ジピベフリンの投与は、対象へのエピネフリンの安全かつ迅速な全身送達に有効であることが判明している。ジピベフリンの投与は、任意の適切な経路、例えば経口投与又は注射によることができる。アナフィラキシー、癌、微生物感染症など、様々な疾患が全身性エピネフリンによる治療に適しているが、人々にエピネフリンを投与する安全で便利な方法には問題がある。特に、エピネフリンは、経口吸収よりも注射による投与に限定されており、これは経口投与より不便な経路である。
本発明者は、驚くべきことに、ジピベフリンが経口摂取されると、エピネフリンを安全かつ効果的に体循環に送達できることを発見した。この結果は予想外であったが、なぜならば、第一に、消化管の移行中のエステルの加水分解によるエピネフリンへの変換と、その後のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)によるエピネフリンの分解は、まだ予想されていたが、エピネフリンとは異なり、ジピベフリンは遊離のカテコール基を持たないため、COMTの基質とは考えにくいこともあった。第二に、ジピベフリンはエピネフリンと同じアミン側鎖官能基を持っており、消化管と肝臓の両方に存在する、経口エピネフリンの不活性化の原因である同じモノアミンオキシダーゼ(MAO)によって不活性化される可能性がある。第三に、たとえジピベフリンが経口投与後に体循環に達したとしても、それが治療薬として有効であるのに十分なタイミングで、かつ効率的にエピネフリンに生体内変換される保証はない。生体内でのプロドラッグの生体内変換には、種特異的及び組織特異的であることが多い、適切な酵素の存在が必要である。したがって、本発明者は、ジピベフリンが経口投与された場合、エピネフリンを安全かつ効果的に体循環に送達できることを発見して驚いた。
驚くべきことに、ジピベフリンの投与は、経口投与であっても、対象へのエピネフリンの安全かつ迅速な全身送達、並びにアナフィラキシー、癌、及び微生物感染症の治療に有効であることが示される。
本開示は、かかる治療を必要とする対象、好ましくはヒト対象におけるアナフィラキシー、癌、又は微生物感染症を治療するためのジピベフリンの使用に関連する組成物及び方法を提供する。さらに本開示は、単剤療法としてジピベフリンのみを利用、又は抗癌剤や抗菌剤などの少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせる治療レジメンに基づいて、アナフィラキシー、癌、又は微生物感染症を治療するための新規治療アプローチを提供する。
一態様では、本開示は、アナフィラキシー、癌、又は微生物感染症を治療するための方法であって、該方法は、それを必要とする対象にジピベフリン又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形、プロドラッグ、類似体又は誘導体を含むジピベフリン組成物を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、ジピベフリン組成物は、ジピベフリン遊離塩基又はジピベフリン塩酸塩を含む。
本明細書で使用する場合、「ジピベフリン組成物」という用語は、ジピベフリン(遊離塩基)を含む組成物を指し、以下に記載するように、ジピベフリンの薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、多形体、類似体又は誘導体を含み得る。好ましいジピベフリン組成物は、ジピベフリン又はジピベフリン塩酸塩を含む。
ジピベフリンのIUPAC名は、4−(1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル)−1,2−フェニレンビス(2,2−ジメチルプロパノエート)である。ジピベフリンの同義語は、[±]−3,4−ジヒドロキシ−α−[(メチルアミノ)メチル]ベンジルアルコール3,4−ジピバレート、1−(3’,4’−ジピバロイルオキシフェニル)−2−メチルアミノ−1−エタノール、4−[1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル]−O−フェニレンジババレート、ジピバリルエピネフリン、及び[2−(2,2−ジメチルプロパノイルオキシ)−4−[1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル]フェニル]2,2−ジメチルプロパノエートである。ジピベフリンのCAS登録番号は52365−63−6である。ジピベフリン塩酸塩のCAS登録番号は64019−93−8である。
ジピベフリン及びその薬学的に許容される塩は、例えば、米国特許第3809714号に記載されている方法に従って調製することができ、ジピベフリン合成に関するその教示について参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、例えば、ジピベフリン組成物の酸及び塩基性基から形成される塩である。例示的な塩には、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、酸塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ベシル酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(例、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))の塩が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、ジピベフリンの塩は塩酸塩である。文脈によって明確に禁忌でない限り、「ジピベフリン」は、ジピベフリンの薬学的に許容される塩を含む。
「薬学的に許容される塩」という用語はまた、カルボン酸官能基などの酸性官能基、及び薬学的に許容される無機又は有機塩基を有する組成物から調製される塩を指す。
「薬学的に許容される塩」という用語はまた、アミノ官能基などの塩基性官能基、及び薬学的に許容される無機又は有機酸を有する組成物から調製される塩を指す。
「活性剤」は、単独又は別の化合物、要素もしくは混合物と組み合わせて、対象に投与されたときに、直接的又は間接的に対象への生理学的影響を付与する化合物(例えば、ジピベフリンを含む)、要素又は混合物を意味する。間接的な生理学的効果は、代謝産物又は他の間接的なメカニズムを介して発生する可能性がある。
「投与する」、「投与すること」、「投与した」又は「投与」という用語は、対象又は患者に活性剤(ジピベフリン又はその医薬上許容される塩など)を提供する任意の方法を指す。投与経路は、当業者に知られている任意の手段を通じて達成することができる。そのような手段には、経口、口腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経皮、及び吸入、舌下、鼻腔内が含まれる。経口投与は、ジピベフリン投与の好ましい経路である。
「経口摂取される」及び「経口投与」という用語は、消化管を介して口から対象又は患者に活性剤を提供する方法を指し、同じ意味で用いられる。消化管は人間や他の動物の臓器系で、食物を取り込み、消化してエネルギーと栄養素を抽出して吸収し、残りの排泄物を糞便として排出する。口、食道、胃及び腸は消化管の一部である。
「剤形」は、活性剤の投与の単位を意味する。剤形の例としては、錠剤、カプセル、経口薄膜、口腔内溶解(又は崩壊)剤形、スプリンクル、注射、懸濁液、液体、乳濁液、クリーム、軟膏、坐剤、吸入可能形態、経皮形態、鼻腔内スプレーなどが挙げられる。
「口腔内溶解(又は崩壊)剤形」は、口に入れられたときに、通常数秒以内に急速に崩壊又は溶解する固体剤形である。口腔内溶解剤形は、唾液と接触すると急速に崩壊又は溶解するように設計されているため、噛んで飲み込んだり、水で固形剤を服用したりする必要がない。口腔内溶解剤は、口腔、舌下、中咽頭、及び食道の膜を介した有効成分の胃前吸収を促進することができる。結果として、口腔内溶解剤は、従来の固形剤形よりも作用のより速い開始及びより高い生物学的利用能を提供することができる。
「医薬組成物」は、少なくとも1つの活性剤、例えば、ジピベフリン、及び少なくとも1つの他の物質、例えば、担体、賦形剤、又は希釈剤、を含む組成物である。医薬組成物は、ヒト又はヒト以外の薬物に関する米国FDAのGMP(優良製造基準)基準を満たしている。
本明細書に記載の医薬組成物に適用される「担体」という用語は、活性化合物と共に提供される希釈剤、賦形剤、又はビヒクルを指す。
「薬学的に許容される賦形剤」は、一般的に安全で非毒性であり、生物学的にもその他の点でも好ましく、医薬組成物の調製に有用な賦形剤を意味し、獣医学的使用及びヒト医学的使用に許容される賦形剤を含む。本出願で使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、1つ及び2つ以上のそのような賦形剤の両方を含む。
「患者」は、治療を必要とするヒト又は非ヒト動物である。医学的治療は、疾患もしくは障害などの既存の状態の治療、予防もしくは予防的治療、又は診断的治療を含むことができる。いくつかの実施形態では、患者はヒト患者である。患者はまた、家畜動物(例えば、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ)又はコンパニオンアニマル(イヌ、ネコ)であり得る。
「対象」という用語は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。例えば、本明細書に開示される方法及び組成物は、それを必要とする対象に全身性エピネフリンを送達するために使用され得る。特定の実施形態では、対象はヒトである。対象は、家畜動物(例えば、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ)又はコンパニオンアニマル(イヌ、ネコ)であってもよい。
「治療有効量」又は「有効量」は、薬理学的効果を達成するための医薬品の量である。「治療有効量」という用語は、例えば、予防的有効量、すなわち、障害のリスクのある患者における障害の発生の可能性を有意に低減するのに有効な量を含む。ジピベフリンの「有効量」は、過度の有害な副作用なしに、所望の薬理効果又は治療上の改善を達成するために必要な量である。ジピベフリンの有効量は、特定の患者及び治療される疾患のタイプに応じて、当業者によって選択されるであろう。「有効量」又は「治療有効量」は対象の一般的な状態、治療されている状態、治療されている状態の重症度、及び処方する医師の判断の変動によって、患者ごとに異なり得ることが理解される。癌性組織を治療する方法を論じる場合、有効量には、患者の経時的な癌増殖率又は癌の生物学的マーカーのレベルへ統計的に有意で、かつ好ましい影響を与えるのに有効な量が含まれる。
「治療する」及び「治療」という用語は、症状の重症度もしくは頻度の軽減、症状もしくは根本的な原因の排除、症状の発生もしくはその根本的な原因の防止、又は障害もしくは疾患による損傷の改善もしくは修復を意図した療法の実施を意味する。特定の実施形態において、「治療」は、予防的治療を含み、これは、癌性組織の増殖を有意に低減するか、又は患者の微生物病原体による感染の機会を低減するのに有効な量のジピベフリンを投与することである。特定の実施形態では、治療は、アレルゲンに曝された対象におけるアナフィラキシーの発症を阻害すること、又はアレルギー症状の重症度を軽減することを含む。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形は、内容が明確に他を示さない限り、「少なくとも1つ」を含む複数形を含むことが意図される。「又は」は「及び/又は」を意味する。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、「備える」及び/又は「備えること」又は「含む」及び/又は「含むこと」という用語は、述べられた特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を指定することがさらに理解されよう。ただし、1つ以上の他の機能、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術お及び本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであることが理解されるものであり、本明細書で明確に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
ジピベフリンは、以下の構造(II)を有する化合物であるエピネフリンのプロドラッグである。
L−エピネフリンのCAS登録番号は51−43−4である。
本明細書では、ジピベフリン組成物を対象に経口投与することを含む、対象へのエピネフリンの全身送達のための方法が開示されている。
本明細書には、全身性エピネフリンを、それを必要とする対象に生体内送達することによる治療に適した疾患の治療方法も開示されている。この方法は、全身性エピネフリンの生体内送達を必要とする対象にジピベフリン組成物を投与することを含む。そのような疾患の非限定的な例には、アレルギー反応、アナフィラキシー、癌、及び微生物感染症が含まれる。ジピベフリンの投与は、経口、口腔内、静脈内、皮下、筋肉内、局所、経皮、舌下、鼻腔内及び吸入を含む、任意の適切な経路で行うことができる。ジピベフリンは、治療有効量で投与される。ジピベフリンは、ジピベフリンを含む医薬組成物として投与することができる。特定の実施形態では、投与は経口投与であり、ジピベフリンは、経口溶液又は懸濁液、錠剤(例えば、口腔内溶解/崩壊錠剤)、カプセル、スプリンクル、又は粉末などの経口剤形として投与される。
アナフィラキシーの治療方法
方法は、アナフィラキシーを治療するための方法であり得る。この方法は、アナフィラキシーを経験している対象に治療有効量のジピベフリンを投与することを含むことができる。この方法はまた、治療有効量のジピベフリンを、重症度の低いアレルギー反応を経験している対象に投与することを含む。好ましい実施形態では、ジピベフリン組成物は、例えば、経口錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、又は口腔内溶解フィルムで経口投与される。一実施形態では、ジピベフリン組成物は、ジピベフリン遊離塩基又はジピベフリン塩酸塩を含む。ジピベフリン組成物は、対象においてエピネフリンの治療上有効な血漿レベルを提供するのに十分な量、例えば、0.1〜50ng/mLのエピネフリン血漿レベルを提供するのに十分なジピベフリンの量を投与することができる。
一実施形態では、経口錠剤は、口腔内溶解錠剤又は口腔内崩壊錠剤(ODT/OD錠)である。ODTは、舌の上に置いたときに通常数秒以内に急速に溶解又は崩壊する医薬品を含む固形剤形である。ODTが示す特性は、錠剤の重量が小さい、錠剤のサイズが小さい、溶解度の高い成分、及び急速な溶解又は崩壊を含む。
一実施形態では、経口錠剤は速溶性舌下錠剤である。特定の実施形態では、経口錠剤は舌下錠剤ではない。
方法は、アナフィラキシーの発症後1分未満、2分未満、5分未満、10分未満、20分未満、又は30分未満で治療有効量のジピベフリン組成物を対象に投与することを含むことができる。
方法は、対象のアナフィラキシートリガーへの潜在的な暴露の6時間前、5時間前、4時間前、3時間前、2時間前、1時間前、30分前、10分前又は5分前に治療有効量のジピベフリン組成物を対象に投与することを含むことができる。
「アナフィラキシートリガー」とは、対象においてアナフィラキシー反応を引き起こす物質を意味する。アナフィラキシートリガーの例には、ピーナッツ、木の実、魚、牛乳などの食物;抗生物質(ペニシリン及びセファロスポリン)や鎮痛薬(アスピリン、イブプロフェン)などの特定の薬物;ミツバチ、スズメバチ、ジガバチ、火蟻を含む昆虫の毒液;及び天然ゴムのラテックスが含まれる。
癌の治療方法
方法は、癌の治療を必要とする対象にジピベフリン組成物を投与することを含む、癌を治療するための方法であり得る。癌は、例えば、脳癌、神経膠腫、肉腫、皮膚癌、乳癌、肺癌、非小細胞肺癌、中皮腫、虫垂癌、泌尿生殖器癌、腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、陰茎癌、子宮頸癌、卵巣癌、フォン・ヒッペル・リンドウ病、頭頸部癌、消化管癌、肝細胞癌、胆嚢癌、食道癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、神経内分泌腫瘍、甲状腺腫瘍、下垂体腫瘍、副腎腫瘍、血液悪性腫瘍、リンパ腫、白血病、又はそれらの組み合わせであり得る。皮膚癌は、メラノーマ、基底細胞癌、又は扁平上皮皮膚癌であり得る。
一実施形態では、癌は腎細胞癌である。
一実施形態では、癌は乳癌である。
一実施形態では、癌は、急性骨髄性白血病(AML)又は急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。
一実施形態では、癌はB細胞リンパ腫である。
一実施形態では、癌は非ホジキンB細胞リンパ腫である。
一実施形態では、癌は神経膠腫である。
癌を治療するための方法は、併用療法であり得る。本明細書で使用される場合、「併用療法」は、ジピベフリン組成物と追加の抗癌治療の共同作用から有益な効果を提供することを意図した特定の治療計画の一部として、ジピベフリンに加えて、少なくとも1つの抗癌治療を伴うジピベフリン組成物の投与を含む。
