JP2019204428A - 画像処理装置、表示システム、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷物に投影画像を重畳表示して得られる再現画像上の特定領域の色相を時系列に変化させたい場合において、所望の色を好適に再現できるようにする。【解決手段】オブジェクトの色が時系列に変化する動画が重畳して投影される印刷物をプリンタで出力するための印刷画像を生成する画像処理装置であって、前記色が変化するオブジェクトを少なくとも含む画像を取得する取得手段と、取得した前記画像における前記色が変化するオブジェクトの領域に対し、低彩度化処理を行って前記印刷画像を生成する第1の生成手段と、を有することを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、印刷物に動画を投影して重畳表示するための画像処理技術に関する。
近年、デジタルカメラ等の画像入力機器において、撮像センサで撮影可能なダイナミックレンジ(以下、「Dレンジ」と呼ぶ)の拡大が進んでいる。また、撮影時に露出条件を変えて撮影し、露出条件の異なる複数の画像を合成することにより、Dレンジを拡張する技術が実用化されている。一方、プロジェクタやプリンタ等の画像出力機器においても高輝度化・高コントラスト化が進み、再現可能なDレンジが拡大しているが、一般的に、画像入力機器のDレンジには及ばないレベルにある。そのため、例えばデジタルカメラで撮影した画像情報は、色域圧縮してプリンタやプロジェクタで出力することが行われている。
この点、例えば特許文献1には、プリンタで出力した印刷物に対し、プロジェクタで画像を重畳させて投影することにより、再現可能なDレンジや色域を拡張する技術が開示されている。この特許文献1の技術によれば、入力画像をより忠実に再現することができ、サイネージやシミュレーションへの活用が期待されている。
印刷物に画像を投影して重畳表示する上記技術において、プロジェクタからの投影画像を時系列で変化させた場合(すなわち、動画を投影した場合)、タイミングによって重畳表示結果の良し悪しが変わることがあった。具体的には、投影画像を時系列に変えることで、重畳表示によって再現される画像(以下、「再現画像」と呼ぶ。)における特定領域の色相を変化させるとき、投影画像の内容によって当該特定領域が目的の色よりも暗い色になってしまうことがあった。
そこで本発明では、印刷物に投影画像を重畳表示して得られる再現画像上の特定領域の色相を時系列に変化させたい場合において、所望の色を好適に再現できるようにすることを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、オブジェクトの色が時系列に変化する動画が重畳して投影される印刷物をプリンタで出力するための印刷画像を生成する画像処理装置であって、前記色が変化するオブジェクトを少なくとも含む画像を取得する取得手段と、取得した前記画像における前記色が変化するオブジェクトの領域に対し、低彩度化処理を行って前記印刷画像を生成する第1の生成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、印刷物に画像を投影して重畳表示する技術において、投影画像の時間的変化を考慮して、上記印刷物用の印刷画像を生成する。これにより、再現画像において色変化を生じさせたい部分が暗い色再現になってしまう弊害を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
図1は、壁等に掲示されたポスター等の印刷物に対し、プロジェクタを用いて時系列に異なる内容の投影画像を重畳表示することで、印刷物上の特定領域(特定のオブジェクト)の色を変化させる表示システムの構成の一例を示す図である。図1の表示システムは、画像処理装置(PC)100、モニタ108、画像形成装置(プリンタ)109、画像投影装置(プロジェクタ)110、入力装置111、外部記憶装置112を有する。さらにPC100は、内部にCPU101、RAM102、ROM103、主記憶装置104、メインバス105、汎用インターフェース(I/F)106、出力I/F107を有する。まず、PC100のハードウェア構成について説明する。
CPU101は、PC100内の各部を統括的に制御するプロセッサである。RAM102は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM103及び主記憶装置104は、以下で説明する印刷画像や投影画像の生成を含む各種処理を実現するためのプログラム群や各種のアプリケーション、各種処理に用いられるデータ等を記憶する。メインバス105はPC100の各部分を接続している。汎用I/F106はUSBやIEEE1394等のシリアルバスインターフェースである。モニタ107は、例えば液晶ディスプレイであり、PC100のユーザインタフェースとして機能する。プリンタ109は、PC100で生成された印刷用の静止画像(以下、「印刷画像」と呼ぶ。)に従って、例えばインクジェット方式で用紙に画像を形成し、上記印刷物を出力する。プロジェクタ110は、壁等に掲示されたポスター等の印刷物に対して、時系列に異なる内容の投影画像を重畳表示する。入力装置111は、ユーザが各種の指示操作を行うためのキーボードやマウスである。外部記憶装置112は、外付けHDD等の大容量記憶装置であり、不図示の撮像装置(デジタルカメラ)で撮影された動画等のデータを記憶し、PC100に供給する。
PC100は、CPU101によって制御され、外部記憶装置112に格納された動画データを読み出して後述の画像処理を施し、印刷画像データや投影画像データを生成する。生成された印刷画像データはプリンタ109に、投影画像データはプロジェクタ110に、汎用I/F106を介して供給される。そして、プリンタ109は、供給された印刷画像データに基づいて印刷処理を行い、印刷物を出力する。プリンタ109から出力された印刷物がユーザによって所定の位置に掲示され、当該印刷物に対してプロジェクタ110から投影画像を重畳表示することにより、Dレンジや色域が拡大したより高画質の再現画像が得られる。
<PCのソフトウェア構成>
図2は、本実施形態の画像処理に関わる、PC100のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のPC100は、バッファ処理部201、データ形式変換部202及び印刷画像生成部203で構成される。バッファ処理部201は、RAM102内の所定の記憶領域(画像バッファ)を確保し、処理対象の動画データを保持する。データ形式変換部202は、画像バッファに保持された動画データを、必要に応じて所定のデータ形式に変換する。例えば、入力動画データの復号(デコード)処理を行う。デジタルカメラ等で撮影された動画は一般的にデータ容量が大きくなりやすいため、データ容量の削減を目的として符号化されていることが多い(例えばH.264等)。しかし、符号化されたままでは、投影画像として利用できず、また、次の印刷画像生成部203での処理に適さないため、復号して処理しやすいデータ形式に変換する。こうした変換処理によって、本実施形態では、入力動画データを構成する各フレームにおける各画素の画素値が、RGB色空間で表現されたデータ形式に変換される。つまり、変換後の入力動画Vの時刻tにおける画素位置(x,y)のRGB値(r,g,b)が、任意のt、x、yで既知の状態となる。本実施形態では、RGBの各値は16bit(0〜65535)で表され、(R,G,B)=(0,0,0)が黒を、(R,G,B)=(65535,65535,65535)が白を示す。なお、例えばHDR合成(High Dynamic Range imaging)を念頭に準備された露出条件の異なる複数の動画データが入力されることもあり得る。この場合は、各動画データを同一基準の画素値で扱えるようにする処理を、データ形式変換部202は行う。さらに、入力動画データの色空間がRGB以外の色空間であった場合には、必要な色空間変換処理もデータ形式変換部202で行われる。そして、本実施形態では、各フレームの各画素値がRGB色空間で表現された動画データが、プロジェクタ110で投影される画像データとして出力される。
