JP2015173419A - 画像処理装置及びその制御方法とプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来技術による方法では、グレー値の補正は隣接する画素(領域)間で相対的に行うため、同じカラー値であっても、この補正処理が行われたか否かにより、同じカラー値の画素が異なるグレー値で表現されてしまう。【解決手段】 カラー画像データをモノクロ画像データに変換する画像処理装置とその制御方法であって、カラー画像データにおける前景部と背景部とを判定し、前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを第1の濃度域の画素データに補正し、背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを前記第1の濃度域とは異なる第2の濃度域の画素データに補正し、画素データが補正されたモノクロ画像データを出力する。【選択図】 図6
Description
本発明は、画像処理装置及びその制御方法とプログラムに関する。
デジタル画像データにおいて、個々のカラーデータは色相・彩度・明度の3要素により表現されるが、単色であるグレースケールはデータの持つ明度(明るさ・暗さの度合い)1要素のみで表現される。そのため、入力されたカラー画像をモノクロ画像として出力する場合、そのカラー画像のカラー値(RGB又はCMYK)をグレースケール(Gray)データに変換する処理が必要となる。このとき、多次元空間内に存在するカラー値を1次元空間上のグレー値にマッピングするため、それら値の差分も縮小され、多次元空間内では異なる値を持つ座標が、1次元空間上では同じまたは近い座標に変換されるケースが多々存在する。例えば、カラーデータがRGBで定義されている場合、色空間は3次元で各カラー値は、例えば8ビット×3=24ビット(65536階調)の情報を持つが、グレースケールに変換されると各値が8ビット(256階調)の情報量に縮小される。このように、3次元色空間で十分に離れた座標位置を持つ複数の異なる色のカラー値が、1次元色空間上の座標位置を持つグレー値に変換される場合、次のような問題がある。
グレー値の表現階調数が多ければ、それだけ元の画像データに含まれるカラー値のマッピング先が増えるため、色(階調)表現能力という意味では有利である。しかし、取り得るグレーの差分値が細かくなるため、その分、異なるカラー値がより近いグレー値に変換される可能性も高くなる。グレー値が近いほど人間の眼は、違いが識別し難くなるので、元の色同士では識別できても、変換後のグレーでは区別できないという状況が発生する。
このような問題に対して従来は、画像データに含まれる、隣接する各画素のカラー値もしくは変換後のグレー値を比較し、グレー値が隣接して識別困難になると判断される場合に、グレー値が識別可能なレベルまで補正することが提案されている。即ち、隣接する各画素の持つカラー値から変換後のグレー値を算出し、各グレー値の差分が所定の閾値以下と判断される場合は、その画素のグレー値が閾値を超えるように補正することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の手法では、隣り合う画素の濃度の識別性を向上させることができる。しかしこの場合は、グレー値の補正は隣接する画素(領域)間で相対的に行うため、同じカラー値であっても、この補正処理が行われたか否かにより、同じカラー値の画素が異なるグレー値で表現されてしまう。即ち、同一ページの中で同一カラー値で表される画素でも、近いグレーに変換されると判定された箇所の画素と、そうでない箇所の画素とでは(補正される分)異なるグレー値で表される。そのためページ内で、同一のカラー値の画素が常に同じグレー値の画素に変換されることが保証できなくなるという問題がある。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
本発明の特徴は、カラー画像データをモノクロ画像データに変換したときに、画像の前景と背景とで近いグレー値の画素が存在した場合でも、前景の画像と背景の画像とを容易に識別できるようにした技術を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
カラー画像データをモノクロ画像データに変換する画像処理装置であって、
前記カラー画像データにおける前景部と背景部とを判定する判定手段と、
前記カラー画像データをモノクロ画像データに変換する変換手段と、
前記判定手段により前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを第1の濃度域の画素データに補正し、前記判定手段により前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを前記第1の濃度域とは異なる第2の濃度域の画素データに補正する補正手段と、
前記補正手段により画素データが補正されたモノクロ画像データを出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
カラー画像データをモノクロ画像データに変換する画像処理装置であって、
前記カラー画像データにおける前景部と背景部とを判定する判定手段と、
前記カラー画像データをモノクロ画像データに変換する変換手段と、
前記判定手段により前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを第1の濃度域の画素データに補正し、前記判定手段により前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを前記第1の濃度域とは異なる第2の濃度域の画素データに補正する補正手段と、