したがって、癌を治療するための方法は、ジピベフリン及び少なくとも1つの追加の抗癌治療を、それを必要とする対象に投与することを含み得る。追加の抗癌治療は、手術、化学療法、放射線、内分泌療法、幹細胞の移植、分子標的療法、又は生物学的療法であり得る。化学療法剤の例には、ドキソルビシンやダウノルビシンなどのアントラサイクリン、パクリタキセルやドセタキセルなどのタキサン、シスプラチンやオキサリプラチンなどの白金ベースの化学療法が含まれる。内分泌療法の例には、タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤、及び前立腺癌のアンドロゲン遮断療法が含まれる。分子標的療法の例には、ホルモン療法、シグナル伝達阻害剤、遺伝子発現モジュレーター、アポトーシス誘導剤、血管新生阻害剤、免疫療法、毒性分子を送達するモノクローナル抗体、癌ワクチン、及び遺伝子治療が含まれる。生物学的療法の例には、モノクローナル抗体、又はMAb、サイトカイン、癌治療ワクチン、カルメット−ゲラン桿菌療法(BCG)、腫瘍溶解性ウイルス療法、遺伝子療法、養子T細胞移植療法などがある。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の抗癌治療は、癌などの疾患と戦うために人の免疫系の特定の部分を使用する免疫療法であり得る。免疫療法の例には、モノクローナル抗体、免疫チェックポイント阻害剤、癌ワクチン、サイトカイン及び免疫調節薬(又はIMiD)、カルメット−ゲラン桿菌(BCG)、イミキモド、及びそれらの組み合わせが含まれる。養子細胞移入(ACT)療法の例には、チサゲンレクロイセルのようなCAR(キメラ抗原受容体)改変T細胞療法及びCAR改変NK細胞療法が含まれる。
一実施形態では、癌ワクチンは、米国で前立腺癌について認可されたシプロイセル−Tである。
本開示はまた、併用療法を含む方法を提供する。
一実施形態では、方法は、少なくとも1つの追加の活性剤を対象に投与することをさらに含む。少なくとも1つの追加の活性剤は、治療剤又は非治療剤であり得る。少なくとも1つの追加の活性剤は、ジピベフリン組成物を含む単一剤形で、又はジピベフリン組成物とは別個の剤形で投与することができる。一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、アルキル化剤、挿入剤、チューブリン結合剤、コルチコステロイド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
少なくとも1つの追加の活性剤は、治療剤、例えば、抗癌剤もしくは癌化学療法剤、非治療剤、又はそれらの組み合わせであり得る。治療剤に関して、組み合わせの有益な効果には、治療活性化合物の組み合わせから生じる薬物動態学的又は薬力学的な相互作用が含まれるが、これらに限定されない。非治療剤に関して、組み合わせの有益な効果は、毒性の緩和、副作用、又は組み合わせ中の治療活性剤に関連する有害事象に関連し得る。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は治療薬である。一実施形態では、治療剤は抗癌剤である。一実施形態では、抗癌剤は、イブルチニブなどのブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤である。1つの実施形態において、ジピベフリン組成物は、イブルチニブと共に単一の剤形又は別々の剤形で投与される。一実施形態では、剤形は経口剤形である。別の実施形態では、剤形は静脈内投与に適している。
一実施形態では、抗癌剤は、リンパ腫の治療における使用が承認されている薬物である。そのような薬物の非限定的な例には、アビトレキサート(メトトレキサート)、アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)、アンボクロリン(クロラムブシル)、アンボクロリン(クロラムシシル)、アラノン(ネララビン)、ベセナム(カルムスチン)、ベレオダク(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、ベキサール(トシツモマブ及びヨウ素131トシツモマブ)、BiCNU(カルムスチン)、ブレノキサン(ブレオマイシン)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブレンツキシマブ ベドチン、カルムブリス(カルムスチン)、カルムスチン、クロラムブシル、クラフェン(シクロホスファミド)、シクロホスファミド、シトキサン(シクロホスファミド)、デニロイキン ジフチトクス、DepoCyt(シタラビンリポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、フォレックス(メトトレキサート)、フォロチン(プララトレキサート)、イブリツモマブ チウキセタン、イブルチニブ、イデラリシブ、イムブルビカ(イブルニチブ)、イントロンA(遺伝子組換えインターフェロンアルファ−2b)、イストダックス(ロミデプシン)、レナリドミド、ロイケラン(クロラムブシル)、リンフォリジン(クロラムブシル)、シタラビンリポソーム、塩酸メクロレタミン、メトトレキサート、メトトレキサートLPF(メトトレキサート)、メキサート(メトトレキサート)、メキサート−AQ(メトトレキサート)、モゾビル(プレリキサフォル)、マスタージェン(塩酸メクロレタミン)、ネララビン、ネオサール(シクロホスファミド)、オンタック(デニロイキン ディフティトックス)、プレリキサフォル、プララトレキサート、プレドニゾン、遺伝子組換えインターフェロンアルファ−2b、レブラミド(レナリドミド)、リツキサン(リツキシマブ)、リツキシマブ、ロミデプシン、トシツモマブ及びヨウ素131トシツモマブ、トレアンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、ベルバン(ビンブラスチン硫酸塩)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベルサール(ビンブラスチン硫酸塩)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサーPFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ビンクリスチン硫酸塩、ボリノスタット、ゼヴァリン(イブリツモマブ チウキセタン)、ゾリンザ(ボリノスタット)、及びザイデリグ(イデラリシブ)が含まれる。
一実施形態では、抗癌剤は、EZH2の阻害剤、例えばEPZ−6438から選択される。一実施形態では、抗癌剤は、タキソール、ビンクリスチン、ドキソルビシン、テムシロリムス、カルボプラチン、オファツムマブ、リツキシマブ、及びそれらの組み合わせから選択される。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、B細胞受容体経路阻害剤である。いくつかの実施形態では、B細胞受容体経路阻害剤は、CD79A阻害剤、CD79B阻害剤、CD19阻害剤、Lyn阻害剤、Syk阻害剤、PI3K阻害剤、Blnk阻害剤、PLCy阻害剤、PKCP阻害剤、又はそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、抗体、B細胞受容体シグナル伝達阻害剤、PI3K阻害剤、IAP阻害剤、mTOR阻害剤、放射免疫療法剤、DNA損傷剤、プロテアソーム阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、Hsp90阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、Jak1/2阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、PKC阻害剤、PARP阻害剤、又はそれらの組み合わせである。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、プログラム死1(PD−1)受容体及びそのリガンド(PD−L1/2)が関与するチェックポイントシグナル伝達経路の阻害剤である。一実施形態では、この方法は、抗PD−L1剤と抗PD−1剤との組み合わせを含む。一実施形態では、阻害剤は、BMS−936559/MDx−1105(PD−L1に対する完全ヒト高親和性免疫グロブリン(Ig)G4モノクローナル抗体)、MPDL3280A(PD−L1を標的とする改変ヒトモノクローナル抗体)、MSB0010718C及びMED1473から選択される抗PD−L1剤である。一実施形態では、阻害剤は、CT−011/ピディリズマブ、BMS−936558/MDX−1106/ニボルマブ、及びペンブロリズマブから選択される抗PD−1剤である。一実施形態では、阻害剤は、BMS−936559/MDX−1105、MPDL3280A、MSB0010718C、MED1473、CT−011/ピディリズマブ、BMS−936558/MDX−1106/ニボルマブ、及びペムブロリズマブ、並びに前述のいずれか2つ以上の組み合わせから選択される。一実施形態では、阻害剤は、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、阻害剤は抗CTLA−4抗体である。抗CTLA−4抗体の例はイピリムマブ(商品名ヤーボイ)である。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、サリドマイド、レナリドミド、及びポマリドミドなどのNK細胞及びT細胞の両方を刺激することができる免疫調節薬(IMid)からなる群から選択される治療薬である。一実施形態では、併用療法はまた、抗阻害性KIR抗体(IPH−2102)を含む。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤から選択される治療剤である。一実施形態では、阻害剤は、インドキシモド、INCB024360、NLG 919、IDO1由来ペプチド、エパカドスタット、GDC0919又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、イブルチニブ、リツキシマブ、ドキソルビシン、プレドニゾロン、ビンクリスチン、ベルケイド、及びエベロリムス、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬である。一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン(ドキソルビシン又はアドリアマイシン(登録商標)とも呼ばれる)、ビンクリスチン(オンコビン(登録商標)とも呼ばれる)、プレドニゾン、プレドニゾロン、及びそれらの組み合わせから選択される治療薬である。一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、BMS−936559/MDX−1105、MPDL3280A、MSB0010718C、MED1473、CT−011/ピディリズマブ、BMS−936558/MDX−1106/ニボルマブ、及びペンブロリズマブ、並びに前述のいずれか2つ以上の組み合わせからなる群から選択される治療薬である。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の薬剤は、クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レナリドミド、テムシロリムス、エベロリムス、フルダラビン、フォスタマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、リツキシマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL−101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、エンドスタチン、又はそれらの組み合わせから選択される。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、エドレコロマブ、ゲムツズマブ、オファツマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ムロモナブ−CB3、ナタリズマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブ ペゴル、ゴリムマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、イブリツモマブ チウキセタン、トシツモマブ、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アレムツズマブ、抗CD30モノクローナル抗体Xmab2513、抗METモノクローナル抗体MetMab、アポリズマブ、アポマブ、アルシツモマブ、バシリキシマブ、二重特異性抗体2B1、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ ベドチン、カプロマブ ペンデチド、シクスツムマブ、クローディキシマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、フィギツムマブ、フレソリムマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブ オゾガマイシン、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イノツズマブ オゾガマイシン、イピリムマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、モノクローナル抗体CC49、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オレゴボマブ、ペルツズマブ、ラマツリマブ、ラニビズマブ、シプリズマブ、ソネプシズマブ、タネズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブ セルモロイキン、ベルツズマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、及びザルツムマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、ダラツムマブ、ウブリツキシマブ(TG−1101)、オカラツズマブ(AME−133)、オビヌツズマブ(GA−101)のようなモノクローナル抗体である。
一実施形態では、少なくとも1つの追加の活性剤は、インターフェロン(INF)及びインターロイキン(IL)からなる群から選択されるサイトカインである。インターフェロンの例には、INF−アルファが含まれる。インターロイキンの例には、IL−2(アルデスロイキン)、IL−6、IL−12、IL−15、及びIL−21が含まれる。
併用療法の文脈において、ジピベフリン組成物の投与は、1つ又は複数の追加の活性剤の投与と同時又は順次であってよい。別の実施形態では、併用療法の異なる成分の投与は、異なる頻度であり得る。1つ以上の追加の活性剤は、本開示の化合物の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)に投与してもよく、同時に投与しても、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与してもよい。
本明細書により詳細に記載されるように、1つ又は複数の追加の活性剤は、ジピベフリン組成物との同時投与のために、単一剤形で製剤することができる。1つ又は複数の追加の活性剤は、本開示の化合物を含む剤形とは別に投与することができる。追加の活性剤がジピベフリン組成物とは別に投与される場合、それはジピベフリン組成物と同じ又は異なる投与経路によることができる。
好ましくは、ジピベフリン組成物を1つ又は複数の追加の活性剤と組み合わせて投与することにより、治療される対象に相乗的応答がもたらされる。この文脈において「相乗的」という用語は、いずれかの単一の治療単独の相加効果よりも有効である組み合わせの効力を指す。本開示による併用療法の相乗効果は、組み合わせの外のその用量及び/又は頻度と比較して、組み合わせにおける少なくとも1つの活性剤のより低い用量及び/又はより少ない頻度の投与の使用を可能にし得る。組み合わせの追加の有益な効果は、組み合わせでのいずれかの療法の使用(単剤療法とも呼ばれる)に関連する有害又は望ましくない副作用の回避又は低減に現れ得る。
一実施形態では、ジピベフリン組成物の剤形は、経口剤形である。別の実施形態では、ジピベフリン組成物の剤形は、静脈内投与に適している。剤形が静脈内投与に適している一実施形態では、投与は単回注射又は点滴袋による。
一実施形態では、標準的な化学療法レジメンは、イブルチニブ、リツキシマブ、ドキソルビシン、プレドニゾロン、ビンクリスチン、ベルケイド、シクロホスファミド、デキサメタゾン及びエベロリムスからなる群から選択される1つ又は複数の治療薬を含む。一実施形態では、標準的な化学療法レジメンは、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン(登録商標)(ビンクリスチン)、及びプレドニゾン又はプレドニゾロン)、COOP(シクロホスファミド、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾン)、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン硫酸塩、シクロホスファミド、ドキソルビシン塩酸塩)、Hyper−CVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩、デキサメタゾン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、R−CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン硫酸塩、塩酸プロカルバジン、プレドニゾン)、及びR−CVP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾン)から選択される。
