JP2021065900A - アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、アルミニウム材の抵抗スポット溶接制御装置、および抵抗スポット溶接機 - Google Patents
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Abstract
Description
アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法の一例として、例えば特許文献1には、電極の加圧力を2段階に変化させ、この加圧力に合わせて電流値を2段階(大電流から小電流)に変化させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、溶接の本通電後に冷却時間を設けて、冷却時間の後に本通電の電流よりも弱いテンパー通電を行う技術が開示されている。
一般に、アルミニウム材の継手部にブローホールが存在すると、継手部の伸びは減少し、継手の延性が失われて脆性的破壊が生じやすくなることが知られている。特に、アルミニウム材において高い強度を要する構造部材として使用する場合には、ブローホールの存在が構造部材としての信頼性に大きく影響することになる。
上記の先行技術文献では、アルミニウム材に対する各種の抵抗スポット溶接方法が提案されているが、ナゲット形成までの現象が詳細に解明されていない面が多く、依然として実用上十分なレベルにまでブローホールを制御できていない。
また、このブローホールは、溶接打点数の増加による電極の劣化に伴って発生率が高くなる。このため、ブローホールの発生を抑えるために、電極のドレッシングを頻繁に行わなければならなかった。
(1)複数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接用の電極間に挟み込む第1工程と、
前記電極間の前記アルミニウム材同士の間にナゲットを形成する本通電を行う第2工程と、
前記ナゲットが完全に凝固する前に、前記電極間の通電と通電休止とを複数回繰り返すパルセーション通電を行い、前記ナゲットの内部に、前記アルミニウム材の凝固部と凝固組織が異なるシェルを、前記ナゲットの外縁部からナゲット中心部に向かって前記アルミニウム材の重ね方向の断面において、前記凝固部と交互に形成する第3工程と、
をこの順に実施するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、
前記第3工程において、
前記パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、
前記パルセーション通電を、前記通電と前記通電休止とを3回以上繰り返し、
前記パルセーション通電の前半から後半にかけて前記通電休止時間を徐々に増加させていく、
アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
(2)重ね合わされた複数のアルミニウム材を溶接する抵抗スポット溶接の制御装置において、
前記制御装置はスポット溶接のナゲットを形成する本通電を行い、
前記本通電の終了後に前記ナゲット内に前記アルミニウム材の凝固部と凝固組織が異なるシェルを、前記ナゲットの外縁部からナゲット中心部に向かって前記アルミニウム材の重ね方向の断面において、前記凝固部と交互に形成するパルセーション通電を行い、
前記パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、
前記パルセーション通電を、前記通電と前記通電休止とを3回以上繰り返し、
前記パルセーション通電の前半から後半にかけて前記通電休止時間を徐々に増加させていく制御を行う、アルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置。
(3)(2)に記載の制御装置を備える、アルミニウム材の抵抗スポット溶接機。
図1は、アルミニウム材を溶接するスポット溶接機の概略構成図である。
図1に示すように、スポット溶接機11は、一対の電極13,15と、一対の電極13,15に接続された溶接トランス部17と、電源部18と、溶接トランス部17に電源部18からの溶接電力を供給する制御部19と、一対の電極13,15を軸方向に移動させる電極駆動部20とを備える。制御部19は、溶接電流、通電時間、電極の加圧力、通電タイミング、加圧タイミング、保持時間などを統合的に制御する。
第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23のアルミニウム材、及び3枚以上用いる場合の各アルミニウム板を構成するアルミニウム材としては、任意の材質のアルミニウム、又はアルミニウム合金を用いることができる。具体的には、5000系、6000系、7000系、2000系、4000系のアルミニウム合金のほか、3000系、8000系のアルミニウム合金や1000系(純アルミ)のアルミニウムを採用できる。各アルミニウム板は、同一の材質であってもよく、異なる材質のものを組み合わせた板組としてもよい。