図2は、本実施形態の画像処理に関わる、PC100のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のPC100は、バッファ処理部201、データ形式変換部202及び印刷画像生成部203で構成される。バッファ処理部201は、RAM102内の所定の記憶領域(画像バッファ)を確保し、処理対象の動画データを保持する。データ形式変換部202は、画像バッファに保持された動画データを、必要に応じて所定のデータ形式に変換する。例えば、入力動画データの復号(デコード)処理を行う。デジタルカメラ等で撮影された動画は一般的にデータ容量が大きくなりやすいため、データ容量の削減を目的として符号化されていることが多い(例えばH.264等)。しかし、符号化されたままでは、投影画像として利用できず、また、次の印刷画像生成部203での処理に適さないため、復号して処理しやすいデータ形式に変換する。こうした変換処理によって、本実施形態では、入力動画データを構成する各フレームにおける各画素の画素値が、RGB色空間で表現されたデータ形式に変換される。つまり、変換後の入力動画Vの時刻tにおける画素位置(x,y)のRGB値(r,g,b)が、任意のt、x、yで既知の状態となる。本実施形態では、RGBの各値は16bit(0〜65535)で表され、(R,G,B)=(0,0,0)が黒を、(R,G,B)=(65535,65535,65535)が白を示す。なお、例えばHDR合成(High Dynamic Range imaging)を念頭に準備された露出条件の異なる複数の動画データが入力されることもあり得る。この場合は、各動画データを同一基準の画素値で扱えるようにする処理を、データ形式変換部202は行う。さらに、入力動画データの色空間がRGB以外の色空間であった場合には、必要な色空間変換処理もデータ形式変換部202で行われる。そして、本実施形態では、各フレームの各画素値がRGB色空間で表現された動画データが、プロジェクタ110で投影される画像データとして出力される。
印刷画像生成部203は、プリンタ109での印刷処理に供される印刷画像を入力動画から生成する。印刷画像生成部203に向かう破線の矢印は「発色特性LUT(ルックアップテーブル)」が印刷画像生成処理において参照されることを表しているが、これについては実施形態3で説明する。
<印刷画像生成処理>
図3は、印刷画像生成部203による、本実施形態に係る印刷画像生成処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3のフローを参照して詳しく説明する。なお、以下の説明において記号「S」はステップを表す。
図3は、印刷画像生成部203による、本実施形態に係る印刷画像生成処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3のフローを参照して詳しく説明する。なお、以下の説明において記号「S」はステップを表す。
S301では、入力動画のデータがバッファ処理部201によってRAM102に保持される。本実施形態の入力動画は、投影画像としてそのまま利用する動画であり、各フレームに存在するオブジェクトのうち少なくとも一部の色相が時系列に変化する。続くS302では、RAM102に保持された入力動画のデータが読み出され、データ形式変換部202によって、上述したような所定のデータ形式に変換する処理が施される。これにより、入力動画を構成する各フレームにおける各画素が、デバイス依存のRGB色空間で表現された画素値を持つデータ形式に変換される。
S303では、生成する印刷画像の全画素値が初期化される。具体的には、各画素の初期値として、入力動画の時刻t=0のフレームにおける画素値が設定される。続くS304では、入力動画を構成するフレームの中から注目するフレームが決定される。通常は、時刻t=0のフレーム(先頭フレーム)から順に注目フレームとなる。S305では、注目する画素位置(x,y)が決定される。通常は、フレーム左上を原点とする画素位置(x,y)=(0,0)から順に注目画素位置となる。
S306では、注目画素位置における、現時点の印刷画像の画素値と注目フレームの画素値とが比較される。注目フレームの画素値が印刷画像の画素値よりも大きければ、S307に進む。そうでなければ、S308に進む。
S307では、注目画素位置における印刷画像の画素値が更新される。具体的には、注目画素位置(x,y)における印刷画像の画素値I(x,y)が、同じ注目画素位置(x,y)における注目フレームの画素値V(t,x,y)によって置き換えられる。こうして、注目画素位置における印刷画像の画素値が順次更新され、入力動画の全フレーム内での最大画素値が、印刷画像の画素値として残ることになる。そして、この処理は、RGBのチャンネル毎に実行される。例えば、ある画素位置における印刷画像の初期値として(R,G,B)=(65535,0,0)が設定され、注目フレームにおける画素値が(R,G,B)=(65280、248、260)であるとする。この場合、注目フレームのG値とB値の方が大きいので、印刷画像の画素値は、(R,G,B)=(65535、248、260)に更新される。そして、次の注目フレームにおける画素値が、(R,G,B)=(65025、496、520)であるとする。同様に、RGB値の大きい方を取って、印刷画像の画素値は、(R,G,B)=(65535、496、520)に更新される。こうして、すべての画素位置について、全フレーム中の最大画素値のみが残ることになる。
S308では、印刷画像のすべての画素位置について処理が完了したか判定される。未処理の画素位置があればS305に戻って次の注目画素位置(x,y)が決定されて、処理が続行される。一方、すべての画素位置について処理が完了していれば、S309に進む。
S309では、入力動画の全フレームの処理が完了したか判定される。未処理のフレームがあればS304に戻って次の注目フレームが決定されて、処理が続行される。入力動画の全フレームについて処理が完了すると、本処理は終了となる。そして、本処理終了時点のI(x,y)が、印刷画像生成部203から出力される印刷画像データとなる。
以上が、本実施形態に係る、印刷画像データ生成処理の内容である。このように本実施形態では、投影画像となる入力動画の各フレームを参照し、その時間的変化を考慮して印刷画像が生成される。
(入力動画から印刷画像を生成する意義)
上述のように、投影画像として使用する入力動画の各フレームを参照し、その時間的変化を考慮して、投影先となる印刷物用の静止画像(印刷画像)を生成する意味について説明する。図4は、入力動画を構成するフレームの一例を示す図である。この例では、画像400が時刻t0のフレーム、画像401が時刻t1のフレーム、画像402が時刻t2のフレームをそれぞれ示している。この動画シーンには動体のオブジェクトは存在せず、宝石様のオブジェクト410の領域における色が、時間経過に伴って変化するものとする。具体的には、オブジェクト410の色が、t0では赤色、t1では緑色、t2では青色へと順に変化するものとする。
上述のように、投影画像として使用する入力動画の各フレームを参照し、その時間的変化を考慮して、投影先となる印刷物用の静止画像(印刷画像)を生成する意味について説明する。図4は、入力動画を構成するフレームの一例を示す図である。この例では、画像400が時刻t0のフレーム、画像401が時刻t1のフレーム、画像402が時刻t2のフレームをそれぞれ示している。この動画シーンには動体のオブジェクトは存在せず、宝石様のオブジェクト410の領域における色が、時間経過に伴って変化するものとする。具体的には、オブジェクト410の色が、t0では赤色、t1では緑色、t2では青色へと順に変化するものとする。
