JP2021066588A - 後処理装置、および印刷システム - Google Patents

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祐作 天野
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将太 坂上
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悠 圓谷
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Abstract

【課題】液体が吐出されることによって剛性が変化する媒体が、適正に排出トレイに載置される後処理装置を提供すること。【解決手段】ラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量によって、剛性が変化する媒体Mに対して後処理が施される後処理装置であって、搬送方向に搬送される媒体Mが載置される中間トレイ35と、中間トレイ35上で後処理された媒体Mが排出される排出口98と、排出口98に対して重力方向に配置され、排出口98から排出される媒体Mが載置される排出トレイ37と、排出トレイ37に向けて排出される媒体Mの形状を変化させ、媒体Mと排出トレイ37とがなす角度を調整する角度調整機構50と、を備え、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する時点における角度を接触角度とした際に、角度調整機構50は、媒体Mに吐出されるインクの量に応じて媒体Mの形状を変化させて接触角度を変更することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、後処理装置、および当該後処理装置を備えた印刷システムに関する。
従来、複写機やインクジェットプリンター等の画像形成装置において画像が形成された用紙(媒体)を受け入れ、当該媒体を整合させてステープル処理等の後処理を施す後処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の後処理装置では、処理トレイ(中間トレイ)上で整合されステイプラによってステープル処理が施された媒体が、排出トレイに向けて排出され、排出トレイに載置される。媒体を排紙トレイに排出する際に、後処理の種別や媒体サイズによって排紙トレイの位置を制御することによって、排紙トレイ上での媒体の折れ曲がりや媒体のバラツキが抑えられている。
特開2007−204268号公報
画像形成装置としてインクジェットプリンターを使用すると、インクが吐出されることによって画像が記録された媒体は、媒体に吸収されるインクの状態(インクの乾燥状態)によって剛性が変化する。このため、特許文献1に記載の後処理装置がインクジェットプリンターにおいて画像が形成された媒体を受け入れる場合、排出トレイに排出される媒体は、剛性が大きく変形しにくい媒体と、剛性が小さく変形しやすい媒体とが存在する。
ところが、特許文献1に記載の後処理装置では、剛性が小さく変形しやすい媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形し、剛性が小さく変形しやすい媒体が排出トレイに適正に載置されなくなるおそれがあった。
後処理装置は、液体吐出部から媒体に吐出される液体の量によって、剛性が変化する前記媒体に対して後処理が施される後処理装置であって、搬送方向に搬送される前記媒体が載置される中間トレイと、前記中間トレイ上で後処理が施された前記媒体が排出される排出口と、前記排出口に対して重力方向に配置され、前記排出口から排出される前記媒体が載置される排出トレイと、前記排出トレイに向けて排出される前記媒体の形状を変化させ、前記媒体と前記排出トレイとがなす角度を調整する角度調整機構と、を備え、前記媒体の前記搬送方向の下流端が前記排出トレイに接触する時点における前記角度を接触角度とした際に、前記角度調整機構は、前記液体の量に応じて前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することを特徴とする。
後処理装置では、前記媒体は、前記搬送方向の下流側に配置される第1領域と、前記搬送方向の上流側に配置される第2領域とを有し、前記角度調整機構は、前記第1領域に吐出される前記液体の量によって前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することが好ましい。
後処理装置では、前記接触角度の変更は、前記液体の乾燥に影響するパラメーターを含めて決定され、前記液体の乾燥に影響するパラメーターは、環境の温度、環境の湿度、前記搬送方向に搬送される前記媒体の搬送速度、及び、前記搬送方向に搬送される前記媒体の停止時間のうち少なくとも一つを含むことが好ましい。
後処理装置では、前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第1媒体に吐出される前記液体の量によって変化する場合、前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第1媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することが好ましい。
後処理装置では、前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第2媒体に吐出される前記液体の量によって変化する場合、前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第2媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することが好ましい。
後処理装置では、前記角度調整機構は、重力による前記媒体の変形に影響するパラメーターに応じて、前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更し、重力による前記媒体の変形に影響するパラメーターは、前記媒体の前記搬送方向の長さ、及び前記中間トレイ上で後処理される前記媒体の枚数の少なくとも一つを含むことが好ましい。
後処理装置では、前記液体吐出部は印刷データに基づき前記液体を前記媒体に吐出し、前記液体の量は、前記印刷データから取得されることが好ましい。
後処理装置では、前記媒体が、前記中間トレイに載置された状態で、前記下流端が前記排出口の外側に配置され前記排出トレイに接触する場合、前記角度調整機構は、前記媒体が前記中間トレイに載置される前であって、且つ前記下流端が前記排出トレイに接触する前において、前記接触角度が、所定の角度以下となるように前記媒体の形状を変化させることが好ましい。
後処理装置では、前記媒体の前記搬送方向の上流端が前記排出口から排出された時点における、前記上流端と前記排出トレイとの距離を落下距離とした場合、前記角度調整機構は、前記媒体の下流端が前記排出トレイと接触した後に、前記媒体の形状を変更させることで前記落下距離を短くすることが好ましい。
後処理装置では、前記角度調整機構は、前記中間トレイに対して前記搬送方向の下流側に配置され、前記搬送方向に交差する軸を回動軸として回動し、前記媒体に接触する偏心コロを有し、前記媒体における前記偏心コロに接触する部分を接触部とした場合、前記偏心コロは、前記接触角度が前記所定の角度以下となるように前記接触部を前記重力方向と反対方向に移動させ、前記媒体の下流端が前記排出トレイと接触した後に、前記落下距離が短くなるように前記接触部を前記重力方向に移動させることが好ましい。
後処理装置は、搬送方向に搬送される媒体が載置される中間トレイと、前記中間トレイ上で後処理された前記媒体が排出される排出口と、前記排出口に対して重力方向に配置され、前記排出口から排出される前記媒体が載置される排出トレイと、前記排出トレイに向けて排出される前記媒体の形状を変化させ、前記媒体の前記搬送方向の下流端と前記排出トレイとがなす接触角度を調整する角度調整機構と、を備え、前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第1媒体に吐出される液体の量によって変化する場合、前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第1媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記第2媒体の前記接触角度を変更することを特徴とする。
後処理装置では、前記角度調整機構は、前記液体の量が所定の液体の量以上の場合に、前記接触角度が所定の角度よりも小さくなるように前記媒体の形状を変化させることが好ましい。
印刷システムは、液体を媒体に吐出する液体吐出部を有する印刷装置と、上記後処理装置と、を備えることを特徴とする。
実施形態1に係る印刷システムの概略図。 実施形態1に係る後処理装置の側断面図。 排出口から排出される媒体の状態を示す模式図。 排出口から排出される媒体の状態を示す他の模式図。 排出口から排出される媒体の状態を示す他の模式図。 実施形態1に係る後処理装置の処理方法を示すフローチャート。 実施形態2における排出口から排出される媒体の状態を示す模式図。
1.実施形態1
1.1印刷システムの概要
図1は、実施形態1に係る印刷システム1の概略図である。図2は、実施形態1に係る後処理装置4の側断面図である。
最初に、図1を参照し、本実施形態に係る印刷システム1の概要を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る印刷システム1は、印刷装置2と搬送装置3と本実施形態に係る後処理装置4とを有し、印刷装置2と搬送装置3と後処理装置4とが、図1の右方から左方に向かって順に配置されている。
以降の説明では、印刷装置2と搬送装置3と後処理装置4とが配置される方向をY方向とし、印刷システム1の高さ方向をZ方向とし、Y方向及びZ方向に交差する方向をX方向とする。Y方向は印刷システム1の幅方向である。X方向は、印刷システム1の奥行方向であり、媒体M(図2参照)の幅方向である。また、方向を示す矢印の先端側を+方向とし、方向を示す矢印の基端側を−方向とする。
なお、−Z方向は、本願における重力方向である。+Z方向は、本願における重力方向と反対方向である。
印刷装置2は、媒体Mに記録を行う液体吐出部の一例であるラインヘッド10を備えている。搬送装置3は、画像が記録された媒体Mを印刷装置2から受け入れて後処理装置4に受け渡す。後処理装置4は、中間トレイ35に載置された媒体Mに所定の後処理を実行する処理部36を備えている。
印刷装置2と搬送装置3と後処理装置4とは互いに接続され、媒体Mが印刷装置2から後処理装置4に向けて搬送される。
本実施形態では媒体Mに記録を行うヘッドとして、固定された状態で装置本体に取り付けられ、媒体Mにインクを吐出するラインヘッド10を採用しているが、これに限らず媒体Mの幅方向に移動しながら媒体Mにインクを吐出するシリアルヘッドで印刷を行ってもよい。
印刷システム1は、図示を省略する操作パネルから、印刷装置2、搬送装置3及び後処理装置4における媒体Mへの記録動作や後処理の有無等を入力することができる。操作パネルは、一例として印刷装置2に設けることができる。
以下、印刷装置2、搬送装置3、後処理装置4の順にそれぞれの概要を説明する。
印刷装置2は、媒体Mに液体の一例であるインクを吐出して記録を行うラインヘッド10を備えるプリンター部5と、スキャナー部6とを備える複合機として構成されている。プリンター部5は、ラインヘッド10からインクを媒体Mに吐出し、媒体Mに所望の画像を記録する。
印刷装置2の下部には、複数の媒体収容カセット7が設けられている。媒体収容カセット7に収容された媒体Mが、図1に実線で示される給送経路11を通ってラインヘッド10による記録領域に送られて、記録動作が行われる。ラインヘッド10による記録後の媒体Mは、ラインヘッド10の上方に設けられる記録後排出トレイ8に媒体Mを排出するための経路である第1排出経路12か、搬送装置3に媒体Mを送るための経路である第2排出経路13か、のいずれかに送られる。図1では、第1排出経路12が破線で図示され、第2排出経路13が一点鎖線で図示されている。
また、印刷装置2は、図中に二点鎖線で示される反転用経路14を備え、媒体Mの表面への記録後に、媒体Mを反転して裏面への記録を行う両面記録が可能に構成されている。
尚、給送経路11、第1排出経路12、第2排出経路13、及び反転用経路14のそれぞれには、媒体Mを搬送する手段として、図示を省略する搬送ローラー対が一対以上配置されている。
印刷装置2は、印刷装置2や搬送装置3の各種動作を制御する制御部15を有する。制御部15は、CMU(Central Mrocessing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のハードウェアを備える。
制御部15は、例えば、外部のコンピューター(図示省略)から画像データを取得し、印刷データを生成する。さらに、制御部15は、当該印刷データに基づきラインヘッド10を制御し、媒体Mに所定の画像を記録する。すなわち、ラインヘッド10は印刷データに基づきインクを媒体Mに吐出する。
印刷データは、印刷デューティ、媒体Mのサイズ、及び媒体Mの種類などを含む。印刷デューティは、媒体Mの印刷領域に吐出される液量(インク量)の割合である。詳細は後述するが、後処理装置4の制御部96は、印刷データ(印刷デューティ)からラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量を取得する。
また、制御部15は、印刷装置2に取り付けられたセンサー(図示省略)を介して環境の温度や環境の湿度を取得する。
搬送装置3は、印刷装置2と後処理装置4との間に配置され、印刷装置2の第2排出経路から受け渡される記録後の媒体Mを受入経路20で受け入れ、後処理装置4に搬送するように構成されている。受入経路20は、図中に実線で示される。
搬送装置3において、媒体Mを搬送する搬送経路は二つある。一つ目の搬送経路は、受入経路20から第1スイッチバック経路21を経て、排出経路23に搬送される経路である。二つ目の経路は、受入経路20から第2スイッチバック経路22を経て、排出経路23に搬送される経路である。
