JP2021067457A - 用紙物性検出装置、用紙情報判別システム、および画像形成システム - Google Patents

用紙物性検出装置、用紙情報判別システム、および画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】小サイズの記録媒体であっても、適切に挿入されているかを容易に確認できるとともに、精度よく記録媒体の物性を検出する。【解決手段】用紙物性検出装置20は、記録媒体を載置する載置面S2を有する第2筐体22と、第2筐体22の上方に配置され、載置面S2に所定の間隔で対向した底面を有する第1筐体21と、載置面S2の上に挿入された記録媒体の物性を検出する少なくとも1つの検知部(50、60、70)と、を備え、記録媒体の挿入方向から視て、第2筐体22と第1筐体21が形成する両側面の形状が、凹形状である。【選択図】図9

Description

本発明は、用紙物性検出装置、用紙情報判別システム、および画像形成システムに関する。
近年、カラー印刷業界においては、電子写真方式のプリンター等の画像形成装置が広く活用されてきている。カラー印刷業界に対応するPP(プロダクションプリント)の分野では、オフィスで用いられる場合に比べて多様な用紙への適応が求められる。そして、これらの多様な用紙に対して高品質な印刷を行うために、給紙トレイに収容している用紙物性を複数項目で設定し、設定した項目に応じた画像形成条件で印刷を行う画像形成装置がある。
このような多様な用紙の設定を行うために、印刷に使用される用紙の物性の検出を、外付けのシート判別装置で行い、その判別結果を画像形成装置に反映させる技術がある(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示されたシート材判別装置では、用紙物性を検出するセンサー部として、レーザー照射部からの照射光としてコヒーレント光を、用紙に照射し、用紙表面の正反射光および拡散反射光の光量を検出する構成が開示されている。また、この特許文献1のシート材判別装置では、ユーザーが手動で用紙を挿入することで、測定位置に用紙を配置させている。その際に、適切な位置まで挿入されているか否かをユーザーが視覚的に識別するための識別手段(例えば突起のマーク)を筐体に設けている。
特開2015−108514号公報
しかしながら、特許文献1の技術では照射光の照射径が小さく、用紙の種類によっては、パルプ繊維の大きさ、長さが均一ではなく、位置による表面性分布のばらつき(表面のうねり)が大きい。そのため、特許文献1のようなレーザー照射部からの小径の照射光を照射した場合には、その照射位置による受光強度のばらつきが大きくなり、用紙の物性の判別精度が低下する虞がある。
また、一方で、照射径を大きくする場合には、装置全体の大きさが大きくなる。この場合は、ユーザーが手動で用紙を挿入する際に、装置の筐体に用紙全体が覆われるために、適切に挿入できたか否かを確認することが困難になる。特にサイズの小さい用紙の物性を判別する際には、影響が大きい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小サイズの記録媒体であっても、適切に挿入されているかを容易に確認できるとともに、精度よく記録媒体の物性を検出できる用紙物性検出装置、およびこれを備えた用紙物性判別システム、ならびに画像形成システムを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)記録媒体を載置する載置面を有する第2筐体と、
前記第2筐体の上方に配置され、前記載置面に所定の間隔で対向した底面を有する第1筐体と、
前記載置面の上に挿入された前記記録媒体の物性を検出する少なくとも1つの検知部と、
を備え、
前記記録媒体の挿入方向から視て、前記第2筐体と前記第1筐体が形成する両側面の形状が、凹形状である、用紙物性検出装置。
(2)前記挿入方向から視て、前記第1筐体が、前記底面に向けて前記挿入方向に直交する幅方向の幅が狭くなる、テーパー形状またはR形状を有する、上記(1)に記載の用紙物性検出装置。
(3)押圧部材を含み、検出時に該押圧部材を持ち上げることで下方から、前記載置面の上に挿入された前記記録媒体を前記底面に向けて付勢することで、前記記録媒体を押さえる押圧機構を、さらに備える、上記(1)、または上記(2)に記載の用紙物性検出装置。
(4)前記検知部には、前記第1筐体の内部に配置され、前記底面に設けた開口を検知領域とし、該検知領域内の前記記録媒体の表面性の物性を検出する第2の検知部が含まれ、
前記第2の検知部は、前記検知領域に光を照射する発光部と、前記検知領域内の前記記録媒体の表面で正反射した正反射光の光量を検出する第1の受光部と、前記検知領域において前記記録媒体の表面で、少なくとも1つの反射角において拡散反射した拡散反射光の光量を検出する少なくとも1つの第2の受光部と、を備え、
前記検知領域を含む前記挿入方向に直交する幅方向において、前記第1筐体の前記幅方向の最大幅をw1、前記第1筐体の前記底面の幅をw2、前記第2筐体の前記載置面の幅をw3としたときに、下記式(1)、および(2)を満たす上記(1)から上記(3)のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
w1>w2 (1)
w3≧w2 (2)
(5)前記第2の検知部は、前記検知領域において、前記発光部の光源から照射される光の照射径が、前記記録媒体の繊維配向の不均一性の影響が少なくなる照射径に設定されている、上記(4)に記載の用紙物性検出装置。
(6)下面視において、前記第1筐体の前記底面は、挿入口に向けて前記幅方向の幅が狭くなる、テーパー形状またはR形状を有する、上記(2)に記載の用紙物性検出装置。
(7)前記第1筐体の前記底面の前記挿入口側の端部の幅をw2’としたとき、
前記w2’は、前記用紙物性検出装置で検出可能な最小サイズの用紙の幅よりも狭い、上記(6)に記載の用紙物性検出装置。
(8)前記検知部は前記物性として、前記記録媒体の坪量を検出する第1の検知部、表面性を検出する第2の検知部、厚さを検出する第3の検知部を含む、上記(1)から上記(7)のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
(9)前記第2の検知部は、表面性センサーであり、前記底面に設けた第2の開口を第2の検知領域とし、前記第2の検知領域に光を照射する発光部と、前記第2の検知領域内の前記記録媒体の表面で正反射した正反射光の光量を検出する受光部と、前記第2の検知領域において前記記録媒体の表面で、少なくとも1つの反射角において拡散反射した拡散反射光の光量を検出する少なくとも1つの受光部と、を備える、上記(8)に記載の用紙物性検出装置。
(10)前記第1の検知部は、坪量センサーであり、前記底面および前記載置面にそれぞれ設けた2つの相対する第1の開口を第1の検知領域とし、前記第1の検知領域に光を照射する1つ以上の発光部と、前記第1の検知領域内の前記記録媒体を透過した透過光の光量を検出する1つ以上の受光部と、前記第1の検知領域において前記記録媒体の表面で反射した反射光の光量を検出する受光部と、を備える、上記(8)、または上記(9)に記載の用紙物性検出装置。
(11)前記第3の検知部は、紙厚センサーであり、
押圧部材と前記底面により押さえられた前記記録媒体に付勢されて接触する接触部と、
前記記録媒体の厚さに応じて変化する、前記記録媒体に接触した前記接触部の高さ方向の位置を測定する位置検出部と、を備える、上記(8)から上記(10)のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
(12)前記載置面は、反射率が35%以下である、上記(1)から上記(11)のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
(13)さらに、前記載置面の前記挿入方向の奥側に配置された、前記記録媒体の有無を検知するメディアセットセンサーを備え、
前記載置面の奥側には、前記記録媒体を突き当てる壁があり、
前記メディアセットセンサーにより、前記記録媒体の前記壁への突き当たりを判定してから、前記押圧機構を作動させて、前記押圧部材により前記記録媒体を押さえた状態にした後、1つ以上の前記検知部による検出を行う、上記(3)に記載の用紙物性検出装置。
(14)前記検知部は前記物性として、前記記録媒体の坪量を検出する第1の検知部、表面性を検出する第2の検知部、厚さを検出する第3の検知部を含み、
前記記録媒体を押さえた状態で行う検出は、第2の検知部による前記記録媒体の表面性の検出。および第3の検知部による厚さの検出である、上記(13)に記載の用紙物性検出装置。
(15)前記記録媒体の前記挿入方向において、前記第1の検知部の第1の検知領域は、前記第2の検知部の第2の検知領域よりも手前側であり、
前記押圧機構を作動させて前記記録媒体を押さえた状態にする前に、前記第1の検知部によって、前記第1の検知領域を通過する前記記録媒体の坪量の検出を行う、上記(13)、または上記(14)に記載の用紙物性検出装置。
(16)前記第2の検知部の第2の検知領域である前記底面に設けた第2の開口を開閉するシャッター、および該シャッターを開閉する開閉機構を備え、
前記押圧機構により前記押圧部材を持ち上げることにより前記記録媒体を押さえた状態にする前に、前記開閉機構により前記シャッターを開いた状態にし、
前記第2の検知部による前記記録媒体の表面性の検出が終了した後に、前記押圧機構により前記押圧部材を下降させてから、前記開閉機構により前記シャッターを閉じた状態にするとともに、測定完了をユーザーに報知する、上記(13)から上記(15)のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
(17)上記(1)から上記(16)のいずれかに記載の用紙物性検出装置と、
前記用紙物性検出装置から取得した検出結果を用いて、前記記録媒体の紙種を判定する制御部と、を備える用紙情報判別システム。
(18)上記(1)から上記(16)のいずれかに記載の用紙物性検出装置と、
記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記用紙物性検出装置から取得した検出結果を用いて、前記記録媒体の用紙特性を判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記判定した前記記録媒体の用紙特性を用いて、前記画像形成部の画像形成条件を設定する、
画像形成システム。
