JP2021066929A - 複合体の製造方法、および、複合体の製造装置 - Google Patents

複合体の製造方法、および、複合体の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因して構造物の形成効率が低下することを抑制しつつ、脆性材料の残留物を除去する。【解決手段】複合体の製造方法は、第1のノズルを、基材の表面に沿った方向に基材に対して相対移動させつつ、脆性材料の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、第1のノズルから基材の表面に向けて噴射させて、構造物を基材の表面に形成する構造物形成工程を備える。また、複合体の製造方法は、構造物形成工程における第1のノズルの相対移動の過程において、気体を、第2のノズルから、基材の表面のうち、第1のノズルの噴射方向の延長位置に対して第1のノズルの相対移動方向の前側の位置に向けて噴射させて、構造物の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物を除去する除去工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本明細書に開示される技術は、エアロゾルデポジション法を用いた複合体の製造方法に関する。
基材の表面に脆性材料(例えばセラミックスや半金属)の構造物(例えばコート)を形成する方法として、エアロゾルデポジション法が知られている。エアロゾルデポジション法では、脆性材料の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、ノズルから基材に向けて噴射させる。噴射されたエアロゾルに含まれる複数の微粒子は、例えば金属、ガラス、セラミックスやプラスチックなどにより形成された基材の表面に衝突し、各微粒子が変形したり破砕したりすることによって互いに接合する。この結果、基材の表面に微粒子の構成材料からなる構造物が形成される。エアロゾルデポジション法によれば、特に加熱手段を要することなく、常温下において、機械強度が焼成体と同等程度である構造物を基材の表面に形成することができる。
このようなエアロゾルデポジション法を用いて、基材と構造物とを備える複合物の製造方法として、次のような製造方法が知られている。すなわち、ノズルを、基材に対して相対移動させつつ、エアロゾルをノズルから基材の表面に向けて噴射させて、構造物を基材の表面に形成する。これにより、基材の表面に対して、ノズルの開口面積より広い領域に構造物を形成することができる。また、この従来の製造方法では、エアーブロー装置を用いて、ノズルの相対移動方向において該ノズルの後方から、気体を基材に向けて噴射することにより、構造物の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物(例えば凝集粉の塊、基材上に堆積した粉末(圧粉体))が除去される(下記特許文献1参照)。
特開2005−76104号公報
しかし、上述した従来の製造方法では、ノズルの相対移動方向において該ノズルの後方から、気体を基材に向けて噴射する。このため、エアーブロー装置からの気体の気流によってエアロゾルの気流の向きが変わり、構造物の形成に寄与する微粒子の量が低減し、その結果、構造物の形成効率(成膜効率)が低下するおそれがある。しかも、上述した従来の製造方法では、既に形成された構造物に気体が吹き付けられることになるため、該気体の吹き付けに起因して構造物の品質が低下するおそれがある。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される複合体の製造方法は、基材と、主成分として脆性材料を含み、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された構造物と、を備える複合体の製造方法において、第1のノズルを、前記基材の表面に沿った方向に前記基材に対して相対移動させつつ、脆性材料の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、前記第1のノズルから前記基材の表面に向けて噴射させて、前記構造物を前記基材の表面に形成する構造物形成工程と、前記構造物形成工程における前記第1のノズルの相対移動の過程において、気体を、第2のノズルから、前記基材の表面のうち、前記第1のノズルの噴射方向の延長位置に対して前記第1のノズルの相対移動方向の前側の位置に向けて噴射させて、前記構造物の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物を除去する除去工程と、を備える。
本複合体の製造方法では、構造物形成工程において、第1のノズルを、基材の表面に沿った方向に基材に対して相対移動させつつ、脆性材料(例えばセラミックスや半金属)の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、第1のノズルから基材の表面に向けて噴射させることにより、構造物が基材の表面に順次形成されていく。また、除去工程では、第1のノズルの相対移動の過程において、気体を、第2のノズルから、基材の表面のうち、第1のノズルの噴射方向の延長位置に対して第1のノズルの相対移動方向の前側の位置に向けて噴射させることにより、構造物の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物(例えば凝集粉の塊、基材上に堆積した粉末(圧粉体))が除去される。このため、本複合体の製造方法によれば、気体をエアロゾルの後方から噴射する従来の製造方法に比べて、気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因して構造物の形成効率が低下することを抑制しつつ、脆性材料の残留物を除去することができる。また、本複合体の製造方法によれば、既に形成された構造物に気体が吹き付けられることに起因して構造物の品質が低下することを抑制することができる。
