JP7339794B2 - 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。
画像読取装置としては、イメージセンサを用いたイメージスキャナが知られている。画像の読み取りを行う場合、光源を原稿に照射し原稿からの反射光を読み取るが、原稿そのものの光沢性や平滑性の違いによる影響を受けにくくするために正反射成分の反射光ではなく拡散反射成分の反射光を読み取るのが一般的である。
特許文献1では原稿に金色や銀色等の光沢性が非常に高い金属色が記録されている際に金属色を良好な色で読み取るための方法が提案されている。この方法では拡散反射成分の反射光を読み取ることで得られる画像と、原稿からの反射光を乱反射させることで正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光を読み取ることで得られる画像との色成分毎の差分によって金属光沢領域か否かの判定をしている。光沢性の非常に高い金属色は正反射成分が非常に多く、拡散反射成分が著しく少なくなるため、一般的な画像読取装置で得られる画像は見た目の印象よりも暗くなってしまう。しかし、特許文献1では金属色の領域は乱反射させて正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光を読み取ることで得られる画像を用いることで良好な色で読み取ることが可能となる。
特許第4024737号公報
しかしながら、金色や銀色等の金属色が記録されている原稿の紙種によっては、読み取りの結果、金属色ではない色が記録されている領域を金属色であると誤判定してしまうことがある。特許文献1では金属色の正反射成分の反射光が多く、拡散反射成分の反射光が少ないことを利用して2つの画像の色成分毎の差分を取り、閾値と比較することで判定を行っている。しかし、光沢紙のような反射率の高い紙種の場合、金属色ではない色でも紙による反射によって金属色程の強度ではなくとも正反射成分の反射光は多くなり、拡散反射成分の反射光は少なくなる。この場合、金属色ではない色が記録されている領域でも金属色であると誤判定されてしまう。
そこで、本発明は、当該原稿の読み取りデータに対し、金属光沢領域の判定を良好に行うことを目的とする。
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、画像処理装置であって、原稿に光を照射し、拡散反射成分の反射光の読み取りによって得られる第1の画像データを取得する第1の取得手段と、前記原稿に光を照射し、正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光の読み取りによって得られる第2の画像データを取得する第2の取得手段と、前記第1の画像データを用いて、前記原稿の表面平滑度を判定し、前記原稿の表面平滑度に基づき、色情報に対する閾値を設定する設定手段と、前記第1の画像データと前記第2の画像データの色情報の差分と、前記設定手段にて設定された閾値との比較の結果に基づいて前記原稿の画像データに含まれる画素が金属色かを判定する判定手段と、を有し、前記設定手段は、前記表面平滑度が高い場合は、前記表面平滑度が低い場合に比べて、前記色情報に対する閾値に高い値を設定する。


本発明により、当該原稿の読み取りデータに対し、金属光沢領域の判定が良好なものとなる。
本発明に係る読取装置の概観斜視図。 本発明に係る原稿の読み取り動作を説明するための図。 本発明に係る読取装置の内部構成の例を示す図。 本発明に係る読取装置における画像処理のフローチャート。 第1の実施形態に係る読取動作のフローチャート。 第1の実施形態に係る金属光沢領域判定のフローチャート。 画像読取時の光の反射を説明するための図。 第1の実施形態に係る読み取り画像生成のフローチャート。 第2の実施形態に係る金属光沢領域判定のフローチャート。 第3の実施形態に係る金属光沢領域判定のフローチャート。 第4の実施形態に係る読み取り画像生成のフローチャート。 第4の実施形態に係る3次元の色補正テーブルを説明するための図。 第4の実施形態に係る四面体補間を説明するための図。 本発明を適用可能な複写装置の内部構成の例を示す図。 本発明の一実施形態に係る閾値設定を説明するための図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
<第1の実施形態>
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る画像処理装置として適用可能な読取装置100の概観斜視図である。ここでは、読取装置100として、いわゆるフラットベッドタイプのスキャナを例に挙げて説明する。図1に示すように、読取装置100は、セットした原稿を押さえるための原稿台カバー101、原稿を置くための原稿台102、およびセットした原稿を読み取るための原稿読取ユニット103を含む。ユーザーが原稿台102の上に原稿を置き、原稿台カバー101を閉じ、スキャナボタンキー104を押下すると、原稿読取ユニット103は原稿の読み取りを開始する。スキャナボタンキー104は、読み取りモードによってそれぞれボタンが割り当てられており、ユーザーは使用したいモードに応じてボタンを押下する。本実施形態に係る読取装置100は、原稿をカラーで読み取ることができるカラースキャンモード、原稿をモノクロで読み取ることができるモノクロスキャンモード、金色や銀色等の金属色が記録された原稿を読み取ることができるメタリックスキャンモードを有する。なお、本実施形態では、金属色以外の色を非金属色と称する。本実施形態では、メタリックスキャンモードについて説明するものとし、カラースキャンモードおよびモノクロスキャンモードについては説明を省略する。
図2は、読取装置100による原稿を読み取る動作を表した図である。原稿読取ユニット103はモーター(不図示)により駆動される。例えば、原稿読取ユニット103は、所定方向に沿ったラインセンサにて構成され、その所定方向に直交する方向にモーター(不図示)により駆動されつつ、原稿に対する読み取りを行う。原稿読取ユニット103内に設置されている光源201から原稿に照射され、原稿から反射された拡散反射成分の光をロッドレンズアレイ202に通し、反射信号を検出するセンサー203により読み取る。
