JP2021065537A - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】風合いに優れ、布様感触のバックシートを備えたパンツ型吸収性物品の提供。【解決手段】パンツ型吸収性物品1の外形形状を構成し、前側領域13と、後側領域15と、これらの間の股下領域14と、をその内側に有する外装体30と、外装体30の前側領域13及び後側領域15における股下領域14とは反対側端部に設けられたウエスト開口部11と、外装体30の股下領域14の両側に設けられた2つの脚開口部12と、外装体30の股下領域14の内面に沿って配置された吸収性本体20と、を備え、吸収性本体20は、液透過性のトップシート24と、液不透過性のバックシート25と、これらの間に配置された吸収体29と、を備え、バックシート25は、着用者の肌側に位置する通気性オレフィン系フィルム251と、着用者の非肌側に位置する坪量40g/m2以上80g/m2以下のパルプ含有不織布252と、の積層体である、パンツ型吸収性物品1。【選択図】図2

Description

本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。
一般的に、テープ止め紙おむつ、パンツ型紙おむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用品等の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置された吸収体と、から構成されている。
液不透過性のバックシートは、吸収体に吸収された体液を外部に漏らさないことが求められるとともに、吸収性物品の着用中に排尿等で生じる蒸気や湿気を吸収性物品の外側へ散逸させるために、ある程度の透湿性を有することが求められている。更に、バックシートは、衣類やアウターと接触する側に配置されることから、風合いに優れることも求められる。この風合いを向上させるために、不織布と、ポリオレフィン系フィルムのような合成樹脂フィルムとを貼り合わせ、不織布を最外装とした、いわゆるクロスライクバックシートが用いられている。クロスライクシートは、一般的なバックシートに使用されるポリオレフィン系フィルムの様な樹脂に近い肌触りとは異なり、布の様な肌触りを有するとともに、衣類やアウターと接触させた際に、合成樹脂フィルム単独のものに比べて摩擦感抵抗があり、吸収性物品がズレにくいという特徴を有している。
吸収性物品用クロスライクバックシートとしては、種々のものが提案されており、例えば、非多孔質樹脂フィルムと不織布との積層シート材(特許文献1)、通気性フィルムと、プロピレン・エチレンランダム共重合体を主成分とする樹脂からなる不織布と、を積層した透湿性シート(特許文献2)、液不透過性シートと不織布とこれらの間に介在する接着剤層とを備え、液不透過性シートの厚み、不織布の繊維系や坪量、接着剤として使用される繊維状接着剤の溶融粘度、繊維系、塗工量を調整した複合シート(特許文献3)、開孔周辺に筒足部を有する多孔透湿性ポリオレフィン系フィルムと、ポリオレフィン系メルトブロー不織布とを、多孔透湿性ポリオレフィン系フィルムの筒足部が内側に配置されるように重ね合わせて積層一体化したバックシート(特許文献4)等が挙げられる。
特開平09−173382号公報 特開平09−295366号公報 特開平10−109371号公報 特開平11−348163号公報
しかしながら、従来のクロスライクバックシートを用いた吸収性物品では、吸収体部分の通気性には何らかの配慮がなされていないことから、吸収体の吸収量向上に伴う透湿量の増加には十分に対応できない。その結果、排尿等による蒸気や湿気がクロスライクバックシートを通して衣服まで到達し、着用者は衣服が濡れたように感じることがあった。また、通気性に配慮してホットメルト系接着剤の塗布量や塗布パターンを調整した場合、バックシートの通気性や肌触りは改善されるものの、ポリオレフィン系フィルムと不織布との接着不足により、不織布がポリオレフィン系フィルムから剥がれる惧れがあった。
本発明の目的は、風合いに優れ、布のような感触を有するバックシートを備えたパンツ型吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、通気性のポリオレフィン系フィルム、及び、該ポリオレフィン系フィルムの衣服側表面にパルプ含有不織布を積層したバックシートを有するパンツ型吸収性物品によれば上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、好ましい実施形態として、下記(1)〜(6)のパンツ型吸収性物品を提供する。
(1)パンツ型吸収性物品の外形形状を構成し、主に着用者の腹部に相対する前側領域と、主に着用者の背部に相対する後側領域と、前記前側領域と前記後側領域との間に配置され、主に着用者の股間部に相対する股下領域と、をその内面に有する外装体と、前記外装体の前記前側領域、及び前記後側領域における前記股下領域とは反対側の端部に設けられたウエスト開口部と、前記外装体の前記股下領域の両側に設けられた2つの脚開口部と、前記外装体の前記股下領域の内面に沿って配置された吸収性本体と、を備えるパンツ型吸収性物品であって、前記吸収性本体は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体と、を備え、前記バックシートは、着用者の肌側に位置する通気性ポリオレフィン系フィルムと、着用者の非肌側に位置する坪量40g/m以上80g/m以下のパルプ含有不織布と、の積層体であることを特徴とする、パンツ型吸収性物品。