(2)上記複合体の製造方法において、前記基材の表面に対する前記第2のノズルからの気体の噴射方向の相対角度である第2の角度は、前記基材の表面に対する前記第1のノズルからのエアロゾルの噴射方向の相対角度である第1の角度以下である構成としてもよい。本複合体の製造方法では、基材の表面に対する第2のノズルの噴射方向の相対角度である第2の角度は、基材の表面に対する第1のノズルの噴射方向の相対角度である第1の角度以下である。すなわち、第2のノズルからの気体は、第1のノズルからのエアロゾルより先行して第1のノズルの相対移動方向の前側に向け、かつ、第1のノズルからのエアロゾルへの影響が小さい角度で噴射される。これにより、本複合体の製造方法によれば、気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因して構造物の形成効率が低下することを、より効果的に抑制しつつ、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
(3)上記複合体の製造方法において、前記第1の角度は、60度より大きく、90度以下であり、前記第1の角度と前記第2の角度との角度差は、30度以上、45度以下である構成としてもよい。本複合体の製造方法では、第1の角度は、60度より大きく、90度以下であり、第1の角度と第2の角度との角度差は、30度以上、45度以下である。これにより、本複合体の製造方法によれば、例えば、同角度差が30度未満の場合に比べて、気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因する構造物の形成効率の低下を、より効果的に抑制することができる。また、同角度差が45度より大きい場合に比べて、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
(4)上記複合体の製造方法において、前記第1の角度は、60度以下であり、前記第1の角度と前記第2のノズルの前記第2の角度とは略同一である構成としてもよい。本複合体の製造方法では、第1の角度は、60度以下であり、第1の角度と第2の角度とは略同一である。これにより、本複合体の製造方法によれば、例えば、第1の角度と第2の角度とが略同一であるが、第1の角度が60度より大きい場合に比べて、脆性材料の残留物を、より効果的に除去しつつ、気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因する構造物の形成効率の低下を、より効果的に抑制することができる。
(5)上記複合体の製造方法において、前記第2のノズルからの気体の流速は、前記第1のノズルからのエアロゾルの流速より速い構成としてもよい。本複合体の製造方法では、第2のノズルからの気体が、第1のノズルからのエアロゾルより先行して第1のノズルの相対移動方向の前側に向けて噴射されるため、第2のノズルからの気体の流速をある程度速くしても、既に形成された構造物に気体が吹き付けられることに起因する構造物の品質低下の影響が小さい。そこで、本複合体の製造方法によれば、第2のノズルからの気体の流速を、第1のノズルからのエアロゾルの流速より速くすることにより、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
(6)上記複合体の製造方法において、前記第2のノズルからの気体の流速は、前記第1のノズルからのエアロゾルの流速より遅く、かつ、前記第1のノズルからのエアロゾルの流速に対する、前記第2のノズルからの気体の流速の比率は、0.5以上である構成としてもよい。本複合体の製造方法では、第2のノズルからの気体が、第1のノズルからのエアロゾルより先行して第1のノズルの相対移動方向の前側に向けて噴射されるため、第2のノズルからの気体の流速をある程度速くしても、既に形成された構造物に気体が吹き付けられることに起因する構造物の品質低下の影響が小さい。そこで、本複合体の製造方法によれば、第2のノズルからの気体の流速を、第1のノズルからのエアロゾルの流速より遅くしつつも、第1のノズルからのエアロゾルの流速に対する第2のノズルからの気体の流速の比率を0.5以上とすることにより、気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因する構造物の形成効率の低下を、より効果的に抑制しつつ、脆性材料の残留物を除去することができる。
(7)上記複合体の製造方法において、前記相対移動方向視で、前記基材の表面に平行な幅方向において、前記第2のノズルの噴射口の両端の位置は、前記第1のノズルの噴射口の両端と同じ位置、または、前記第1のノズルの噴射口の両端より外側の位置である構成としてもよい。本複合体の製造方法では、相対移動方向視で、基材の表面に平行な幅方向において、第2のノズルの噴射口の両端の位置は、第1のノズルの噴射口の両端と同じ位置、または、第1のノズルの噴射口の両端より外側の位置である。これにより、本複合体の製造方法によれば、例えば、第2のノズルの噴射口の両端の少なくとも一方が、第1のノズルの噴射口の両端の内側に位置する場合に比べて、基材の表面のうち、構造物を形成すべき領域に存在する脆性材料の残留物を、より確実に除去することができる。