図3は、読取装置100の内部構成の例を示すブロック図である。CPU301は、読取装置100の動作を制御する。ROM302は、不揮発性の記憶領域であり、CPU301の制御および他の各部の動作を実行するための各種プログラムを格納している。例えば、後述する本願発明に係る各種処理のフローチャートにおける処理に対応するプログラムがROM302に格納されている。CPU301は、ROM302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各種処理を実現する。また、ROM302には、後述のシェーディング補正などの画像処理に使用される様々な値、テーブルおよびデータが格納されている。
スキャンユニット303は、原稿から画像を読み取り、取得した読み取り信号値(赤(R)、緑(G)および青(B)のアナログ輝度データ)をAD変換によりデジタル化して出力する。画像処理部304は、AD変換によりデジタル化された読み取り信号値の補正、画像の符号化などの画像処理を行う。画像処理の際、データの一時的な格納が必要となる場合は、RAM308が使用される。オペレーションユニット305は、スキャナボタンキー(不図示)を備え、キーの押下状態を検出し、各部に各キーに対応する指示を送信する。ドライブユニット306は、スキャンユニット303を動作させるため、モーター制御するドライバ回路などを含む。PCインタフェース307はPC(Personal Computer)などの外部装置とのインタフェースであり、読取装置100はPCインタフェース307を介して外部装置とのデータ転送を行う。外部装置へのデータ転送の際にバッファが必要となる場合は、RAM308が使用される。
[処理フロー]
図4は、本実施形態係る読取装置100の画像処理部304で実行される画像処理のフローチャートである。
S401にて、画像処理部304は、スキャンユニット303で読み取られ、AD変換された画像データに対し、シェーディング補正を行う。シェーディング補正は、予め用意された白基準と黒基準をセンサー203にて読み取り、センサー203の撮像素子毎の読み取り値から、補正を行いスキャンユニット303における撮像素子のばらつきを補正する処理である。
S402にて、画像処理部304は、シェーディング補正後の画像データに対し、ガンマ補正を行う。ガンマ補正は、読取装置100で得られた画像の輝度値が自然な値となるように輝度値を補正する処理であり、ROM302に予め保持しているガンマ値テーブル(不図示)を用いて行うことができる。
なお、上記シェーディング補正とガンマ補正は、それぞれ本実施形態における読み取り動作を行う度に実行される。以下、説明上の便宜のために、図5のフローチャートにおいては上記シェーディング補正およびガンマ補正の記載を省略する。また、シェーディング補正とガンマ補正は公知の方法を用いてよく、ここでの詳細な説明は省略する。
(メタリックスキャンモードにおける読取動作)
図5は、本実施形態の特徴であるメタリックスキャンモードにおける読取動作を実行するためのフローチャートである。本処理において、金属光沢領域の判定および読み取り画像生成が行われる。金属光沢領域は金属色の画素から構成される領域を示し、非金属光沢領域は非金属色の画素から構成される領域を示すものとする。図5の処理フローは、ROM302に記憶されたプログラムに従って、スキャンユニット303と画像処理部304によって実行される。本実施形態では、読取装置100が備えるスキャナボタンキー104のうち、メタリックスキャンモードに対応するボタンキーが押下されたことに応じて、本処理フローが開始される。
S501にて、CPU301は、通常スキャンとして、原稿台102に設置された原稿の読み取りを、スキャンユニット303に実行させる。本ステップの読み取りの目的は、原稿の拡散反射成分の反射光による画像の取得である。
S502にて、CPU301は、乱反射スキャンとして、原稿台102に設置された原稿の読み取りを、スキャンユニット303に実行させる。本ステップの読み取りの目的は、原稿の正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光による画像の取得である。なお、正反射成分の反射光を取り入れるためには原稿台102と原稿の間に透明性が高く、光を乱反射させる部材を用いる必要がある。本実施形態においては薄いポリプロピレン製のシートを置いて読み取りを行うことで正反射成分の反射光を取り入れることとする。例えば、乱反射スキャン時において、読取装置100がモータ(不図示)を駆動することで、原稿読取ユニット103と原稿の間にシート(不図示)を設置するような構成であってもよい。または、ユーザーにシートを原稿台102上に設置させてもよい。
S503にて、画像処理部304は、S501で読み取られた画像を用いてS504で使用する閾値を設定する。本実施形態では、画像から原稿の表面平滑度を決定することにより、適した閾値を設定する。まず、画像における紙白領域を特定するために、画像を所定数の区画に分割し、区画毎の平均信号値を算出し、算出した平均信号値に基づいて紙白区画を判定する。
次に、判定された紙白区画から紙面の表面状態を読み取り、表面粗さや表面形状などに基づいて表面平滑度を決定する。具体的には、表面凹凸の深さを表面粗さ、表面凹凸の周期を表面形状の特徴とし、これらの特徴に着目して表面平滑度を決定する。例えば、半光沢紙と光沢紙を比較すると、半光沢紙は表面凹凸が深くて凹凸の周期が低い特徴がある。この特徴に基づき、紙白区画内の輝度差を算出することで凹凸深度の推定を行う。また、紙白区画を二値化し、その変化回数で凹凸周期の検知を行う。これにより求められた凹凸深度と凹凸周期により、表面平滑度を決定する。なお、原稿の表面平滑度を決定する方法としては他にもランレングスを利用した凹凸周期の検知や、ヒストグラムによる凹凸深度の推定を行う方法を用いてもよい。
