JP2021066086A - 画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】装置のダウンタイムの発生頻度を低減させることができる画像形成システムを提供する。【解決手段】シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段よりもシート搬送方向の上流に位置し、シートの面に前処理液を塗布する前処理手段と、シートを除電する除電手段と、を有している。この除電手段は、シート上の前処理液の未塗布部分を除電の対象とする除電部材40を有している。【選択図】図3
Description
本発明は、画像形成システムに関する。
紙媒体やプラスチックフィルム、および布などのシート媒体に、インクジェット方式で画像を形成する画像形成システムがある。
このような画像形成システムにおいて、ウェブが帯電したまま画像形成部に到達した場合、静電気がインク滴の吐出に影響し、着弾位置の精度が悪化して画像形成の品質が悪くなり、またインク吐出時に発生する微小なミストを吸着してしまい、画像形成による汚れが発生する。これを抑制するため画像形成部の上流にてウェブの画像形成面を除電する技術がある。
ウェブの画像形成を行う面を除電する技術の一つとして、除電ブラシを用いて静電気を除去するものがある。この除電ブラシは、一般的に着脱可能な使い捨て式のものであり、使用後または故障時には配置部位から取り外して、新鮮なものに取り替えられる。
また、除電ブラシの取り替え作業による装置のダウンタイムを抑制するため、導電性繊維の除電紐をウェブ帯電部分に張架して除電する技術が開示されている(例えば特許文献1)。当該技術では、除電紐の交換時期になると、当該除電紐を巻き取り、新鮮な除電紐を張架する構成となっている。
特許文献1に記載の除電紐を巻き取る構成の場合、除電紐を交換するために巻き取る長さは、最低でもウェブの幅程度となる。よって、画像形成に用いるウェブの幅が広ければ広いほど、除去紐の1回の交換当たりで巻き取られる除電紐の量(除電紐の消費量)が多くなり、運用費用が増加するという課題がある。
また除電紐を巻き取る供給用ボビン(リール)と回収用ボビン(リール)の容量(除電紐の繰り出しおよび巻き取りの可能な量)を超えた場合は、当該ボビンを取り替える必要があり、ボビンの取り替え作業による装置のダウンタイムが発生するという課題がある。ボビンの容量が配置スペースの都合などにより規定されており容量を変更することができない場合、ウェブの幅を拡げるほど、1回に使用する除電紐の長さもウェブの幅長さに応じて長くなる。結果、ボビンの取り替え周期、すなわち装置のダウンタイムの発生周期が短くなる。
本発明は、装置のダウンタイムの発生頻度を低減させることを目的とする。
上記課題を解決するために、画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段よりもシート搬送方向の上流に位置し、シートの面に前処理液を塗布する前処理手段と、シートを除電する除電手段と、を有し、除電手段は、シート上の前処理液の未塗布部分を除電の対象とする除電部材を有することを特徴とする。
本発明により、装置のダウンタイムの発生頻度を低減させることができる。
以下、図面を参照しつつ実施形態に係る画像形成システムについて説明する。以下の説明で「画像形成システム」、「画像形成装置」とは、紙、プラスチックフィルム、布,その他さまざまなシート状媒体(シート)にインクを付着させて画像形成を行うシステムや装置を意味する。尚、本実施形態ではウェブを例にとって説明するが、これに限られずA4やB5のようなカット紙もシート状媒体に含まれる。
更に、「画像形成」とは、文字や図形などの意味を持つ画像をウェブに対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像をウェブに付与することをも意味する。尚、本実施形態では、「画像形成」のことを「印刷」と称する場合もある。
以下の各構成部品の説明にある寸法、材質、形状、その相対配置などは例示であって、特に特定的な記載がない限りこの発明の範囲をそれらに限定する趣旨ではない。
図1は、インクジェットにて画像形成を行う画像形成システムの構成を説明する概略図である。画像形成システム1000は、巻き出し装置200、画像形成装置500、巻き取り装置300を有する。
画像形成システム1000は、画像形成装置500に備えられる操作パネル110からの実行指示を受け付けると、画像形成を開始する。
巻き出し装置200から巻き出された長尺状のウェブWは、画像形成装置500に導入され、コーター部10、画像形成部20、乾燥部30を通過し、巻き取り装置300にて巻き取られる。
画像形成装置500内では、アイドラローラ1が所定箇所に複数設けられており、複数のアイドラローラ1にて、各ユニットにウェブWを搬送する搬送パスが形成されている。
コーター部10は、インクの凝集性を向上させるためウェブW上に前処理液を塗布する。ここでは、プライマーを前処理液として用いることとする。プライマーを塗布する方式は様々であるが、一例としてローラでウェブWを挟持してプライマーを塗布する方式を説明する。尚、プライマーを塗布する手段として、液体吐出ヘッドを用いて、前処理液をウェブWに吹き付ける方式を用いてもよい。
プライマーは、チャンバー11に充填され、アニロックスローラ13に彫刻された既定容積のセル(凹部)にて汲み上げられる。汲み上げられたプライマーは、ドクターブレード12にて余分な量が掻き落として規定量に計量される。その後プライマーは、版胴14に転移し、更に版胴14と圧胴15に挟持されたウェブWに転移する。これにより、プライマーがウェブWの画像形成面に塗布される。