(19)前記用紙物性検出装置で検出可能な前記記録媒体の最小サイズは、前記画像形成装置で搬送可能な前記記録媒体の最小サイズに対応して設定されている、上記(18)に記載の画像形成システム。
本発明に係る用紙物性検出装置は、記録媒体を載置する載置面を有する第2筐体と、前記第2筐体の上方に配置され、前記載置面に所定の間隔で対向した底面を有する第1筐体と、前記載置面の上に挿入された前記記録媒体の物性を検出する少なくとも1つの検知部と、を備え、前記記録媒体の挿入方向から視て、前記第2筐体と前記第1筐体が形成する両側面の形状が、凹形状である。このようにすることで、小サイズの記録媒体であっても、適切に挿入されているかを容易に確認できるとともに、精度よく記録媒体の物性を検出できる。
第1の実施形態に係る用紙物性検出装置を備える用紙情報判別システムの概略構成を示す図である。 用紙情報判別システムの構成を示すブロック図である。 用紙物性検出装置の外観斜視図である。 用紙物性検出装置の側面図である。 用紙物性検出装置に内部構成を示す側面図である。 用紙物性検出装置に内部構成を示す斜視図である。 用紙押圧機構の構成の一例を示す斜視図である。 上部筐体における表面性センサー等の配置位置を示す模式図である。 用紙物性検出装置の正面図である。 用紙物性検出装置のサイズを示す上部筐体の底面図である。 用紙物性検出装置に用紙を挿入した状態を示す模式図である。 各検知部の配置位置を説明するための図であり、図12(a)は上部筐体の底面図であり、図12(b)は下部筐体の上面図であり、図12(c)は、検知領域等を示す模式上面図である。 表面性センサーの断面図である。 表面性センサーの内部構成を示す斜視図である。 シャッターが開いた状態を示す表面性センサーの断面模式図である。 発光部、および受光部の配置位置を示す模式図である。 照射光の入射角度と受光部の配置角度を示す断面模式図である。 用紙表面におけるパルプ繊維の状態を示す模式図である。 用紙の微視的な繊維配向角の変動状態を示す模式図である。 用紙の表面分布と照射光の拡散状態を示す模式図である。 照射光の照射径と、発光部(光源)の配置位置を示す模式図である。 用紙表面を複数点測定した際の照射径の違いによる検出光量のばらつきを示すグラフである。 坪量センサーの構成を示す模式図である。 用紙物性検出装置で行う測定処理を示すフローチャートである。 用紙物性検出処理(ステップS40)を示すサブルーチンフローチャートである。 図25Aの処理に続く処理を示すサブルーチンフローチャートである。 第2の実施形態に係る用紙物性検出装置を備える画像形成システムの全体構成を示す図である。 画像形成システムの印刷処理を示すフローチャートである。 用紙判定処理(ステップS612)を示すサブルーチンフローチャートである。 判定処理(S612)を示す制御ブロック図である。 判定結果(紙種/坪量区分)を示す操作画面の例である。 判定結果(登録プロファイル)を示す操作画面の例である。 第1の変形例における、情報処理装置で表示する操作画面の例である。 第1の変形例における、情報処理装置で表示する操作画面の例である。 第1の変形例における、情報処理装置で表示する操作画面の例である。 用紙情報判別システムで行う測定処理、および紙種判定処理を示すフローチャートである(第1の例)。 用紙情報判別システムで行う測定処理、および紙種判定処理を示すフローチャートである(第2の例)。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。図面においては、上下方向をZ方向、用紙物性検出装置の正面、背面方向をY方向、これらのY、Z方向に直交する方向をX方向とする。Y方向のプラス方向が用紙の挿入方向で、マイナス方向は抜き方向である。またX方向は、幅方向ともいう。本実施形態においては、記録媒体には、印刷用紙(以下、単に用紙という)、各種フィルムが含まれる。特に用紙としては、植物由来の機械パルプ、および/または化学パルプを用いて製造されたものが含まれる。また記録媒体の種類としては、コート紙のグロスコート紙およびマットコート紙、ならびに非コート紙の普通紙および上質紙、等が含まれる。
図1は、第1の実施形態に係る用紙物性検出装置20を備える用紙情報判別システム1000の概略構成を示す図であり、図2は、紙情報判別システム1000の構成を示すブロック図である。
図1に示すように用紙情報判別システム1000は、情報処理装置10、および用紙物性検出装置20を含む。これらはUSBケーブル等により通信可能に接続する。用紙物性検出装置20に関する操作は、原則、ホストとして機能する情報処理装置10の表示部、入力部(ユーザーインターフェース画面、キーボード等)を通じて行うが、用紙物性検出装置20自体に設けた、または取り付けた、表示部、入力部から行うようにしてもよい。
(情報処理装置10)
ホストとして機能する情報処理装置10は、いわゆるPC(Personal Computer)でありユーザーの操作に応じて、用紙物性検出装置20を制御する。情報処理装置10は、CPU、RAM、ROM等で構成される制御部11、記憶部12、および通信部15を備える。通信部15により用紙物性検出装置20と通信する。制御部11は、ROMや、記憶部12に格納されているプログラムを実行することで、各種処理を実行し、プログラムにしたがって装置各部の制御や各種の演算処理を行う。
(用紙物性検出装置20)
用紙物性検出装置20は、ホストからの要求によりレディ状態となり、その状態で、ユーザーが手動により挿入された用紙90の物性を検出する。検出結果は、ホスト側に送られる。
図2に示すように用紙物性検出装置20は、通信部25、制御部26、記憶部27、表示部28、第1メディアセットセンサー30、第2メディアセットセンサー40、坪量センサー50、表面性センサー60、紙厚センサー70、シャッター開閉機構駆動部655、用紙押圧機構駆動部88、および押圧機構位置検知センサー891、892を備える。坪量センサー50、表面性センサー60、および紙厚センサー70は、それぞれ「第1の検知部」、「第2の検知部」、および「第3の検知部」として機能する。通信部25は、USBケーブル、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN(例えばIEEE802.11規格に準拠したLAN)、等により情報処理装置10等の他の装置と通信する。制御部26は、ROMや、記憶部27に格納されているプログラムを実行することで、各種処理を実行し、プログラムにしたがって装置各部の制御や各種の演算処理を行う。表示部28は、例えば複数のLEDであり、点灯状態の組み合わせにより用紙物性検出装置20の状態を示す。なお、表示部28としては、液晶ディスプレイを用いてもよい。表示部28は、例えば、上部筐体21(後述)の上部正面側に配置される。また他の例として、警告音や操作音を発するスピーカーを設けてもよい。測定開始指示を受け付ける測定開始ボタンを、例えば上部筐体21の上部正面側設けてもよい。用紙挿入口付近の上部筐体21側の用紙挿入口を測定に影響しない程度に弱く照らす照明(LED)を設けてもよい。または、下部筐体22の載置面S2(いずれも後述)の用紙挿入口付近に用紙入り口を示す案内表示(LED)を設けてもよい。その他の構成についての詳細は後述する。
(用紙物性検出装置20の全体構成)
以下、図2とともに、図3〜図6を参照し、用紙物性検出装置20の全体構成について説明する。図3、および図4は、それぞれ用紙物性検出装置20の外観斜視図、および側面図である。図5、および図6は、用紙物性検出装置20の内部構成を示す側面図、および斜視図である。
これらの図に示すように、用紙物性検出装置20は、上部筐体21、および下部筐体22で構成される。上部筐体21、下部筐体22は、それぞれ「第1筐体」、「第2筐体」に相当する。下部筐体22の上面はユーザーにより挿入される用紙90を載置する載置面S2である。上部筐体21の底面S1は、載置面S2と所定の間隔を開けて対向する。底面S1と載置面S2との間の空間は通紙領域200となる。測定時には、ユーザーは、用紙90を挿入口から手動で通紙領域200内に挿入する。このとき、用紙90は、載置面S2上を滑りながら挿入方向(Y方向)に沿って移動し、奥側の壁a3に突き当たって停止する。壁S3はXZ平面に沿って広がり、X方向(幅方向)に延在する。
上部筐体21は、第1上部211、および、その第1上部211の下方の第2上部212で構成される。底面S1は第2上部212に含まれる。第2上部212は、上方から底面S1側に向けて、挿入方向に直交する幅方向(X方向)の幅が狭くなるテーパー形状(またはR形状)を有する(後述の図9参照)。
図5、図6に示すように、用紙物性検出装置20では、挿入口から奥側に向かって順に、坪量センサー50、第1メディアセットセンサー30、表面性センサー60、紙厚センサー70、および第2メディアセットセンサー40が配置される。また紙厚センサー70は、用紙押圧機構80の押圧板81上に搭載され、押圧板81の上下動にともない移動する。筐体の奥側には、制御部26、記憶部27の構成部品を搭載する基板20b1が配置される。上部筐体21には、坪量センサー50、第1メディアセットセンサー30、表面性センサー60、および第2メディアセットセンサー40、が収容される。また、下部筐体22には、坪量センサー50、紙厚センサー70、および用紙押圧機構80が収容される。なお、透過型の光学センサーである坪量センサー50は、上部筐体21、下部筐体22の両方に跨がって配置される。
(坪量センサー50、表面性センサー60、紙厚センサー70)
坪量センサー50は、透過型の光学式センサーであり、用紙の坪量を検出する。坪量センサー50は発光部と受光部を備え、用紙90を透過する光の減衰量により、測定する。例えば、坪量センサー50の通紙領域200を挟んで下方(下部筐体22)に発光部を搭載した第1基板50b1が、上方(上部筐体21)に受光部を搭載した第2基板50b2が配置される。坪量センサー50の詳細な構成については後述する(後述の図23)。
第1メディアセットセンサー30は、例えば反射型のセンサーであり、検知領域(後述の検知領域a30)に向けて光を照射する発光部、および用紙90からの反射光を受光する受光部を備え、これらは通紙領域200の上方(上部筐体21)に配置された基板31に搭載される。
表面性センサー60は、反射型の光学式センサーであり、用紙の表面性を検出する。表面性センサー60は、発光部が搭載された第1基板60b1、発光部が照射した照射光の用紙90からの正反射光を受光する第1受光部が搭載された第2基板60b2、および同照射光の拡散反射光を受光する第2受光部が搭載された第3基板60b3を備え、これらは、通紙領域200の上方(上部筐体21)に配置される。表面性センサー60の詳細な構成については後述する(後述の図13〜図22)。