制御部19は、所定のタイミングで溶接トランス部17から一対の電極13,15間に通電する。図2は、溶接電流の波形の一例を示すタイミングチャートである。
図3の(A),(B)は本通電からパルセーション通電までのナゲットの様子を模式的に示す工程説明図である。
図3の(A)に示すように、一対の電極13,15間に挟まれる第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23に、本通電で電流値Imが通電されると、板面同士の合わせ面を中心にナゲット25が形成される。
図4の(A)〜(D)はナゲット25の形成途中の様子を模式的に示す説明図である。
まず、本通電においては、図4の(A)に示すように、溶融状態のナゲット(溶融ナゲット33)25が形成される。溶融ナゲット33の形成後、本通電の連続通電31を停止することで、溶融ナゲット33の外周から冷却が始まる。すると、図4の(B)に示すように、溶融ナゲット33の外周からナゲット中心部に向けて柱状晶組織が発達しながら凝固して、凝固部(凝固組織)35が形成される。
ところで、パルセーション通電によるシェル26の形成には、パルス32の通電間の適正な冷却が必要であり、通電休止時の電極13,15による冷却が必須となる。このため、本通電後にパルセーション通電を行っても、スポット溶接を連続して行うと、打点数の増加に伴い、電極先端部に金属間化合物層が付着し、その金属間化合物層による抵抗発熱が蓄積されて電極13,15の温度が上昇し、電極13,15による冷却性能が低下する。
ここで、参考例に係る抵抗スポット溶接方法について説明する。
図5は、本通電及びパルセーション通電を行う参考例に係る抵抗スポット溶接方法における溶接電流の波形の一例を示すタイミングチャートである。
図5に示すように、参考例では、パルセーション通電におけるパルス32の電流値Ips1〜Ips2を、本通電である連続通電31の電流値Imより高くし、パルス32の通電と通電休止とを7回以上繰り返している。しかし、このパルセーション通電では、1回目から7回目の各通電休止時間を一定の休止時間としている。具体的には、通電休止時間Tcを12msとしている。
本実施形態では、パルセーション通電時のパルス32の電流値Ips1〜Ips2を、本通電である連続通電31の電流値Imより高くし、パルセーション通電のパルス32の通電と通電休止とを3回以上繰り返し、さらに、パルセーション通電の前半から後半にかけて通電休止時間Tc1,Tc2,Tc3を徐々に増加させていく(図2参照)。
また、上記のように前半から後半にかけて通電休止時間Tc1,Tc2,Tc3を徐々に増加させていくパルセーション通電を伴う抵抗スポット溶接を行う際に、抵抗スポット溶接の打点数の増加に応じて通電休止時間Tc1,Tc2,Tc3を長くしてもよい。
ここで、パルセーション通電を行う抵抗スポット溶接では、通電休止時間を加えたパルセーション通電の回数を増やすことにより溶接部(ナゲット)の品質が向上する。しかし、本通電の時間とパルセーション通電の時間の合計である全体通電時間が800msを超える場合、スポット溶接の生産性が低下する。従って、全体通電時間は800ms以内とするのが好ましい。
ここでは、重ね合わせた同一材料、同一寸法の2枚のアルミニウム板を用いて、溶接条件の異なる抵抗スポット溶接をそれぞれ合計32打点行い、各打点数における溶接状態を観察した。溶接状態は、2打点、7打点、12打点、22打点、27打点、32打点で観察した。
(アルミニウム板)
材質:A5182材(Al−Mg系アルミニウム合金)
板厚:2.3mm
種別:クロム銅R形電極
先端曲率半径:100mm
電極直径(元径):19mm
(実施例1)
1)電極間加圧力:5kN
2)溶接電流
・本通電
電流値Im:31kA
通電時間Tm:200ms
通電波形:矩形波
・パルセーション通電
初期電流値Ips1:32.4kA
最終電流値Ips2:40.8kA
全通電時間Tp:388ms
単一のパルスの通電時間Tps:40ms
パルス数N:7回
パルス波形:矩形波をダウンスロープ制御
通電休止時間:1〜3回目の通電休止時間Tc1:12ms
4,5回目の通電休止時間Tc2:16ms
6,7回目の通電休止時間Tc3:20ms
1)電極間加圧力:5kN
2)溶接電流
・本通電
電流値Im:31kA
通電時間Tm:200ms
通電波形:矩形波
・パルセーション通電
初期電流値Ips1:32.4kA
最終電流値Ips2:40.8kA
全通電時間Tp:412ms
単一のパルスの通電時間Tps:40ms
パルス数N:7回
パルス波形:矩形波をダウンスロープ制御
通電休止時間:1〜3回目の通電休止時間Tc1:12ms
4,5回目の通電休止時間Tc2:20ms
6,7回目の通電休止時間Tc3:28ms
1)電極間加圧力:5kN
2)溶接電流
・本通電