第1スイッチバック経路21は矢印A1方向に媒体Mを受け入れた後、矢印A2方向に媒体Mをスイッチバックさせる経路である。第2スイッチバック経路22は矢印B1方向に媒体Mを受け入れた後、矢印B2方向に媒体Mをスイッチバックさせる経路である。
受入経路20は、分岐部24において第1スイッチバック経路21と第2スイッチバック経路22とに分岐している。また、第1スイッチバック経路21と第2スイッチバック経路22は合流部25において合流している。従って、媒体Mが受入経路20からいずれのスイッチバック経路に送られても、共通の排出経路23から後処理装置4に媒体Mを受け渡すことができる。
受入経路20、第1スイッチバック経路21、第2スイッチバック経路22、及び排出経路23のそれぞれには、図示を省略する搬送ローラー対が一つ以上配置されている。
印刷装置2が複数の媒体Mに連続して記録を行う場合、印刷装置2から搬送装置3に送られた複数の媒体Mは、第1スイッチバック経路21を通る搬送経路と、第2スイッチバック経路22を通る搬送経路とに交互に送られる。このことによって、搬送装置3における媒体搬送のスループットを高めることができる。
尚、印刷システム1は、搬送装置3を省略した構成とすることも可能である。つまり、印刷装置2と後処理装置4とを接続し、印刷装置2における記録後の媒体Mを、搬送装置3を介さずに直接後処理装置4に送る構成とすることができる。
本実施形態のように、印刷装置2における記録後の媒体Mが搬送装置3を経由して後処理装置4に送られる構成は、印刷装置2における記録後の媒体Mが搬送装置3を経由せずに後処理装置4に送られる構成と比べて、媒体Mの搬送距離や媒体Mの搬送時間が長くなるので、後処理装置4に送られる媒体Mに吸収されるインクをより乾燥させることができる。
このように、搬送装置3は、媒体Mに吸収されるインクを乾燥させる役割を有する。
媒体Mは、搬送装置3の排出経路23から後処理装置4の搬送経路31に受け渡される。図1では、排出経路23が破線で図示され、搬送経路31が実線で図示されている。
後処理装置4の搬送経路31には、搬送ローラー対32と、排出ローラー対33と、角度調整機構50と、排出口98とが、+Y方向に沿って順に配置される。搬送経路31において搬送ローラー対32から排出口98に向かう方向が搬送方向である。
このため、搬送ローラー対32は搬送経路31における搬送方向の上流に配置され、角度調整機構50は搬送経路31における搬送方向の下流に配置される。排出ローラー対33は、搬送ローラー対32と角度調整機構50との間に配置される。
排出ローラー対33と角度調整機構50との間には、中間トレイ35と、処理部36と、図中に破線で示される押圧部材60とが配置されている。中間トレイ35は、媒体Mが載置される載置面35aと、載置面35aに直交するように配置される後端整合部38とを有する。
搬送装置3から受け渡された媒体Mは、搬送ローラー対32によって+Y方向に搬送され、排出ローラー対33によって中間トレイ35に排出され、中間トレイ35の上に載置される。中間トレイ35に載置された媒体Mは、処理部36によってステープル処理やパンチング処理などの後処理が施される。すなわち、媒体Mは、中間トレイ35上で後処理が施される。
押圧部材60は、中間トレイ35の載置面35aから+Z方向に突出する様に設けられている。
図示を省略するが、中間トレイ35の載置面35aにはY方向に延在するスリットが設けられている。押圧部材60は、中間トレイ35の載置面35aに設けられたスリットの内側に配置され、スリットが延在する方向に移動可能である。すなわち、押圧部材60は、後端整合部38から排出口98に向かう方向、または排出口98から後端整合部38に向かう方向に移動可能である。
中間トレイ35上で後処理が施された媒体Mは、押圧部材60によって後端整合部38から排出口98に向かう方向に押し出され、排出口98から後処理装置4の外側に排出され、排出トレイ37の上に載置される。
さらに、後処理装置4は、内部に昇降機構94と制御部96とを有する。
昇降機構94は排出トレイ37をZ方向(+Z方向、−Z方向)に昇降させる。すなわち、排出トレイ37は、昇降機構94によってZ方向に移動可能である。
制御部96は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のハードウェアを備え、後処理装置4の各種動作を制御する。さらに、制御部96は、印刷装置2の制御部15に電気的に接続され、印刷装置2の制御部15から印刷データなどの情報を入手する。
次に、図2を参照し、中間トレイ35や排出トレイ37への媒体Mの排出及び載置について説明する。
なお、図2では、A4サイズの媒体Mが破線で図示され、A3サイズの媒体Mが一点鎖線で図示され、押圧部材60(図1参照)の図示が省略されている。また、媒体Mの搬送方向における上流端を後端E1と称し、媒体Mの搬送方向における下流端を先端E2と称す。
図2に示す様に、排出ローラー対33から排出された媒体Mは、先端E2が中間トレイ35における載置面35a上に着地し、後端E1が排出ローラー対33のニップから外れるまで、載置面35a上を+Y方向に進む。
排出ローラー対33に対し+Y方向には案内部材41が設けられており、排出ローラー対33による媒体Mの排出(搬送)が行われている間は、案内部材41は図2の実線で示す退避位置に位置しており、案内部材41が排出ローラー対33による媒体Mの排出を妨げないようになっている。そして、案内部材41は、媒体Mの後端E1が排出ローラー対33のニップから外れると、二点鎖線で示す進出位置に進出する。このとき媒体Mは自重により載置面35a上に落下し、退避位置から進出位置に変位した案内部材41によって確実に載置面35a上に載置される。
また中間トレイ35の上方には、中間トレイ35に排出された媒体Mに接触して回転し、媒体Mを中間トレイ35の後端整合部38に向けて移動させるパドル40が設けられている。パドル40は板状体であり、複数の板状体が回転軸40Aの外周に沿って間隔を空けて取り付けられている。案内部材41は、排出方向の下流である+Y方向が揺動軸41Aに取り付けられ、−Y方向側を自由端として揺動可能に構成されている。
媒体Mが載置面35a上に載置されたら、パドル40が図2の反時計回り方向に回転する。パドル40が媒体Mに接触しつつ回転することにより、媒体Mは−Y方向に進む。また中間トレイ35の載置面35aは、+Y方向に向かって上向き傾斜をなしているので、このことによっても媒体Mは−Y方向に進む。
中間トレイ35は、−Y方向側に媒体Mの後端E1を整合させる後端整合部38を有する。媒体Mの後端E1が後端整合部38に向かう方向に移動し、媒体Mの後端E1が後端整合部38に突き当てられると、中間トレイ35の載置面35aに載置された媒体Mの後端E1の位置が揃えられ、中間トレイ35に載置された媒体Mが整合される。
A3サイズの媒体Mが中間トレイ35に載置され、A3サイズの媒体Mの後端E1の位置が揃えられた状態において、A3サイズの媒体Mの先端E2(搬送方向の下流端)は排出口98の外側(後処理装置4の外側)に配置される。A3サイズの媒体Mが中間トレイ35に載置された状態において、A3サイズの媒体Mの一部は排出口98の外側に配置される。A3サイズの媒体Mの排出口98の外側に配置される部分は、重力によって−Z方向に変形する。
また、排出トレイ37が排出口98から排出される媒体Mを受け止める位置に配置される場合、中間トレイ35に載置されるA3サイズの媒体Mの先端E2は排出トレイ37に接触する。
A4サイズの媒体Mが中間トレイ35に載置され、A4サイズの媒体Mの後端E1の位置が揃えられた状態において、A4サイズの媒体Mの先端E2(搬送方向の下流端)は排出口98の内側(後処理装置4の内側)に配置される。
また、排出トレイ37が排出口98から排出される媒体Mを受け止める位置に配置される場合、中間トレイ35に載置されるA4サイズの媒体Mの先端E2は排出トレイ37に接触しない。
本実施形態では、排出トレイ37が排出口98から排出される媒体Mを受け止める位置に配置される場合、中間トレイ35に載置されるA4サイズ以下の媒体Mの先端E2は排出トレイ37に接触せず、中間トレイ35に載置されるA4サイズよりも大きい媒体Mの先端E2は排出トレイ37に接触するようになっている。
媒体Mが中間トレイ35に載置される場合、A4サイズは、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触しない媒体Mのサイズの規定値になる。すなわち、媒体Mが中間トレイ35に載置される場合、媒体MのサイズがA4サイズ以下であると媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触せず、媒体MのサイズがA4サイズよりも大きいと媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触するおそれがある。
本実施形態では、排出ローラー対33の下方に、回転軸44Aに対して回転する補助パドル44が設けられている。補助パドル44は、パドル40よりも−Y方向に配置されており、パドル40と同じく、反時計回り方向に回転する。補助パドル44を備えることにより、媒体Mをより確実に後端整合部38に突き当てて整合させることができる。
また、中間トレイ35には、媒体Mの幅方向の端部を整合させる幅方向整合部材(図示省略)が設けられている。幅方向整合部材は、媒体Mの幅方向の端部に当接することにより、媒体Mの幅方向の端部を整合させる。
案内部材41を退避位置と進出位置とに変位させるタイミング、パドル40を回転させるタイミング、幅方向整合部材における整合動作を行うタイミングは、排出ローラー対33の上流に設けられる媒体検出手段39における媒体Mの検出を基準として決定することができる。例えば、媒体検出手段39において媒体Mの後端E1が検出されてから所定時間経過後に、各動作を行うようにすることができる。
媒体Mの後端E1及び幅方向の両端部を整合させて中間トレイ35に載置された複数の媒体Mに対し、処理部36によってステープル処理等の後処理が施される。処理部36による後処理が施された媒体Mの後端E1は、押圧部材60によって後端整合部38から排出口98に向かう方向に押し出され、排出口98を経由して排出トレイ37に排出される。
また、媒体Mの後端E1が、排出口98の外側に配置されると、媒体Mが自重で−Z方向に落下し、排出トレイ37の支持面37aに載置される。
図2において、符号37bは、排出トレイ37に対し−Y方向に位置する壁面である。排出トレイ37に載置された媒体Mの後端E1は、壁面37bに当接する。また、排出トレイ37が媒体Mを支持する支持面37aは、−Y方向に向かって(壁面37bに向かって)下向きに傾斜している。これにより、排出トレイ37の支持面37aに支持される媒体Mは−Y方向に(壁面37bに向けて)滑り、媒体Mの後端E1が壁面37bに当接する。
さらに、中間トレイ35に対して搬送方向の下流側には、角度調整機構50が設けられている。
角度調整機構50は、駆動源(図示省略)により回動可能な駆動ローラー51と、駆動ローラー51に対して連れ回りする従動ローラー52と、駆動ローラー51と従動ローラー52とに巻き掛けられたベルト53と、偏心コロ54と、従動ローラー52及び偏心コロ54を回動可能に支持する回動軸55とを有する。偏心コロ54は媒体Mに接し、回動軸55は媒体Mの搬送方向に交差する。
角度調整機構50は、中間トレイ35に対して搬送方向の上流側に配置され、搬送方向に交差する軸を回動軸55として回動し、媒体Mに接触する偏心コロ54を有する。
偏心コロ54は、一部が排出口98の外側に配置されるA3サイズの媒体Mに接触するように配置される。A3サイズの媒体Mにおける偏心コロ54に接触する部分が、接触部58である。
また、図2では図示を省略するが、A4サイズの媒体Mが排出口98を経由して排出トレイ37に排出される場合、偏心コロ54は、A4サイズの媒体Mに接触するように配置される。A4サイズの媒体Mにおける偏心コロ54に接触する部分が、接触部58である。
印刷装置2は、印刷データに基づき、ラインヘッド10からインクを媒体Mに吐出し、媒体Mに所望の画像を記録する。ラインヘッド10から吐出されるインクの水分は媒体Mに吸収される。搬送装置3は、印刷装置2と後処理装置4との間に配置され、媒体Mに吸収されるインクの水分の蒸発を促進する。
詳しくは、ラインヘッド10からインクが吐出された媒体Mは、印刷装置2及び搬送装置3の搬送経路において乾燥され、媒体Mに吸収される水分が除去される。
媒体Mに記録される画像の濃度は均一でなく、例えば、媒体Mは、濃い画像が形成される印刷デューティが高い部分(インクの吐出量が多い部分)、淡い画像が形成される印刷デューティが低い部分(インクの吐出量が少ない部分)などを有する。媒体Mの印刷デューティが高い部分は多量の水分を吸収し、媒体Mの印刷デューティが低い部分は少量の水分を吸収する。
しかしながら、印刷装置2及び搬送装置3の搬送経路における水分の除去には限界があり、水分を含んだ媒体Mが後処理装置4に搬入されるようになる。
例えば、印刷デューティが高い(インクの吐出量が多い)媒体Mが後処理装置4に搬入される場合、水分量が多い媒体M(多量の水分を含む媒体M)が後処理装置4に搬入されることになる。印刷デューティが低い(インクの吐出量が少ない)媒体Mが後処理装置4に搬入される場合、水分量が少ない媒体M(少量の水分を含む媒体M)が後処理装置4に搬入されることになる。
媒体Mの剛性は、媒体Mに含まれる水分量(媒体Mの水分量)によって変化する。媒体Mの水分量は、ラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量に比例するので、媒体Mの剛性は、ラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量によって変化すると言い換えることができる。
後処理装置4は、ラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量によって、剛性が変化する媒体Mに対して後処理を施す。
