以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図22は、本実施の形態に係るワーク投入装置およびワーク収納システムを示す図である。このうち、図1および図2は、それぞれ、本実施の形態によるワーク投入装置の具体的な構成を示す斜視図および側面図である。また、図3および図4は、それぞれ図1等に示すワーク投入装置に設けられた覆い部材検知部の構成を示す拡大側面図であり、図5および図6は、それぞれ図1等に示すワーク投入装置に設けられた載置台検知部の構成を示す拡大側面図である。また、図7は、図1等に示すワーク投入装置の制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図8は、図1等に示すワーク投入装置を備えたワーク収納システムに設けられるワーク運搬装置の構成を概略的に示す斜視図であり、図9は、図8に示すワーク運搬装置によりワークを持ち上げる動作を行うときの構成を概略的に示す側面図である。また、図10乃至図12は、それぞれ、図8等に示すワーク運搬装置によりワーク投入装置の載置台にワークを置くときの動作を説明するための上面図である。また、図13は、上記のワーク収納システムに設けられる袋処理装置の構成を概略的に示す側面図である。また、図14および図15は、それぞれ、本実施の形態によるワーク収納システムによりワークを袋に収納する動作の流れを説明するためのフローチャートである。また、図16乃至図22は、それぞれ、図1等に示すワーク投入装置により袋の内部にワークを投入するときの動作の流れを説明するための側面図である。なお、図16乃至図22等において、ワーク投入装置により袋に投入されるべきワークを参照符号Wで示すとともに袋処理装置により保持された袋を参照符号Sで示している。
以下に、本実施の形態によるワーク収納システムについて説明する。本実施のワーク収納システムは、後述するワーク投入装置100と、ワーク運搬装置200と、袋処理装置300とを組み合わせることにより構成されるようになっている。このようなワーク収納システムの各構成要素の詳細について以下に説明した後、ワーク収納システムによってワークを袋に収納する動作について詳細に説明する。
まず、本実施の形態によるワーク投入装置100について図1乃至図7を参照して説明する。ワーク投入装置100は、開口を有する袋(収納具)にワークを投入するために用いるものである。具体的には、ワーク投入装置100は、袋に投入されるべきワークが載置される載置台110と、第1の軸112を中心として載置台110を略水平姿勢から下向きとなるよう回転させるための第1駆動部110aとを備えている。第1駆動部110aは、例えばステッピングモーターから構成されている。
また、載置台110には、略水平方向に延びる軸122を中心として閉止位置と開放位置との間で回転可能となっている閉止部材120が設けられている。閉止部材120は、図2の実線で示す閉止位置において、載置台110におけるワークが載置される部分とは直交する方向に延びる姿勢となっている。このことにより、閉止部材120は、閉止位置において、載置台110が略水平姿勢から下向きとなるよう回転したときに載置台110に載置されたワークが載置台110から落下してしまうことを防止するようになっている。一方、閉止部材120は、図2の二点鎖線で示す開放位置において、載置台110におけるワークが載置される部分と平行に延びる姿勢となっている。このことにより、閉止部材120は、開放位置において、載置台110が略水平姿勢から下向きとなるよう回転したときに当該載置台110に載置されたワークの落下を許容するようになっている。また、ワーク投入装置100には、閉止部材120を駆動するための第2駆動部120aが設けられている。第2駆動部120aは、例えばエアシリンダから構成されている。
なお、図1に示す例では、第1駆動部110aと、第2駆動部120aとを組み合わせることにより、駆動部180が構成されている。このような駆動部180は、第1の軸112を中心として載置台110を回転させ、また、閉止部材120を駆動させるようになっている。しかしながら、載置台110および閉止部材120を駆動するための構成は上述したものに限定されることはない。例えば、載置台110および閉止部材120の両方が同一の駆動部により駆動されるようになっていてもよい。より具体的には、ワイヤ等を含む、載置台110の動きと閉止部材120の動きとをリンクさせるリンク機構(図示せず)を追加的に設けるようにしてもよい。そして、第1駆動部110aにより載置台110が回転させられたときに、第1駆動部110aの動力がリンク機構を介して閉止部材120に伝達されて閉止部材120が駆動されるようになっていてもよい。
本実施の形態においては、閉止部材120は、ねじりバネ(図示せず)によって閉止位置に向かって常に付勢されている。また、載置台110にはストッパ(図示せず)が設けられている。これらのねじりバネおよびストッパにより、閉止部材120は、図2において実線で示すような載置台110に直交する方向に延びる姿勢に保たれるようになっている。そして、第2駆動部120aによってねじりバネの付勢力に逆らう力が閉止部材120に加えられることにより、閉止部材120が閉止位置から開放位置に移動させられるようになっている。
図1に示すように、載置台110におけるワークが載置される部分の両側部には、それぞれ上方に延びる側壁114が位置固定で設けられている。このような側壁114により、略水平姿勢から下向きとなるよう回転させられた載置台110に載置されたワークの側方からの落下が抑制されるようになっている。
また、ワーク投入装置100は、退避位置と対向位置との間で移動可能となっている覆い部材130と、覆い部材130を駆動するための第3駆動部130aとを備えている。覆い部材130は、図2の実線で示す退避位置において、載置台110におけるワークが載置される部分に対して上方に延びる姿勢となっている。このことにより、覆い部材130は、退避位置において載置台110へのワークの載置を許容するようになっている。一方、覆い部材130は、図2の二点鎖線で示す対向位置において、載置台110におけるワークが載置される部分に対して略水平となるよう延びる姿勢となっている。また、対向位置に位置している覆い部材130の下面と、載置台110の各側壁114の上端縁とが接触するよう構成されている。このことにより、覆い部材130は、対向位置において載置台110へのワークの載置を許容しないようになっている。より具体的には、覆い部材130は、略水平方向に延びる第2の軸132を中心として載置台110に対して回転可能となっている。また、第3駆動部130aは、退避位置と対向位置との間で第2の軸132を中心として回転するよう覆い部材130を駆動するようになっている。また、覆い部材130を対向位置に位置させることより、略水平姿勢から下向きとなるよう回転させられた載置台110に載置されたワークの落下が抑制されるようになっている。なお、第3駆動部130aは、例えばステッピングモーターから構成されている。
図1に示すように、ワーク投入装置100の載置台110は、閉止部材120が設けられている側の端部近傍の形状が先細り形状に形成されている。また、覆い部材130は、当該覆い部材130が対向位置に位置するときに閉止部材120に近い箇所の形状が先細り形状に形成されている。このような構成とすることにより、後述するような、載置台110、閉止部材120および覆い部材130を袋の内部に挿入する動作を行う際に、載置台110や覆い部材130が袋の開口部にひっかかることなくスムーズに挿入されるようになる。なお、図1に示す例では、載置台110および対向位置に位置する覆い部材130における閉止部材120側の端部の輪郭が直線形状の先細り形状となっているが、閉止部材120側の端部の輪郭が曲線形状の先細り形状となっていてもよい。