紙厚センサー70は、上下方向で所定の範囲内で可動し、上方に向けて付勢され、測定対象物(用紙90の下側の表面、または底面S1)に当接する接触部72、この接触部72を保持する揺動可能なアーム、ならびにアームの動きを検知する位置検出部で構成される。位置検出部は、エンコーダ、および発光・受光部で構成される。この発光・受光部は、基板71に搭載され、通紙領域200の下方(下部筐体22)に配置される。紙厚センサー70の接触部72(図5、図7参照)は、用紙押圧機構80の押圧板81上に搭載される。以下に説明するように押圧板81を上部筐体21の底面S1に向けて持ち上げた状態において、用紙90が有るときと、無いときの接触部72の高さの差分(μm)により用紙90の厚さを検出する。
第2メディアセットセンサー40は、第1メディアセットセンサー30と同等の構成を備え、これらは通紙領域200の上方に配置された基板41に搭載される。
(用紙押圧機構80)
図7は、用紙押圧機構80の構成の一例を示す斜視図である。図に示すように用紙押圧機構80は、押圧面S8を有する押圧板81、支持部材82、作用軸83、バネ84、カム85、回転軸86、ギア系列87、駆動モーター88、高さ位置検知センサー891、892を備える(位置検知センサー892は図2を参照)。この押圧板81は押圧部材として機能する。非測定時(測定前)においては、押圧板81は所定位置(ホームポジション)まで下がっており、用紙90の通紙領域200への挿入を妨げない。測定時には、押圧板81は持ち上げられ、上部筐体21の底面S1との間で、所定の付勢力により用紙90を押さえる(挟持する)。押圧板81は、XY平面に平行な上面(押圧面S8(図ではグレー色で示す))を有する。押圧面S8の中央の領域は表面性センサー60の検知領域a60に対応する。また押圧面S8の端部側には紙厚センサー70の接触部72が配置されている。カム85が作用していない、測定時においては、バネ84の付勢力により、押圧板81、およびこれを支持する一体の支持部材82は、矢印で示す上方向(Zのプラス側)、すなわち底面S1に向けて移動し、底面S1との間で用紙90を挟持し、押さえる。これにより、用紙90の表面を、安定して基準面(後述の図16等参照)に配置できる。一方で、表面性センサー60による測定を行わないときは、駆動モーター88が所定角度回転することで、駆動力は、ギア系列88、回転軸86を介してカム85が回転することで、カム85が、作用軸83を下方に押す。これにより、押圧板81、および支持部材82は、バネ84の付勢力に抗って、下方に下がる。押圧板81の高さは、回転軸86の端部により付けられたエンコーダの位置を検出する高さ位置検知センサー891、892により検出できる。これらのセンサーにより、押圧板81が圧着位置(高い位置)、および解除位置(低い位置)にあることを検出する。表面性センサー60等による測定を行わないときは、ユーザーによる用紙90の挿入を妨げないように、すなわち用紙90の角に引っかからないように、押圧板81の搬送方向上流側の角を斜めにしたカット部(傾斜面)を有する形状とし、押圧板81の(カット部を除く)上面は、下部筐体22の載置面S2と、同じ高さ、またはこれよりも少し低い高さに位置する。
(用紙物性検出装置20のサイズ)
次に図8〜図11を参照し、用紙物性検出装置20の各構成部品のサイズについて説明する。図8は、上部筐体21における表面性センサー60等の各検知部の配置位置を示す模式図である。図9、図10は、用紙物性検出装置20のサイズ、および各検知部の検知領域を説明するための正面図、および上部筐体21の底面図である。図10は、図9のA−A断面図に相当する。
図8に示すように表面性センサー60は、他の検知部との関係から長手方向がX方向(幅方向)に沿うように配置している。また、表面性センサー60は、後述するように用紙90の繊維配向の不均一性の影響が少なくなる照射径となるように、6mm以上の大径の照射径としている。そのため照射領域(後述の検知領域a60)を広く確保するため、表面性センサー60全体のサイズが大きくなる。例えば、表面性センサー60の全体の長手方向(X方向)の長さは最大で120mmであり、上部筐体21の第1上部211は、これを収容できる大きさに設定している。
図9、図10において、w1〜w4、w2’、L1を下記のように定義する。
奥行き方向(Y方向)の中央c1における幅方向の長さに関して、
w1:上部筐体21の第1上部221の幅(最大幅)、
w4:第2上部212の上端側の幅、
w2:第2上部212の下端側(底面S1に対応)幅、
w3:下部筐体22の載置面S2の幅、である。
また、奥行き方向の挿入口側端部の長さに関して、
w2’:第2上部212の下端側(底面S1に対応)における、挿入口側の端部の幅である。
L1:第2上部212の下端側の奥行き方向の長さである。なお、w2’はR形状が終わった領域、すなわち、稜線が幅方向に沿う辺の長さである。
(幅、長さの例)
上述のように、第1上部211は、表面性センサー60を収容できるようにするためにw1>120mmとしている。
また、用紙物性検出装置20が測定可能な用紙90の最小サイズは、はがきサイズ(100mm×148mm)が測定できるように100mm×135mmに設定している。すなわち、用紙90の最小サイズは、幅方向では100mmである。ユーザーが用紙90を通紙領域200に挿入する際に、用紙90の位置が目視で確認できることが好ましい。このため、上部筐体21の第2上部212の底面S1の幅がなるべく狭くなるように、第2上部212は、図9に示すように挿入方向(Y方向)から視て、下方に向けてテーパー形状(またはR形状)としている。すなわち、挿入方向(図9)から視て、第1、第2筐体21、22が形成する両側面の形状(プロフィール)が凹形状となる。また、図10に示すように、下面視において、奥側から挿入口に向けて幅方向の幅が狭くなるテーパー形状(またはR形状)としている。また、図4に示すように側面視(X方向から視て)において、上部筐体21(第2上部212)の底面S1から前面(正面)にかかる領域における、挿入口の形状が、用紙Sの挿入口側に向けて、用紙Sを挿入しやすいように、テーパー形状(またはR形状)としている。これにより、下部筐体22の載置面S2が、挿入口側から見やすくなる。
このことから、w1>w2である。またw2>w2’である。また、載置面s2に用紙90を載置したことが目視で確認できるようにw3≧w2としている。
これらの具体的な数値例としては、上記関係を満たすようにそれぞれ、w1=140mm、w2=114mm、w2’=85mm、w3=136mmである。またL1=105mmである。
このように両側面の形状を凹形状とすることで、載置面S2に載置した用紙90の位置を目視で容易に確認できるようになる。図11は、通常サイズの用紙90と、小サイズの用紙90を載置面S2に挿入した状態を示す模式図である。このように小サイズの用紙90であっても、側面側から用紙90の両サイドを目視で容易に確認できるようになる。
また、さらに、底面視(図10)において、底面S1を挿入口に向けて幅が狭くなるR形状(またはテーパー形状))とすることでW2’<100mm(最小サイズの用紙幅)を実現でき、いずれのサイズを挿入してもユーザーは、挿入した用紙90の位置を目視で確認できる。
(各検知部の構成について)
以下、図12から図23を参照し、各検知部、特に、表面性センサー60、および坪量センサー50の構成について詳細に説明する。特に表面性センサー60に関しては、上述した用紙90の繊維配向の不均一性の影響が少なくなる照射径とした構成について説明する。
図12は、各検知部の配置位置を説明するための図であり、図12(a)は上部筐体21の底面図であり、図12(b)は下部筐体22の上面図である。図12(c)は、検知領域等を示す模式上面図である。
図12(c)に示すように、用紙物性検出装置20では、挿入口から奥側に向かって順に、坪量センサー50の検知領域a50(第1の検知領域)、第1メディアセットセンサー30の検知領域a30、表面性センサー60の検知領域a60(第2の検知領域)、紙厚センサー70の検知領域a70(第3の検知領域)、および第2メディアセットセンサー40の検知領域a40が配置される。また押圧領域a80は、押圧板81の押圧面S8に対応する。
図12(b)に示すように、第1メディアセットセンサー30の検知領域a30は、孔が空いており、用紙90が無いときは、第1メディアセットセンサー30から照射された照射光は、孔に吸い込まれて反射しない。第2メディアセットセンサー40も同様の構成になっている。また、第1、第2メディアセットセンサー30、40は、互いに斜めになるように、異なるX方向の位置で配置される。これにより用紙90が斜め(最大15°程度)に入れられたときでも、これらのセンサーにより検知できる。また、第2メディアセットセンサー40は、壁S3に近い位置に配置しており、第2メディアセットセンサー40の検知により、用紙90が壁S3に突き当たることを検知する。
押圧板81には、検知領域a70に対応して開口が設けられており、その内側に紙厚センサー70の接触部72が配置される。
表面性センサー60の検知領域a60は、底面S1に設けた開口であり、この検知領域a60を囲むように押圧領域a80が配置される。これにより、押圧板81により、用紙90を押さえたときに、検知の全周囲を覆う。また、図12(a)では、検知領域a60は、非測定時にはシャッター651で閉じられている。このシャッター651は、後述するように、測定時には開閉機構65により開く。
(反射率)
また、載置面S2は、白色の用紙90の視認性を確保するために(可視光領域)反射率35%以下の材料で構成されることが好ましい。白色の用紙90としては、最も反射率が低い紙種として、書籍、コミック誌に用いられるラフ紙/書籍用紙があり、この反射率は、50〜65%である。背景となる載置面S2と、その上に載置した用紙90とが容易に認識できるためには、両者の明度差が1以上あることが好ましい。反射率50%は明度では7.5に相当し、この明度と1以上の明度差を確保するため、すなわち明度6.5以下とするためには反射率35%以下にすればよい。このことから反射率35%以下が導き出せる。例えば反射率35%以下としては黒色だけでなく、赤、緑、青、灰色やこれらの中間色の色の材料を用いることができる。このなかでは黒色は、反射率が4%程度であるため、明度差を大きく確保できるためより好ましい。このような反射率が低い材料で載置面S2を構成することで、反射率が低い紙種の用紙であっても良好な視認性を確保できる。
