる。また、粒子径が異なる球状アルミナ粒子を混在させることによって、配合量を増加させることが可能となり、樹脂フィルムの熱伝導性を高めることができる。
さらに球状アルミナ粒子は、最大粒子径が15μm以下であることが好ましい。最大粒子径を15μm、以下とすることによって、樹脂フィルムにしたときの表面平滑性が良好となる。最大粒子径が15μmを超えると、樹脂フィルムを形成したときに表面に凹凸が発生したり、球状アルミナ粒子と樹脂の界面に空隙が発生しやすくなる。
なお、本発明において、球状アルミナ粒子は、市販品を適宜選定して用いることができる。そのような市販品としては、例えば日鉄ケミカル&マテリアル社製の球状アルミナ(商品名;AZ4−10、AZ2−05、AX1Mなど)を挙げることができる。これらは2種以上を併用することができる。
<配合組成>
樹脂組成物における球状アルミナ粒子の含有量は、ポリアミド酸又はポリイミドに対し5〜80体積%の範囲内であり、好ましくは20〜70体積%の範囲内、より好ましくは30〜60体積%の範囲内、最も好ましくは40〜55体積%の範囲内である。球状アルミナ粒子の含有割合が5体積%に満たないと、熱伝導特性が低くなり、放熱材料として十分な特性を得ることができない。また、球状アルミナ粒子の含有割合が80体積%を超えると、樹脂フィルムを形成したときに脆くなり、取り扱いにくくなるばかりでなく、樹脂フィルムを形成しようとする場合、樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性も低下する。
本実施の形態の樹脂組成物は、有機溶媒を含有することができる。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。有機溶媒の含有量としては特に制限されるものではないが、ポリアミド酸又はポリイミドの濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
さらに、本実施の形態の樹脂組成物は、必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲で、上記条件a〜cを具備する球状アルミナ粒子以外の無機フィラーや、有機フィラーを含有してもよい。具体的には、例えば、上記条件a〜cを具備しないアルミナ粒子や、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等の無機フィラー、フッ素系ポリマー粒子や液晶ポリマー粒子等の有機フィラーが挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。さらに必要に応じて、他の任意成分として可塑剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料、難燃剤などを適宜配合することができる。
<粘度>
樹脂組成物の粘度は、樹脂組成粒を塗工する際のハンドリング性を高め、均一な厚みの塗膜を形成しやすい粘度範囲として、例えば5000cps〜100000cpsの範囲内とすることが好ましく、10000cps〜50000cpsの範囲内とすることがより好ましい。上記の粘度範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。
<樹脂組成物の調製>
樹脂組成物の調製に際しては、例えばポリアミド酸の樹脂溶液に球状アルミナ粒子を直接配合してもよい。あるいは、フィラーの分散性を考慮し、ポリアミド酸の原料である酸二無水物成分及びジアミン成分のいずれか片方を投入した反応溶媒に予め球状アルミナ粒子を配合した後、攪拌下にもう片方の原料を投入して重合を進行させてもよい。いずれの方法においても、一回で球状アルミナ粒子を全量投入してもよいし、数回分けて少しずつ添加してもよい。また、原料も一括で入れてもよいし、数回に分けて少しずつ混合してもよい。
[樹脂フィルム]
本実施の形態の樹脂フィルムは、単層又は複数層のポリイミド層を有する樹脂フィルムであって、ポリイミド層の少なくとも1層が、上記樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導性ポリイミド層であればよい。
樹脂フィルム中で、樹脂組成物によって形成される熱伝導性ポリイミド層の厚みは、例えば2〜100μmの範囲内であることが好ましく、4〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、球状アルミナ粒子の最大粒子径が熱伝導性ポリイミド層の厚みに対して0.05〜0.7の範囲内であることが好ましい。球状アルミナ粒子の最大粒子径が熱伝導性ポリイミド層の厚みに対して0.05を下回る場合は、熱伝導性が不十分となることがあり、0.7を超える場合は、熱伝導性ポリイミド層の表面の平滑性が損なわれることがある。
樹脂フィルム全体の厚さは、例えば2〜100μmの範囲内であることが好ましく、4〜50μmの範囲内がより好ましい。樹脂フィルムの厚みが2μmに満たないと、金属張積層板の製造時の搬送工程で金属箔にシワが入るなどの不具合が生じやすくなる。反対に、樹脂フィルムの厚みが100μmを超えると高い熱伝導性の発現や、屈曲性等の点で不利になる傾向となる。なお、樹脂フィルムの耐電圧は、1kV以上とすることが好ましい。