例えば、媒体Mの水分量が多くなると、媒体Mの剛性が小さくなり、媒体Mが変形しやすくなる。媒体Mの水分量が少なくなると、媒体Mの剛性が大きくなり、媒体Mが変形しにくくなる。このため、媒体Mに重力が作用すると、水分量が多い媒体Mは−Z方向(重力方向)に変形しやすくなり、水分量が少ない媒体Mは−Z方向に変形しにくくなる。このように、水分量が多い媒体Mは、水分量が少ない媒体Mと比べて、重力によって−Z方向に大きく変形する。
また、媒体Mに含まれる水分量(媒体Mの水分量)は、インクの吐出量に比例するので、印刷データから媒体Mの剛性を予測することができる。
図3は、排出口98から排出される媒体Mの状態を示す模式図である。図4及び図5は、排出口98から排出される媒体Mの状態を示す他の模式図である。
図3では、水分量が少ない媒体Mが実線で図示され、水分量が多い媒体Mが破線で図示され、ステープル処理された水分量が多い媒体Mの束が一点鎖線で図示されている。
図4では、水分量が多い媒体Mが実線で図示されている。さらに、図4では、図3における水分量が多い媒体Mと偏心コロ54とが二点鎖線で図示されている。
図5では、ステープル処理された水分量が多い媒体Mの束が実線で図示されている。さらに、図5では、図3におけるステープル処理された水分量が多い媒体Mの束と偏心コロ54とが二点鎖線で図示されている。
図3において、実線で図示される水分量が少ない媒体Mは、剛性が大きく、−Z方向に変形しにくく、以降、変形しにくい媒体M1と称す。詳しくは、ラインヘッド10から媒体Mに対してインクの量Aが吐出される場合、媒体Mが変形しにくくなり、当該媒体Mが変形しにくい媒体M1になる。
図3において、破線で図示される水分量が多い媒体Mは、剛性が小さく、−Z方向に変形しやすく、以降、変形しやすい媒体M2と称す。詳しくは、ラインヘッド10から媒体Mに対してインクの量Bが吐出される場合、媒体Mが変形しやすくなり、当該媒体Mが変形しやすい媒体M2になる。なお、インクの量Bは、インクの量Aよりも多く、本願における所定の液体の量の一例である。
図3において、一点鎖線で図示される水分量が多い媒体Mの束は、水分量が多い媒体Mと比べて重いので、−Z方向に変形しやすく、以降、より変形しやすい媒体の束M3と称す。
変形しにくい媒体M1は、水分量が少ない媒体Mに加えて、水分を含まない媒体Mを含む。また、変形しにくい媒体M1の枚数は、単数に限定されず、複数であってもよい。例えば、変形しにくい媒体M1の束(複数の変形しにくい媒体M1)の重力方向の変形が、単数の変形しにくい媒体M1の重力方向の変形と同程度である場合、当該複数の変形しにくい媒体M1の束は、変形しにくい媒体M1に含まれる。
より変形しやすい媒体の束M3は、複数の変形しやすい媒体M2の束で構成される。
複数の変形しやすい媒体M2の束が、単数の変形しやすい媒体M2よりも、重力よって重力方向に大きく変形する場合、当該複数の変形しやすい媒体M2の束は、より変形しやすい媒体の束M3に含まれる。複数の変形しやすい媒体M2の束の重力方向の変形が、単数の変形しやすい媒体M2の重力方向の変形と同程度である場合、当該複数の変形しやすい媒体M2の束は、変形しやすい媒体M2に含まれる。このため、変形しやすい媒体M2の数は、単数に限定されず、複数であってもよい。
図3に示すように、変形しにくい媒体M1と変形しやすい媒体M2とより変形しやすい媒体の束M3とにおいて、接触部58(媒体Mの偏心コロ54が接触する部分)が同じ位置に配置される場合、変形しにくい媒体M1と変形しやすい媒体M2とより変形しやすい媒体の束M3とにおける重力方向の変形は、変形しにくい媒体M1と、変形しやすい媒体M2と、より変形しやすい媒体の束M3との順に大きくなる。
図3に実線で示す様に、排出口98の外側に排出される変形しにくい媒体M1は、重力の影響を受け、接触部58を支点として−Z方向に変形する。変形しにくい媒体M1の先端E2が排出トレイ37に接触する時点において、変形しにくい媒体M1と排出トレイ37とがなす角度はθ1であり、以降、変形しにくい媒体M1の接触角度θ1と称す。また、ラインヘッド10から媒体M(変形しにくい媒体M1)に対してインクの量Aのインクが吐出される場合、媒体Mの接触角度がθ1になると言い換えることができる。
図3に破線で示す様に、排出口98の外側に排出される変形しやすい媒体M2は、変形しにくい媒体M1と比べて、重力によって接触部58を支点として−Z方向に大きく変形する。変形しやすい媒体M2の先端E2が排出トレイ37に接触する時点において、変形しやすい媒体M2と排出トレイ37とがなす角度はθ2Aであり、以降、変形しやすい媒体M2の接触角度θ2Aと称す。また、ラインヘッド10から媒体M(変形しやすい媒体M2)に対してインクの量B(所定の液体の量)のインクが吐出される場合、媒体Mの接触角度がθ2Aになると言い換えることができる。
図3に一点鎖線で示す様に、排出口98の外側に排出されるより変形しやすい媒体の束M3は、変形しやすい媒体M2と比べて、重力によって接触部58を支点として−Z方向に大きく変形する。より変形しやすい媒体の束M3の先端E2が排出トレイ37に接触する時点において、より変形しやすい媒体の束M3と排出トレイ37とがなす角度はθ3Aであり、以降、より変形しやすい媒体の束M3の接触角度θ3Aと称す。
また、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する時点における、媒体Mと排出トレイとがなす角度θを、媒体Mの接触角度θと称す。
重力による−Z方向の変形の程度は、変形しにくい媒体M1と、変形しやすい媒体M2と、より変形しやすい媒体の束M3との順で大きくなる。このため、媒体Mの接触角度θは、変形しにくい媒体M1の接触角度θ1と、変形しやすい媒体M2の接触角度θ2Aと、より変形しやすい媒体の束M3の接触角度θ3Aとの順に大きくなる。すなわち、排出トレイ37に対する媒体Mの傾斜は、変形しにくい媒体M1と、変形しやすい媒体M2と、より変形しやすい媒体の束M3との順に急傾斜になる。
なお、接触角度θ1は、本願における所定の角度の一例である。
本実施形態に係る後処理装置4では、媒体Mが排出口98から排出トレイ37に排出される場合、媒体Mの接触角度がθ1よりも大きいと、排出トレイ37上で媒体Mに座屈が生じるおそれがある。
座屈とは、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触した場合に、媒体Mの変形状態が変化し、媒体Mが意図せぬ方向に変形する現象をいう。
例えば、図中に実線で示される変形しにくい媒体M1が排出口98から排出され、変形しにくい媒体M1の先端E2が排出トレイ37に接触する。変形しにくい媒体M1の先端E2が排出トレイ37に接触した以降において、変形しにくい媒体M1の先端E2が実線の矢印の方向に進行すると、変形しにくい媒体M1は、排出トレイ37上で折れ曲がることなく、排出トレイ37に適正に載置される。
このような場合は、変形しにくい媒体M1に座屈が生じない場合である。変形しにくい媒体M1に座屈が生じないと、変形しにくい媒体M1は、排出トレイ37上で折れ曲がることなく、排出トレイ37に適正に載置される。
例えば、図中に実線で示される変形しにくい媒体M1の先端E2が排出トレイ37に接触した以降において、変形しにくい媒体M1の先端E2が破線の矢印の方向に進行すると、変形しにくい媒体M1は、排出トレイ37上で意図せぬ方向に変形し、排出トレイ37上で折れ曲がり、排出トレイ37に適正に載置されなくなる。
このような場合は、変形しにくい媒体M1に座屈が生じた場合である。変形しにくい媒体M1に座屈が生じる場合、例えば、変形しにくい媒体M1が排出トレイ37上で意図せぬ方向(破線の矢印の方向)に変形し、変形しにくい媒体M1が排出トレイ37上で折れ曲がり、変形しにくい媒体M1が排出トレイ37に適正に載置されなくなる。
媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触すると、媒体Mを実線の矢印の方向へ進行させようとする力と、媒体Mを破線に矢印の方向へ進行させようとする力とが、媒体Mに対して作用する。以降、媒体Mを実線の矢印の方向へ進行させようとする力を順方向の力と称し、媒体Mを破線の矢印の方向へ進行させようとする力を逆方向の力と称す。
媒体Mの接触角度θが小さくなると(媒体Mが排出トレイ37に対して緩傾斜になると)、相対的に、順方向の力が強くなり逆方向の力が弱くなるので、媒体Mが実線の矢印の方向に進行しやすくなり、媒体Mに座屈が生じにくくなる。
媒体Mの接触角度θが大きくなると(媒体Mが排出トレイ37に対して急傾斜になると)、相対的に、順方向の力が弱くなり逆方向の力が強くなるので、媒体Mが破線の矢印の方向に進行しやすくなり、媒体Mに座屈が生じやすくなる。
後処理装置4では、インクが吐出されず媒体Mが乾燥している場合、媒体Mの接触角度がθ1以下であると、媒体Mに座屈が生じず、媒体Mの接触角度がθ1よりも大きいと、媒体Mに座屈が生じやすくなるという関係が成り立つように各種条件が設定されている。変形しにくい媒体M1は、インクが吐出されず乾燥した媒体Mと同様に、変形しにくい媒体M1の接触角度がθ1以下であると、変形しにくい媒体M1に座屈が生じず、変形しにくい媒体M1の接触角度がθ1よりも大きいと、変形しにくい媒体M1に座屈が生じやすくなるという関係が成り立つ。この関係は、他の媒体M(変形しやすい媒体M2、より変形しやすい媒体の束M3)においても成り立つ。
なお、媒体Mに座屈が生じない接触角度θ1は、実物による評価及びシミュレーションによる評価の両方によって求められている。
媒体Mの接触角度θは、接触部58(媒体Mの偏心コロ54が接触する部分)の位置によって変化する。接触部58の位置は、偏心コロ54の位置によって変化する。このため、媒体Mの接触角度θは、偏心コロ54の位置によって変化する。すなわち、媒体Mの接触角度θは、偏心コロ54の位置に依存し、偏心コロ54によって決定される。
後処理装置4では、変形しにくい媒体M1の接触角度がθ1である場合、偏心コロ54が位置P1に配置される。このため、偏心コロ54が位置P1に配置されると、排出口98から変形しにくい媒体M1が排出される場合、変形しにくい媒体M1の接触角度がθ1となり、排出口98から排出される変形しにくい媒体M1に座屈が生じない。
以降の説明では、位置P1を通常位置P1と称す。
このように、偏心コロ54が通常位置P1に配置されると、変形しにくい媒体M1の接触角度がθ1となり、変形しにくい媒体M1に座屈が生じなくなる。
また、変形しにくい媒体M1が排出口98から排出され、変形しにくい媒体M1の後端E1が排出口98の外側に配置されると、変形しにくい媒体M1が自重で−Z方向に落下し、排出トレイ37に載置される。変形しにくい媒体M1の後端E1が排出口98の外側に排出される時点における、変形しにくい媒体M1の後端E1と排出トレイ37との距離は、変形しにくい媒体M1の落下距離である。変形しにくい媒体M1の落下距離はH1である。
ところが、変形しやすい媒体M2の接触角度は、θ2Aであり、座屈が生じない接触角度θ1よりも大きいので、変形しやすい媒体M2に座屈が生じるおそれがある。同様に、より変形しやすい媒体の束M3の接触角度は、θ3Aであり、座屈が生じない接触角度θ1よりも大きいので、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じるおそれがある。
図4に示すように、変形しやすい媒体M2に座屈が生じなくするために、角度調整機構50は、回動軸55を回動中心として偏心コロ54を時計回り方向に回転させ、偏心コロ54の状態を二点鎖線の状態から実線の状態に変更し、接触部58を+Z方向(重力方向と反対方向)に移動させる。すなわち、偏心コロ54を通常位置P1から位置P2に変更する。以降の説明では、位置P2を変更位置P2と称す。
その結果、接触部58が、図中の二点鎖線の状態(図3に示す状態)から+Z方向に移動し、変形しやすい媒体M2の形状が、図中に二点鎖線で図示される形状から、図中に実線で図示される形状に変化する。すると、変形しやすい媒体M2の接触角度は、θ2Bとなり、座屈が生じない接触角度θ1以下になる。すなわち、角度調整機構50は、変形しやすい媒体M2の接触角度がθ2B(θ1以下)となるように、偏心コロ54の位置を通常位置P1から変更位置P2に変更する。
変形しやすい媒体M2の接触角度は、θ2B(θ1以下)であるので、変形しやすい媒体M2に座屈が生じなくなる。
変形しやすい媒体M2が排出口98から排出され、変形しやすい媒体M2の後端E1が排出口98の外側に配置されると、変形しやすい媒体M2が自重で−Z方向に落下し、排出トレイ37に載置される。変形しやすい媒体M2の後端E1が排出口98の外側に排出される時点における、変形しやすい媒体M2の後端E1と排出トレイ37との距離は、変形しやすい媒体M2の落下距離である。変形しやすい媒体M2の落下距離は、H2であり、変形しにくい媒体M1の落下距離H1よりも長くなる。
図5に示すように、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じなくするために、角度調整機構50は、回動軸55を回動中心として偏心コロ54を時計回り方向に回転させ、偏心コロ54の状態を二点鎖線の状態から実線の状態に変更し、接触部58を+Z方向(重力方向と反対方向)に移動させる。すなわち、偏心コロ54を通常位置P1から位置P3に変更する。以降の説明では、位置P3を変更位置P3と称す。
その結果、接触部58が、図中の二点鎖線の状態(図3に示す状態)から+Z方向に移動し、変形しやすい媒体の束M3の形状が、図中に二点鎖線で図示される形状から、図中に実線で図示される形状に変化する。すると、変形しやすい媒体の束M3の接触角度は、θ3Bとなり、座屈が生じない接触角度θ1以下になる。すなわち、角度調整機構50は、変形しやすい媒体の束M3の接触角度がθ3B(θ1以下)となるように、偏心コロ54の位置を通常位置P1から変更位置P3に変更する。
変形しやすい媒体の束M3の接触角度は、θ3B(θ1以下)であるので、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じなくなる。