続いてウェブWは画像形成部20へ搬送され、インクジェットヘッド(以下「IJヘッドと称する」)21K、21C、21M、21YがインクをウェブW上に吐出して画像を形成する。IJヘッド21K、21C、21M、21Yは、それぞれK(黒)インク、C(シアン)インク、M(マゼンダ)インク、Y(イエロー)インクを吐出する。図1では4色のIJヘッドを搭載した画像形成部20を例示したが、W(ホワイト)インクや特色インクなど、用途によっては更に多数色のIJヘッドを画像形成部20に搭載することができる。
画像形成された後のウェブWは、乾燥部30に搬送される。乾燥部30はウェブWに形成された画像(インク)を乾燥定着するユニットである。乾燥定着の方式には様々なものがあるが、図1では内部にハロゲンランプ等のヒータを備えた乾燥ドラム31を用いる例を示している。乾燥ドラム31は、外周面に巻き付いたウェブWを印刷背面(画像形成面の反対面)から加熱してウェブWを乾燥させる。乾燥ドラム31の外周には、印刷面(画像形成面)に直接、温風を吹き付ける複数のエアーノズルが配置されることもある。
加熱乾燥されたウェブWは、画像形成装置500の機外に排出され、巻き取り装置300にて巻き取られる。
ウェブWが帯電したまま画像形成部20に到達した場合、静電気がインク滴の吐出に影響し着弾位置の精度が悪化し印刷品質が悪くなり、インク吐出時に発生する微小なミストをウェブWが吸着してしまい、印刷汚れが発生するおそれがある。そこで、本実施形態に係る画像形成システム1000は、静電気による画質悪化を抑制するため、ウェブWの画像形成面に帯電している静電気を除去する「除電」を行うための除電機構100を備える。
除電機構100は、ウェブWから静電気を除去するための除電部材40を有している。除電部材40は、ウェブWの搬送方向においてコーター部10と画像形成部20との間(コーター部10の下流かつ画像形成部20の上流)に位置している。除電部材40は、ウェブW上のプライマーの未塗布部分(プライマー未塗布領域)を除電の対象とし、当該ウェブW上のプライマーの塗布部分(プライマー塗布領域)を除電の対象としない形態を有している。なお、除電部材40は、ウェブWに帯電する静電気を除去できる状態で配置されていればよく、ウェブWに近接するように配置されても、ウェブWに接触するように配置されても、いずれでもよい。除電機構100や除電部材40の具体的な態様については、後述する各実施形態により明らかとなる。
図1の画像形成システム1000は概略図であり、一例である。上記以外に、ウェブWを搬送する駆動搬送ローラ、ウェブWの張力を検知する張力検知手段、ウェブWの蛇行を制御する蛇行制御手段、ウェブWの速度を検知するウェブ検知手段、加熱乾燥後のウェブWを冷却するウェブ冷却手段、ウェブWの搬送や乾燥温度およびIJヘッドの吐出を制御する各制御手段なども、必要に応じ搭載される。またプライマーを乾燥してから印刷する場合は、コーター部10の下流かつ画像形成部20の上流にプライマー乾燥手段を設ける。
また図1では巻き出し装置200、画像形成装置500、および巻き取り装置300の3つの筐体により構成される画像形成システム1000を例示した。尚、これらを1つの筐体にて収める場合や、コーター部10や乾燥部30を別筐体とする画像形成システムも考えられる。また、コーター部10、除電機構100、画像形成部20を少なくとも含む画像形成装置500は、画像形成システムの一形態である。
<従来の構成>
図2は、従来の除電機構を示す図であり、コーター部、除電機構、画像形成部の順でウェブWが搬送されることを示した模式図である。以降の各図面において、白色矢印で示す方向をウェブ搬送方向(シート搬送方向)とし、ウェブ搬送方向と交差する方向を幅方向とする。尚、以降の説明における「幅」とは、幅方向における部材などの長さや範囲を意味する。尚、図2に示す従来の構成についても、便宜上、図1に示す符号と同一の符号を付している。
図2は、従来の除電機構を示す図であり、コーター部、除電機構、画像形成部の順でウェブWが搬送されることを示した模式図である。以降の各図面において、白色矢印で示す方向をウェブ搬送方向(シート搬送方向)とし、ウェブ搬送方向と交差する方向を幅方向とする。尚、以降の説明における「幅」とは、幅方向における部材などの長さや範囲を意味する。尚、図2に示す従来の構成についても、便宜上、図1に示す符号と同一の符号を付している。
ここで、図2に示す各幅の長さの関係について説明する。ウェブ幅wは、当該画像形成システム1000に適用可能な最大のウェブWの幅である。ウェブ幅wに対し、画像形成部20にて印刷する印刷幅pは、ウェブ幅wよりも小さいことが通常である。これは、ウェブWの幅方向の走行位置のばらつきや、ウェブWの蛇行などにより画像がウェブWの幅からはみ出してしまうことを防止するためである。
塗布幅cは、版胴14によりプライマーが塗布される範囲を示す幅長である。プライマーの塗布幅cは印刷幅pと同等以上の長さが必要となるが、ウェブ幅wよりも小さいことが通常である。プライマーの塗布幅cがウェブ幅wと同等またはそれ以上の場合、ウェブWの端部に塗布されたプライマーがウェブWのエッジを乗り越えたり、ウェブWを挟持している圧胴15に転移して再度ウェブWに転移したりして、ウェブWの裏面(非印刷面)を汚してしまう。これを防止するため、版胴14の幅(=プライマーの塗布幅c)は、ウェブ幅wよりも短くなるように設定される。
図2に示す従来の除電部材40は、ウェブWの全幅の除電を可能とするため、ウェブ幅wと同等以上の幅にわたって配置される。尚、ウェブWの除電の方式については様々なものがあるが、ここでは除電部材40として、ウェブWに近接または接触するように張設されている、導電性の紐部材(除電紐)を使用するものとする。