(8)上記複合体の製造方法において、前記除去工程において、前記第2のノズルから、前記脆性材料の微粒子より柔らかい材料により形成された除去用粒子を気体と共に噴射させる構成としてもよい。本複合体の製造方法では、第2のノズルからの気体が、第1のノズルからのエアロゾルより先行して第1のノズルの相対移動方向の前側に向けて噴射されるため、第2のノズルから気体に加えて他の粒子を噴射させても、既に形成された構造物に気体や他の粒子が吹き付けられることに起因する構造物の品質低下の影響が小さい。そこで、本複合体の製造方法によれば、第2のノズルから、脆性材料の微粒子より柔らかい材料により形成された除去用粒子を気体と共に噴射させることにより、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
(9)本明細書に開示される複合体の製造装置は、基材と、主成分として脆性材料を含み、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された構造物と、を備える複合体の製造装置において、基材が配置される配置部と、脆性材料の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、前記配置部に配置される前記基材の表面に向けて噴射する第1のノズルと、前記第1のノズルを、前記配置部に配置される前記基材の表面に沿った方向に前記配置部に対して相対移動させる移動機構と、前記移動機構により、前記第1のノズルと共に相対移動するよう設けられた第2のノズルであって、気体を、前記基材の表面のうち、前記第1のノズルの噴射方向の延長位置に対して前記第1のノズルの相対移動方向の前側の位置に向けて噴射するように配置された第2のノズルと、を備える。本複合体の製造装置によれば、気体の気流によるエアロゾルへの影響に起因して構造物の形成効率が低下することを抑制しつつ、脆性材料の残留物を除去することができる。
本明細書によって開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、複合体の製造方法、脆性材料の構造物を基材に形成する方法、複合体の製造装置、構造物形成装置等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における複合体1の製造装置10の概略構成を示す説明図である。 XYステージ110とエアロゾルノズル150とブローノズル170とのXZ平面構成を示す説明図である。 XYステージ110とエアロゾルノズル150とブローノズル170とのYZ平面構成を示す説明図である。 本実施形態の複合体1の製造方法を示すフローチャートである。 比較例におけるXYステージ110とエアロゾルノズル150Aとブローノズル170AとのXZ平面構成を示す説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.構成:
(複合体1の製造装置10の構成)
図1は、本実施形態における複合体1の製造装置10の概略構成を示す説明図である。図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を「上方向」といい、Z軸負方向を「下方向」というものとするが、複合体1や製造装置10は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図2以降についても同様である。
図1には、製造後の複合体1が例示されている。複合体1は、例えば平板状の基材2と、基材2の下面(以下、「加工対象面S1」という)の全体に形成されたコート3とを備える。基材2は、例えば、電子機器用部品であり、Cu、Al、SUS等の金属部材、樹脂、ガラス、セラミックスやプラスチックなどにより形成されている。コート3は、例えばセラミックスや半金属などの脆性材料により形成されている。なお、コート3は、主成分として、脆性材料を含んでいればよく、副成分として、脆性材料以外の材料を含んでいてもよい。主成分とは、体積割合が50%以上である成分を意味する。コート3は、特許請求の範囲における構造物に相当する。
製造装置10は、XYステージ110と、ガスボンベ130と、エアロゾル生成器140と、エアロゾルノズル150と、ブローガス発生器160と、ブローノズル170と、制御部180と、を備える。なお、本実施形態では、XYステージ110とエアロゾルノズル150とブローノズル170とはチャンバ100内に配置されている。チャンバ100は、真空ポンプ120に連結されており、真空ポンプ120によってチャンバ100内が負圧状態される。これにより、負圧状態下で、基材2にコート3を形成することができる。
XYステージ110は、配置台112と支持部114とを備える。支持部114は、配置台112を上下方向に垂直な面方向(XY平面方向)において移動可能に支持する。なお、本実施形態では、配置台112の上面S2の側が支持部114に支持され、配置台112の下面(以下、「配置面」という)が、基材2等の加工対象物が配置される配置面とされる。また、配置台112の配置面に加工対象物が固定可能とされている。XYステージ110は、特許請求の範囲における配置部および移動機構に相当する。
ガスボンベ130とエアロゾル生成器140とエアロゾルノズル150とは、XYステージ110の配置面に配置された基材2に向けて、エアロゾルG1を噴射させるための構成である。具体的には、ガスボンベ130は、内部に圧縮されたガス(例えばプロパンガス等)が収容され、ガスボンベ130の排出口は、エアロゾル生成器140の導入口に連結されている。エアロゾル生成器140の導出口は、搬送管を介して、エアロゾルノズル150に連結されている。ガスボンベ130から排出されたガスは、エアロゾル生成器140に導入される。エアロゾル生成器140は、ガスボンベ130から導入されたガス中に脆性材料の微粒子を分散させてエアロゾルG1を生成する。生成されたエアロゾルG1は、エアロゾルノズル150に搬送され、エアロゾルノズル150の噴射口152から基材2に向けて噴射される。なお、本明細書において、微粒子とは、粒径が5μm以下の粒子である。また、微粒子の粒径は、0.1μm以上であることが好ましい。エアロゾルノズル150は、特許請求の範囲における第1のノズルに相当する。