(表面性センサー60の構成)
図13は、表面性センサー60の断面図であり、図14は表面性センサー60の内部構成を示す斜視図である。なお、図14では、表面性センサー60全体を覆うカバー(筐体61)の記載を省略している。
これらの図に示すように表面性センサー60は、筐体61、発光部62、コリメートレンズ63、複数の受光部64(受光部641,642)、および開閉機構65を備える。筐体61は、他の構成要素を覆い、外部光を遮光する。なお筐体61は底面にはなく、取り付けた状態において、上部筐体21の底面S1を構成する板が、表面性センサー60の底面を覆う部材として機能する。発光部62、コリメートレンズ63、複数の受光部64(受光部641,642)についての詳細は後述する。なお、本実施形態としては、光源と照射領域の間に配置する光学系として、コリメートレンズを用いる例を示すが、コリメートレンズ以外のレンズを配置するようにしてもよい。例えば、砲弾型LEDを用いる場合には、LEDに光学レンズが実装される。また、LEDと、コリメーターレンズの間に凸レンズ等を配置してもよい。
開閉機構65は、シャッター651、接続部652、回転軸653、ウォームギア654、および駆動モーター655を備える。駆動モーター655の動力は、ウォームギア654、回転軸653、接続部652を通じてシャッター651に伝達する。シャッター651は、回転軸653周りを矢印方向に可動する。上部筐体21の底面S2を構成する板には検知領域a60に対応した開口が設けられている。また下部筐体22の載置面S2を構成する板にも、押圧板811が上下動できるように、押圧領域a80に対応した開口が設けられている。図13、図14では、用紙90の用紙特性(物性値)の測定を行わない状態を示しており、このときは、平面の板部材である板状のシャッター651により開口は閉じられる。シャッター651の開口の開閉動作は、制御部26が、駆動モーター(シャッター開閉機構駆動部655)を制御することにより行う。
図15は、シャッターが開いた状態を示す表面性センサー60の断面模式図である。この図15は、用紙特性の測定時の状態を示している。なお、図15では、シャッター651以外の開閉機構65の構成の記載を省略している。検知領域a60に対応する開口は、略矩形の形状あり、孔サイズは例えば、横(X方向)が数十mm、縦(Y’方向)が十数mmである。用紙90の通紙領域200内での搬送(挿入)を妨げないように、シャッター651の下側の面には、複数のリブr1(図15参照)を設けている。各リブr1は、底面S1に対して、挿入方向の上流側では引っ込み、下流側では少し突出するように、挿入方向に沿って傾斜させている。このようなリブr1により、ユーザーが用紙90を挿入する際に、引っかからずに用紙90の挿入を円滑に行える。また、シャッター651の上側の面には、キャリブレーション用の部材としての基準板6501が貼り付けられている。基準板6501は、例えば所定の表面性を備えた白色の板であり、用紙特性の測定を行う前に、閉状態のシャッター651の基準板6501を測定することで、表面性センサー60の校正を行う。
図16は、発光部62、および複数の受光部64の配置位置を示す模式図であり、図17は、発光部62による照射光の入射角度(照射角度)と受光部の配置角度を示す断面模式図である。本実施形態においては、発光部62の配置角度は、照射光の基準面に対する入射角度が75°になるように設定している。この入射角75°は、JISに従った白紙光沢度測定で用いられる角度であり、被測定物の色の影響が少ない角度である。基準面は、上部筐体21の底面S1に対応する仮想面であり、測定時には、基準面に被測定物である用紙90の表面が配置される。発光部62は、基板60b1上に配置される。発光部62は、所定波長(例えば平均波長445nm以上500nm以下)の光を放出するLED等の光源としての発光素子を含み、光源(点光源)から放出された照射光は、コリメートレンズ63により略平行光になり、照射領域に照射される。照射領域は、Z方向から視た場合に検知領域a60に対応し、照射領域の中心(光軸)とXY平面に平行な基準面とは交点p1で交わる。発光部62としては、面発光型のLEDを用いてもよく、または砲弾型のLEDを用いてもよい。また、砲弾型のLEDを用いる場合には、砲弾型の指向性にあったレンズ設計すれば所望の照射径(ビーム径ともいう)を得ることができる。
複数の受光部64それぞれは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、等の受光素子を含み、照射領域からの正反射光を受光する第1の受光部64(受光部641)と、照射領域からの拡散反射光を受光する1つまたは複数の第2の受光部64(受光部642)を含む。図16に示すように(なお、入射、反射の角度については図17も参照のこと)、この第1の受光部641は、発光部62の入射角75°に対応する反射角75°の位置に配置され、正反射光を受光する。また、第2の受光部642は、反射角0°以上90°未満の範囲で、75°の位置を除く任意の反射角の位置に配置でき、拡散反射光を受光する。配置位置として好ましくは、反射角60°、30°、0°であり、より好ましくは、60°と30°の2箇所、または60°の1箇所である。図13、図15、図16の例では、反射角75°の正反射光受光用の第1の受光部641と、反射角30°の拡散反射光受光用の第2の受光部642を配置した例を示している。これらの図では、受光部641は、基板60b2に配置され、受光部642は基板60b3に配置される。
受光部641、642の受光経路上において、筐体61には、開口a3、a4が設けられている。開口a3、a4は同様の構造を有するので、以下、代表として開口a3の構造について説明する。開口a3は、例えば交点p1側から視た場合に、φ3mmの円形のスリットである。
(照射径)
図18は、用紙の微視的な繊維配向の変動状態を示す模式図であり、図19は用紙表面におけるパルプ繊維の状態を示す模式図である。一般に用紙は、木材等の植物から抽出したパルプ繊維をあらゆる方向(等方的)にランダムに絡み合わせて作られているため、表面が不均一となって表面性にムラの分布がある(業界用語で「地合」ともいう)。この地合は、用紙のパルプ繊維の長さや太さにより異なる。図18のAに比べて図18のBでは、ムラが大きい。用紙の素材として針葉樹や広葉樹に由来するパルプ繊維が用いられるが、そのパルプ繊維は長さが平均して3.32mm〜0.79mm(最大約5.7mm)、幅(太さ)が平均で39μm〜19μm(最大約97μm)である(参考文献:論文「紙の表面形状の測定」(紙パ技協誌第18巻第2号 昭和39年2月)、王子製紙株式会社 中央研究所 畑幸徳著)。また、図19に示すようにパルプ繊維の長さやパルプ繊維同士の結束繊維(繊維の絡み合い)が生じることで表面性が不均一となる。
そのため、照射径をパルプ繊維の長さや結束繊維形状よりも絞りすぎると、用紙上の反射光の位置、すなわち用紙表面上の凹凸状態によって正反射光や拡散光の検出光量に差が生じ、同じ用紙面でも用紙表面状態に対して感度が高いセンサーとなる。そのため各反射光量に誤差が生じ、その誤差が含まれたままデータを用いて用紙種の判別を行うと紙種の誤判別を生じさせる虞がある。例えば、マットコート紙を上質紙として誤判別してしまう。
図20は、用紙の表面分布と照射光の拡散状態を示す模式図であり、図20(a)、(b)は、照射光の照射径と、発光部62の配置位置を示す模式図であり、図20(a)は照射径が小さい場合を示す図であり、図20(b)は照射径が大きい場合の状態を示す図である。本実施形態では、このような状況から、図20(a)に示すように、狭い領域を照射するよりも図20(b)に示すように広い領域を照射する方が、用紙表面性の分布の影響を少なくできる。換言すると、照射光の照射径を、用紙表面性の分布を生じさせるパルプ繊維が絡み合うエリアよりも十分広いエリアを照射する大きさにすることで、用紙表面の凹凸を含んだ用紙表面性の平均した反射光量にでき、ひいては用紙表面性の分布の影響を少なくできる。具体的には、照射領域での照射径を上述のパルプ繊維の最大長さ5.7mmよりも大きい6mm以上に設定する。ここでいう照射径とは、光軸が照射面(基準面)と交わる交点p1における光軸に直交する平面での光(ビーム)の直径である。一般にレンズの焦点距離、光源のサイズと照射径の拡がりは、
(照射径の拡がり)≒(光源のサイズ)/(レンズ焦点距離)・・(1)式
で表される。この式から焦点距離を長くするほど略平行光に近づけることができるが照射光の光量が下がるため、レンズを明るくする必要がある。レンズの明るさを表す式として一般に、
(レンズの明るさ)=(レンズ焦点距離)/(レンズの直径)・・(2)式
で表される。(1)式から、光源のサイズをある程度持つことで照射径を広げることができる。すなわち、設定する照射径と照射光量にするために、前述に記載の条件を光学設計から求めることになる。
本実施形態では、図21(a)に示すように照射径をφ13mmに設定する。このような照射径にするために、光学設計と光学シミュレーションからレンズ仕様を焦点距離20.7mm、レンズ径φ7.5mmとして用いた場合、発光部62から交点p1までの距離は、50〜70mmの範囲内であり、例えば60mmである。このように設計したときの照射径は、図21(b)に示すように、上面視(XY平面上)では、短径(Y方向長さ)はφ13mm、長径(X方向長さ)は50.2mm(=13/cos75°)になる。このような照射面積(512.6mm2)とすることで、用紙の表面性の分布に対して感度を低くした正反射光や拡散光の光量検出が可能となることで、繊維配向の不均一性の影響が少なくなる。なお、本実施形態では、実施例1のように、光源62をコリメートレンズ63の焦点距離に配置してもよいが、製造時の取り付け精度のロバストネス性のために、実施例2のように焦点よりも内側に配置することが好ましい。
図22は、用紙表面を複数点測定した際の照射径の違いによる検出光量のばらつきを示すグラフである。同図は、照射径φ13mmと、φ1mmの2水準において、サンプルNO.1〜NO.10まで、1枚の普通紙において、異なる10点の位置を測定したときの、検出光量のばらつきを示している。同図に示す±8%は、検証から求めた用紙判別の誤検知が生じ易くなる閾値である。照射径が小さいと用紙90の地合の影響を受けやすく、紙種の誤判別が生じ易くなる。この図22に示すように、照射径φ13mmの方が、照射径φ1mmにくらべて誤検知のばらつきが少なく、±8%の閾値内に収まっている。
(坪量センサー50)