入力動画を構成する複数フレームの中から、任意のフレームを選択して印刷画像として採用し、その出力結果である印刷物に対して入力動画を投影して重畳表示すると、本来の効果を得られないことがある。例えば、印刷画像としてt0のフレームを採用し、その印刷物に対して、時刻t0〜t2の各フレームを順に投影したとする。図5は、この場合の印刷物上に現れる再現画像の一部を示している。図5に示すように、再現画像501では、色変化するオブジェクト410の色がt0〜t2のどのフレームとも異なる暗い色になる(黒に近づく。その彩度が下がり、かつ、明度が下がる。)という現象が起きる。
この理由を、図6を用いて説明する。図6は、t0〜t2の各フレームにおける、宝石様のオブジェクト410部分の色のスペクトルを模式的に示した図である。グラフ601〜607はいずれも、横軸が光の波長、縦軸がスペクトル成分の強度を示している。横軸には波長に応じて、その波長域に対応するおおよその色を、B(青)、G(緑)、R(赤)で示している。グラフ601〜603は、プロジェクタ110が投影する光のスペクトル成分を表しており、t0〜t2の時間変化に応じて、赤から緑、緑から青へと遷移しているのが分かる。他方、グラフ604は、印刷画像の反射率のスペクトル成分を表している。いま、印刷画像はt0のフレームであって時刻tに依らず不変であり、赤のスペクトル成分を有している。ただし、プロジェクタ110から投影される光のスペクトル成分よりも幅が広く、両者は完全には一致していない。これは、同じ赤色であっても、プリンタ109とプロジェクタ110の色再現特性が異なるためである。
さて、印刷画像に投影画像を重畳表示した場合の再現画像におけるスペクトル成分は、プロジェクタ110が投影する光のスペクトル成分と、印刷画像の反射率のスペクトル成分の波長ごとの乗算で得られる。グラフ605〜607は、t0〜t2における、その乗算結果を示している。t0に対応するグラフ605は、グラフ601のスペクトル成分と、グラフ604のスペクトル成分との重なり部分が残っている。グラフ601とグラフ604のいずれよりもスペクトル成分の幅が狭くなっており、より鮮やかな赤になったことを意味している。このようにして、投影画像の重畳表示によって得られる再現画像では、高彩度化効果が生じ、Dレンジや色域の拡大に寄与する。
他方、t1に対応するグラフ606、及びt2に対応するグラフ607では、投影光のスペクトル成分と反射率のスペクトル成分とが重なり合う波長域がほとんどないため、再現画像におけるスペクトル成分は、全波長域でほぼゼロになってしまう。これにより印刷物からの反射光が知覚されにくくなる。これが、時系列に異なる投影画像を重畳表示させてその色を変化させるオブジェクトの色が、どのタイミングの投影画像とも異なる暗い色再現になってしまう理由である。
上記の問題は、時間経過と共に色が比較的大きく変化する部分、すなわち、色相が変わり、且つ、スペクトル成分の波長域が狭い(=色が鮮やかな)画像領域で起こりやすいことが、図6から分かる。そして、時間経過と共に色が比較的大きく変化する画像領域であっても、印刷画像の彩度が小さい場合や無彩色の場合には、このような問題は起こりにくい。これらの場合、図7に示すように、反射率のスペクトル成分701の幅(波長域)が広いために、色相が変化しても、投影光のスペクトル成分との乗算結果(グラフ702〜704)において投影光のスペクトル成分が残るためである。
以上の事実からは、印刷画像の彩度を抑えることで上記問題の発生を避けることが可能であることが分かる。しかしながら、そうすることによって、投影画像の重畳表示による高彩度化効果が得られなくなってしまうことも避けたい。また、上記問題の発生の回避だけを考えるのであれば、例えば当該色変化する部分を印刷物上で白抜きにするという対処法もある。しかし、このような対処法では、投影画像を重畳表示することによって得られる、解像感を補強するというもう1つの効果が得られなくなってしまう。プロジェクタから画像を投影する場合、本体の位置姿勢の傾きや投影面のズレに起因して、ピントにズレが生じ、画像の解像感が劣化するということが起こりやすい。しかし、印刷物では出力後に解像度が変化することは起こらないので、プロジェクタからの投影画像を印刷物における画像に重畳して表示することによって、再現画像における解像感を補強する効果を得ることができる。さらに、輪郭線など暗い色は、印刷物における画像とプロジェクタからの投影画像とを共に暗く表現することで、コントラスト感を高めよりクッキリとした印象を与えることができる。よって、再現画像において、時間経過と共に色が大きく変化する領域が暗くなってしまうリスクはあるものの、色変化部分のオブジェクト形状や色を表す画像情報を印刷画像に残した方が重畳表示による効果は得られやすい。
以上を踏まえると、投影画像(=入力動画)から印刷画像を生成する場合の方針の1つとしては、全体的に彩度を落として印刷画像を生成するということが考えられる。この場合、投影色の変化に対して耐性を得つつ、高彩度化などの効果をある程度得ることができる。しかし、次の方針の方がより重畳表示によるメリットを享受することができる。それは、投影する動画における特定オブジェクトなど少なくとも一部の領域に色の変化がある場合、とりわけ色相が大きく変化する領域では、印刷画像における当該領域の彩度を小さく抑え、時刻によって色再現が破綻してしまうのを抑制する。他方、投影する動画中の色相が大きく変化しない領域では彩度を抑えることなく、重畳表示した際のDレンジや色域の拡大効果を狙う。このようにすれば、その変化による画像破綻(図6を参照)を避けつつ、重畳表示による効果も得ることができる。
本実施形態では、入力動画の全フレームを参照して、各画素位置における最大画素値を採用するという手法によって、印刷物の元になる印刷画像を生成するようにしている。この手法によれば、その色が例えば赤、緑、青と大きく変化する前述の宝石様のオブジェクト410の領域では、RGB各チャンネルのI(x,y)は以下のようになる。いま、赤を示すRGB値が(65535,0,0)、緑を示すRGB値が(0,65535,0)、青を示すRGB値が(0,0,65535)であるとする。全ての時刻tについて処理を終えたとき各チャンネルのI(x,y)のRGB値は(65535、65535、65535)となる。つまり、RGB値は白を示す。こうして宝石様のオブジェクト410の領域では彩度が抑制される。また、赤を示すRGB値が例えば(54000,0,0)などのように、RGBの各値が最大値である“65535”でなくてもよい。この場合は、I(x,y)のRGB値が(54000、54000、54000)となり、白に近いグレーを示すことから、やはり彩度を抑制できる。なお、RGBの各値が近似していれば低彩度化の効果が得られるので、完全に同じ値でなくてもよい。このように各画素において最大値が残って白に近づくため、最終的に彩度が抑制される。他方、当該オブジェクト410以外の部分(その色が時間経過と共にほとんど変化しない画像領域)では、複数フレームを通じてその値がほぼ一定のRGB値がそのまま残るため、彩度をそのまま維持することができる。
<変形例>
本実施形態では、プロジェクタ110のDレンジを(白色スクリーン基準で)そのまま使うことができる白色に近づくようにするため、RGBのチャンネル毎に各画素位置の最大値を採用したが、例えばグレーに近づくようにしてもよい。すなわち、各画素位置の中間値(16bitの場合は“32768”)に近いものを採用してもよい。また、多くの色を遷移する場合には、その色の平均値は無彩色に近づくと想定できるから、最大値に代えて平均値を採用してもよい。
本実施形態では、プロジェクタ110のDレンジを(白色スクリーン基準で)そのまま使うことができる白色に近づくようにするため、RGBのチャンネル毎に各画素位置の最大値を採用したが、例えばグレーに近づくようにしてもよい。すなわち、各画素位置の中間値(16bitの場合は“32768”)に近いものを採用してもよい。また、多くの色を遷移する場合には、その色の平均値は無彩色に近づくと想定できるから、最大値に代えて平均値を採用してもよい。