ブローガス発生器160とブローノズル170とは、XYステージ110の配置面に配置された基材2に向けて、ブローガスG2を噴射させるための構成である。具体的には、ブローガス発生器160は、ブローガスG2を発生させる。ここで、ブローガスG2は、脆性材料の微粒子(エアロゾル粒子)を含まないガスである。ブローガス発生器160の導出口は、搬送管を介して、ブローノズル170に連結されている。ブローガス発生器160から排出されたブローガスG2は、ブローノズル170に搬送され、ブローノズル170の噴射口172から基材2に向けて噴射される。なお、ブローガスG2は、特許請求の範囲における気体に相当し、ブローノズル170は、特許請求の範囲における第2のノズルに相当する。エアロゾルノズル150とブローノズル170との詳細構成については後述する。
制御部180は、XYステージ110とエアロゾル生成器140とブローガス発生器160とのそれぞれの動作を制御する。
(エアロゾルノズル150とブローノズル170との詳細構成)
図2は、XYステージ110とエアロゾルノズル150とブローノズル170とのXZ平面構成を示す説明図であり、図3は、XYステージ110とエアロゾルノズル150とブローノズル170とのYZ平面構成を示す説明図である。すなわち、図3には、図1および図2に対して、XYステージ110とエアロゾルノズル150とブローノズル170とを、X軸正方向側から見た構成が示されている。なお、図2および図3では、XYステージ110の配置台112の配置面に基材2が配置されている。
ここで、図1から図3に示すように、本実施形態の製造装置10では、エアロゾルノズル150とブローノズル170とは、チャンバ100内において、XYステージ110の下側における所定の位置に移動不能に固定されている。基材2にコート3を形成する際、XYステージ110は、配置台112をX軸負方向(図2の白抜き矢印の向き)に移動させる。すなわち、基材2にコート3を形成する際、エアロゾルノズル150とブローノズル170とは、配置台112に配置された基材2を基準として、X軸正方向に相対移動する。以下、X軸方向を「相対移動方向」といい、X軸正方向を「相対移動方向の前側」といい、X軸負方向を「相対移動方向の後ろ側」という。
図1および図2に示すように、エアロゾルノズル150の噴射口152は、XYステージ110の配置台112の配置面側に向けられている。具体的には、配置台112に配置された基材2の加工対象面S1に対する、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射方向の相対角度である角度(以下、「エアロゾルG1の噴射角度θ1」という)は、90度以下である。すなわち、エアロゾルG1の噴射角度θ1は、基材2の加工対象面S1と、エアロゾルノズル150の噴射口152の中心軸の延長線とのなす角度である。以下、基材2の加工対象面S1のうち、エアロゾルノズル150の噴射口152の中心軸の延長線と交差する位置を「エアロゾルG1の吹き付け位置P1」という。なお、エアロゾルG1の噴射角度θ1は、特許請求の範囲における第1の角度に相当し、エアロゾルG1の吹き付け位置P1は、特許請求の範囲におけるエアロゾルノズルの噴射方向の延長位置に相当する。
図1および図2に示すように、ブローノズル170は、ブローガスG2を、基材2の加工対象面S1のうち、上記エアロゾルG1の吹き付け位置P1に対して相対移動方向の前側の位置(以下、「ブローガスG2の吹き付け位置P2」という)に向けて噴射するように配置されている。具体的には、ブローノズル170は、エアロゾルノズル150に対して相対移動方向の前側に配置されている。ブローノズル170の噴射口172は、XYステージ110の配置台112の配置面側に向けられている。具体的には、配置台112に配置された基材2の加工対象面S1に対する、ブローノズル170からのブローガスG2の噴射方向の相対角度である角度(以下、「ブローガスG2の噴射角度θ2」という)は、90度以下である。すなわち、ブローガスG2の噴射角度θ2は、基材2の加工対象面S1と、ブローノズル170の噴射口172の中心軸の延長線とのなす角度である。また、図2の例では、上述したエアロゾルG1の噴射角度θ1とブローガスG2の噴射角度θ2とは略同一である。すなわち、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射方向と、ブローノズル170からのブローガスG2の噴射方向とは略平行である。なお、ブローガスG2の噴射角度θ2は、特許請求の範囲における第2の角度に相当し、ブローガスG2の吹き付け位置P2は、特許請求の範囲における相対移動方向の前側の位置に相当する。
図3に示すように、相対移動方向視で、エアロゾルノズル150の噴射口152の形状は、配置台112に配置された基材2の加工対象面S1(配置台112の配置面)に平行な幅方向(Y軸方向)に延伸したスリット状となっている。また、相対移動方向視で、ブローノズル170の噴射口172の形状は、上記幅方向(Y軸方向)に延伸したスリット状となっている。ブローノズル170の噴射口172の幅ΔY2は、エアロゾルノズル150の噴射口152の幅ΔY1より広い。また、相対移動方向視で、上記幅方向において、ブローノズル170の噴射口172の両端の位置は、エアロゾルノズル150の噴射口152の両端より外側の位置である。
A−2.複合体1の製造方法:
