JP2021069120A - 画像読取装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で裏移りを防止して複写画像の品質の向上を図った画像読取装置等を提供する。【解決手段】光源ユニット1132と記憶部116と制御部111とを備え、原稿に光を照射して画像を読取る画像読取装置110であって、原稿に光を照射したときに原稿の下地領域を透過した光を検出する透過光検出センサ114を有する。記憶部116は、下地領域の透過光率に応じて画像の補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブルを記憶する。制御部111は、透過光検出センサ114の検出結果に基づき、下地領域の透過光率を算出し、算出した透過光率に応じて原稿の厚みを設定し、複数の階調補正テーブルから原稿の厚みに対応する階調補正テーブルを選択し、選択した階調補正テーブルに基づき、原稿より読取った画像の濃度を補正する階調補正処理を実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、画像読取装置等に係り、原稿に光を照射して画像を読取る画像読取装置等に関する。
従来、画像読取装置は、光源ユニットを移動することで原稿台に置かれた原稿を読み取ったり、原稿トレイに載置された原稿を原稿搬送経路に搬送させて所定位置に設置された光源ユニットに対して相対的に移動させることで原稿を読み取ったりすることで、原稿の画像データを読み取るように構成されている。
このように構成された画像読取装置においては、原稿が両面印字であって、かつ原稿の坪量が小さい場合は、一般的に複写面の原稿に裏面印字部が重なり複写されるため、いわゆる裏写りと呼ばれる複写品質を劣化させる現象が生じる原因になっている。
また、原稿が薄紙の場合は、厚紙に比べて原稿押え部材自体の素材や色味の影響により被りが発生するという問題があり、このような薄紙での裏写りや被りを防ぐために下地除去処理を行う必要があった。
しかしながら、下地除去処理を行う場合は、除去量を大きくすると、裏写りや被りは改善できるものの、必要な画像部分まで飛んでしまう可能性がある。
また、その他の方法として、ユーザインタフェイス(UI)上にて、原稿の厚みを指定して指定内容に応じて処理を切り替えるシステムも知られている。原稿が変わるたびに設定を指定し直すのは煩雑であるし、このような作業に精通していない人にとっては、この原稿がどのくらいの坪量の用紙であるのか判断できないケースも存在する。
通常、このような画像読み取り装置の下地除去処理としては、原稿中の下地を判別し、その下地部分の濃度を算出し、下地部分を階調補正等で飛ばす下地除去処理を有するものがあるが、裏写りは原稿の一部に裏面が重なることにより発生するため、一般に裏写り部分は下地としては認識されることはない。
また、下地除去処理を裏写り軽減機能として実行することで、常に一定量の下地を飛ばす処理を有するものもあるが、原稿に応じて適切に飛ばす量を決定しているわけではないので、必要以上に飛ばし過ぎて原稿中の画像そのものも消してしまったり、効果が足りなくて裏写り部分が残ったままだったりすることがあった。
そこで、従来技術として、複写機において、原稿台の原稿に光照射し、原稿押え部を経た反射光を測定し、原稿押え部の反射率を制御して、裏移りを防止するようにしたものが開示されている(特許文献1を参照。)。
特開平11−298694号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、反射率を制御する機構が必要であり、高コストで、複雑な回路になるという問題が生じる。また、特許文献1の技術は、原稿押え部の反射率を制御することに関するものなので、原稿押え部がない自動原稿搬送部を備える読取装置には適用できないという問題が生じる。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、裏移りを防止して、複写画像の品質の向上を図った画像読取装置等を提供することを目的とする。
本発明の画像読取装置は、原稿を照射する光源を備える光源ユニットと、記憶部と、制御部とを備えて、前記光源により原稿に光を照射して画像を読取る画像読取装置であって、原稿に光を照射したときに前記原稿を透過した光を検出する透過光検出部を備え、前記記憶部には、原稿の下地領域の透過光率に応じて画像の補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブルが記憶され、前記制御部により、前記透過光検出部の検出結果に基づき前記原稿の下地領域の透過光率を算出し、算出された透過光率に応じて前記原稿の厚みを設定し、前記複数の階調補正テーブルから前記原稿の厚みに対応する階調補正テーブルを選択し、選択された階調補正テーブルに基づき、前記原稿より読取った画像の濃度を補正する階調補正処理を実行することを特徴とする。
また、本発明は、原稿を照射する光源を備える光源ユニットと、記憶部と、制御部とを備えて、前記光源により原稿に光を照射して画像を読取る画像読取装置の画像処理方法であって、原稿に光を照射したときに前記原稿を透過した光を検出し、前記記憶部に、原稿の下地領域の透過光率に応じて画像の補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブルを記憶し、前記原稿を透過した光を検出した結果に基づき前記原稿の下地領域の透過光率を求め、前記透過光率に応じて前記原稿の厚みを設定し、前記複数の階調補正テーブルから前記原稿の厚みに対応する階調補正テーブルを選択し、選択された階調補正テーブルに基づき、前記原稿より読取った画像の濃度を補正する階調補正処理を実行することを特徴とする。
本発明の画像読取装置等によれば、画像読取装置において、前記透過光検出部の検出結果に基づき透過光率を算出し、算出された透過光率に応じて原稿の厚みを設定して、原稿の厚みに対応して複数の階調補正テーブルを設定して、原稿の厚みに応じて複数の階調補正テーブルから最適な階調補正テーブルを設定することで、最適な濃度に補正することができるので、裏写りや被りのない複写画像を実現できる。
第1実施形態に係る画像読取装置を備える画像形成装置の構成を示すブロック図である。 画像読取装置の構成を示すブロック図である。 画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。 画像読取装置において原稿台に載置された原稿を読み取る状態を示す説明図である。 画像読取装置の原稿台に載置された原稿を透過する透過光を透過光検出センサにより検出する状態を示す説明図である。 画像読取装置の原稿押えカバーに配置された透過光検出センサの一例を示す説明図である。 画像読取装置において読取られた原稿の濃度分布を示すグラフである。 原稿の紙の坪量と透過光率との関係を示すブラフである。 画像読取装置に用いる階調補正テーブルの補正前濃度値と補正後濃度値の関係の一例を示す説明図である。 画像読取装置における透過光率と紙の厚みと階調補正テーブルとの関係の一例を示す補正用テーブルの説明図である。 画像読取装置において原稿台で原稿を読み取る場合の階調補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る画像読取装置において搬送される原稿を読み取る状態を示す説明図である。 画像読取装置の原稿読取位置に搬送される原稿を透過する透過光を透過光検出センサにより検出する状態を示す説明図である。 画像読取装置の原稿押えカバーに配置された透過光検出センサの一例を示す説明図である。 画像読取装置において自動原稿搬送部を用いて原稿を読み取る場合の階調補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る画像読取装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る動作例を示す図である。 原稿の紙及びOHPシートの坪量と透過光率との関係を示すグラフである。 第4実施形態における画像読取装置に用いる階調補正テーブルの補正前濃度値と補正後濃度値の関係の一例を示す説明図である。 第4実施形態における画像読取装置における透過光率と紙の厚みと階調補正テーブルとの関係の一例を示す補正用テーブルの説明図である。 第5実施形態における動作例を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の第1実施形態に係る画像読取装置を備える画像形成装置の構成を示すブロック図、図2は画像読取装置の構成を示すブロック図、図3は画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
第1実施形態に係る画像形成装置10は、図1に示すように、原稿に光を照射して画像を読取るように制御された画像読取装置110を備える画像形成装置10であって、画像読取装置110において、図2に示すように、透過光検出センサ(透過光検出部)114を備え、記憶部116には、補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブル1163が記憶され、制御部111により、透過光検出センサ114の検出結果に基づき原稿の下地領域の透過光率を算出し、算出された透過光率に応じて原稿の厚みを設定し、複数の階調補正テーブル1163から原稿の厚みに対応する階調補正テーブルを選択し、選択された階調補正テーブルに基づき、原稿より読取った画像の濃度を補正する階調補正処理を実行することを特徴とするものである。