また、本実施形態では、色変化のあるオブジェクトの全体に対して低彩度化処理を行っているが、当該オブジェクトのエッジ部分を除外して行うようにしてもよい。具体的には、色変化のあるオブジェクトのエッジ成分を抽出して、その内部領域のみを対象として低彩度化処理を行ない、非エッジ成分についてはそのまま残すようにしてもよい。
また、本実施形態では、入力動画から印刷画像を生成したが、これに限定されない。例えば、入力動画と同一シーンを撮影して用意した静止画における色変化のあるオブジェクトを構成する各画素のRGB値を、各値が同じになるように書き換える処理を行って、印刷画像としてもよい。この際には、RGBの3つの値のうち、最大値で置き換えることでより白に近い色になる。また、RGBの3つの値の平均値に置き換えてもよい。このように、低彩度化の方法は入力動画を参照しないで行うこともできる。
以上のとおり本実施形態によれば、投影画像の時間的変化を考慮して印刷画像が生成される。これにより、印刷物に投影画像を重畳表示した際に、再現画像において色変化を生じさせたい部分が暗い色になってしまうのを防ぐことができる。
実施形態1では、投影画像として使用予定の動画から印刷画像を生成し、得られた印刷物に対しその動画を投影して重畳表示する態様を説明した。この態様の場合、再現画像において色変化を生じさせたい部分が暗い色再現になってしまうのを抑制することができるが、同時に再現画像が全体的に明るく鮮やかな色になり過ぎてしまうという側面がある。そこで、再現画像においてこのような弊害が生じないよう、印刷画像に合わせて投影画像を再構築する態様を、実施形態2として説明する。
なお、表示システムの基本構成など実施形態1と共通する内容については説明を省略し、以下では差異点を中心に説明を行うものとする。
図8は、本実施形態の画像処理に関わる、PC100のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のPC100は、バッファ処理部201、データ形式変換部202、印刷画像生成部203に加え、輝度情報導出部801、反射率情報導出部802、投影画像生成部803を有する。図9は、本実施形態における画像処理全体の流れを示すフローチャートである。以下、図9のフローに沿って、図8に示す各機能ブロックにおける処理について説明する。
S901及びS902は、実施形態1の図3のフローにおけるS301及びS302にそれぞれ対応する。つまり、入力動画データが、バッファ処理部201によってRAM102に保持された後、データ形式変換部202によってフレーム内の各画素がRGB値を持つ動画データに変換される。
S903では、輝度情報導出部801が、データ形式変換後の入力動画から輝度情報を導出する。具体的には、入力動画の各フレームにおける各画素のRGB値を、輝度を表すデバイス非依存の三刺激値XYZ(以下、単に「XYZ」と表記)へと変換する。ここで、入力動画から輝度情報を導出する際の考え方を説明しておく。デジタル方式のカメラでは一般的に、撮影されるシーンの物理的な輝度情報(XYZ)を、撮像センサによって信号値に変換して記録している。こうして記録される信号値は、変換前の輝度情報と線形な関係を持つ。そして、輝度情報と信号値との具体的な対応関係は、撮像時の露出条件によって変化する。本実施形態では、入力動画を撮影したカメラの撮像センサにおける、輝度情報と信号値との対応関係を記述したLUTを露出条件毎に予め用意・保持しておく。そして、撮影時の露出条件に応じたLUT(以下、「撮影特性LUT」と呼ぶ。)を参照して、輝度情報に対応する信号値が決まるものとする。なお、撮影特性LUTは、その輝度値が異なり且つ既知である種々のリファレンス被写体を、複数の露出条件で撮像し、輝度値と信号値とを対応付けて記録することで作成することができる。さらに、撮影特性LUTを参照して決まる信号値に対して、人間の視覚特性を考慮した所定のガンマ特性を掛けることで、画素値(ここではRGB値)に変換されている。従って、これら変換の経路を逆に辿ることで、RGB値から輝度情報へと変換することも可能である。この際の具体的な変換の手順は以下のとおりである。まず、RGB値に対し上記ガンマ特性の逆変換を掛けて、信号値に変換する。そして、入力動画の撮影時の露出条件及びその際の撮影特性LUTを取得・参照して、信号値を輝度情報に変換する。こうして、入力動画の各フレームにおける各画素位置の輝度情報が得られる。なお、予めガンマ特性による演算を考慮した撮像特性LUTを作成しておき、一度の処理でRGB値と輝度情報との相互変換が可能なようにしてもよい。いずれにせよこの変換ステップでは、例えば、(R,G,B)=(10000,22000,16000)であれば(X,Y,Z)=(2200,4000,3500)、(R,G,B)=(1700,3200,2500)であれば(X,Y、Z)=(500,630,600)といったように変換が行われる。
S904では、印刷画像生成部203によって、入力動画から印刷画像が生成される。この印刷画像の生成の詳細は、実施形態1の図3のフローのS304〜S309で説明したとおりであるので説明を省く。
次に、S905では、反射率情報導出部802が、S904で生成した印刷画像から反射率情報を導出する。ここで、反射率情報とは、印刷画像と同じサイズを持つ画像様のアレイ形式のデータであり、その画素値として、当該印刷画像をプリンタ109で出力したときの印刷物の(XYZに対する)反射率を表す0以上1以下の値を持つ。ここで、印刷画像から反射率情報を導出する際の考え方を説明しておく。いま、プリンタ109がインクジェット方式のプリンタであるとする。インクジェット方式の場合、印刷画像データで規定されるRGB値に従って色材(インク)を記録媒体(用紙)上に吐出し、吐出されたインクが用紙に浸透・定着することで印刷物が得られる。当該印刷物では、用紙に定着したインクに応じて用紙表面の反射率が変化することで、色が表現されている。従って、プリンタ109に入力される印刷画像データのRGB値と、用紙(印刷物)の反射率とは対応している。そして、本実施形態では、印刷画像のRGB値と印刷物上の反射率との対応関係を記述したLUT(以下、「印刷特性LUT」と呼ぶ。)を予め用意・保持しておき、これを参照することで、印刷画像から反射率情報を得る。印刷特性LUTは、ある画素について特定のRGB値をプリンタ109が出力したときに、当該画素がXYZに対し特定の反射率を持つことを対応付けて規定した、RGB値全域に渡る特性を示したデータである。例えば、入力値が(R,G,B)=(0,0,0)であれば反射率は(0.023,0.025,0.020)、入力値が(46260、46260、46260)であれば反射率は(0.40,0.42,0.38)といった対応関係が規定されている。なお、印刷特性LUTは、種々のRGB値を持つパッチチャートをプリンタ109で印刷出力し、測色器を用いて出力パッチの反射率を測定し、RGB値と反射率とを対応付けて記録することで作成できる。
S906では、投影画像生成部803が、S903で導出された輝度情報及びS905で導出された反射率情報に基づき、プロジェクタ110によって印刷物上に投影される動画(投影画像)を、入力動画から再構築する。ここで、入力動画から投影画像を生成する際の考え方を説明しておく。まず、印刷物に対して投影画像が重畳表示されることで得られる再現画像における輝度は、以下の式(1)で表される。
再現画像における輝度=再現画像を照らす光の輝度×印刷物の反射率
・・・式(1)
再現画像における輝度=再現画像を照らす光の輝度×印刷物の反射率
・・・式(1)
ただし、ここでは環境光を無視し、再現画像を照らす光はプロジェクタ110による投影光のみに近似できるものとする。つまり、「再現画像を照らす光の輝度」=「プロジェクタが投影すべき輝度」である。そして、再現画像において再現すべきターゲットが、入力動画の表すシーンそのもの(忠実再現)であるとする。この場合のターゲットは、S903で導出された輝度情報に等しい。よって、「再現画像における輝度」=「再現すべきターゲット」=「導出された輝度情報」の関係が成り立つ。また、印刷物の反射率は、S905において反射率情報として取得している。すると、ターゲットの忠実再現のために、プロジェクタ110が投影すべき輝度は、以下の式(2)で表すことができる。