前記補正手段により画素データが補正されたモノクロ画像データを出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、カラー画像データをモノクロ画像データに変換したときに、画像の前景と背景とで近いグレー値の画素が存在した場合でも、前景の画像と背景の画像とを容易に識別できるという効果がある。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
本発明の実施形態に係る印刷装置のハードウェア構成を説明するブロック図。
本発明の実施形態に係る印刷装置の概観図。
本実施形態に係る印刷装置が備える機能モジュールを説明する図。
従来例と比較した、実施形態1の効果を説明する図。
実施形態1に係る、前景部と背景部の濃度階調補正を説明する図。
実施形態1に係る印刷装置による入力カラー画像データの変換処理を説明するフローチャート。
図6のS603の対象画素が前景部であるか、背景部であるかを判定する処理を説明するフローチャート。
図6のS603の対象画素が前景部であるか、背景部であるかを判定する他の例の処理を説明するフローチャート。
図6のS606の前景部用の濃度補正処理を説明するフローチャート(A)、図6のS607の背景部用の濃度補正処理を説明するフローチャート(B)。
本発明の実施形態2〜4に係る前景部と背景部の濃度補正を説明する図。
本発明の実施形態2,3に係る前景部と背景部の濃度補正テーブルを説明する図。
実施形態2に係る印刷装置による入力カラー画像データの変換処理を、図6及び図9のステップの処理を変更して説明するフローチャート。
実施形態2に係る印刷装置による入力カラー画像データの背景部用の濃度変換処理を、図6及び図9のステップの処理を変更して説明するフローチャート。
実施形態3に係る印刷装置による入力カラー画像データの変換処理を、図6のフローチャートのステップの処理を変更して説明するフローチャート。
他の実施形態に係るユーザインターフェースを説明する図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る印刷装置100のハードウェア構成を説明するブロック図である。
この印刷装置100は、カラー画像データを入力してモノクロ画像データ(グレー画像データ)に変換して印刷する。尚、このような画像データの変換は、ホストコンピュータコンピュータのプリンタドライバにより実行されても良い。
原稿読取部(スキャナ)117で原稿を読み取って生成された画像データは、制御部102の入力部I/F110を介して制御部102に取り込まれる。CPU108は、プログラムROM106に格納されたプログラムを読み出してRAM109に展開し、そのRAM109に展開されたプログラムを実行することにより、この印刷装置100の動作を制御する。またCPU108が画像データを処理する際は、CPU108は、データROM107に格納された処理用データを参照して画像データを処理する。処理中又は処理後の画像データは、必要に応じて記憶部I/F114を介して内部記憶部(HD)103に格納される。また処理が終了した画像データは、出力部I/F112を介して画像出力部(プリントエンジン)105に送られて、紙などのメディアに印刷されて出力される。また処理が終了した画像データは、送受信部I/F113を介してデータ送受信部(ネットワークI/F)104に送られ、ネットワーク上に存在するホストコンピュータ116等の外部に接続された他のデータ処理装置に送られる。またデータ送受信部104を介して、外部のホストコンピュータ116から印刷データを受け取る場合もある。この場合は、印刷装置100はPCプリンタとして動作する。本実施形態では主にこの構成においてデータが入力される場合を想定環境とする。更に、USBメモリなどの外部記憶部(可搬記憶媒体)117を記憶部I/F114に装着して、外部記憶部117からデータを直接入力する場合もある。これら一連の印刷データ及び画像データの処理を実行する際の動作環境は、環境設定部(操作パネル)101、設定部I/F111を介してユーザにより設定され、これにより制御部102の動作設定が行われる。タイマ115は、CPU108の指示に従って所定時間を計時し、CPU108により指示された所定時間が経過するとCPU108に割り込み等で通知する。
図2は、本発明の実施形態に係る印刷装置100の概観図である。
原稿読取部117において、原稿台ガラス203と原稿圧板202の間に読み取り対象の原稿204が置かれ、この原稿204はランプ205の光により照射される。この光の照射による原稿204からの反射光はミラー206と207に導かれ、レンズ208によって3ラインセンサ210(210−1〜210−3)上に結像される。尚、レンズ208には赤外カットフィルタ231が設けられている。図示しないモータにより、ミラー206とランプ205を含むミラーユニットを速度Vで、ミラー207を含むミラーユニットを速度V/2で矢印の方向に移動する。つまり、3ラインセンサ210の電気的走査方向(主走査方向:図2に対して垂直方向)に対して垂直方向(副走査方向:図2の右方向)にミラーユニットが移動して原稿204の全面を走査する。
3ラインのCCDを有する3ラインセンサ210は、入力される光情報を色分解して、フルカラー情報の赤(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の各色成分を読み取り、その色成分信号を制御部102へ送る。尚、3ラインセンサ210を構成するCCDはそれぞれ5000画素分の受光素子を有し、原稿台ガラス203に載置可能な原稿の最大サイズであるA3サイズの原稿の短手方向(297mm)を117dpiの解像度で読み取ることができる。
標準白色板211は、3ラインセンサ210の各CCD210−1から210−3によって読み取ったデータを補正するためのものである。標準白色板211は、可視光でほぼ均一の反射特性を示す白色板である。