決定された表面平滑度を基にROM302に予め保持している複数の閾値の中から設定を行う。表面平滑度が高い(すなわち、光沢紙に相当する)場合、閾値Th_L1に設定する。一方、表面平滑度が低い(すなわち、半光沢紙に相当する)場合、閾値Th_L2に設定する。原稿の表面平滑度が高い方が正反射成分の反射光が拡散反射成分の反射光に比べて強くなるため、閾値は高くする必要がある。つまり、閾値Th_L1と閾値Th_L2では閾値Th_L1の方が高い値を設定されていることとする(Th_L1>Th_L2)。
なお、紙白区画の判定の結果、紙白区画がない場合は区画毎の平均信号値が一番明るい区画を紙白に近い区画として選択することで処理を行ってよい。また、全面が金属光沢領域の場合、全ての区画が同じように暗くなってしまうが、この場合は表面平滑度を決定せず、低い閾値を設定してよい。本実施形態の場合、閾値Th_L2を設定してよい。低い閾値を設定することで表面状態によらず、金属光沢領域を判定することが可能になる。
S504にて、画像処理部304は、S501で通常スキャンにより読み取られた画像と、S502で乱反射スキャンにより読み取られた画像とから、金属光沢領域か否かの判定処理を行う。判定処理は画素単位で行われ、2つの画像の同じ座標の画素を比較することで判定される。判定方法の詳細は、図6を用いて後述する。
S505にて、画像処理部304は、S504で判定された結果を基に読み取り画像を生成する。生成方法の詳細は、図8を用いて後述する。
(金属光沢領域判定処理)
以下、図5のS504における金属光沢領域判定処理の詳細について説明する。図6は、本実施形態に係る金属光沢領域判定のフローチャートである。
S601にて、画像処理部304は、S501で取得した通常スキャンの画像とS502で取得した乱反射スキャンの画像それぞれの座標(X、Y)の画素(着目画素)の信号値(R、G、B)を明度に変換する。本実施形態では、RGB信号値を色情報の1つである明度に変換する方法として下記の式(1)に示すようにHLS色空間の明度Lを用いる。なお、これに限定するものではなく、HSV色空間やLab色空間の明度に変換してもよい。式(1)において関数MAX()は、複数の引数の値のうちの最大値を出力する関数である。また、関数MIN()は、複数の引数の値のうちの最小値を出力する関数である。
Figure 0007339794000001
・・・式(1)
本実施形態において、画像の所定の位置を原点(0,0)とし、その座標の画素から順に着目画素として処理を行うものとする。
S602にて、画像処理部304は、S601で明度に変換された2つの画像の信号値の比較を行う。図7(a)は、光沢紙に記録された金属光沢領域において、光源201から照射された光が反射する様子を示す図である。光が照射された位置が金属光沢領域である場合、正反射成分の反射光が非常に多く、拡散反射成分の反射光が著しく少なくなる。ここでは反射光の量を、矢印の長さにて概念的に示している。
図7(b)は、光沢紙に記録された非金属光沢領域において、光源201から照射された光が反射する様子を示す図である。光が照射された位置が非金属光沢領域である場合、正反射成分の反射光が金属光沢領域よりも少なく、拡散反射成分の反射光が金属光沢領域よりも多くなる。このことから、正反射成分の反射光を取り入れた乱反射スキャンの読み取り画像と通常スキャンの読み取り画像の明度差は、非金属光沢領域よりも金属光沢領域の方が大きくなる。従って、乱反射スキャンと通常スキャンの明度で差分をとり、S503で設定した閾値よりも明度差が大きい場合(S602にてYES)S603へ進む。一方、閾値よりも乱反射スキャンと通常スキャンの明度差が、S503で設定した閾値よりも小さい場合(S602にてNO)S604へ進む。
本実施形態ではS602で適用する閾値として、S503で設定した閾値を適用している。図7(c)は、半光沢紙に記録された金属光沢領域において、光源201から照射された光が反射する様子を示す図である。また、図7(d)は、半光沢紙に記録された非金属光沢領域において、光源201から照射された光が反射する様子を示す図である。上述したように、半光沢紙は光沢紙よりも紙の表面に凹凸があるため、反射光が拡散してしまい、正反射成分の反射光と拡散反射成分の反射光の差分が少ない。
閾値Th_L1は、図7(b)のような平滑度が高い領域が金属光沢領域と判定されないようにするため、比較的高い値が設定されている。一方、半光沢紙に閾値Th_L1を用いるとその値が高いため、図7(c)に示すような金属光沢領域を非金属光沢領域と誤判定してしまうことがある。従って、光沢紙のような平滑度の高い場合に適用する閾値Th_L1よりも、半光沢紙のような平滑度の低い場合に適用する閾値Th_L2の方が低い値になるように予め設定される。これにより、どちらの原稿に対しても良好な領域判定を行うことができる。
S603にて、画像処理部304は、該当画素(X、Y)を金属光沢領域であると判定する。そして、S605へ進む。
S604にて、画像処理部304は、該当画素(X、Y)を非金属光沢領域であると判定する。そして、S605へ進む。
S605にて、画像処理部304は、全ての画素について処理が終了したか否かの判定を実行する。全ての画素に対して処理が終了していない場合(S605にてNO)S601に戻り、未処理の画素を対象として処理を繰り返す。ここでは、画素の座標値であるX、Yの値を更新することで、未処理の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が完了した場合(S605にてYES)本処理フローを終了する。
(読み取り画像生成処理)
以下、図5のS505における読み取り画像生成処理の詳細について説明する。図8は、本実施形態に係る読み取り画像生成のフローチャートである。
S801にて、画像処理部304は、画像における座標(X,Y)の画素に対し、図6にて説明した金属光沢領域判定処理の判定結果に基づいて、当該画素が金属光沢領域か否かを判定する。金属光沢領域である場合には(S801にてYES)S802へ進み、非金属光沢領域である場合には(S801にてNO)S803へ進む。ここでは、図6の処理と同様、画像の所定の位置を原点(0,0)とし、その座標の画素から順に着目画素として処理を行うものとする。