プロジェクタが投影すべき輝度=輝度情報÷反射率情報 ・・・式(2)
プロジェクタが投影すべき輝度=輝度情報÷反射率情報 ・・・式(2)
いま、上記式(2)の右辺は既知であるため、左辺を求めることができる。つまり、ターゲットとなる輝度を、印刷物の反射率で除算した結果が、投影すべき動画における輝度となる。こうして、プロジェクタ110が投影すべき輝度が分かる。本実施形態では、輝度情報としてXYZ値が得られているので、そのY成分を例に示す。例えば、ある画素位置(x、y)における、入力動画のRGB値=(1700,3200,2500)から、XYZ値=(500,630,600)が求められたとする。この場合、Y成分の再現すべきターゲットは“630”である。次に、上記画素位置(x、y)における、印刷画像のRGB値I(x、y)=(46260、46260、46260)と決定されたとする。このときの印刷画像におけるY成分の値に対する反射率は、前述のとおり“0.42”となる。最終的に再現画像での再現すべきY成分の値が“630”で、その部分の反射率が“0.42”なので、プロジェクタが投影すべきY成分の値は、630÷0.42=1500、と求められる。
そして、プロジェクタ110が投影すべき輝度が分かったら、当該輝度から、投影画像の画素値(RGB値)を求める。本実施形態では、プロジェクタ110に入力される投影画像の画素値と、投影される光の輝度情報(XYZ)との対応関係を記述したLUT(以下、「投影特性LUT」と呼ぶ。)を予め用意・保持しておく。そして、当該投影特性LUTを参照することで、投影画像の各フレームのRGB値を、プロジェクタが投影すべき輝度(XYZ値)から得る。投影特性LUTは、プロジェクタ110への入力画素値(RGB値)と投影画像におけるXYZ値との関係を画素値全域について規定するLUTである。例えば、入力画素値が(R,G,B)=(12000,12000,12000)ならば(X,Y、Z)=(240,250,270)となる。また、(R,G,B)=(23000,23000,23000)ならば(X,Y,Z)=(1400,1500,1600)となる。このような対応関係が規定されている。投影特性LUTは、種々のRGB値を持つパッチチャートをプロジェクタ110で投影出力し、測色器を用いて出力パッチの輝度(XYZ値)を測定し、RGB値とXYZ値とを対応付けて記録することで作成できる。そして、このような投影特性LUTを参照し、プロジェクタ110が投影すべき輝度を、投影画像の各フレームのRGB値に変換する。例えばプロジェクタの投影すべき輝度値が(X,Y,Z)=(1400,1500,1600)であれば、上述の投影特性LUTの具体例からは、(R,G,B)=(23000、23000、23000)に変換すればよいことが分かる。
なお、投影特性LUTを用いた変換において、入力値である「プロジェクタが投影すべき輝度」が、プロジェクタ110の出力可能な輝度を超えていることもあり得る。このような場合には、そのまま投影画像の出力値であるRGB値への変換はできないため、クリッピング、線形圧縮、ガンマ補正などの処理を「プロジェクタが投影すべき輝度」に施してから変換するとよい。最後に、こうして得られたフレーム単位の画素値の集合を適当な動画形式に符号化して、投影画像が完成する。
以上が、印刷画像の生成に加え、最適な投影画像の再構築をも行う、本実施形態の画像処理の内容である。
<変形例>
本実施形態では、入力動画撮影時の露出条件に対応する撮影特性LUTを参照して、入力動画から輝度情報を得ていた。しかし、S903では入力動画に対応する輝度情報が得られればよいのであり、その方法は上述の例に限定されない。例えば、入力動画の撮影時に、輝度情報が既知のリファレンス被写体を含ませておき、当該リファレンス被写体部分のRGB値を基準として、入力動画全体のRGB値からXYZ値を得てもよい。
本実施形態では、入力動画撮影時の露出条件に対応する撮影特性LUTを参照して、入力動画から輝度情報を得ていた。しかし、S903では入力動画に対応する輝度情報が得られればよいのであり、その方法は上述の例に限定されない。例えば、入力動画の撮影時に、輝度情報が既知のリファレンス被写体を含ませておき、当該リファレンス被写体部分のRGB値を基準として、入力動画全体のRGB値からXYZ値を得てもよい。
また、例えば輝度情報を得るために参照する撮影特性LUTは、通常ではRGB−XYZの3対3のLUTとなるがこれに限定されない。RGB色空間とXYZ色空間とは、概ね傾向が似ていることを利用し、R−X、G−Y、B−Zの1次元LUTを3種類用意し、これらを適用してもよい。さらには、白色輝度などの1種類のLUTだけを用意し、R−X、G−Y、B−Zの3系列に適用するようにしてもよい。これにより、撮影特性LUTの作成や撮影特性LUTを用いた変換処理を簡素化することができる。
以上のとおり本実施形態によれば、プリンタの印刷特性やプロジェクタの投影特性も考慮しながら、印刷物に重畳表示される投影画像を、生成した印刷画像に基づき再構築する。これにより、入力動画のシーンにより忠実な再現画像が得られるようになる。
実施形態1及び2では、入力動画の各フレームのRGB値を参照して印刷画像を生成していた。この場合、処理は比較的簡単であるものの、RGB値で特定される色と画像の見た目(視覚的印象)とは、必ずしもよく一致するわけではない。そこで、より視覚的印象を考慮した印刷画像を生成する態様を、実施形態3として説明する。なお、実施形態1及び2と共通する内容については説明を省略し、以下では差異点を中心に説明を行うものとする。
本実施形態では、印刷画像生成部203が、均等色空間の1つであるL*a*b*色空間を介した画像処理を行って、入力動画から印刷画像を生成する例を説明する。ただし、簡単のため、以降*は省略して単に「Lab」と表記する。
図10は、実施形態1の図3のフローに対応する、本実施形態に係る印刷画像生成処理の流れを示すフローチャートである。以下、図10のフローを参照して詳しく説明する。
S1001及びS1002は、実施形態1の図3のフローにおけるS301及びS302にそれぞれ対応する。つまり、入力動画データが、バッファ処理部201によってRAM102に保持された後、データ形式変換部202によってフレーム内の各画素がRGB値を持つ動画データに変換される。
S1003では、入力動画を構成する全フレームの中から注目するフレームが決定される。S1004では、注目フレーム内の注目する画素が決定される。通常であれば、フレーム左上の画素から順に注目画素となる。続くS1005では、注目画素のRGB値がLab値へ変換される。この変換は、プリンタ109の発色特性、すなわち、プリンタ109に入力されるRGB値に対するLab色空間での値を記述したLUTを予め用意・保持しておき、これを参照することで行う。このLUTが、図2において示す「発色特性LUT」である。発色特性LUTには、RGB値が(25000,25000,25000)のときLab値は(41.0,0.33,0.82)、RGB値が(65535、0、0)のときLab値は(53.9,68.9,52.0)といった関係が規定されている。この発色特性LUTは、種々のRGB値のパッチチャートをプリンタ109で出力し、出力パッチを測色器で測定し、RGB値とLab値とを対応付けて記録することで得られる。そして、S1006では、注目フレーム内のすべての画素について処理が完了したか判定される。未処理の画素があればS1004に戻って次の注目画素が決定されて、処理が続行される。すべての画素が処理されていればS1007に進む。S1007では、入力動画の全フレームについて処理が完了したか判定される。未処理のフレームがあればS1003に戻って次の注目フレームが決定されて、処理が続行される。