制御部102は、3ラインセンサ210から入力される画像信号を電気的に処理して、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び黒(K)の各色成分信号を生成し、生成したCMYKの色成分信号を画像出力部105に送る。このとき画像出力部105に出力される画像データは、ディザなどのハーフトーン処理が行われたCMYKの画像データである。画像出力部105では、制御部102から送られてくるCMYKの画像データはレーザドライバ212へ送られる。レーザドライバ212は、入力した画像データに応じて半導体レーザ素子213を変調駆動する。これにより半導体レーザ素子213から出力されるレーザビームは、ポリゴンミラー214、f−θレンズ215及びミラー216を介して感光ドラム217を走査して感光ドラム217上に静電潜像を形成する。
現像器は、マゼンタ現像器219、シアン現像器220、イエロー現像器221及びブラック現像器222を有する。これら4つの現像器が交互に感光ドラム217に接することで、感光ドラム217上に形成された静電潜像を、対応する色のトナーで現像してトナー像を形成する。用紙カセット225から供給されるシートは転写ドラム223に巻き付けられ、そのシートに感光ドラム217上のトナー像が転写される。こうしてトナー像が転写されたシートは定着器226に送られて加熱及び加圧され、そのシートにトナー画像が定着されて排紙される。
図3は、本実施形態に係る印刷装置100が備える機能モジュールを説明する図である。尚、前述の図1と共通する部分は同じ記号で示している。ここで画像処理部300の機能モジュールは、CPU108が、プログラムROM106やデータROM107及びRAM109に相当する記憶部308のプログラムやデータを用いて実行することにより実現される。
データ入力部303は、例えばデータ送受信部104に相当し、入力画像データを受け取って画像処理部300に供給する。画像処理部300の描画データ生成部304は、その入力した画像データを解析して描画データを生成する。色変換部305は、生成された描画データの各画素に対し色変換処理(カラー→グレー変換、及び濃度階調補正処理)を実行する。その後、その描画データをビデオ信号に変換して画像出力部105に出力して印刷する。尚、ここでデータ入力部303及び画像処理部300の機能は、ホストコンピュータ116が備えていてもよいし、印刷装置100が備えていてもよい。
[実施形態1]
以下、図4、図5、及び図6〜図9のフローチャートを参照して本発明の実施形態1を詳細に説明する。
以下、図4、図5、及び図6〜図9のフローチャートを参照して本発明の実施形態1を詳細に説明する。
図4(A)〜(D)は、従来例と比較した、実施形態1の効果を説明する図である。
図4(A)は入力画像データを示し、背景色の上に色文字(SAMPLE)が描画されている。図4(D)は入力画像データのカラー値とグレー値を示し、文字(前景)部にRGB=(211,211,0)が、背景部にRGB=(190,194,255)がそれぞれ指定されている。この画像データに対し、画像処理部300の色変換部305でカラーデータをグレーデータに変換する処理(カラー・グレー変換)を行う。実施形態1では、この変換に次の式を用いるとする。
Gray=255−(0.21×Red+0.72×Green+0.07×Blue)
これにより、前景及び背景のカラー値は、図4(D)に示すように、それぞれ前景色のグレー値は59、及び背景色のグレー値は58に変換される。これらグレー値の差は非常に小さいため、見た目にはほとんど区別がつかない。この処理の後、色変換部305が、この変換後のグレー値に対して、出力値が所定の目標とする濃度階調特性に合うような濃度補正を行う。
これにより、前景及び背景のカラー値は、図4(D)に示すように、それぞれ前景色のグレー値は59、及び背景色のグレー値は58に変換される。これらグレー値の差は非常に小さいため、見た目にはほとんど区別がつかない。この処理の後、色変換部305が、この変換後のグレー値に対して、出力値が所定の目標とする濃度階調特性に合うような濃度補正を行う。
図5は、実施形態1に係る、前景部と背景部の濃度階調補正を説明する図である。
図5(A)は、通常の濃度階調補正を行う際の入力信号(グレー値)と出力値(濃度)との相関を表す図である。この補正特性は、図5(D)の濃度補正テーブルのテーブルデータに対応している。ここでは、0〜1.4(最大濃度)の濃度域を使用して、0〜255のグレー値に対し、補正ターゲットに合う濃度データを出力とするルックアップテーブル(以下、LUT)などを用いて補正処理を行う。
図5(D)は、図5(A)の濃度変換特性を示すLUTの一例を示す。例えば、入力信号のグレー値が「0」であれば出力の濃度値は「0.00」となり、グレー値が「255」であれば濃度値は「1.40」となっている。ここでは便宜上、16段階のLUTを示すが、この段階数は適宜設定可能である。このLUTを用いて算出した文字(前景)と背景のグレー値に対応するそれぞれ補正後の濃度は、前景色のグレー値「59」、及び背景色のグレー値「58」のいずれも、最も近いグレー値に「60」に対応する「0.57」となる。これにより、通常の濃度補正処理を行って、例えば、図4(A)のカラーデータをモノクロで出力すると、図4(B)に示すように、文字と背景がほぼ同じ濃度で出力され、文字の識別が不可能な結果となってしまう。
そこで実施形態1では、入力カラー値をグレースケール変換した結果、その変換したグレー値が、前景部と背景部で接近した値にならないように、異なる濃度値にマッピングされるような補正を行う。このために、補正対象画素(画像データの構成要素)が前景部に属するか、背景部に属するかに応じて、それぞれ異なる濃度領域の補正値に変換する。