S802にて、画像処理部304は、金属光沢領域であると判定された画素(X、Y)に対し、S502における乱反射スキャンによって得られた画像の信号値(R、G、B)を読み取り画像(画素値)として生成する。そして、S804へ進む。
S803にて、画像処理部304は、非金属光沢領域であると判定された画素(X、Y)に対し、S501における通常スキャンによって得られた画像の信号値(R、G、B)を読み取り画像(画素値)として生成する。そして、S804へ進む。
S804にて、画像処理部304は、全ての画素について処理が終了したか否かの判定を実行する。全ての画素に対して処理が終了していない場合(S804にてNO)S801に戻り、未処理の画素を対象として処理を繰り返す。ここでは、画素の座標値であるX、Yの値を更新することで、未処理の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が完了した場合(S804にてNO)本処理フローを終了する。
以上、本実施形態により、原稿の紙種に関わらず、当該原稿の読み取り画像内の領域に対して金属光沢領域か否かを良好な判定をすることが可能となる。特に、平滑度(紙種に関連する情報)に基づいて異なる閾値が設定される。これにより、異なる紙種に対しても良好な領域判定を行うことが可能となる。更に、金属光沢領域の判定結果に応じて画像の生成(画素値の選択)を行うことで好適な画像をユーザーに提供することができる。更には金属光沢領域の判定結果を属性データとして画像に保存しておくことで、画像を表示する際にエフェクトを加えるなどして金属色であることをわかるようにすることも可能になる。
なお、本実施形態においては原稿の紙種としては光沢紙と半光沢紙の2種類の例を用いて説明を行ったが、これは表面平滑性の異なる紙種の一例であり、本発明はこれに限るものではない。また、S503の閾値設定において表面平滑度によって更に細かく閾値を設定してもよい。閾値を細かく設定することでその平滑度に近い原稿を用いた際の判定精度をより高めることが可能となる。なお、紙種や紙の表面平滑性に応じた閾値は、予めテーブルなどにより定義されていてよい。
更に、本実施形態では、読み取った画像から原稿の表面平滑度を決定することで適した閾値の設定を行っているが(図5のS503)、ユーザーに原稿種を選択させてその情報を基に閾値を設定する形式にしてもよい。ユーザーがスキャンモードを選択する際に、光沢紙用のメタリックスキャンモードや半光沢紙用のメタリックスキャンモードを用意し、その中から選択させることでも同様の効果が得られる。
また、乱反射スキャン(図5のS502)時において、正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光による画像の取得を行うために、原稿台102と原稿の間に光を乱反射させる部材を用いている。しかし、部材を用いずに直接正反射成分の反射光を読み取るような装置構成にしてもよい。具体的には、原稿読取ユニット103内の光源201から原稿に照射した光の拡散反射方向だけでなく正反射方向にもロッドレンズアレイ202とセンサー203を用意しておくことで、正反射成分の反射光による画像の取得を行うことが可能になる。
<第2の実施形態>
以下、本願発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分となる構成について説明する。
第1の実施形態では金属光沢領域の判定方法について、通常スキャンの画像と乱反射スキャンの画像の明度の比較を行うことで判定する方法の説明を行った。第2の実施形態では金属光沢領域の判定方法について、明度の比較に加えて、別の色情報である彩度の比較を行うことで判定する方法について説明する。
第1の実施形態では、図5のS503の処理において、画像処理部304が、S501で読み取られた画像を用いて、金属光沢領域判定処理(S504)で使用する閾値を設定する。第1の実施形態では、画像から原稿の表面平滑度を決定することでROM302に予め保持している複数の閾値から明度の閾値を設定していた。これに対し、第2の実施形態では、明度と彩度の閾値の設定をする。彩度の閾値も明度と同様に、原稿の表面平滑度が高い方が高い閾値を設定する。つまり、彩度に対する閾値Th_S1、Th_S2において、表面平滑度が高い場合に設定する閾値Th_S1と平滑度が低い場合に設定する閾値Th_S2では、閾値Th_S1の方を高い値に設定する(Th_S1>Th_S2)。
(金属光沢領域判定処理)
以下、本実施形態に係る金属光沢領域判定の詳細を記述する。図9は、本実施形態に係る金属光沢領域判定のフローチャートであり、図5のS504にて実施される処理である。
S901にて、画像処理部304は、2つの画像の座標(X、Y)の画素の信号値(R、G、B)を明度に変換する。本工程における処理内容は、第1の実施形態の図6のS601と同様であってよい。
S902にて、画像処理部304は、2つの画像の明度の比較を行う。本工程における処理内容は、第1の実施形態の図6のS602と同様であってよい。乱反射スキャンと通常スキャンの明度の差分が、図5のS503で設定した閾値よりも大きい場合(S902にてYES)S903へ進む。一方、閾値よりも乱反射スキャンと通常スキャンの明度差が、図5のS503で設定した閾値よりも小さい場合(S902にてNO)S906へ進む。
S903にて、画像処理部304は、図5のS501で取得した通常スキャンの画像とS502で取得した乱反射スキャンの画像の座標(X、Y)の画素の信号値(R、G、B)を彩度に変換する。本実施形態では、RGB信号値を彩度に変換する方法として下記の式(2)に示すようにHLS色空間の彩度Sを用いる。なお、これに限定するものではなく、HSV色空間の彩度やLab色空間のabを利用して彩度に変換したものを用いてもよい。式(2)において関数MAX()は、複数の引数の値のうちの最大値を出力する関数である。また、関数MIN()は、複数の引数の値のうちの最小値を出力する関数である。
Figure 0007339794000002
・・・式(2)
本実施形態において、画像の所定の位置を原点(0,0)とし、その座標の画素から順に着目画素として処理を行うものとする。