(画像形成装置の構成)
まず、第1実施形態に係る画像形成装置10の基本的な構成について説明する。
画像形成装置10は、図3に示すように、装置本体の上部に画像読取装置110を備えて原稿の画像を読取り、電子写真方式により画像を出力する情報処理装置である。
そして、画像形成装置10は、図1に示すように、主に、制御部100と、画像読取装置110と、画像処理部120と、画像形成部130と、操作部140と、表示部150と、記憶部160とを備えて構成されている。
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。
そして、制御部100は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
画像読取装置110は、図2に示すように、主に、制御部111と、自動原稿搬送部112と、原稿読取部113と、透過光検出センサ114と、記憶部116を備えて構成されている。
画像処理部120は、画像データに基づく出力データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、図3に示すように、給紙トレイ122から記録用紙を給紙し、画像処理部120において記録用紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイ124から排紙される。画像処理部120は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
画像形成部130は、画像データに各種画像処理を施す機能部である。そして、画像処理が施された画像データに基づき出力画像を形成する。
操作部140は、ユーザによる操作指示を受け付けるための機能部であり、各種キースイッチや、接触による入力を検出する装置等により構成されている。ユーザは、操作部140を介して、使用する機能や出力条件を入力する。また、表示部150は、ユーザに各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD(Liquid crystal display)等により構成されている。
なお、画像形成装置10は、図3に示すように、操作部140と、表示部150とが一体に形成されているタッチパネルを備えてもよい。この場合において、タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
記憶部160は、画像形成装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部160は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
(画像読取装置の構成)
次に、画像読取装置110の構成について、図面を参照して説明する。
画像読取装置110は、図2に示すように、制御部111と、自動原稿搬送部112と、光源ユニット1132を備える原稿読取部113と、記憶部116等を備え、さらに、透過光検出センサ114を備えることを特徴としている。
自動原稿搬送部112は、複数の原稿を自動的に搬送する機能部である。自動原稿搬送部112の原稿読取部113と対向する部分に、原稿押えカバー1121が設けられている。
原稿読取部113は、原稿から画像形成装置10に入力される画像データを読み取るための機能部である。
透過光検出センサ114は、原稿に光源ユニット1132から光を照射したときに原稿の下地領域を透過した光を検出する。
制御部111は、画像読取装置110の全体を制御するための機能部である。
第1実施形態では、制御部111は、原稿厚み設定部1111と、階調補正テーブル選択部1112とを備えている。
原稿厚み設定部1111は、透過光検出センサ114の検出結果に基づき算出された透過光率に応じて原稿の厚みを設定することを特徴としている。
階調補正テーブル選択部1112は、原稿の下地領域の透過光率に応じて異なる補正前濃度に対応して設定した複数の階調補正テーブル(後述する階調補正テーブル1163)から、原稿の厚みに対応した階調補正テーブルを選択することを特徴としている。
なお、制御部111の機能として、透過光検出センサ114の検出結果に基づき算出された透過光率に応じて原稿の厚みを設定する機能と、原稿の下地領域の透過光率に応じて異なる補正前濃度に対応して設定した複数の階調補正テーブルから、原稿の厚みに対応した階調補正テーブルを選択する機能と、を具備するようにしてもよい。
また、画像形成装置10の制御を行う制御部100が、画像読取装置110の全般の制御を行う制御部として機能するようにしてもよい。
記憶部116は、透過光検出センサ114の検出結果に基づき算出される原稿の下地領域の透過光率1161、透過光率1161に基づき設定される原稿の紙厚み情報1162、原稿の下地領域の透過光率に応じて異なる補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブル1163、等が記憶されている。
(画像読取装置における原稿の読取操作)
次に、画像読取装置110における原稿の読取処理について説明する。
第1実施形態では、画像読取装置110は、原稿を読取る所定位置に原稿を載置して、原稿に対して光源ユニット1132を移動することで原稿の読取面を走査して画像を読取る。
図4は第1実施形態に係る画像読取装置において原稿台に載置された原稿を読み取る状態を示す説明図、図5は画像読取装置の原稿台に載置された原稿を透過する透過光を透過光検出センサにより検出する状態を示す説明図、図6は画像読取装置の原稿押えカバーに配置された透過光検出センサの一例を示す説明図である。
具体的には、画像読取装置110は、図4に示すように、原稿読取部113の上側に自動原稿搬送部112が配置されている。自動原稿搬送部112は、図6に示すように、原稿読取部113の上部を開閉可能に設けられている。
原稿読取部113の上部には、原稿G1が載置される原稿載置部としての原稿台(ガラス)1131が設けられている。原稿G1を読取る場合は、原稿台1131の原稿読取位置に原稿G1を載置して、自動原稿搬送部112に設けられた原稿押えカバー1121で原稿G1を押えて、1枚ずつ原稿G1を読取る。
原稿読取部113の内部には、図4に示すように、光源1133と第1ミラー1134を備えた光源ユニット1132が矢印A方向(副走査方向)に移動可能に配置されている。また、光源ユニット1132と関連付けられた位置に、第2ミラー1135、第3ミラー1136、結像レンズ1138、読取センサ1139が配置されている。
そして、光源1133から原稿G1に光を照射して(矢印B1)、原稿G1の読取面で反射した反射光(矢印B2)を、第1ミラー1134、第2ミラー1135、第3ミラー1136を介して結像レンズ1138に導いて、結像レンズ1138を介して読取センサ1139により検出するように構成されている。
自動原稿搬送部112は、原稿読取部113の上部を覆った(閉じた)状態で、画像読取部113の原稿G1が載置される部分と対向する位置に、原稿押えカバー1121が設けられている。
原稿押えカバー1121には、原稿G1を介して光源ユニット1132が配置される側と対向する側で原稿G1と対向する位置に、複数箇の透過光検出センサ114が配置されている。例えば、図6に示すように、原稿押えカバー1121には、原稿押えカバー1121を閉じた状態で画像を読取る主走査方向(矢印C方向)と副走査方向(矢印A方向)に沿った方向に、それぞれ3個ずつ合計9個の透過光検出センサ114(1)〜114(9)が配置される。
なお、透過光検出センサ114は、原稿押えカバー1121において、整列することなくランダムの位置に配置するようにしてもよい。
複数の透過光検出センサ114は、図5に示すように、原稿G1に光源1133から照射された光(矢印B1)のうち原稿G1を透過した透過光をそれぞれ検出する。
すなわち、第1実施形態では、画像読取装置110の原稿台1131に載置された原稿G1の下地を透過する透過光を透過光検出センサ114により検出して、その検出結果に基づいて算出される透過光率に基づき、原稿G1の紙の厚みを求める。
ここで、透過光検出センサ114により検出された透過光をLYqと定義する。
第1実施形態では、原稿台1131に載置された原稿G1のサイズ外に位置する透過光検出センサ114による検出される透過光は、下地部の判別処理の候補から外す、もしくは、測定しない(検出しない)ものとする。
(原稿の下地部分の判定)
次に、画像読取装置110の読取センサ1139に読取られた画像データの濃度分布から、画像データ内で画像濃度が存在しない部分、つまり原稿の下地部を特定するとともに、複数の透過光検出センサ114に検出された透過光のうち、下地部の位置の透過光を選択する。
図7は第1実施形態に係る画像読取装置において読取られた原稿の濃度分布を示すグラフ、図8は原稿の紙の坪量と透過光率との関係を示すブラフである。