即ち、図5(B)に示すように、全濃度領域(0〜1.4)を、出力濃度値0.45を閾値として2分割し、ハイライト側(低濃度側)(0〜0.45)を背景用の濃度域とし、シャドウ側(高濃度側)(0.45〜1.4)を前景用の濃度域とする。そして、これら濃度域の中でそれぞれ前景用の補正ターゲットと背景用の補正ターゲットを定義する。これにより、前景部に属する画素はどのようなカラー値が指定されても必ず0.45より濃い濃度が割り当てられ、背景部に属する画素は0.45より薄い濃度が割り当てられる。これにより、閾値により指定された濃度域の範囲で階調性を確保でき、また各画素の持つ属性(前景部、背景部のいずれであるか)が同じである限り、それぞれの属性においてページ内の整合性(同一カラー値に対する同一濃度での出力)も保証される。
図5(C)は、図5(D)の全濃度域を対象とした濃度補正テーブルを、前景用補正ターゲットに対応させた濃度補正テーブルを示す。また図5(E)も同様に、図5(D)の全濃度域を対象とした濃度補正テーブルを、背景用補正ターゲットに対応させた濃度補正テーブルを示す。ここでは図5(C)の前景用濃度補正テーブルは、レベル0〜レベル16の入力信号(グレー値)を、図5(D)のテーブルのレベル5〜レベル16に対応させた前景部の出力用の濃度補正テーブルを示す。同じく図5(E)の背景用濃度補正テーブルは、レベル0〜レベル16の入力信号(グレー値)を、図5(D)のテーブルのレベル0〜レベル5に対応させた背景部の出力用の濃度補正テーブルを示す。
こうすることにより、画素データのグレー値が近い値であっても、それが前景部にあるか、背景部にあるかに応じて、それぞれ異なる出力濃度値に補正できる。その結果、図4(C)に示すように、前景部の文字と背景部がそれぞれが非常に近いグレー値を持っていても、背景部は薄く、文字(前景部)は濃く出力され、文字と背景を識別することが可能となる。
尚、本実施形態では、前景用の補正ターゲットと背景用の補正ターゲットを図5(B)のように定義しているが、図10(D)に示すように、前景用補正ターゲットの濃度域と背景用補正ターゲットの濃度域が一部重複してもよい。前景用補正ターゲットの濃度域と背景用補正ターゲットの濃度域とが、完全に異なる濃度域になる必要はなく、同一でなければよい。
上記処理の流れを図6〜図9のフローチャートを用いて説明する。
図6は、実施形態に係る印刷装置100による入力カラー画像データの変換処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、CPU108がプログラムROM106からRAM109に展開したプログラムを実行することにより達成される。
まずS601でCPU108は、入力したカラーデータを取得してS602に進む。S602でCPU108は、描画データ生成部304によりカラーデータから描画データを生成する。実施形態1では、ここでレンダリングされ、各画素がカラー値を持つ状態で色変換部305に送られるものとする。そして色変換部305は、S603で対象画素の属性が、前景部であるか、背景部であるかの判定処理を行う。
図7は、図6のS603の対象画素が前景部であるか、背景部であるかを判定する処理を説明するフローチャートである。
図7では、入力カラーデータが、例えばプリントデータのようにPDLデータで、文字、図形、イメージなどの属性情報を持っている場合を想定している。まずS701でCPU108は、そのPDLデータの画素データに付与されているオブジェクト属性を取得する。次にS702に進みCPU108は、その属性が文字属性か否かを判定する。ここで文字属性であると判定した場合はS703に進んで、その画素は前景部にあると判定し、それ以外(図形、イメージ)の場合はS704進み、その画素は背景部にあると判定する。そしてS703,S704で判定した結果を、その画素に対応付けて記憶する。こうしてS703或いはS704を実行するとS705に進みCPU108は、その画像データの全ての画素に対する処理が完了したかどうかを判定し、完了していないときはS701に戻って次の画素データの属性情報を取得して、前述した処理を実行する。S705で全画素に対する処理が完了したと判定したときは、この処理を終了する。
これによりその画像データの各画素が前景部にあるか、背景部にあるかが判定され、それに応じて、前述の異なる濃度補正テーブルを使用してグレー値に変換されることになる。
これにより、文字と図形・イメージが重なりを持つか否かに関わらず、文字と図形・イメージのそれぞれに異なる濃度階調補正が適用されるため、ページ内で同一オブジェクト同士の入力カラー値に対する出力濃度値の整合性は常に保証される。
図8は、図6のS603の対象画素が前景部であるか、背景部であるかを判定する他の例の処理を説明するフローチャートである。これは例えば、コピーなどの場合のように、入力データが既にラスタライズ画像である場合などを想定する(もちろん、プリントデータをラスタライズした後にも適用可能である)。
まずS801でCPU108は、対象画素のカラー値を取得する。次にS802に進みCPU108は、対象画素のカラー値とその周囲の画素のカラー値とを色毎に比較して、その画素がエッジ部であるか否かを判定する。S803でCPU108が、その画素がエッジ部とあると判定した場合はS804に進み、CPU108はその画素が前景部にあると判定する。一方、S803でCPU108がエッジ部でないと判定した場合はS805に進み、その画素は背景部にあると判定する。そしてS804,S805で判定した結果を、その画素に対応付けて記憶する。こうしてS804或いはS805を実行するとS806に進みCPU108は、その画像データの全ての画素に対する処理が完了したかどうかを判定し、完了していないときはS801に戻って次の画素データの属性情報を取得して、前述した処理を実行する。S806で全画素に対する処理が完了したと判定したときは、この処理を終了する。
これにより、ある画像領域のエッジ部と非エッジ部それぞれに異なる濃度階調補正が適用されるため、ページ内で同一オブジェクト同士の入力カラー値に対する出力濃度の整合性は常に保証できない。しかし、背景を持つエッジ部に特化して前景用の濃度補正を行うことができる。