(2)前記外装体は、着用者の肌側に位置する内装不織布シートと、着用者の非肌側に位置する外装不織布シートと、前記内装不織布シートと前記外装不織布シートとの間に配置された複数の弾性伸縮部材と、を備え、
前記パルプ含有不織布は、前記前側領域、前記後側領域、及び前記股下領域において前記内装不織布シートにそれぞれ接合されている、上記(1)のパンツ型吸収性物品。
(3)前記パルプ含有不織布は、曲げ剛性Bが0.3gf・cm/cm以下、曲げヒステリシス2HBが0.3gf・cm/cm以下、圧縮硬さLCが0.2以下である、上記(1)又は(2)のパンツ型吸収性物品。
(4)前記パルプ含有不織布は、通気性不織布と、パルプ繊維層と、の一体化物である、上記(1)〜(3)のいずれかのパンツ型吸収性物品。
(5)前記パルプ含有不織布は、通気性不織布と、パルプ繊維層と、の水流交絡一体化物である、上記(1)〜(4)のいずれかのパンツ型吸収性物品。
(6)前記通気性不織布が、通気性スパンボンド不織布である、上記(4)又は(5)のパンツ型吸収性物品。
本発明によれば、風合いに優れ、布のような感触を有するバックシートを備えたパンツ型吸収性物品が提供される。
本発明の第一実施形態であるパンツ型吸収性物品の外観形状を模式的に示す斜視図である。 図1に示すパンツ型吸収性物品の展開平面図である。 本発明の第二実施形態である吸収性本体の図2中X−X切断線における模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態のパンツ型吸収性物品1について説明する。図1は、第一実施形態であるパンツ型吸収性物品1の模式斜視図である。図2は、パンツ型吸収性物品1の展開平面図である。図2では、パンツ型吸収性物品1の内面を示している。図3は、第二実施形態である吸収性本体20のX−X切断線(図2)における模式断面図である。
なお、各図は、パンツ型吸収性物品1の吸収性本体20や外装体30等の構成部材の寸法の大小関係を規定するものではなく、各構成部材の寸法は、パンツ型吸収性物品1の用途、使用対象とする着用者の年齢等に応じてそれぞれ広い範囲から適宜選択できる。
本明細書において、パンツ型吸収性物品1を着用したときに着用者の腹側となる位置を「前側」ともいい、着用者の背側となる位置を「後側」ともいう。パンツ型吸収性物品1を着用するときとは、体液の吸収前、吸収時、及び吸収後を問わず、パンツ型吸収性物品1を身体に装着した状態をいう。パンツ型吸収性物品1は、通常衣類の内部で身体に装着するものであるが、少なくとも一部が外部に露出するように身体に装着してもよい。吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の長手方向とは、パンツ吸収性物品1を身体に着用したときに着用者の股間部を介して身体の前後に亘る方向である。吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の幅方向とは、長手方向に対して直交する方向である。吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の厚み方向とは、各構成部材を積層する方向である。また、吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の肌側面(肌側表面)とは、パンツ型吸収性物品1を身体に着用したときに着用者の肌に当接する表面及び肌を臨む表面であり、非肌側面(非肌側表面)とは、パンツ型吸収性物品1を身体に着用したときに着用者の衣類に接触する表面又は衣類を臨む表面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<パンツ型吸収性物品>
図1及び図2に示す本実施形態のパンツ型吸収性物品1は、着用者の股間部を前後から覆う前後方向に略帯状の形態を有する吸収性本体20と、吸収性本体20の外側に重なりつつ吸収性本体20の周囲に延びてパンツ型吸収性物品1のパンツ状の外形形状を構成する外装体30と、を備える。外装体30の内面は、主に着用者の腹部に相対する前側領域13、主に着用者の背部(背中)に相対する後側領域15、及び前側領域13と後側領域15との間において、主に着用者の股間部に相対する股下領域14と、に区分される。吸収性本体20は、主として股下領域14の内面に配置されているが、その一部は前側領域13及び/又は後側領域15にも延在する。
なお、伸縮性部材を配設する前のパンツ型吸収性物品1の展開時の長手方向(図2にて矢印Yが示す方向)の寸法は600mm以上1000mm以下、幅方向(図2において矢印Xが示す方向)の寸法は450mm以上900mm以下であることが好ましい。伸縮性部材を配設する前のパンツ型吸収性物品1の展開時の寸法を上記の範囲とすることにより、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等の各種サイズの成人用のパンツ型吸収性物品を提供することができる。
<吸収性本体>
図2及び図3に示すように、吸収性本体20は、液透過性のトップシート24と、液不透過性のバックシート25と、トップシート24及びバックシート25の間に配置される吸収体29と、一対の立体ギャザー26と、を含み、バックシート25は、着用者の肌側に位置する通気性ポリオレフィン系フィルム251と、着用者の非肌側に位置する、坪量40g/m以上80g/m以下のパルプ含有不織布252と、の積層体として構成されている。なお、上記と同様に、各種サイズの成人用のパンツ型吸収性物品を提供することができるようにするために、吸収性本体20の長手方向の寸法は300mm以上500mm以下、幅方向の寸法は100mm以上300mm以下であることが好ましい。