ここまでの処理が完了し、入力動画の全フレーム全画素のLab値が得られると、S1008へ進む。なお、変換後の各画素のLab値は、入力動画のフレームそれぞれをプリンタ109から印刷出力した場合における、各画素に対応するLab値を意味する。いま、入力動画の時刻tのフレームのRGB値をV(t,x,y)、変換後の時刻tのフレームのLab値をL(t、x、y)で表すこととする。
S1008では、注目する画素位置(x,y)が決定される。続くS1009では、注目画素位置(x、y)における全フレームを通じての代表Lab値が求められる。具体的には、注目画素位置(x、y)の全フレームに渡るL(t、x、y)の分布平均を求め、その画素位置における代表Lab値とする。以下、代表Lab値を、L_rep(x、y)で表すこととする。図11は、代表Lab値の説明図であり、Lab色空間のab平面上に、2種類の任意の画素位置(x1,y1)及び(x2,y2)のLab値の時間変化の分布が黒丸のプロット点で示されている。プロット点群1101は、比較的色の変化のある画素についてのLab値の分布例である。そして、白抜きの点1102が、プロット点群1101の分布平均(平均Lab値)を示している。この白抜き点1102におけるLab値が、任意の画素位置(x1,y1)の代表Lab値(L_rep(x1、y1))として採用される。一方、プロット群1104は、比較的色の変化の少ない画素の分布例である。そして、白抜きの点1105が、プロット点群1104の分布平均(平均Lab値)を示している。この白抜き点1105におけるLab値が、任意の画素位置(x2,y2)の代表Lab値(L_rep(x2、y2))として採用される。
次のS1010では、注目画素位置(x,y)における全フレームを通じてのLab値の分布が、ab平面上の所定範囲内に収まっているか判定される。この判定は、注目画素が、色の変化が大きな画素なのか、小さな画素なのかを調べるためのものである。本実施形態では、注目画素位置(x、y)の全フレームを通じてのLab値(L(t、x、y))のab平面上の分布範囲が、代表Lab値を中心とした所定の半径th_rを持つ円の内側に収まるか否かを判定する。図11の例では、プロット点群1101の分布範囲が円1103、プロット点群1104の分布範囲が円1106の内側にそれぞれ収まるか否かが判定されることになる。実際の処理としては、各プロット点におけるLab値と代表Lab値とのab平面上の距離が、所定の閾値th_r以下であるかどうかをチェックすればよい。図11の例では、プロット点群1101については、円1103の内側に収まっていないので、色の変化の大きな画素であると判定することになる。一方、プロット点群1104については、円1106の内側に収まっており、色の変化の小さな画素である判定することになる。この際、円の半径th_rをどの程度とするかは任意であるが、色差ΔEと視覚特性との関係を参考に決定される。例えば、th_r=10といった値を設定する。判定の結果、注目画素位置における全フレームを通じてのLab値の分布が、ab平面上の所定範囲内に収まっていると判定されれば、S1012へ進む。一方、所定範囲内に収まっていないと判定されれば、S1011へ進む。
S1011では、S1109で決定した各画素の代表Lab値を、明度、色相は維持しつつ、彩度が小さくなるように調整する処理を行う。本実施形態では、予め彩度の上限値th_Cを定めておき、各画素位置(x,y)における代表Lab値(L_rep(x,y))の彩度が上限値th_C以下になるように、L_rep(x,y)の値を調整する。具体的には、代表Lab値のab平面上での原点からの傾きを維持しつつ、原点からの距離が所定の上限値th_Cを超えないように、代表Lab値を小さくする。これは、図11の例において、白抜き点1102を、原点からの距離が上限値th_Cと等しい白抜き点1102’へ移動させることと同義である。これにより、入力動画の比較的色の変化の大きい画素に対応する、印刷画像における画素の彩度を、小さくすることができる。なお、代表Lab値の彩度が上限値th_Cよりも小さい場合には、彩度の調整が行われないことになる。これは、当該画素では色の変化は比較的大きいものの、無彩色付近での変化であるため既に彩度が十分小さく、低彩度化の必要性が低いためである。なお、彩度調整の要否を決定する際の上限値th_Cをどの程度とするかは任意であるが、例えば上述の円の半径を規定するth_rと同じ値に設定すればよい。
S1012では、すべての画素位置について処理が完了したか判定される。未処理の画素位置があればS1008に戻って次の注目画素位置(x,y)が決定されて、処理が続行される。全ての画素位置について処理が完了すると、S1013へ進む。
S1013では、全画素の代表Lab値がRGB値へと変換される。この変換は、前述の発色特性LUTを用いた逆変換を行えばよい。このようにして、均等色空間であるLab色空間を介した画像処理を行って得られた、各画素がRGB値を持つ画像が、印刷画像として出力される。
以上が、本実施形態に係る、印刷画像データ生成処理の内容である。
<変形例>
本実施形態では、色の変化が大きいと判定されても(S1010でYes)、代表Lab値の彩度が予め定めた上限値よりも小さい場合には、既に彩度が十分小さいと見做して彩度調整を行っていない。しかし、色の変化が一定以上あることに鑑みて、所定の低彩度化処理を行ってもよい。例えば、ab平面における分布するLab値のうち彩度が最小の値と一致するように代表Lab値を変更する、或いは代表Lab値の彩度に所定の減衰定数(例えば0.5)を乗じる等である。このように、一定以上の色の変化がある全ての画素に対し、彩度を減ずる調整処理を行ってもよい。
本実施形態では、色の変化が大きいと判定されても(S1010でYes)、代表Lab値の彩度が予め定めた上限値よりも小さい場合には、既に彩度が十分小さいと見做して彩度調整を行っていない。しかし、色の変化が一定以上あることに鑑みて、所定の低彩度化処理を行ってもよい。例えば、ab平面における分布するLab値のうち彩度が最小の値と一致するように代表Lab値を変更する、或いは代表Lab値の彩度に所定の減衰定数(例えば0.5)を乗じる等である。このように、一定以上の色の変化がある全ての画素に対し、彩度を減ずる調整処理を行ってもよい。
また、本実施形態では注目画素が、色の変化が大きな画素なのか、小さな画素なのかを調べるために、Lab値の分布が、代表Lab値からab平面上の所定の円内に収まっているか否かで判定した。しかし判定方法はこれに限らず、例えばLab値の分布の色相角を求め、色相角の最大値と最小値の差が所定の範囲に収まるか否かで判定してもよい。
また、本実施形態では、全フレームの全画素値をLab値に変換した後、各画素位置における代表Lab値を決定し、彩度と色相の観点からこれを変更する調整を行っている。しかし、例えば実施形態1の図3のフローのような形で処理してもよい。すなわち、まず、印刷画像の全画素値の初期値として、入力動画の先頭フレームにおける色変換後の全画素値を採用する。次に、入力動画の各時刻tのフレームにおいて、各画素のRGB値をLab値に変換する。そして、画素毎に、L成分については大きい方が残るように、a成分とb成分についてはそれぞれ絶対値の小さい方が残るようにその値を更新していく。これを全ての時刻tについて行い、最後に残った各画素のLab値をRGB値に変換して、印刷画像とする。このようにしても、本実施形態と同様の印刷画像が得られる。
また、本実施形態では、プリンタの発色特性LUTを用いて、印刷画像を生成するためのLab値を導出した。しかし、例えば入力動画の各フレームのRGB値を、例えばデバイス非依存のsRGB色空間の値であるものとして扱い、D50等の光源環境を仮定した上で所定の計算式からLab値を求めてもよい。
本実施形態によれば、人間の感覚により近い均等色空間を介して、各フレームにおける画素の明度、彩度、色相を判断するので、実施形態1と比較して、どのフレームがより高彩度であるのか等をより正確に評価することができる。
ここまでの実施形態では、入力動画を構成するフレームのみに基づいて印刷画像を生成していた。次に、ユーザが指定した情報を加味して印刷画像を生成する態様を、実施形態4として説明する。なお、以下では、実施形態3をベースに説明を行うが、実施形態1及び2との組合せも可能である。先行する実施形態と共通する内容については説明を省略し、以下では差異点を中心に説明を行うものとする。