再び図6に戻り、S604でCPU108は、各画素の持つカラー値をグレー値に変換する。ここでの処理は、例えば上述したようにRGB値をグレー値に変換する式を用いたり、変換前後の値を対応付けた1次元のLUTを使用することで実現できる。
次にS605に進みCPU108は、その画像データから処理対象の画素を選択し、その画素が前景部にあるかどうかを、前述のS703,S704、或いはS804,S805で、その画素に対応付けて記憶した情報を基に判定する。そしてCPU108は、その対象画素が前景部にあると判定するとS606に進み、前述したように前景部用の濃度補正を実施する。
図9(A)は、図6のS606の前景部用の濃度補正処理を説明するフローチャートである。
まずS901でCPU108は、記憶部308に格納される前景用濃度補正テーブル920(図5(C))を取得する。次にS902に進みCPU108は、このテーブルを参照して、その画素のグレー値を、前景部の出力用グレー値に変換する補正処理を行う。
一方、図6のS605でCPU108が対象画素が背景部であると判定するとS607に進みCPU108は、背景部用の濃度補正を実施する。
図9(B)は、図6のS607の背景部の出力用グレー値に変換する濃度補正処理を説明するフローチャートでる。
まずS910でCPU108は、記憶部308に格納される背景用濃度補正テーブル921(図5(E))を取得する。次にS911に進みCPU108は、このテーブルを参照して、その画素のグレー値を、背景部のグレー値に変換する補正処理を行う。
こうしてS606或いはS607で濃度補正が終了するとS608に進みCPU108は、その画像データの全ての画素に対する処理が終了したかを調べる。ここで終了していないときはS605に進み、CPU108は次の処理対象の画素データを選択して、前述した処理を実行する。こうしてS608でCPU108は、その画像データの全ての画素に対する処理が終了したと判定するとS609に進み、CPU108は、補正後のグレー値の画像データに対して中間調処理を行う。次にS610に進みCPU108は、その補正した画像データを画像出力部105に出力して、この処理を終了する。
以上説明したように本実施形態1によれば、前景部と背景部のいずれにおいても、少なくとも全階調領域の半分程度の階調性を確保しつつ、前景部と背景部の識別性も保証することが可能となる。
また、どのようなカラー値が入力されても、同一のカラー値に対し前景部と背景部は、所定値以上、及び所定値以下の互いに異なる濃度領域にマッピングされるため、常に、補正後の前景部と背景部の出力濃度に適切な差分を持たせることができる。これにより、グレー変換された画像においても前景部と背景部とを容易に識別することができる。
さらに、前景部と背景部で相対的な補正を行わず、それぞれ常に同じ補正ターゲットに従い濃度階調補正を行うことが可能となる。
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2を説明する。この実施形態2では、前景と背景の画像データの条件に応じて使用する濃度領域を切り替える例で説明する。即ち、実施形態2では、例えば、前景部にある文字で使用する色数が所定数以下であれば、前景部の階調数を多くする必要がないと判定して、前景部の再生に使用する階調テーブルの階調幅を小さくする。具体的には、図10(B)に示すように、前景用の濃度域を高濃度側にシフトして狭める。これにより前景用と背景用の濃度域の間に空き領域(非使用領域)が生じる。尚、実施形態2に係る印刷装置100の構成等は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
次に本発明の実施形態2を説明する。この実施形態2では、前景と背景の画像データの条件に応じて使用する濃度領域を切り替える例で説明する。即ち、実施形態2では、例えば、前景部にある文字で使用する色数が所定数以下であれば、前景部の階調数を多くする必要がないと判定して、前景部の再生に使用する階調テーブルの階調幅を小さくする。具体的には、図10(B)に示すように、前景用の濃度域を高濃度側にシフトして狭める。これにより前景用と背景用の濃度域の間に空き領域(非使用領域)が生じる。尚、実施形態2に係る印刷装置100の構成等は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図10(A)は、実施形態1の図5(A)と同様に、入力したグレー値の全濃度域に亘って補正する例を示す図である。この補正特性は、図11(B)の濃度補正テーブルに対応している。
前述の実施形態1では、画像データの画素を前景部と背景部とに分割し、各領域に割り当てた濃度領域が広ければ階調性にすぐれ、狭ければ逆に階調性が劣ることになる。しかし、例えば前景が文字の場合、背景には様々な色が使われ、一方、文字の色数は数色など少ないか、限定的である場合も多く見られる。このような場合は、前景部(文字)の階調性よりも背景部の階調性を重視した方が、画像の階調性を高めることができる点で効果的である。そこで、図10(B)のように、前景部と背景部の濃度領域の分割閾値「0.X」を濃度の濃い側にシフトし、背景部の濃度の再生域を広げることで、より適切な階調再現を得ることができる。
図11(A)〜(C)は、実施形態2に係る前景用、背景用の濃度補正テーブルを説明する図である。
ここでは図11(B)に示すように、全濃度領域(0〜1.4)を、レベル6,7の領域を非使用領域として2分割し、ハイライト側(0〜0.45)を背景用の濃度補正ターゲットとし、シャドウ側(0.78〜1.4)を前景用の濃度補正ターゲットとする。そして、これら濃度域の中でそれぞれ前景用の補正ターゲットと背景用の補正ターゲットを定義する。これにより、前景部に属する画素はどのようなカラー値が指定されても必ず「90」より高いグレー値が割り当てられ、背景部に属する画素は「50」よりも小さいグレー値が割り当てられる。これにより、閾値により指定された濃度域の範囲で階調性を確保することができ、また各画素の持つ属性(前景部、背景部のいずれであるか)が同じである限り、それぞれの属性においてページ内の整合性(同一カラー値に対する同一濃度での出力)も保証される。