次に、上記製造装置10を用いた複合体1の製造方法について説明する。図4は、本実施形態の複合体1の製造方法を示すフローチャートである。
まず、基材2を準備し、XYステージ110の配置台112の配置面に配置する(S110)。なお、基材2は、公知の成形方法等により作製することができる。そして、製造装置10を起動させると、制御部180により、次に説明するように、XYステージ110とエアロゾル生成器140とブローガス発生器160とのそれぞれの動作が制御される。すなわち、XYステージ110による基材2の移動が開始される(S120)。これにより、エアロゾルノズル150とブローノズル170とが、基材2の加工対象面S1に沿った相対移動方向(X軸方向)に基材2に対して相対移動する。
次に、ブローノズル170からブローガスG2を噴射させる(S130)。これにより、ブローノズル170から噴射されたブローガスG2が基材2の加工対象面S1に吹き付けられることになる。このように、ブローノズル170からのブローガスG2の噴射を、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射より先に開始する。これにより、エアロゾルG1の噴射の開始当初から、コート3の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物(例えば凝集粉の塊、基材上に堆積した粉末(圧粉体))が、より確実に除去される。
次に、エアロゾルノズル150からエアロゾルG1を噴射させる(S140)。このとき、エアロゾルノズル150から噴射されたエアロゾルG1は、基材2の加工対象面S1のうち、ブローガスG2の吹き付け位置P2に対して相対移動方向の後ろ側の吹き付け位置P1に吹き付けられることになる。このように、エアロゾルノズル150が基材2に対して相対移動されつつ、エアロゾルノズル150からエアロゾルG1が基材2の加工対象面S1に向けて噴射される。その結果、コート3が、基材2の加工対象面S1における相対移動方向の後ろ側の端から前側の端に向かって順次形成されていく(図2参照)。図4中のS120およびS140は、特許請求の範囲における構造物形成工程に相当する。
また、ブローノズル170が基材2に対して相対移動されつつ、ブローノズル170から噴射されたブローガスG2は、基材2の加工対象面S1のうち、エアロゾルG1の吹き付け位置P1に対して相対移動方向の前側の吹き付け位置P2に吹き付けられる。その結果、コート3の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物が除去される。図4中のS120およびS130は、特許請求の範囲における除去工程に相当する。
ここで、図5は、比較例におけるXYステージ110とエアロゾルノズル150Aとブローノズル170AとのXZ平面構成を示す説明図である。比較例では、ブローノズル170Aから噴射されたブローガスG2Aは、基材2の加工対象面S1のうち、エアロゾルノズル150Aから噴射されたエアロゾルG1Aの吹き付け位置P1Aに対して相対移動方向の後ろ側の吹き付け位置P2Aに吹き付けられる点で、本実施形態とは異なる。このような構成の比較例では、ブローノズル170AからのブローガスG2Aの気流によってエアロゾルG1の気流の向きが変わり、ブローガスG2Aがエアーカーテンとして機能して加工対象面S1に吹き付けられるエアロゾルG1がブロックされたりするため、コート3の形成に寄与する微粒子の量が低減する。その結果、コート3の形成効率(成膜効率)が低下したり、コート3の厚み分布が不均一になったりするおそれがある。なお、コート3の形成効率は、エアロゾルノズル150から噴射された微粒子の量に対する、コート3の形成に寄与した微粒子の量の割合である。
しかも、比較例では、既に形成されたコート3にブローガスG2Aが吹き付けられることになるため(図5の吹き付け位置P2A参照)、ブローガスG2Aの吹き付けに起因してコート3の品質が低下するおそれがある。また、比較例では、コート3の形成に寄与しなかった微粒子が、ブローノズル170AからのブローガスG2Aによって、エアロゾルノズル150AからのエアロゾルG1Aの噴射経路内に飛散しやすい。そうすると、エアロゾルG1Aに含まれる微粒子が、コート3の形成に寄与しなかった微粒子に衝突し、基材2の加工対象面S1に対する衝突力が低下し、コート3の形成効率が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態の製造方法では、ブローノズル170から噴射されたブローガスG2は、基材2の加工対象面S1のうち、エアロゾルG1の吹き付け位置P1に対して相対移動方向の前側の吹き付け位置P2に吹き付けられる。このため、本実施形態によれば、上記比較例に比べて、ブローガスG2の気流によるエアロゾルG1への影響に起因してコート3の形成効率が低下することを抑制しつつ、脆性材料の残留物を除去することができる。また、本実施形態によれば、既に形成されたコート3にブローガスG2が吹き付けられることに起因してコート3の品質が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態では、エアロゾルノズル150から噴射され、コート3の形成に寄与しなかった微粒子は、エアロゾルG1の吹き付け位置P1より相対移動方向の前側の吹き付け位置P2に位置に向けて先行して噴射されるブローガスG2によって吹き飛ばされる。このため、凝集粉の塊や基材上に堆積した粉末(圧粉体)が形成されることを抑制することができる。また、本実施形態によれば、コート3の形成に寄与しなかった微粒子が、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射経路内に飛散し難い。このため、エアロゾルG1に含まれる微粒子が、コート3の形成に寄与しなかった微粒子に衝突することに起因してコート3の形成効率が低下することを抑制することができる。