一実施形態では、方法は、ジピベフリン組成物及びリンパ腫の治療のための化学療法レジメンを含む併用療法を使用してリンパ腫を治療する方法である。一実施形態では、化学療法レジメンはCHOPレジメンである。別の実施形態では、化学療法レジメンは、COOP、CVP、EPOCH、Hyper−CVAD、ICE、R−CHOP、及びR−CVPから選択される。
「併用療法」はまた、非薬物療法(例えば、外科手術又は放射線治療)とさらに組み合わせた本開示の化合物の投与を包含する。併用療法が非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療化合物と非薬物治療の組み合わせの相互作用からの有益な効果が達成される限り、任意の適切な時間に行われ得る。例えば、適切な場合において、非薬物治療が治療化合物の投与から一時的に、おそらく数日又は数週間さえ除かれる場合でも、有益な効果は依然として達成される。
非薬物治療は、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、抗エストロゲン療法、遺伝子療法、及び外科手術から選択することができる。例えば、非薬物療法は、卵巣の除去(例えば、体内のエストロゲンのレベルを下げるため)、胸腔穿刺(例えば、胸部から水分を取り除くため)、穿刺(例えば、腹部から液体を取り除くため)血管筋脂肪腫を除去又は縮小する手術、肺移植(及び移植による感染を防止するために必要に応じて抗生物質を使用)、又は酸素療法(例えば、両方の鼻孔に配置された2つの小さなプラスチックチューブもしくはプロングを含む鼻カニューレを介して、鼻と口全体にフィットするフェイスマスクを介して、又は首の前部から気管に挿入された小さなチューブを介して行うものであり、経気管酸素療法とも呼ばれる)である。
微生物感染症の治療方法
本開示において提供されるのは、微生物感染症の治療を必要とする対象にジピベフリン組成物を投与することを含む、微生物感染症を治療するための方法である。微生物感染症は、細菌、ウイルス、真菌、又は寄生虫の感染症であり得る。
細菌感染症には、マイコバクテリア感染症;スピロヘータ感染症、ブドウ球菌感染症、ステプトコッカス感染症、クロストリジウム感染症、ビブリオ感染症、バチルス感染症、サルモネラ感染症、リステリア感染症又はコリネバクテリウム感染症などのグラム陽性菌感染症;大腸菌感染症、肺炎桿菌感染症、アシネトバクター・バウマニ感染症、緑膿菌感染症、淋菌感染症、又はペスト菌感染症などのグラム陰性菌感染症;髄膜炎菌感染症、B型インフルエンザ菌感染症、スピロヘータ感染によるライム病、らい菌、肺炎レンサ球菌感染症、梅毒トレポネーマ感染症、レジオネラ・ニューモフィラ感染症、ブルセラ・アボルタス感染症、結核菌感染症、マイコプラズマ感染症、炭疽菌、アガラクチア菌、化膿レンサ球菌、大腸菌、淋菌、髄膜炎菌、又は緑膿菌であり得る。
ウイルス感染症にはインフルエンザ、ヘルペスウイルス感染症、デングウイルス感染症、ヒト免疫不全ウイルス感染症、肝炎ウイルス感染症、西ナイルウイルス感染症、サイトメガロウイルス感染症、狂犬病ウイルス感染症、フラビウイルス感染症、ライノウイルス感染症、パピローマウイルス感染症、パラミクソウイルス感染症、パラインフルエンザウイルス感染症、レトロウイルス感染症、又は以下のウイルスによって引き起こされる感染症:センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、ヒト血清パルボ様ウイルス、シミアンウイルス40、RSウイルス、マウス乳癌ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、マウス白血病ウイルス、ムンプスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、又はブルータングウイルスが含まれる。
真菌感染症は、酵母感染症又は糸状菌による感染症であり得る。真菌感染症の例には、全身性カンジダ症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ブラストミセス症、コクジオイデス症、ヒストプラスマ症、及びムコール症、ミクロスポルム属、トリコフィトン属、スポロトリックス・シェンキイ、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、コクシジオイデス・イミチス、ヒストプラスマ・カプスラーツム、ブラストミセス・デルマチチジス又はカンジダ・アルビカンスが含まれる。
寄生虫感染症には、寄生虫又はフィラリア線虫からのマラリア及び内部寄生虫感染症、アカントアメーバ感染症、アカントアメーバ角膜炎感染症、アフリカ睡眠病、肺胞エキノコックス症、アメーバ赤痢、シャーガス病、鉤虫症、広東住血線虫症、アニサキス症、回虫症、バベシア症、バランチジウム症、バラムチア感染症、バイリスアスカリス症、トコジラミ、住血吸虫症、ブラストシスティス・ホミニス感染症、コロモジラミ寄生症、毛頭虫症、セルカリア性皮膚炎、シャーガス病、メニール鞭毛虫感染症、肝吸虫症、皮膚幼虫移行症、ケジラミ、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症、サイクロスポーラ症、嚢虫症、シストイソスポーラ感染症、二核アメーバ感染症、裂頭条虫症、瓜実条虫感染症、犬糸状虫症(犬糸状虫感染症)、DPDx、メジナ虫症、瓜実条虫、エキノコックス症、象皮病、赤痢アメーバ感染症、エントアメーバ・ポレッキ、蟯虫症、肝蛭症、肥大吸虫症、フィラリア症、ジアルジア症、顎口虫症、メジナ虫症、アタマジラミ寄生症、異形吸虫症、鉤虫感染症、包虫症膜様条虫症、腸管内線虫、ヨードアメーバ感染症、イソスポラ感染症、内臓リーシュマニア症、角膜炎、リーシュマニア症、ロア糸状虫症、リンパ管フィラリア症、マラリア、微胞子虫症、ダニ感染症、蝿蛆症、ネグレリア感染症、神経嚢虫症、米国では顧みられない寄生虫感染症、顧みられない熱帯病、眼幼虫移行症、オンコセルカ症、オピストルキス症、肺吸虫症、シラミ寄生症、ケジラミ症、蟯虫感染症、プラスモジウム感染症、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎、シュードテラノーバ感染症、ケジラミ寄生症、アライグマ回虫感染症、河川盲目症、サッピニア、肉胞子虫症、疥癬、住血吸虫症、アフリカ睡眠病、土壌伝染性蠕虫、糞線虫症、水泳性痒疹、条虫症、条虫感染症、トキソカラ症、旋毛虫症、旋毛虫病、トリコモナス症、鞭虫症、トリパノソーマ症、内臓幼虫体内移行症、水系感染症、鞭虫感染症、人畜共通感染症、又は人畜共通鉤虫感染症を含み得る。
微生物感染症を治療するための方法はさらに、ジピベフリンと、本明細書では「抗菌剤」と呼ばれる、微生物病原体に対して直接阻害効果を発揮する少なくとも1つ又は複数の追加の化学療法治療を対象に施すことを含む併用療法であり得る。抗菌剤は、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、又はそれらの組み合わせであり得る。
抗生物質の例には、ベータラクタム抗生物質、テトラサイクリン、スルホンアミド抗生物質、アミノグリコシド抗生物質、マクロライド抗生物質、フルオロキノロン、及びキノロン抗生物質が含まれる。β−ラクタム抗生物質の例には、セファロスポリン、ペニシリン、モノバクタム、カルバペネム、及びカルバセフェムが含まれる。アミノグリコシド系抗生物質の例には、ストレプトマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、アストロマイシン、ベカナマイシン、ジベカシン、フラミセチン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシンB、イセパマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ロドストレプトマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、トブラマイシン、及びベルダマイシンが含まれる。フルオロキノロンの例には、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、ゲミフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ノルフロキサシン、スパルフロキサシン、及びトロバフロキサシンが含まれる。キノロンの例としては、シノキサシン、ガレノキサシン、及びナリジクス酸が含まれる。マクロライドの例には、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、リンコマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、及びスペクチノマイシンが含まれる。テトラサイクリンの例には、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、チゲサイクリン、及びテトラサイクリンが含まれる。スルホンアミド抗生物質の例には、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルフィソキサゾール、トリメトプリム−スルファメトキサゾールが含まれる。
抗真菌剤の例には、アムホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、リモシジン、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンギン、アリルアミン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、オーロン、安息香酸、シクロピロックス、フルシトシン、グリセオフルビン、ハロプロギン、トルナフテート、ウンデシレン酸、クリスタルバイオレット、及びペルーバルサムが含まれる。
インフルエンザなどのウイルス感染症の治療に有用な抗ウイルス剤の例には、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビルやザナミビル)及びM2イオンチャネル阻害剤(例えば、アマンタジンやリマンタジン)、及びウイルスの複製、転写、逆転写、又はウイルス粒子の産生を阻害する薬剤が含まれる。一実施形態では、抗ウイルス剤は、(+)−カラノリドA;(+)−ジヒドロカラノリドA;145U87;2’−C−メチル−7−デアザアデノシン;2’−C−メチルシチジン;2−非環状GMP;3,4−ジカフェオイルキナ酸;3−ヒドロキシメチルジカンファノイルケルラクトン;3−ヒドロキシフタロイル−β−ラクトグロブリン;3−ニトロソベンズアミド;4−アジドチミジン;4−メチルジカンファノイルケルラクトン;524C79;739W94;A160621;A315675;A315677;A5021;A74259;A7704;A77003;A80735;A80987;A91883A;A98881;A−837093;アバカビル;AC 2;アセマンナン;アセチルシステイン−ザンボン;ACH 126445;ACH 126447;アシクロビル(例えば、徐放、制御放出、局所パッチ);アシクロビル−PMPA;ACP HIP;アクチノヒビン;AD 439;AD 519;アダマンチルアミドジペプチド;アデホビル(例えば、ジピボキシル);ADS J1;アフォビルセン;AG 1284;AG 1350;AG 1478;AG 1859;AG 555;AG 6840;AG 6863;AG−021541;AGT−1;AHA 008;エイドファレル;AL 721;アラミフォビル;アルブフェロン;アルブミン/インターフェロンα;アルデスロイキン;ALN RSV01;アロブジン;αHGA;α−IPDX;α−アンチトリプシン;アルビルセプトスドトックス;アルボシジブ;ALX 0019;ALX 404C;AM 285;AM 365;アマンタジン;AMD 070;AMD 3329;AMD 3465;AMD 8664;アムドキソビル;アミジノマイシン;アミノペプチダーゼ;アミチビル;アンプリゲン;アンプレナビル;AMZ 0026;ANA 971;ANA 975;アンクリビロック;アンドログラフィス;抗CCR5モノクローナル抗体;抗CCR5/CXCR4ヒツジモノクローナル抗体;抗CD3モノクローナル抗体CD4IgGコンジュゲート;抗CD4モノクローナル抗体;抗CD7モノクローナル抗体;抗CD8モノクローナル抗体;抗CMVモノクローナル抗体;抗B型肝炎リボザイム;抗HIV触媒抗体;抗HIV免疫毒素(IVAX);抗HIV−1ヒトモノクローナル抗体2FS;抗HIV−1ヒトモノクローナル抗体2G12;抗HIV−1ヒトモノクローナル抗体4E10;アンチネオプラストンAS2 1(例えば、経口);抗RSV抗体(イントラセル・コーポレーション);アンチセンスオリゴヌクレオチドPB2;AUG;AOP−RANTES;アフィジコリン;アプラビロック;アプリシタビン;AQ 148;AR 132;AR 177;ARB 95214;ARB 97265;ARB 97268;アルビドール;ARQ 323;アルテムエーテル;アテルミシニン;アルテスネイト;AS 101;AT 61;アタザナビル;アテビルジン;アトルバスタチン;AV 1101;AV 2921;AV 2923;AV 2925;AV 2927;アバロール;AVI 4065;AVR 118;AXD 455;アジドジデオキシグアノシン;アゾジカルボンアミド;バイカリン;バビツキシマブ;BAY 414109;BAY 439695;BAY 504798;BAY Z 4305;BB 10010;BB 2116;BCH 10652;BCH 371;BCH 527;BCTP;BCX 140;BCX 1591;BCX 1827;BCX 1898;BCX 1923;BEA;BEA 005;ベレナミン;ベナノマイシンA;ベンザルコニウム(例えば、塩化物);塩化ベンザルコニウム/オクトキシノール9(例えば、膣用ゲル);β−D−FDOC;β−L−ddC;β−L−FddC;ベビリマット;BG 777;BGP 15;BILA 2185 BS;BILN 303 SE;BILR 355;BIRM ECA 10−142;BIVN 401;BL 1743;BLX 833(例えば、制御放出);BM 510836;BMS 181167−02;BMS 181184;BMS 182193;BMS 186318;BMS 187071;BMS 488043;BMS 806;BMY 27709;ボセプレビル(SCH 503034);ブレカナビル;ブレフェルジンA;ブレキナール;ブリブジン;BRL 47923DP;BSL 4;BST 500L;BTA 188;BTA 798;C 1605;C 2507;C 31G;カルシウムスピルラン;カンベントール;カプラビリン;カルベンダジム;炭素環式デアザアデノシン;カーボポールポリマーゲル;カルボビル;CC 3052;CD4融合毒素;CD4 IgG;CD4−リシン鎖A;セルゴシビル;セルセプト;硫酸セルロース;セファランチン;セプリーン;CF 1743;CFY 196;CGA 137053;CGP 35269;CGP 49689;CGP 53437;CGP 53820;CGP 57813;CGP 61783;CGP 64222;CGP 70726;CGP 75136;CGP 75176;CGP 75355;クロロキン(例えば、リン酸塩);CI 1012;CI 1013;シドフォビル;シルプレビル(BILN 2061);シバシル;シバミド;CL 190038;CL 387626;クレブジン;CMV 423;CMX 001;CNBA−Na;CNJ 102;コブラ毒ペプチド;コロイド銀;コノクルボン;コサラン;コスタトリド;CP 1018161;CP 38;CP 51;CPFDD;CpG 10101;CRL 1072;クロフェレマー;CS 8958;CS 92;CT 2576;CTC 96;クルクミン;カードラン硫酸;シアノビリン−N;シクロスポリン;CYT 99007;シタラビン;サイトメガロウイルス免疫グロブリン;DAB486インターロイキン−2;DABO 1220;ダコパファント;DAP 30;DAP 32;ダピビリン;ダルナビル;D−アスパラギン酸−β−ヒドロキサメート;DB 340;DDCDP−DG;DDGA;デアザアデノシン;デアザネプラノシンA;DEB 025;DEBIO−025;デラビルジン;デルミチド;デニロイキン ディフティトックス;デオキシフルオログアノシン;DES 6;デキセルブシタビン;デキストラン硫酸塩;デキストリン2−硫酸塩;DG 35;ジダノシン;ジデオキシアデノシン;ジデオキシグアノシン;ジデオキシチミジン;ジドックス;ジヒドロアルテミシニン;ジヒドロコスタトリド;ジニトロクロロベンゼン;DL 110;DMP 323;DMP 850;DMP 851;DmTr−ODN12;ドコサノール;DP 107;DPC 082;DPC 083;DPC 681;DPC 684;DPC 961;DPC 963;ドロキシナビル;DUP 925;DYE;E 913;EB−ホスカルネット;エドデキンアルファ;エドクスジン;E−EPSEU;エファビレンツ;EGS 21;EHC 18;EHT 899;エルブシタビン;EM 1421;EM 2487;エミビリン;エムトリシタビン;エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩;EMZ 702;エンフュービルタイド;エンテカビル;好酸球由来の中和剤;エピシアスタチンB;ET 007;エタネルセプト;エーテル脂質アナログ;エトビラム;エトラビリン;F 105;F 36;F 50003;ファムシクロビル;Fas−リガンド阻害剤;ファスジル;ファチビラシン A1;FEAU;フェグリマイシン;フェルビズマブ;FGI 345;フィアシタビン;フィアルウリジン;FLG;フロクスウリジン;フルチミド;フルバスタチン(例えば、ナトリウム);フォルニビルセン;フォサルブジンチドキシル;フォスアンプレナビル;ホスカルネットナトリウム;フォジブジン;FP 