熱伝導性ポリイミド層を形成する方法は、特に限定されるものではなく公知の手法を採用することができる。ここでは、その最も代表的な例を示す。
まず、樹脂組成物を任意の支持基材上に直接流延塗布して塗布膜を形成する。次に、塗布膜を150℃以下の温度である程度溶媒を乾燥除去する。樹脂組成物がポリアミド酸を含有する場合は、その後、塗布膜に対し、更にイミド化のために100〜400℃、好ましくは130〜360℃の温度範囲で5〜30分間程度の熱処理を行う。このようにして支持基材上に熱伝導性ポリイミド層を形成することができる。2層以上のポリイミド層とする場合、第一のポリアミド酸の樹脂溶液を塗布、乾燥したのち、第二のポリアミド酸の樹脂溶液を塗布、乾燥する。それ以降は、同様にして第三のポリアミド酸の樹脂溶液、次に、第4のポリアミド酸の樹脂溶液、・・・というように、ポリアミド酸の樹脂溶液を、必要な回数だけ、順次塗布し、乾燥する。その後、まとめて100〜400℃の温度範囲で5〜30分間程度の熱処理を行って、イミド化を行うことがよい。熱処理の温度が100℃より低いとポリイミドの脱水閉環反応が十分に進行せず、反対に400℃を超えると、ポリイミド層が劣化するおそれがある。
また、熱伝導性ポリイミド層を形成する別の例を挙げる。
まず、任意の支持基材上に、樹脂組成物を流延塗布してフィルム状成型する。このフィルム状成型物を、支持基材上で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとする。ゲルフィルムを支持基材より剥離した後、樹脂組成物がポリアミド酸を含有する場合は、更に高温で熱処理し、イミド化させてポリイミドの樹脂フィルムとする。
熱伝導性ポリイミド層の形成に用いる支持基材は、特に限定されるものではなく、任意の材質の基材を用いることができる。また、樹脂フィルムの形成にあたっては、支持基材上で完全にイミド化を完了させた樹脂フィルムを形成する必要はない。例えば、半硬化状態のポリイミド前駆体状態での樹脂フィルムを支持基材から剥離等の手段で分離し、分離後イミド化を完了させて樹脂フィルムとすることもできる。
樹脂フィルムは、球状アルミナ粒子などの熱伝導性フィラーを含有するポリイミド層(上記熱伝導性ポリイミド層を含む)のみからなっていてもよく、熱伝導性フィラーを含有しないポリイミド層を有してもよい。樹脂フィルムを複数層の積層構造とする場合、熱伝導性を考慮するとすべての層に熱伝導性フィラーを含有させることが好ましい。ただし、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド層の隣接層を、熱伝導性フィラーを含有しない層とするか、あるいはその含有量が低い層とすることにより、加工時等の熱伝導性フィラーの滑落が防止できるという有利な効果をもたせることができる。熱伝導性フィラーを含有しないポリイミド層を有する場合、その厚みは、例えば、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド層の1/100〜1/2の範囲内、好ましくは1/20〜1/3の範囲内とすることがよい。熱伝導性フィラーを含有しないポリイミド層を有する場合、そのポリイミド層が金属層に接するようにすれば、金属層と絶縁樹脂層の接着性が向上する。
樹脂フィルムの熱膨張係数(CTE)は、例えば5×10−6〜30×10−6/K(5〜30ppm/K)の範囲内にあることが好ましく、10×10−6〜25×10−6/K(10〜25ppm/K)の範囲内がより好ましい。樹脂フィルムの熱膨張係数が5×10−6/Kより小さいと、金属張積層板とした後でカールが生じやすくハンドリング性に劣る。一方、樹脂フィルムの熱膨張係数が30×10−6/Kを超えると、フレキシブル基板など電子材料としての寸法安定性に劣り、また耐熱性も低下する傾向にある。
樹脂フィルムの厚み方向における熱伝導率λzは、例えば0.5W/mK以上とすることが好ましく、1.0W/mK以上とすることがより好ましく、1.5W/mK以上とすることが最も好ましい。熱伝導率λzが0.5W/mKに満たないと、放熱用途への適用において、目的を達することができない。特に、熱伝導率λzが1.0W/mK以上であると、優れた放熱特性が得られ、例えば放熱基板の他、多くの用途へ適用可能な樹脂フィルムとすることができる。また、樹脂フィルムの熱伝導率は、平面方向で1.0W/mK以上であることが有利であり、2.0W/mK以上であることが好ましい。
<金属張積層板>
本実施の形態の金属張積層板は、絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板であり、絶縁樹脂層の少なくとも1層が上記樹脂フィルムからなる。金属張積層板は、絶縁樹脂層の片面側のみに金属層を有する片面金属張積層板であってもよいし、絶縁樹脂層の両面に金属層を有する両面金属張積層板であってもよい。
本実施の形態の金属張積層板は、熱伝導性フィラーを含有するポリイミド層と金属箔とを接着するための接着剤を用いることを除外するものではない。ただし、絶縁樹脂層の両面に金属層を有する両面金属張積層板において接着層を介在させる場合には、接着層の厚みは、熱伝導性を損なわないように、全絶縁樹脂層の厚みの30%未満とすることが好ましく、20%未満とすることがより好ましい。また、絶縁樹脂層の片面のみに金属層を有する片面金属張積層板において接着層を介在させる場合には、接着層の厚みは、熱伝導性を損なわないように、全絶縁樹脂層の厚みの15%未満とすることが好ましく、10%未満とすることがより好ましい。また、接着層は絶縁樹脂層の一部を構成するので、ポリイミド層であることが好ましい。絶縁樹脂層の主たる材質であるポリイミドのガラス転移温度は、耐熱性を付与する観点から300℃以上とすることが好ましい。ガラス転移温度を300℃以上とするには、ポリイミドを構成する上記の酸二無水物やジアミン成分を適宜選択することで可能となる。