S904にて、画像処理部304は、S903で彩度に変換された2つの画像(通常スキャンによる画像、および、乱反射スキャンによる画像)の信号値の比較を行う。以下に詳細な説明を加える。S902において明度の比較によっての金属光沢領域か否かの判定はされている。しかしながら、明度の比較だけでは高光沢な紙に青色等の明度の低い色が記録されている場合に誤判定がなされる可能性がある。
図7(b)に示したように、光沢紙に記録された非金属光沢領域である場合、正反射成分の反射光が図7(a)で示した金属光沢領域よりも少なく、拡散反射成分の反射光が金属光沢領域よりも多くなる。しかし、高光沢な紙の場合、正反射成分の反射光は非金属光沢領域であっても紙による反射によって十分に強いため、得られる画像の信号値としては十分に明るい数値になってしまう。更に拡散反射成分の反射光は、明度の低い青色等の色が記録されている場合は色材によって光が吸収されてしまうため、得られる画像の信号値が暗い数値になってしまう。その結果、光の反射の様子としては図7(a)と図7(b)のように差があるにも関わらず、得られた画像の明度の観点だけで差分をとると、近い数値となってしまい、誤判定がなされてしまうことがある。
そこで、本実施形態では、S902における明度の観点により金属光沢領域と判定された領域に対して、更にS904において彩度に基づく比較を行う。既に述べてきたように高光沢な紙を用いた場合における非金属光沢領域の正反射成分の反射光は、紙による正反射の影響で強くなってしまう。更に紙による正反射の影響であるため、正反射成分の反射光には色材の色味があまり乗らず、光源の光をそのまま反射することになる。つまり、乱反射スキャンによって得られる非金属光沢領域の画像は光源の色である白の影響を強く受けるため彩度が下がるということになる。一方、金属光沢領域は金属色による正反射のため、こちらは非金属光沢領域のような彩度の低下は少ない。例えば、金色であれば正反射の色味はそのまま黄色となる。従って、乱反射スキャンと通常スキャンの彩度で差分をとり、S503で設定した閾値よりも乱反射スキャンの彩度の低下が大きい場合(S904にてYES)S906へ進む。一方、閾値よりも乱反射スキャンの彩度の低下が小さい場合(S904にてNO)S905へ進む。
また、本実施形態においてもS904で適用する閾値は、S503で設定した閾値を用いている。第1の実施形態でも述べたように、半光沢紙のような表面平滑度が低い紙種は光沢紙よりも紙の表面に凹凸があるため、反射光が拡散してしまい、正反射成分の反射光と拡散反射成分の反射光の差分が少ない。従って、光沢紙のような表面平滑度の高い場合に適用する閾値Th_S1よりも半光沢紙のような表面平滑度の低い場合に適用する閾値Th_S2の方が低い値になるように予め設定しておくことにより、どちらの原稿に対しても良好な領域判定を行うことができる。
S905にて、画像処理部304は、該当画素(X、Y)を金属光沢領域であると判定する。そして、S907へ進む。
S906にて、画像処理部304は、該当画素(X、Y)を非金属光沢領域であると判定する。そして、S907へ進む。
S907にて、画像処理部304は、全ての画素について処理が終了したか否かの判定を実行する。全ての画素に対して処理が終了していない場合(S907にてNO)S901に戻り、未処理の画素を対象として処理を繰り返す。ここでは、画素の座標値であるX、Yの値を更新することで、未処理の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が完了した場合(S907にてYES)本処理フローを終了する。
以上、本実施形態では明度の観点で金属光沢領域であると判定された領域の中から更に彩度の低下で閾値を設けて彩度低下の値が大きいものを非金属光沢領域であるとして追加の判定を行っている。従って、本実施形態により、第1の実施形態と比較して、金属光沢領域の判定の精度を向上させることができる。例えば、銀色のように元から彩度が低く、乱反射スキャンと通常スキャンの彩度が変わらないような領域においても金属光沢領域から除外してしまうことなく判定することが可能となる。
<第3の実施形態>
以下、本願発明の第3の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分となる構成について説明する。
第1の実施形態では金属光沢領域の判定方法について、通常スキャンの画像と乱反射スキャンの画像の明度の比較を行うことで判定する方法の説明を行った。また、第2の実施形態では明度の比較に加えて彩度の比較を行うことで判定する方法の説明を行った。第3の実施形態では、金属光沢領域の判定方法について、彩度のみの比較を行うことで判定する方法を説明する。
第1の実施形態では、図5のS503において、画像処理部304が、S501で読み取られた画像を用いて、金属光沢判定処理(S504)で使用する閾値を設定する。これに対し、第3の実施形態では、画像から原稿の表面平滑度を決定することでROM302に予め保持している複数の閾値から彩度の閾値を設定する。第2の実施形態と同様に、平滑度が高い場合に設定する閾値Th_S1と表面平滑度が低い場合に設定する閾値Th_S2では閾値Th_S1の方を高い値に設定する(Th_S1>Th_S2)。
(金属光沢領域判定処理)
以下、本実施形態に係る金属光沢領域判定の詳細を記述する。図10は、本実施形態に係る金属光沢領域判定のフローチャートであり、図5のS504にて実施される処理である。
S1001にて、画像処理部304は、2つの画像の座標(X、Y)の画素の信号値(R、G、B)を彩度に変換する。本工程における処理内容は、第2の実施形態の図9のS903と同様であってよい。
S1002にて、画像処理部304は、S1001で彩度に変換された2つの画像(通常スキャンによる画像、および、乱反射スキャンによる画像)の信号値の比較を行う。以下に詳細な説明を加える。第2の実施形態でも述べたように、非金属光沢領域における正反射成分の反射光は紙による反射のため、色材の色味があまり乗らず、光源の光をそのまま反射することになる。また、金属光沢領域における正反射成分の反射光は金属色による反射のため、金属色の色そのものを反射することになる。更に金属光沢領域における拡散反射成分の反射光は強度が弱く、暗くなるために黒に近い色になってしまう。つまり、拡散反射成分の反射光と正反射成分の反射光で比較すると金属光沢領域は正反射成分の彩度が高くなる。従って、乱反射スキャンと通常スキャンの彩度で差分をとり、S503で設定した閾値よりも彩度差が大きく、乱反射スキャンの方が鮮やかな場合(S1002にてYES)S1003へ進む。一方、閾値よりも乱反射スキャンと通常スキャンの彩度差が小さい場合(S1002にてNO)S1004へ進む。