下地部の位置の候補となる測定箇所の透過光検出センサ114が複数ある場合は、複数の透過光検出センサ114の平均値を下地部の透過光の値とする。
また、各透過光検出センサ114のいずれの位置の下地部分の透過光の値が一致せずに、下地部の候補となる測定箇所が1箇所もない場合は、測定値無しとする。
測定した位置が原稿の下地部であるかどうかの判定方法としては、画像データの測定位置での濃度と予め設定してある閾値と比較し、その閾値より濃度が小さければ、その位置を下地とみなす方法がある。また、下地判定のための閾値を予め固定するのではなく、画像全体の濃度分布から、その画像に適した下地の閾値を毎回算出する方法もある。
第1実施形態では、原稿G1から読取った画像データを濃度分布で表したときに、図7に示すグラフのようになったものとする。図7において、グラフのX軸は各濃度値、Y軸はそれぞれの濃度のデータが画像データ内で何回存在するかを示した濃度分布になる。この分布から該画像データに対する適切な下地除去のための閾値を決定する。
画像濃度の閾値の決め方として、例えば、濃度分布の濃度が薄いほうから検索していって、最初に発生する極大値を下地濃度判定のための閾値とするものが一般には知られている。ここでは、図7に示すように、最初に発生する極大値である位置Tを基準となる下地部の位置として、その下地部の画像濃度を下地濃度判定の閾値(55)とする。
(原稿の厚さと透過光率)
ここで、原稿G1の紙の厚さについて説明する。
一般に紙の厚さは、坪量と呼ばれる単位面積あたりの重量、すなわち(g/m2)という単位で表現されることが多い。汎用の分光計を用いて種々の用紙の透過光率とその用紙の坪量の関係をプロットしたものを図8に示す。
図8に示すように、坪量が大きいほど透過光率は落ちていくため、透過光の強さから紙の厚さを推定することができる。第1実施形態では、透過光検出センサ114による検出結果と汎用の分光器の測定結果とは同じ特性を示すものとする。
下地部に相当する位置で原稿G1を透過した透過光の透過光率について、一般的には、透過光率が高ければ原稿G1の紙の厚さは薄く、透過光率が低ければ紙の厚さは厚いと推定できる。ここでは、原稿G1を透過した透過光の透過光率に応じて紙の厚さを推定する紙の厚みTHr(r:1,2,3…)を設定する。
第1実施形態では、紙の厚みと裏写りの発生の関係を予め設定しておき、原稿G1の画像濃度に応じて、裏写りの影響を極力軽減しつつ、他の画像品質に影響を及ぼさないように紙の厚みTHr(r:1,2,3…)に対応した階調補正テーブルLUTp(p:1,2,3…)を用意する。
ここで、LUT8は何も補正しない状態と等価になる。
図9は第1実施形態に係る画像読取装置に用いる階調補正テーブルの補正前濃度値と補正後濃度値の関係の一例を示す説明図、図10は画像読取装置における透過光率と紙の厚みと階調補正テーブルとの関係の一例を示す補正用テーブルの説明図である。
(画像読取装置の階調補正テーブルについて)
第1実施形態に係る画像読取装置110では、図9に示すように、補正前濃度値に応じて補正後濃度値を設定する8段階の階調補正テーブルLUT1〜LUT8を備えている。
なお、階調補正テーブルLUT1は、照射光に対する透過光率100(%)に対応し、階調補正テーブルLUT8は、透過光率0(%)に対応するものとする。
また、第1実施形態において用いる「透過光率」とは、照射光に対する透過光の割合と定義する。
第1実施形態では、紙の厚みと階調補正テーブルとの関係は、図10に示すように、紙の厚みTHrは、紙の厚みTH1〜TH8の8段階として、1から8までの数字が高くなるに連れて紙の厚さは厚くなる。階調補正テーブルLUTpは、紙の厚みTH1〜TH8に対応して、階調補正テーブルLUT1〜LUT8の8段階で対応する。
すなわち、透過光率が高い場合(裏写りによる画像濃度が高い場合)は、原稿G1の紙が薄いものと判定して、紙の厚みが小さい場合に対応する階調補正テーブルに基づいて裏写りを抑制するように階調補正を行う。
具体的には、図10に示すように、例えば、
透過光率が100(%)から70(%)のときは、紙の厚みTH1として、階調補正テーブルLUT1を選択する。
透過光率69(%)から60(%)のときは、紙の厚みTH2として、階調補正テーブルLUT2を選択する。
透過光率59(%)から50(%)のときは、紙の厚みTH3として、階調補正テーブルLUT3を選択する。
透過光率49(%)から40(%)のときは、紙の厚みTH4として、階調補正テーブルLUT4を選択する。
透過光率39(%)から30(%)のときは、紙の厚みTH5として、階調補正テーブルLUT5を選択する。
透過光率29(%)から20(%)のときは、紙の厚みTH6として、階調補正テーブルLUT6を選択する。
透過光率19(%)から10(%)のときは、紙の厚みTH7として、階調補正テーブルLUT7を選択する。
透過光率9(%)から0(%)および測定値なしのときは、紙の厚みTH8として、階調補正テーブルLUT8を選択する。
(原稿の紙の厚みに基づいた階調補正処理について)
ここで、紙の厚みTHに基づいて画像データに紙の厚みに応じた階調補正を施す処理について説明する。
例えば、原稿G1として、比較的厚めである250g/mの用紙に画像が印刷されている原稿G1を読み取ろうとしたときに、図5に示すように、透過光検出センサ114(2)による測定位置が原稿G1の下地に対応する位置であった場合に、透過光検出センサ114(2)に対する透過光率LY2が15(%)であったとすると、図10に示す透過光率と紙の厚みの関係から、紙の厚みはTH7となり、そこから選択される階調補正テーブルは、階調補正テーブルLUT7となる。
これにより、原稿読取部113で読み取られた画像データに対して、階調補正テーブルLUT7による階調補正が実行される。
また、例えば、原稿G1とし比較的薄めである50g/mの用紙に画像が印刷されている原稿G1を読み取ろうとしたときに、図6に示すように、透過光検出センサ114(2)と透過光検出センサ114(8)の測定位置が原稿G1の下地に対応する位置であった場合に、透過光検出センサ114(2)に対する透過光率LY2が66(%)、また、透過光検出センサ114(8)に対する透過光率LY8が68(%)、であった場合は、透過光検出センサ114(2)と透過光検出センサ114(8)の測定位置の透過光率LY2と透過光率LY8の平均をとって、この原稿G1の透過光率は67(%)であると判定するものとする。なお、原稿G1の透過光率は、最小値を66(%)、最大値を68(%)とするようにしてもよい。
そして、図10に示す透過光率と紙の厚みの関係から、紙の厚みはTH2となり、そこから選択される階調補正テーブルは、階調補正テーブルLUT2となる。これにより、原稿読取部113で読み取られた画像データに対して、階調補正テーブルLUT2による階調補正が実行される。
上記例においては、階調補正テーブルLUT2は、強めに下地を除去する補正を実施するテーブルとされている。これにより、薄めの原稿により裏写りや被りの影響が大きくなる場合には、下地除去処理を十分に行なう階調補正処理を施すことができる。
(原稿台で原稿を読み取る場合の補正処理)
次に、第1実施形態に係る画像読取装置110において、原稿台で原稿を読み取る場合の階調補正処理について、一例をフローチャートに沿って説明する。
図11は第1実施形態に係る画像読取装置において原稿台で原稿を読み取る場合の階調補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11のフローチャートに沿って説明すると、画像読取装置110において、図4に示すように、原稿台1131上に載置された原稿G1に対して読取処理が開始されると、原稿読取部113により主走査方向に沿って原稿G1が読み取られる(ステップS101)。
そして、現在の走査位置と一致している位置の透過光検出センサ114があるか否かが判定される(ステップS103)。ステップS103において、現在の走査位置と一致している位置の透過光検出センサ114があると判定された場合は、該当する透過光検出センサ114により透過光を検出して透過光率を算出する(ステップS105)。そして、ステップS107に進む。
一方、ステップS103において、現在の走査位置と一致している位置の透過光検出センサ114が無いと判定された場合は、そのままステップS107に進む。
ステップS107では、読み取り走査が原稿の終端まで到達したか否かが判定される。
ステップS107において、読み取り走査が原稿G1の終端まで到達していないと判定された場合は、光源ユニット1132が次の走査位置に移動して(ステップS109)、ステップS103に戻る。
一方、ステップS107において、読み取り走査が原稿G1の終端まで到達したと判定された場合は、読み取った画像データの中から下地部を判別する(ステップS111)。そして、各透過光検出センサ114のうち下地部に対応する位置があるか否かが判定される(ステップS113)
ステップS113において、各透過光検出センサ114のうち下地部に対応する位置があると判定された場合は、該当する透過光検出センサ114により検出された透過光の検出結果に基づく透過光率より紙の厚みを設定する(ステップS115)。