電流値Im:31kA
通電時間Tm:200ms
通電波形:矩形波
・パルセーション通電
初期電流値Ips1:32.4kA
最終電流値Ips2:40.8kA
全通電時間Tp:436ms
単一のパルスの通電時間Tps:40ms
パルス数N:7回
パルス波形:矩形波をダウンスロープ制御
通電休止時間:1〜3回目の通電休止時間Tc1:12ms
4,5回目の通電休止時間Tc2:24ms
6,7回目の通電休止時間Tc3:36ms
1)電極間加圧力:5kN
2)溶接電流
・本通電
電流値Im:31kA
通電時間Tm:200ms
通電波形:矩形波
・パルセーション通電
初期電流値Ips1:32.4kA
最終電流値Ips2:40.8kA
全通電時間Tp:364ms
単一のパルスの通電時間Tps:40ms
パルス数N:7回
パルス波形:矩形波をダウンスロープ制御
通電休止時間:1〜7回目の通電休止時間Tc:12ms
図6〜図9に実施例1〜3及び比較例における抵抗スポット溶接で形成されたナゲットの断面写真を示す。なお、図6〜図9において、(A)は2打点、(B)は7打点、(C)は12打点、(D)は22打点、(E)は27打点、(F)は32打点でのナゲットの断面写真である。
図6の(A)〜(F)に示すように、実施例1では、2打点、12打点、32打点でナゲットに僅かなブローホールBHが生じたが、2打点、7打点、12打点、22打点、27打点、32打点のいずれにおいても、大きなブローホールBHが生じず、良好な縞模様の形態が維持された。
(実施例2)
図7の(A)〜(F)に示すように、実施例2では、7打点、12打点、32打点でナゲットに僅かなブローホールBHが生じたが、2打点、7打点、12打点、22打点、27打点、32打点のいずれにおいても、大きなブローホールBHが生じず、良好な縞模様の形態が維持された。
(実施例3)
図8の(A)〜(F)に示すように、実施例3では、7打点、12打点でナゲットに僅かなブローホールBHが生じたが、2打点、7打点、12打点、22打点、27打点、32打点のいずれにおいても、大きなブローホールBHが生じず、良好な縞模様の形態が維持された。
(比較例)
図9の(A)〜(F)に示すように、比較例では、2打点でナゲットに僅かなブローホールBHが生じ、22打点で少し大きなブローホールBHが生じた。また、比較例では、12打点で縞模様の形態の崩れが生じた。
(1) 複数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接用の電極間に挟み込む第1工程と、
前記電極間の前記アルミニウム材同士の間にナゲットを形成する本通電を行う第2工程と、
前記ナゲットが完全に凝固する前に、前記電極間の通電と通電休止とを複数回繰り返すパルセーション通電を行い、前記ナゲットの内部に、前記アルミニウム材の凝固部と凝固組織が異なるシェルを、前記ナゲットの外縁部からナゲット中心部に向かって前記アルミニウム材の重ね方向の断面において、前記凝固部と交互に形成する第3工程と、
をこの順に実施するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、
前記第3工程において、
前記パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、
前記パルセーション通電を、前記通電と前記通電休止とを3回以上繰り返し、
前記パルセーション通電の前半から後半にかけて前記通電休止時間を徐々に増加させていく、アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、シェルをナゲット中心部に向けて複数形成することにより、シェルで囲まれる溶融部分が段階的に中心部に向けて小さくなる。そのため、抵抗スポット溶接によりナゲット内にブローホールが発生しても、ブローホールがナゲット中心部に集結されて、溶接品質を低下させずに済む。その結果、ブローホール等による溶接品質の低下が抑えられる。
しかも、パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、パルセーション通電を、通電と通電休止とを3回以上繰り返し、パルセーション通電の前半から後半にかけて通電休止時間を徐々に増加させていく。これにより、打点数が増加しても、電極の抵抗発熱の蓄積の影響が抑えられ、少ない打点数で電極先端形状が変化することを抑制できる。よって、電極のドレッシングの頻度を低減でき、次回のドレッシングまでの連続打点数を増加でき、生産性が向上できる。そして、溶接可能な打点数を増加させてもブローホールが抑えられ、ナゲットの縞模様が維持された溶接品質の良好な溶接が行える。