図23は、坪量センサー50の構成を示す模式図である。坪量センサー50は、用紙の坪量を検出する透過型の光学式センサーであり、発光部と受光部を備え、用紙90を透過する光の減衰量(透過率)を測定する。
図23に示すように、坪量センサー50は、複数の発光部51、および単一の受光部52を含む。発光部51は、第1発光部51a、第2発光部51b、および第3発光部51cを含む。第1、第2、第3発光部からは、それぞれ第1、第2、第3照射光が照射領域に照射される。この照射領域(検知領域a50)は、Z方向から視た場合に検知領域a50に対応する開口の中の内側領域である。上下一対の開口は、それぞれ上部筐体21の底面S1を構成する板、および下部筐体22の載置面S2を構成する板にそれぞれ設けられる。一対の開口は同じ形状であり、例えば、矩形である。検知領域a50には、通紙領域200を通る用紙90からの紙粉等の異物が付着するのを防止するために、PET等で構成された、各照射光の波長が透過する透明のシート54a、54bを取り付けている。なお、表面性センサー60用の検知領域a60に対応する開口には、何らシートを取り付けておらず、異物付着の防止をシャッター651により行う。
第1発光部51aは、第1の波長を有する第1照射光を照射する。第1の波長は、例えば、可視光線の波長よりも長い近赤外線の波長である。より具体的には、第1の波長は、例えば750nmから900nmまでの間の波長を含む。第2発光部51bは、第2の波長を有する第2照射光を照射する。第2の波長は、例えば、可視光線に含まれる青色の光線の波長である。より具体的には、第2の波長は、例えば400nmから470nmまでの間の波長を含む。第1発光部51a、および第2発光部51bは、ともに通紙領域200に対して、受光部52とは反対側に配置されており、第3発光部51cは、受光部52と同じ側であって、受光部52の近傍に設けられる。第3発光部51cは、照射領域(検知領域a50)に向けて第3の波長を有する第3照射光を照射する。第3の波長は、例えば可視光線のうち緑色の光線の波長である。より具体的には、第3の波長は、例えば495nm〜570nmまでの間の波長を含む。第3の波長は、第1の波長(例えば、750nmから900nmまでの間の波長)、および、第2の波長(例えば、400nmから470nm)とは異なる波長である。
第3照射光は、上部筐体21と下部筐体22との間の通紙領域200に向けて照射される。第1発光部51aおよび第2発光部51bの近傍に設けられた載置面S2上には、反射部53が設けられる。反射部53は、例えば、第3照射光と同色の緑色で塗装されており、第3照射光を反射する。なお、反射部53は、同色ではない第1照射光(近赤外線)および第2照射光(青色の光線)は反射しない。
本実施形態では、制御部26は、測定時には、第1発光部51a、第2発光部51bを制御して、それぞれ、異なるタイミングで、第1照射光と第2照射光とを照射する。受光部52は、第1照射光と第2照射光を受光して、それぞれの照射光の光量を検出し、検出した第1照射光の光量と第2照射光の光量とを制御部26に出力する。また、開口部a12の位置まで搬送された用紙90に対しても同様に、第1照射光と第2照射光とを照射する。受光部52は、第1照射光と第2照射光の透過光(第1透過光、第2透過光)を受光して、それぞれの照射光の光量を検出し、検出した第1透過光の光量と第2透過光の光量とを制御部26に出力する。すなわち、受光部52は、用紙90がないときの第1照射光、第2照射光、および用紙90が検知領域a50にあるときの第1透過光、第2透過光を検出する。
また、第3発光部51cに関しても同様に、受光部52は、用紙90がないときの反射部53で反射した第1反射光、および用紙90が検知領域a50にあるときに用紙90の表面で反射した第2反射光を検出する。これらの検出データは、後述するようにホスト(情報処理装置10)に送られ、ホスト側での紙種判定に用いられる。なお、本実施形態では、第3発光部51c、および反射部53を設けているがこれらは省略してもよい。
(用紙物性の検出処理)
次に、図24、図25A、図25Bを参照し、用紙物性検出装置20で行う用紙物性検出処理について説明する。図24は、用紙物性検出装置で行う測定処理を示すフローチャートである。
(ステップS10)
ステップS10は、用紙物性検出装置20本体の電源ONにともなう初期動作が終わった後に行う処理である。この初期動作には、ホスト(情報処理装置10、または画像形成装置10b(後述))との通信確立にともなう初期通信が含まれる。
ステップS10では、用紙物性検出装置20の制御部26は、シャッター開閉機構駆動部655を制御してシャッター651の閉動作を行う。シャッター651が閉状態となったことは、位置検知センサーを設け、その出力によって行ってもよく、十分な時間駆動させることで閉動作になったと推定してもよい。このときに脱調がともなってもよい。
(ステップS20)
ここでは、制御部26は、各検知部のキャリブレーションを行う。例えば、表面性センサー60ではあればシャッター651の裏側の基準板を読み込むことでキャリブレーションを行う。
(ステップS30)
用紙物性検出装置20は、ホストから測定開始指示を受信すれば(YES)、処理をステップS40に進める。
(ステップS40)
制御部26は、測定開始指示を受信することで用紙物性検出処理を開始する。図25A、図25Bは、このステップS40の処理を示すサブルーチンフローチャートである。
(ステップS401)
ここでは、今までの検出値があればこれを初期化(クリアー)する。
(ステップS402)
制御部26は、第1〜第3検知部(坪量センサー50、表面性センサー60、紙厚センサー70)のキャリブレーションを行う。例えば、紙厚センサー70であれば押圧板81を上部筐体21の底面S1に当接させて用紙90がないときの出力を取得する。
(ステップS403)
制御部26は、第1検知部(坪量センサー50)を作動させ、用紙90の検知領域50への到達を判定する。用紙90を検知すれば(YES)、処理をステップS404に進める。
(ステップS404)
用紙物性検出装置20は、用紙90が挿入されたことをホストに通知する。
(ステップ405)
ステップS404の処理と平行して、制御部26は、坪量センサー50による坪量の物性値(以下、「物性値1」という)の検出を開始する。この検出は複数回行う。
(ステップS406)
さらに、ユーザーが用紙90を奥に挿入することで用紙90が検知領域30に到達し、手前側の第1メディアセットセンサー30がON(用紙有り)となった場合(YES)には、制御部26は、処理をステップS407に進める。
(ステップS407)
同様に、奥側の第2メディアセットセンサー40がON(用紙有り)となった場合(YES)には、制御部26は処理をステップS408に進める。
(ステップS408)
坪量センサー50による複数回の測定が終了し、物性値1の検出が完了した場合(YES)には、制御部26は処理を、次のステップS409に進める。ユーザーによる用紙90を挿入する速度が、通常の想定される範囲内の速度であれば、ステップS407で、第2メディアセットセンサー40がONになる前に、物性値1の検出は完了している。
(ステップS409)
ここでは、用紙90が、壁S3に確実に突き当たるように、所定のディレイタイムだけ待ち、このディレイタイムが経過した場合(YES)には、制御部26は処理をステップS410に進める。
(ステップS410)
制御部26は、シャッター開閉機構駆動部655を制御してシャッター651の開動作を行い、処理を図25BのステップS501に進める。
(ステップS411)
ステップS406、ステップS407において、各メディアセットセンサーがONに切り替わらない状態が継続し、用紙90の有りを検知しないまま、所定時間が経過して、タイムアウトした場合(YES)、制御部26は、処理をステップS412に進める。所定時間が経過するまでは(NO)、ステップS406、ステップS407の処理を繰り返し行う。
(ステップS412)
制御部26は、表示部28等を通じてユーザーに警告を報知する。例えば表示部28の赤色LEDを点灯させる。
(ステップS413)
また用紙物性検出装置20は、ホスト側に現在の状態を通知する。ホスト側は受けた状態に応じた警告文をホストの表示部に表示するようにしてもよい。
(ステップS501)
図25BのステップS501では、制御部26は、用紙押圧機構80を制御して押圧板81を持ち上げ、用紙90を、押圧板81の押圧面S4と上部筐体21の底面S1とで押さえる。
(ステップS502、S503)
制御部26は、表面性センサー60(第2検知部)、および紙厚センサー70(第3検知部)を制御して、各物性値の測定を開始させる。具体的には、押圧板81により用紙90を押さえながら、表面性センサー60(第2検知部)により表面性(以下、「物性値2」という)の検出を開始する。また、紙厚センサー70(第3検知部)により、紙厚(以下、「物性値3」という)の検出を開始する。
(ステップS504)
各検知部による物性値2、3の検出が完了したならば(YES)、制御部26は処理を
ステップS505に進める。
(ステップS505)
用紙物性検出装置20は、ステップS408、およびS504で得られた検出結果(物性値1〜3)をホストに送信する。
(ステップS506、S507)
以降の処理は終了処理である。制御部26は、用紙押圧機構80を制御して押圧板81を所定位置まで下げる。また、シャッター開閉機構駆動部655を制御してシャッター651の閉動作を行う。
(ステップS508、S509)
ユーザーによる用紙90の引き抜き動作により、第2メディアセットセンサー40、および第1メディアセットセンサー30がこの順でOFFになれば、正常に処理が行われたと制御部26は判定し、処理をステップS510に進める。
(ステップS510)
用紙物性検出装置20は、正常終了した状態をホストに通知する。この状態では、次の用紙90の測定が行える状態(受入可能状態)であり、処理を終了し、図24の処理に戻る(エンド、リターン)。
(ステップS511、S512、S513)
ここでは制御部26は、ステップS411〜S413と同様の処理により、所定時間が経過してタイムアウトすることで測定した用紙90が抜かれずに通紙領域200に滞留したままであると判定し、判定結果に応じて、表示部28を通じてユーザーに警告を報知するとともに、ホストにその状態を通知する。
(ステップS514)
制御部26は、ユーザーに測定完了を報知する。例えば表示部28の緑色LEDを点灯させる。
(ステップS50)