また、ワーク投入装置100には、覆い部材130が上述した退避位置から対向位置に正常に移動させられたか否かを検知する覆い部材検知部160が設けられている。このような覆い部材検知部160の構成について図3および図4を参照して説明する。
図3は、図2に示すワーク投入装置100における覆い部材検知部160の近傍を拡大して示す側面図である。図3に示すように、覆い部材検知部160は、第1検知部分162と、第2検知部分164と、各検知部分162、164により検知される被検知板166とを有している。また、被検知板166は、覆い部材130と一体的に回転するよう構成されており、第2の軸132を中心として覆い部材130が回転させられたときに被検知板166も同期して回転するようになっている。また、図2の実線で示すように、覆い部材130が退避位置にある状態では、被検知板166は第1検知部分162のみにより検知されるようになっている(図3参照)。そして、覆い部材130が退避位置から対向位置に向かって移動すると、被検知板166は図3に示す位置から図4に示す位置に向かって移動する。
図4は、覆い部材130が退避位置から対向位置に正常に移動させられたときの覆い部材検知部160の構成を示す図である。この状態においては、被検知板166は、第2検知部分164のみにより検知されるようになっている。また、被検知板166が図3に示す位置から図4に示す位置に回転する途中の段階では、被検知板166は第1検知部分162および第2検知部分164の両方により検知されるようになっている。このため、被検知板166が第1検知部分162のみにより検知された状態から、各検知部分162、164の両方により検知されるようになり、最終的に第2検知部分164のみにより検知されるようになると、覆い部材130が対向位置に正常に移動したことが検知される。
一方、退避位置から対向位置に向かって移動した覆い部材130の下面と、載置台110の側壁114の上端縁との間に載置台110に載置されたワークが挟まれることにより、覆い部材130が対向位置に正常に移動させられない場合も起こり得る。この場合には、覆い部材130が退避位置から対向位置に正常に移動しなかったことが覆い部材検知部160により検知されるようになっている。具体的には、被検知板166が第1検知部分162のみにより検知された状態から、第2検知部分164のみにより検知される状態とならなかったときに、覆い部材130が対向位置に正常に移動しなかったことが覆い部材検知部160により検知される。言い換えると、被検知板166が第1検知部分162および第2検知部分164の両方により検知されている状態が所定の時間よりも長く続いたときに、覆い部材130が対向位置に正常に移動しなかったことが検知される。
また、ワーク投入装置100は、載置台110に載置されたワークを載置台110の外部に向かって押し出すための押出部材140と、押出部材140を駆動するための第4駆動部140aとを備えている。具体的には、押出部材140は、載置台110における閉止部材120が設けられた側に向かって進退可能となるよう構成されている。また、第4駆動部140aは、例えばエアシリンダから構成されている。本実施の形態においては、押出部材140は、載置台110に載置されたワークを後述する袋処理装置300により保持される袋の内部に向かって押し出すために用いられるようになっている。
また、載置台110と対向する押出部材140の下端縁には、削ぎ落とし部材の一例としてのブラシまたはゴム(図示せず)が設けられている。そして、この削ぎ落とし部材と載置台110の上面とが接触した状態で押出部材140が移動させられるようになっている。また、対向位置に位置する覆い部材130と対向する押出部材140の上端縁には、削ぎ落とし部材の一例としてのブラシまたはゴム(図示せず)が設けられている。そして、この削ぎ落とし部材と対向位置に位置する覆い部材130の下面とが接触した状態で押出部材140が移動させられるようになっている。このような押出部材140によれば、静電気等により載置台110または覆い部材130にワークが付着してしまった場合にも、押出部材140によりこのワークを載置台110の外部に向かって押し出すことができる。
また、ワーク投入装置100は、載置台110、閉止部材120および覆い部材130等を一体的に上下させるための昇降機構150と、昇降機構150を駆動するための第5駆動部150aとを備えている。昇降機構150は、例えばロボシリンダから構成されている。なお、昇降機構150は載置台110、閉止部材120および覆い部材130等を一体的に上下させるものであるが、以下では、説明を簡易なものとするため昇降機構150は載置台110を昇降させるものであると記載する。
また、載置台110を第1の軸112を中心として回転させるための上述した第1駆動部110aは、載置台110、閉止部材120および覆い部材130等を一体的に回転させるようになっている。しかしながら、昇降機構150と同様に、以下の説明において第1駆動部110aは載置台110を回転させるものであると記載する。
より具体的には、載置台110は、図2に示す載置台110が略水平姿勢となる位置と、閉止部材120が下方に移動するよう略水平姿勢から回転させられて載置台110が略鉛直姿勢となる位置との間で第1駆動部110aにより回転させられるようになっている。また、ワーク投入装置100には載置台検知部170が設けられており、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転したか否かが載置台検知部170により検知されるようになっている。このような載置台検知部170の構成について図5および図6を参照して説明する。
図5は、図2に示すワーク投入装置100における載置台検知部170の近傍を拡大して示す側面図である。図5に示すように、載置台検知部170は、第1検知部分172と、第2検知部分174と、各検知部分172、174により検知される被検知板176とを有している。被検知板176は載置台110と一体的に回転するよう構成されており、第1の軸112を中心として載置台110が回転させられたときに被検知板176も同期して回転するようになっている。また、図2に示すような載置台110が略水平姿勢となっている状態では、被検知板176は第1検知部分172のみにより検知されるようになっている(図5参照)。そして、載置台110が、閉止部材120が下方に移動するよう略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させられると、被検知板176は図5に示す位置から図6に示す位置に向かって移動する。
図6は、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転したときの載置台検知部170の構成を示す図であり、この状態において被検知板176は第2検知部分174のみにより検知されるようになっている。一方、被検知板176が図5に示す位置から図6に示す位置に回転する途中の段階では、被検知板176は第1検知部分172および第2検知部分174の両方により検知されるようになっている。このため、被検知板176が第1検知部分172のみにより検知された状態から、各検知部分172、174の両方により検知されるようになった後、最終的に第2検知部分174のみにより検知されるようになると、載置台110が略鉛直姿勢となったことが検知される。