変形しやすい媒体の束M3が排出口98から排出され、変形しやすい媒体の束M3の後端E1が排出口98の外側に配置されると、変形しやすい媒体の束M3が自重で−Z方向に落下し、排出トレイ37に載置される。変形しやすい媒体の束M3の後端E1が排出口98の外側に排出される時点における、変形しやすい媒体の束M3の後端E1と排出トレイ37との距離は、変形しやすい媒体の束M3の落下距離である。変形しやすい媒体の束M3の落下距離は、H3であり、変形しにくい媒体M1の落下距離H1よりも長くなる。
図6は、本実施形態に係る後処理装置4の処理方法を示すフローチャートである。図6には、ラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量によって剛性が変化する媒体Mに対して、後処理を施す方法(工程)がまとめられている。
次に、図6を参照し、本実施形態に係る後処理装置4の処理方法を説明する。
図6に示す様に、ステップS1では、印刷装置2において所望の画像が記録された媒体Mが、搬送装置3を経由して後処理装置4に送り出される場合、後処理装置4の制御部96は、印刷装置2の制御部15から、印刷デューティや媒体Mのサイズ(媒体Mの搬送方向の長さ)などの印刷データを入手する。さらに、後処理装置4の制御部96は、印刷装置2の制御部15から、環境の温度、環境の湿度、搬送方向に搬送される媒体Mの搬送速度、搬送方向に搬送される媒体Mの停止時間、中間トレイ35上で実施される後処理の内容、及び後処理される媒体Mの枚数を取得する。
媒体Mの搬送速度は、ラインヘッド10からインクが吐出された媒体Mが、後処理装置4の中に送り込まれるまでの搬送経路において、媒体Mが搬送される速度の平均値である。媒体Mの停止時間は、ラインヘッド10からインクが吐出された媒体Mが、後処理装置4の中に送り込まれるまでの搬送経路において、媒体Mの搬送が停止される時間の総和である。
なお、環境の温度、環境の湿度、媒体Mの搬送速度、及び媒体Mの停止時間は、本願における液体の乾燥に影響するパラメーターの一例であり、以降、液体の乾燥に影響するパラメーターと称す。媒体Mのサイズ(媒体Mの搬送方向の長さ)及び中間トレイ35上で後処理される媒体Mの枚数は、本願における重力による媒体Mの変形に影響するパラメーターの一例であり、以降、重力による変形に影響するパラメーターと称す。
また、ステップS1では、偏心コロ54は通常位置P1に配置されている。
ステップS2では、後処理装置4の制御部96は、印刷装置2の制御部15から取得したデータから、媒体Mのサイズが規定値以下かどうかを判断する。制御部96は、媒体Mのサイズが規定値以下である場合にYesと判断し、媒体Mのサイズが規定値よりも大きい場合Noと判断する。ステップS2における規定値はA4サイズである。
上述したように、媒体MのサイズがA4サイズ以下である場合、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で媒体Mの先端E2は排出トレイ37に接触しない。媒体MのサイズがA4サイズよりも大きい場合、例えば、媒体MのサイズがA3サイズである場合、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で媒体Mの先端E2は排出トレイ37に接触する。
ステップS2においてYesと判断されると、ステップS3が実行される。すなわち、媒体MのサイズがA4サイズ以下であり、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触しない場合、ステップS3が実行される。
ステップS3では、媒体Mが中間トレイ35の載置面35a上に載置されると、パドル40,44が反時計回り方向に回転し、媒体Mを−Y方向に移動させる。すると、媒体Mの後端E1が後端整合部38に突き当てられ、中間トレイ35の載置面35aに載置された媒体Mの後端E1の位置が揃えられ、中間トレイ35に載置された媒体Mが整合される。
ステップS4では、制御部96は、媒体Mに吐出されるインクの量(印刷データ)と液体の乾燥に影響するパラメーターとを含めて、中間トレイ35に載置される媒体Mの剛性の変化を予測する。
制御部96は、印刷データからラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量を取得し、媒体Mに吐出されるインクの量が多いと、媒体Mの剛性の変化が大きいと予測し、媒体Mに吐出されるインクの量が少ないと、媒体Mの剛性の変化が小さいと予測する。
制御部96は、液体の乾燥に影響するパラメーターによって、インクが迅速に乾燥される場合、媒体Mに含まれる水分量が少なくなり、媒体Mの剛性の変化が小さいと予測し、インクが迅速に乾燥されない場合、媒体Mに含まれる水分量が多くなり、媒体Mの剛性の変化が大きいと予測する。
さらに、制御部96は、媒体Mの剛性の変化から、偏心コロ54が通常位置P1に配置される場合の媒体Mの座屈の可能性を検討する。
例えば、媒体Mが変形しにくい媒体M1であり、偏心コロ54が通常位置P1に配置される場合、変形しにくい媒体M1の接触角度がθ1になるので、制御部96は、変形しにくい媒体M1に座屈が生じる可能性がないと判断し、Noと判断する。
例えば、媒体Mが変形しやすい媒体M2または変形しやすい媒体の束M3であり、偏心コロ54が通常位置P1に配置される場合、変形しやすい媒体M2または変形しやすい媒体の束M3の接触角度がθ1よりも大きくなるので、制御部96は、変形しやすい媒体M2または変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じる可能性があると判断し、Yesと判断する。
ステップS4において、制御部96が排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じる可能性がないと判断すると(Noと判断すると)、ステップS11が実行される。ステップS11では、偏心コロ54の位置が通常位置P1に維持され、変形しにくい媒体M1の落下距離がH1に維持される。
詳しくは、媒体Mが変形しにくい媒体M1である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P1に維持する。偏心コロ54が通常位置P1に配置されると、変形しにくい媒体M1の接触角度はθ1となるので、変形しにくい媒体M1に座屈が生じなくなる。
ステップS4において、制御部96が排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じる可能性があると判断すると(Yesと判断すると)、ステップS5が実行される。ステップS5では、角度調整機構50は、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触する時点における媒体Mの接触角度がθ1以下となるように、偏心コロ54の位置を変更し、媒体Mの形状を変化させる。
詳しくは、媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P1から変更位置P2に変更し、変形しやすい媒体M2の形状を変化させ、変形しやすい媒体M2の接触角度をθ2Bに変化させる。その結果、変形しやすい媒体M2の接触角度がθ1以下になるので、変形しやすい媒体M2に座屈が生じにくくなる。
媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P1から変更位置P3に変更し、変形しやすい媒体の束M3の形状を変化させ、変形しやすい媒体の束M3の接触角度をθ3Bに変化させる。変形しやすい媒体の束M3の接触角度がθ1以下になるので、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じにくくなる。
このように、ステップS5では、角度調整機構50は、媒体Mに吐出されるインクの量に応じて媒体Mの形状を変化させ、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する時点における媒体Mの接触角度を変更する。
すなわち、媒体Mに吐出されるインクの量が多く、媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、角度調整機構50は、変形しやすい媒体M2の形状を変化させて、変形しやすい媒体M2の接触角度を、変形しやすい媒体M2に座屈が生じにくい接触角度θ2Bに変更する。媒体Mに吐出されるインクの量が多く、媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、角度調整機構50は、変形しやすい媒体の束M3の形状を変化させて、変形しやすい媒体の束M3の接触角度を、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じにくい接触角度θ3Bに変更する。
かかる構成によって、変形しやすい媒体M2及び変形しやすい媒体の束M3の両方で、座屈が生じにくくなる。
また、偏心コロ54の位置が通常位置P1から変更位置P2に変更されると、変形しやすい媒体M2の落下距離は、H1からH2に長くなる。偏心コロ54の位置が通常位置P1から変更位置P3に変更されると、変形しやすい媒体の束M3の落下距離は、H1からH3に長くなる。
上述したように、ラインヘッド10から媒体Mに対してインクの量B(所定の液体の量)のインクが吐出される場合、媒体Mの接触角度がθ1よりも大きいθ2Aになる。ステップS5では、ラインヘッド10から媒体Mに吐出されるインクの量がインクの量B(所定の液体の量)であり、媒体Mの接触角度がθ1よりも大きいθ2Aになる場合、角度調整機構50は、媒体Mの接触角度がθ1(所定の角度)よりも小さいθ2Bとなるように、媒体Mの形状を変化させると言い換えることができる。すなわち、角度調整機構50は、インクの量がインクの量B(所定の液体の量)以上の場合に、媒体Mの接触角度がθ1(所定の角度)よりも小さくなるように媒体Mの形状を変化させる。
なお、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する時点における媒体Mの接触角度の変更は、媒体Mに吐出されるインクの量(印刷データ)に加えて、液体の乾燥に影響するパラメーターを含めて決定される。
すなわち、変形しやすい媒体M2の接触角度を、変形しやすい媒体M2に座屈が生じにくい接触角度θ2Bに変更する場合の接触角度の変更は、変形しやすい媒体M2に吐出されるインクの量に加えて、液体の乾燥に影響するパラメーターを含めて決定される。さらに、変形しやすい媒体の束M3の接触角度を、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じにくい接触角度θ3Bに変更する場合の接触角度の変更は、変形しやすい媒体の束M3に吐出されるインクの量に加えて、液体の乾燥に影響するパラメーターを含めて決定される。
また、液体の乾燥に影響するパラメーターは、環境の温度、環境の湿度、搬送方向に搬送される媒体Mの搬送速度、及び、搬送方向に搬送される媒体Mの停止時間のうち少なくとも一つを含む。
さらに、ステップS5では、制御部96は、重力による変形に影響するパラメーターによって、重力の影響の程度を評価する。
すなわち、制御部96が、後述するステップS6において、後処理される媒体Mの枚数が多く、媒体Mが重力方向に大きく変形すると判断すると、角度調整機構50は、媒体Mが排出トレイ37と接触する場合に、媒体Mの接触角度が小さくなるように、偏心コロ54の位置を変更する。
詳しくは、媒体Mの剛性の変化が大きいことに加えて媒体Mに対する重力の影響が大きく、媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P2から+Z方向に移動し、変形しやすい媒体M2の形状を変化させ、変形しやすい媒体M2の接触角度をθ2Bよりも小さくする。変形しやすい媒体M2の接触角度がθ2Bよりも小さくなると、重力の影響が大きい場合であっても、変形しやすい媒体M2に座屈が生じにくくなる。
媒体Mの剛性の変化が大きいことに加えて媒体Mに対する重力の影響が大きく、媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P3から+Z方向に移動し、変形しやすい媒体の束M3の形状を変化させ、変形しやすい媒体の束M3の接触角度をθ3Bよりも小さくする。変形しやすい媒体の束M3の接触角度がθ3Bよりも小さくなると、重力の影響が大きい場合であっても、変形しやすい媒体の束M3に座屈が生じにくくなる。
このように、角度調整機構50は、重力による媒体Mの変形に影響するパラメーターに応じて、媒体Mの形状を変化させて媒体Mの接触角度を変更し、媒体Mに座屈が生じにくくする。また、重力による媒体Mの変形に影響するパラメーターは、媒体Mの搬送方向の長さ、及び中間トレイ35上で後処理される媒体Mの枚数の少なくとも一つを含む。
ステップS6では、処理部36が、中間トレイ35に載置された複数の媒体Mに対して、ステープル処理等の後処理を実施する。
ステップS7では、ステップS6において処理部36による後処理が実施されると、押圧部材60が、媒体Mの後端E1を排出口98に向かう方向に押し、排出口98における媒体Mの排出を開始する。
ステップS8では、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触した後であって、排出口98からの媒体Mの排出が終了するまでに、角度調整機構50は、偏心コロ54を−Z方向に移動させ、偏心コロ54を元の位置に戻す。
詳しくは、媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P2から通常位置P1に変更し、変形しやすい媒体M2の落下距離をH2からH1に短くする。媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P3から通常位置P1に変更し、変形しやすい媒体の束M3の落下距離をH3からH1に短くする。
このように、媒体Mの先端E2が排出口98から排出された時点における、媒体Mの先端E2と排出トレイ37との距離を落下距離とした場合、角度調整機構50は、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触した後に、媒体Mの形状を変更させることで媒体Mの落下距離を短くする。