除電部材40のウェブWと近接または接触している部位が未だ新しく新鮮な場合、ウェブWは十分に除電されるため、ウェブWの帯電による画質の悪化を抑制することができる。しかしながら、除電部材40自体がミストや塵により汚れたり、使用により摩耗したりして劣化すると、除電性能が低下し本来の目的を達成できなくなる。このため、除電部材40が劣化した場合は、ウェブWと近接または接触している除電部材40の部位を交換する必要がある。尚、以降において、ウェブWと近接または接触している除電部材40の部位を交換することを、単に「交換」と記す。
図2に示す従来の構成では、1回の交換で交換対象となる除電部材40の長さは、最低でもウェブ幅wと同等となる。また、1000mm幅のウェブWを適用可能な画像形成システムにおいては、1000mm幅のウェブWを使用し印刷業務を実施しても、500mm幅のウェブWを使用し印刷業務を実施しても、除電部材40は約1000mmに渡って張設する必要がある。除電部材40は、張設された全幅(全長)において劣化するため、1回の交換における除電部材40の長さは最低でも1000mm程度となる。
適用できるウェブ幅wを例えば2000mmに拡大した画像形成システムの場合は、使用するウェブWが500mm幅、1000mm幅、1500mm幅、2000mm幅のいずれの場合においても、張設している2000mm分劣化が進む。よってこの場合、1回の交換における除電部材40の長さは最低でも2000mm程度となる。
このように、装置で適用可能な最大のウェブWの幅が拡がるほど、1回の交換における除電部材40の巻き取り長さ(使用量)は長くなり、除電部材40に要する運用費用(ランニングコストと称する)が増加する。
また、除電部材40を供給する供給用ボビン(リール)の供給可能な量を全て使い切り、供給用ボビンと除電部材40を巻き取る回収用ボビン(リール)を新しいものに取り替える際、装置を一旦停止させるため、ダウンタイムが発生する。このダウンタイムの発生周期も、1回に使用する巻き取り長さが長い程短くなり、ボビンの取り替え頻度が高くなる。
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態の除電機構100を示す図であり、図2と同様にコーター部10、除電機構100、画像形成部20の順でウェブWが搬送されることを示した模式図である。
図3は、第1実施形態の除電機構100を示す図であり、図2と同様にコーター部10、除電機構100、画像形成部20の順でウェブWが搬送されることを示した模式図である。
第1実施形態の除電機構100は、除電部材40、および除電部材カバー41を有する。除電部材40は、従来技術と同様に導電性繊維の紐部材(除電紐)であり、帯電したウェブWを除電する。除電部材カバー41は、プライマー(前処理液)の塗布幅cと略同じ長さのc’を長手方向とした筒状の部材である。除電部材カバー41は、除電部材40の一部、具体的には、幅方向において略塗布幅cの範囲を取り囲んで保護する保護部材となっている。本実施形態は、プライマー未塗布範囲を除電することを目的とするため、除電部材カバー41の範囲は塗布幅cと同等以下とする。すなわち、寸法のばらつきやウェブの蛇行などが発生した場合を考慮し、どちらかといえば塗布幅cよりも小さめの余裕をもった範囲とする。第1実施形態では、除電部材カバー41の筒の中を除電部材40を通す構成となっており、除電部材カバー41は除電部材40の汚れや摩耗による劣化を防止するため設けられている。
ウェブWのプライマーを塗布した範囲、すなわちプライマーの塗布幅cの範囲については、プライマーの塗布処理よって既に除電されるため改めて除電する必要はない。一方、プライマーの未塗布の範囲、本実施形態では幅方向におけるウェブWの両端部の長さxで示す範囲(以下、この長さxを「未塗布幅x」とする)については、除電する必要がある。このことから、本実施形態では、塗布幅cの範囲については、除電部材40を除電部材カバー41で覆うことで除電しない構成とし、未塗布幅xの範囲については、除電部材40が露出してウェブWに近接もしくは接触し、除電を行う構成とする。
除電部材40の交換時期となった場合、この未塗布幅xの部分だけが巻き取られ、新鮮な除電部材に交換される。
未塗布幅x分の巻き取りが繰り返し行われ、合計の巻き取り量が「除電部材カバー41の幅c’+x」となった場合、次の交換の際には、「除電部材カバー41の幅c’+2x≒ウェブ幅w」の分を巻き取ればよい。
具体的な数値例で示すと、例えば、
ウェブ幅w=1000mm
プライマーの塗布幅c=除電部材カバー41の幅c’=980mm
新鮮な除電部材40の容量(1つの供給用ボビン43の供給可能量)=2000mm
とすると、図2示す従来の構成では、2回分(1000mm×2回)となるが、本実施形態によると約100回分となる。尚、この例の場合、1980mmの倍数の容量だと効率がよい。
ウェブ幅w=1000mm
プライマーの塗布幅c=除電部材カバー41の幅c’=980mm
新鮮な除電部材40の容量(1つの供給用ボビン43の供給可能量)=2000mm
とすると、図2示す従来の構成では、2回分(1000mm×2回)となるが、本実施形態によると約100回分となる。尚、この例の場合、1980mmの倍数の容量だと効率がよい。
この数値例の場合、1つの供給用ボビン43につき、従来の構成では2回使用するとボビンの取り替えが必要となり、取り替え作業に伴う装置のダウンタイムが発生する。これに対し第1実施形態の構成では、1つの供給用ボビン43につき100回分使用可能となることから、その分、装置のダウンタイムの頻度を低減させることができる。