本実施形態によれば、バックシート25として、通気性ポリオレフィン系フィルム251と、坪量40g/m以上80g/m以下のパルプ含有不織布252と、の積層体を用い、該積層体の通気性ポリオレフィン系フィルム251を吸収体29側に配置することにより、吸収体29近傍における通気性を確保するとともに、パルプ含有不織布252が蒸気や湿気の吸収性に優れることから、排尿等に伴って発生する蒸気や湿気がバックシート25を通って、外装体30、及び衣類側に移行することが顕著に抑制される。また、通気性ポリオレフィン系フィルム251とパルプ含有不織布252とを組み合わせ、かつパルプ含有不織布252が所定の坪量を有することにより、バッグシート25が風合いに優れ、合成樹脂を触るような肌触りではなく、布のような感触の肌触りとなることが明らかとなった。
以下、吸収性本体20の各構成部材についてさらに詳しく説明する。
<トップシート>
トップシート24は、体液が吸収体29へと移動するような液透過性を備えた基材を用いればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート24は、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施すことが好ましく、エンボス加工や穿孔加工は、従来公知の方法により実施することができる。さらに、トップシート24の肌への刺激を低減させるために、トップシート24にローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させることも好ましい。
トップシート24の坪量は、強度及び加工性の観点から、14g/m以上40g/m以下であることが好ましい。14g/mより小さい場合、吸収性本体20の製造時にトップシート24が破損し易くなる傾向があり、40g/mより大きい場合、肌に当たる際にトップシート24の硬さを感じる傾向があり、いずれの場合も好ましくない。トップシート24の形状は、特に制限されるものではないが、体液を漏れがないように吸収体29へと誘導するため、吸収体29を覆う形状であればよい。
<吸収体>
吸収体29は、体液吸収材料を含み、好ましくは、基材と、基材に保持された体液吸収材料と、を含む。体液吸収材料としては、体液を吸収及び保持するものであれば特に限定されないが、例えば、フラッフパルプや高吸収性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」ともいう)等が挙げられる。吸収体29の基材は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布といった材料から形成される。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。また、吸収体29の基材の坪量は、吸収性能及び肌触りを良好なものとするため、100g/m以上800g/m以下とすることが好ましい。100g/mより小さい場合、尿等の体液を吸収する量が少なくなる傾向があり、800g/mよりも大きい場合、吸収体29を安定的に製造することが難しくなる傾向があり、いずれの場合も好ましくない。
SAPとしては、体液(尿、汗、血液等)を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン・アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸・ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン・無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物といった材料から形成されたものを挙げることができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩系が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム系がより好ましい。吸収体29のSAPの坪量は、吸収性能及び肌触りを良好なものとする観点から、50g/m以上500g/m以下とすることが好ましい。50g/mより小さい場合、尿を吸収しにくい傾向があり、500g/mより大きい場合、吸収体29を製造する際にSAPの歩留まりが低下する傾向があり、いずれの場合も好ましくない。
吸収体29は、基材とSAPとを含有するものが好ましく、その構成は、基材中にSAP粒子を混合して形成したもの、基材間にSAP粒子を固着したSAPシート等が挙げられる。また、SAP粒子の脱落防止や、吸収体29の形状安定化の観点から、吸収体29をキャリアシートに包むことが好ましい。また、SAPを繊維状に成形し、基材に混合して用いてもよい。キャリアシートの基材としては、親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布が挙げられる。吸収体29がキャリアシートを複数備える場合には、キャリアシートの基材は同一でも異なってもよい。
吸収体29の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、砂時計状、I字状、長方形の4角が丸まった角丸四角形状、長円状、一方向に長い楕円形状等が挙げられる。吸収体29は、2層以上を重ねて用いてもよい。