さらに、偏心コロ54の動作に着目した場合、ステップS5において、偏心コロ54は、媒体Mの接触角度がθ1(所定の角度)以下となるように接触部58を+Z方向(重力方向と反対方向)に移動させ、ステップS8において、偏心コロ54は、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触した後に落下距離が短くなるように、接触部58を−Z方向(重力方向)に移動させる。
なお、ステップS8では、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触した後であって、排出口98からの媒体Mの排出が終了するまでに、角度調整機構50は、偏心コロ54を−Z方向に移動させ、偏心コロ54を元の位置(通常位置P1)よりも低い位置に配置する構成であってもよい。かかる構成によって、媒体Mの落下距離をさらに短くし、落下の衝撃をさらに弱めることができる。
なお、ステップS11が実施される場合、ステップS11において偏心コロ54の位置が通常位置P1に維持されているので、偏心コロ54の位置を変更位置P2,P3から通常位置P1に変更するステップS8は実行されない。
ステップS9では、押圧部材60が媒体Mの後端E1を排出口98に向かう方向に押し、媒体Mの後端E1を排出口98の外側に配置し、排出口98における媒体Mの排出を終了する。
ステップS9が終了すると、媒体Mの後端E1は排出トレイに向けて落下する。後処理装置4では、媒体Mの落下距離がH1である場合、媒体Mの後端E1が排出トレイに落下した時点における衝撃によって、媒体Mの後端E1の乱れが生じないように、各種条件が設定されている。
このため、媒体Mの落下距離がH1以下である場合、媒体Mの後端E1が排出トレイに落下した時点における衝撃が弱くなり、媒体Mの後端E1の乱れが生じにくくなる。ところが、媒体Mの落下距離がH1よりも長くなると、媒体Mの後端E1が排出トレイに落下した時点における衝撃が強くなり、媒体Mの後端E1の乱れが生じやすくなる。
変形しにくい媒体M1、変形しやすい媒体M2、変形しやすい媒体の束M3のそれぞれの落下距離はH1であるので、変形しにくい媒体M1、変形しやすい媒体M2、変形しやすい媒体の束M3のそれぞれの後端E1が排出トレイ37に落下する場合、変形しにくい媒体M1、変形しやすい媒体M2、変形しやすい媒体の束M3のそれぞれの後端E1の乱れが生じにくい。
ステップS2においてNoと判断されると、ステップS21が実行される。すなわち、媒体MのサイズがA4サイズよりも大きく、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する場合、ステップS21が実行される。
ステップS21では、制御部96は、単数の媒体Mに吐出されるインクの量(印刷データ)と液体の乾燥に影響するパラメーターとを含めて、単数の媒体Mの剛性の変化を予測し、加えて、単数の媒体Mの剛性の変化から、排出トレイ37における単数の媒体Mの座屈の可能性を検討する。
詳しくは、制御部96は、単数の媒体Mの剛性の変化が小さい場合、排出トレイ37における単数の媒体Mに座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)。制御部96は、単数の媒体Mの剛性の変化が大きい場合、排出トレイ37における単数の媒体Mに座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)。
ステップS21において、制御部96が排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)と、ステップS31が実行される。ステップS31では、偏心コロ54の位置は通常位置P1に維持される。
ステップS21において、制御部96が排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じるおそれがあると判断する(Yesと判断する)と、ステップS22が実行される。
ステップS22では、角度調整機構50は、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触する場合に媒体Mの接触角度がθ1以下となるように、偏心コロ54の位置を変更する1回目の変更を実施する。例えば、媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、偏心コロ54は変更位置P2に配置され、媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、偏心コロ54が変更位置P3に配置される。
換言すれば、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更する1回目の変更によって、媒体Mの形状を変化させ、媒体Mの接触角度をθ1以下とする。このように、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で、媒体Mの先端E2が排出口98の外側に配置され排出トレイ37に接触する場合、角度調整機構50は、媒体Mが中間トレイ35に載置される前であって、且つ媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する前において、媒体Mの接触角度がθ1(所定の角度)以下となるように媒体Mの形状を変化させる。
かかる構成によって、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触する場合、媒体Mの接触角度はθ1以下であるので、媒体Mに座屈が生じにくくなる。
続いて、ステップS23が実行される。
ステップS23では、パドル40,44を反時計回り方向に回転し、中間トレイ35に載置される媒体Mを−Y方向に移動させ、媒体Mの後端E1を後端整合部38に突き当て、媒体Mの後端E1の位置を揃え、中間トレイ35に載置される媒体Mを整合する。
続いて、ステップS24が実行される。
ステップS24では、中間トレイ35上で後処理される媒体Mの枚数から、制御部96は、重力の影響の程度を評価する。すなわち、制御部96は、ステップS6において、後処理される媒体Mの枚数が多く媒体Mが重力方向に大きく変形する場合、排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)。制御部96は、ステップS6において、後処理される媒体Mの枚数が少なく媒体Mが重力方向に大きく変形しない場合、排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)。
ステップS24において、排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じにくいと判断される(Noと判断される)と、ステップS32が実行される。
ステップS32では、ステップS21においてYesと判断され且つ媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、偏心コロ54は変更位置P2に維持され、ステップS21においてYesと判断され且つ媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、偏心コロ54が変更位置P3に維持され、ステップS21においてNoと判断される場合、偏心コロ54が通常位置P1に維持される。
ステップS24において、排出トレイ37において媒体Mに座屈が生じやすいと判断される(Yesと判断される)と、ステップS25の偏心コロ54の2回目の位置変更が実施される。
詳しくは、媒体Mが変形しやすい媒体M2である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P2に対して+Z方向に移動する2回目の位置変更を実施する。媒体Mが変形しやすい媒体の束M3である場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P3に対して+Z方向に移動する2回目の位置変更を実施する。
偏心コロ54の位置を変更位置P2,P3に対して+Z方向に変更することによって、媒体M(変形しやすい媒体M2、変形しやすい媒体の束M3)の接触角度θ2Bまたは接触角度θ3Bよりも小さくなるので、媒体Mに座屈が生じにくくなる。
なお、ステップS25では、ステップS21においてNoと判断される場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P1から変更位置P2または変更位置P3に移動する1回目の位置変更を実施する。
続いて、ステップS6と、ステップS7と、ステップS8と、ステップS9とが順に実施される。
ステップS8では、ステップS21及びステップS24のいずれかでNoと判断されている場合、偏心コロ54が元の位置(通常位置P1)に戻される。
なお、ステップS21及びステップS24の両方でNoと判断されている場合、偏心コロ54の位置は通常位置P1に維持され、ステップS8は実行されない。
偏心コロ54が通常位置P1に配置された状態で、ステップS9(媒体Mの排出の終了)が実行される。
ステップS9が終了すると、媒体Mが排出トレイ37に向けて落下する。いずれの媒体M(変形しやすい媒体M2、変形しやすい媒体の束M3)においても、偏心コロ54が通常位置P1に配置されるので、媒体Mが排出トレイ37に向けて落下する場合に、媒体Mに作用する衝撃が弱くなり、排出トレイ37上における媒体Mの後端E1の乱れが生じにくくなる。
なお、上記構成は、水性インクを用いた印刷物に後処理を行う際により効果的に作用する。
2.実施形態2
図7は、実施形態2における排出口98から排出される媒体Mの状態を示す模式図である。
実施形態2と実施形態1とでは、後処理装置4は同じ構成を有する。すなわち、本実施形態と実施形態1とでは、後処理装置4は、搬送方向に搬送される媒体Mが載置される中間トレイ35と、中間トレイ35上で後処理された媒体Mが排出される排出口98と、排出口98に対して−Z方向に配置され、排出口98から排出される媒体Mが載置される排出トレイ37と、排出トレイ37を昇降させる昇降機構94とを備える。
本実施形態では、排出口98から排出される媒体Mは、排出トレイ37に載置されている先の媒体Mに接触し、排出トレイ37に載置されている先の媒体Mの上に載置される。実施形態1では、排出口98から排出される媒体Mは、排出トレイ37に接触し、排出トレイ37の上に載置される。この点が、本実施形態と実施形態1との相違点である。
なお、図7に図示される排出トレイ37に載置されている先の媒体Mは、本願における第1媒体の一例であり、以降、第1媒体M4と称す。図7に図示される排出口98から排出される媒体Mは、本願における第2媒体の一例であり、以降、第2媒体M5と称す。
以下、図7を参照し、実施形態1との相違点を中心に実施形態2の概要を説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図7に二点鎖線で図示されるように、排出トレイ37に第1媒体M4が載置され、排出口98から排出される第2媒体M5は、排出トレイ37に載置される第1媒体M4に接触し、排出トレイ37に載置される第1媒体M4の上に載置される。偏心コロ54は通常位置P10に配置され、第2媒体M5の接触角度はθ10である。
排出口98から排出される第2媒体M5が、排出トレイ37に載置される第1媒体M4に接触すると、第1媒体M4と第2媒体M5との間で摩擦が生じ、図中に太い実線の矢印で示される摩擦力Fが第2媒体M5に対して作用する。
詳しくは、排出口98から排出される第2媒体M5は、排出トレイ37に載置される第1媒体M4に接触すると、図中の実線の矢印の方向に進行しようとする。すると、第1媒体M4と第2媒体M5との摩擦によって、第2媒体M5の実線の矢印の方向への進行を阻害する摩擦力Fが第2媒体M5に作用する。このため、図中に太い矢印で示される摩擦力Fは、第2媒体M5に対して図中の破線の矢印の方向(意図せぬ方向)に作用する。すなわち、摩擦力Fは、第2媒体M5に座屈が生じやすい方向に作用する。
第2媒体M5に作用する摩擦力Fは、第1媒体M4の水分量によって変化する。
例えば、第1媒体M4に吐出されるインクの量が少なく、第1媒体M4に含まれる水分量が少なくなる場合、第2媒体M5が第1媒体M4上で滑りやすくなり、第2媒体M5に作用する摩擦力Fが弱くなる。例えば、第1媒体M4に吐出されるインクの量が多く、第1媒体M4に含まれる水分量が多くなる場合、第2媒体M5が第1媒体M4上で滑りにくくなり、第2媒体M5に作用する摩擦力Fが強くなる。
このように、第2媒体M5に作用する摩擦力Fは、第1媒体M4に吐出されるインクの量によって変化する。また、第2媒体M5に作用する摩擦力Fは、第1媒体M4に吐出されるインクの量(印刷データ)によって予測することができる。
図7に二点鎖線で示されるように、第2媒体M5に作用する摩擦力Fが弱い場合、すなわち、第2媒体M5が第1媒体M4上で滑りやすい場合、偏心コロ54が通常位置P10に配置され、第2媒体M5の接触角度がθ10である場合、第2媒体M5に座屈が生じない。
後処理装置4では、第2媒体M5が第1媒体M4上に載置され、第2媒体M5が第1媒体M4上で滑りやすい場合、第2媒体M5の接触角度がθ10以下であると、第2媒体M5に座屈が生じず、第2媒体M5の接触角度がθ10よりも大きいと、第2媒体M5に座屈が生じやすくなるという関係が成り立つように各種条件が設定されている。また、第2媒体M5の接触角度がθ10である場合の第2媒体M5の落下距離はH10である。
なお、第2媒体M5に座屈が生じない接触角度θ10は、実物による評価及びシミュレーションによる評価の両方によって求められている。
ところが、第2媒体M5に作用する摩擦力Fが強くなると、すなわち、第2媒体M5が第1媒体M4上で滑りにくくなると、偏心コロ54が通常位置P10に配置され、第2媒体M5の接触角度がθ10であっても、第2媒体M5の先端E2が第1媒体M4に接触すると、摩擦力Fによって第2媒体M5が破線の矢印の方向に変形しやすくなり、第2媒体M5に座屈が生じやすくなる。