樹脂フィルムを絶縁樹脂層とする金属張積層板を製造する方法としては、例えば、樹脂フィルムに直接、又は任意の接着剤を介して金属箔を加熱圧着する方法や、金属蒸着等の手法によって樹脂フィルムに金属層を形成する方法などを挙げることができる。なお、両面金属張積層板は、例えば、片面金属張積層板を形成した後、互いにポリイミド層を向き合わせて熱プレスによって圧着し形成する方法や、片面金属張積層板のポリイミド層に金属箔を圧着し形成する方法等により得ることができる。
<金属層>
金属層の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。金属層は、金属箔からなるものであってもよいし、フィルムに金属蒸着したものであってもよい。また、樹脂組成物を直接塗布可能な点から、金属箔でも金属板でも使用可能であり、銅箔若しくは銅板が好ましい。
金属層の厚みは、金属張積層板の使用目的に応じて適宜設定されるため特に限定されないが、例えば5μm〜3mmの範囲内が好ましく、12μm〜1mmの範囲内がより好ましい。金属層の厚みが5μmに満たないと、金属張積層板の製造等における搬送時にシワが入るなどの不具合が生じるおそれがある。反対に金属層の厚みが3mmを超えると硬くて加工性が悪くなる。金属層の厚みについては、一般的に、車載用回路基板などの用途では厚いものが適し、LED用回路基板などの用途などでは薄い金属層が適する。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例に用いた略号を以下に示す。
m‐TB:2,2’‐ジメチル‐4,4’‐ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
DAPE:4,4’‐ジアミノジフェニルエーテル
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
フィラー1:日鉄ケミカル&マテリアル社製、商品名;AZ4−10(球状アルミナ、真球状、円形度;0.96、真比重;3.73、D50;3.6μm、D10;1.88μm、D90;5.92μm、最大粒子径;10μm、Al;99.9%)
フィラー2:日鉄ケミカル&マテリアル社製、商品名;AZ2−05(球状アルミナ、真球状、円形度;0.91、真比重;3.42、D50;1.9μm、D10;0.99μm、D90;3.12μm、最大粒子径;6μm)
フィラー3:日鉄ケミカル&マテリアル社製、商品名;AX1M(球状アルミナ、真球状、円形度;0.90、真比重;3.63、D50;0.9μm、D10;0.36μm、D90;2.13μm、最大粒子径;13μm)
フィラー4:住友化学社製、商品名;AA−3(アルミナ、多面体球状、真比重;3.98、D50;3.4μm、D10;2.2μm、D90;5.0μm、最大粒子径;10μm)
フィラー5:住友化学社製、商品名;AA−04(アルミナ、多面体球状、真比重;3.98、D50;0.5μm、D10;0.2μm、D90;1.8μm、最大粒子径;15μm)
また、実施例において評価した各特性については、下記評価方法に従った。
[粒子径の測定]
レーザ回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、商品名;Master Sizer 3000)を用いて、分散媒には水を使用し、レーザ回折・散乱式測定方式による粒子径の測定を行った。
[円形度の測定]
湿式フロー式粒子径・形状分析装置(シスメックス社製、商品名;FPIA−3000)を用いて、動的流動粒子画像解析による平均円形度を測定し、粒子径が3μm以上のアルミナ粒子の円形度を求めた。また、粒子径が3μm未満のアルミナ粒子の円形度は、樹脂フィルムの断面をショットキー電界放出形走査電子顕微鏡(JEOL社製、商品名;JSM−7900F)を観察し、倍率2500倍の画像中に含まれるフィラー粒子の平均円形度を画像解析から算出した。
[真比重の測定]
連続自動粉体真密度測定装置(セイシン企業社製、商品名;AUTO TRUE DENSERMAT‐7000)を用い、ピクノメーター法(液相置換法)にて測定した。
[厚さ方向熱伝導率(λz)の測定]
樹脂フィルムを20mm×20mmのサイズに切り出し、レーザーフラッシュ装置(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名;LFA 447 Nanoflash)を用いて、厚さ方向の熱拡散率、DSC(示差走査熱量測定)による比熱、気体置換法による密度をそれぞれ測定し、これらの結果をもとに熱伝導率(W/m・K)を算出した。
[粘度の測定]
樹脂溶液の粘度はE型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
[空隙の評価]