一方、閉止部材120が下方に移動するよう略水平姿勢から回転させられた載置台110が略鉛直姿勢とならなかった場合には、このことが載置台検知部170により検知される。具体的には、被検知板176が第1検知部分172のみにより検知された状態から、第2検知部分174のみにより検知される状態とならなかったときに、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知される。言い換えると、被検知板176が第1検知部分172および第2検知部分174の両方により検知されている状態が所定の時間よりも長く続いたときに、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知される。
なお、図1等に示す例においては、載置台110は略水平姿勢と略鉛直姿勢との間で回転させられるようになっているが、載置台110を略鉛直姿勢とするよう回転する構成に限定されることはない。例えば、閉止部材120が下方に移動するよう、載置台110を略水平姿勢から略30度回転させるようにしてもよい。あるいは、閉止部材120が下方に移動するよう、載置台110を略水平姿勢から略60度回転させるようにしてもよい。
また、ワーク投入装置100には、当該ワーク投入装置100の各構成要素を制御するための制御部190が設けられている。図7に示すように、制御部190には、上述した第1駆動部110a、第2駆動部120a、第3駆動部130a、第4駆動部140a、第5駆動部150a、覆い部材検知部160および載置台検知部170がそれぞれ接続されている。また、覆い部材検知部160および載置台検知部170による検知結果は制御部190に送られるようになっている。そして、制御部190は、覆い部材検知部160および載置台検知部170による検知結果に基づいて、載置台110や覆い部材130が正常に移動させられたか否かを判定するようになっている。また、制御部190からワーク投入装置100の各構成要素に指令が送られることにより、ワーク投入装置100によるワークの投入動作が行われるようになっている。このようなワークの投入動作の詳細については後述する。
次に、本実施の形態のワーク収納システムに設けられるワーク運搬装置200の構成について図8および図9を参照して説明する。図8は、ワーク運搬装置200の構成を概略的に示す斜視図である。また、図9は、ワーク運搬装置200によりワーク置き場250からワークを持ち上げる動作を行うときの構成を概略的に示す側面図である。
図8に示すように、ワーク運搬装置200は、ロボットアーム210と、ロボットアーム210の端部に設けられたロボットハンド220と、操作表示部(図示せず)と、制御部(図示せず)とを備えている。また、ロボットアーム210は複数の関節部分を有しており、ロボットハンド220の姿勢を変更することができるようになっている。また、ロボットハンド220は複数の棒状部材222を有しており、これらの棒状部材222の先端にワークを吸着するための吸着パッド224が設けられている。このようなワーク運搬装置200におけるロボットハンド220の姿勢の制御や、ワークを吸着したり離したりする各吸着パッド224の制御は、ワーク運搬装置200の制御部により行われるようになっている。また、ワーク運搬装置200は、上述したワーク投入装置100の近傍に設置されるようになっている。このことにより、ワーク投入装置100により袋に投入されるべきワークを、ワーク運搬装置200によってワーク投入装置100の載置台110に載置することができるようになる。
このようなワーク運搬装置200により、図9に示すようなワーク置き場250からワークが持ち上げられるようになっている。図9に示す例では、ワーク投入装置100の載置台110に載置されるべきワークとして、枚葉状の紙が用いられるようになっている。より具体的には、ワーク置き場250は、側方から見て略直角三角形形状となっている載置部252と、略円柱形状の錘254とを有しており、枚葉状の紙は載置部252の上面の傾斜に沿った姿勢で載置部252に載置されるようになっている。また、錘254は、載置部252に載置された複数枚の紙のうち、最上層の紙の上に載置されるようになっている。錘254が紙の上に載置されると、錘254は自重により高さレベルが低い側(図9における右側)に転がりながら移動して、載置部252とワーク置き場250の側壁との間で保持される。また、錘254の外周面にはゴム等の高摩擦部材が配置されており、錘254の外周面と、載置部252に載置された紙との間に働く摩擦力が大きくなるよう構成されている。このようなワーク置き場250では、載置部252に載置された複数の紙のうちの最上層の紙が各吸着パッド224により吸着された状態(図9参照)からロボットハンド220が上方に移動させられるようになっている。このようにして、載置部252に載置された複数の紙のうちの最上層の紙が持ち上げられるようになっている。なお、載置部252および錘254が上述した構成を有しているため、載置部252に載置された紙のうちの最上層の紙と2枚目以降の紙とが静電気等により接着されている場合にも、最上層の紙のみを持ち上げることができるようになっている。
また、ワーク運搬装置200によりワーク置き場250から紙を持ち上げるときに、次のような動作が行われるようになっていてもよい。すなわち、各吸着パッド224により最上層の紙を吸着した状態おいて、ロボットハンド220を錘254に向かって(具体的には、図9における右方向に)移動させた後、ロボットハンド220を上方に移動させるようにしてもよい。この場合には、ロボットハンド220を錘254に向かって移動させたときに、各吸着パッド224に吸着された紙が撓むことによって最上層の紙と2枚目以降の紙とを分離させる力が作用する。このため、載置部252に載置された紙のうちの最上層の紙と2枚目以降の紙とが同時に持ち上げられてしまった場合にも、これらの紙を分離させて最上層から2枚目以降の紙をより確実に落下させることができる。このことにより、載置部252に載置された複数の紙のうち、最上層の紙のみをワーク置き場250からより確実に持ち上げることができるようになる。
また、ワーク投入装置100の載置台110に載置されるワークが枚葉状の紙であるときのワーク置き場の構成は、上述したワーク置き場250のものに限定されることはない。例えば、水平面に対して傾斜した載置面を有する載置部252の代わりに、湾曲した載置面を有する載置部を用いるようにしてもよい。また、略円筒形状である錘254の代わりに、略直方体形状の錘や、略三角柱形状の錘等を用いるようにしてもよい。また、外周面にゴム等の高摩擦部材が配置された錘254の代わりに、ローレット加工等により外周面に凹凸が形成された錘を用いるようにしてもよい。また、錘254が載置部252に対して位置固定で設けられていてもよい。また、上述した錘254においてゴム等の高摩擦部材の設置が省略されたものが用いられてもよい。
あるいは、ワーク置き場として、水平面に沿って延びる載置面を有する載置部を備えたものが用いられるようになっていてもよい。この場合には、載置部に載置された紙の上端部および下端部近傍にそれぞれ錘を配置するとともに、ロボットハンド220の各吸着パッド224により紙の中央近傍を吸着するようにする。このような構成によっても、ワーク置き場の載置部に載置された複数の紙のうち、最上層の紙のみをワーク置き場から持ち上げることができるようになる。