<バックシート>
バックシート25は、通気性ポリオレフィン系フィルム251と、通気性ポリオレフィン系フィルム251の衣類側表面(非肌側表面)に積層されたパルプ含有不織布252と、を有し、通気性ポリオレフィン系フィルム251及びパルプ含有不織布252が、ホットメルト系接着剤等で間欠的に接着された複合シートである。
(通気性ポリオレフィン系フィルム)
通気性ポリオレフィン系フィルム251は、例えば、吸収体29に吸収された体液のパンツ型吸収性物品1外部への漏出、及びパンツ型吸収性物品1を着用した状態での内部の蒸れ、等を防止するように機能する。通気性ポリオレフィン系フィルム251としては、ポリオレフィンを主成分とし、防水性及び透湿性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、多孔性ポリオレフィン系フィルム及びそのエンボス加工品や、多孔性ポリオレフィン系フィルム以外の通気性ポリオレフィン系フィルム及びそのエンボス加工品等が挙げられる。多孔性ポリオレフィン系フィルムは、例えば、ポリオレフィン系樹脂と、炭酸カルシウム等の無機充填剤を溶融混練してフィルムを形成し、このフィルムを一軸又は二軸延伸した後、無機充填剤を除去することにより製造できる。ここで用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等を挙げることができ、これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。通気性ポリオレフィン系フィルム251は、これらのポリオレフィン系樹脂を使用したフィルムの中でも、耐水性と通気性の観点から、通気性のポリエチレン系フィルムが好ましい。
通気性ポリオレフィン系フィルム251の厚みは、15μm以上40μm以下であることが好ましく、20μm以上30μm以下であることが更に好ましい。15μmより薄い場合、強度が低くなる傾向があり、40μmより厚い場合、ポリオレフィン系フィルムが硬くなる傾向があり、いずれの場合も好ましくない。ここで、通気性ポリオレフィン系フィルム251の厚みは、シックネスゲージ(商品名:ダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK(登録商標)」、(株)尾崎製作所製)を用いて測定する。測定条件は、35gf/cm(測定荷重250gf、測定子直径30mm)で、測定子と測定台の間に試料10枚を重ねて置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で落下させたときのゲージを読み取り、これを10で除し、1枚当りの厚みとして算出する。
通気性ポリオレフィン系フィルム251の坪量は、10g/m以上30g/m以下であることが好ましい。10g/mより小さい場合、該フィルムの強度が低下する傾向があり、30g/mより大きい場合、該フィルムが硬くなる傾向があり、いずれの場合も好ましくない。
(パルプ含有不織布)
パルプ含有不織布252(以下単に「不織布252」ともいう)とは、不織布とパルプ繊維層とを一体化した不織布シートである。不織布252は、例えば、通気性ポリオレフィン系フィルム251をその不織布部分で支持し、体液を吸収した吸収体29の保形性の維持を補助するとともに、通気性ポリオレフィン系フィルム251を通過してきた体液の蒸気、湿気等をパルプ繊維層に選択的に誘導し、蒸気や湿気等がパンツ型吸収性物品1を濡らしたり、パンツ型吸収性物品1の外部に漏れるのを防止する機能を有する。ここで、一体化とは、不織布とパルプ繊維層とが接合され、体液が接触又は透過しても、両者が剥離しない状態をいう。ただし、該不織布シートの四周の縁辺の一部がめくれる程度に剥がれていてもよい。
このような不織布シートとしては、例えば、不織布を構成する繊維とパルプ繊維とを併用して不織布として作製した混在型不織布シート、不織布とパルプ繊維からなる不織布とを重ね合わせ、加圧処理及び/加熱処理を施して得られる圧着又は融着型不織布シート、不織布とパルプ繊維からなる不織布とを比較的少量の接着剤で接合した接着型不織布シート、水流交絡法により不織布に水流及びパルプ繊維を吹き付けて得られる水流交絡型不織布シート等が挙げられる。なお、水流交絡型不織布シートでは、不織布にパルプ繊維が絡みつき、不織布の一方の表面にパルプ繊維層が形成されるだけでなく、他方の面にも不織布内部を通過してきたパルプ繊維が部分的に突出したり、絡みついたりしていることがある。これらの不織布シートの中でも、パルプ繊維層の機能を十分に発揮させる観点から、水流交絡型不織布シートが好ましい。
不織布252である不織布シート中の不織布としては、通気性、すなわち体液の蒸気や湿気を透過させる特性を有する不織布であれば特に限定されないが、疎水性合成樹脂からなる繊維で構成された不織布が好ましい。疎水性合成樹脂繊維としては、例えば、ナイロン(登録商標)、ビニロン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等からなる繊維が挙げられる。これらの繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、強度と通気性とをバランよく高水準で有することから、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましく、ポりプロピレンがより好ましい。不織布の種類としては、スパンボンド不織布がより好ましい。不織布シート中の、木材パルプ繊維としては、例えば、フラッフパルプ、針葉樹クラフトパルプ等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