そして、紙の厚みに対応する階調補正テーブルによる階調補正処理を実行する(ステップS117)。そして、補正後の画像データを生成して(ステップS119)、読み取った画像データの階調補正処理を終了する。
以上のように構成したので、第1実施形態によれば、画像読取装置110において、透過光検出センサ114と、原稿厚み設定部1111と、階調補正テーブル選択部1112と、を備えて、原稿G1の透過光率の値に対応して複数の原稿G1の紙の厚みTHを設定し、複数の原稿G1の紙の厚みTHに対応して各々階調補正テーブルLUTを設定し、原稿G1の紙の厚みTHに応じて最適の階調補正テーブルを選択して、選択された階調補正テーブルLUTに基づき読取った画像の濃度を最適な濃度に補正することができるので、読み取る原稿G1の紙の厚みTHに応じて裏移りのない複写画像を実現できる。
また、第1実施形態によれば、原稿台1131に対向する原稿押えカバー1121に透過光検出センサ114を複数箇所に配置したので、原稿G1の下地部を正確に検出することができ、正確に画像の濃度補正を行うことができる。
なお、第1実施形態では、透過光検出センサ114を主走査方向に3箇所ずつ、副走査方向に3箇所ずつで計9箇所配置しているが、これは一例であって、透過光検出センサ114の配置箇所を限定するものではない。
一般に、画像が印刷されている原稿は、紙の端いっぱいまで画像が存在するわけではなく、原稿の中央寄りに配置されていることがほとんどである。また、画像の位置を示すトンボや裁ち落としの領域を考慮して、原稿の端には画像が存在しない原稿も多く、原稿の端は四隅とも下地領域であることがほとんどである。したがって、図6に示す透過光検出センサ114(2),114(8)の位置の何れか1箇所のみとする構成であっても、ほとんどのケースで効果があると考える。
また、第1実施形態では、原稿台1131に載置された1枚の原稿G1を読み取るときに、透過光検出センサ114(1)〜114(9)により原稿G1を透過する透過光を検出するようにしているが、透過光検出センサ114(1)〜114(9)による透過光の検出方法はこれに限定されるものではない。例えば、原稿G1を光源ユニット1132により複数回照射して、透過光検出センサ114(1)〜114(9)により複数回透過光を検出するようにしてもよい。
原稿の最端でも下地がない原稿が存在し、また、原稿の置き方によっては原稿が原稿台1131の端に確実に置かれていなかったり、人的要因で斜めに置かれたり、原稿押えカバー1121を閉じる際の圧力等で原稿がずれたりするケースも稀にあり、1箇所のみでは必ずしも下地部分の透過光を測定できるとは限らない。したがって、原稿の透過光の検出の精度を重視するのであれば、透過光検出センサ114を複数個配置し、かつ、複数回の測定機会を有することで、下地であると判断される箇所より透過光強度を得るのが望ましい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。
図12は第2実施形態に係る画像読取装置において搬送される原稿を読み取る状態を示す説明図、図13は画像読取装置の原稿読取位置に搬送される原稿を透過する透過光を透過光検出センサにより検出する状態を示す説明図、図14は画像読取装置の原稿押えカバーに配置された透過光検出センサの一例を示す説明図である。
なお、第2実施形態において、説明の便宜上、第1実施形態の画像読取装置110と同一の構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
(画像読取装置の構成)
第2実施形態に係る画像読取装置210は、図12に示すように、自動原稿搬送部212に、複数の原稿G2を載置可能な原稿トレイ2121を備え、原稿読取部113の自動原稿搬送時の原稿G2を読取る位置で、移動する原稿G2を介して光源ユニット1132と対向する側で光源ユニット1132と対向する位置に透過光検出センサ214を備えることを特徴とするものである。
透過光検出センサ214は、図14に示すように、自動原稿搬送部212側の原稿読取部113の自動原稿搬送時の原稿読取位置1131aと対向する部分に、光源ユニット1132の走査方向に沿った3箇所に透過光検出センサ214(1),214(2),214(3)が配置されている。
(画像読取装置における原稿の読取操作)
次に、画像読取装置210における原稿G2の読取処理について説明する。
第2実施形態では、画像読取装置210は、複数の原稿G2を原稿トレイ2121上に載置して、原稿読取位置1131aに光源ユニット1132を配置して、光源ユニット1132に対して原稿G2を移動することで原稿G2の読取面を走査する。
原稿G2を読取る場合は、図12に示すように、原稿トレイ2121に置かれた原稿G2を1枚ずつ図示しない搬送手段により搬送経路(矢印D1,D2)に沿って移動して、原稿読取位置1131aに搬送する。原稿読取位置1131aにおいて、原稿G2は、移動しながら光源1133により原稿面を照射される。そして、照射された原稿面からの反射光を第1ミラー1134、第2ミラー1135、第3ミラー1136を介して結像レンズ1138に導いて、結像レンズ1138を介して読取センサ1139により検出するように構成されている。
読取られた原稿G2は、搬送経路(矢印D3,D4)に沿って搬送されて、排紙トレイ2122に排紙される。
ここで、原稿G2の読取操作について、具体的に説明する。
自動原稿搬送部212を用いる原稿G2の読取操作は、原稿G2を移動させながら、原稿読取位置1131aにて光源1133で光照射しながら読取センサ1139にて読み取っていく。このとき、原稿G2を読み取る際に、光源1133から照射されて原稿G2を透過した透過光の透過光強度を透過光検出センサ214により測定する。
透過光検出センサ214による透過光の検出は、原稿G2の所定の間隔移動した位置で行われる。例えば、原稿G2が図示しない搬送手段により搬送されながら、原稿G2の先端から0.3cm内側に入ったところを起点として、5cmずつ搬送された時点、つまり、0.3cm、5.3cm、10.3cm、15.3cmの搬送位置にて、透過光検出センサ214により光源1133から照射された光のうち原稿G2を透過した透過光の透過光強度を測定する。
初回の検出位置として、原稿G2の先端から0.3cm内側に入ったところを起点としているのは、搬送手段による搬送駆動時の若干の位置ずれを考慮しているためである。
なお、初回の検出位置は、この距離に特定するものではない。
そして、n回目の間隔において、透過光検出センサ214(m)にて測定された透過光強度をLXmnと定義する。
第2実施形態では、使用する原稿サイズの外側に位置する検出位置で透過光検出センサ214により検出された透過光強度は、下地部の判別処理の候補から外す、もしくは、測定しない(検出しない)ものとする。
(原稿の下地部分の判定)
次に、読取センサ1139にて読み取られた画像データの濃度分布から画像データ内で画像濃度が存在しない部分、つまり原稿の下地部を特定する。
複数回測定された透過光検出センサ214に対応する透過光のうち、原稿の下地部に相当する位置での透過光を選択する。候補となる測定箇所が複数あれば平均をとる。
また、複数の透過光検出センサ214(1),214(2),214(3)のうち、何れの位置の透過光検出センサとも下地部分が一致せずに、候補となる測定箇所が1箇所もない場合は、測定値無しとする。
下地部に相当する位置で原稿G2を透過した透過光の透過光率について、一般的には、透過光率が高ければ原稿G2の紙の厚さは薄く、透過光率が低ければ紙の厚さは厚いと推定できる。ここでは、原稿G2を透過した透過光の透過光率に応じて紙の厚さを推定する紙の厚みTHo(o:1,2,3…)を設定する。
図8に示すように、坪量が大きいほど透過光率は落ちていくため、透過光の強さから紙の厚さを推定することができる。第2実施形態では、透過光検出センサ214による検出結果と汎用の分光器の測定結果とは同じ特性を示すものとする。
第2実施形態では、紙の厚みと裏写りの発生の関係を予め設定しておき、原稿G2の画像濃度に応じて、裏写りの影響を極力軽減しつつ、他の画像品質に影響を及ぼさないように紙の厚みTHo(o:1,2,3…)に対応した階調補正テーブルLUTp(p:1,2,3…)を用意する。
ここで、LUT8は何も補正しない状態と等価になる。
第2実施形態で用いる階調補正テーブルは、図8に示す第1実施形態で用いる階調補正テーブルと同様に、補正前濃度値に応じて補正後濃度値を設定する8段階の階調補正テーブルLUT1〜LUT8を用いる。なお、別の階調補正テーブルを予め備えるものであってもよい。
また、第2実施形態では、紙の厚みと階調補正テーブルとの関係は、第1実施形態と同様に、図10に示すように、紙の厚みTHoは、紙の厚みTH1〜TH8の8段階として、1から8までの数字が高くなるに連れて紙の厚さは厚くなる。階調補正テーブルLUTpは、紙の厚みTH1〜TH8に対応して、階調補正テーブルLUT1〜LUT8の8段階で対応する。
(原稿の紙の厚みに基づいた階調補正処理について)
ここで、紙の厚みTHに基づいて画像データに紙の厚みに応じた階調補正を施す処理について説明する。