また、載置台110に複数のワークを戴置する場合、同じ場所に複数のワークを戴置すると、ワークが載置台110のワーク載置部分における所定の箇所に集中して載置されてしまい、所望のワーク全てを載置台110に置くことができなくなってしまうことがある。このような課題を解決するため、本実施の形態のワーク運搬装置200は、ワークの大きさに応じて異なる態様によりワーク投入装置100の載置台110にワークを載置するようになっている。このような構成について図10乃至図12を参照して説明する。図10乃至図12は、それぞれ、ワーク運搬装置200によりワーク投入装置100の載置台110にワークを載置するときの動作を説明するための上面図であって、載置台110におけるワーク載置部分の近傍の構成を示す図である。
図10は、ワーク投入装置100の載置台110に載置されるべきワークのサイズが所定の大きさである第1のサイズよりも大きいときの動作を説明するための上面図である。第1のサイズとして、例えば、載置台110におけるワーク載置部分の大きさの半分の大きさが設定される。図10に示すように、載置台110に載置されるべきワークのサイズが第1のサイズよりも大きい場合には、載置台110におけるワーク載置部分の中央近傍に全てのワークを載置するようワーク運搬装置200が制御されるようになっている。
一方、ワーク投入装置100の載置台110に載置されるべきワークのサイズが上記の第1のサイズよりも小さいものの、第1のサイズよりも小さな値に設定されている第2のサイズよりも大きいときには、上述した動作とは異なる動作が行われる。より詳細には、載置台110に載置されるべきワークのサイズが第1のサイズよりも小さく第2のサイズよりも大きい場合には、載置台110におけるワーク載置部分はワーク運搬装置200により仮想的に2分割されるようになっている(図11参照)。具体的には、載置台110におけるワーク載置部分は、図11において参照符号Aで示す上側領域と、参照符号Bで示す下側領域とに2分割されるようになっている。そして、ワーク運搬装置200は、上側領域および下側領域に対して交互にワークを載置するよう制御されるようになっている。このため、載置台110におけるワーク載置部分にワークを均等に載置することができ、よってワークが載置台110のワーク載置部分における所定の箇所に集中して載置されてしまうことを防止することができる。また、ワークを載置台110のワーク載置部分における所定の箇所に集中して載置する場合と比較して、より多くのワークを載置台110に載置することができるようになる。なお、第2のサイズとして、例えば、載置台110におけるワーク載置部分の大きさの6分の1のサイズが設定される。
また、ワーク投入装置100の載置台110に載置されるべきワークのサイズが上記の第2のサイズよりも小さいときには、上述した各動作とはそれぞれ異なる動作が行われる。より詳細には、ワークのサイズが第2のサイズよりも小さい場合には、載置台110におけるワーク載置部分がワーク運搬装置200により仮想的に6分割されるようになっている。具体的には、載置台110におけるワーク載置部分が、図12においてそれぞれ参照符号a〜fで示す各領域に分割されるようになっている。図12に示す例では、各領域a〜fのうち隣り合う領域が部分的に重なるよう載置台110におけるワーク載置部分が6分割されている。また、図12において、領域aと領域eとが重なる部分における領域aの端縁を点線で示しており、領域bと領域eとが重なる部分における領域bの端縁を点線で示している。また、領域cと領域fとが重なる部分における領域cの端縁を点線で示しており、領域dと領域fとが重なる部分における領域dの端縁を点線で示している。
このように分割された各領域a〜fに対して、ワーク運搬装置200は、領域a、領域b、領域c、領域d、領域eおよび領域fの順にワークを載置台110に載置するよう制御されるようになっている。このことにより、載置台110におけるワーク載置部分にワークをより均等に載置することができ、よってワークが載置台110のワーク載置部分における所定の箇所に集中して載置されてしまうことをより確実に防止することができる。また、ワークを載置台110のワーク載置部分における所定の箇所に集中して載置する場合と比較して、より多くのワークを載置台110に載置することができるようになる。
なお、ワーク投入装置100の載置台110にワークを載置するときの態様は上述したものに限定されることはない。例えば、図10に示す例では第1のサイズとして載置台110におけるワーク載置部分の大きさの半分のサイズが設定されているが、載置台110におけるワーク載置部分の大きさの4分の3のサイズや他のサイズが第1のサイズとして設定されてもよい。また、第1のサイズよりも大きいワークを載置台110におけるワーク載置部分の中央近傍に載置する代わりに、ワーク載置部分の上端近傍や下端近傍の箇所にワークを載置するようにしてもよい。また、第1のサイズよりも大きいワークを載置台110に載置する場合に、ワーク載置部分の上端近傍にワークの上端縁が位置する箇所と、ワーク載置部分の下端近傍にワークの下端縁が位置する箇所とでワークを交互に載置するようにしてもよい。この場合には、第1のサイズよりも大きいワークをワーク載置部分の中央近傍に全て重ねて載置する場合と比較して、載置台110のワーク載置部分に載置されたワークの厚みが大きくなってしまうことを抑制することができる。
また、図11に示す例では、載置台110におけるワーク載置部分を上側領域および下側領域に仮想的に2分割する態様について説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、ワークが略長方形形状であるときに、載置台110におけるワーク載置部分を左側領域および右側領域に仮想的に2分割するとともに、左側領域および右側領域に交互にワークを載置するようにしてもよい。この場合にも、複数のワークを載置台110におけるワーク載置部分に均等に載置することができるとともに、より多くのワークを載置台110に載置することができるようになる。また、第2のサイズとして載置台110におけるワーク載置部分の大きさの6分の1サイズを設定しているが、載置台110におけるワーク載置部分の大きさの4分の1のサイズや他のサイズを第2のサイズとして設定してもよい。
また、載置台110に載置されるべきワークのサイズが上述した第2のサイズよりも小さいときに、載置台110におけるワーク載置部分を7つよりも多い領域に仮想的に分割するようにしてもよい。この場合にも、図12に示す例のように、分割された各領域に連続してワークが載置されないようなワークの載置順序を設定することにより、複数のワークを載置台110におけるワーク載置部分に均等に載置することができる。また、より多くのワークを載置台110に載置することができるようになる。また、図12に示す例では各領域a〜fのうち隣り合う領域が部分的に重なるよう載置台110におけるワーク載置部分を分割しているが、各領域a〜fのうち隣り合う領域が部分的に重ならないようにワーク載置部分を分割するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、載置台110に載置されるべきワークの保管場所として、上述したワーク置き場250を含む複数のワーク置き場が設けられている。また、各ワーク置き場は、ワーク運搬装置200のロボットアーム210の可動範囲内に配置されている。そして、各ワーク置き場に保管されるワークのうち、どの種類のワークが載置台110に載置されるべきワークであるかについての情報は、操作者により制御部に入力されるようになっている。より具体的には、ワーク運搬装置200の操作表示部にはワークの選択画面が表示されるようになっており、このワーク選択画面において複数の種類のワークを選択することができるようになっている。そして、選択画面に表示されるワークのうち1または複数の種類のワークが操作者によって選択されることにより、載置台110に載置されるべきワークの種類についての情報が制御部に入力される。このような動作により複数の種類のワークが選択されたときに、ワーク運搬装置200は、選択画面において選択された順序ではなく、所定の規則に沿った順序でワークを載置台110に載置するようにしてもよい。