以上から、不織布252である不織布シートとしては、ポリプロピレンからなるスパンボンド不織布に、バインダーを使用することなく、木材パルプ繊維をウォータージェットで交絡、一体化して成る複合不織布がさらに好ましい。この複合不織布は、例えば、ポリプロピレン製スパンボンド不織布の一方の面に、該不織布に対して交絡により結合した木材パルプ繊維の層が形成されたものであり、他方の面にも木材パルプ繊維が交絡により結合していることもある。この形態では、パルプ繊維層が衣類側を臨むように配置されることが好ましい。
不織布252における木材パルプ繊維の含有量は、65質量%以上90質量%以下が好ましく、70質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。65質量%未満であると得られるパルプ含有不織布の材質や性能が不均一になる傾向があり、90質量%超えると得られるパルプ含有不織布が硬質になり、柔軟性が不足して本実施形態のパンツ型吸収性物品1のフィット性等が低下する傾向がある。一方、不織布252における木材パルプ繊維の含有量の残部が、不織布の含有量となる。
パルプ含有不織布252の坪量は、40g/m以上80g/m以下であり、好ましくは42g/m以上78g/m以下である。40g/m未満であるとバックシート25に用いた場合に透湿性が不十分であるため好ましくなく、80g/m超えるとバックシート25に用いた場合に硬質になりすぎる傾向がある。いずれの場合も、パンツ型吸収性物品1のフィット性等に影響を及ぼす場合がある。
パルプ含有不織布252の厚みは、上述の「PEACOCK」を用いた、通気性ポリオレフィン系フィルム251の厚みの測定方法と同様にして測定した時、0.25mm以上0.50mm以下であることが好ましく、0.30mm以上0.45mm以下であることがさらに好ましい。0.25mmより低い値の場合、バックシート25が柔らかくなりすぎ、製造時にバックシート25が安定して固定されず、製造歩留まりが低下する傾向がある。また、0.50mmよりも高い値の場合、バックシート25に硬さが生じ、且つ、透湿性が悪くなるため好ましくない。
また、本実施形態のパンツ型吸収性物品1において、バックシート25に用いるパルプ含有不織布252は、吸水量、平均曲げ剛性B、平均曲げヒステリシス2HB、及び圧縮硬さLCの各特性が所定の範囲にあることが好ましい。以下に、これらの特性について説明する。なお、これらの特性は、1種を単独で設定してもよく、任意の2種以上を組み合わせて設定してもよい。また、これらの特性は、例えば、通気性ポリオレフィン系フィルム251の通気性、坪量、厚み、パルプ含有不織布252におけるパルプ繊維層及び不織布層の通気性、坪量、厚み等や、パルプ繊維の含有量、パルプ繊維層に含まれる木材パルプ繊維の種類等を適宜選択することにより、所望の値に調整することができる。
(吸水量)
またパルプ含有不織布252の単位面積当たりの吸水量(g/m)が、250g/m以上450g/m以下であることが好ましく、280g/m以上420g/m以下であることがさらに好ましい。250g/m未満であると排尿に伴って発生する蒸気や湿気を十分に保持できず、衣類側に移行してしまうため好ましくなく、450g/mを超えると排出された尿等の体液をバックシート25が抱えて込んでしまい、衣類に染み出してしまうため好ましくない。
吸水量は、以下の方法に従って求めることができる。まず、パルプ含有不織布252を76mm×76mmの正方形に切断してサンプルを作製し、乾燥重量を測定する。次に、このサンプルを蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態(RH100%)の容器中で、サンプルの1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定する。そして、測定値をサンプル1mあたりの吸水量(g/m)に換算する。
所定の吸水量を有するパルプ含有不織布252を使用することで、体液排出後に蒸気や湿気が通気性ポリオレフィン系フィルム251を通過し、そしてパルプ含有不織布252のパルプ繊維層に吸収及び保持されるため、蒸気や湿気の衣類への移行が抑制される。
(平均曲げ剛性B及び平均曲げヒステリシス2HB)
パルプ含有不織布252は、平均曲げ剛性Bが0.3gf・cm/cm以下、平均曲げヒステリシス2HBが0.3gf・cm/cm以下であることが好ましい。なお、平均曲げ剛性Bは、数値が高いほど、硬い感触であることを示し、平均曲げヒステリシス2HBは、数値が高いほど、曲げた後に戻りにくく、曲げ回復性が悪いことを示す。本実施形態では、パルプ含有不織布252の平均曲げ剛性B及び平均曲げヒステリシス2HBを、上記の数値範囲に調整することにより、例えば、本実施形態のパンツ型吸収性物品1の風合いを更に効果的に向上させ得る。平均曲げ剛性B及び平均曲げヒステリシス2HBは、純曲げ試験機摩擦感テスターKES−FB2(カトーテック(株)製)を使用し、100mm×100mmの試料をクランプ間隔10mmで装置に取り付け、曲率増加速度5mm/秒で測定される。
(圧縮硬さLC)