例えば、原稿G2として、90g/mの用紙に画像が印刷されている原稿G2を読み取ろうとしたときに、原稿先端から0.3cm、つまり1回目での測定位置での透過光検出センサ214(2)のセンサ位置が原稿G2の下地であったとして、透過光検出センサ214(2)に対する透過光率LX21が47%であったとして、図10に示す関係から紙の厚みはTH4となり、そこから選択される階調補正テーブルは、階調補正テーブルLUT4になる。これにより、原稿読取部113で読み取られた画像データに階調補正テーブルLUT4による階調補正が実行される。階調補正テーブルLUT4は、弱めに下地を除去する補正を実施するテーブルになる。
また、用紙の端から端まで全面に画像が印刷されている原稿や、用紙自体に濃い色味がついている色紙に画像が印刷されている原稿等を、読み取ろうとしたときに、結果的にどの測定位置でも下地と判定される位置がなかった場合は、透過光率は測定値無しとして、図10の透過光率と階調補正テーブルの関係から、紙の厚みはTH8となり、そこから選択される階調補正テーブルは、階調補正テーブルLUT8となる。
これにより、読み取られた画像データに階調補正テーブルLUT8による階調補正が実行される。階調補正テーブルLUT8は、基本的に何も階調補正をしないことと等価である。
したがって、上記例のように原稿全面に画像ないしは濃い色味が存在している原稿G2の場合は、下地除去処理を実施すると実質、画像をも飛ばしてしまうことになるので、下地除去処理は行なわないものとする。
(自動原稿搬送部を用いて原稿を読み取る場合の補正処理)
次に、第2実施形態に係る画像読取装置210において、自動原稿搬送部212を用いて原稿を読み取る場合の階調補正処理について、一例をフローチャートに沿って説明する。
図15は第2実施形態に係る画像読取装置において自動原稿搬送部を用いて原稿を読み取る場合の階調補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15のフローチャートに沿って説明すると、画像読取装置210において、図12に示すように、原稿トレイ2121上に載置された複数の原稿G2を一枚ずつ自動搬送しながら原稿を読取る処理が開始されると、原稿読取部113により副走査方向に沿って搬送される原稿G2が読み取られる(ステップS201)。原稿読取部113では、原稿読取位置1131aに光源ユニット1132が配置された状態で原稿G2の読取処理が行われる。
そして、現在の走査位置が所定間隔の位置に到達したか否かが判定される(ステップS203)。ステップS203において、現在の走査位置が所定間隔の位置に到達したと判定された場合は、透過光検出センサ214(1)〜214(3)により透過光を検出して透過光率を算出する(ステップS105)。そして、ステップS107に進む。
一方、ステップS203において、現在の走査位置が所定間隔の位置に到達していないと判定された場合は、そのままステップS107に進む。
以下、ステップS107からステップS119までの処理は、第1実施形態に係る画像読取装置110における処理と同様に行われる。
以上のように構成したので、第2実施形態によれば、画像読取装置210において、自動原稿搬送部212により搬送される原稿G2の透過光を検出する透過光検出センサ214を備え、原稿読取位置1131aにおいて移動する原稿G2を介して光源ユニット1132と対向する位置に透過光検出センサ214を複数箇所に配置したので、簡単な構成で移動する原稿G2を透過する透過光を正確に検出することができる。
なお、第2実施形態では、透過光検出センサ214を主走査方向に3箇所配置しているが、これは一例であって、透過光検出センサ214の配置箇所を限定するものではない。
例えば、図14に示す透過光検出センサ214(2)の1箇所のみとする構成であってもよい。
また、第2実施形態では、搬送される1枚の原稿G2を読み取るときに、透過光検出センサ214(1)〜214(3)により原稿G1を透過する透過光を検出するようにしているが、透過光検出センサ214(1)〜214(3)による透過光の検出方法はこれに限定されるものではない。例えば、読み取る原稿G2が原稿トレイ2121に複数枚載置されている場合に、複数枚の原稿G2を透過光検出センサ214(1)〜214(3)により透過光を検出して、透過光検出センサ214(1)〜214(3)毎に複数の検出結果に基づき下地領域の判定を行うようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。
図16は第3実施形態に係る画像読取装置の構成を示すブロック図である。
なお、第3実施形態において、説明の便宜上、第1実施形態の画像読取装置110と同一の構成には、同一の番号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る画像読取装置310は、図16に示すように、第1実施形態に係る画像読取装置110の構成に加えて、階調補正処理を実行するか否かを選択する階調補正処理選択部317を備えるとともに、制御部311の構成として、階調補正処理設定部3113をさらに備えて、原稿を読み取った画像の補正度合いに応じて複数の階調補正テーブルを段階的に設定することを特徴とするものである。
階調補正処理選択部317は、例えば、画像形成装置10の操作部140の表示部150にタッチ操作可能に設けるようにしてもよい。具体的には、階調補正処理選択部317は、ユーザに階調補正処理を実行するか否かを選択させるための画面を表示部150に表示させ、ユーザによって選択された内容に基づき、階調補正処理を実行するか否かを選択する。なお、階調補正処理選択部317は、階調補正処理を実行する場合に用いられる階調補正テーブルを、自動的に決定するか、後述する階調補正処理設定部3113により設定された補正度合いに基づいて階調補正テーブルを決定するかを、ユーザに選択可能にしてもよい。また、制御部111が階調補正処理を実行するか否かを選択させるための画面を表示部150に表示し、階調補正処理選択部317は、当該画面においてユーザによって操作された内容に基づき、階調補正処理の実行の有無の選択を行ってもよい。
階調補正処理設定部3113は、階調補正処理による補正度合いを段階的に設定する。
補正度合いを段階的に設定する例として、例えば、補正度合いを、−2、−1、0、+1、+2、のように5段階で補正の強弱が変更できるようにする。そして、指定された±分だけ選択されている階調補正テーブルをシフトする。なお、階調補正処理設定部3113は、階調補正処理による補正度合いを設定するための画面を、画像形成装置10の操作部140の表示部150にタッチ操作可能に設けるようにしてもよい。また、制御部111が補正度合いを選択させるための画面を表示部150に表示し、階調補正処理設定部3113は、当該画面においてユーザによって操作された内容に基づき、補正度合いの設定を行ってもよい。
ここで、補正度合いをプラスの方向に動かすことは補正を強めることを示し、補正度合いをマイナスの方向に動かすことは補正を弱めることを示す。したがって、補正度合いが0以外の値に設定された場合、制御部111は、設定された値に基づいて、階調補正処理に用いる階調補正テーブルを選択した上で、階調補正処理を実行する。例えば、階調補正テーブルが階調補正テーブルLUT4で設定されている場合、補正度合いが段階+1が指定されたときに、階調補正テーブルも+1シフトさせて、階調補正テーブルLUT5に設定する。このようにすることで、用途や印刷形態に合わせてカスタマイズすることができる。
実用では、階調補正処理において、初期設定としては、裏写りや被りと画像品質のバランスが最も取れたものになるように階調補正テーブルが設定されている。例えば、ユーザAの好みにより、裏写りは絶対に不可とする場合は、初期設定よりも(+)とした設定により、さらに裏写りや被りが起こりにくい設定で使用することができる。
また、ユーザBの好みにより、若干の裏写り被りが起こりにくいことよりも画像品質の維持を重視する場合は、初期設定よりも(−)とした設定にして使用することにより、画像品質の良好な設定で使用することができる。
なお、上述した説明では、階調補正処理の実行の有無を選択させる画面と、階調補正処理による補正度合いを選択させる画面とが別の画面であるとして説明したが、同一の画面において階調補正処理の実行の有無及び補正度合いが設定可能であってもよい。この場合、例えば、制御部111は、ユーザにより階調補正処理の実行の有無と階調補正処理による補正度合いとを設定することが可能な操作画面を表示部150に表示する。階調補正処理選択部317及び階調補正処理設定部3113は、制御部111により表示部150に表示された操作画面を介してユーザによって操作された内容に基づき、階調補正処理の実行の有無の選択及び階調補正処理による補正度合いの設定を行う。
図17を参照して、本実施形態における動作例を説明する。図17は、階調補正処理の実行の有無と階調補正処理による補正度合いとを設定する操作画面の画面例を示した図である。
図17(a)に示すように、操作画面W300には、向かって左側に、階調補正処理の処理モードを選択するためのボタンを含む領域E300が表示される。領域E300には、処理モードをOffにすることを選択するOffボタンB300と、処理モードをAutoにすることを選択するAutoボタンB302と、処理モードをManualにすることを選択するManualボタンB304とが含まれる。なお、OffボタンB300と、AutoボタンB302と、ManualボタンB304とは、現在選択されている処理モードに対応するボタンを、他のボタンと区別して表示されてもよい。例えば、選択されている処理モードを示すボタンの背景色は、他の処理モードのボタンの背景色とは異なる色を用いて表示されてもよい。