21399;F−PBT;FPMPA;FPMPDAP;FR 191512;FR 198248;ガラクタン硫酸塩;ガンシクロビル;GAP 31;GCA 186;GCPK;GE 20372a;GE 20372B;GEM 122;GEM 132;GEM 144;GEM 92;GEM 93;ゲムシタビン(例えば、塩酸塩);ジンセング;グラモレク;グルタチオナルセノキシド;グリコビル;グリチルリチン;GMDP;GO 6976;GO 7716;GO 7775;ゴシポール;GPG−NH2;GPI 1485;GPI 2A;GPs 0193;GR 137615;GR 137615;GR 92938X;GS 2838;GS 2992;GS 3333;GS 3435;GS 4071;GS 438;GS 7340;GS 9005;GS 9132;GS 9160;GS 930;GW 275175;GW 5950X;HB 19;HBT 946;HCV 086;HCV 371;HCV AB 68;HCV−796;HCV−SM;HE 2000;HE 317;B型肝炎免疫グロブリン;C型肝炎免疫グロブリン;Hepex C;HEPT;ヘプタザイム;HGS−H/A27;HI 236;HI 240;HI 244;HI 280;HI 346;HI 443;HI 445;ヒスタミン;ヒスタミン二塩酸塩(例えば、注射、経口);HIV DNAワクチン(アンチジェン・エクスプレス・インコーポレイテッド);HIV免疫グロブリン;HIV免疫血漿;HL 9;HOE BAY 793;HRG 214;HS 058;HuMax−HepC;ヒドロキシカルバミド;ヒドロキシクロロキン;ヒペリシン;i 152;IAZT;ICN 17261;IDN 6556;イドクスウリジン;IM28;イミキモド;ImmStat;ImmuDyn;イムノカル;Imreg 1;インカドロン酸;INCB 9471;インジナビル;インフリキシマブ;インフルエンザマトリックスタンパク質Zn2+フィンガーペプチド;インゲノールトリアセテート;イノフィラムB;イノシンプラノベクス;インターフェロン;インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b(例えば、吸入);インターフェロンアルファコン−1;インターフェロンα(例えば、徐放、鼻腔内、オムニフェロン);インターフェロンα−2b(例えば、制御放出又は経皮);インターフェロンα−2b遺伝子治療;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−1a;インターフェロンβ−1b;インターフェロンγ−1b;インターフェロンω;インターフェロンτ;インターロイキン10(例えば、ヒト組換え);インターロイキン−1受容体タイプI;インターロイキン−13;インターロイキン−15;インターロイキン−16;インターロイキン−2アゴニスト;インターロイキン−4;IPdR:イピリムマブ;イサトリビン;ISIS 13312;ISIS 14803;Iso ddA;ITI 002;ITI 011;ITMN−191;JBP 485;JCA 304;JE 2147;JM 1596;JM 2763;JTK 003;JTK 109;JTK 303;K 12;K 37;K 42;カミゾール(Kamizol)ケトキサール;キジマイシン;キスタマイシン;KKKI 538;KM 043;KNI 102;KNI 241;KNI 272;KNI 413;KNI 684;コオティクパラ(Kootikuppala);KP 1461;KPC 2;KPE 00001113;KPE 02003002;KRH 1120;L 689502;L 693549;L 696229;L 696474;L 696661;L 697639;L 697661;L 70
8906;L 731988;L 732801;L 734005;L 735882;L 738372;L 738684;L 738872;L 739594;L 748496;L 754394;L 756423;L 870810;L HAS ara AMP;ラクトフェリン;ラミブジン;ラミブジン/アバカビル;ラミブジン/ジドブジン;ラミブジン/ジドブジン/アバカビル;ラシナビル;LB 71116;LB 71148;LB 71262;LB 71350;LB 80380;LB 84451;L−チコリ酸;レシチン化スーパーオキシドジスムターゼ;レフルノミド;レンチナン;白血球インターロイキン注入(セル・サイ・コーポレーション);ロイコトリエンB4−LTB4;レブシクロセリン;レボフロキサシン;レキシスロマイシン;カンゾウ根;リポソームODG−PFA−OMe;コハク酸リチウム;ロブカビル;ロデノシン;ロピナビル;ロバスタチン;ロビリデ;ルフィロニル;LY 180299;LY 214624;LY 253963;LY 289612;LY 296242;LY 296416;LY 309391;LY 309840;LY 3111912;LY 314163;LY 314177;LY 316683;LY 326188;LY 326594;LY 326620;LY 338387;LY 343804;LY 354400;LY 355455;LY 366094;LY 366405;LY 368177;LY 73497;リゾチーム;M 40401;M4N;マドゥ(Madu);マンナン硫酸塩;MAP 30;マラビロク;マリバビル;マソプロコール;MB−ホスカルネット;MC 207044;MC 207044;MC 207685;MC 867 mCDS71;MDI−P;MDL 101028;MDL 20610;MDL 27393;MDL 73660;MDL 74428;MDL 74695;MDL 74968;MDX 240;ME 3738;ME 609;MEDI 488;メデューサインターフェロン;MEN 10690;MEN 10979;MER N5075A;メリメポディブ(VX−497);メチオニン−エンケファリン;メチサゾン;メバスタチン;MGN 3;ミケラミンB;ミグルスタット;オオアザミ;ミトキノン;MIV 150;MIV 210;ミボチレート;MK 0518;MK 944A;MM 1;MMS 1;MOL 0275;モノクローナル抗体1F7;モノクローナル抗体2F5;モノクローナル抗体3F12;モノクローナル抗体447−52D;モノクローナル抗体50−61A;モノクローナル抗体B4;モノクローナル抗体HNK20;モノクローナル抗体NM01;モピリドン(Mopyridone);モロキシジン;モタビズマブ;モテキサフィンガドリニウム;モゼナビル;MPC 531;MRK 1;MS 1060;MS 1126;MS 8209;MS 888;MSC 127;MSH 143;MTCH 2;MTP−PE;ムラブチド;MV 026048;MX 313;ミコフェノール酸モフェチル;ミコフェノチン酸(Mycophenotic Acid);ナブリジン;NB 001;ネルフィナビル(例えば、メシル酸塩);ネオマイシンB−アルギニンコンジュゲート;ネオトリプテリフォーディン;ネビラピン;NIM 811;ニタゾキサニド;一酸化窒素(例えば、プロストラカン);ニトロデアザウリジン;NM 01;NM 49;NM 55N−ノニル−DNJ;NNY−RANTES;ノナカイン;NOV 205;NP 06;NP 77A;NPC 15437;NSC 158393;NSC 158393;NSC 20625;NS 287474;NSC 4493;NSC 615985;NSC 620055;NSC 624151;NSC 624321;NSC 627708;NSC 651016;NSC 667952;NSC 708199;NV 01;NV−08;オクトキシノール9;OCX 0191;OH 1;OKU 40;OKU 41;オルチプラズ;オマシクロビル(OMaciclovir);オパビラリン;OPT TL3;オラジェン(Oragen);ORI 9020;オセルタミビル;オキセタノシン;オキソチアゾリジンカルボキシレート;P 56;PA 344/PA 344B;パリナビル;パリビズマブ;PAMBAEEG;パプアミドA;PBS 119;PC 1250;PC 515;PCL 016;PD 0084430;PD 144795;PD 153103;PD 157945;PD 169277;PD 171277;PD 171791;PD 173606;PD 173638;PD 177298;PD 178390;PD 178392;PD 190497;ペグアルデスロイキン(Pegaldesleukin);ペグインターフェロンα−2a;ペグインターフェロンα−2b;ペグインターフェロンアルファコン−1;ペグ化インターフェロン;ペグ化チマルファシン;ペルデシン;PEN 203;ペンシクロビル;ペントサンポリサルフェート;ペントキシフィリン;ペプチドT;ペラミビル;PETT 4;PF−03491390;PG 301029;PG 36;フェロデンドリン;ホスファチジルラミブジン;ホスファチジルザルシタビン;ホスファチジルジドブジン;ホスファジド;ホスフィン酸シクロクレアチン;ピノシルビン;ピロダビル;PL 2500;プレコナリル;プレリキサフォル;PM 104;PM 19;PM 523;PM 92131;PM 94006;PEDAP;PMS 601;PMTG;PMTI;PN 355;PNU 103657;PNU 142721;ポドフィロトキシン;ポリICLC;ポリアデニル酸−ポリウリジル酸;クレスチン(ポリサッカライドK);PP 29;PPB 2;PPL 100;プラデフォビル;プラジミシンA;プラステロン;PRO 140;PRO 2000;PRO 367;PRO 542;プロブコール(バイレックス社);プロパゲルマニウム;プロストラチン;プソイドヒペリシン;PSI 5004;PSI−6130;PTPR;PTX 111;ピリフェロン;Q 8045;QM 96521;QM 96639;QR 435;キノベン;キノキサペプチンA;キノキサペプチンB;QYL−438;QYL−609;QYL−685;QYL−769;R 1518;R 1626;R 170591;R 18893;R 61837;R 71762;R 803;R 82150;R 82913;R 851;R 87366;R 91767;R 944;R 95288;R−1626;R7128;ラルリジン;ラマトロバン;ランピルナーゼ;RB 2121;RBC CD4;RD 30028;RD 42024;RD 42138;RD 42217;RD 42227;RD 62198;RD 65071;RD6 Y664;レガビルマブ;レシキモド;レソベン;RSウイルス免疫グロブリン;レトロジェン(Retrogen);REV 123;RFID 641;リバビリン;リルピビリン;リマンタジン;リトナビル;RKS 1443;RO 0334649;RO 247429;RO 250236;RO 316840;RO 54445;ロバスタフラボン;ロリプラム;ロシグリタゾン;RP 70034;RP 71955;RPI 312;RPI 856;RPR 103611;RPR 106868;RPR 111423;RS 654;RS 980;RSV 604;ルビテカン;ルピントリビル;S 1360;S 2720;S 9a;SA 1042;SA 8443;サキナビル(例えば、メシル酸塩);サルグラモスチム;S 180922;SB 205700;SB 206343;SB 73;SC 49483;SC 55099;SCH 350634;SCH 6;マツブサ(Schisandra);SCV 07;SCY−635;SD 894;S−DABO;SDF 1;SDZ 282870;SDZ 283053;SDZ 283471;SDZ 89104;SDZ PRI 053;SE 063;セマピモド;セビルマブ;SF 950;SF 953;シアマイシン1;シアマイシン2;sICAM−1;シフビルチド;SIGA 246;シリピド;シンバスタチン;シンバスタチンヒドロキシル酸アンモニウム塩;シゾフィラン;SJ 3366;SK 034;SKF 108922;SKI 1695;SO 324;ラウリル硫酸ナトリウム;ソルテイン(Solutein);ソリブジン(例えば、熱帯(tropical));SP 10;SP 1093v;スパルフォス酸;SPC 3;SPD 756;SpecifEx−Hep B;SPI 119;SPL 2992;SPL 7013;SPV 30;SR 10204;SR 10208;SR 11335;SR 3745A;SR 3773;SR 3775;SR 3784;SR 3785;SR 3785;SR 41476;SRL 172;SRR SB3;ST 135647;スタキフリンスタリマイシン;スタンピジン;スタトロン;スタブジン;ステポニン(Steponin);スクスドルフィン;硫酸化マルトヘプタオース;スーパーオキシドジスムターゼ;スラミン(例えば、ナトリウム塩);Sy 801;T 1100;T 118;T 22;T 30695;T 611;T 705;T4GEN;タクリン;TAK 220;TAK 652;TAK 779;タルビラリン;TAP 29;タリババリン(Taribavarin);TASP;テセロイキン;テコガラン(例えば、ナトリウム塩);TEI 2306;テラプレビル(VX−950);テルビブジン;テリナビル;テマクラジン;テニダップ;テノホビル;テノホビルジソプロキシルフマル酸塩;TGG II 23A;TH 9407;TH 9411;サリドマイド;チオホスホノギ酸;チオビル;チマルファシン(例えば、ザダキシン);チモクトナン;サイモシン第5分画;チモトリナン;胸腺抽出物;tICAM−1;チフビルチド;ティラルギニン;チプラナビル;チビシクロビル;チビラピン;TJ 41;TJ 9;TL 3024;TMC 126;TNF−α阻害剤;TNK 6123;TNX 355;トドキシン(Todoxin);TOFA;トメグロビル;トランスフォーミング増殖因子α;TraT;トレコビルセン;トレマカムラ;トリコサンチン;トリシリビン;トリコナル(Triconal);トリフルリジン;トリミドックス(Trimidox);トロズスクエミン;トロマンタジン;トロビルジン;ツカレソール;ツニカマイシン;ツビルマブ;U 103017;U 75875;U 78036;U 80493;U 81749;U 88204E;U 96988;U 9843;UA 926;ウベニメクス;UC 10;UC 16;UC 38;UC 42;UC 68;UC 70;UC 781;UC 81;UC 82;UIC 94003;ウクライン(Ukrain);UL36ANTI;UMJD 828;ウルソデオキシコール酸;UT 231B;バラシクロビル;バルガンシクロビル;バロピシタビン(NM 238);バロピシタビン(NM−238);バルトルシタビン;水痘・帯状疱疹免疫グロブリン;VB 19038;ベスナリノン;VF 1634;VGV 1;VGX 410;ビクリビロック;ビダラビン;ビンクリスチン(例えば、硫酸塩);VIR 101;ビラプレキシン(Viraprexin);ヴィロディン;ヴィロスタット(Virostat);セイヨウヤドリギ抽出物;VP 50406;VRT 21493;VRX 496;VX 10166;VX 10217;VX 10493;VX 11106;WF 10;WHI 05;WHI 07;WIN 49569;WIN 49611;WM 5;WR 151327;XK 216;XK 234;XN 482;XP 951
;XQ 9302;XR 835;XTL 2125;XTL 6865;XU 348;XU 430;Y−ART−3;YHI 1;YK FH312;Z 100;Z 15;ザルシタビン;ザナミビル;ジドブジン(例えば、リン酸−ジダノシン二量体);ジドブジン三リン酸模倣体;ZX 0610;ZX 0620;ZX 0791;ZX 0792;ZX 0793;ZX 0851;ZY II、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一実施形態では、抗ウイルス剤は、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル(アゲネラーゼ)、アンプリゲン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、バラビル(Balavir)、シドフォビル、コンビビル、ドルテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルタイド、エンテカビル、エコリエベル(Ecoliever)、ファムシクロビル、固定用量の組み合わせ(抗レトロウイルス)、フォミビルセン、フォスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤、ガンシクロビル、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、インターフェロンIII型、インターフェロンII型、インターフェロンI型、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル、ニタゾキサニド、ヌクレオシド類似体、ノヴィル(Novir)、オセルタミビル、ペグインターフェロンα−2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピラミジン、サキナビル、ソフォスブビル、スタブジン、相乗的エンハンサー(抗レトロウイルス)、テラプレビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、トルバダ、バラシクロビル(バルトレックス)、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、ザナミビル(リレンザ)、ジドブジン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