図24のステップS50では、制御部26は、ホスト側から停止要求を受けた場合、または用紙物性検出装置20自体の電源がOFFされた場合には(YES)、装置を停止させて終了する(エンド)。
このように、本実施形態では、用紙物性検出装置20は、記録媒体の挿入方向から視て、第2筐体と第1筐体が形成する両側面の形状が、凹形状である。このような構成とすることで、記録媒体が適正に挿入されているか否かをユーザーは容易に認識できる。
また、挿入方向から視て、第1筐体が底面に向けて幅が狭くなるテーパー形状(またはR形状)としている。これにより、検知部(表面性センサー60)のサイズが大きく、そのため第1筐体の上部の幅を広くしたとして、底面側では幅が狭いので、小さいサイズの記録媒体を挿入したとしても、記録媒体が適正に挿入されているか否かをユーザーは容易に認識できる。
また、用紙物性検出装置20は、用紙押圧機構80を備える。これにより用紙挿入時には、押圧板81を下げておくので用紙90の挿入を妨げない。また測定時には押圧板81と上部筐体の底面S1との間で用紙Sを押さえるので、用紙Sの表面の位置を安定させることができるので高精度に用紙の物性値の検出ができるようになる。
(第2の実施形態)
次に図26〜図29を参照し、第2の実施形態に係る用紙物性検出装置20について説明する。第2の実施形態の用紙物性検出装置20は、画像形成システム1000bに組み込まれている。画像形成システム1000bは、用紙物性検出装置20とともに、用紙物性検出装置20のホストとして機能する画像形成装置10bを備える。
(画像形成装置10b)
画像形成装置10bは、制御部11b、記憶部12b、画像形成部13、給紙搬送部14、通信部15、後処理部17、操作パネル18、および排出部19、等を備える。用紙物性検出装置20は、通信部15を介して、画像形成装置10bと接続する。
通信部15は、第1の実施形態と同様の構成であり、説明を省略する。
(制御部11b、記憶部12b)
制御部11bは、操作パネル18や、ユーザーが操作するネットワーク接続されたPC等の外部端末から送られた指示により印刷ジョブが入力されると、入力された印刷ジョブの印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを実行させる。制御部11bは、記憶部12bに記憶されている紙種判別エンジン(学習済みモデル)、およびペーパープロファイルを用いて、紙種判定処理を実行する。ここで「ペーパープロファイル」は、ある用紙について、これの用紙物性検出装置20から得られた用紙物性に関する測定値およびこの測定値の演算値、ならびに、ユーザーから入力された特性データ、用紙サイズ、および任意の識別名(例えば紙銘柄)、等を対応づけて予め登録したものである。なお、用紙物性検出装置20からの測定値(物性値)および演算値としては、例えば、後述する、用紙物性の表面性センサー60の75°、30°の反射光の測定値、坪量センサー50の測定値による坪量の演算値および/または坪量差演算値、紙厚センサー70の測定値による紙厚演算値がある。また、ユーザーから入力された特性データには、搬送系特性データ(表裏調整値、片寄り補正値、等)、画像形成用特性データ(定着温度値、濃度調整値、γ補正値、等)、給紙系特性値(給紙トレイの捌きファン風量調整値)、等の各種制御パラメーター値が含まれる。
「紙種判別エンジン」は、学習済みモデルとも称され、用紙90の用紙物性検出装置20による検知出力を入力値、用紙90のユーザーにより設定された紙種情報を正解ラベルとして、教師データを用いた教師あり学習により、生成された学習済みモデルである。教師データとしては、ネットワークに接続された他の画像形成装置10b等のデータを、ネットワーク上のサーバーで集約するようにしてもよい。学習機(図示せず)は、パーセプトロンを組み合わせて構成したニューラルネットワークを用いた学習方法により、学習済みモデルを生成できる。なお、学習方法としては、これに限られず、教師あり学習であれば、種種の手法を取り得る。例えば、例えば、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン(SVM)、ブースティング(Boosting)、ベイジアン(Bsysian)ネットワーク線形判別法、非線形判別法、等を適用できる。また、学習機として、CPUおよびGPU(Graphics Processing Unit)のプロセッサを用いたスタンドアロンの高性能のコンピューター、またはクラウドコンピューターを用いて行える。
(画像形成部13)
画像形成部13は、例えば電子写真方式により画像を形成する。画像形成部13は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の基本色のそれぞれに対応した書込部、感光体ドラム、および各色のトナー、キャリアからなる2成分現像剤を収容する現像器、等を備え、フルカラーの画像を用紙90上に形成する。
(給紙搬送部14)
給紙搬送部14は、複数の給紙トレイを備える。給紙トレイは、手差しユニット(図示せず)も含まれる。給紙搬送部14の給紙トレイからは様々な種類の用紙90、および様々なサイズの用紙90を給紙できる。給紙、搬送可能な用紙90の最小サイズは、例えば、定型としては、はがきサイズ(100m×148mm)であり、不定型では100mm×135mmである。
(操作パネル18)
操作パネル18はタッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、画像形成装置10b、または画像形成システム1000bの状態を表示し、ユーザーからの給紙トレイ等に載置した用紙の種類等の設定、指示の入力に使用される。
(後処理部17)
後処理部17は、画像形成部13で画像形成された用紙90に対して、ステイプル処理、裁断処理、穿孔処理(パンチ穴)、等の処理を、画像形成装置10bから搬送された用紙90に施す。
(印刷処理)
次に図27を参照し、紙種判定処理を含む印刷処理について説明する。図27において、ステップS61〜S63は、印刷準備処理である。ユーザーは、印刷ジョブの本印刷を行う前に、この印刷準備処理を行う。
(ステップS61)
ユーザーは、操作パネル18に表示した操作画面(図示せず)の用紙設定ボタンを操作する。制御部11bは、ユーザーからこの操作を受け付けることで、用紙設定を開始する。具体的には、ホストとして機能する画像形成装置10bは、用紙物性検出装置20を制御して、用紙90の物性値の検出を行う。この用紙設定処理の詳細については図28を参照して後述する。
(ステップS62)
用紙設定の終了に応じて、設定された用紙特性に合わせた画像形成条件に設定し、印刷ジョブのテスト印刷(試し刷り)を行う。
(ステップS63)
ユーザーは、テスト印刷の結果が不満足である場合、または、1つの印刷ジョブで複数種類の用紙を用いる場合には、別の用紙に対してステップS61以下の処理を繰り返す(ステップS63:NO)。一方で、テスト印刷の結果が満足であり、全ての用紙種類に関する確認が終わった場合には(YES)、ユーザーによる準備完了の操作を受け付けることにより、制御部11bは、処理をステップS64に進める。
(ステップS64)
制御部11bは、画像形成部13等を制御して、印刷ジョブの実行(本印刷)を行うことで、印刷処理を完了する(エンド)。
(用紙設定処理)
(ステップS611)
図28は、用紙設定処理(ステップS61)を示すサブルーチンフローチャートである。例えば、ユーザーは、印刷に用いる用紙90の束を給紙トレイ内に充填するとともに、そのうちの1枚の用紙90を用いて、用紙物性検出装置20により物性値の測定処理を行う。用紙物性検出装置20側の測定処理は、上述の図24、図25A、図25Bで説明した処理である。用紙物性検出装置20は、ユーザーにより挿入された用紙90を測定し物性値1〜3の検出結果を得、これを画像形成装置10bに送信する(図25BのステップS505に相当)。画像形成装置10bは、用紙物性検出装置20から、送られた物性値1〜3の検出結果を受信する。
(ステップS612)
制御部11bは、ステップS611で取得した物性値1〜3(またはこれらの平均データ)、学習済みモデル(紙種判別エンジン)、および坪量区分確率演算処理を用いて、紙種判定、および坪量区分の判定を行う。また、ステップS611で取得した物性値1〜3(またはこれらの平均データ)とプロファイル選択処理を用いて登録済みペーパープロファイルデータから、近似度が高いペーパープロファイルの候補判定を行う。
この紙種判定、および坪量区分の判定処理について、図29を参照してより詳しく説明する。図29は、判定処理(ステップS612)を示す制御ブロック図である。この図21では、紙種判定、および坪量区分の判定処理に加えて、ユーザー毎(装置毎)に作成した、ペーパープロファイルを用いて判定した登録プロファイル候補の判定処理も合わせて示している。
(ステップS701〜S703)
制御部11bは、ステップS611で取得した物性値1〜3を用いて坪量換算値、表面性測定値、紙厚換算値を得る。なお、ここでは、坪量換算値は、測定値3の表面性測定値(S703)、画像形成システム1000bの周囲環境情報(温度、湿度)で決まる係数と計算式によって、第1坪量、第2坪量の値から、坪量、および坪量差(坪量指標値)を算出する。ここで坪量差=第1坪量−第2坪量である。坪量センサー50は、図23で示した様に、異なる波長の照射光を照射する複数のLEDを備える。第1坪量は、波長(750nm〜900nm)の照射光を出力する第1のLEDを用い、この照射光の用紙90を通る透過光量により求めたものである。第2坪量は、波長(400nm〜470nm)の照射光を出力する第2のLEDを用い、この照射光の用紙90を通る透過光量により求めたものである。坪量は、ステップS711、S712、S714に送られ、坪量差は、ステップS713、S714に送られる。また紙厚は、ステップS712、S713に送られる。表面性測定値は、ステップS701、S713、S714に送られる。
(ステップS711)
制御部11bは、ステップS701で算出した坪量から坪量区分確率を算出する。坪量区分の例としては、下記の12区分である。
〜61g/m2
62〜75 g/m2
76〜81 g/m2
82〜92 g/m2
93〜106 g/m2
107〜136 g/m2
137〜177 g/m2
178〜217 g/m2
218〜257 g/m2
258〜301 g/m2
302〜351 g/m2
352 g/m2〜
算出した坪量は正規分布に従い、所定の標準偏差でばらつくと仮定し、各区分の確率を判定する。例えば、いずれかの区分の中央に近い場合には、その区分確率は高く、100%に近くなる。一方で、区分の中央から遠い程、すなわち境界に近いほど、確率は低くなる。区分確率は、坪量区分スコアとして、ステップS721に送られる。