樹脂フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、空隙がみられないものを「良」、空隙の大きさが1μm未満のものを「可」、空隙の大きさが1μm以上のものを「不可」と評価した。
合成例1
窒素気流下で、124.44gのm−TB(0.585mol)及び95.87gのDAPE(0.479mol)を3000mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら2550gのDMAcに溶解させた。次いで、そこに229.69gのPMDA(1.053mol)を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘度19,000cpsの茶褐色の粘稠なポリアミド酸溶液a(固形分濃度;15%)を得た。
[実施例1]
168.5gのポリアミド酸溶液a及び31.5gのフィラー1を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液1(粘度;20,000cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;30体積%)を得た。
銅箔1(電解銅箔、厚さ;35μm)の上に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、130から300℃までの段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、銅張積層板1を作製した。
銅張積層板1について、銅箔をエッチング除去して樹脂フィルム1(フィラーの含有率;30体積%)を作製した。樹脂フィルム1の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
139.2gのポリアミド酸溶液a及び60.8gのフィラー1を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液2(粘度;19,800cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;50体積%)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板2及び樹脂フィルム2を作製した。樹脂フィルム2の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
168.5gのポリアミド酸溶液a及び31.5gのフィラー2を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液3(粘度;20,200cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;30体積%)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板3及び樹脂フィルム3を作製した。樹脂フィルム3の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
139.2gのポリアミド酸溶液a及び60.8gのフィラー2を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液4(粘度;20,100cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;50体積%)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板4及び樹脂フィルム4を作製した。樹脂フィルム4の評価結果を表1に示す。
[実施例5]
139.2gのポリアミド酸溶液a並びに16.9gのフィラー3及び43.9gのフィラー1を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液5(粘度;21,000cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;50体積%、D50;2.8μm、D10;0.6μm、D90;5.2μm、最大粒子径;12μm)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板5及び樹脂フィルム5を作製した。樹脂フィルム5の評価結果を表1に示す。
[実施例6]
99.1gのポリアミド酸溶液a並びに28.1gのフィラー3及び72.8gのフィラー1を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液6(粘度;21,200cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;70体積%、D50;2.8μm、D10;0.6μm、D90;5.2μm、最大粒子径;12μm)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板6及び樹脂フィルム6を作製した。樹脂フィルム6の評価結果を表1に示す。
[実施例7]