抗寄生虫剤の例には、ベフェニウム、ジエチルカルバマジン、イベルメクチン、ニクロサミド、ピペラジン、プラジカンテル、ピランテル、ピルビニウム、アルベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、チアベンダゾール、安息香酸ベンジル、安息香酸ベンジル/ジスルフィラム、リンデン、マラチオン、ペルメトリン、ベンジルアルコール、ピペロニルブトキシド/ピレトリン、スピノサド、及びクロタミトンが含まれる。
本明細書に開示される方法のいずれかで使用されるジピベフリンは、遊離塩基又はその薬学的に許容される塩であり得る。好ましくは、ジピベフリン塩は酸付加塩であり、例えば、ジピベフリン塩酸塩である。ジピベフリンは、ラセミ体のジピベフリン又は光学的に精製されたD−もしくはL−ジピベフリン、好ましくはL−ジピベフリンであり得る。
さらに、ジピベフリンは、薬学的に許容される同位体標識で同位体標識することができる。同位体標識されたジピベフリン、又はその塩もしくは誘導体に含めるのに適した同位体の例には、2Hや3Hなどの水素の同位体、11C、13C、14Cなどの炭素の同位体、36Clなどの塩素の同位体、13Nや15Nなどの窒素の同位体、15O、17O、18Oなどの酸素の同位体が含まれる。同位体標識されたジピベフリンは、当業者に知られている従来の技術によって調製することができる。
特定の同位体標識されたジピベフリン、例えば、放射性同位元素を組み込んだものは、薬物及び/又は組織基質分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわち3H、及び炭素−14、すなわち14Cは、組み込みが容易であり、検出手段が用意されていることから、この目的に特に有用である。重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体での置換は、代謝安定性の向上、たとえば生体内半減期の増加又は必要な投与量の減少から生じる特定の治療上の利点をもたらす可能性があることから、状況によっては好ましい場合がある。11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体の占有率を調べるための陽電子放出型断層撮影法(PET)の研究に役立つ。
また、ジピベフリン又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、多形体、類似体、プロドラッグ又は誘導体を含む組成物も開示される。組成物は、医薬用途に適している場合があり、医薬組成物の形態であってもよい。医薬組成物は、任意の適切な形態を有し得るものであり、錠剤、カプセル、凍結乾燥された固体、溶液、懸濁液、又はそれらの組み合わせであり得る。医薬組成物は、静脈内、注射用、局所、又は経口剤形であり得る。医薬組成物は、非経口投与を意図した剤形、例えば、投与前に再構成が必要な凍結乾燥固体、又は凍結乾燥固体の再構成溶液であってよい。医薬組成物は、錠剤又はカプセルの形態の経口剤形であり得る。好ましい実施形態では、ジピベフリンは、固体、半固体、液体、粉末、小袋などを含む任意の経口剤形に製剤される。固体経口剤形には、例えば、錠剤、カプセル(ハードもしくはソフト)、又はサブユニットなどが含まれ得る。「サブユニット」は、単独で、又は他のサブユニットと組み合わせたときに経口剤形を提供することができるミニタブレット、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、シード、ペレット、カプレット、マイクロカプセル、顆粒、粒子などを含む。例示的な半固体又は液体剤形には、懸濁液、溶液、乳濁液などが含まれる。固体経口剤形はまた、口腔内溶解/崩壊剤形(ODT)を含むことができる。例示的なODTには、口腔内溶解/崩壊錠剤、口腔内溶解フィルム、並びに急速溶解/崩壊舌下錠剤及びフィルムなどの舌下/舌/口腔送達を意図した剤形が含まれる。
経口剤形は、即時放出、制御放出、持続放出、又は持続放出を含む特定のタイプの放出のために製剤することができる。
ジピベフリン組成物を含む医薬組成物は、本明細書に開示される方法のいずれかにおいて使用され得る。
ジピベフリン組成物は、一般に、治療有効量で医薬組成物内に存在する。本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、患者への投与時に、認識可能な患者の利益をもたらす量である。ジピベフリン組成物の有効量は、約0.001mg/kg〜約1000mg/kg、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約10mg/kg〜約250mg/kg、約0.1mg/kg〜約15mg/kg、又は、範囲の下限が0.001mg/kg〜900mg/kgの間の任意の量であり、範囲の上限が0.1mg/kg〜1000mg/kgの間の任意の量(例えば、0.005mg/kg及び200mg/kg、0.5mg/kg及び20mg/kg)の範囲であり得る。当業者に認識されるように、治療される疾患、投与経路、賦形剤の使用、及び他の薬剤の使用などの他の治療的処置との併用の可能性に応じて、有効量も変化する。
医薬組成物は、ジピベフリンを薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることを含む工程によって調製することができる。したがって、本開示は、医薬組成物の製造における上記のジピベフリン組成物の使用をさらに包含する。製造を容易にするため、安定性を高めるため、製品の特性を高めるため、生物学的利用能を高めるため、患者の受容性を高めるためなどに賦形剤を添加することができる。医薬賦形剤には、担体、充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、造粒剤、圧縮助剤、着色剤、甘味剤、保存剤、懸濁剤、分散剤、皮膜形成剤、香味剤、印刷インキ、緩衝剤、pH調整剤、矯味剤などが含まれる。場合によっては、単一の材料が前述の一般的な分類の2つ以上を満たすこともある。
また、ジピベフリン及び少なくとも1つの他の活性剤、及び少なくとも1つの医薬賦形剤を含む組み合わせ医薬組成物が開示される。
本明細書で提供される治療又は使用の方法を実施する際、本明細書で開示される治療有効量の化合物が、治療される疾患、障害、又は状態を有する哺乳動物に投与される。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。化合物の治療有効量は、化合物、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康、並びに他の要因に応じて異なり得る。
本明細書で使用される「組み合わせ」という用語は、ジピベフリンと任意の追加の治療剤の混合又は結合から生じ、固定及び非固定の両方の組み合わせを含む製品を意味する。「固定された組み合わせ」という用語は、ジピベフリン及び追加の治療剤が単一の実体又は剤形で投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は、ジピベフリン及び追加の治療剤が別個の実体又は剤形として、同時又は逐次のいずれかで特定の介在する時間制限なしに投与されることを意味し、そのような投与は患者の体内で2つの化合物の治療上有効なレベルを提供する。後者は、例えば、3つ以上の有効成分の投与のようなカクテル(多剤併用)療法にも適用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬の組み合わせ及び/又は組成物はまた、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸及び塩酸などの酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム及びトリス−ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基、並びにクエン酸塩/ブドウ糖、重炭酸ナトリウム及び塩化アンモニウムなどの緩衝液を含む、1つ以上のpH調整剤又は緩衝剤を含む。そのような酸、塩基及び緩衝液は、組成物のpHを許容範囲に維持するために必要な量で含まれる。
いくつかの実施形態では、医薬の組み合わせ及び/又は組成物はまた、組成物の浸透圧を許容範囲内にするために必要な量の1つ又は複数の塩を含む。そのような塩には、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムのカチオン及び塩化物、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩又は重亜硫酸塩のアニオンが含まれる;適切な塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムが含まれる。
本明細書に記載の医薬製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、口腔内、舌下、局所、直腸、吸入及び経皮の投与経路を含むが、これらに限定されない複数の投与経路によって対象に投与することができる。本明細書に記載される医薬製剤には、水性液体分散液、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、粉末、即時放出製剤、制御放出製剤、高速溶解製剤、錠剤、カプセル、丸薬、遅延放出製剤、徐放製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤、及び即時放出と制御放出の混合製剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物を含む医薬の組み合わせ及び/又は組成物は、従来の方法、例えば、ほんの一例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、粉末化、乳化、カプセル化、封入又は圧縮工程によって製造される。
「消泡剤」は、水性分散液の凝固、完成したフィルム中の気泡、又は一般的に処理を妨げる可能性がある、処理中の発泡を低減する。例示的な消泡剤には、シリコンエマルション又はセスキオレイン酸ソルビタンが含まれる。
「抗酸化剤」としては、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム及びトコフェロールが含まれる。特定の実施形態では、抗酸化剤は、必要とされる化学的安定性を高める。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、微生物の活動を阻害するための1つ又は複数の保存剤も含む。適切な保存剤にはメルフェンやチメロサールなどの水銀含有物質;安定した二酸化塩素;塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウムなどの第四級アンモニウム化合物、及びパラベンが含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤は、抗酸化剤、金属キレート剤、チオール含有化合物及び他の一般的な安定剤から恩恵を受ける。このような安定剤の例には、(a)約0.5%〜約2%w/vのグリセロール、(b)約0.1%〜約1%w/vのメチオニン、(c)約0.1%〜約2%w/vのモノチオグリセロール、(d)約1mM〜約10mMのEDTA、(e)約0.01%〜約2%w/vのアスコルビン酸、(f)0.003%〜約0.02%w/vのポリソルベート80、(g)0.001%〜約0.05%w/vのポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)デキストラン硫酸塩、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリ硫酸塩及び他のヘパリン類似物質、(m)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリ硫酸塩及び他のヘパリン類似物質、(m)マグネシウムや亜鉛などの二価カチオン、又は(n)それらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
「結合剤」は、凝集性を付与し、例えば、アルギン酸及びその塩;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、メトセル(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、エトセル(登録商標))及び微結晶セルロース(例えば、アビセル(登録商標))などのセルロース誘導体;微結晶デキストロース;アミロース;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;多糖類酸;ベントナイト;ゼラチン;ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー;クロスポビドン;ポビドン;デンプン;α化デンプン;トラガカント、デキストリン、スクロース(例えば、ダイパック(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、キシリタブ(登録商標))、及びラクトースなどの糖;アカシアなどの天然又は合成ゴム、トラガカント、ガティガム、オオバコ殻の粘液、ポリビニルピロリドン(例:ポリビドン(登録商標)CL、コリドン(登録商標)CL、ポリプラスドン(登録商標)XL−10)、カラマツのアラボガラクタン(arabogalactan)、ビーガム(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどを含む。
「担体」又は「担体材料」は、医薬品において一般的に使用される任意の賦形剤を含み、ジピベフリンの化合物などの本明細書に開示される化合物との適合性、及び所望の剤形の放出プロファイル特性に基づいて選択されるべきである。例示的な担体材料には、例えば、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、希釈剤などが含まれる。「薬学的に適合性のある担体材料」には、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル、カゼインナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスホチジルコリン(phosphotidylcholine)、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、セルロース及びセルロース複合体、糖類、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナンモノグリセリド、ジグリセリド、α化デンプンなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、レミントン:The Science and Practice of Pharmacy、Nineteenth Ed(Easton、PA:Mack Publishing Company、1995年);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa. 1975年;リーベルマン,H.A.及びラクマン,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N〇Y.,1980年;並びにPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins 1999年)を参照のこと。
「分散剤」及び/又は「粘度調整剤」は、液体媒体又は造粒法又はブレンド法により薬物の拡散及び均一性を制御する材料を含む。いくつかの実施形態では、これらの薬剤はまた、被覆又は侵食マトリックスの有効性を促進する。例示的な拡散促進剤/分散剤には、例えば、親水性ポリマー、電解質、ツイーン(登録商標)60又は80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;商業的にプラスドン(登録商標)として知られている)、並びに炭水化物ベースの分散剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、HPC、HPC−SL、及びHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、及びHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムトリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(s630)、エチレンオキシドとホルムアルデヒドを含む4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポールとしても知られている)、ポロキサマー(例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるプルロニックF68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標));ポロキサミン(例えば、テトロニック908(登録商標)や、ポロキサミン908(登録商標)としても知られる、エチレンジアミンへのプロピレンオキシドとエチレンオキシドの逐次付加により生成される4官能性ブロックコポリマー(ビーエーエスエフ・コーポレーション、ニュージャージー州パーシッパニー))、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S−630)、ポリエチレングリコール、例えば、約300〜約6000、又は約3350〜約4000、又は約7000〜約5400の分子量を有することができるポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリソルベート−80、アルギン酸ナトリウム、例えばトラガカントガム及びアカシアガム、グアーガムなどのガム、キサンタンガムを含むキサンタン、糖類、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース剤、ポリソルベート−80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、カルボマー、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸塩、キトサン及びそれらの組み合わせが含まれる。セルロース又はトリエチルセルロースなどの可塑剤も分散剤として使用できる。リポソーム分散液及び自己乳化分散液の中で特に有用な分散剤は、ジミリストイルホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルグリセロール、コレステロール及びミリスチン酸イソプロピルである。