より具体的には、ワーク運搬装置200の制御部は、選択された複数の種類のワークのうち、サイズが大きいものから順にワーク投入装置100の載置台110に載置するようワーク運搬装置200を制御するようにしてもよい。例えば、操作表示部の選択画面において、最初に上記の第2のサイズよりも小さいワーク、次に第1のサイズよりも大きいワークが順に選択された場合を考える。この場合には、ワーク運搬装置200は、最初に第1のサイズよりも大きいワークを載置台110に載置し、次に第2のサイズよりも小さいワークを第1のサイズよりも大きいワークの上に載置するようになる。このように、サイズの大きいワークから載置台110に順に載置するよう、載置台110へのワークの載置順序を所定の規則に沿ったものとすることにより、載置台110におけるワーク載置部分のスペースをより効率的に利用することができる。
より詳細には、載置台110に最初に小さいワークを載置した後、大きなワークを小さなワークの上に載置した場合には、載置台110の上面と、小さなワークの上に載置された大きなワークの下面との間に隙間が形成されてしまう。そして、この隙間にはワークを載置することができないため、載置台110におけるワーク載置部分のスペースの一部が無駄となってしまう。これに対し、本実施の形態のワーク運搬装置200によれば、サイズが大きいワークから順にワーク投入装置100の載置台110に載置するため、上記のような無駄なスペースが発生することを抑制することができる。このことにより、ワーク載置部分のスペースをより効率的に使用することができる。
なお、ワークの選択画面がワーク運搬装置200の操作表示部に表示される構成について説明したが、このような構成に限定されることない。例えば、ワーク運搬装置200と、パソコンやタブレット等(図示せず)とを有線または無線によって接続することにより、パソコンやタブレット等のディスプレイにワークの選択画面を表示するようにしてもよい。そして、操作者によりマウスやタッチパネルが操作されることにより、載置台110に載置されるべきワークの種類が選択されるようになっていてもよい。
また、操作者が載置台110に載置されるべきワークの種類を選択する代わりに、あらかじめ載置台110に載置されるべきワークのリストを1または複数作成しておき、これらのリストの中から1または複数のリストが選択されるようになっていてもよい。この場合、各リストには、少なくとも載置台110に載置されるべきワークの名称と、ワークの大きさまたはサイズの区分等のワークに係る情報とが含まれるようになる。このような構成とすることにより、選択されたリストに含まれているワークの大きさまたはサイズの区分を基にして、各ワークをサイズが大きい順に各ワーク置場から持ち上げて載置台110に戴置するよう、ワーク運搬装置200を制御するようにしてもよい。
あるいは、載置台110に載置されるべきワークの名称(種類)や識別情報を記載したリストと、当該ワークの大きさまたはサイズの区分に関する情報を記載したリストとをそれぞれ別個のリストとしてあらかじめ準備するようにしてもよい。そして、載置台110に載置されるべきワークの名称が入力されたりワークに付与された識別情報が読み取られたときに、名称や識別情報により特定されたワークと、ワークの大きさまたはサイズの区分とが紐づけられるようになっていてもよい。
また、ロボットハンド220の各吸着パッド224を用いてワークを運搬するような構成に限定されることはない。例えば、各棒状部材222の間隔を変更することによってワークを挟持したり、離したりすることにより、袋に投入されるべきワークをワーク投入装置100の載置台110に載置するようにしてもよい。
次に、本実施の形態のワーク収納システムに設けられる袋処理装置300の構成について図13を参照して説明する。図13は、袋処理装置300の構成を概略的に示す側面図である。袋処理装置300は、筐体310と、袋セット部320と、複数のローラ330と、袋保持部340と、袋封止部350と、制御部(図示せず)とを備えている。
図13に示す袋処理装置300では、ワークが投入される袋として、ポリエチレン等から形成される、一方に開口が設けられた袋が用いられるようになっている。より具体的には、一方に開口が設けられた袋が所定の間隔で連続的に配置された包装フィルムがロール状に巻かれたものが原反として使用されるようになっている。また、袋と袋の間にはミシン目が形成されている。このような構成の原反が袋セット部320にセットされるようになっている。また、各ローラ330は、原反から巻き出された包装フィルムを所定の間隔で間欠的に搬送することにより、包装フィルムを袋保持部340に案内するようになっている。具体的には、各ローラ330は、包装フィルムが巻き出される方向において、袋1つ分の長さずつ間欠的に包装フィルムを巻き出して袋保持部340に案内する。
また、袋保持部340は、各ローラ330により間欠的に送られた包装フィルムにおける1つの袋部分を、開口を上方に向けた状態で保持するようになっている。具体的には、袋保持部340は一対の保持部材から構成されており、袋の一方の面が一方の保持部材により保持されるとともに、袋のもう一方の面がもう一方の保持部材により保持されるようになっている。また、袋保持部340の各保持部材にはそれぞれ袋封止部350が設けられている。これらの袋封止部350により、袋保持部340により保持されている袋の内部にワークが投入された後、袋の開口が封止されるようになっている。このような袋処理装置300は、上述したワーク投入装置100の近傍に設置されるようになっている。このことにより、袋処理装置300に保持される袋の内部にワーク投入装置100によってワークを投入することができるようになる。
なお、上述した袋処理装置300は、開口が上方を向いた姿勢となるよう袋を保持する袋保持部340と、袋の開口を封止するための袋封止部350とを備えたものであるが、このような構成に限定されることはない。例えば、袋を保持するための袋保持装置と、袋の開口を封止するための袋封止装置とがそれぞれ別個に設けられていてもよい。また、包装フィルムにおける袋と袋の境目に設けられたミシン目に沿って包装フィルムを切断する包装フィルム切断部が袋処理装置300に設けられていてもよいし、このような包装フィルム切断装置が別個に設けられていてもよい。
上述したように、ワーク投入装置100と、ワーク運搬装置200と、袋処理装置300とを組み合わせることにより、本実施の形態のワーク収納システムが構成されている。このようなワーク収納システムにより、袋処理装置300によって保持された袋にワークを投入する動作等について図14乃至図22を参照して説明する。ここで、図14および図15は、ワーク収納システムによってワークを袋に収納する動作の流れを説明するためのフローチャートである。また、図16乃至図22は、ワーク投入動作のいくつかのステップにおけるワーク投入装置100の構成を示す側面図である。