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、パルス電流値を段階的に増加させることで、ナゲット内部(中心部)に向かって段階的に入熱を加えることができ、よりナゲット中心部に近い位置までシェルを形成させることができる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、凝固部形成の制御がしやすくブローホールをナゲット中心部に安定して集めることができるため溶接品質がより優れた溶接を行うことができる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、パルセーション通電におけるパルス波形をダウンスロープ波形とすることにより、ナゲットにおけるブローホールの発生をより効果的に抑制することができ、その結果、ブローホール等による溶接品質の低下をさらに抑えることができる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、通電経路の電流密度を高め、アルミニウム材同士の間からの発熱を促進して、効率よく溶接できる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、溶融状態のナゲット内部に発生したブローホールを、応力集中が生じにくいナゲット中心部へ集結させ、ブローホールを小さくできる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、溶融状態のナゲット内部のブローホールを、より確実にナゲット中心部近傍に集結できる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、打点数が増加しても、電極先端付着の金属間化合物層による抵抗発熱の蓄積の影響をより好適に抑えることができ、少ない打点数で電極先端形状が変化することを抑制できる。よって、電極ドレッシングの頻度を低減できるため、次回のドレッシングまでの連続打点数を増加でき、生産性が向上できる。そして、溶接可能な打点数を増加させてもブローホールが抑えられ、ナゲットの縞模様が維持された溶接品質の良好な溶接が可能となる。
前記制御装置はスポット溶接のナゲットを形成する本通電を行い、
前記本通電の終了後に前記ナゲット内に前記アルミニウム材の凝固部と凝固組織が異なるシェルを、前記ナゲットの外縁部からナゲット中心部に向かって前記アルミニウム材の重ね方向の断面において、前記凝固部と交互に形成するパルセーション通電を行い、
前記パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、
前記パルセーション通電を、前記通電と前記通電休止とを3回以上繰り返し、
前記パルセーション通電の前半から後半にかけて前記通電休止時間を徐々に増加させていく制御を行う、アルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置によれば、シェルをナゲット中心部に向けて複数形成することにより、シェルで囲まれる溶融部分が段階的に中心部に向けて小さくなる。そのため、抵抗スポット溶接によりナゲット内にブローホールが発生しても、ブローホールがナゲット中心部に集結されて、溶接品質を低下させずに済む。その結果、ブローホール等による溶接品質の低下が抑えられる。
しかも、パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、パルセーション通電を、通電と通電休止とを3回以上繰り返し、パルセーション通電の前半から後半にかけて通電休止時間を徐々に増加させていく。これにより、打点数が増加しても、電極の金属間化合物層による抵抗発熱の蓄積の影響が抑えられ、少ない打点数で電極先端形状が変化することを抑制できる。よって、電極ドレッシングの頻度を低減できるため、次回のドレッシングまでの連続打点数を増加でき、生産性が向上できる。そして、溶接可能な打点数を増加させてもブローホールが抑えられ、ナゲットの縞模様が維持された溶接品質の良好な溶接が可能となる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置によれば、パルス電流値を段階的に増加させることで、ナゲット内部(中心部)に向かって段階的に入熱を加えることができ、よりナゲット中心部に近い位置までシェルを形成させることができる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置によれば、凝固部形成の制御がしやすくブローホールをナゲット中心部に安定して集めることができるため溶接品質がより優れた溶接を行うことができる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置によれば、パルセーション通電におけるパルス波形をダウンスロープ波形とすることにより、ナゲットにおけるブローホールの発生をより効果的に抑制することができ、その結果、ブローホール等による溶接品質の低下をさらに抑えることができる。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接機によれば、ブローホールをナゲット中心部に集結させて溶接品質を低下させずに済み、その結果、ブローホール等による溶接品質の低下を抑えることができる。しかも、電極ドレッシングの頻度を低減できるため、次回のドレッシングまでの連続打点数を増加でき、生産性が向上できる。そして、溶接可能な打点数を増加させてもブローホールが抑えられ、ナゲットの縞模様が維持された溶接品質の良好な溶接が可能となる。