S1003にて、画像処理部304は、該当画素(X、Y)を金属光沢領域であると判定する。そして、S1005へ進む。
S1004にて、画像処理部304は、該当画素(X、Y)を非金属光沢領域であると判定する。そして、S1005へ進む。
S1005にて、画像処理部304は、全ての画素について処理が終了したか否かの判定を実行する。全ての画素に対して処理が終了していない場合(S1005にてNO)S1001に戻り、未処理の画素を対象として処理を繰り返す。ここでは、画素の座標値であるX、Yの値を更新することで、未処理の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が完了した場合(S1005にてYES)本処理フローを終了する。
以上、本実施形態では彩度の観点でのみ金属光沢領域の判定を行う。つまり、銀色のような無彩色の金属色に関しては、正反射成分の反射光も無彩色のままであるため正しく判定できない。しかし、本実施形態では、第1の実施形態で行った明度のみの金属光沢領域の判定では誤判定になるような色でも判定できるようになる。例えば、第2の実施形態で述べたような、高光沢な紙に青色等の明度の低い色が記録されている場合である。また、第2の実施形態のように比較処理を複数にしていないため、第2の実施形態と比較して、処理を高速にすることが可能となる。
なお、第1~第3の実施形態にて述べた金属光沢領域の判定に関し、いずれの手法を用いるかをユーザーが選択できるような構成であってもよい。例えば、読取対象の原稿に応じて、メタリックスキャンモードの中から更に詳細なモードを選択できるような構成であってもよい。
<第4の実施形態>
以下、本願発明の第4の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分となる構成について説明する。
第1の実施形態では読み取り画像の生成方法について、乱反射スキャンによって得られた画像と通常スキャンによって得られた画像の合成を行うことで生成する説明を行った。第4の実施形態では、読み取り画像の生成方法について、判定結果に基づいて適切な色変換処理を行うことで生成する方法を説明する。
(読み取り画像生成処理)
以下、本実施形態に係る読み取り画像生成の詳細を記述する。図11は、本実施形態に係る読み取り画像生成のフローチャートであり、図5のS505にて実施される処理である。
S1101にて、画像処理部304は、画像における座標(X,Y)の画素に対し、金属光沢領域判定処理の判定結果に基づいて、当該画素が金属光沢領域か否かを判定する。金属光沢領域である場合には(S1101にてYES)S1102へ進み、非金属光沢領域である場合には(S1101にてNO)S1103へ進む。ここでの処理内容は、図8のS801と同様であってよい。
S1102およびS1103にて、画像処理部304は、画素(X,Y)に対し、領域の判定結果に応じて、通常スキャンによって得られた画像の信号値(R、G、B)の色変換処理を行う。色変換はマトリクスなどの演算で行うことも可能であるが、本実施形態においては判定結果に応じた柔軟な色変換を行うため、3次元の色補正テーブルを利用する。以下に詳細な説明を加える。
各画素に対して入力されるRGB値を各色8ビット(256階調)とした場合、全組み合わせを保持することは、データの容量の観点から現実的でないため、本実施形態では、色補正テーブルは所定の間隔で間引かれたものを使用する。図12は、本実施形態に係る色補正テーブルの一例を示す。本例では、各色256階調を17点のグリッド点とし、それに対応する色変換後のRGB値を記載したテーブルとする(17*17*17=4913グリッド点)。
グリッド点間の値は、補間処理を利用して算出する。補間方法については幾つかの方法があるが、本実施形態では四面体補間を利用した処理を記載する。四面体補間法は、3次元空間の分割単位を四面体として、4つの格子点を用いる線形補間である。手順は、まず、図13(a)に示すような四面体への分割を行う。そして、ターゲットとなる点pが分割された四面体のうち、いずれに属するかを決定する。その四面体の4頂点をそれぞれp0、p1、p2、p3とし、図13(b)に示すように、さらに細かい小四面体に分割される。各点の変換値をそれぞれf(p0)、f(p1)、f(p2)、f(p3)とした場合、下記の式3により補間値f(p)が求められる。
Figure 0007339794000003
・・・式(3)
ここで、w0、w1、w2、w3は、各頂点piと反対向位置の小四面体の体積比である。上記により、対象となるRGB値に対応した色変換後のRGB値を算出するが、階調性を考慮し、出力は8ビット以上でも構わない。なお、色補正テーブルは、S504で実行された判定結果に応じたテーブルを適用する。つまり、本実施形態では、金属光沢領域用の色補正テーブルと、非金属領域用の色補正テーブルが予め保持されているものとする。
S1102にて、画像処理部304は、金属光沢領域であると判定された画素(X、Y)に対し、通常スキャンによって得られた画像の信号値(R、G、B)の色変換処理を行う。S1102では、金属光沢領域に適した色補正テーブルを用いる。金属光沢領域用の色補正テーブルは、金属光沢領域の通常スキャン画像のRGB値を色変換した際に変換後のRGB値が見た目の印象に近くなるように作成すればよい。具体的には、様々な色の金属光沢色パッチが記録されている原稿を用意し、その原稿を通常スキャンした画像の信号値を入力RGB値として用意する。そして、積分球等の測色器を用いて正反射成分を含めた反射光によって原稿を測色して得られる測色値を、モニター表示における標準の1つとなっているsRGB値に変換した値を色変換後のRGB値として用意する。金属光沢領域はこれまで述べてきたように拡散反射成分の反射光が著しく少ないため、正反射成分の反射光を含めた測色を行うことによって見た目の印象に近くする。上記入力RGB値と色変換後のRGB値を組み合わせとして用いて、擬似逆行列等の公知の手法を用いることで金属光沢領域に適した色補正テーブルを作成することが可能となる。本処理の後、S1104へ進む。