また、操作画面W300には、向かって右側に、現在の補正度合いを示す−2から+2までの範囲のスライダS300が表示される。スライダS300には、スライダS300の数値、すなわち、現在選択されている補正度合いを示すノブK300が表示される。スライダS300の下には、補正度合いを変更するためのボタンが配置される。+ボタンB306が選択された場合、スライダの数値は+の方向に移動する。これは、補正度合いが大きくなり、下地をより飛ばす(裏写りや被りが起こりにくくするために下地を薄くする)補正が実行されることを示す。一方、−ボタンB308が選択された場合、スライダの数値は−の方向に移動する。これは、補正度合いが小さくなり、下地をあまり飛ばさない(下地を残す)補正が実行されることを示す。
図17(a)は、処理モードがOffである場合の操作画面W300の表示例である。図17(a)に示すように、OffボタンB300は、他の処理モードを選択するボタンと区別可能に表示される。
処理モードのうち、「Off」は、階調補正処理を実施しないモードを示す。つまり、「Off」は、ある原稿を読み取った際、選択された階調補正テーブルがいずれであったとしても、読み取った画像データに対する階調補正処理がされず、そのまま画像形成が行われるモードである。なお、処理モードがOffである場合は、画像読取装置310は、透過光照射から階調補正テーブルの算出までは処理することなく無条件に画像形成を実行してもよい。
図17(b)は、処理モードがAutoである場合の操作画面W310の表示例である。図17(b)に示すように、AutoボタンB302は、他の処理モードを選択するボタンと区別可能に表示される。
処理モードのうち、「Auto」は、階調補正処理を無条件で実施するモードを示す。つまり、「Auto」は、ある原稿を読み取った際、選択された階調補正テーブルが制御部111により自動的に選択され、選択された階調補正テーブルに基づいて画像形成が行われるモードである。例えば、図17(b)に示す設定がされていて、ある原稿を読み取ったとする。この場合において、選択された階調補正テーブルがLUT4だったときは、引き続き、読み取った画像データに階調補正テーブルLUT4に基づく階調補正処理が施され、その後、実際の画像形成が行われる。
ここで、選択された階調補正テーブルがLUT8であるときは「裏写り軽減処理が適用されませんでした」等のメッセージが操作画面W310に表示されてもよい。また、選択された階調補正テーブルがLUT8以外であるときは、「裏写り軽減処理が適用されました」等のメッセージが操作画面W310に表示されてもよい。
なお、処理モードが「Off」もしくは「Auto」の場合、制御部111により選択された階調補正テーブルの度合いが変更されることはないので、補正度合いを変更するスライダS300はグレーアウトされたり、非表示にされたりしても構わない。
図17(c)は、処理モードがManualである場合の操作画面W320の表示例である。図17(c)に示すように、ManualボタンB304は、他の処理モードを選択するボタンと区別可能に表示される。また、補正度合いを示すスライダS300は、「1」を示しているとする。スライダS300の値が「1」であることは、画像形成装置10によって読み取られた原稿の画像データの下地を、1段階強く飛ばすことを意味する。
処理モードのうち、「Manual」は、自動的に選択された階調補正テーブルを補正度合いに基づきシフトさせた階調補正テーブルに基づいて画像形成が行われるモードである。例えば、図17(c)に示す設定がされていて、ある原稿を読み取ったとする。この場合において、選択された階調補正テーブルがLUT4だったとき、スライダS300で指定されているプラス方向に1段階分強く下地を飛ばすために、LUT3に基づく階調補正処理が施される。そして、階調補正処理後に、実際の画像形成が行われる。
なお、処理モードが「Off」もしくは「Auto」の場合において、+ボタンB306又は−ボタンB308が選択されたときに、処理モードが「Manual」に変更されてもよい。
また、処理モードが「Auto」であるときと同様に、選択された階調補正テーブルがLUT8であるときは「裏写り軽減処理が適用されませんでした」等のメッセージが操作画面W310に表示されてもよい。また、選択された階調補正テーブルがLUT8以外であるときは、「裏写り軽減処理が適用されました」等のメッセージが操作画面W310に表示されてもよい。
以上のように構成したので、第3実施形態によれば、画像読取装置310において、例えば、階調補正処理選択部317を表示部150にタッチ操作可能に設けることで、表示部150においてユーザが階調補正処理を選択的に実行することが可能になる。
また、第3実施形態によれば、階調補正処理設定部3113を備えて、階調補正処理による補正度合いを段階的に設定するようにすることで、ユーザ毎に好みに対応した画像補正を行うことが可能となる。
さらに、画像読取装置310がユーザ認証が可能なシステムであれば、ユーザが設定を変更した場合は、その設定を記憶して、使用するユーザに応じて自動的に前回の設定にすることが可能であり、より簡便かつ効果的な運用が可能となる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る画像読取装置は、階調補正処理に関する情報を表示可能な表示部を備えることを特徴とするものである。
例えば、第1実施形態に係る画像形成装置10において、操作部140に設けられた表示部150に、階調補正処理に関する情報を表示するようにしたものであってもよい。
表示部150に表示される階調補正処理に関する情報は、濃度補正に係る情報、選択された階調補正テーブルの段階の情報を含む。
第4実施形態では、画像読取装置において、階調補正処理が実行される状態(階調補正を行う機能がONになっている状態)で選択された階調補正テーブルは、階調補正テーブルLUT1以外、すなわち、階調補正処理が実行される階調補正テーブルの場合は、表示部150上に階調補正に関するメッセージ乃至は選択された階調補正テーブルの段階を表示するようにされている。
以上のように構成したので、第4実施形態によれば、画像形成装置10の表示部150等に、階調補正処理に関する情報等を表示することで、実行される階調補正処理の状態を確認することができる。これにより、ユーザの好みに応じた階調補正処理の設定を行うときの指針に繋げることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態は、上述した実施形態において、さらに、透過光検出センサより得られた透過光率が所定以上であった場合は、原稿の厚みに係らず、読み取った画像データに対して実行される画像処理を該透過率に対応する画像処理に切り替える実施形態である。
第1実施形態において記述したように、通常は用紙の坪量が大きいほど透過光率は落ちていくため、透過光の強さから紙の厚さを推定することが可能である。しかし、例外として、OHP(Overhead projector)シートのように、光源からの光を透過させてスクリーンに投射させるための用紙は、用紙の坪量が大きいほど透過光率は落ちるという関係は当てはまらない。
図18は、汎用の分光計を用いて種々の用紙及びいくつかのOHPシートの透過光率とその用紙の坪量の関係をプロットした図である。図18のうち、三角の記号で示した点は、OHPシートの透過光率と坪量との関係を示している。
図18から明らかなように、どのOHPシートでも、坪量に係らず透過率は非常に高いと考えられる。そのため、OHPシートに関しては、透過光率から坪量を推定することはできない。一方で、通常の用紙は、OHPシートと異なり、透過率が80%を超える場合は存在しないと考えられる。そこで、本実施形態では、透過光検出センサより得られた透過光率が所定の透過効率(例えば、80%)以上である場合、読み取られた原稿がOHPシートであると判定する。なお、読み取られた原稿がOHPシートであると判定する閾値(坪量を推定することができないこととする閾値)とする透過光率は、予め定められていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。
本実施形態では、制御部111は、読み取られた原稿がOHPシートであると判定した場合、本実施形態では、以下の2つの処理のうち、少なくとも1つを実行する。
(1)最小限の下地除去
OHPシートの場合、スクリーンに投影するという性質上、両面コピーという用途は存在しないと考えられる。また、仮に、OHPシートの表面と裏面とに、それぞれ異なる画像が記載されている場合でも、コピー時には表面の画像も裏面の画像も区別なく同じように再現する。そのため、裏面の画像が表面の画像上にうっすらと写って画像品質を損ねてしまうことに起因する裏写りの問題は存在しない。
また下地濃度は原稿押えカバーの素材の濃度にほぼ一致するため、原稿押えカバーの素材の濃度の影響を抑える程度の階調補正テーブルを実施すればよいと考えられる。