また、上述したように、本実施形態では、ブローノズル170の噴射口172の両端の位置は、エアロゾルノズル150の噴射口152の両端より外側の位置である(図3参照)。これにより、例えば、ブローノズル170の噴射口172の両端の少なくとも一方が、エアロゾルノズル150の噴射口152の両端の内側に位置する場合に比べて、基材2の表面のうち、コート3を形成すべき領域に存在する脆性材料の残留物を、より確実に除去することができる。
次に、基材2の加工対象面S1全体にコート3が形成された後、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射が停止され(S150)、その後に、ブローノズル170からのブローガスG2の噴射が停止され(S160)、本複合体1の製造が終了する。このように、エアロゾルG1の噴射の停止後に、ブローガスG2の噴射を停止することにより、コート3の形成完了直前において、コート3の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物が、より確実に除去される。
A−3.性能評価:
複合体1の複数のサンプル(S1〜S13)を作製し、これらのサンプルを対象とした性能評価を行った。図6は、性能評価結果を示す説明図である。
(各サンプルについて)
図6に示すように、各サンプルは、いずれも、上述した製造方法(図4参照)によって製造されたものである。本評価では、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速は、300m/s以上、400m/s以下とし、ブローノズル170からのブローガスG2の流速は、300m/s以上、400m/s以下とし、基材2の形成材料は、銅とし、コート3の形成材料は、アルミナとした。ただし、各サンプルは、該製造方法における上述したエアロゾルG1の噴射角度θ1およびブローガスG2の噴射角度θ2の少なくとも一方が互いに異なる。図6中の角度差は、エアロゾルG1の噴射角度θ1からブローガスG2の噴射角度θ2を減算した値(=θ1−θ2)である。なお、角度差が0であることは、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射方向とブローノズル170からのブローガスG2の噴射方向とが平行であることを意味する。また、角度差が0より大きいことは、基材2の加工対象面S1に対する、ブローノズル170からのブローガスG2の噴射方向の傾斜角度(ブローガスG2の噴射角度θ2)が、基材2の加工対象面S1に対する、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射方向の傾斜角度(エアロゾルG1の噴射角度θ1)に比べて緩やかであることを意味する。また、角度差が0より小さいことは、基材2の加工対象面S1に対する、ブローノズル170からのブローガスG2の噴射方向の傾斜角度(ブローガスG2の噴射角度θ2)が、基材2の加工対象面S1に対する、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の噴射方向の傾斜角度(エアロゾルG1の噴射角度θ1)に比べて急峻であることを意味する。
(評価項目および評価方法)
各サンプルを用いて、除去性能と形成性能との2つの項目についての評価を行った。除去性能の評価は、ブローノズル170による脆性材料の残留物の除去能力を評価するものである。除去性能の評価では、各サンプルの製造過程において、コート3の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物(例えば基材2の加工対象面S1に堆積した粉末等)がブローガスG2によって除去される様子を目視で確認した。該残留物が若干残存しつつもほぼ除去された場合に、合格「△」と評価し、該残留物がほぼ残存することなく除去された場合に、良好「○」と評価し、該残留物が残存することなく円滑に除去された場合に、最良「◎」と評価した。
形成性能の評価は、コート3の形成効率を評価するものである。形成性能の評価では、基材2の加工対象面S1に形成されたコート3の厚さ(膜厚)を測定し、基準の厚さに対する測定された厚みの割合(以下、「厚さ割合」という)が60%以上、70%未満であった場合に、合格「△」と評価し、形成されたコート3の厚さ割合が70%以上、80%未満であった場合に、良好「○」と評価し、形成されたコート3の厚さ割合が80%以上であった場合に、最良「◎」と評価した。
(評価結果)
図6に示すように、サンプル1〜5,9〜13では、角度差が0以上であり、形成性能は最良「◎」または良好「○」と評価され、サンプル6〜8では、角度差が0未満であり、形成性能は合格「△」と評価された。これらの評価結果から、次のことが分かる。すなわち、ブローガスG2の噴射角度θ2がエアロゾルG1の噴射角度θ1以下であれば、ブローノズル170からのブローガスG2は、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1より先行して相対移動方向の前側に向け、かつ、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1への影響が小さい角度で噴射される。これにより、ブローガスG2の気流によるエアロゾルG1への影響に起因してコート3の形成効率が低下することを、より効果的に抑制することができる。