ウェブWの搬送位置やプライマー塗布の幅方向の位置が理想の位置である場合には、ウェブ幅wの両端10mmの範囲をそれぞれ除電の対象とするように、除電部材40および除電部材カバー41を配置すればよい。しかしながら、ウェブWの蛇行などによりプライマー塗布範囲が理想位置(中央)からばらつき、ウェブ端部の帯電が残る部分が理想値よりも大きくなることが考えられる。よって除電部材40および除電部材カバー41は、未塗布幅x(10mm)の範囲よりもマージンを持つように配置されてもよい。これにより、除電の精度を向上させることができる。尚、従来においてもマージンを持った長さの除電部材を配置することは行われているため、従来技術との差をわかり易くする目的で、ここでは理想の値で説明している。
図3に示す上記以外の構成について、引き続き説明する。第1実施形態の除電機構100は、除電部材40の移動(交換)手段としてモータなどの駆動源45を有し、当該駆動源45を駆動制御する制御部60を有する。制御部60は、中央演算装置、記憶装置を有し、また駆動源45などの各種ハードウェアの動作を制御するドライバを有しており、プログラムを演算実行することで各種ハードウェアの動作を制御する。制御部60は、除電部材40の交換時期となった際に新鮮な除電部材を必要な部分に必要な分だけ供給するために、除電部材40の移動量を算出し、この移動量に基づき駆動源45を駆動する。尚、画像形成装置500に組み込まれている既存の制御部をそのまま制御部60として流用してもよい。
また除電機構100は、除電部材40の供給および回収を行うための供給用ボビン43と回収用ボビン44とを有する。供給用ボビン43は、未使用の除電部材40を収納しているため、少なくともミストなどの汚れやその他の要因で除電性能が劣化することがないように配置保管しておく必要がある。また供給用ボビン43は、不要な露出部分が生じないようにするため、可能な限りウェブWに近接しているのが好ましい。尚、この除電部材40の供給、回収する構成はこれに限らず、任意とする。
除電部材40の交換(巻取り)時期となった際には、制御部60は、駆動源45を駆動して、駆動源45と連結している回収用ボビン44を回転させることで、除電部材40を巻き取る。1回の巻き取り量は、事前に利用者により設定され若しくは検出された、ウェブ幅wやプライマーの塗布幅c(=版胴14の幅)などの数値条件をもとに、制御部60にて算出して決定する。尚、利用者により巻き取り量自体が直接入力されてもよい。
ここで、制御部60の演算処理について、具体例を挙げて説明する。ここでは上記同様、
ウェブ幅w=1000mm
プライマーの塗布幅c=除電部材カバー41の幅c’=980mm
とする。またプライマーを塗布する幅方向の位置が中央振り分けの理想位置とした場合、
ウェブ幅両端のプライマー未塗布範囲=除電部材40の使用範囲=x=10mm
となる。
ウェブ幅w=1000mm
プライマーの塗布幅c=除電部材カバー41の幅c’=980mm
とする。またプライマーを塗布する幅方向の位置が中央振り分けの理想位置とした場合、
ウェブ幅両端のプライマー未塗布範囲=除電部材40の使用範囲=x=10mm
となる。
したがって、除電部材40の交換(巻取り)時期となった場合、制御部60は10mm分巻き取るように駆動源45を駆動することで、新鮮な除電部材40が必要な箇所に供給される。ただし、初回を含め10mmの使用を99回繰り返すと、回収用ボビン44に近い側の次に送られる範囲の除電部材40は、使用済みのものとなる。このことから制御部60は、次の巻き取り(100回目の使用の前の巻き取り)については新鮮な除電部材40が供給されるよう1000mm巻き取る。このように10mmの巻き取り×99回と1000mmの巻き取り×1回を繰り返すことで、除電機構100は常に新鮮な除電部材40を供給することができる。尚、予備を含めた除電部材40の長さは、上記のとおり1980mmの倍数であると効率がよい。
また、除電部材40の交換(巻取り)動作は、事前に登録した交換時期(累計の印刷時間や印刷長さ)に自動で行われるようにしてもよい。
図4は、制御部60の上記の動作を例示したフローチャートである。制御部60は図4に示す各動作を周期的に実行する。
まず制御部60は、前回の交換からの経過時間、前回の交換からの印刷実行回数やウェブWの搬送距離などを取得し(S401)、事前に設けられた閾値とこれらとを比較することで(S402)、巻取りを行うかの否かを判定する。経過時間、印刷実行回数、搬送距離のいずれも閾値を超えていない場合(S402:No)、処理は終了する。
経過時間、印刷実行回数、搬送距離のいずれか1つもしくは複数が閾値を超える場合(S402:Yes)、制御部60は、ウェブ幅w(上記例では1000mm)、プライマーの塗布幅c(上記例では980mm)を取得する。そして制御部60は、未塗布幅x(上記例では10mm)を導出する(S402A)。ウェブ幅w、プライマーの塗布幅cは、利用者により事前に操作パネル110を介して入力された値、もしくは画像形成装置500が自らで検出した値である。また制御部60は「(ウェブ幅w−塗布幅c)/2」を演算することで、未塗布幅xを算出する。
制御部60は、前回の交換からの巻取り回数が規定回数(上記例では99回)に達しているかを判定する(S403)。尚、制御部60は、ウェブ幅w、プライマーの塗布幅c、未塗布幅xを用いて適した規定回数を算出する実装としてもよい。
巻取り回数が規定回数に達していない場合(S403:No)、制御部60は、駆動源45を動作させて未塗布幅x(上記例では10mm)の巻取り動作を行い(S404)、巻取り回数を1つ増加させる(S405)。
また制御部60は、巻取り回数が規定回数(上記例では99回)に達している場合(S403:Yes)、駆動源45を動作させてウェブ幅w(上記例では1000mm)の巻取り動作を行う(S406)。そして制御部60は、巻取り回数のカウント値をリセットしてゼロにする(S407)。