パルプ含有不織布252の圧縮硬さLCが0.2以下であることが好ましい。圧縮硬さLCは、厚み方向に圧縮する力に対して、どの様に変形するかを示すものであり、圧縮硬さLCが上記範囲よりも高い値の場合、硬さが出てしまうため好ましくない。圧縮硬さLCは、ハンディ圧縮試験機KES−G5(カトーテック(株)製)を使用し、まず、試験台に試料を置き、面積2cmの円形平面をもつ銅製の加圧子を試料上方から、速度0.01cm/秒、最大圧縮応力20gf/cmの条件で試料に押し込み圧縮することにより測定される。パルプ含有不織布252の圧縮硬さLCを上記の範囲に調整することにより、例えば、本実施形態のパンツ型吸収性物品1の厚み方向の風合いを更に効果的に向上させ得る。
(バックシートの作製方法)
通気性ポリオレフィン系フィルム251とパルプ含有不織布252とを積層し、バックシート25を作製する方法としては、例えば、所定の塗布パターンになるよう凸版部を形成した転写ロールにより、ホットメルト系接着剤をパルプ含有不織布252の不織布面(肌側表面)に転写して塗布し、その上に通気性ポリオレフィン系フィルム251をセットし、両者を積層したものを所定時間加熱及び/又は加圧して一体化させることにより作製することができる。このとき、不織布252は、2%以上10%以下の範囲で幅方向又は長さ方向に伸ばした状態で、通気性ポリオレフィン系フィルム251と貼り合わせ、その後、不織布252の形状が張力により元に戻ることで、通気性ポリオレフィン系フィルム251と不織布252の間に、通気性の向上に寄与する空隙が形成される。
<立体ギャザー>
立体ギャザー26は、例えば、パンツ型吸収性物品1の着用者が排泄した体液の横漏れを防止するために設けられる。立体ギャザー26は、本実施形態では幅方向一端(長手方向に延びる一の縁辺)がバックシート25の肌側表面に長手方向に沿って固定され、幅方向途中部がトップシート24の幅方向両端部近傍に長手方向に沿って固定され、幅方向他端(長手方向に延びる他の縁辺)が自由端26aとなって、トップシート24の幅方向両端部周辺を覆い、かつ固定された幅方向途中部を起点にして折り曲げ自在に設けられた構成部材である。立体ギャザー26をこのように構成することで、立体ギャザー26の自由端13a付近に起立性が付与され、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。本実施形態では、立体ギャザー26の幅方向一端をバックシート25の肌側表面に固定しているが、これに限定されず、例えば、該幅方向一端をバックシート25の非肌側表面に固定してもよく、トップシート24とバックシート25とで構成される袋体に固定してもよく、さらに、トップシート24の肌側表面に固定してもよい。
より具体的には、立体ギャザー26は、例えば、立体ギャザーシート(不図示)と、立体ギャザーシートの幅方向一端に固定される立体ギャザー用弾性部材(不図示)と、から構成され、立体ギャザーシートの幅方向他端がバックシート12の肌側表面に固定され、また、立体ギャザー用弾性部材の立体ギャザーシートに固定されていない幅方向端部が自由端になる。立体ギャザーシートとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は液不透過性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。立体ギャザー用弾性部材としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。なお、本実施形態の吸収性物品1、2は、立体ギャザー26を含まない実施形態をも包含する。
<吸収性本体の製造方法>
吸収性本体20の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、衣類側から、バックシート25、吸収層29、トップシート24の順に積層し、トップシート24とバックシート25とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定し、さらに立体ギャザー26を所定の位置に取り付けることで製造することができる。
<外装体>
外装体30は、パンツ型吸収性物品1の外形形状を構成する部材であり、不織布及び伸縮性部材を積層して形成されたものである。不織布の態様は特に限定されないが、一般に外装不織布シート301と、外装不織布シート301の身体側の内装不織布シート302と、外装不織布シート301及び内装不織布シート302の間に介在する1又は複数の弾性伸縮部材311、312、313と、から構成される。なお、外装体30の内面は、主に着用者の腹側に相対する前側領域13、主に着用者の股間部に相対する股下領域14、主に着用者の背側(背中)に相対する後側領域15の3つの領域からなる。ここで、これらの領域の区分について、長手方向において、後述するサイドシール部303を設ける領域(すなわち脚開口部12を形成しない領域)を、前側領域13又は後側領域15とし、サイドシール部303を設けない領域(すなわち、脚開口部12を形成する領域)を股下領域14とする。
外装不織布シート301は、股下領域14の中心線を中心として略対称な前側領域13と後側領域15とを有し、吸収性本体20も上記中心線を中心として略対称に配置されている。そして、吸収性本体20が内側となるように外装不織布シート301(及び吸収性本体20)が上記中心線で二つ折りにされ、前側領域13及び後側領域15の両側縁部がサイドシール部303を介して接合されている。これにより、外装不織布シート301ひいては外装体30は、長手方向(着用者の股間部を介して前部から後部にわたる方向)の一端に形成された、伸縮性を有するウエスト開口部11と、長手方向の他端に形成された、一対の脚開口部12とを形成し、パンツ型吸収性物品1を全体として着脱可能なパンツ状に構成する。