1つ又は複数の侵食促進剤と1つ又は複数の拡散促進剤との組み合わせもまた、本組成物において使用され得る。
「希釈剤」という用語は、送達前に目的の化合物を希釈するために使用される化学化合物を指す。希釈剤は、より安定した環境を提供できるため、化合物を安定させるために使用され得る。緩衝液に溶解した塩(これはまた、pH制御又は維持を提供することができる)は、リン酸緩衝食塩水を含むがこれに限定されず、当技術分野で希釈剤として利用される。特定の実施形態では、希釈剤は、組成物の嵩を増加させて、圧縮を容易にするか、又はカプセル充填のための均質なブレンドに十分な嵩を作り出す。そのような化合物には、例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、アビセル(登録商標)などの微結晶セルロース;二塩基性リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム;無水乳糖、噴霧乾燥乳糖;アルファ化デンプン、ダイパック(登録商標)(アムスター社)などの圧縮可能糖;マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロースベースの希釈剤、粉砂糖;一塩基性硫酸カルシウム一水和物、無水硫酸カルシウム;硫酸カルシウム三水和物、デキストレーツ;加水分解された穀類固形物、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム;グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイトなどが含まれる。
用語「崩壊する」は、胃腸液と接触したときの剤形の溶解及び分散の両方を含む。「崩壊剤」は、物質の分解又は崩壊を促進する。崩壊剤の例には、デンプン、例えばトウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンなどの天然デンプン、National 1551やAmijel(登録商標)などのアルファ化デンプン、又はプロモゲル(登録商標)やエキスプロタブ(登録商標)などのデンプングリコール酸ナトリウム、木製品などのセルロース、アビセル(登録商標)、アビセル(登録商標)PH101、アビセル(登録商標)PH102、アビセル(登録商標)PH105、エルセマ(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、MingTia(登録商標)、及びSolka−Floc(登録商標)などのメチル結晶セルロース、メチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(アクジゾル(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロースなどのクロスカルメロース又は架橋セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドンなどの架橋ポリマー、アルギン酸などのアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ビーガム(登録商標)HV(ケイ酸マグネシウムアルミニウム)などの粘土、アガー、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、トラガカントなどのガム、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、海綿、界面活性剤、陽イオン交換樹脂などの樹脂、柑橘ジュース粕、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどが含まれる。
「薬物吸収」又は「吸収」は、例えば、胃腸管から門脈又はリンパ系に移動する薬物、及び舌下の組織又は口腔粘膜を介して血流に拡散する薬物など、典型的には、薬物の投与部位から境界を越えて血管又は作用部位へと薬物が移動する過程を指す。
「腸溶コーティング」は、胃では実質的に無傷のままであるが、小腸又は結腸で溶解及び薬物の放出を行う物質である。一般に、腸溶性コーティングは、胃の低pH環境での放出を防止するが、より高いpH、典型的には6〜7のpHではイオン化し、それにより小腸又は結腸で十分に溶解して、そこに活性剤を放出するポリマー材料を含む。
「侵食促進剤」は、胃腸液中の特定の物質の侵食を制御する物質を含む。侵食促進剤は一般に当業者に知られている。例示的な侵食促進剤には、例えば、親水性ポリマー、電解質、タンパク質、ペプチド、及びアミノ酸が含まれる。
「充填剤」は、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレーツ、デキストラン、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどの化合物を含む。
本明細書に記載の製剤に有用な「香味剤」及び/又は「甘味剤」には、例えば、アカシアシロップ、アセスルファムK、アリテームアニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、クロスグリ、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、カンフル、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、バブルガム、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、綿あめ、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツパンチ、ショウガ、グリチルレチン酸、カンゾウ(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、はちみつ、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリジン酸モノアンモニウム(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープルマシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、ナシ、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)パウダー、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、シリトール(sylitol)、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム(Swiss cream)、タガトースタンジェリン、ソーマチン、トゥッティフルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、セイヨウミザクラ、ウィンターグリーン、キシリトール、又は、例えばアニス-メントール、チェリーアニス、シナモンオレンジ、チェリーシナモン、チョコレートミント、ハニーレモン、レモンライム、レモンミント、メントールユーカリ、オレンジクリーム、バニラミントなどのこれらの香味成分の任意の組み合わせ、及びそれらの混合物が含まれる。
「潤滑剤」及び「流動促進剤」は、材料の付着又は摩擦を防止、低減又は阻害する化合物である。例示的な潤滑剤には、例えば、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、ステアリルフマル酸ナトリウム、鉱油などの炭化水素、又は水素化大豆油(Sterotex(登録商標))などの水素化植物油、高級脂肪酸、並びにそれらと、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属との金属塩、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG−4000)又はCarbowax(登録商標)などのメトキシポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウム又はラウリル硫酸ナトリウム、Syloid(登録商標)、Cab−O−Sil(登録商標)などのコロイダルシリカ、トウモロコシデンプンなどのデンプン、シリコーンオイル、界面活性剤などが含まれる。
「測定可能な血清濃度」又は「測定可能な血漿濃度」は、典型的にはmg、μg、ng、又はpg/mlで測定される血清又は血漿濃度を表す。「薬力学」とは、投与後に血流に吸収された、血清1mL、dL、又はLあたりの治療薬の作用部位での薬物濃度に対して観察される生物学的応答を決定する因子を指す。本明細書で使用される場合、測定可能な血漿濃度は、典型的には、pg/ml、ng/ml又はμg/mlで測定される。
「薬物動態」とは、作用部位での薬物の適切な濃度の達成及び維持を決定する因子を指す。
「可塑剤」は、マイクロカプセル化材料又はフィルムコーティングを軟化させて、それらをより脆くしないようにするために使用される化合物である。好適な可塑剤には、例えば、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1450、PEG 3350、及びPEG 800などのポリエチレングリコール、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース並びにトリアセチンが含まれる。いくつかの実施形態では、可塑剤はまた、分散剤又は湿潤剤として機能することができる。
「可溶化剤」には、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ビタミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、カプチゾール、エタノール、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁酸塩、ポリエチレングリコール200−600、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビドなどの化合物が含まれる。
「安定剤」は、任意の抗酸化剤、緩衝剤、酸、保存剤などの化合物を含む。
本明細書で使用される「定常状態」は、投与される薬物の量が、1つの投薬間隔内で排除される薬物の量に等しく、その結果、プラトー又は一定の血漿薬物曝露をもたらす場合である。
「懸濁剤」には、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、又はポリビニルピロリドンK30などのポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、ポリエチレングリコール、例えば、約300〜約6000、又は約3350〜約4000、又は約7000〜約5400の分子量を有することができるポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースアセテートステアレート、ポリソルベート−80、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、例えば、トラガカントガム及びアカシアガム、グアーガムなどのガム、キサンタンガムを含むキサンタン、糖類、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース、ポリソルベート−80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドンなどの化合物が含まれる。
「界面活性剤」には、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ツイーン60又は80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリル、例えば、プルロニック(登録商標)(ビーエーエスエフ)などのエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、などの化合物が含まれる。他のいくつかの界面活性剤には、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び植物油;並びにオクトキシノール10、オクトキシノール40などのポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルフェニルエーテルが含まれる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、物理的安定性を高めるために、又は他の目的のために含まれる。
「粘度増強剤」としては、例えば、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサン及びそれらの組み合わせが含まれる。
「湿潤剤」には、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ドクサートナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ツイーン80、ビタミンE TPGS、アンモニウム塩などの化合物が含まれる。
製剤
ジピベフリン組成物の製剤は、経口、(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、及び髄内を含む)非経口、腹腔内、経粘膜、経皮、直腸、肺、鼻腔、並びに(皮膚、口腔、舌下及び眼内を含む)局所の投与に適したものが含まれるが、最も適切な経路は、例えば、受容者の状態及び障害に依存し得る。製剤は、好都合には単位剤形で提供されてもよく、製薬業界で周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。すべての方法は、主題の開示の化合物もしくは薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物、水和物、プロドラッグ、類似体及び誘導体(「有効成分」)を、1つ又は複数の副成分を構成する担体と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、有効成分を液体担体もしくは微粉固体担体又はその両方と均一かつ密接に会合させ、その後、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。
経口投与に適したジピベフリン組成物の製剤は、それぞれ所定量の有効成分を含有するカプセル、カシェ剤又は錠剤などの個別の単位として、粉末又は顆粒として;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として;又は、水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルション、又は水性もしくは非水性液体又はシクロデキストリンとの複合体に懸濁したサブミクロン粒子として提示することができる。有効成分はまた、ボーラス、舐剤又はペーストとして提供されてもよい。
経口で使用できるジピベフリン組成物の医薬製剤には、錠剤、ゼラチン製の押し込み型カプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤製のソフト密封カプセルが含まれる。錠剤は、任意で1つ又は複数の副成分とともに、圧縮又は成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、粉又は顆粒などの自由流動形態の活性成分を適切な機械で圧縮し、任意で結合剤、不活性希釈剤、又は潤滑剤、界面活性剤もしくは分散剤と混合することにより調製できる。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することによって作製することができる。錠剤は、任意でコーティング又は刻み目を入れてもよく、その中の活性成分が徐放又は制御放出によって提供されるように製剤してもよい。経口投与用のすべての製剤は、そのような投与に適した用量でなければならない。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、並びに任意に安定剤と混合した有効成分を含むことができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁することができる。さらに、安定剤を加えてもよい。糖衣錠のコアには適切なコーティングが施されている。この目的のために、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を任意に含むことができる濃縮糖溶液を使用することができる。識別のため又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠のコーティングに添加することができる。