図12は、本実施形態の画像処理に関わる、前述の図2をベースとした、PC100のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のPC100は、バッファ処理部201、 データ形式変換部202、印刷画像生成部203及びユーザ指定情報処理部1201で構成される。ベースとなっている図2の機能ブロック図と比較すると、ユーザ指定情報処理部1201が追加されている点が大きな違いである。ユーザ指定情報処理部1201は、印刷画像に対するユーザの意図を反映した静止画像や、画像処理を施す領域を一部に限定する領域指定の指示を、ユーザインタフェースを介して受け付け、印刷画像生成部203にユーザ指定情報として渡す。そして、本実施形態の印刷画像生成部203は、ユーザ指定情報に従って印刷画像を生成する。図13は、本実施形態に係る、印刷画像生成処理の流れを示すフローチャートである。以下、図13のフローに沿って説明する。
S1301及びS1302は、実施形態3の図10のフローにおけるS1001及びS1002にそれぞれ対応する。つまり、入力動画データが、バッファ処理部201によってRAM102に保持された後、データ形式変換部202によってフレーム内の各画素がRGB値を持つ動画データに変換される。
S1303では、ユーザ指定情報処理部1201は、ユーザが指定する静止画像(以下、「ユーザ指定画像」と呼ぶ)のデータを取得する。本実施形態の場合、入力動画を構成する複数フレームの中からユーザが選択した1のフレームを、ユーザ指定画像として取得する。図14は、ユーザが入力動画の中から任意のフレームを選択する際にモニタ108上に表示されるユーザインタフェース画面(UI画面)の一例である。図14のUI画面1400の左側には、入力動画をフレーム単位で表示する表示欄1401、及び入力動画の全時間に対応するシークバー1402、表示中のフレームが入力動画の全時間に対しどの位置にあるかを示すスライダ1403が存在している。スライダ1403の位置と表示中のフレームとは連動しており、ユーザはカーソル1404をマウス等で操作してスライダ1403を動かし、所望のフレームを選択する。さらに、UI画面1400の右側には、ユーザ選択に係る表示中のフレームに対して色調補正を行うための指示欄1405が存在する。図14の例では、色調補正の一例としてトーンカーブを調整するためのグラフが指示欄1405に表示されている。ユーザはカーソル1404をトーンカーブに重ねてマウス等でドラッグ操作することで所望の色調となるように補正することができる。好みの色調のフレームになった時点でユーザが決定ボタン1406を押下すると、当該色調補正が施されたフレームがユーザ指定画像として取得される。
S1304では、ユーザ指定情報処理部1201は、S1303で取得したユーザ指定画像に対する重みwを取得する。この重みwは、0≦w≦1の範囲の実数であるとする。予め定めた規定値を取得してもよいし、ユーザが任意の値を指定してもよい。ここでは、w=0.5が取得されたものとして以降の説明を行う。
S1305では、実施形態3の図10のフローにおけるS1005と同様、S1303で取得したユーザ指定画像におけるRGB値を、発色特性LUTを参照して、Lab値に変換する。
S1306では、ユーザ指定情報処理部1201は、入力動画の各フレームに対して処理領域を設定する。図15は、ユーザが選択中のフレームに対して特定の領域を指定する際のUI画面の一例である(ただし本ステップに関係しない要素は描写を省略)。ユーザは、カーソル1404を操作し、対象フレーム内に矩形1501を描画する。このとき、一般的な画像処理ソフト(例えばGIMP等)が実装するように、オブジェクトの輪郭線成分に沿って選択領域をさらに限定するなどの調整が行われてもよい。任意の領域指定を終えたユーザがOKボタン1501を押下すると、上述の矩形1501で特定される領域が、処理領域として設定されることになる。
S1307では、印刷画像生成部203によって、入力動画に対し、実施形態3の図10のフローのS1003〜S1013の各処理が実行され、各画素がLab値を持つ印刷画像が生成される。ただし、代表Lab値の算出とその彩度調整(S1008〜S1013)は、S1306で設定された処理領域内の画素のみを対象として実行される。このように、処理対象の領域を、その必要性がある領域(ユーザの望む領域あるいは色変化の大きな領域)に限定することにより、トータルの処理時間を削減できる。
S1308では、S1304で取得したユーザ指定画像の重みwを参照し、S1307で生成された印刷画像の各画素のLab値(処理領域内の画素については代表Lab値)を、ユーザ指定画像における対応する画素のLab値に近づける補正処理を行う。具体的には、印刷画像のLab値とユーザ指定画像のLab値それぞれのab平面での座標をw:(1−w)に内分する点のLab値におけるab成分を、新たな印刷画像のLab値のab成分とする。本実施形態の場合は重みw=0.5であるから、新たな印刷画像のLab値のab成分は、印刷画像のLab値とユーザ指定画像のLab値との平均値になる。もし、重みwの値が0.5よりも大きければ、印刷画像のLab値のab成分は、よりユーザ指定画像のLab値のab成分に近づく。なお、L成分の値については、ユーザ指定画像のLab値におけるL成分の値を、新たな印刷画像のLab値におけるL成分の値とすればよい。
最後に、S1309では、印刷画像における全画素の補正後Lab値がRGB値に変換される。この変換処理は、実施形態3の図10のフローにおけるS1013と同じであり、前述の発色特性LUTを用いた逆変換を行えばよい。このようにして、よりユーザの意図が反映された画像が、印刷画像として出力される。
以上が、本実施形態に係る、印刷画像データ生成処理の内容である。
以上が、本実施形態に係る、印刷画像データ生成処理の内容である。
<変形例>
本実施形態では、処理領域となる矩形をユーザがマウス等で指定したが、入力動画の各フレームにおける色の変化に基づき自動で処理領域を設定してもよい。具体的には、入力動画の各フレームを走査し、時間の経過と共に画素値変化の大きい画素を抽出して、処理領域とすればよい。この際、抽出結果をユーザに提示して、処理領域の設定をユーザに委ねてもよい。また、画素値変化の大きさは、画素値が特定フレームにおけるRGB値から所定の閾値以上に変化するか否かで決めたり、或いはRGB色空間での画素値分布が、平均値から所定の距離以内に収まるか否かで決めたり、さらに、両手法を組み合わせるなどすればよい。さらに、フレーム内のオブジェクト毎に処理対象とするかをユーザが直接設定できるようにしてもよい。
本実施形態では、処理領域となる矩形をユーザがマウス等で指定したが、入力動画の各フレームにおける色の変化に基づき自動で処理領域を設定してもよい。具体的には、入力動画の各フレームを走査し、時間の経過と共に画素値変化の大きい画素を抽出して、処理領域とすればよい。この際、抽出結果をユーザに提示して、処理領域の設定をユーザに委ねてもよい。また、画素値変化の大きさは、画素値が特定フレームにおけるRGB値から所定の閾値以上に変化するか否かで決めたり、或いはRGB色空間での画素値分布が、平均値から所定の距離以内に収まるか否かで決めたり、さらに、両手法を組み合わせるなどすればよい。さらに、フレーム内のオブジェクト毎に処理対象とするかをユーザが直接設定できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、生成された印刷画像のLab値のab成分についてのみ、指定された重みwに基づいてユーザ指定画像のLab値に近づける処理を行ない、L成分についてはユーザ指定画像のLab値を用いるようにした。これは、印刷画像の明度によって、再現画像の輝度も影響を受けるものの、ab成分(彩度、色相成分)ほど大きな影響ではないために、L成分に関してはユーザ意図を優先した結果である。しかし、L成分についてもab成分同様に、ユーザ指定画像のLab値に近づけてもよい。