外装不織布シート301の内側には、内装不織布シート302が積層されており、外装体30の強度を高めるようになっている。また、外装体30には、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に加えて、吸収性本体20の周縁を覆う補助シートが設けられ、これが内装不織布シート302に積層されていてもよい。外装不織布シート301及び内装不織布シート302には、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布等の不織布、好ましくはエアスルー不織布又はスパンボンド不織布であって、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる不織布を用いることができる。これらの不織布を用いる場合、その坪量は、10g/m以上40g/m以下とすればよい。
上記した各弾性伸縮性部材311、312、313は、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に接合されている。なお、内装不織布シート302と各伸縮性部材311、312、313とは、各伸縮性部材にのみ介在するホットメルト接着剤を介して互いに接着されていることが好ましい。伸縮性部材としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等の糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができ、その太さは、300dtex以上1500dtex以下であることが好ましい。
ここで、外装不織布シート301と弾性伸縮性部材311、312、313と内装不織布シート302とから構成された外装体30の内面(内装不織布シート302の内面)に対して、股下領域14を主とし、前側領域13及び後側領域15のそれぞれ一部に吸収性本体20のパルプ含有不織布252の非肌側面を接着剤等で接合することが好ましい。この実施形態により、パルプ含有不織布252の保湿性が十分に機能するとともに、パンツ型吸収性物品1の風合いが顕著に向上し、尿等の体液の吸収後でも履き心地の良いパンツ型吸収性物品1が得られる。
<パンツ型吸収性物品の製造方法>
パンツ型吸収性物品1の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、吸収体29をトップシート24とバックシート25との間に挟持し、トップシート24とバックシート25を接合して吸収性本体20を作製する工程、前側領域13、後側領域14、及び脚開口部12周縁において、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に、上記した各伸縮性部材311、312、313を配置し、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に接合する工程、外装体30の身体側に吸収性本体20を配設する工程、前側領域13の両側縁部と後側領域15の両側縁部を、それぞれサイドシール部303を介して接合する工程、の順に各工程を経ることで、パンツ型吸収性物品1を得ることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(パルプ含有不織布の作成)
パルプ含有不織布は、米国キンバリークラーク社の商品名ハイドロニット不織布を用いた。当該パルプ含有不織布は米国特許第5284703号明細書に開示されているように、ポリプロピレン製スパンボンド不織布にパルプを水流交絡してシート化したもので、本実施例1では、坪量40g/m、厚み30μmのものを使用した。
(バックシートの作成)
パルプ含有不織布に、スチレン/ブタジエン/スチレン系共重合体のホットメルト系接着剤を転写して塗布し、その上に通気性ポリエチレン系フィルム(坪量:15g/m)をセットした。不織布と通気性ポリエチレン系フィルムとを一体化させ、バックシートを作製した。なお、ホットメルト系接着剤の塗布面積の割合は、吸収体と接する部位が4.8%、フラップ部は0.5%であった。
(吸収性本体の作製)
得られたバックシートを用いて、長さ48cm、幅19cmの吸収性本体(尿取りパッド)を作製し、これを評価に用いた。トップシートとしては、エアスルー不織布(坪量20g/m)、吸収体としては、フラッフパルプ27g、SAP12gとの積層体を用意し、長さ42cm、幅15cmにカットしたものを用いた。
<実施例2〜3、比較例1〜3>
表1に記載のパルプ含有不織布及び通気性ポリエチレン系フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして、吸収性本体(尿取りパッド)を作製した。
<平均曲げ剛性B、平均曲げヒステリシス2HB、圧縮硬さLC>
実施例1〜3及び比較例1〜3で用いた各パルプ含有不織布について、前述した方法を用いて、平均曲げ剛性B、平均曲げヒステリシス2HB、圧縮硬さLCを測定し、その結果を表1に示した。
<吸水量>
実施例1〜3及び比較例1〜3で用いた各パルプ含有不織布について、前述した方法を用いて、吸水量を測定し、その結果を表1に示した。
<吸収性物品のバックシートの柔らかさ(官能評価)>