すなわち、第2媒体M5に作用する摩擦力Fが強くなると、偏心コロ54が通常位置P10に配置され、第2媒体M5の接触角度がθ10であっても、第2媒体M5の実線の矢印の方向への変形が摩擦力Fによって阻害され、第2媒体M5は破線の矢印の方向へ変形しやすくなり、第2媒体M5に座屈が生じやすくなる。
第2媒体M5に作用する摩擦力Fが強くなると、第2媒体M5の座屈を防止するために、第2媒体M5の接触角度をθ10よりも小さくし、第2媒体M5に強い摩擦力Fが作用しても、第2媒体M5が座屈することを防止する必要がある。
このため、角度調整機構50は、回動軸55を回動中心として偏心コロ54を時計回り方向に回転させ、偏心コロ54の状態を二点鎖線の状態から実線の状態に変更し、第2媒体M5の接触角度をθ20と小さくする。すなわち、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P10から変更位置P20に変更し、第2媒体M5の接触角度をθ10からθ20へと小さくする。また、第2媒体M5の接触角度がθ20である場合の第2媒体M5の落下距離は、H20であり、第2媒体M5の落下距離H10よりも長くなる。
なお、第2媒体M5に座屈が生じない接触角度θ20は、実物による評価及びシミュレーションによる評価の両方によって求められている。
次に、図6を参照し、実施形態1との相違点を中心に、本実施形態に係る後処理装置4の処理方法を説明する。また、実施形態1と重複する説明は省略する。
ステップS1では、後処理装置4の制御部96は、印刷装置2の制御部15から、印刷データから第1媒体M4に吐出されるインクの量を取得する。
ステップS1では、偏心コロ54は通常位置P10に配置されている。
ステップS4では、制御部96は、第1媒体M4に吐出されるインクの量から、第1媒体M4から第2媒体M5に作用する摩擦力Fの強さを予測する。詳しくは、制御部96は、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における第1媒体M4に吐出されるインクの量から、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fの強さを予測し、排出トレイ37における第2媒体M5の座屈の可能性を検討する。
そして、制御部96は、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fが弱い場合に、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)。制御部96は、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fが強い場合に、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)。
ステップS4において、制御部96が、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)と、ステップS11が実行され、偏心コロ54の位置が通常位置P10に維持される。偏心コロ54の位置が通常位置P10に維持される場合、第2媒体M5の落下距離はH10である。
偏心コロ54が通常位置P10に配置されると、第2媒体M5の接触角度がθ10となり、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fが弱い場合、排出口98から排出される第2媒体M5に座屈が生じなくなる。
ステップS4において、制御部96が、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)と、ステップS5が実行される。
ステップS5では、角度調整機構50は、第2媒体M5が第1媒体M4と接触する場合に、第2媒体Mの接触角度がθ20となるように、偏心コロ54の位置を通常位置P10から変更位置P20に移動させる。偏心コロ54が変更位置P20に配置されると、第2媒体M5の形状が変化し、第2媒体M5の接触角度がθ20となり、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fが強い場合であっても、第2媒体M5に座屈が生じにくくなる。
また、偏心コロ54の位置が通常位置P10に配置されると、第2媒体M5の落下距離はH10である。偏心コロ54の位置が変更位置P20に配置されると、第2媒体M5の落下距離はH20である。
このように、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における第1媒体M4に吐出されるインクの量が少なく、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fが弱い場合、ステップS11が実行され、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P10に維持し、第2媒体M5の接触角度をθ10に維持する。
第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における第1媒体M4に吐出されるインクの量が多く、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における摩擦力Fが強い場合、ステップS5が実行され、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P20に移動させ、第2媒体M5の形状を変化させ、第2媒体M5の接触角度をθ20に変化させる。
換言すれば、媒体Mは、最初に排出トレイ37に載置される第1媒体M4と、次に排出トレイに載置される第2媒体M5とを含み、第1媒体M4から第2媒体M5に作用する摩擦力Fが、第1媒体M4に吐出されるインクの量によって変化する場合、角度調整機構50は、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における第1媒体M4に吐出されるインクの量に応じて、第2媒体M5の形状を変化させて第2媒体M5の接触角度を変更する。
さらに、ステップS5では、制御部96は、重力による変形に影響するパラメーターによって重力の影響の程度を評価する。第2媒体M5が重力方向に大きく変形すると制御部96が判断すると、角度調整機構50は、第2媒体M5が第1媒体M4と接触する前に、偏心コロ54を変更位置P20に対して+Z方向(重力方向と反対方向)に移動させ、重力の影響が大きい場合であっても第2媒体M5に座屈が生じないようにする。すなわち、角度調整機構50は、重力による変形に影響するパラメーターに応じて、偏心コロ54の変更位置を変更し、第2媒体M5の形状を変化させ、第2媒体M5の接触角度を変更する。
ステップS8では、第2媒体M5の先端E2が第1媒体M4と接触した後であって、排出口98からの第2媒体M5の排出が終了するまでに、角度調整機構50は、偏心コロ54を元の位置(通常位置P10)に戻す。
なお、ステップS11が実施される場合、ステップS11において偏心コロ54の位置が通常位置P10に維持されているので、偏心コロ54を元の位置(通常位置P10)に戻すステップS8は実行されない。
なお、ステップS8では、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触した後であって、排出口98からの媒体Mの排出が終了するまでに、角度調整機構50は、偏心コロ54を−Z方向に移動させ、偏心コロ54を元の位置(通常位置P10)よりも低い位置に配置する構成であってもよい。かかる構成によって、媒体Mの落下距離をさらに短くし、落下の衝撃をさらに弱めることができる。
ステップS9では、押圧部材60が第2媒体M5の後端E1を排出口98に向かう方向に押し、第2媒体M5の後端E1を排出口98の外側に配置し、排出口98における第2媒体M5の排出を終了する。
ステップS9が終了すると、偏心コロ54が通常位置P10に配置された状態で、第2媒体M5が排出トレイ37に向けて落下する。この場合、第2媒体M5が排出トレイ37に向けて落下する場合の落下距離が短くなり、第2媒体M5が排出トレイ37に向けて落下する場合に、第2媒体M5に作用する衝撃が弱くなり、排出トレイ37上における第2媒体M5の後端E1の乱れが生じにくくなる。
ステップS2においてNoと判断されると、ステップS21が実行される。すなわち、媒体MのサイズがA4サイズよりも大きく、媒体Mが中間トレイ35に載置された状態で媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する場合、ステップS21が実行される。
ステップS21では、制御部96は、第1媒体M4に吐出されるインクの量から、第1媒体M4から第2媒体M5に作用する摩擦力Fの強さを予測し、第2媒体M5の先端E2が第1媒体M4に接触する場合に、第2媒体M5の座屈の可能性を検討する。
詳しくは、制御部96は、摩擦力Fが弱い場合、排出トレイ37における第2媒体M5に座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)。制御部96は、摩擦力Fが強い場合、排出トレイ37における第2媒体M5に座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)。
ステップS21において、制御部96が排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)と、ステップS31が実行される。ステップS31では、偏心コロ54の位置が通常位置P10に維持される。
ステップS21において、制御部96が排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)と、ステップS22が実行される。
ステップS22では、角度調整機構50は、第2媒体M5が第1媒体M4と接触する場合に、第2媒体M5の接触角度がθ10よりも小さくなるように、偏心コロ54の位置を変更する。詳しくは、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P10から変更位置P20に変更する1回目の変更を実施する。
かかる構成によって、第2媒体M5が中間トレイ35に載置された状態で第2媒体M5の先端E2が排出トレイ37と接触しても、第2媒体M5の接触角度はθ10よりも小さくなるので、第2媒体M5に座屈が生じにくくなる。
続いて、ステップS23とステップS24とが順に実行される。
ステップS24では、中間トレイ35上で後処理が施される第2媒体M5の枚数から、制御部96は、重力の影響の程度を評価する。すなわち、制御部96は、ステップS6において、後処理される第2媒体M5の枚数が多く、第2媒体M5が重力方向に大きく変形する場合、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じやすいと判断する(Yesと判断する)。制御部96は、ステップS6において、後処理される第2媒体M5の枚数が少なく、第2媒体M5が重力方向に大きく変形しない場合、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じにくいと判断する(Noと判断する)。
ステップS24において、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じにくいと判断される(Noと判断される)と、ステップS32が実行される。
ステップS32では、ステップS21においてYesと判断される場合、偏心コロ54は変更位置P20に維持され、ステップS21においてNoと判断される場合、偏心コロ54が通常位置P10に維持される。
ステップS24において、排出トレイ37において第2媒体M5に座屈が生じやすいと判断される(Yesと判断される)と、ステップS25が実施される。
ステップS25では、角度調整機構50は、第2媒体M5が第1媒体M4と接触する場合に、第2媒体M5の接触角度がθ20よりも小さくなるように、偏心コロ54の位置の2回目の変更を実施する。
詳しくは、ステップS21においてYesと判断される場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を変更位置P20に対して+Z方向に移動する2回目の変更を実施する。偏心コロ54の位置を変更位置P20に対して+Z方向に変更することによって、第2媒体M5の接触角度はθ20よりも小さくなるので、第2媒体M5に座屈が生じにくくなる。
なお、ステップS25では、ステップS21においてNoと判断される場合、角度調整機構50は、偏心コロ54の位置を通常位置P10から変更位置P20に移動する1回目の変更を実施する。
続いて、ステップS6と、ステップS7と、ステップS8と、ステップS9とが順に実施される。
ステップS8では、ステップS21及びステップS24のいずれかでNoと判断されている場合、偏心コロ54が元の位置(通常位置P10)に戻される。
なお、ステップS21及びステップS24の両方でNoと判断されている場合、偏心コロ54の位置は通常位置P10に維持され、ステップS8は実行されない。
ステップS9が終了すると、偏心コロ54が通常位置P10に配置された状態で、第2媒体M5が排出トレイ37に向けて落下する。この場合、第2媒体M5が排出トレイ37に向けて落下する場合の落下距離が短くなり、第2媒体M5が排出トレイ37に向けて落下する場合に、第2媒体M5に作用する衝撃が弱くなり、排出トレイ37上における第2媒体M5の後端E1の乱れが生じにくくなる。
また、実施形態1の構成において、最初に排出トレイ37に載置される媒体M(第1媒体M4)と、次に排出トレイ37に載置される媒体M(第2媒体M5)との間に作用する摩擦力が、最初に排出トレイ37に載置される媒体M(第1媒体M4)に吐出されるインクの量によって変化する場合、角度調整機構50は、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における第1媒体M4に吐出されるインクの量に応じて、第2媒体M5の形状を変化させて第2媒体M5の接触角度を変更してもよい。
かかる構成によって、第1媒体M4に吐出されるインクの量が変化し、第1媒体M4から第2媒体M5に作用する摩擦力Fが変化しても、第2媒体M5に座屈が生じにくくすることができる。