ステップS404、S406による巻取りが行われると、制御部60は、これまで集計していた経過時間、印刷実行回数、搬送距離をリセットしてゼロにしてから、これらの集計を改めて開始する(S408)。
尚、利用者の指示によって巻取り動作を行う構成としてもよい。この場合、制御部60は、巻取り時期となったら操作パネル110を動作させてアラームを発生させ、利用者が除電部材40の交換動作(巻取り動作)を操作パネル110から指示する構成となる。この場合においても、利用者は操作パネル110を介した指示のみで済む。すなわち画像形成装置500を開けて回収用ボビン44などにアクセスして手動で巻取る必要がないため、除電部材40の巻取りに関する装置のダウンタイムが増加するのを抑制することができる。
また、2000mm幅のウェブWを使用する業務の場合、プライマーの塗布幅c(=版胴14の幅)は1980mm程度とするのが一般的である。同様に考えれば、この画像形成システムにおいて除電部材40の1回の使用量は、従来技術では2000mm程度だが、第1実施形態によれば両端合わせて20mm(未塗布幅x×2)程度となり、除電部材40のランニングコストを大幅に低減することができる。
上記の説明のとおり、プライマーの塗布幅c(=版胴14の幅)は、ウェブ幅wよりも狭くなるように設定されるが、その差はできるだけ小さくなるように設けられるのが一般的である。これは、プライマーを塗布した範囲に印刷するため、印刷可能とする範囲をできるだけ広く確保したいためである。つまり、たとえウェブ幅wが広くなっても、プライマーの未塗布幅xはウェブ幅wの大小にかかわらず、ほぼ同程度となる。よって本実施形態によれば、ウェブ幅wの大小にかかわらず除電部材40のランニングコストについてもほぼ同程度となる。つまり、適用できるウェブ幅wが大きく生産性が高い画像形成システムになるほど、本実施形態の効果が大きくなる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、除電部材40をウェブWの幅方向の両端部(プライマーの未塗布部分)にそれぞれ設ける実装例について説明する。
第2実施形態では、除電部材40をウェブWの幅方向の両端部(プライマーの未塗布部分)にそれぞれ設ける実装例について説明する。
図5は、第2実施形態の構成例を示す図である。除電部材40は、ウェブWのプライマーを塗布していない範囲である未塗布幅xにのみ配置され、塗布幅cの範囲には配置されない。第2実施形態では、ウェブWの両端部の未塗布幅xにのみ設けられるホルダ42を画像形成装置500に固定させ、そのホルダ42に、それぞれ個別の除電部材40を通して保持させる。
プライマーを塗布した範囲(=プライマーの塗布幅c)は、プライマーの塗布処理によりウェブWが除電されるため、この範囲は除電部材40を配置しなくとも帯電による画質悪化は抑制されている。したがって、ウェブWの表面の帯電が残っている未塗布幅xのみ、除電部材40を配置すれば本来の目的は達成できる。
第1実施形態で示した例と同様に、例えばウェブ幅w=1000mm、プライマーの塗布幅c=980mmの場合、除電部材40の使用量は両端合わせて20mm程度で済む。
図2に示す従来技術において、除電部材40の1回の使用量は1000mm程度だが、第2実施形態によれば20mm程度となる。すなわち、第1実施形態と同様に1回の交換における除電部材40の使用量を最低限に抑制することができ、除電部材40に関するランニングコストを大幅に低減することができる。
また、適用できるウェブ幅wが1000mmの画像形成システムにて500mm幅のウェブWを使用する業務の場合は、版胴14を480mm程度の幅のものに交換するのが一般的である。この場合、第2実施形態では、500mm幅のウェブWに適合するためホルダ42の配置を調整し、ウェブ幅wの両端のプライマー未塗布部分に正しく配置されるように除電部材40を張設する。他の幅のウェブWを使用する場合も同様である。
第2実施形態では、図6に示すように、ウェブWの除電に使用する範囲tの前後に、使用前の除電部材40を巻いた供給用ボビン43と、使用済みの除電部材40を巻き取る回収用ボビン44とを配置する(ホルダ42の設けられている位置の近傍に配置する)。除電部材40の交換(巻取り)時期となった場合には、制御部60は、ウェブWの除電が必要な部分に未使用で新鮮な除電部材40が供給されるように、回収用ボビン44を回転させて巻き取る。
尚、使用済みの除電部材40および未使用の除電部材40の配置方法(ボビンの配置方法)は、図6に示す態様に限定されず任意だが、例えば使用済みの除電部材40については都度除去することも考えられる。また未使用の除電部材40については、少なくともミストなどの汚れやその他の要因で除電性能が劣化することがないように配置保管しておく必要がある。
第2実施形態により、1回の交換による巻取り量が低減されるため、ボビンの容量分の除電部材を使用し尽くすまでの周期を長くでき、ボビンの取り替えの回数を減らすことができる。その結果、装置のダウンタイムを低減させることができる。
また第1実施形態では、巻取り回数が規定回数に達した場合、ウェブ幅w程度の巻取りが必要となるが、第2実施形態ではこれが不要になる。すなわち、交換時期に達したら、常にウェブWの幅方向の両端それぞれで10mm程度の巻き取りのみを行うことで、新鮮な除電部材40に交換することができる。
<第3実施形態>
上記の第1、第2実施形態では、インクの凝集性を向上するためにウェブW上にプライマーを塗布してからインクジェットで画像形成を行っているが、条件によってはプライマーを塗布しないで直接画像形成を行う場合もある。プライマーの塗布を行わない具体例として、例えば使用するウェブW自体の材質がインクの凝集性の高い材質である場合、事前にプライマー処理がなされているウェブWを使用する場合、プライマー塗布を省いても要求される印刷品質を達成できる場合などがある。