S1103にて、画像処理部304は、非金属光沢領域であると判定された画素(X、Y)に対し、通常スキャンによって得られた画像の信号値(R、G、B)の色変換処理を行う。S1103では、非金属光沢領域に適した色補正テーブルを用いる。非金属光沢領域用の色補正テーブルは、非金属光沢領域の通常スキャン画像のRGB値を色変換した際に変換後のRGB値が見た目の印象に近くなるように作成すればよい。具体的には様々な色の非金属光沢色パッチが記録されている原稿を用意し、その原稿を通常スキャンした画像の信号値を入力RGB値として用意する。そして、積分球等の測色器を用いて正反射成分を含まない反射光によって原稿を測色して得られる測色値を、モニター表示における標準の1つとなっているsRGB値に変換した値を色変換後のRGB値として用意する。非金属光沢領域はこれまで述べてきたように、正反射成分の反射光を含めてしまうと紙による反射の影響を受けて記録されている色材の色を評価できなくなってしまうため、正反射成分の反射光を含まない測色を行うことによって見た目の印象に近くする。上記入力RGB値と色変換後のRGB値を組み合わせとして用いて、擬似逆行列等の公知の手法を用いることで非金属光沢領域に適した色補正テーブルを作成することが可能となる。本処理の後、S1104へ進む。
S1104にて、画像処理部304は、全ての画素について処理が終了したか否かの判定を実行する。全ての画素に対して処理が終了していない場合(S1104にてYES)S1101に戻り、未処理の画素を対象として処理を繰り返す。ここでは、画素の座標値であるX、Yの値を更新することで、未処理の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が完了した場合(S1104にてNO)本処理フローを終了する。
上記のように、本実施形態では乱反射スキャンによって得られた画像を金属光沢領域か否かの判定には用いるが、読み取り画像の生成には利用していない。本実施形態において、乱反射スキャンは、光を乱反射させる部材として薄いポリプロピレン製のシート(不図示)を原稿台102と原稿の間に置いた状態で原稿の読み取りを行っている。従って、乱反射スキャンによって得られる画像はピントがわずかに合わず、ぼけのある画像が取得されてしまう。本実施形態では読み取り画像の生成は通常スキャンの画像のみを用いているため、ぼけのない状態の画像を生成することが可能となる。
以上、本実施形態により、第1の実施形態と比較して、更に画像の品質を向上させることができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、読取装置の用途において、通常スキャンで読み取った画像から原稿の表面平滑度を決定することで閾値を設定した。そして、その閾値を用いて通常スキャンと乱反射スキャンの画像の差分と比較を行うことによって金属光沢領域の判定を行い、好適な読み取り画像が取得できる例を記載した。本発明は、読み取り機能を利用する他の用途にも適応可能である。例えば、上記のように読み取り処理と記録処理を組み合わせ、ユーザーへの利便性を提供している装置として、複写装置がある。複写装置においても、読み取り処理が実行されるため、本発明の適用は可能である。
図14は、本願発明を適用可能な複写装置の内部構成の例を示す図である。読取装置の構成に加えて、スキャンした画像を表示および操作するためのディスプレイ1401と画像を記録するプリントユニット1402を備える。ディスプレイ1401を備えることにより、S503で行っていた閾値設定において、ユーザー自ら設定することが可能になる。そのほかの構成については、図3に示した構成に対応するものとする。
図15は、ユーザーが閾値を設定する様子を示した図である。ディスプレイ1401には、通常スキャンと乱反射スキャンの差分の二値化結果を示す画面1501を表示し、ユーザーは画面1501の下部に表示されているスライドバー1502を動かすことで二値化に用いる閾値を自由に変えることができる。また、表示されている二値化結果もユーザーが操作した閾値に応じて変えることにより、ユーザーは結果を見ながら閾値の調整ができるため、読み取った画像に対して最適な閾値を設定することが可能になる。そして、複写装置は、受け付けたユーザー操作に基づいて、閾値の設定および画像生成処理を行う。
また、複写装置では好適な読み取り画像に対してプリントユニット1402を用いることでユーザーの見た目の印象に近い色で記録ができる。更には、特色の色材として銀色を搭載している複写装置であれば、金属光沢領域と判定された領域に銀色を用いることで金属光沢色の複写も可能になる。例えば、金属光沢領域と判定された金色の場合であれば銀色の色材を先に記録媒体に記録し、その後に黄色の色材を記録するように制御を行うことで金色の複写が可能になる。
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピューターにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100…読取装置、103…原稿読取ユニット、201…光源、203…センサー、301…CPU、303…スキャンユニット、304…画像処理部

Claims (13)

  1. 原稿に光を照射し、拡散反射成分の反射光の読み取りによって得られる第1の画像データを取得する第1の取得手段と、
    前記原稿に光を照射し、正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光の読み取りによって得られる第2の画像データを取得する第2の取得手段と、