さらに、実施形態1の構成において、最初に排出トレイ37に載置される媒体M(第1媒体M4)と、次に排出トレイ37に載置される媒体M(第2媒体M5)との間に作用する摩擦力が、次に排出トレイ37に載置される媒体M(第2媒体M5)に吐出されるインクの量によって変化する場合、角度調整機構50は、第1媒体M4と第2媒体M5とが接触する箇所における第2媒体M5に吐出されるインクの量に応じて、第2媒体M5の形状を変化させて第2媒体M5の接触角度を変更してもよい。
かかる構成によって、第2媒体M5に吐出されるインクの量が変化し、第1媒体M4から第2媒体M5に作用する摩擦力Fが変化しても、第2媒体M5に座屈が生じにくくすることができる。
3.変形例1
インクが吐出される媒体Mは、搬送方向の下流側に配置される第1領域と、搬送方向の上流側に配置される第2領域とを有する。媒体Mの第1領域は、排出口98の外側に配置される媒体Mの変形に影響しやすいので、ステップS5では、角度調整機構50は、媒体Mの第1領域に吐出されるインクの量に応じて媒体Mの形状を変化させ、媒体Mの先端E2が排出トレイ37に接触する時点における媒体Mの接触角度を変更させてもよい。
このように、本変形例では、媒体Mを第1領域と第2領域とからなる二つの領域に区分して、媒体Mの変形しやすい領域に吐出されるインクの量に応じて媒体Mの形状を変化させる。なお、媒体Mを二つの領域に区分することに限定されず、媒体Mを二つよりも多い領域に区分してもよい。例えば、媒体Mを四つの領域に区分してもよいし、媒体Mを六つの領域に区分してもよい。
4.変形例2
実施形態1では、ステップS5において、偏心コロ54は媒体Mの接触角度がθ1(所定の角度)以下となるように接触部58を+Z方向(重力方向と反対方向)に移動させ、ステップS8において、偏心コロ54は、媒体Mの先端E2が排出トレイ37と接触した後に落下距離が短くなるように、接触部58を−Z方向(重力方向)に移動させていた。このように、実施形態1では、偏心コロ54が回動軸55を回動中心として回動することによって、媒体Mの接触角度を変更させていたが、この構成に限定されない。
例えば、中間トレイ35の載置面35aの傾斜を変更することによって、媒体Mの接触角度を変更させてもよい。例えば、排出トレイ37の位置を変更することによって、媒体Mの接触角度を変更させてもよい。例えば、媒体Mの裏面に気体を送風することによって、媒体Mの接触角度を変更させてもよい。例えば、媒体Mの裏面にサポート部材を出入りさせることによって、媒体Mの接触角度を変更させてもよい。
5.変形例3
上述した実施形態1では、ステップS1において、後処理装置4の制御部96が、印刷装置2の制御部15から印刷デューティや媒体Mのサイズなどの印刷データを入手し、ステップS5において、角度調整機構50が媒体Mの接触角度を変更させていた。
例えば、ステップS1において、後処理装置4の制御部96が、印刷装置2の制御部15から印刷デューティや媒体Mのサイズなどの印刷データを入手し、その後に角度調整機構50が媒体Mの接触角度を変更させてもよい。すなわち、後処理装置4の制御部96が印刷データを入手した段階で、角度調整機構50が媒体Mの接触角度を変更させてもよい。
6.変形例4
印刷装置2の制御部15が印刷装置2を制御し、後処理装置4の制御部96が後処理装置4を制御する構成に限定されない。例えば、印刷装置2の制御部15が、印刷装置2に加えて後処理装置4を制御する構成であってもよい。例えば、後処理装置4の制御部96が、後処理装置4に加えて印刷装置2を制御する構成であってもよい。すなわち、制御部が印刷装置2または後処理装置4のいずれかに設けられる構成であってもよい。
7.変形例5
上述した実施形態では、偏心コロ54は、媒体Mに接触し、媒体Mの裏面を支持するように配置される。さらに、偏心コロ54は、媒体Mの接触角度が媒体Mに座屈が生じない角度となるように媒体Mの形状を変化させることによって、媒体Mの座屈を防止する。
媒体Mが偏心コロ54によって支持されない条件において、媒体Mの接触角度が媒体Mに座屈が生じない角度になると予想される場合、偏心コロ54が媒体Mに接触しない位置に配置されるように偏心コロ54を退避させ、媒体Mの接触角度が媒体Mに座屈が生じる角度になると予想される場合、偏心コロ54が媒体Mに接触する位置に配置されるように偏心コロ54を進出させてもよい。
すなわち、媒体Mの接触角度が媒体Mに座屈が生じない角度になると予想される場合に、偏心コロ54を進出させ、偏心コロ54が媒体Mに接触し、偏心コロ54が回動することによって媒体Mの座屈を防止する構成であってもよい。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
後処理装置は、液体吐出部から媒体に吐出される液体の量によって、剛性が変化する前記媒体に対して後処理が施される後処理装置であって、搬送方向に搬送される前記媒体が載置される中間トレイと、前記中間トレイ上で後処理が施された前記媒体が排出される排出口と、前記排出口に対して重力方向に配置され、前記排出口から排出される前記媒体が載置される排出トレイと、前記排出トレイに向けて排出される前記媒体の形状を変化させ、前記媒体と前記排出トレイとがなす角度を調整する角度調整機構と、を備え、前記媒体の前記搬送方向の下流端が前記排出トレイに接触する時点における前記角度を接触角度とした際に、前記角度調整機構は、前記液体の量に応じて前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することを特徴とする。
液体吐出部から媒体に吐出される液体の量によって、媒体の剛性が変化する。例えば、媒体に多量の液体が吐出され、媒体に含まれる液体(水分)の量が多くなると、媒体の剛性が小さくなり、排出口から排出される媒体が重力方向に変形しやすくなる。例えば、媒体に少量の液体が吐出され、媒体に含まれる液体(水分)の量が少なくなると、媒体の剛性が大きくなり、排出口から排出される媒体が重力方向に変形しにくくなる。
剛性が大きく変形しにくい媒体が排出口から排出される場合、当該媒体の搬送方向の下流端が排出トレイに接触する時点における接触角度(以降、変形しにくい媒体の接触角度と称す)は、第1角度である。変形しにくい媒体の接触角度が第1角度である場合、変形しにくい媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形せず、排出トレイに適正に載置される。
ところが、媒体の剛性が小さくなり、媒体が変形しやすくなると、剛性が小さく変形しやすい媒体の搬送方向の下流端が排出トレイに接触する時点における接触角度(以降、変形しやすい媒体の接触角度と称す)が第1角度である場合、変形しやすい媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形し、排出トレイに適正に載置されなくなる。変形しやすい媒体の接触角度を、第1角度よりも緩傾斜の第2角度にすると、変形しやすい媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形せず、排出トレイに適正に載置されるようになる。すなわち、角度調整機構が、液体の量に応じて(媒体の剛性に応じて)、媒体の形状を変化させて接触角度を変更すると、媒体が適正に排出トレイに載置されるようになる。
このように、後処理装置では、剛性が大きく変形しにくい媒体であっても、剛性が小さく変形しやすい媒体であっても、角度調整機構が、それぞれの媒体に適した接触角度となるように、それぞれの媒体の形状を変化させることによって、それぞれの媒体が適正に排出トレイに載置されるので、媒体が排出トレイに載置される場合の信頼性が高められる。
後処理装置では、前記媒体は、前記搬送方向の下流側に配置される第1領域と、前記搬送方向の上流側に配置される第2領域とを有し、前記角度調整機構は、前記第1領域に吐出される前記液体の量によって前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することが好ましい。
排出口から排出される媒体の変形は、搬送方向の下流側に配置される第1領域によって影響を受けやすい。このため、第1領域における媒体の変形のしやすさを評価し、変形しにくい媒体の接触角度が第1角度となり、変形しやすい媒体の接触角度が第2角度となるように、角度調整機構がそれぞれの媒体の形状を変化させると、それぞれの媒体は排出トレイに適正に載置されるようになる。
後処理装置では、前記接触角度の変更は、前記液体の乾燥に影響するパラメーターを含めて決定され、前記液体の乾燥に影響するパラメーターは、環境の温度、環境の湿度、前記搬送方向に搬送される前記媒体の搬送速度、及び、前記搬送方向に搬送される前記媒体の停止時間のうち少なくとも一つを含むことが好ましい。
媒体の変形のしやすさは、媒体が含む液体(水分)の量に依存するので、液体吐出部から吐出される液体の量に加えて、液体の乾燥に影響するパラメーターによっても変化する。このため、液体吐出部から吐出される液体の量と、液体の乾燥に影響するパラメーターとを含めて、媒体の変形のしやすさを予測すると、媒体の変形のしやすさをより適正に予測することができる。
媒体の変形のしやすさの予測に対応して、角度調整機構が媒体の形状を変化させると、媒体の接触角度をより好ましい角度に設定することができる。
後処理装置では、前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第1媒体に吐出される前記液体の量によって変化する場合、前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第1媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することが好ましい。
排出トレイにおける第2媒体の変形のしやすさは、第2媒体の剛性の変化に加えて、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力によって変化する。
例えば、第1媒体に吐出される液体の量が少なく、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が弱い場合、第2媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形しにくくなる。ところが、第1媒体に吐出される液体の量が多く、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が強い場合、第2媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形しやすくなる。
このため、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が弱い場合と、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が強い場合とに応じて、第2媒体の形状を変化させて第2媒体の接触角度を変更すると、第2媒体が排出トレイに適正に載置されるようになる。
後処理装置では、前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第2媒体に吐出される前記液体の量によって変化する場合、前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第2媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することが好ましい。
第2媒体の変形のしやすさは、第2媒体の剛性の変化によって変化する。
例えば、第2媒体に吐出される液体の量が少なく、第2媒体の剛性の変化が小さい場合、第2媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形しにくくなる。ところが、第2媒体に吐出される液体の量が多く、第2媒体の剛性の変化が大きい場合、第2媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形しやすくなる。
このため、第2媒体の剛性の変化が小さい場合と、第2媒体の剛性の変化が大きい場合とに応じて、第2媒体の形状を変化させて第2媒体の接触角度を変更すると、第2媒体が排出トレイに適正に載置されるようになる。
後処理装置では、前記角度調整機構は、重力による前記媒体の変形に影響するパラメーターに応じて、前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更し、重力による前記媒体の変形に影響するパラメーターは、前記媒体の前記搬送方向の長さ、及び前記中間トレイ上で後処理される前記媒体の枚数の少なくとも一つを含むことが好ましい。
媒体の変形のしやすさは、液体吐出部から吐出される液体の量に加えて、重力による媒体の変形に影響するパラメーターによって変化する。液体吐出部から吐出される液体の量に加えて、重力による媒体の変形に影響するパラメーターを含めて、排出口から排出される媒体の変形のしやすさを予測すると、排出口から排出される媒体の変形のしやすさをより適正に予測することができる。
媒体の変形のしやすさの予測に対応して、角度調整機構が媒体の形状を変化させると、媒体の接触角度をより好ましい角度に設定することができる。
後処理装置では、前記液体吐出部は印刷データに基づき前記液体を前記媒体に吐出し、前記液体の量は、前記印刷データから取得されることが好ましい。
印刷データは媒体に吐出される液体の量を含むので、印刷データから媒体に吐出される液体の量を取得することができる。
後処理装置では、前記媒体が、前記中間トレイに載置された状態で、前記下流端が前記排出口の外側に配置され前記排出トレイに接触する場合、前記角度調整機構は、前記媒体が前記中間トレイに載置される前であって、且つ前記下流端が前記排出トレイに接触する前において、前記接触角度が、所定の角度以下となるように前記媒体の形状を変化させることが好ましい。
媒体の接触角度が所定角度である場合、媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形しなくなり、媒体が排出トレイ上で折れ曲がるという不具合が生じなくなる。