ジピベフリン組成物の医薬製剤は、経口投与用に口腔内溶解錠剤又は口腔内崩壊錠剤(ODT)として製剤化することができる。ODTは、全体を飲み込むのではなく、舌で溶解するか、口の中で崩壊するように設計されているという点で、従来の錠剤とは異なる。ODTは、嚥下障害(嚥下困難)を経験する患者や、コンプライアンスが既知の問題である場合に代替剤形として機能し、その結果服用しやすい剤形で確実に薬を服用できる。ODTは、胃前吸収による薬物作用により作用の発現が速く、錠剤又はカプセルよりも薬物動態が改善される可能性があり、かつ水なしでも服用できる便利な錠剤である。
経口、口腔内、舌上及び舌下の投与に適したジピベフリン組成物を含有する口腔内溶解剤形の製造工程は当技術分野で知られており、従来の打錠技術、凍結乾燥技術、及びフロスベース(floss−based)の打錠技術が含まれるが、これらに限定されない。
従来の錠剤処理は、取り扱い、包装、及び迅速な崩壊を容易にするための従来の錠剤特性を特徴とする(T.K.ゴーシュ,2003年10月29日,American Association of Pharmaceutical Scientists)。この技術は、迅速な崩壊及び高い圧縮性を促進する水溶解特性を持つ、物理的に修飾された多糖類の組み合わせに基づいている。その結果、ボトルへの包装に適した硬度を持ち、取り扱いが簡単な迅速崩壊性錠剤になる。特定の実施形態において、製造工程は、成形性の高い糖(例えば、マルトース、ソルビトール、トレハロース、及びマルチトール)で迅速な溶解特性を示す成形性の低い糖(例えば、マンニトール、ラクトース、グルコース、スクロース、及びエリスリトール)を造粒することを含む。その結果、溶解性が高く、成形性の高い賦形剤が混合される(ハミルトンら,2005年,Drug Deliv. Technol. 5巻:34−37頁)。ジビベフリンは、造粒又は混合工程中に、他の標準的な打錠賦形剤とともに添加できる。錠剤は、低い圧縮力で製造され、その後、錠剤の硬度を高めるための任意の湿度調整処理が続く(パラクら,2003年,Pharm.Tech.27巻:92−100頁)。
他の実施形態では、ジピベフリンを含む圧縮された経口、口腔又は舌下錠剤は、有効成分、発泡性賦形剤、及び矯味剤の直接圧縮を含む従来の錠剤化工程に基づく。湿気と接触すると発泡性二酸化炭素が生成されるため、錠剤はすぐに崩壊する。発泡性賦形剤(発泡性カップル(effervescence couple)として知られる)は、化学量論的に少ない量の塩基材料を使用して有機酸結晶をコーティングすることにより調製される。有機酸結晶の粒子サイズは、塩基賦形剤よりも大きくなるように注意深く選択され、酸結晶上への塩基賦形剤の均一なコーティングを確実にする。コーティング工程は、反応開始剤(この場合は精製水)の添加により開始される。反応は、有機酸結晶への塩基性コーティングが完了する程度までしか進行させられない。反応停止に必要な終点は、二酸化炭素の発生を測定することによって決定される。次に、賦形剤は、有効成分又は有効微小粒子及び他の標準的な錠剤化賦形剤と混合され、次いで錠剤に圧縮される。
さらに他の実施形態では、経口、口腔又は舌下錠剤は、非圧縮性充填剤を矯味賦形剤及び有効成分と組み合わせて乾式混合物にすることにより作製される。混合物は、従来の回転式打錠機を使用して錠剤に圧縮される。この工程で製造された錠剤は、機械的強度が高く、ブリスターパック又はボトルに包装できるほど頑丈である(オーロラら.,2005年.Drug Deliv.Technol.5巻:50−54頁)。他の実施形態では、この方法は、ミント、チェリー、及びオレンジなどの矯味甘味剤並びに香味剤をさらに包含する。特定の実施形態では、この工程で作製されたジピベフリン錠剤は5〜45秒で、口内で崩壊するはずであり、エピネフリンを含む筋肉内又は皮下剤形と生物学的に同等であるように製剤することができる。
凍結乾燥工程は、予め形成されたブリスターポケットに充填された薬物(例えば、ジピベフリン)、マトリックス形成剤、及び他の賦形剤の液体混合物からの(凍結乾燥時の昇華による)水の除去を含む。形成されたマトリックス構造は性質上非常に多孔性であり、唾液と接触すると急速に溶解又は崩壊する(サストリーら.,2005年,Drug Delivery to the Oral Cavity:Molecule to Market,311−316頁)。一般的なマトリックス形成剤には、構造強度を提供するためにガラス状のアモルファス混合物を形成するゼラチン、デキストラン、又はアルギン酸塩;結晶化度及び硬度を付与するためのマンニトール又はソルビトールなどの糖類;並びに、凍結乾燥工程中に製造工程媒体として機能し、昇華時に多孔質構造を誘導する水、が含まれる。さらに、マトリックスは、甘味剤、香味剤などの矯味剤、クエン酸などのpH調整剤、及び昇華前に媒体中の懸濁薬物の水安定性を確保するための保存剤を含む場合がある。この実施形態では、ジピベフリンを含む凍結乾燥した口腔内溶解/崩壊剤形を製造して、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデンのプラスチックパックにパッケージ化するか、ラミネート又はアルミ多層ラミネートポーチに梱包して、製品を外部の湿気から保護することができる。
ODTを製造するための他の既知の方法には、凍結乾燥(例えば、リオック(ファーマリオック、現在はセファロン、ペンシルベニア州フレイザー))及びクイックソルブ(ジャンセン・ファーマシューティカ、ベーアセ、ベルギー国)が含まれる。リオックは、水中油型エマルションをブリスターに直接入れて凍結乾燥することにより製造され、その後密封される多孔性の固体ウェーハである。ウェーハは、高い薬物投与量に対応でき、急速に崩壊するが、機械的強度が不十分である(欧州特許第0159237号を参照)。クイックソルブタブレットは、マトリックス製剤の水性分散液又は溶液を凍結することにより多孔質固体マトリックスを作成するという、同様の技術で作られている。この工程は、過剰なアルコールを使用して水を除去(溶媒抽出)することで機能する。
他の実施形態では、フロスベースの錠剤技術(例えば、フラッシュドーズ、バイオヴェイル、ミシサグア、オンタリオ州、カナダ)を使用して、剪断形態マトリックスとして知られるフロスを用いて、ジピベフリンを含む速溶性の舌上、口腔又は舌下錠剤を製造することができる。このフロスは、通常、スクロース、デキストロース、ラクトース、フルクトースなどの糖類で構成されている。糖類は綿菓子の製造に使用されるものと同様の熱処理機で、瞬間溶融力と遠心力の同時作用によってフロスに変換される。米国特許第5,587,172号、第5,622,717号、第5,567,439号、第5,871,781号、第5,654,003号、及び第5,622,716号を参照するものであり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。生成された繊維は、通常、性質上はアモルファスであり、部分的に再結晶化され、自由流動性のフロスになる。フロスは、ジピベフリン及び薬学的に許容される賦形剤と混合した後、速溶性の特性を持つ錠剤に圧縮することができる。
追加の技術を使用して、本発明の急速に崩壊又は溶解する舌上、口腔又は舌下錠剤を製剤することもできる(サストリーら,2000年,Pharm Sci.Technol Today 3巻:138−145頁;チャンら.,2000年,Pharmaceutical Technology 24巻:52−58頁;シャルマら.,2003年,Pharmaceutical Technology North American 10−15頁;アレン,2003年,International Journal of Pharmaceutical Technology 7巻:449−450頁;ドベッティ,2000年,Pharmaceutical Technology Europe 12巻:32−42頁;バルマ及びガーグ,2001,Pharmaceutical Technology On−Line 25巻:1−14頁)。これらの技術の1つである直接圧縮では、製剤に超崩壊剤(super disintegrant)を組み込むか、錠剤の迅速な崩壊又は溶解を実現するために、水溶性の高い賦形剤を使用する必要がある。直接圧縮では、錠剤形成工程中に湿気や熱を使用する必要がないため、湿気に不安定な薬物や熱に不安定な薬物を含む錠剤の製剤や圧縮に非常に役立つ。しかし、直接圧縮法は、迅速な崩壊機能を損なうことなく適切な硬度の錠剤を実現するために使用される場合、賦形剤の種類と比率、及び圧縮力(CF)の変化に非常に敏感である。当業者によって理解されるように、舌下投与された錠剤が最大吸収速度及び最大吸収量となる投薬量を放出するためには、錠剤は、舌下腔への挿入後にほとんど瞬時に崩壊しなければならない。錠剤の製剤に使用される賦形剤の種類と比率の正確な選択と評価により、硬度の程度と崩壊速度が制御される。圧縮力(CF)を調整して、硬度(H)が低く、より速く崩壊する錠剤を生成することもできる。急速に崩壊する直接圧縮錠剤の極度の摩損度の問題を補うために、ストリップ包装などの独自の包装方法が必要になる場合がある。
ジピベフリン組成物の医薬製剤はまた、口腔、舌上及び舌下投与のための速溶性フィルム(FDF)又は速溶性フィルム又は口腔内溶解フィルム(ODF)又は薄い経口フィルムとして製剤され得る。これらの技術は、当技術分野で知られており、例えば、米国特許第7,067,116号;第7,025,983号;第6,923,981号;第6,596,298号;及び米国公開出願第20040247648号に記載されており、また、それぞれはその全体が本明細書に具体的に組み込まれている。そのような実施形態では、ジピベフリンに加えて、速溶性経口フィルムは、フィルム形成剤、及び以下の追加の成分:水、抗菌剤、可塑剤、香味剤、唾液刺激剤、冷却剤、界面活性剤、安定剤、乳化剤、増粘剤、結合剤、着色剤、甘味剤、香料、トリグリセリド、保存剤、ポリエチレンオキシド、プロピレングリコールなど、の少なくとも1つを含むことができる。非限定的な例として、本明細書に記載の口腔、舌上、又は舌下の速溶性経口フィルムは、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン(Zein)、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳清タンパク質分離物、カゼイン及びそれらの混合物から選択される、フィルム形成剤を含むことができる。特定の態様では、速溶性フィルムは、矯味剤、例えば、イオン交換樹脂をさらに含むことができる。特定の実施形態において、本発明の溶解フィルムで使用するためのイオン交換樹脂は、水不溶性であり、適切なpH条件下でイオン性であるか又はイオン化され得る共有結合官能基を含む、薬理学的に不活性な有機又は無機マトリックスからなる。有機マトリックスは、合成(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、スルホン化スチレン、スルホン化ジビニルベンゼンのポリマー又はコポリマー)、又は部分的に合成(例えば、修飾セルロース及びデキストラン)であり得る。無機マトリックスは、例えば、イオン基の添加により修飾されたシリカゲルでもあり得る。共有結合したイオン基は、強酸性(例えば、スルホン酸)、弱酸性(例えば、カルボン酸)、強塩基性(例えば、第四級アンモニウム)、弱塩基性(例えば、第一級アミン)、又は酸性と塩基性の組み合わせの基であり得る。さらに他の態様では、速溶性フィルムは、加工デンプンを含むことができ、全体的な安定性並びに熱及び湿気を含む悪影響に対するフィルムの耐性を大幅に改善して、製品性能を向上させ、貯蔵寿命を改善することができる。加工デンプンはまた、口腔、舌上、又は舌下フィルムでより多くの固形物(未変性デンプンで達成可能な量の最大2倍まで)の溶解を可能にする。特定の実施形態において、加工デンプンは、加工コーンスターチ、変性タピオカデンプン、酸及び酵素で加水分解したトウモロコシ及び/又はジャガイモデンプン、次亜塩素酸塩酸化デンプン、酸希釈デンプン、エチル化デンプン、架橋(cross−bonded)デンプン、ヒドロキシプロピル化タピオカデンプン、ヒドロキシプロピル化コーンスターチ、アルファ化加工デンプンなどを含む。
口腔、舌上及び舌下投与に適したジピベフリン組成物の医薬製剤には、舌下錠−口の中で簡単に溶け、急速に溶解し、残留物がほとんど又はまったくない錠剤;舌下ストリップ−口の中で簡単に溶けてすぐに溶解するという点で錠剤に似ている;多目的錠剤−経口又は舌下(もしくは口腔)投与用の可溶性錠剤で、多くの場合、注射剤にも適している;舌下滴−舌下に滴下する濃縮液;舌下スプレー−舌に噴霧する;トローチ−舌下、口腔、及び経口投与における計量され、患者管理された速度の組み合わせに影響を与える;発泡性の口腔又は舌下錠−この方法は、粘膜を通過する薬物をはるかに速く動かす;が含まれる。
医薬製剤は、注射、例えば、ボーラス注射又は持続注入による非経口投与のために製剤され得る。注射用製剤は、保存剤が添加された、例えばアンプル又は複数回用量容器などの単位剤形で提供されてもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、ナノ粒子懸濁液、溶液又はエマルションなどの形態をとることができ、懸濁剤、安定剤、可溶化剤及び/又は分散剤などの配合剤を含むことができる。製剤は、単位用量又は複数用量の容器、例えば、密封されたアンプル及びバイアルで提供されてもよく、粉末形態又は無菌液体担体(例えば、生理食塩水又は発熱物質を含まない滅菌水)の添加のみを必要とする使用直前の凍結乾燥状態で保存されてもよい。即時の注射溶液及び懸濁液は、前述した種類の無菌の粉末、顆粒及び錠剤から調製され得る。
非経口投与用の製剤には、製剤を対象とする受容者の血液と等張にする抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び溶質を含み得る活性化合物の水性及び非水性(油性)無菌注射用溶液;並びに懸濁剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液が含まれる。適切な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでもよい。必要に応じて、懸濁液はまた、適切な安定剤又は化合物の溶解度を増加させて高濃度の溶液の調製を可能にする薬剤を含み得る。
医薬製剤はまた、デポー(持続性)製剤として製剤され得る。そのような長時間作用型製剤は、注入(例えば、皮下もしくは筋肉内)又は筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物は、(例えば、許容できる油中のエマルションとして)適切なポリマー又は疎水性材料、又はイオン交換樹脂とともに、又は難溶性誘導体、例えば、難溶性塩として製剤することができる。
口腔又は舌下投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤された錠剤、トローチ、フィルム又はゲルの形態を取り得る。そのような組成物は、スクロース及びアカシア又はトラガカントなどの香味剤を基質として有効成分を含み得る。
医薬製剤はまた、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、又は他のグリセリドなどの従来の坐剤の基剤を含む、坐剤又は停留浣腸などの直腸組成物に製剤されてもよい。
医薬製剤は、局所的に、すなわち非全身投与によって投与され得る。これは、表皮又は口腔への本開示の化合物の外部からの適用、並びにそのような化合物の耳、目及び鼻への点滴注入を含み、その結果、化合物は血流に有意に進入しない。対照的に、全身投与は、経口、静脈内、腹腔内及び筋肉内投与を指す。
局所投与に適した医薬製剤には、ゲル、塗布薬、ローション、クリーム、軟膏又はペーストなどの皮膚を通して炎症部位に浸透するのに適した液体又は半液体製剤、及び眼、耳又は鼻への投与に適した滴剤が含まれる。
吸入による投与のための医薬製剤は、吸入器、噴霧器、加圧パック、エアロゾルスプレー又は他の便利な送達手段から都合よく送達される。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガスなどの適切な高圧ガスを含んでもよい。加圧エアロゾルの場合、投与量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。あるいは、吸入又は吹送による投与のために、医薬製剤は、乾燥粉末組成物、例えば、化合物とラクトースもしくはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物、又は中に有効薬物分子安定化されたナノ粒子として埋め込まれている大きな多孔性粒子の形をとることができる。粉末組成物は、例えば、カプセル、カートリッジ、ゼラチン、又は粉末が吸入器もしくは注入器の助けを借りて投与され得るブリスターパックの単位剤形で提供されてもよい。
上記で特に言及した成分に加えて、本明細書に記載の化合物及び組成物は、問題の製剤のタイプを考慮して、当技術分野で慣用の他の薬剤を含み得るものであり、例えば、経口投与に適したものは、香味剤を含み得ることは理解されるべきである。