原稿押えカバーの素材が白と等価である場合、階調補正テーブルは何もせずに入力がそのまま出力でもよいともいえるが、経年劣化等で原稿押えカバー自体が汚れたりすることもある。したがって、この場合も、画像品質に影響は与えない程度の極々弱めの下地除去に相当する階調補正を実施するのがよいと考えられる。
そこで、本実施形態では、読み取られた原稿がOHPシートである場合、制御部111は、階調補正処理を実行するために用いられるテーブルとして、極々弱めに下地を除去する補正を実施する階調補正テーブルLUT9を選択する。具体的には、制御部111は、図11に示した階調補正処理の手順のステップS115において、透過光強度(透過光率)が閾値以上であれば、紙の厚みを設定することなく、階調補正テーブルLUT9を選択する。これにより、制御部111は、ステップS117において、階調補正テーブルLUT9を用いた階調補正処理を実行する。このように、OHPシートのような透過性を持つ原稿では裏写りや被りの悪影響がほとんど無いことを考慮し、制御部111は、画像品質には影響を与えない程度の最小限の下地除去を行なう処理を実行する。
図19は第5実施形態に係る画像読取装置に用いる階調補正テーブルの補正前濃度値と補正後濃度値の関係の一例を示す説明図、図20は画像読取装置における透過光率と紙の厚みと階調補正テーブルとの関係の一例を示す補正用テーブルの説明図である。
図19に示すように、例えば、LUT9は、LUT8が選択された場合よりも強く、LUT7よりは弱い階調補正処理が実施される階調補正テーブルとする。
また、図20に示すように、透過光率が所定の透過効率(図20の例では80%)以上である場合は、紙の厚みに関わらず、最小限の下地除去を行なう処理を実行するために用いられる階調補正テーブルLUT9が選択されるようにする。
例えば、OHPシート用紙に画像が印刷されている原稿を読み取ろうとしたときに、図6の透過光検出センサ114(2)及び透過光検出センサ114(8)に示した測定位置が原稿の下地に対応する位置であったとする。透過光検出センサ114(2)が測定した透過光率LY2が90%であり、透過光検出センサ114(8)が測定した透過光率LY8が92%である場合、制御部111は、当該原稿の透過光率を、LY2とLY8との平均をとって、91%であると判定する。この場合、透過光率が80%以上なので、制御部111は、紙厚度は関係なく、階調補正テーブルとして階調補正テーブルLUT9を選択する。
(2)ノイズの除去
OHPシートは、その材質の特性上、通常の紙に比べて表面に静電気が発生しやすいため、目視等では事前に判別できないくらいの微小なゴミや埃が付着しやすい傾向がある。
ここで、微小なゴミや埃が表面に付着したままのOHPシートに基づいて画像形成を行う場合、ゴミや埃が印刷結果に反映されてノイズのようになってしまうことがある。
そのためノイズ除去の処理を実行するのもよい。
画像のノイズを除去する方法として、例えば、制御部111は、メディアンフィルタを用いたフィルタ処理を実行する。メディアンフィルタは、解像度を比較的低下させずにノイズを除去する特徴をもち、対象画素を所定の複数画素の濃度の中央値に変換するものである。制御部111は、このようなフィルタ処理を、図11に示した階調補正処理の手順のステップS117において実行する。
例えば、縦3画素×横3画素のサイズのメディアンフィルタを用いたフィルタ処理が実行される場合について説明する。入力された画像データのうち、ある対象画素を含む3×3サイズの濃度(画素値)が図21に示す値であったとする。この場合、制御部111は、各画素の濃度を小さい順に整列させて、{16,16,22,32,64,98,150,180,202}といった配列を取得する。この配列の中央値は「64」なので、制御部111は、対象画素である中央画素の濃度を、202から64に変換する。メディアンフィルタを用いたフィルタ処理が実行されることで、対象画素がノイズの場合であっても、対象画素の濃度が周辺の濃度に基づき変換されることで、画像データからノイズが除去される。
なお、制御部111は、読み取られた原稿がOHPシートであると判定した場合、上述した処理の両方を実行してもよいし、上述した処理以外の処理を実行してもよい。
本実施形態によれば、透過光検出手段より得られた透過光率が所定以上であった場合は、原稿の厚みに係らず、読み取り画像データに対して実行される画像処理を該透過率に対応する画像処理に切り替えることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。
第6実施形態は、上述した実施形態において、さらに、原稿下地部分の色情報を取得し、紙厚度に加えて色情報も加味して、読み取り画像データに対して実行する画像処理を切り替える実施形態である。
第1実施形態において記述したように、通常は用紙の坪量が大きいほど透過光率は落ちていくため、透過光の強さから紙の厚さを推定し、推定した紙の厚さに基づき最適な階調補正テーブルを選択し、階調補正処理を実施することが可能である。しかし、原稿の用紙自体が白ではなく色味をもっている原稿の場合は、必ずしも上述した関係が当てはまるとは限らず、適切に階調補正処理が実施できない場合がある。
色味を持っている原稿とは、例えば、新聞紙、古紙、わら半紙、カラーペーパー等である。この中で、新聞紙、古紙、わら半紙等の素地の色は意図して付けられたものではなく、粗悪な紙質や退色による黄ばみに起因するものである。また、薄い紙質であるため裏写りも発生しやすい。このように、新聞紙、古紙、わら半紙等は、意図していない色味により、文字等の判読性が劣ることが多い。このような原稿に対しては、裏写り防止も含めて、画像形成の際、下地の除去は実施される必要があると考えられる。
一方、カラーペーパーのように意図して色がつけられた紙の場合は、画像形成後も色味を再現させておく必要があると考えられる。したがって、カラーペーパーが原稿である場合、必ずしも、裏写り防止のために階調補正を実施する必要があるとは限らない。
そこで、本実施形態では、制御部111は、原稿下地部分であるかどうかの判定を行う際に複数の透過光検出センサ114から取得した原稿下地部分の画像データの濃度に基づき、当該原稿下地部分の色情報を取得する。そして、制御部111は、当該原稿が下地に色味をもっている原稿であるか否かに基づき、階調補正処理を行う。
ここで、通常、原稿読取部113等の読取装置で読み取られた画像データはRGB色空間のデータで現される。また、RGB色空間上で現された色を、画像の明るさを表すとされる輝度成分と画像の色を表すとされる色差成分とに変換することが可能である。RGB色空間上で現された色を、輝度成分及び色差成分に変換する手法は多々存在するが、ここではYUV色空間と呼ばれる表色系に変換する。RGB色空間上で現された色の成分(R成分、G成分、B成分)をYUV色空間における成分(Y成分、U成分、V成分)に変換する式は、以下の通りである。なお、以下の説明では、R成分、G成分、B成分、Y成分、U成分、V成分の値を、それぞれ、R、G、B、Y、U、Vで表す。
Y= 0.299×R+0.587×G+0.114×B
U=−0.147×R−0.289×G+0.436×B
V= 0.615×R−0.515×G−0.100×B
ここで、Y成分は輝度成分であり、値が大きいほど明るい色になる。UV成分は色差成分であり、正負いずれの方向でも数値が大きいほど何がしかの色味をもつことになる。逆にいえば、UV成分の数値が0に近いほど色味をもたない、つまり、無彩色に近い色であることになる。
新聞紙や古紙やわら半紙は、薄いグレーか黄ばんだ色である。そのため、Y成分は大きめの成分となり、UV成分は小さめの成分となる。一方で、カラーペーパーははっきりとした色味を持つため、新聞紙等と比べて、色差成分のU成分又はV成分の少なくとも何れか(又は両方)は、正負何れかの方向において大きめの成分となる。
このように、YUV色空間における成分の特徴に基づき、制御部111は、原稿下地部分の色情報に基づき原稿の種類(原稿タイプ)を推定する。なお、原稿タイプとは、原稿に用いられている材質等をいう。
例えば、制御部111は、以下に示す条件に基づき、原稿下地部分に含まれる画素が、当該画素が新聞紙やわら半紙の下地の画素であるか否か、カラーペーパーの画素であるか否かを順に判定する。そして、制御部111は、画素毎の判定結果に基づき、原稿が新聞紙やわら半紙であるか、カラーペーパーであるかを判定する。なお、制御部111は、原稿下地部分に含まれる全ての画素を判定してもよいし、原稿下地部分含まれる画素の一部を判定してもよい。また、制御部111は、原稿下地部分に含まれる画素の画素値の平均値や中央値を算出し、当該算出した画素値に基づく画素に対して判定を行ってもよい。
(1)新聞紙やわら半紙であるか否かの判定
前述のように、新聞紙やわら半紙における下地の色の成分は、Y成分は大きめの成分となり、UV成分は小さめの成分となる。そこで、制御部111は、注目している画素について、Y、U、Vが以下の式を満たす場合、新聞紙やわら半紙の画素であると判定する。
190<Y<240
−1<U<−10
1<V<5
(2)カラーペーパーであるか否かの判定