(ステップS712)
制御部11bは、坪量と紙厚を用いて、密度(=坪量/紙厚)を算出する。算出した密度は、ステップS713に送られる。
(ステップS713)
制御部11bは、密度、坪量差、および表面性の測定値の紙特性データと、学習済みモデルを用いて、紙種判別を行う。判別結果は、紙種スコアとして、ステップS721に送られる。
(ステップS714)
制御部11bは、密度、紙厚、および表面性の測定値の紙特性データと、予めユーザー等により登録されたペーパープロファイルのリストを用いて、その中から適合率が高い登録プロファイルを選択する。このペーパープロファイルのリストには、坪量値、紙厚値、坪量差値、表面性測定値(例として受光部641、642からの測定値)からなる用紙物性を表すデータを持っており、制御部11bは、ステップS611で取得した物性値1〜3(またはこれらの演算データ)を用いて、登録されているペーパープロファイルの中から登録済み用紙物性のデータに最も近い順にペーパープロファイルの候補の選択を行う。選択結果は、適合率のスコアを付与した候補ペーパープロファイルリストにして、ステップS722に送られる。
(ステップS721)
制御部11bは、坪量区分スコア、および紙種スコアに応じて、確率の高い順に、1つ、または複数の紙種/坪量の候補を表示し、ユーザーに提示する。
図30は、操作パネル18に表示した、判定結果(紙種/坪量区分)を示す操作画面181の例である。操作画面181では、スコアの高い順に2つの紙種/坪量の候補を表示している。ユーザーは、第1候補である欄81(塗工紙/坪量177〜216)の判定結果を受け入れる場合には、ボタン84を操作することで、トレイ1(複数の給紙トレイの一つ)に、選択されている欄81の判定結果が適用される。第2候補である欄82(普通紙/坪量172〜216)を適用する場合には、ユーザーは欄82を選択した後に、ボタン84を操作する。一方で、トレイ1、2の両方に、選択されている判定結果を適用したい場合には、ユーザーは、ボタン85を操作する。また、ボタン83を操作することで、判定結果を採用せず、廃棄できる。ユーザーにより選択された判定結果は、正解データとしてサーバー等に蓄積され、その後の機械学習の教師データとして利用するようにしてもよい。
(ステップS722)
制御部11bは、適合率スコアに応じて、スコアの高い順に、1つ、または複数の登録プロファイルの候補を表示し、ユーザーに提示する。
図31は、操作パネル18に表示した、判定結果(登録プロファイル)を示す操作画面182の例である。操作画面182では、スコアの高い順に3つの登録プロファイルの候補を表示している。登録プロファイルは、ユーザーが以前に用紙物性検出装置20等で測定した紙特性、または、操作パネル18を通じて手入力した紙特性、をメディア名に対応付けて登録したものである。過去に測定した紙特性と同じであれば、登録したそのメディア名が第1候補として表示される。第1候補である欄86(用紙プロファイルデータ21)の判定結果を受け入れる場合には、ボタン84、85等を操作することで、トレイ1等に、選択されている欄86の判定結果が適用される。
(ステップS613)
再び図28を参照する。ここでは、制御部11bは、判定結果を表示する。この処理は、上述の図30、図31、およびステップS721、S722に対応する。
(ステップS614)
ユーザーが紙種を変更するのであれば(YES)、処理をステップS617に進め、変更せずに判定結果を受け入れるのであれば(NO)、処理をステップS615に進める。
(ステップS615)
制御部11bは、ユーザーからの操作パネル18を通じた入力操作を受け付け、受け付けた変更後の紙種を、選択トレイの紙種情報として設定する。
(ステップS616)
制御部11bは、設定変更がない場合(例えば図30でボタン84の操作を受け付けた場合)には、ステップS613で行った、判定結果を選択トレイの紙種情報として設定する。
(ステップS617)
選択トレイの印刷条件を、設定した紙種に対応する印刷条件に設定し、以下、図27の処理に戻り、ステップS61以下の処理を行う(リターン)。
このように、本実施形態に係る画像形成システム1000bでは、用紙物性検出装置20からの検出結果を用いて、記録媒体の紙種を判定する。これにより精度よく紙種の判定を行える。
以上に説明した用紙物性検出装置20、およびこれを備える画像形成システム1000bの構成は、上記の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
(第1の実施形態に係る用紙情報判別システム1000での用紙判定処理)
用紙情報判別システム1000(図1参照)においても制御部11側で、図27〜図31で説明した用紙の紙種を判定する処理を行うようにしてもよい。この場合、判定した紙種の結果は、画像形成装置10b側に直接的、または間接的(例えば、ネットワーク上のサーバー経由)に送られ、印刷設定に用いられる。例えば、用紙情報判別システム1000をスタンドアロンで使用した場合には、用紙判定結果(選択候補)を画像形成装置10b側に反映する仕組み(アプリ)を組み込んでもよい。また、この場合、用紙情報判別システム1000において画像形成装置10bと通信接続し、情報処理装置10の表示部に図30、図31と同等の表示内容を表示することで、画像形成装置10bの給紙トレイの設定を、直接、情報処理装置10側から行えるようにしてもよい。この場合、既に市場に出ている画像形成装置10bに対して、後付けの用紙物性検出装置20の測定結果を用いた用紙設定処理が行える。
(第1の変形例)
また、以下に示すように画像形成装置10bの表示内容とは異なる、独自の表示内容としてもよい。図32から図34は、情報処理装置10の表示部に表示する操作画面の例である。図32の操作画面1には、「Connect」ボタン801、「Scan」ボタン802、「Clear」ボタン803、および「Disconnect」ボタン804が配置されている。操作画面1では、用紙物性検出装置20と、情報処理装置10とはケーブルでは接続しているが、通信接続されていない状態である。この状態で、「Connect」ボタン801を操作することで通信が確立し、情報処理装置10が、用紙物性検出装置20のホストとして機能するようになり、図33に示す操作画面2に切り替わる。
図33の操作画面2では、「Measurement」タブ811、および「Prediction Paper Type」タブ812を選択してから、「Scan」ボタン802を操作する。この操作により、ホストとしての情報処理装置10は、測定開始指示を用紙物性検出装置20に送る(図24のステップS30に相当)。その後、用紙物性検出装置20は、情報処理装置10とハンドシェーク(通信データの送受信)を行いながら、図25A、図25Bの処理を行い、用紙90の物性値の測定を行う。その結果(物性値1〜3)は、情報処理装置10に送られる。情報処理装置10では、図28、図29のような処理を行うことで、紙種判別、坪量区分判定、等を行う。そして、判定した紙種判定結果を領域813に表示する(図30に対応)。ユーザーはその複数の候補の中から何れかの候補を選択する。
また、その選択した紙種の製品銘柄、またはユニークな名称を領域814の「ProfileName」にキー入力した後、「save」ボタン815を操作することでこれを記憶部12に登録できる。
また、「Disconnect」ボタン804を操作すると、測定停止の要求が、情報処理装置10から用紙物性検出装置20側に送られ(図24のステップS50に相当)、これにより、測定が終了するとともに通信接続が解除される。
一方で、操作画面2の「User Profile」ボタン816を操作することで、図34の操作画面3に切り替わる。この操作画面3では、用紙90の測定値をもとに、ユーザーペーパープロファイルから所定の範囲内で近似するペーパープロファイルの候補を表示する(図31と同様)。このように情報処理装置10側でも、画像形成装置10bと同様の処理を行える。
(第1の実施形態、第1の変形例における用紙情報判別システム1000で行う、測定処理、および紙種判定処理)
以下、図35、図36を参照し、用紙情報判別システム1000で行う、測定処理、および紙種判定処理について説明する。
(第1の例)
図35は、第1の例における用紙情報判別システム1000で行う、測定処理、および紙種判定処理を示すフローチャートである。
(ステップS10b、20b)
ここでは、用紙物性検出装置20は、図24のステップS10、S20と同様の処理を行う。
(ステップS30b)
情報処理装置10では、ユーザーにより「Scan」ボタン802(図33参照)が操作されることで、測定開始指示を用紙物性検出装置20に送信する。
用紙物性検出装置20は、ホスト(情報処理装置10)からの測定開始指示を受けることで(YES)、処理をステップS40bに進める。
(ステップS40b)
ここでは、用紙物性検出装置20は、図24のステップS40と同様の処理を行い用紙物性の検出を行う。
(ステップS45)
情報処理装置10は、用紙物性検出装置20の測定結果(物性値1〜3)を用いて、紙種判定、坪量区分判定、およびペーパープロファイル選択を行う。この処理は、図29(ステップS612)と同様の処理であり、情報処理装置10の記憶部12(またはサーバー)に記憶したペーパープロファイル、および紙種判別モデル(学習済みモデル)を用いてこれらの判定、選択を行う。
(ステップS50b)
用紙物性検出装置20は、図24のステップS50と同様の処理を行う。例えば、「Disconnect」ボタン804が操作されることに応じて、ホスト側から送信された停止要求を、制御部26が受けた場合(YES)、装置を停止させて終了する(エンド)。
(第2の例)
図36は、第2の例における用紙情報判別システム1000で行う、測定処理、および紙種判定処理を示すフローチャートである。第1の例では、ユーザーにより「Scan」ボタン802が操作されることで、1枚の用紙90の測定を行うものであったが、第2の例では、「用紙測定モード」に移行することで、複数枚の用紙90に対する連続した測定を実現する。
(ステップS10c、20c)
ここでは、用紙物性検出装置20は、図24のステップS10、S20と同様の処理を行う。
(ステップS30c)
情報処理装置10では、ユーザーにより「Scan」ボタン802(図33参照)が操作されることで、測定開始指示を用紙物性検出装置20に送信する。
用紙物性検出装置20は、ホスト(情報処理装置10)からの測定開始指示を受けることで(YES)、ステップS40cに進め、「用紙測定モード」に移行する。