図11(A)は、図11(B)の全濃度域を対象とした濃度補正テーブルを、前景用補正に対応させた濃度補正テーブルを示す。また図11(C)も同様に、図11(B)の全濃度域を対象とした濃度補正テーブルを、背景用の補正に対応させた濃度補正テーブルを示す。
図12(A)(B)は、実施形態2に係る印刷装置100による入力カラー画像データの変換処理を、図6及び図9のステップの処理を変更して説明するフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、CPU108がプログラムROM106からRAM109に展開したプログラムを実行することにより達成される。
図12(A)は、実施形態2に係る図6のS601の入力したカラーデータを取得した後の処理を説明するフローチャートである。
図6のS601でCPU108は、入力したカラーデータを取得してS1201に進む。S1201でCPU108は、文字オブジェクトに対して指定されている色の数をカウントする。次にS1202に進みCPU108は、S1201でカウントした文字の色数が所定の色数(例えば2色)を越えるか否かを判定し、所定の色数より少ない場合はS1203に進み、CPU108は前景用の濃度補正テーブルの閾値を高濃度側にシフトする。ここで例えば、基本の閾値が図11(B)におけるレベル5(入力信号=50、出力濃度値0.45)とすると、図10(B)のように、レベル8以上のいずれかにシフトしてS602に進む。シフト後の閾値の設定は、固定でも良いしカウントした色数に応じてシフト量を決めてもよい。一方、S1202でCPU108は、文字色数が指定数以上であると判定するとシフトはせずにS602に進む。
こうして前景部の文字の色数が所定よりも少ないときは前景部の階調を低下させる。
図12(B)は、図9(A)の前景部用の濃度補正処理の濃度補正テーブルの取得処理を説明するフローチャートである。
S1204でCPU108は、記憶部308から全階調用の濃度補正テーブル1210(図11(B))を取得する。そしてS1205に進みCPU108は、この濃度補正テーブル1210に対して、図12(A)のS1202,S1203に処理に従って、前景用濃度補正テーブルの開始レベルを指定(変更)する。そしてS1206に進みCPU108は、図11を参照して前述したようにして、前景用の濃度補正テーブル(図11(A))を生成してS902(図9)に進む。
ここでは、前景部の文字の色数が所定数よりも少ないときは、図11(B)に示すように前景部の濃度域を狭めた濃度補正テーブルを作成し、その濃度補正テーブルを使用して前景部のグレー値を変換する。尚、ここでは、前景部の文字の色数が所定数よりも多いときは、逆に前景部の濃度域を広げた濃度補正テーブルを作成し、その濃度補正テーブルを使用して前景部のグレー値を変換する。この場合は、背景部用の濃度域が狭められた濃度補正テーブルが作成されることになる。
図13は、図9(B)の背景部用の濃度補正処理のS910に続く濃度補正テーブルの取得処理を説明するフローチャートである。
S1301でCPU108は記憶部308から全階調用の濃度補正テーブル1210(図11(B))を取得する。そしてS1302でCPU108は、この濃度補正テーブル1210に対して、図12(A)のS1202,S1203の処理に従って、背景用の濃度補正テーブルの開始レベルを指定(変更)する。そしてS1303に進みCPU108は、背景用濃度補正テーブル(図11(C))を生成してS911(図9)に進む。
図13のフローチャートによれば、例えば前景部の文字の色数が所定数よりも少ないときは、図11(B)に示すように前景部の濃度域を狭めて、その分、背景部の濃度域を広げる場合にも適用できる。また前景部の文字の色数が所定数よりも多いときは、前景部の濃度域を広げた濃度補正テーブルを作成したとき、その分、背景部用の濃度域が狭められた濃度補正テーブルを作成する場合にも適用できる。
以上説明したように実施形態2によれば、前景部の文字で使用されている色数に応じて適切な階調数を、前景部及び背景部それぞれに割り当てることが可能となる。またこのとき、図10(B)に示すように、背景部と前景部との間に、前景部と背景部のいずれでも使用されない濃度領域を設けることにより、グレー変換された背景部と前景部とを、より識別しやすくできる。
[実施形態3]
次に本発明の実施形態3を説明する。この実施形態3では、前景と背景の画像データの濃度を比較し、それぞれの濃度に応じて、前述の実施形態1の場合とは逆に、背景部の濃度域を高濃度側に、前景部の濃度域を低濃度側にシフトする(図10(C)参照)。
次に本発明の実施形態3を説明する。この実施形態3では、前景と背景の画像データの濃度を比較し、それぞれの濃度に応じて、前述の実施形態1の場合とは逆に、背景部の濃度域を高濃度側に、前景部の濃度域を低濃度側にシフトする(図10(C)参照)。
尚、実施形態3に係る印刷装置100の構成等は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図10(C)は、本実施形態3において、背景部と前景部で使用する濃度領域を、前述の実施形態1,2とは切り替えた例を説明する図である。
前述の実施形態1,2では、前景部は常に高濃度領域、背景部は常に低濃度領域が割り当てられていた。しかし、例えば前景が白文字で、背景に色がついている白抜き文字のような場合、入力した画像データから得られる通りの印象とするには、前景部の濃度よりも背景部濃度を高くする必要がある。また白抜きの文字でなかったとしても、文字が低濃度で表現される場合は、背景部では、元データは無視してあえて濃く出力することで識別性を高めることもできる。