13,15 電極
19 制御部(制御装置)
21 第1アルミニウム板(アルミニウム材)
23 第2アルミニウム板(アルミニウム材)
25 ナゲット
26 シェル
35 凝固部
Claims (13)
- 複数のアルミニウム材を重ねてスポット溶接用の電極間に挟み込む第1工程と、
前記電極間の前記アルミニウム材同士の間にナゲットを形成する本通電を行う第2工程と、
前記ナゲットが完全に凝固する前に、前記電極間の通電と通電休止とを複数回繰り返すパルセーション通電を行い、前記ナゲットの内部に、前記アルミニウム材の凝固部と凝固組織が異なるシェルを、前記ナゲットの外縁部からナゲット中心部に向かって前記アルミニウム材の重ね方向の断面において、前記凝固部と交互に形成する第3工程と、
をこの順に実施するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、
前記第3工程において、
前記パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、
前記パルセーション通電を、前記通電と前記通電休止とを3回以上繰り返し、
前記パルセーション通電の前半から後半にかけて前記通電休止時間を徐々に増加させていく、
アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 前記パルセーション通電のパルス電流値を段階的に増加させる、請求項1に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
- 前記パルス電流値を段階的に増加させる途中で同じ電流値のパルス電流を通電する、
請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 前記パルセーション通電のパルス波形がダウンスロープ波形である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 前記本通電と前記パルセーション通電における電流値は、15〜60kAである、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 前記パルセーション通電は、前記通電と前記通電休止を5回以上繰り返す、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 前記パルセーション通電は、前記通電と前記通電休止を7回以上繰り返す、
請求項6に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 抵抗スポット溶接の打点数の増加に応じて前記パルセーション通電における前記通電休止時間を長くする、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。 - 重ね合わされた複数のアルミニウム材を溶接する抵抗スポット溶接の制御装置において、
前記制御装置はスポット溶接のナゲットを形成する本通電を行い、
前記本通電の終了後に前記ナゲット内に前記アルミニウム材の凝固部と凝固組織が異なるシェルを、前記ナゲットの外縁部からナゲット中心部に向かって前記アルミニウム材の重ね方向の断面において、前記凝固部と交互に形成するパルセーション通電を行い、
前記パルセーション通電の電流値を、前記本通電の電流値以上にし、
前記パルセーション通電を、前記通電と前記通電休止とを3回以上繰り返し、
前記パルセーション通電の前半から後半にかけて前記通電休止時間を徐々に増加させていく制御を行う、
アルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置。 - 前記パルセーション通電のパルス電流値を段階的に増加させる制御を行う、
請求項9に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置。 - 前記パルス電流値を段階的に増加させる途中で同じ電流値のパルス電流を通電する、
請求項9又は請求項10に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置。 - 前記パルセーション通電のパルス波形がダウンスロープ波形である、
請求項9〜11のいずれか1項に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接の制御装置。 - 請求項9〜12のいずれか1項に記載の制御装置を備える、アルミニウム材の抵抗スポット溶接機。
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