パンツ型吸収性物品の外装体における前側領域、後側領域、及び脚開口部周縁において、外装不織布シート、内装不織布シート及び3つの伸縮性部材を接合し、外装体の身体側面(内装不織布シートの面)に実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた各吸収性本体(尿取りパッド)を配設及び接合し、前側領域の両側縁部と後側領域の両側縁部をそれぞれサイドシール部を介して接合することにより、実施例1〜3及び比較例1〜3の各パンツ型吸収性物品を作製した。
20名のパネラーに上記で得られた各パンツ型吸収性物品を着用してもらい、また各吸収性本体のバックシートを手触りし、風合い改善効果について次の基準で評価し、結果を表1に示した。
○ 「表面が柔らかく風合いが良いと感じた」評価者が16人以上20人以下のとき。
△ 「表面が柔らかく風合いが良いと感じた」評価者が11人以上15人以下のとき。
× 「表面が柔らかく風合いが良いと感じた」評価者が10人以下のとき。
<透湿性テスト>
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた長さ48cm、幅19cmの各尿とりパッドを、黒色の実験台に載置し、周りのみ(4辺)を高さ5cm、厚さ3mmのアクリル製の板で囲い、透湿性テストを行った。まず、トップシート上に、36±2℃に加温した0.9%生理食塩水を150ml投入し、10分放置した。次に、尿とりパッドをその状態で保ち、横から4方向のアクリル製の板を観察した。次に、尿取りパッドを静かに取り除き、尿取りパッドを載置した黒色実験台上の透湿による曇り度合いを観察し、次の基準で評価した。
(アクリル板)
「○」アクリル製の板では、分散した状態でかなりの曇りが認められる。
「△」アクリル製の板では、分散した状態で若干の曇りが認められる。
「×」アクリル製の板では、集中した状態でかなりの曇りが認められる。
(黒色実験台)
「○」黒色実験台では曇りが若干認められる。
「△」黒色実験台では曇りがかなり認められる。
「×」黒色実験台では水滴が認められる。
アクリル板及び黒色実験台の評価で共に「○」のものを「○」、アクリル板及び黒色実験台の評価のいずれか一つ又は両方に「△」のあるものを「△」及びアクリル板及び黒色実験台の評価のいずれか一つ又は両方に「×」のあるものを「×」として評価し、表1に示した。
Figure 2021065537
表1の結果から、実施例1〜3ではバックシートの触り心地が滑らかで、且つ柔らかであることがわかる。また、透湿性も優れている。一方で、比較例1〜3は、バックシートの触り心地が悪い結果だった。
1 パンツ型吸収性物品
11 ウエスト開口部
12 脚開口部
13 前側領域
14 股下領域
15 後側領域
20 吸収性本体
24 トップシート
25 バックシート
251 通気性ポリオレフィン系フィルム
252 パルプ含有不織布
26 立体ギャザー
29 吸収体
30 外装体
301 外装不織布シート
302 内装不織布シート
303 サイドシール部
311 ウエスト領域伸縮性部材
312 前側腰回り領域伸縮性部材
313 後側腰回り領域伸縮性部材
314 脚回り伸縮性部材

Claims (6)

  1. パンツ型吸収性物品の外形形状を構成し、主に着用者の腹部に相対する前側領域と、主に着用者の背部に相対する後側領域と、前記前側領域と前記後側領域との間に配置され、主に着用者の股間部に相対する股下領域と、をその内面に有する外装体と、前記外装体の前記前側領域及び前記後側領域における前記股下領域とは反対側の端部に設けられたウエスト開口部と、前記外装体の前記股下領域の両側に設けられた2つの脚開口部と、前記外装体の前記股下領域の内面に沿って配置された吸収性本体と、を備えるパンツ型吸収性物品であって、
    前記吸収性本体は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記チップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体と、を備え、前記バックシートは、着用者の肌側に位置する通気性オレフィン系フィルムと、着用者の非肌側に位置する坪量40g/m以上80g/m以下のパルプ含有不織布と、の積層体であることを特徴とする、パンツ型吸収性物品。
  2. 前記外装体は、着用者の肌側に位置する内装不織布シートと、着用者の非肌側に位置する外装不織布シートと、前記内装不織布シートと前記外装不織布シートとの間に配置された複数の弾性伸縮部材と、を備え、
    前記パルプ含有不織布は、前記前側領域、前記後側領域、及び前記股下領域において前記内装不織布シートにそれぞれ接合されている、請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。
  3. 前記パルプ含有不織布は、曲げ剛性Bが0.3gf・cm/cm以下、曲げヒステリシス2HBが0.3gf・cm/cm以下、圧縮硬さLCが0.2以下である、請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品。
  4. 前記パルプ含有不織布は、通気性不織布と、パルプ繊維層と、の一体化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  5. 前記パルプ含有不織布は、通気性不織布と、パルプ繊維層と、の水流交絡一体化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  6. 前記通気性不織布が、通気性スパンボンド不織布である、請求項4又は5に記載のパンツ型吸収性物品。
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