また、本実施形態では、全ての画素のab成分について、指定された重みwに基づいて、印刷画像のLab値をユーザ指定画像のLab値に近づける内分点のab成分で書き換えるようにした。しかし、印刷画像のLab値が示す色とユーザ指定画像のLab値が示す色とがLab空間上で近い色であれば書き換える意味は小さく、却ってユーザの意図した色から微妙に変化させる影響の方が大きい可能性がある。そこで、印刷画像のLab値が示す色とユーザ指定画像のLab値が示す色との色差ΔEが、所定の閾値th_E以下ならば、ユーザの意図を優先し、印刷画像のLab値をユーザ指定画像のLab値で書き換えてもよい。この際の閾値th_Eは任意であるが、例えばth_E=5などと設定すればよい。
また、本実施形態では、入力動画を構成するフレームを基にユーザ指定画像を作成した。しかし、このような作成方法に限定されない。例えば、入力動画と同一シーンを撮影した別の静止画像や動画を基に作成してもよい。例えば、投影画像が印刷物の一部へのみ投影するための動画であり、印刷画像の一部を、入力動画に合わせて切り抜いてユーザ指定画像としてもよい。この際、入力動画を取得した後にそのフレームを解析し、所定のデータベースから同一シーンを映していると思われる画像ファイルを類推し、ユーザ指定画像の候補としてユーザにサジェストするようにしてもよい(図16を参照)。このような解析には画像の類似度を計算する公知の技術を用いることができる。なお、画像サイズが同一でない場合には、必要に応じて解像度変換処理を行えばよい。
本実施形態によれば、ユーザの意図がより直接的に反映された印刷物が得られることになる。これにより例えば、プロジェクタによる投影画像の重畳表示がない状態の印刷物単体でも、ある程度ユーザが意図した色味の印刷物として展示できる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 画像処理装置
203 印刷画像生成部
203 印刷画像生成部
Claims (18)
- オブジェクトの色が時系列に変化する動画が重畳して投影される印刷物をプリンタで出力するための印刷画像を生成する画像処理装置であって、
前記色が変化するオブジェクトを少なくとも含む画像を取得する取得手段と、
取得した前記画像における前記色が変化するオブジェクトの領域に対し、低彩度化処理を行って前記印刷画像を生成する第1の生成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の生成手段は、前記色の変化が所定の閾値より大きい場合に、前記低彩度化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記色の変化は、色相の変化であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記画像は、RGB色空間で表現され、
前記低彩度化処理は、前記色が変化するオブジェクトの領域における、RGB各チャンネルの画素値を近似させる処理であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記低彩度化処理は、RGB色空間で表現された画素値を均等色空間に変換した画素値を介して行う、ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記均等色空間は、Lab色空間であり、
前記低彩度化処理は、Lab色空間で表現される画素値のab平面上での原点からの傾きを略維持しつつ、原点からの距離が所定の上限値を超えないように調整する処理である、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記画像は、前記動画を構成する各フレームであり、
前記低彩度化処理では、前記色が変化するオブジェクトの領域について、前記各フレームを通じての最大画素値をRGBそれぞれのチャンネルについて採用する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記画像は、前記動画を構成する各フレームであり、
前記低彩度化処理では、前記各フレームの前記色が変化するオブジェクトの領域における、RGB各チャンネルの画素値を同じ値に書き換える
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記低彩度化処理は、前記色が変化するオブジェクトの領域のうちエッジ部分を除外して行なう、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1の生成手段で生成された前記印刷画像に基づき、前記動画を生成する第2の生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第2の生成手段は、前記印刷物に前記投影がなされた結果におけるターゲットとなる輝度を、前記印刷物の反射率で除算した結果が、投影すべき動画における輝度となるように、前記動画を生成することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
- 前記印刷画像の生成に関する指定を受け付けるユーザインタフェースをさらに備え、
前記第1の生成手段は、前記ユーザインタフェースを介して指定された情報に基づいて、前記印刷画像を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記ユーザインタフェースを介してユーザが指定する情報は、前記印刷画像に対するユーザの意図を反映した、前記色が変化するオブジェクトを少なくとも含む静止画像のデータであり、
前記第1の生成手段は、前記静止画像に近づける処理を行って、前記印刷画像を生成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記ユーザインタフェースを介してユーザが指定する情報は、前記低彩度化処理を施す領域に関する情報であり、
前記第1の生成手段は、前記情報によって特定される領域に対して、前記低彩度化処理を行う
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 印刷物に対して、プロジェクタを用いて動画を重畳して投影する表示システムであって、
前記動画の各フレームには、前記印刷物に印刷された画像に存在するオブジェクトと同じオブジェクトであって、時系列に色が変化するオブジェクトが含まれ、
前記印刷物に印刷された画像における前記色が変化するオブジェクトの領域の彩度は、前記動画を構成する各フレームにおける対応する領域の彩度と比べて小さい
ことを特徴とする表示システム。 - オブジェクトの色が時系列に変化する動画が重畳して投影される印刷物をプリンタで出力するための印刷画像を生成する画像処理装置における方法であって、
前記色が変化するオブジェクトを少なくとも含む画像を取得する取得ステップと、
生成手段が、前記取得ステップで取得された前記画像における前記色が変化するオブジェクトの領域に対し、低彩度化処理を行って前記印刷画像を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする方法。 - 印刷物に対して、プロジェクタを用いて動画を重畳して投影する表示システムにおける方法であって、
各フレームに、前記印刷物に印刷された画像に存在するオブジェクトと同じオブジェクトであって、時系列に色が変化するオブジェクトを含む前記動画を投影するステップを有し、
前記印刷物に印刷された画像における前記色が変化するオブジェクトの領域の彩度は、前記動画を構成する各フレームにおける対応する領域の彩度と比べて小さい、
ことを特徴とする方法。 - コンピュータを請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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