媒体が中間トレイに載置される前であって、媒体の搬送方向の下流端が排出トレイに接触する前において、媒体の接触角度を所定の角度以下にすると、媒体が中間トレイに載置された状態で媒体の搬送方向の下流端が排出トレイに接触する場合、媒体が排出トレイ上で意図せぬ方向に変形しなくなり、媒体が排出トレイ上で折れ曲がるという不具合が生じなくなる。
後処理装置では、前記媒体の前記搬送方向の上流端が前記排出口から排出された時点における、前記上流端と前記排出トレイとの距離を落下距離とした場合、前記角度調整機構は、前記媒体の下流端が前記排出トレイと接触した後に、前記媒体の形状を変更させることで前記落下距離を短くすることが好ましい。
媒体が排出口から排出され排出トレイに載置される場合、最初に、媒体の下流端が排出口から排出され、媒体の下流端が排出トレイに接触し、次に、媒体の上流端が排出口から排出され、媒体の上流端が排出トレイに向けて落下する。
媒体の下流端が排出トレイと接触した後に、落下距離を短くすると、媒体の上流端が排出トレイに向けて落下する場合に、媒体の上流端に作用する衝撃が弱くなり、媒体の上流端の位置が排出トレイ上で乱れにくくなる。
後処理装置では、前記角度調整機構は、前記中間トレイに対して前記搬送方向の下流側に配置され、前記搬送方向に交差する軸を回動軸として回動し、前記媒体に接触する偏心コロを有し、前記媒体における前記偏心コロに接触する部分を接触部とした場合、前記偏心コロは、前記接触角度が前記所定の角度以下となるように前記接触部を前記重力方向と反対方向に移動させ、前記媒体の下流端が前記排出トレイと接触した後に、前記落下距離が短くなるように前記接触部を前記重力方向に移動させることが好ましい。
偏心コロは、媒体における偏心コロに接触する部分(接触部)を移動させ、落下距離を変化させる。
接触角度が所定の角度以下となるように、偏心コロが接触部を重力方向と反対方向に移動させると、媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形せず、排出トレイに適正に載置される。さらに、媒体の下流端が排出トレイと接触した後に、偏心コロが接触部を重力方向に移動させ落下距離を短くすると、媒体の上流端が排出トレイに向けて落下する場合に、媒体の上流端に作用する衝撃が弱くなり、媒体の上流端の位置が排出トレイ上で乱れにくくなる。
後処理装置は、搬送方向に搬送される媒体が載置される中間トレイと、前記中間トレイ上で後処理された前記媒体が排出される排出口と、前記排出口に対して重力方向に配置され、前記排出口から排出される前記媒体が載置される排出トレイと、前記排出トレイに向けて排出される前記媒体の形状を変化させ、前記媒体の前記搬送方向の下流端と前記排出トレイとがなす接触角度を調整する角度調整機構と、を備え、前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第1媒体に吐出される液体の量によって変化する場合、前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第1媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記第2媒体の前記接触角度を変更することを特徴とする。
第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が、第1媒体に吐出される液体の量によって変化する場合、液体吐出部から第1媒体に吐出される液体の量によって、排出トレイにおける第2媒体の変形のしやすさが変化する。例えば、第1媒体に少量の液体が吐出され、第1媒体に含まれる液体(水分)の量が少なくなると、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が弱くなり、第2媒体が第1媒体上で滑りやすくなり、第2媒体が変形しにくくなる。例えば、第1媒体に多量の液体が吐出され、第1媒体に含まれる液体(水分)の量が多くなると、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力が強くなり、第2媒体が第1媒体上で滑りにくくなり、第2媒体が変形しやすくなる。
第2媒体が変形しにくい場合、第2媒体の搬送方向の下流端が排出トレイに接触する時点における接触角度(以降、変形しにくい第2媒体の接触角度と称す)を、第3角度とすると、変形しにくい第2媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形せず、排出トレイに適正に載置される。
ところが、第2媒体が変形しやすくなると、変形しやすい第2媒体の搬送方向の下流端が排出トレイに接触する時点における接触角度(以降、変形しやすい第2媒体の接触角度と称す)が第3角度である場合、変形しやすい第2媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形し、排出トレイに適正に載置されなくなる。変形しやすい第2媒体の接触角度を、第3角度よりも緩傾斜の第4角度にすると、変形しやすい第2媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形せず、排出トレイに適正に載置されるようになる。
このように、角度調整機構が、第1媒体に吐出される液体の量に応じて(第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力に応じて)、第2媒体の形状を変化させて第2媒体の接触角度を変更すると、第2媒体が適正に排出トレイに載置されるようになる。詳しくは、第1媒体と第2媒体との間に作用する摩擦力は、第1媒体と第2媒体とが接触する箇所における第1媒体に吐出される液体の量によって変化するので、角度調整機構が、第1媒体と第2媒体とが接触する箇所における第1媒体に吐出される液体の量に応じて、第2媒体の形状を変化させて第2媒体の接触角度を変更すると、第2媒体が適正に排出トレイに載置されるようになる。
そして、後処理装置では、摩擦力が弱く変形しにくい第2媒体であっても、摩擦力が強く変形しやすい第2媒体であっても、角度調整機構が、それぞれの媒体に適した接触角度となるように、それぞれの媒体の形状を変化させることによって、それぞれの媒体が適正に排出トレイに載置されるので、媒体が排出トレイに載置される場合の信頼性が高められる。
後処理装置では、前記角度調整機構は、前記液体の量が所定の液体の量以上の場合に、前記接触角度が所定の角度よりも小さくなるように前記媒体の形状を変化させることが好ましい。
液体の量が所定の液体の量以上の場合に、媒体の剛性が小さくなり、媒体が変形しやすくなる。角度調整機構が、当該変形しやすい媒体の接触角度が所定の角度よりも小さくなるように、当該変形しやすい媒体の形状を変化させると、当該変形しやすい媒体は、排出トレイ上で意図せぬ方向に変形せず、排出トレイに適正に載置されるようになる。
印刷システムは、液体を媒体に吐出する液体吐出部を有する印刷装置と、上記後処理装置と、を備えることを特徴とする。
上記後処理装置は、媒体が排出トレイに載置される場合の信頼性が高められているので、上記後処理装置を有する印刷システムも信頼性が高められる。
1…印刷システム、2…印刷装置、3…搬送装置、4…後処理装置、5…プリンター部、6…スキャナー部、7…媒体収容カセット、8…記録後排出トレイ、10…ラインヘッド、11…給送経路、12…第1排出経路、13…第2排出経路、14…反転経路、15…制御部、20…受入経路、21…第1スイッチバック経路、22…第2スイッチバック経路、23…排出経路、24…分岐部、25…合流部、31…搬送経路、35…中間トレイ、36…処理部、37…排出トレイ、38…後端整合部、50…角度調整機構、96…制御部、98…排出口。

Claims (13)

  1. 液体吐出部から媒体に吐出される液体の量によって、剛性が変化する前記媒体に対して後処理が施される後処理装置であって、
    搬送方向に搬送される前記媒体が載置される中間トレイと、
    前記中間トレイ上で後処理が施された前記媒体が排出される排出口と、
    前記排出口に対して重力方向に配置され、前記排出口から排出される前記媒体が載置される排出トレイと、
    前記排出トレイに向けて排出される前記媒体の形状を変化させ、前記媒体と前記排出トレイとがなす角度を調整する角度調整機構と、
    を備え、
    前記媒体の前記搬送方向の下流端が前記排出トレイに接触する時点における前記角度を接触角度とした際に、前記角度調整機構は、前記液体の量に応じて前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することを特徴とする後処理装置。
  2. 前記媒体は、前記搬送方向の下流側に配置される第1領域と、前記搬送方向の上流側に配置される第2領域とを有し、
    前記角度調整機構は、前記第1領域に吐出される前記液体の量によって前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することを特徴とする請求項1に記載の後処置装置。
  3. 前記接触角度の変更は、前記液体の乾燥に影響するパラメーターを含めて決定され、
    前記液体の乾燥に影響するパラメーターは、環境の温度、環境の湿度、前記搬送方向に搬送される前記媒体の搬送速度、及び、前記搬送方向に搬送される前記媒体の停止時間のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
  4. 前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第1媒体に吐出される前記液体の量によって変化する場合、
    前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第1媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  5. 前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第2媒体に吐出される前記液体の量によって変化する場合、
    前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第2媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  6. 前記角度調整機構は、重力による前記媒体の変形に影響するパラメーターに応じて、前記媒体の形状を変化させて前記接触角度を変更し、
    重力による前記媒体の変形に影響するパラメーターは、前記媒体の前記搬送方向の長さ、及び前記中間トレイ上で後処理される前記媒体の枚数の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  7. 前記液体吐出部は印刷データに基づき前記液体を前記媒体に吐出し、
    前記液体の量は、前記印刷データから取得されること特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  8. 前記媒体が、前記中間トレイに載置された状態で、前記下流端が前記排出口の外側に配置され前記排出トレイに接触する場合、
    前記角度調整機構は、前記媒体が前記中間トレイに載置される前であって、且つ前記下流端が前記排出トレイに接触する前において、前記接触角度が、所定の角度以下となるように前記媒体の形状を変化させることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  9. 前記媒体の前記搬送方向の上流端が前記排出口から排出された時点における、前記上流端と前記排出トレイとの距離を落下距離とした場合、
    前記角度調整機構は、前記媒体の下流端が前記排出トレイと接触した後に、前記媒体の形状を変更させることで前記落下距離を短くすることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  10. 前記角度調整機構は、前記中間トレイに対して前記搬送方向の下流側に配置され、前記搬送方向に交差する軸を回動軸として回動し、前記媒体に接触する偏心コロを有し、
    前記媒体における前記偏心コロに接触する部分を接触部とした場合、
    前記偏心コロは、前記接触角度が前記所定の角度以下となるように前記接触部を前記重力方向と反対方向に移動させ、前記媒体の下流端が前記排出トレイと接触した後に、前記落下距離が短くなるように前記接触部を前記重力方向に移動させることを特徴とする請求項9に記載の後処理装置。
  11. 搬送方向に搬送される媒体が載置される中間トレイと、
    前記中間トレイ上で後処理された前記媒体が排出される排出口と、
    前記排出口に対して重力方向に配置され、前記排出口から排出される前記媒体が載置される排出トレイと、
    前記排出トレイに向けて排出される前記媒体の形状を変化させ、前記媒体の前記搬送方向の下流端と前記排出トレイとがなす接触角度を調整する角度調整機構と、
    を備え、
    前記媒体は、最初に前記排出トレイに載置される第1媒体と、次に前記排出トレイに載置される第2媒体とを含み、前記第1媒体から前記第2媒体に作用する摩擦力が、前記第1媒体に吐出される液体の量によって変化する場合、
    前記角度調整機構は、前記第1媒体と前記第2媒体とが接触する箇所における前記第1媒体に吐出される前記液体の量に応じて、前記第2媒体の形状を変化させて前記第2媒体の前記接触角度を変更することを特徴とする後処理装置。
  12. 前記角度調整機構は、前記液体の量が所定の液体の量以上の場合に、前記接触角度が所定の角度よりも小さくなるように前記媒体の形状を変化させることを特徴とする請求項1〜8、11のうちいずれか一項に記載の後処理装置。
  13. 液体を媒体に吐出する液体吐出部を有する印刷装置と、
    請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の後処理装置と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
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