(ステップ40c)
ここでは、用紙物性検出装置20は、図24のステップS40と同様の処理を行う。
(ステップS45c)
情報処理装置10は、図35のステップS45と同様の処理を行い。紙種判定、坪量区分判定、およびペーパープロファイル選択を行う。
(ステップS55)
情報処理装置10は、ユーザーにより「Clear」ボタン803(図33参照)が操作された場合、「用紙測定モード」の解除要求を用紙物性検出装置20に送信する。用紙物性検出装置20は、「用紙測定モード」の解除要求を受けた場合(YES)、処理を終了する。一方で、解除要求を受けない場合(NO)には、ステップS40cの処理を繰り返す。この場合、第1検知部(紙厚センサー50)により用紙90が挿入されたこと をトリガーとして、挿入を検知する毎に、用紙物性検出処理(S40c)を行う。
(第3の例)
また、別の例として用紙情報判別システム1000の情報処理装置10では、紙種判定機能を持たず、測定値(物性値1から3)を画像形成装置10bに渡す機能のみを担うようにしてもよい。この場合、紙種判別モデル(学習済みモデル)は、画像形成装置10b側で持っている個別の紙種判別モデルを使用して判別できる。
また、画像形成装置10bの制御部11bが学習済みモデルを有する例を示したが、これに限られずサーバー側に学習済みモデルを保有させ、サーバーで、紙種判定を行うようにしてもよい。この場合、画像形成装置10bは、測定した紙特性のデータをサーバーに送信し、これを受けたサーバーはこのデータに基づいて、紙種判定を行い、その判定結果を画像形成装置に送り返す。
また、本実施形態では、紙種の判定結果として、図30に示したように優先度(スコア)の高い順に、優先度(「推奨度」)を表示する例を示したが、優先度の表示を省略してもよい。また、候補が1つしかない場合(あるいは2番目以降との差が所定値以上の解離がある場合)には、操作性を向上させるために、選択されている給紙トレイに自動的に適用して、試し刷り(ステップS62)の操作を直ぐに(ワンタッチで)実行できる操作画面を表示するようにしてもよい。
10 情報処理装置
20 用紙物性検出装置
21 上部筐体(第1筐体)
S1 底面
22 下部筐体(第2筐体)
S2 載置面
30 メディアセットセンサー(手前)
40 メディアセットセンサー(奥)
50 坪量センサー(第1の検知部)
60 表面性センサー(第2の検知部)
61 筐体
a3、a4 開口
61a 傾斜面
b1、b2、b3 基板
62 発光部
63 コリメートレンズ
64、641、642 受光部
70 紙厚センサー (第3の検知部)
72 接触部
80 用紙押圧機構
81 押圧板
88 用紙押圧機構駆動部(モーター)
891、892 押圧機構高さ位置センサー
65 開閉機構
651 シャッター
655 シャッター開閉機構駆動部(モーター)
a20、a30、a40、a50、a60 検知領域
a80 押圧領域
1000 用紙情報判別システム
1000b 画像形成システム

Claims (19)

  1. 記録媒体を載置する載置面を有する第2筐体と、
    前記第2筐体の上方に配置され、前記載置面に所定の間隔で対向した底面を有する第1筐体と、
    前記載置面の上に挿入された前記記録媒体の物性を検出する少なくとも1つの検知部と、
    を備え、
    前記記録媒体の挿入方向から視て、前記第2筐体と前記第1筐体が形成する両側面の形状が、凹形状である、用紙物性検出装置。
  2. 前記挿入方向から視て、前記第1筐体が、前記底面に向けて前記挿入方向に直交する幅方向の幅が狭くなる、テーパー形状またはR形状を有する、請求項1に記載の用紙物性検出装置。
  3. 押圧部材を含み、検出時に該押圧部材を持ち上げることで下方から、前記載置面の上に挿入された前記記録媒体を前記底面に向けて付勢することで、前記記録媒体を押さえる押圧機構を、さらに備える、請求項1、または請求項2に記載の用紙物性検出装置。
  4. 前記検知部には、前記第1筐体の内部に配置され、前記底面に設けた開口を検知領域とし、該検知領域内の前記記録媒体の表面性の物性を検出する第2の検知部が含まれ、
    前記第2の検知部は、前記検知領域に光を照射する発光部と、前記検知領域内の前記記録媒体の表面で正反射した正反射光の光量を検出する第1の受光部と、前記検知領域において前記記録媒体の表面で、少なくとも1つの反射角において拡散反射した拡散反射光の光量を検出する少なくとも1つの第2の受光部と、を備え、
    前記検知領域を含む前記挿入方向に直交する幅方向において、前記第1筐体の前記幅方向の最大幅をw1、前記第1筐体の前記底面の幅をw2、前記第2筐体の前記載置面の幅をw3としたときに、下記式(1)、および(2)を満たす請求項1から請求項3のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
    w1>w2 (1)
    w3≧w2 (2)
  5. 前記第2の検知部は、前記検知領域において、前記発光部の光源から照射される光の照射径が、前記記録媒体の繊維配向の不均一性の影響が少なくなる照射径に設定されている、請求項4に記載の用紙物性検出装置。
  6. 下面視において、前記第1筐体の前記底面は、挿入口に向けて前記幅方向の幅が狭くなる、テーパー形状またはR形状を有する、請求項2に記載の用紙物性検出装置。
  7. 前記第1筐体の前記底面の前記挿入口側の端部の幅をw2’としたとき、
    前記w2’は、前記用紙物性検出装置で検出可能な最小サイズの用紙の幅よりも狭い、請求項6に記載の用紙物性検出装置。
  8. 前記検知部は前記物性として、前記記録媒体の坪量を検出する第1の検知部、表面性を検出する第2の検知部、厚さを検出する第3の検知部を含む、請求項1から請求項7のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
  9. 前記第2の検知部は、表面性センサーであり、前記底面に設けた第2の開口を第2の検知領域とし、前記第2の検知領域に光を照射する発光部と、前記第2の検知領域内の前記記録媒体の表面で正反射した正反射光の光量を検出する受光部と、前記第2の検知領域において前記記録媒体の表面で、少なくとも1つの反射角において拡散反射した拡散反射光の光量を検出する少なくとも1つの受光部と、を備える、請求項8に記載の用紙物性検出装置。
  10. 前記第1の検知部は、坪量センサーであり、前記底面および前記載置面にそれぞれ設けた2つの相対する第1の開口を第1の検知領域とし、前記第1の検知領域に光を照射する1つ以上の発光部と、前記第1の検知領域内の前記記録媒体を透過した透過光の光量を検出する1つ以上の受光部と、前記第1の検知領域において前記記録媒体の表面で反射した反射光の光量を検出する受光部と、を備える、請求項8、または請求項9に記載の用紙物性検出装置。
  11. 前記第3の検知部は、紙厚センサーであり、
    押圧部材と前記底面により押さえられた前記記録媒体に付勢されて接触する接触部と、
    前記記録媒体の厚さに応じて変化する、前記記録媒体に接触した前記接触部の高さ方向の位置を測定する位置検出部と、を備える、請求項8から請求項10のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
  12. 前記載置面は、反射率が35%以下である、請求項1から請求項11のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
  13. さらに、前記載置面の前記挿入方向の奥側に配置された、前記記録媒体の有無を検知するメディアセットセンサーを備え、
    前記載置面の奥側には、前記記録媒体を突き当てる壁があり、
    前記メディアセットセンサーにより、前記記録媒体の前記壁への突き当たりを判定してから、前記押圧機構を作動させて、前記押圧部材により前記記録媒体を押さえた状態にした後、1つ以上の前記検知部による検出を行う、請求項3に記載の用紙物性検出装置。
  14. 前記検知部は前記物性として、前記記録媒体の坪量を検出する第1の検知部、表面性を検出する第2の検知部、厚さを検出する第3の検知部を含み、
    前記記録媒体を押さえた状態で行う検出は、第2の検知部による前記記録媒体の表面性の検出。および第3の検知部による厚さの検出である、請求項13に記載の用紙物性検出装置。
  15. 前記記録媒体の前記挿入方向において、前記第1の検知部の第1の検知領域は、前記第2の検知部の第2の検知領域よりも手前側であり、
    前記押圧機構を作動させて前記記録媒体を押さえた状態にする前に、前記第1の検知部によって、前記第1の検知領域を通過する前記記録媒体の坪量の検出を行う、請求項13、または請求項14に記載の用紙物性検出装置。
  16. 前記第2の検知部の第2の検知領域である前記底面に設けた第2の開口を開閉するシャッター、および該シャッターを開閉する開閉機構を備え、
    前記押圧機構により前記押圧部材を持ち上げることにより前記記録媒体を押さえた状態にする前に、前記開閉機構により前記シャッターを開いた状態にし、
    前記第2の検知部による前記記録媒体の表面性の検出が終了した後に、前記押圧機構により前記押圧部材を下降させてから、前記開閉機構により前記シャッターを閉じた状態にするとともに、測定完了をユーザーに報知する、請求項13から請求項15のいずれかに記載の用紙物性検出装置。
  17. 請求項1から請求項16のいずれかに記載の用紙物性検出装置と、
    前記用紙物性検出装置から取得した検出結果を用いて、前記記録媒体の紙種を判定する制御部と、を備える用紙情報判別システム。
  18. 請求項1から請求項16のいずれかに記載の用紙物性検出装置と、
    記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
    前記用紙物性検出装置から取得した検出結果を用いて、前記記録媒体の用紙特性を判定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記判定した前記記録媒体の用紙特性を用いて、前記画像形成部の画像形成条件を設定する、
    画像形成システム。
  19. 前記用紙物性検出装置で検出可能な前記記録媒体の最小サイズは、前記画像形成装置で搬送可能な前記記録媒体の最小サイズに対応して設定されている、請求項18に記載の画像形成システム。
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