また、サンプル1〜4,10〜12では、ブローガスG2の噴射角度θ2が45度以上であり、除去性能は最良「◎」と評価され、サンプル5,9,13では、ブローガスG2の噴射角度θ2が45度未満であり、除去性能は合格「△」と評価された。これらの評価結果から、ブローガスG2の噴射角度θ2が45度以上であれば、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができることがわかる。
また、サンプル3,4では、エアロゾルG1の噴射角度θ1が60度より大きく、90度以下であり、角度差が30度以上、45度以下であり、除去性能および形成性能のいずれも最良「◎」と評価された。一方、例えばサンプル1,2では、角度差が30度未満であり、サンプル5では、角度差が45度より大きく、形成性能が良好「○」と評価された。これらの評価結果から、次のことが分かる。すなわち、エアロゾルG1の噴射角度θ1が60度より大きく、90度以下であり、角度差が30度以上、45度以下であれば、例えば、同角度差が30度未満の場合に比べて、ブローガスG2の気流によるエアロゾルG1への影響に起因するコート3の形成効率の低下を、より効果的に抑制することができる。また、同角度差が45度より大きい場合に比べて、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
また、サンプル11,12では、エアロゾルG1の噴射角度θ1が60度以下であり、角度差が0であり、除去性能および形成性能のいずれも最良「◎」と評価された。一方、例えばサンプル10では、エアロゾルG1の噴射角度θ1が60度より大きく、形成性能が良好「○」と評価された。これらの評価結果から、次のことが分かる。すなわち、エアロゾルG1の噴射角度θ1が60度以下であり、角度差が0であれば、例えば、角度差が0であるが、エアロゾルG1の噴射角度θ1が60度より大きい場合に比べて、脆性材料の残留物を、より効果的に除去しつつ、ブローガスG2の気流によるエアロゾルG1への影響に起因するコート3の形成効率の低下を、より効果的に抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における製造装置10および複合体1の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、基材2は、平板状以外の形状(例えば円筒状や箱状)であってもよい。また、複合体1は、基材2の表面の全体にコート3が形成されたものでもよいし、基材2の一表面(例えば加工対象面S1)の一部だけにコート3が形成されたものでもよい。
また、上記実施形態において、エアロゾルノズル150およびブローノズル170が移動し、基材2が固定配置されることにより、エアロゾルノズル150およびブローノズル170が基材2に対して相対移動する構成であってもよい。また、エアロゾルノズル150およびブローノズル170と基材2とが互いに逆方向または同方向に互いに異なる速度で移動することにより、エアロゾルノズル150およびブローノズル170が基材2に対して相対移動する構成であってもよい。また、上記実施形態では、エアロゾルノズル150とブローノズル170とが一体的に同速度で同方向に基材2に対して相対移動する構成であったが、エアロゾルノズル150とブローノズル170とが互いに異なる速度で基材2に対して相対移動してもよい。
また、上記実施形態において、ブローノズル170の噴射口172の両端の位置は、エアロゾルノズル150の噴射口152の両端と同じでもよいし、該両端より内側の位置であってもよい。
また、上記実施形態における製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、ブローノズル170からのブローガスG2の流速は、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速と同じでもよいが、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速より速くてもよい。上述したように、上記実施形態では、ブローノズル170からのブローガスG2が、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1より先行して相対移動方向の前側に向けて噴射される。このため、ブローノズル170からのブローガスG2の流速をある程度速くしても、既に形成されたコート3ブローガスブローガスにブローガスG2が吹き付けられることに起因するコート3の品質低下の影響が小さい。従って、ブローノズル170からのブローガスG2の流速を、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速より速くすることにより、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
また、上記実施形態において、ブローノズル170からのブローガスG2の流速は、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速より遅く、かつ、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速に対する、ブローノズル170からのブローガスG2の流速の比率は、0.5以上であることが好ましい。これにより、ブローノズル170からのブローガスG2の流速を、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1の流速より遅くしつつも、同比率を0.5以上とすることにより、ブローガスG2の気流によるエアロゾルG1への影響に起因するコート3の形成効率の低下を、より効果的に抑制しつつ、脆性材料の残留物を除去することができる。