そこで、図10(C)のように、前景と背景でそれぞれ使用する濃度領域を反転することで、このようなデータに対する適切なモノクロ画像を得ることができる。
図14は、実施形態3に係る印刷装置による入力カラー画像データの変換処理を、図6のフローチャートのステップの処理を変更して説明するフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、CPU108がプログラムROM106からRAM109に展開したプログラムを実行することにより達成される。
図14(A)は、図6のS601の入力したカラーデータを取得する処理を説明するフローチャートである。ここでは前景部のデータ内容によりそれぞれに適用するテーブルを切り替える処理を説明する。
まず基本処理の図6のS601で入力カラーデータを取得した後S1401に進みCPU108は、使われている文字色を解析する。次にS1402に進みCPU108は、これら文字色の中で変換後のグレー値が最も高いものが、予め決定した所定値より低い(文字で使われる色に対応するグレー値が低濃度域にある)かどうかを判定する。そうであればS1403に進みCPU108は、記憶部308に保持する前景部用の補正テーブルと背景部用の補正テーブルを交換してS602に進む。
これにより前述の図9のS901では、前景部用の濃度補正テーブルとして、図10(C)における低濃度の濃度補正テーブルが取得され、逆に図9のS910では、図10(C)における高濃度の濃度補正テーブルが取得される。これにより前景部の画像の特性に応じた濃度補正テーブルを使用して濃度補正が実行されることになり、より元の画像の特性応じた濃度補正が可能になるという効果がある。
[実施形態4]
前述の実施形態1では、図5(B)に示すように、背景部の取り得る最大濃度(背景Max)と前景部の取り得る最小濃度(前景Min)が一致している場合で説明した。しかしながら、厳密にはこの閾値濃度に合致する画素では、前景部と背景部が同一濃度になってしまう可能性がある。そこで、このようなケースを回避するために、図10(B)(C)に示すように、背景Max≠前景Minとなるように濃度域を分割した濃度補正テーブルを作成することも可能である。
前述の実施形態1では、図5(B)に示すように、背景部の取り得る最大濃度(背景Max)と前景部の取り得る最小濃度(前景Min)が一致している場合で説明した。しかしながら、厳密にはこの閾値濃度に合致する画素では、前景部と背景部が同一濃度になってしまう可能性がある。そこで、このようなケースを回避するために、図10(B)(C)に示すように、背景Max≠前景Minとなるように濃度域を分割した濃度補正テーブルを作成することも可能である。
これは、例えば実施形態2で、前景部の色数が少なく閾値を高濃度域側にシフトした場合、更に、背景部となり得るオブジェクト(例えば図形)の画素値に対応するグレー値に基づいて、背景部の濃度域を決定するようにしても良い。
図14(B)は、実施形態4において、図6のS601〜S602の処理を変更した処理を説明するフローチャートである。
ここではS1401でCPU108は、前景部の文字色を解析した後、S1404で、背景部である非文字オブジェクト(ここでは図形のみを対象とし説明するが、イメージ内部の解析手段を持つことを前提にイメージを対象とする事も可能)の色を解析する。この結果、前景部(文字)がとり得るグレー値と、背景部(図形)がとり得るグレー値を求める。次にS1405に進みCPU108は、この両者を比較して、前景部のグレー値が背景部のグレー値と近いか否かを判定し、近いと判定した場合はS1406に進み、CPU108は背景部の閾値(背景Max)を低濃度域側にシフトしてS602に進む。
これにより前景部の階調性を維持した状態で、前景部と背景部のグレー値が近くなるのを防止できる。
また逆に、S1406で、前景部の閾値(前景Min)を高濃度域側にシフトしても良い。この場合は、背景部の階調性を維持した状態で、前景部と背景部のグレー値が近くなるのを防止できる。
また或いは、前景部(文字)がとり得るグレー値と、背景部(図形)がとり得るグレー値を求め、この両者を比較して、前景部のグレー値が背景部のグレー値と近いか否かを判定する。ここで、前景部のグレー値が背景部のグレー値と遠い場合は、図10(B)の様に前景部の閾値(前景Min)と背景部の閾値(背景Max)とを離さなくても、図10(D)のように、背景Max>前景Minとしても良い。
この場合は、前景部と背景部の階調性を維持した状態で、前景部と背景部とを十分に識別できるという効果がある。
また、元のカラー画像データの内容により、上記で説明した前景部と背景部で濃度領域を分割して使用する処理を適用した方が好ましい場合と、前景部と背景部の区別なく全濃度領域を適用した方が好ましい場合とが存在する。
このため、図15に示すようなユーザインターフェイスを、印刷装置100の環境設定部(操作パネル)101や、ホストPC116のドライバUIに持たせる。これにより、例えば色の識別性が重視される「オフィス文書」と、全体の階調性が重視される「写真画像」で処理(適用する補正テーブル)を切り替えることも可能である。
即ち、図15のユーザインターフェースで、オフィス文書1500が選択されて印刷実行ボタン1502が押下されると上述した実施形態1〜4のように、前景部の文字と背景部とを識別して、それに対して上述した濃度補正テーブルを使用した濃度補正を行う。
一方、写真画像1501が選択されて印刷実行ボタン1502が押下されると、前述の図5(D)に示すような濃度補正テーブルを使用してグレー値を変換する。