制御部111は、注目している画素が新聞紙及びわら半紙の画素ではない場合、つづいて、注目している画素がカラーペーパーの画素であるか否かを判定する。前述の通り、カラーペーパーにおける下地の色の成分は、U成分又はV成分の少なくとも何れか(又は両方)が、正負何れかの方向において大きめの成分となる。そこで、制御部111は、注目している画素について、Y、U、Vが以下の式を満たす場合、カラーペーパーの画素であると判定する。
0<Y<200
Uの絶対値>10もしくはVの絶対値>10 (又は両方)
つづいて、制御部111は、上述した判定の結果に基づき、原稿の種類を判定する。例えば、原稿下地部分に含まれる画素に対して、新聞紙やわら半紙であると判定した画素の割合と、カラーペーパーであると判定した画素の割合とを求める。この場合において、新聞紙やわら半紙であると判定した画素の割合が所定の割合(例えば、50%)以上であれば、制御部111は、原稿の種類が新聞紙やわら半紙であると判定する。また、カラーペーパーであると判定した画素の割合が所定の割合(例えば、50%)以上であれば、制御部111は、原稿の種類がカラーペーパーであると判定する。
上述した判定に用いられるY、U、Vの式(条件)は一例であり、使用される画像読み取り装置の特性に応じて異なる。そのため、事前に、使用される画像読み取り装置での新聞紙やわら半紙及びカラーペーパーの下地部の色情報に基づき、それぞれの原稿タイプを判定できるように、Y、U、Vの式(条件)が決定されていればよい。
原稿が新聞紙やわら半紙であると判定した場合、制御部111は、紙厚度に応じて決定された階調補正テーブルをそのまま、もしくは、下地除去度合いをより飛ばす(補正を強める)方向に階調補正テーブルをシフトさせる。その上で、制御部111は、シフト後の階調補正テーブルを用いて階調補正処理を実施する。
一方、原稿がカラーペーパーであると判定した場合、制御部111は、階調補正テーブルを、飛ばさない方向(補正を弱める)にシフトさせた上で、シフト後の階調補正テーブルを用いて階調補正を実施する。
なお、いずれの原稿であると判定しなかった場合は、制御部111は、紙厚度に応じて決定された階調補正テーブルを用いて階調補正処理を実施すればよい。
具体的には、制御部111は、階調補正処理の手順のステップS115の後に原稿タイプを判定する。また、制御部111は、階調補正処理の手順のステップS117において、ステップS115において設定した紙厚度及びステップS115の処理の後に判定した原稿タイプに基づき階調補正テーブルを選択し、階調補正処理を実行する。
なお、新聞紙やわら半紙は比較的粗悪な材質のため、OHPシートのように、ノイズが発生しやすいと考えられる。したがって、制御部111は、原稿タイプを新聞紙やわら半紙であると判定した場合、第5実施形態と同様に、ノイズ除去処理を追加して実施してもよい。
また、本実施形態を第5実施形態に適用する場合は、はじめに制御部111は、原稿がOHPシートであるか否かを判定し、原稿がOHPシートでない場合に、原稿タイプを判定すればよい。このようにすることで、制御部111は、透過効率及び原稿下地部の色情報に基づき、原稿がOHPシート、新聞紙、わら半紙、カラーペーパー、それ以外の原稿の何れかであるかを判定し、判定結果に基づき、階調補正テーブルをシフトさせたり、所定の処理を実行することが可能となる。
このように、本実施形態では、原稿下地部分の色情報に基づき原稿タイプを判定し、紙厚度及び原稿タイプに基づき選択された階調補正テーブルを用いた階調補正処理を実行することができる。この結果、原稿タイプに応じて、適切な階調補正処理が実行される。
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
10 画像形成装置
100 制御部
110,210,310 画像読取装置
111,311 制御部
112,212 自動原稿搬送部
113 原稿読取部
114,214 透過光検出センサ(透過光検出部)
116,160 記憶部
140 操作部
150 表示部
317 階調補正処理選択部
1111 原稿厚み設定部
1112 階調補正テーブル選択部
1121 原稿押えカバー(原稿押え部)
1131 原稿台(原稿載置部)
1131a 原稿読取位置
1132 光源ユニット
1133 光源
1161 透過光率
1162 紙厚み情報
1163 階調補正テーブル
3113 階調補正処理設定部
G1,G2 原稿
LUT 階調補正テーブル
TH 紙の厚み

Claims (10)

  1. 原稿を照射する光源を備える光源ユニットと、記憶部と、制御部とを備えて、前記光源により原稿に光を照射して画像を読取る画像読取装置であって、
    原稿に光を照射したときに前記原稿の下地領域を透過した光を検出する透過光検出部を備え、
    前記記憶部には、原稿の下地領域の透過光率に応じて画像の補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブルが記憶され、
    前記制御部は、
    前記透過光検出部の検出結果に基づき前記原稿の下地領域の透過光率を算出し、
    算出された透過光率に応じて前記原稿の厚みを設定し、
    前記複数の階調補正テーブルから前記原稿の厚みに対応する階調補正テーブルを選択し、
    選択された階調補正テーブルに基づき、前記原稿より読取った画像の濃度を補正する階調補正処理を実行することを特徴とする画像読取装置。
  2. 原稿を載置するための原稿載置部と、
    前記原稿載置部に載置された原稿を押える原稿押え部と、
    前記原稿載置部に載置された原稿に対して前記光源ユニットを移動することで原稿を走査する原稿読取部と、
    を備え、
    前記透過光検出部は、前記原稿押え部において、前記原稿を読取る位置で前記原稿を介して前記光源ユニットと対向する位置で少なくとも1箇所に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 複数の原稿を載置して、原稿を読取る位置に原稿を1枚ずつ自動搬送する自動原稿搬送部と、
    前記原稿を読取る位置に前記光源ユニットを配置して、前記光源ユニットに対して原稿を移動することで前記原稿を走査する原稿読取部と、
    を備え、
    前記透過光検出部は、前記原稿を読取る位置で移動する原稿を介して前記光源ユニットと対向する側で、前記光源ユニットと対向する位置で少なくとも1箇所に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  4. 前記階調補正処理を実行するか否かを選択する階調補正処理選択部を備えることを特徴とする請求項1から3のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
  5. 前記階調補正処理による補正度合いを段階的に設定とする階調補正処理設定部を備え、
    前記階調補正処理設定部は、補正度合いに応じて前記の複数の階調補正テーブルを段階的に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  6. 前記制御部は、前記透過光率が所定の値以上である場合、当該透過光率に対応する階調補正テーブルを選択し、選択された階調補正テーブルに基づき階調補正処理を実行することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像読取装置。
  7. 前記制御部は、
    前記透過光検出部の検出結果に基づき前記原稿の種類を判定し、
    前記透過光率及び前記原稿の種類に基づいて前記階調補正テーブルを選択し、
    選択された階調補正テーブルに基づき階調補正処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像読取装置。
  8. 階調補正処理に関する情報を表示可能な表示部を備えることを特徴とする請求項1から7のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
  9. 前記制御部は、前記階調補正処理の実行の有無及び前記階調補正処理における補正度合いの設定のうち、少なくとも何れか一方が可能な画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項8に記載の画像読取装置。
  10. 原稿を照射する光源を備える光源ユニットと、記憶部と、制御部とを備えて、前記光源により原稿に光を照射して画像を読取る画像読取装置の画像処理方法であって、
    原稿に光を照射したときに前記原稿を透過した光を検出し、
    前記記憶部に、原稿の下地領域の透過光率に応じて画像の補正前濃度に対応して補正後濃度を設定する複数の階調補正テーブルを記憶し、
    前記原稿を透過した光を検出した結果に基づき前記原稿の下地領域の透過光率を求め、
    前記透過光率に応じて前記原稿の厚みを設定し、
    前記複数の階調補正テーブルから前記原稿の厚みに対応する階調補正テーブルを選択し、
    選択された階調補正テーブルに基づき、前記原稿より読取った画像の濃度を補正する階調補正処理を実行することを特徴とする画像処理方法。
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