なお、ワーク投入装置100の動作を理解しやすくするため、図16乃至図22において、ワーク運搬装置200および袋処理装置300の描写を省略している。一方、袋処理装置300により保持された袋については、図20乃至図22において参照符号Sで示している。また、図17乃至図22において、袋処理装置300により保持された袋に投入されるべきワークを参照符号Wで示している。
本実施の形態によるワーク収納システムによりワークを袋に収納する動作が開始される前には、ワーク投入装置100は図16に示すような待機状態となっている。待機状態において、載置台110は略水平姿勢となっており、閉止部材120は閉止位置に位置しており、覆い部材130は退避位置に位置している。すなわち、制御部190は、少なくともワークが載置台110に載置されるときに覆い部材130が退避位置に維持されるよう第3駆動部130aを制御するようになっている。また、ワークが投入される袋は、開口が上方を向いた姿勢となるよう袋処理装置300の袋保持部340によって保持されている。
このような状態においてワークの包装動作が開始されると、ワーク運搬装置200が駆動されてワーク投入装置100の載置台110にワークが載置される。上述したように、袋に投入されるべきワークは、ワーク運搬装置200のロボットアーム210の可動範囲内にあるワーク置き場(例えば、図9に示すワーク置き場250)に保管されている。そして、ワーク運搬装置200は、ロボットハンド220をワーク置き場に移動させた後、当該ロボットハンド220の先端に設けられた吸着パッド224によってワークを吸着して持ち上げる。その後、ロボットハンド220によって持ち上げられたワークをワーク投入装置100の載置台110に載置して、吸着パッド224によるワークの吸着を解除するようになっている。このようにして載置台110にワークが載置されると、ワーク投入装置100によりこのことが検知される(STEP1)。
なお、載置台110にワークが載置されたか否かを検知するための構成として、ワーク投入装置100の載置台110に重量センサ等を設けるようにしてもよい。あるいは、ワーク運搬装置200からワーク投入装置100に対して信号が送られることにより、ワーク投入装置100の載置台110にワークが載置されたことがワーク投入装置100により検知されるようになっていてもよい。
ワーク投入装置100によって載置台110にワークが載置されたことが検知されると、ワーク投入装置100の制御部190により第3駆動部130aが駆動される(STEP2)。具体的には、待機状態において図16に示す退避位置に位置している覆い部材130が、図17に示す対向位置に移動するよう、第2の軸132を中心として回転させられる(図17の矢印参照)。この際に、覆い部材検知部160により覆い部材130が正常に退避位置に移動したか否かが検知される(STEP3)。上述したように、覆い部材130が退避位置に位置しているときには、覆い部材検知部160の被検知板166は第1検知部分162のみにより検知されるようになっている(図3参照)。一方、覆い部材130が対向位置に位置しているときには、被検知板166は覆い部材検知部160の第2検知部分164のみにより検知されるようになる(図4参照)。このような構成とすることにより、各検知部分162、164による検知結果に基づいて、覆い部材130が退避位置から対向位置に正常に移動したか否かを検知することができる。
そして、覆い部材130が正対位置に正常に移動させられなかったことが検知された場合には(STEP3の「YES」)、制御部190によりワーク投入装置100の動作が停止され、操作者によるワーク投入装置100の再起動が行われる(STEP4)。なお、覆い部材130が正対位置に正常に移動させられないケースとして、例えば、退避位置から対向位置に向かって回転した覆い部材130の下面と載置台110の側壁114の上端縁との間にワークが挟まれるような場合が挙げられる。このような場合にワーク投入装置100の動作が停止されるため、覆い部材130と側壁114との間にワークが挟まれたままワークの投入動作が継続されてしまうことを防止することができる。
一方、覆い部材検知部160によって覆い部材130が対向位置に正常に移動したことが検知されると(STEP3の「NO」)、制御部190により第5駆動部150aが制御され、昇降機構150が駆動される(STEP5)。図18に示すように、昇降機構150が駆動されると、載置台110が所定の距離だけ上方に移動する。このことにより、後述するように載置台110を略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させたときに、載置台110と袋処理装置300の各構成部材とが干渉してしまうことを防ぐことができる。
次に、制御部190によって第1駆動部110aが制御されることにより、閉止部材120が下方に移動するよう載置台110が略水平姿勢から回転する(STEP6)。図18および図19に示すように、本実施の形態においては、載置台110は略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう略90度回転させられるようになっている。また、載置台110、閉止部材120および覆い部材130により、略水平姿勢の載置台110に載置されたワークが、略鉛直姿勢となった載置台110から落下してしまうことが防止される。言い換えると、載置台110に載置されたワークは、載置台110、閉止部材120および覆い部材130により包み込まれた状態で保持されるようになっている。
また、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させられる際に、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転したか否かが載置台検知部170により検知される(STEP7)。上述したように、載置台110が略水平姿勢となっているときには、載置台検知部170の被検知板176は第1検知部分172のみにより検知されるようになっている(図5参照)。一方、載置台110が略鉛直姿勢となっているときには、被検知板176は載置台検知部170の第2検知部分174のみにより検知されるようになる(図6参照)。このような構成とすることにより、各検知部分172、174による検知結果に基づいて、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転したか否かを検知することができる。
そして、載置台110が略鉛直姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知された場合には(STEP7の「YES」)、制御部190によりワーク投入装置100の動作が停止され、操作者によるワーク投入装置100の再起動が行われる(STEP8)。一方、載置台検知部170によって載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させられたことが検知されると(STEP7の「NO」)、制御部190により第5駆動部150aが制御され、昇降機構150が駆動される(STEP9)。図20に示すように、昇降機構150が駆動されると載置台110が所定の距離だけ下方に移動する。このことにより、載置台110の閉止部材120が設けられた側の端部が、袋処理装置300により保持される袋の内部に所定の長さ分だけ挿入される。上述したように、略鉛直姿勢となっている載置台110および覆い部材130の下端部がそれぞれ先細り形状となっているため、載置台110、閉止部材120および覆い部材130が袋の開口部に引っかからずにスムーズに袋の内部に入るようになっている。