これにより、文字を含むオフィス文書では、文字と背景とが識別できるグレー画像を得ることができる。また写真画像の場合は、画像全体が元のカラーデータに応じたグレー値に変換されるため、元の画像に応じたモノクロ画像を得ることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、前景部と背景部のいずれにおいても、少なくとも全階調領域の半分程度の階調性を確保しつつ、前景部と背景部の識別性を保証することができる。
また、どのようなカラーデータが入力されても、同一のカラーデータであっても、前景部と背景部では異なる階調領域にマッピングされるため、常に前景と背景の濃度に適切な差分を持たせることができある。これによりカラーからモノクロに変換された画像でも、前景部の文字と背景部とを容易に識別できるようになるという効果がある。
前景部と背景部で相対的な補正を行わず、それぞれ同じ補正ターゲットに従った階調補正を行うことができるため、元の画像の特徴を生かしたモノクロ画像を得ることができる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
Claims (10)
- カラー画像データをモノクロ画像データに変換する画像処理装置であって、
前記カラー画像データにおける前景部と背景部とを判定する判定手段と、
前記カラー画像データをモノクロ画像データに変換する変換手段と、
前記判定手段により前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを第1の濃度域の画素データに補正し、前記判定手段により前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを前記第1の濃度域とは異なる第2の濃度域の画素データに補正する補正手段と、
前記補正手段により画素データが補正されたモノクロ画像データを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の濃度域と前記第2の濃度域は、それぞれの濃度域の一部が重複していることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段は、前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを高濃度域に補正し、前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを低濃度域に補正することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段は、
前記モノクロ画像データを出力用の濃度データに補正する補正テーブルを有し、
前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データの補正には前記補正テーブルの前記濃度データが所定値以上となる濃度域のテーブルデータを使用し、前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データの補正には前記補正テーブルの前記濃度データが前記所定値以下となる濃度域のテーブルデータを使用して補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記モノクロ画像データを出力用の濃度データに補正する補正テーブルを有し、
前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データの補正には前記補正テーブルの前記濃度データが所定値以上となる濃度域のテーブルデータを使用し、前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データの補正には前記補正テーブルの前記濃度データが前記所定値よりも小さくなる濃度域のテーブルデータを使用して補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、前記カラー画像データの属性に基づいて前記前景部と前記背景部とを判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、前記カラー画像データの画素がエッジ部にあるときは前記前景部と判定し、非エッジ部であれば前記背景部と判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段により前記前景部と判定された前記モノクロ画像データのグレー値が所定値よりも小さい場合に、前記補正手段は、前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを低濃度域に補正し、前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを高濃度域に補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- カラー画像データをモノクロ画像データに変換する画像処理装置を制御する制御方法であって、
前記カラー画像データにおける前景部と背景部とを判定する判定工程と、
前記カラー画像データをモノクロ画像データに変換する変換工程と、
前記判定工程で前記前景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを第1の濃度域の画素データに補正し、前記判定工程で前記背景部と判定された前記モノクロ画像データの画素データを前記第1の濃度域とは異なる第2の濃度域の画素データに補正する補正工程と、
前記補正工程で画素データが補正されたモノクロ画像データを出力する出力工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - コンピュータを、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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