上記の第1、第2実施形態では、インクの凝集性を向上するためにウェブW上にプライマーを塗布してからインクジェットで画像形成を行っているが、条件によってはプライマーを塗布しないで直接画像形成を行う場合もある。プライマーの塗布を行わない具体例として、例えば使用するウェブW自体の材質がインクの凝集性の高い材質である場合、事前にプライマー処理がなされているウェブWを使用する場合、プライマー塗布を省いても要求される印刷品質を達成できる場合などがある。
プライマーを塗布しない場合、当該塗布処理が行われないため、ウェブWは全幅で帯電したままとなることから、画像形成部20の上流でウェブWの全幅に対して除電を行う必要がある。
ここで、例えば図3に示す第1実施形態の構成の場合、除電部材カバー41を取り外せばウェブWの全幅の除電が可能になる。しかしながら、プライマーを塗布する印刷と塗布しない印刷とをそれぞれ100時間ずつ計200時間(以下「時間」の単位を「hr」と表記する)実施した場合、未塗布幅xに位置する除電部材40は200hr使用したことになる。これに対しプライマーの塗布幅cに位置する除電部材40は、100hrしか使用していないことになる。ここで除電部材40の交換周期が200hrである場合、200hr経過したこの時点で少なくとも未塗布幅xの範囲については交換する必要がある。
このような状況の中、次のジョブがプライマーを塗布しない印刷である場合、ウェブWの全幅を新鮮な除電部材40とする必要があるため、たとえ100hrしか使用していない範囲があっても、ウェブ幅w分の除電部材40を巻き取る必要がある。この場合、100hrしか使用していない範囲が無駄になるため、結果的に除電部材40のランニングコストが増加する。
また一方で、上記のとおりプライマーを塗布する印刷と塗布しない印刷をそれぞれ100hrずつ順次実施した後、次のジョブがプライマーを塗布する印刷の場合についてを検討する。この場合、除電部材カバー41を改めて装着してプライマーの塗布幅cの範囲を保護した後、除電部材40を未塗布幅x分だけ巻き取れば必要な除電性能を確保することができる。しかしながら、未塗布幅x分だけを巻き取った後の状態は、巻き取り(回収用ボビン44)に近い側の除電部材40は既に100hr使用済みであるのに対し、反対側(供給用ボビン43に近い側)の除電部材40は未使用の新鮮なものとなる。このように、巻き取りに近い側の端部と反対側の端部との双方で、除電部材40の使用状態に差が生じることとなり、残りの100hr使用すると、新鮮な部分についても合わせて巻き取ることとなる。
このように、プライマーを塗布する印刷と塗布しない印刷とを頻繁に切り替えると、結果的に除電部材40のランニングコストが増加する。
第3実施形態では、このような課題を解決するため、除電部材を複数設け、プライマーを塗布するか否かに応じて、使用する除電部材を切り替える態様について説明する。
図7、図8は第3実施形態の態様を説明する模式図である。第3実施形態の除電機構100は、プライマーを塗布する場合に使用する第1除電部材40aと、これとは別にプライマーを塗布しない場合に使用する第2除電部材40bとを有する。第3実施形態の除電機構100は、プライマーを塗布する場合と塗布しない場合とで、除電部材カバー41aをウェブ搬送方向の上流もしくは下流にスライド移動させて第1除電部材40aと第2除電部材40bとを切り替える。尚、除電部材を切り替える方式は様々なものがあるが、第3実施形態では、図7、図8に示すように除電部材カバーの形状を工夫し、使用しない側の除電部材を保護する構成としている。
除電部材カバー41aは、第1除電部材40aと第2除電部材40bの両方を取り囲んだ図7に示す状態で、第1除電部材40aが未塗布幅xの分露出するように階段状の段差Rが設けられている。段差Rは、除電部材カバー41aのウェブ搬送方向の各部位に応じて、幅方向の長さを異ならせるために設けられている。
また除電部材カバー41aの第2除電部材40b側の端部Eには、側壁が設けられておらず開かれている。これにより除電部材カバー41aは、図7の状態から図8の状態となるように下流側にスライド移動しても、第2除電部材40bと接触して移動を妨げられること無く、ウェブ幅wの全幅に対し第2除電部材40bを露出させることができる。
尚、図7の状態で、第2除電部材40bについてはウェブ幅wの範囲全域が除電部材カバー41aに取り囲まれることから、当該状態では第2除電部材40bは何ら機能せず、保護された状態となる。一方、第1除電部材40aについては段差Rにより未塗布幅xの範囲のみが露出した状態となり、除電機構100は未塗布幅xの範囲についてのみ除電を行うことができる。
また図8の状態では、第2除電部材40bについてはウェブ幅wの全幅が露出した状態となり、第1除電部材40aについてはウェブ幅wの全幅が除電部材カバー41aにより取り囲まれた状態となる。この場合、第1除電部材40aは機能せず、保護された状態となる。
プライマーを塗布する場合、制御部60は、除電部材カバー41aを図7の状態となるようにウェブ搬送方向の上流側に移動させる。これにより第1除電部材40aの未塗布幅xの部分のみがウェブWに近接または接触するようになる。一方、プライマーを塗布しない場合、制御部60は、除電部材カバー41aを図8の状態となるようにウェブ搬送方向の下流側に移動させる。これにより、第2除電部材40bはウェブWの全幅に対して近接または接触するようになる。
尚、除電部材カバー41aのスライド移動については、後述の第4実施形態で説明する移動機構61(図9参照)を適用させてもよい。