また、上記実施形態における除去工程(図4のS130)において、ブローノズル170から、除去用粒子をブローガスG2と共に噴射させてもよい。除去用粒子は、エアロゾルノズル150から噴射される脆性材料の微粒子より柔らかい材料により形成された粒子であり、例えば、樹脂ビーズである。上記実施形態では、ブローノズル170からのブローガスG2が、エアロゾルノズル150からのエアロゾルG1より先行して相対移動方向の前側に向けて噴射される。このため、ブローノズル170からブローガスG2に加えて他の粒子を噴射させても、既に形成されたコート3にブローガスG2や他の粒子が吹き付けられることに起因するコート3の品質低下の影響が小さい。そこで、ブローノズル170から除去用粒子をブローガスG2と共に噴射させることにより、脆性材料の残留物を、より効果的に除去することができる。
1:複合体 2:基材 3:コート 10:製造装置 100:チャンバ 110:XYステージ 112:配置台 114:支持部 120:真空ポンプ 130:ガスボンベ 140:エアロゾル生成器 150,150A:エアロゾルノズル 152:噴射口 160:ブローガス発生器 170,170A:ブローノズル 172:噴射口 180:制御部 G1,G1A:エアロゾル G2,G2A:ブローガス S1:加工対象面 S2:上面

Claims (9)

  1. 基材と、主成分として脆性材料を含み、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された構造物と、を備える複合体の製造方法において、
    第1のノズルを、前記基材の表面に沿った方向に前記基材に対して相対移動させつつ、脆性材料の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、前記第1のノズルから前記基材の表面に向けて噴射させて、前記構造物を前記基材の表面に形成する構造物形成工程と、
    前記構造物形成工程における前記第1のノズルの相対移動の過程において、気体を、第2のノズルから、前記基材の表面のうち、前記第1のノズルの噴射方向の延長位置に対して前記第1のノズルの相対移動方向の前側の位置に向けて噴射させて、前記構造物の形成に寄与しなかった脆性材料の残留物を除去する除去工程と、
    を備える、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の複合体の製造方法において、
    前記基材の表面に対する前記第2のノズルからの気体の噴射方向の相対角度である第2の角度は、前記基材の表面に対する前記第1のノズルからのエアロゾルの噴射方向の相対角度である第1の角度以下である、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  3. 請求項2に記載の複合体の製造方法において、
    前記第1の角度は、60度より大きく、90度以下であり、
    前記第1の角度と前記第2の角度との角度差は、30度以上、45度以下である、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  4. 請求項2に記載の複合体の製造方法において、
    前記第1の角度は、60度以下であり、
    前記第1の角度と前記第2のノズルの前記第2の角度とは略同一である、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の複合体の製造方法において、
    前記第2のノズルからの気体の流速は、前記第1のノズルからのエアロゾルの流速より速い、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の複合体の製造方法において、
    前記第2のノズルからの気体の流速は、前記第1のノズルからのエアロゾルの流速より遅く、かつ、前記第1のノズルからのエアロゾルの流速に対する、前記第2のノズルからの気体の流速の比率は、0.5以上である、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の複合体の製造方法において、
    前記相対移動方向視で、前記基材の表面に平行な幅方向において、前記第2のノズルの噴射口の両端の位置は、前記第1のノズルの噴射口の両端と同じ位置、または、前記第1のノズルの噴射口の両端より外側の位置である、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の複合体の製造方法において、
    前記除去工程において、前記第2のノズルから、前記脆性材料の微粒子より柔らかい材料により形成された除去用粒子を気体と共に噴射させる、
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
  9. 基材と、主成分として脆性材料を含み、前記基材の表面の少なくとも一部に形成された構造物と、を備える複合体の製造装置において、
    基材が配置される配置部と、
    脆性材料の微粒子がガス中に分散したエアロゾルを、前記配置部に配置される前記基材の表面に向けて噴射する第1のノズルと、
    前記第1のノズルを、前記配置部に配置される前記基材の表面に沿った方向に前記配置部に対して相対移動させる移動機構と、
    前記移動機構により、前記第1のノズルと共に相対移動するよう設けられた第2のノズルであって、気体を、前記基材の表面のうち、前記第1のノズルの噴射方向の延長位置に対して前記第1のノズルの相対移動方向の前側の位置に向けて噴射するように配置された第2のノズルと、
    を備える、
    ことを特徴とする複合体の製造装置。
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