139.2gのポリアミド酸溶液a並びに18.2gのフィラー3、6.1gのフィラー2及び36.5gのフィラー1を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液7(粘度;21,000cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;50体積%、D50;2.4μm、D10;0.6μm、D90;5.1μm、最大粒子径;12μm)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板7及び樹脂フィルム7を作製した。樹脂フィルム7の評価結果を表1に示す。
[実施例8]
99.1gのポリアミド酸溶液a並びに30.3gのフィラー3、10.1gのフィラー2及び60.6gのフィラー1を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液8(粘度;22,000cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;70体積%、D50;2.4μm、D10;0.6μm、D90;5.1μm、最大粒子径;12μm)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板8及び樹脂フィルム8を作製した。樹脂フィルム8の評価結果を表1に示す。
比較例1
139.2gのポリアミド酸溶液a及び60.8gのフィラー4を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液9(粘度;28,900cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;50体積%)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板9及び樹脂フィルム9を作製した。樹脂フィルム9の評価結果を表2に示す。
比較例2
139.2gのポリアミド酸溶液a並びに16.9gのフィラー5及び43.9gのフィラー4を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液10(粘度;42,600cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;50体積%、最大粒子径;15μm)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板10及び樹脂フィルム10を作製した。樹脂フィルム10の評価結果を表2に示す。
比較例3
99.1gのポリアミド酸溶液a並びに28.1gのフィラー5及び72.8gのフィラー4を均一になるまで遠心攪拌機で混合し、ポリアミド酸溶液11(粘度;47,800cps、ポリアミド酸に対するフィラーの含有率;70体積%、最大粒子径;15μm)を得た。
実施例1と同様にして、銅張積層板11及び樹脂フィルム11を作製した。樹脂フィルム11の評価結果を表2に示す
Figure 2021070726
Figure 2021070726
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

Claims (6)

  1. ポリアミド酸又はポリイミドと、球状アルミナ粒子と、を含有する樹脂組成物であって、
    前記球状アルミナ粒子の含有量が、前記ポリアミド酸又は前記ポリイミドに対し5〜80体積%の範囲内であり、
    前記球状アルミナ粒子の90重量%以上が、下記の条件a〜c;
    a)レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D50が0.5〜5μmの範囲内であること;
    b)円形度が0.9以上であること;
    c)真比重が3.4〜3.8の範囲内であること;
    を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記球状アルミナ粒子が、更に下記の条件d及びe;
    d)累積値が90%となる粒子径D90が2.0〜6.0μmの範囲内であること;
    e)累積値が10%となる粒子径D10が0.3〜1.8μmの範囲内であること;
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記球状アルミナ粒子の最大粒子径が15μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 単層又は複数層のポリイミド層を有する樹脂フィルムであって、
    前記ポリイミド層の少なくとも1層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる熱伝導性ポリイミド層であり、
    前記熱伝導性ポリイミド層の厚みが2〜100μmの範囲内であることを特徴とする樹脂フィルム。
  5. 前記球状アルミナ粒子の最大粒子径が前記熱伝導性ポリイミド層の厚みに対して0.05〜0.7の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂フィルム。
  6. 絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板であって、
    前記絶縁樹脂層が請求項4又は5に記載の樹脂フィルムからなることを特徴とする金属張積層板。

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