プライマーを塗布する場合に使用する第1除電部材40aが交換時期となった場合には、次の新鮮な除電部材が必要な部分に供給されるように未塗布幅x分だけ巻き取られる。プライマーを塗布しない場合に使用する第2除電部材40bが交換時期となった場合には、ウェブ幅w分を巻き取ればよい。このようにすることで、プライマーを塗布するか否かの切り替えを可能にした画像形成システムであっても、除電部材の実使用量を抑制しつつ、除電部材のランニングコストの増加を抑制することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、ウェブ幅wの寸法、プライマーの塗布幅cの寸法に応じて、ウェブWと近接または接触する除電部材40の位置を切り替える実装例について説明する。
第4実施形態では、ウェブ幅wの寸法、プライマーの塗布幅cの寸法に応じて、ウェブWと近接または接触する除電部材40の位置を切り替える実装例について説明する。
第4実施形態の態様について図9を用いて説明する。第4実施形態の除電機構100は、図9に示す除電部材カバー41bを用い、使用するウェブWの幅(ウェブ幅w)やプライマーの塗布幅cに変更があっても、この変更に応じて除電部材40を近接もしくは接触する位置を可変にする。このような可変方式は様々なものが考えられるが、図9では穴h1〜h3を設ける実装例を示している。
図9は、ウェブ幅をw1、w2、w3、w4とするウェブW1、W2、W3、W4を図示している。また図9は、ウェブW1に塗布幅c1でプライマーを塗布する版胴141、ウェブW2に塗布幅c2で塗布する版胴142、ウェブW3、W4に塗布幅c3で塗布する版胴143を図示している。また、除電部材カバー41bには、ウェブW1〜W4に応じて、除電の必要な箇所(プライマー未塗布部分)にそれぞれ穴h1〜h3が設けられている。尚、図9に示す穴h1〜h3は、ウェブW1〜W3と対面しない側の表側、およびウェブW1〜W3と対面する側の裏側の両方に設けられているが、ウェブW1〜W3と対面する側(裏側)にのみ穴を設ければよい。
ウェブ幅w1、プライマーの塗布幅c1で印刷業務を行う際、第4実施形態の除電機構100は、穴h1の部分に除電部材40を合わせるように、除電部材カバー41bのウェブ搬送方向の位置を調整する。尚、図9はこのときの状態を示している。これにより、穴h1の空いている部分については除電部材40が露出して、ウェブW1に近接または接触することができる。また穴h1の空いていない部分については除電部材40が除電部材カバー41bに取り囲まれて、外部に曝されないように保護される。
同様に、ウェブ幅w2、プライマーの塗布幅c2で印刷業務を行う際、除電機構100は、穴h2の部分に除電部材40を合わせるように除電部材カバー41bのウェブ搬送方向の位置を調整する。
画像形成システムで使用されるウェブの幅および版胴の幅は多数におよぶが、除電部材カバー41bに設けられる穴の形状や寸法を工夫することで、除電機構100は、様々な組み合わせに対応することができる。例えば幅がw3のウェブW3に印刷業務を行う場合と幅がw4のウェブW4に印刷業務を行う場合とで、使用する版胴が同じであり(ここでは版胴143)、プライマーの塗布幅がいずれもc3である場合、傾斜部を有する穴h3が使用される。そして除電部材カバー41bのウェブ搬送方向の位置を穴h3の範囲内で好適に調整することで、図中のウェブ幅w3、w4に示すように、様々なウェブ幅に対応することができ、除電の必要となる範囲(プライマー未塗布部分)を調整することができる。
このような構成にすることにより、使用するウェブWの幅やプライマーを塗布する幅を切り替える画像形成システムであっても、適合した除電部材カバーに付け替えをすることなく、除電部材40の使用量を最低限に抑制することができる。よって、除電部材40のランニングコストを抑制できるとともに装置のダウンタイムの発生頻度を抑制することができる。
除電部材カバー41bのウェブ搬送方向の移動は、制御部60および移動機構61により行われる。移動機構61は、モータなどの駆動源47と、駆動源47の回転軸に連結したギア47aと、ギア47aと歯合しておりギア47aの回転をウェブ搬送方向の直線運動に変換するラック48とにより構成されている。
制御部60は、利用者による入力または検出したウェブ幅w、プライマー塗布幅c(プライマー未塗布の場合も含む)の情報をもとに、除電部材カバー41bの移動量(モータ回転量)を算出する。そして制御部60は、算出した移動量となるように駆動源47の回転軸を駆動させる。駆動源47の回転軸が駆動することで、連結しているギア47aも回転し、これに伴いラック48がウェブ搬送方向に移動する。このラック48の移動により、当該ラック48と結合している除電部材カバー41bもウェブ搬送方向に移動する。
第4実施形態では、使用するウェブWを変更したり版胴14を変更したりしたタイミングで、制御部60が自動で上記のような動作を行うものとする。これにより、利用者が装置を開けて除電部材カバー41bの位置を調整しなくとも、除電部材40の使用量を最低限に抑制することができる。尚、利用者が手動で除電部材カバー41bを直接移動させても構わない。
また、上記動作を制御する制御部と、除電部材40の巻取りを制御する制御部とを共に制御部60で共用することで、部品点数を削減することが可能となる。この結果、装置の信頼性を向上させることができ、装置にかかる費用を抑制することができる。尚、巻取りを制御する制御部と除電部材カバー41bを移動させる制御部とを個別に設けても構わない。
上記の第1〜第4実施形態の各態様を相互に組み合わせてもよい。
前処理手段は実施形態のコーター部10に相当する。画像形成手段は実施形態の画像形成部20に相当する。除電手段は実施形態の除電機構100に相当する。制御手段は実施形態の制御部60に相当し、移動手段は実施形態の駆動源45に相当する。巻取り手段は実施形態の回収用ボビン44に相当する。