次に、制御部190によって第2駆動部120aが制御されることにより、閉止位置に位置していた閉止部材120が開放位置に移動する(STEP10)。このことにより、図21に示すように、載置台110、閉止部材120および覆い部材130により落下が防止されていたワークの落下が許容されるようになり、袋の内部にワークが投入される。このように、ワーク投入装置100によるワークの投入動作においては、ワークが挟持部材等によって挟持されないため、袋に投入されるべきワークが変形してしまうことを防ぐことができる。また、閉止部材120は、載置台110におけるワークが載置される部分と平行に延びた姿勢となるよう、閉止位置から開放位置に向かって略90度回転させられるようになっている。このため、袋の内部において厚み方向(図21における左右方向)に十分なスペースが無い場合であっても、袋の内部にワークを投入することができる。
その後、第5駆動部150aを駆動して載置台110を上昇させて袋の内部から上方に退避させる。本実施の形態においては、載置台110を上方に退避させる動作が行われるときに、第4駆動部140aが駆動されて押出部材140が下降するようになっている(STEP11)。このため、載置台110に載置されたワークが例えば静電気で載置台110や覆い部材130に付着してしまい自重によって袋の内部に落下していない場合にも、このワークを袋の内部により確実に投入することができる。
また、載置台110が上昇して当該載置台110の下端部が袋の開口に接近するタイミングで、押出部材140が載置台110の下端部の近傍に位置するよう、第4駆動部140aおよび第5駆動部150aがそれぞれ制御されるようになっている(図22参照)。また、載置台110が上昇する速度と、押出部材140が下降する速度とが略同一となるよう制御されるようになっている。このため、押出部材140によってワークを袋の内部に押し出すときに、当該ワークを袋の底側に向かって押し付けてしまうことを防止することができる。このことにより、押出部材140によりワークが押し出される際に当該ワークが変形してしまうことを防ぐことができる。
その後、制御部190によって第2駆動部120aが駆動されることにより、開放位置に位置していた閉止部材120が閉止位置に移動する(STEP12)。また、第4駆動部140aが駆動されることにより、押出部材140が上昇して図1に示す位置に戻される(STEP13)。その後、第1駆動部110aが駆動されることにより、略鉛直姿勢の載置台110が略水平姿勢となるよう回転する(STEP14)。この際に、載置台検知部170によって載置台110が略水平姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知されると(STEP15の「YES」)、ワーク投入装置100の動作が停止される。そして、操作者によるワーク投入装置100の再起動が行われる(STEP16)。
一方、載置台検知部170によって載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転したことが検知されると(STEP15の「NO」)、第3駆動部130aが駆動されて覆い部材130が対向位置から退避位置に移動する。この際に、覆い部材130が退避位置に正常に移動しなかったことが検知された場合には(STEP18の「YES」)、ワーク投入装置100の動作が停止され、操作者によるワーク投入装置100の再起動が行われる(STEP19)。一方、覆い部材検知部160によって覆い部材130が退避位置に正常に移動したことが検知されると(STEP18の「NO」)、ワーク投入装置100が待機状態に戻る。その後、袋処理装置300の袋封止部350により、ワークが投入された袋の開口が封止される。このようにして、ワーク投入装置100およびワーク運搬装置200を用いて袋処理装置300により保持された袋の内部にワークを投入して包装する動作が完了する。
なお、上述した動作において、STEP12における動作とSTEP13における動作とが行われる順番が逆になっていてもよい。また、上述した動作においては、載置台110が略水平姿勢から回転させられる前に覆い部材130を対向位置に位置させている。しかしながら、載置台110が略水平姿勢から回転させられる動作と覆い部材130が対向位置に移動させる動作とが同じタイミングで行われてもよい。また、載置台110が袋の内部から退避した後のタイミングであれば、任意のタイミングにおいて袋処理装置300の袋封止部350により袋の開口を封止するようにしてもよい。
ここで、従来のワーク投入装置では、略水平姿勢から載置台を90度回転させたときにワークが載置台から落下しないよう、載置台と保持部材とによりワークを挟持するようになっていた。このため、載置台と保持部材とにより挟持されたワークが変形してしまう可能性があるという問題があった。また、袋の内部に載置台と保持部材とを所定の長さ分だけ挿入した後、保持部材を載置台から離れる方向に移動させることにより、挟持されていたワークを袋の内部に落下させるようになっていた。このため、袋の内部に十分なスペースがなく、保持部材を載置台から離れる方向に移動させることができない場合には、挟持された状態のワークを解放することができずにワークを袋の内部に投入することができない場合があるという問題があった。
これに対し、以上のような構成からなる本実施の形態のワーク投入装置100によれば、載置台110と、閉止部材120と、駆動部180と、制御部190とがそれぞれ設けられている。載置台110は、略水平方向に延びる第1の軸112を中心として略水平姿勢から回転可能となっており、収納具(具体的には、袋)に投入されるべきワークが載置される。閉止部材120は、載置台110に設けられ、載置台110が略水平姿勢から回転させられたときに当該載置台110に載置されたワークの落下を防止する閉止位置と、載置台110が略水平姿勢から回転させられたときに当該載置台110に載置されたワークの落下を許容する開放位置との間で移動可能となっている。駆動部180は、第1の軸112を中心として載置台110を回転させ、また、閉止部材120を駆動させる。制御部190は、駆動部180を制御する。具体的には、制御部190は、閉止部材120が閉止位置に位置している状態で、袋に投入されるべきワークが載置された載置台110を、閉止部材120が下方に移動するよう略水平姿勢から回転させた後、閉止部材120を開放位置に位置させるよう駆動部180を制御する。このことにより、載置台110に載置されたワークが落下して袋の内部に投入される。このようなワーク投入装置100およびワーク投入装置100により行われるワーク投入方法によれば、袋の内部に投入されるべきワークが変形してしまうことを防ぐとともに、袋の内部にワークをより確実に投入することができる。また、ワーク投入装置100の駆動部180は、第1の軸112を中心として載置台110を回転させるための第1駆動部110aと、閉止部材120を駆動するための第2駆動部120aとを有している。
また、本実施の形態のワーク投入装置100は、上述したように、覆い部材130と、第3駆動部130aとを備えている。覆い部材130は、載置台110へのワークの載置を許容する退避位置と、載置台110と対向するとともに載置台110へのワークの載置を許容しない対向位置との間で移動可能となっている。第3駆動部130aは、覆い部材130を駆動する。また、制御部190は、載置台110が略水平姿勢から回転させられる前、または回転させられるときに、覆い部材130を対向位置に位置させるよう第3駆動部130aを制御することにより、載置台110に載置されたワークの落下が抑制される。このように、載置台110、閉止部材120および覆い部材130によりワークが包み込むように保持されるため、載置台110からワークが落下してしまうことをより確実に防止することができる。