    前記第1の画像データを用いて、前記原稿の表面平滑度を判定し、前記原稿の表面平滑度に基づき、色情報に対する閾値を設定する設定手段と、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データの色情報の差分と、前記設定手段にて設定された閾値との比較の結果に基づいて前記原稿の画像データに含まれる画素が金属色かを判定する判定手段と、
    を有し、
    前記設定手段は、前記表面平滑度が高い場合は、前記表面平滑度が低い場合に比べて、前記色情報に対する閾値に高い値を設定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記色情報は、少なくとも明度、彩度のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記判定手段は、前記第2の画像データの明度が前記第1の画像データの明度よりも高く、かつ、前記明度の差分が前記設定手段にて設定された明度に対する閾値を超える画素を、金属色として判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記判定手段は、前記第2の画像データの明度が前記第1の画像データの明度よりも高く、かつ、前記明度の差分が前記設定手段にて設定された明度に対する閾値を超える画素であって、前記第の画像データの彩度が前記第の画像データの彩度よりも高く、かつ、前記彩度の差分が前記設定手段にて設定された前記彩度に対する閾値を超える画素を、非金属色として判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記判定手段は、前記第2の画像データの彩度が前記第1の画像データの彩度よりも高く、かつ、前記彩度の差分が前記設定手段にて設定された彩度に対する閾値を超える画素を、金属色として判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記設定手段は、前記第1の画像データに含まれる紙白区画における表面凹凸の深さおよび周期に基づいて、前記原稿の表面平滑度を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記色情報に対する閾値の設定に関するユーザー操作を受け付ける手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記ユーザー操作に基づいて閾値を設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記判定手段により金属色と判定された画素に対しては前記第の画像データによる画素値を選択し、非金属色と判定された画素に対しては前記第の画像データによる画素値を選択することにより、前記原稿の画像データを生成する画像生成手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記判定手段により金属色と判定された画素と非金属色と判定された画素で異なる色補正テーブルを用いた色変換処理を前記第1の画像データに対して行うことにより、前記原稿の画像データを生成する画像生成手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 金属色と判定された画素に用いる色補正テーブルは、積分球の測色器を用いて正反射成分を含めた反射光によって測色した測色値を用いて作成され、
    非金属色と判定された画素に用いる色補正テーブルは、積分球の測色器を用いて正反射成分を含まない反射光によって測色した測色値を用いて作成されることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 銀色の色材を用いて記録媒体への記録が可能な記録手段を更に有し、
    前記記録手段は、前記画像生成手段により生成された画像データにおいて、前記判定手段により金属色と判定された画素に対して、前記銀色の色材を用いて前記記録媒体に記録を行うことを特徴とする請求項9乃至10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  12. 原稿に光を照射し、拡散反射成分の反射光の読み取りによって得られる第1の画像データを取得する第1の取得工程と、
    前記原稿に光を照射し、正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光の読み取りによって得られる第2の画像データを取得する第2の取得工程と、
    前記第1の画像データを用いて、前記原稿の表面平滑度を判定し、前記原稿の表面平滑度に基づいて、色情報に対する閾値を設定する設定工程と、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データの色情報の差分と、前記設定工程にて設定された閾値との比較の結果に基づいて前記原稿の画像データに含まれる画素が金属色かを判定する判定工程と、
    を有し、
    前記設定工程では、前記表面平滑度が高い場合は、前記表面平滑度が低い場合に比べて、前記色情報に対する閾値に高い値を設定することを特徴とする画像処理方法。
  13. コンピューターに
    原稿に光を照射し、拡散反射成分の反射光の読み取りによって得られる第1の画像データを取得する第1の取得工程と、
    前記原稿に光を照射し、正反射成分の反射光を取り入れた状態の反射光の読み取りによって得られる第2の画像データを取得する第2の取得工程と、
    前記第1の画像データを用いて、前記原稿の表面平滑度を判定し、前記原稿の表面平滑度に基づいて、色情報に対する閾値を設定する設定工程と、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとの色情報の差分と、前記設定工程にて設定された閾値との比較の結果に基づいて前記原稿の画像データに含まれる画素が金属色かを判定する判定工程と、
    を実行させ
    前記設定工程では、前記表面平滑度が高い場合は、前記表面平滑度が低い場合に比べて、前記色情報に対する閾値に高い値を設定するためのプログラム。
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