以上、本実施形態により、1回の交換における除電部材の使用量を抑制して除電部材に要する費用を削減するとともに、装置のダウンタイムの発生頻度を低減させることができる。
1:アイドラローラ
10:コーター部
11:チャンバー
12:ドクターブレード
13:アニロックスローラ
14、141、142、143:版胴
15:圧胴
20:画像形成部
21C、21K、21M、21Y:ヘッド
30:乾燥部
31:乾燥ドラム
40:除電部材
40a:第1除電部材
40b:第2除電部材
41、41a、41b:除電部材カバー
42:ホルダ
43:供給用ボビン
44:回収用ボビン
45、47:駆動源
47a:ギア
48:ラック
60:制御部
61:移動機構
100:除電機構
110:操作パネル
200:巻き出し装置
300:巻き取り装置
500:画像形成装置
1000:画像形成システム
10:コーター部
11:チャンバー
12:ドクターブレード
13:アニロックスローラ
14、141、142、143:版胴
15:圧胴
20:画像形成部
21C、21K、21M、21Y:ヘッド
30:乾燥部
31:乾燥ドラム
40:除電部材
40a:第1除電部材
40b:第2除電部材
41、41a、41b:除電部材カバー
42:ホルダ
43:供給用ボビン
44:回収用ボビン
45、47:駆動源
47a:ギア
48:ラック
60:制御部
61:移動機構
100:除電機構
110:操作パネル
200:巻き出し装置
300:巻き取り装置
500:画像形成装置
1000:画像形成システム
Claims (9)
- シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段よりもシート搬送方向の上流に位置し、前記シートの面に前処理液を塗布する前処理手段と、
前記シートを除電する除電手段と、を有し、
前記除電手段は、前記シート上の前処理液の未塗布部分を除電の対象とする除電部材を有することを特徴とする、画像形成システム。 - 前記除電部材は、前記シート搬送方向と交差する幅方向に張設された紐部材であり、
前記除電手段は、前記除電部材の交換の際に、当該除電部材を前記幅方向に移動させて未使用の部分を新たに前記未塗布部分に配置することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成システム。 - 前記除電手段は、前記除電部材を巻き取る巻取り手段を有し、
前記巻取り手段は、前記除電部材の交換の際に、前記未塗布部分の前記幅方向の長さ分、前記除電部材を巻き取ることで、前記除電部材を前記幅方向に移動させることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成システム。 - 前記除電手段は、
前記シートの幅の寸法と前記前処理液の塗布幅の寸法との各情報に基づき、前記除電部材の移動長さを導出する制御手段と、
前記制御手段により導出された移動長さ分、前記除電部材を移動させる移動手段と、
を有することを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成システム。 - 前記除電手段は、前記除電部材のうちの前記前処理液が塗布される部分と近接する部分を取り囲む保護部材を有することを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
- 前記除電手段は、前記除電部材とは別に、前記シートの全幅を除電の対象とする第2除電部材を更に有し、前記前処理手段により前記前処理液が塗布された場合に前記除電部材を使用し、前記前処理手段により前記前処理液が塗布されない場合に前記第2除電部材を使用するように、各除電部材を切り替えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
- 前記除電部材は、前記シートと近接または接触することで、前記シートの除電を行い、
前記除電手段は、前記シートの幅の寸法、前記前処理液の塗布幅の寸法に応じて、除電部材の前記シートと近接または接触する位置を切り替えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成システム。 - 前記未塗布部分は、前記シートの前記幅方向の両端部であり、
前記除電部材は、前記両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成システム。 - 前記除電部材は、前記シート搬送方向において前記前処理手段と前記画像形成手段との間に位置することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019193017A JP2021066086A (ja) | 2019-10-23 | 2019-10-23 | 画像形成システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021066086A true JP2021066086A (ja) | 2021-04-30 |
Family
ID=75638113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019193017A Pending JP2021066086A (ja) | 2019-10-23 | 2019-10-23 | 画像形成システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2019
- 2019-10-23 JP JP2019193017A patent/JP2021066086A/ja active Pending
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