また、本実施の形態のワーク投入装置100においては、上述したように、覆い部材130は、略水平方向に延びる第2の軸132を中心として載置台110に対して回転可能となっている。また、第3駆動部130aは、退避位置と対向位置との間で第2の軸132を中心として回転するよう覆い部材130を駆動する。また、制御部190は、少なくともワークが載置台110に載置されているときに覆い部材130が退避位置に維持されるよう第3駆動部130aを制御する。このため、ワーク投入装置100の載置台110にワークが載置されるときに、覆い部材130と、ワーク運搬装置200の構成部材とが干渉してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態のワーク投入装置100は、上述したように、覆い部材130が退避位置から対向位置に正常に移動させられたか否かを検知する覆い部材検知部160を更に備えている。このため、載置台110と覆い部材130との間にワークが挟まれたままワークの投入動作が継続されてしまうことを防止することができる。また、覆い部材130は、当該覆い部材130が対向位置に位置するときに閉止部材120に近い箇所の形状が先細り形状に形成されている。また、載置台110は、閉止部材120が設けられている側の形状が先細り形状に形成されている。このため、載置台110や覆い部材130をスムーズに袋の内部に挿入することができる。
また、本実施の形態のワーク投入装置100は、上述したように、載置台110における閉止部材120が設けられた側に向かって進退可能となるよう構成された押出部材140と、押出部材140を駆動するための第4駆動部140aとを備えている。また、制御部190は、押出部材140を載置台110における閉止部材120が設けられた側に向かって移動させることにより載置台110に載置されたワークが袋の内部に向かって押し出されるよう第4駆動部140aを制御する。このため、ワークが静電気等により載置台110や覆い部材130に付着しており自重によっては落下しない場合であっても、押出部材140により押し出すことによりワークを袋の内部に投入することができる。また、載置台110と対向する押出部材140の下端縁には、ブラシまたはゴム等の削ぎ落とし部材が設けられている。また、対向位置に位置する覆い部材130と対向する押出部材140の上端縁には、ブラシまたはゴム等の削ぎ落とし部材が設けられている。このため、ワークが静電気等により載置台110や覆い部材130に付着している場合にも、削ぎ落とし部材とワークとを接触させてワークを袋の内部に向かって押し出すことにより、更に確実にワークを袋の内部に投入することができる。
また、本実施の形態のワーク投入装置100は、上述したように、少なくとも載置台110と閉止部材120とを一体的に上下させるための昇降機構150と、昇降機構150を駆動するための第5駆動部150aとを備えている。また、制御部190は、閉止部材120が下方に移動するよう略水平姿勢から回転させられた載置台110の閉止部材120が閉止位置から開放位置に位置させられた後、昇降機構150を上方に移動させるとともに押出部材140を載置台110における閉止部材120が設けられた側に向かって移動させるよう第4駆動部140aおよび第5駆動部150aをそれぞれ制御する。このため、押出部材140によってワークを袋の内部に向かって押し出すときに、ワークが押出部材140と袋の底部とに挟まれることによって変形してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態のワーク収納システムは、上記のワーク投入装置100と、ワーク投入装置100の載置台110にワークを載置するためのワーク運搬装置200と、開口が上方を向いた姿勢となるようを保持するための収納具保持装置(具体的には、袋保持部340)とを備えている。このため、ワーク運搬装置200により載置台110に載置されたワークを収納具保持装置によって保持されている袋に投入することにより、ワークを収納することができる。また、ワーク収納システムは、ワーク投入装置100によりワークが投入された袋の開口を封止するための収納具封止装置(具体的には、袋封止部350)を備えたている。このため、ワーク投入装置100によってワークが投入された袋の開口を封止することができる。
なお、本実施の形態によるワーク投入装置100、ワーク投入装置100により行われるワーク投入方法、ならびにワーク収納システムは、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、開口を有する収納具として、ポリエチレン等から構成される袋を使用する例について説明したが、このような態様に限定されることはない。例えば、開口を有する収納具として箱や封筒が用いられるようになっていてもよい。このような例においては、箱や封筒の開口を封止する収納具封止装置として、箱に設けられたフラップを箱本体の内側に折り込むための装置や、封筒に設けられたフラップを封筒の本体部分に糊付けするような装置が用いられるようになっていてもよい。
また、覆い部材130の設置や、載置台110の側壁114の設置を省略するようにしてもよい。この場合にも、略水平姿勢から載置台110を例えば60度回転させた傾斜姿勢とした後に閉止部材120を開放位置に移動させることにより、載置台110に載置されているワークを袋の内部に投入することができる。
また、図1等に示す例では、載置台110におけるワークが載置される部分は板状の部材から構成されているが、載置台110の形状はこのような構成に限定されることはない。例えば、載置台110におけるワークが載置される部分の形状が、規則的または不規則的な凹凸形状や、波形状、あるいは窪みが形成されたものとなっていてもよい。この場合にも、押出部材の下端縁の形状を載置台のワーク載置部分の形状に対応させることにより、押出部材によってワークをより確実に袋の内部に押し出すことができる。
また、上述した例においては、覆い部材130は第2の軸132を中心として回転することにより退避位置と対向位置との間で移動するようになっているが、他の構成の覆い部材が用いられてもよい。例えば、上述した第3駆動部130aの設置を省略する代わりに、覆い部材130を図2における左右方向にスライドさせるためのスライド機構をワーク投入装置100に設けるようにしてもよい。この場合には、載置台110と対向する対向位置と、載置台110とは対向しない退避位置との間でスライド移動させるようにしてもよい。
また、ワイヤ等を含むリンク機構を追加的に設けることにより、載置台110と閉止部材120とを第1駆動部110aによって駆動する構成について上述したが、他の部材を1つの駆動部により駆動させるようにしてもよい。例えば、載置台110の動きと覆い部材130の動きとをリンクさせるリンク機構を追加的に設けることにより、載置台110と覆い部材130とを第1駆動部110aによって駆動させるようにしてもよい。あるいは、複数のリンク機構を追加的に設けることにより、3つ以上の部材を1つの駆動部により駆動するようにしてもよい。
また、上述したワーク収納システムにおいて、ワーク投入装置100、ワーク運搬装置200および袋処理装置300のそれぞれに制御部190等が設けられる代わりに、これらの装置を管理する管理装置を設置するようにしてもよい。