本明細書に記載の化合物又は組成物は、小胞、例えばリポソームで送達することができる(例えば、ランガー,Science 1990年,249巻,1527−1533頁;トリートら.,Liposomes in the Therapy in the Thefectious Diseases and Cancer,Lopez−Berestein,Fidler and Isaiah,Ed.,Liss,NY,353−365頁,1989年を参照のこと)。本明細書に記載の化合物及び医薬組成物は、制御放出システムで送達することもできる。1つの実施形態において、ポンプが使用され得る(セフトン、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.1987年,14巻,201頁;ブックワルドら,Surgery,1980年,88巻、507頁;ソーデックら、N.Engl.J.Med.1989年,321巻,574頁を参照のこと)。さらに、制御放出システムを治療標的の近くに配置することができる(グッドサン,Medical Applications of Controlled Release,1984年,2号,115−138頁を参照のこと)。本明細書に記載の医薬組成物はまた、例えば、錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、乳濁液、ハードもしくはソフトカプセル、又はシロップもしくはエリキシルとして、経口使用に適した形態で有効成分を含むことができる。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための当技術分野で既知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的に的確で口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ又は複数の薬剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合した有効成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、又はアルギン酸などの造粒剤及び崩壊剤;デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン又はアカシアなどの結合剤;並びにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの潤滑剤であり得る。錠剤はコーティングされていないか、既知の技術でコーティングされており、薬物の味をマスキングしたり、胃腸管での崩壊や吸収を遅らせたりすることで、長期間にわたって作用を持続させることができる。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性矯味材料、又はエチルセルロースもしくはセルロースアセテートブチレートなどの時間遅延材料を適宜使用することができる。経口使用のための製剤はまた、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合されるハードゼラチンカプセル、又はソフトゼラチンカプセルとして提供されてもよく、有効成分は、ポリエチレングリコール又は油媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油などの水溶性担体と混合される。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した有効物質を含む。そのような賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガムなどの懸濁剤であり;また天然に存在するホスファチド、例えばレシチンであってよく、又はアルキレンオキシドと脂肪酸、例えばポリオキシエチレンステアレートとの縮合生成物、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール、例えばヘプタデカエチレン−オキシセタノールとの縮合生成物、又はエチレンオキシドと脂肪酸から誘導された部分エステル及びヘキシトール、例えポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートとの縮合生成物、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステル、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートとの縮合生成物であってもよい分散剤又は湿潤剤である。水性懸濁液はまた、例えばエチルもしくはn−プロピルのp−ヒドロキシベンゾエートなどの1つ又は複数の保存剤、1つ又は複数の着色剤、1つ又は複数の香味剤、及びスクロース、サッカリン又はアスパルテームなどの1つ又は複数の甘味剤を含んでもよい
油性懸濁液は、有効成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油、又は流動パラフィンなどの鉱油に懸濁させることによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含み得る。上記のものなどの甘味剤、及び香味剤を加えて、口当たりのよい経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、ブチル化ヒドロキシアニソール又はα−トコフェロールなどの抗酸化剤を加えることにより保存することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ又は複数の保存剤と混合した有効成分を提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、すでに上で述べたものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤及び着色剤も存在し得る。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることにより保存することができる。
医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくは落花生油、又は鉱油、例えば流動パラフィン、又はこれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、天然に存在するホスファチド、例えば大豆レシチン、脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、前述の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。エマルションはまた、甘味剤、香味剤、保存剤及び抗酸化剤を含み得る。
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースと共に製剤され得る。そのような製剤はまた、鎮痛剤、保存剤、香味剤及び着色剤並びに抗酸化剤を含み得る。
医薬組成物は、無菌の注射可能な水溶液の形態であってよい。使用することができる許容されるビヒクル及び溶媒には、水、リンガー溶液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。水溶性を高めるために、シクロデキストリンなどの可溶化剤を医薬組成物に含めることができる。無菌の注射可能な調製物はまた、有効成分が油相に溶解している無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルションであってもよい。例えば、有効成分は、最初に大豆油とレシチンの混合物に溶解されてもよい。次に、油溶液を水とグリセロールの混合物に導入し、処理してマイクロエマルジョンを形成する。注射可能な溶液又はマイクロエマルションは、局所ボーラス注射によって患者の血流に導入されてもよい。あるいは、本化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で、溶液又はマイクロエマルションを投与することが有利であり得る。そのような一定の濃度を維持するために、持続的な静脈内送達デバイスが利用され得る。そのようなデバイスの例は、デルテック CADD−PLUSTMモデル5400静脈内ポンプである。医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の無菌の注射可能な水性又は油性の懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、上記の適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤され得る。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能なナノ粒子懸濁液、例えば、無菌の水中のナノ粒子懸濁液であってもよい。さらに、無菌の固定油は、溶媒又は懸濁媒体として通常に使用される。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無菌性固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
医薬組成物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、原薬を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、それ故に直腸で溶けて薬物を放出する、適切な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製することができる。そのような材料には、カカオバター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物、及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが含まれる。
局所使用のために、本開示の化合物又は組成物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液などを使用することができる。本明細書で使用される場合、局所適用には、洗口剤及びうがい薬が含まれ得る。
本開示は、ジピベフリン又はジピベフリン塩酸塩などのジピベフリン塩を含有する口腔内溶性錠剤を含む。口腔内溶解錠剤は、5分以下、2分以下、1分以下、又は30秒以下で、口腔内で溶解することができる。錠剤には(ジピベフリン遊離塩基に基づいて)1mg〜100mgのジピベフリン、1mg〜50mgのジピベフリン、1mg〜20mgのジピベフリン、1mg〜10mgのジピベフリン、5mgのジピベフリン、又は3.0mgのジピベフリンが含まれる。口腔内溶解錠剤は、ゼラチン又はHPMCなどの水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーは、錠剤の1%〜60%w/w、1%〜50%w/w、又は10%〜50%w/wを構成することができる。錠剤は、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムK、マルチトール、ステビア、又は前述のいずれかの組み合わせなどの甘味剤を含むことができる。錠剤は緩衝剤を含むことができる。錠剤は、ポビドン、例えば1%〜30%又は5%〜25%w/wのポビドンを含むことができる。口腔内溶解錠剤は、投与の45分以内又は30分以内に米国FDAが承認した注射可能なエピネフリン剤形と実質的に同じ血中濃度のエピネフリンを提供できるジピベフリン又はジピベフリン塩錠剤であり得る。
医薬組成物は、適切な鼻腔内ビヒクル及び送達デバイスの局所使用を介して、又は当業者に周知の経皮皮膚パッチの形態を用い経皮経路を介して、鼻腔内形態で投与され得る。経皮送達システムの形態で投与されるために、当然のことながら、投薬は投薬レジメンを通じて断続的ではなく連続的であろう。医薬組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリビニルアルコールなどの様々な安定剤で安定化されたサブミクロン/ナノ粒子の形態で有効成分を含み得る。医薬組成物は、シクロデキストリンとの包接錯体の形態で有効成分を含み得る。
用量
投与される医薬組成物の量は、最初は治療される哺乳動物に依存するであろう。医薬組成物がヒト対象に投与される場合、日用量は通常、処方する医師によって決定され、投与量は一般的に年齢、性別、食事、体重、個々の患者の一般的な健康と反応、患者の症状の重症度、治療される正確な兆候又は状態、治療される兆候又は状態の重症度、投与時間、投与経路、組成物の性質、排泄率、薬物の組み合わせ、及び処方する医師の裁量によって異なるであろう。また、状態や重症度によって投与経路が異なる場合がある。好ましくは、医薬組成物は単位剤形である。そのような形態では、製剤は、適切な量の有効成分、例えば、所望の目的を達成するための有効量を含む単位用量に細分される。特定の状況に対する適切な投与量の決定は、当業者の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適用量よりも少ない少量で開始される。その後、状況下で最適な効果が得られるまで、投与量を少量ずつ増やす。便宜上、必要に応じて、1日の総投与量を分割し、1日の間に少しずつ投与してもよい。本明細書に記載される化合物の投与の量及び頻度、並びに該当する場合、他の治療剤及び/又は治療法は、上記のような要因を考慮して主治医(医師)の判断に従って調節される。したがって、投与される医薬組成物の量は広く変動し得る。投与は、1日につき約0.001mg/kg体重〜約1000mg/kg体重の量(単回又は分割で投与)、より好ましくは1日につき少なくとも約5mg/kg体重の量で生じ得る。ジピベフリンの特定の治療用量は、例えば、約0.01mg〜約200mgの化合物、又は約0.05mg〜約50mgを含むことができる。製剤の単位用量における有効化合物の量は、特定の用途に応じて、約0.01mg〜150mg、0.01mg〜100mg、0.01mg〜50mg、0.1mg〜20mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜5mg、0.1mg〜3mg、2.5mg、2mg、又は1.5mgのジピベフリンまで、変化又は調整することができる。
場合によっては、前述の範囲の下限を下回る投与量レベルで十分すぎるかもしれないが、他の場合では、有害な副作用を引き起こすことなく、さらに多くの投与量を、例えば、そのようなより大きな用量を、一日を通して投与するためにいくつかの小さな用量に分割することにより、使用することができる。投与量は、使用する化合物の特定のIC50値によって異なる。化合物が唯一の治療法ではない組み合わせの適用においては、より少ない量の化合物を投与することが可能であり、それでもなお治療又は予防効果を有する可能性がある。
この開示は、非限定的な以下の実施例によってさらに説明される。
実施例1.マウスにおける単回経口投与後のジピベフリンの薬物動態プロファイル
およそ14週齢で体重28〜31gの雄のC57BL6マウスを麻酔チャンバーに入れ、イソフルラン(ヘンリー・シャイン社)で一時的に麻酔した。約5分後、(爪先を叩いて)反射がない場合、t=0(投与前)にマウスは後眼窩静脈叢を介して採血した。25μLの全血を後眼窩静脈叢から採取し、EDTA(0.125%)とメタ重亜硫酸ナトリウム(1mg/mL)(3.85倍希釈)を含む生理食塩水40μLに加えた。次いで、マウス(N=3)に、水溶液として製剤した塩化ジピベフリンを21.2mg/kg(10mg/kgのラセミ体エピネフリンに相当)の用量で直ちに経口投与した。経口投与後に、マウスは、投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、及び6時間の各時点で、麻酔下で後眼窩から採血した。約45μLの希釈血漿を回収し、培養した。
血漿サンプルは、検証済みのLC/MS/MSメソッド(キーストーン・バイオアナリティクス、ノースウェールズ、ペンシルベニア州)を使用して、エピネフリンを分析した。経口ジピベフリン塩酸塩のPK分析結果を、実施例2及び3に示すIP及びIM投与の結果とともに表1にまとめた。
図1は、T0(投与前)、15、30分、1、2、4、及び6時間の各時点での平均血漿エピネフリン濃度を示す。この実施例は、実施例2及び3と共に、経口、IM及びIP投与後、ジピベフリンが急速に吸収され、エピネフリンに生体内変換されたことを示す。
実施例2.マウスへの単一I.P.注射後のジピベフリンの薬物動態プロファイル
およそ14週齢で体重28〜31gの雄のC57BL6マウスを麻酔チャンバーに入れ、イソフルラン(ヘンリー・シャイン社)で一時的に麻酔した。約5分後、(爪先を叩いて)反射がない場合、t=0(投与前)にマウスは後眼窩静脈叢を介して採血した。25μLの全血を後眼窩静脈叢から採取し、EDTA(0.125%)とメタ重亜硫酸ナトリウム(1mg/mL)(3.85倍希釈)を含む生理食塩水40μLに加えた。次に、マウス(N=3)に、1.06mg/kg(0.5mg/kgのラセミ体エピネフリンに相当)の水溶液として製剤した塩化ジピベフリンを腹腔内(IP)注射した。IP投与後、マウスは、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、及び6時間の各時点で、麻酔下で後眼窩から採血した。約45μLの希釈血漿を回収し、培養した。
血漿サンプルを、有効なLC/MS/MS法を使用してエピネフリンについて分析した。図2は、T0(投与前)、5、15、30分、1、2、4、及び6時間の時点での平均血漿エピネフリン濃度を示す。データが示すように、ジピベフリンはIP投与後に急速に吸収され、生体内で、数分ですぐにエピネフリンに変換された。
実施例3.ジピベフリン0.57mgのIM(遊離塩基で、0.3mgのラセミ体エピネフリンと同等)とエピネフリン0.3mgのIMの間の耐容性の比較
この実施例の目的は、同じ同等のエピネフリン用量でIM注射を介して投与した場合、ジピベフリンがエピネフリンよりも耐容性が高いことを実証することである。およそ14週齢で体重28〜31gの6匹の雄のC57BL6マウスを麻酔チャンバーに入れ、イソフルラン(ヘンリー・シャイン社)で一時的に麻酔した。約5分後、(爪先を叩いて)反射がない場合、t=0(投与前)にマウスは後眼窩静脈叢を介して採血した。25μLの全血を後眼窩静脈叢から採取し、EDTA(0.125%)とメタ重亜硫酸ナトリウム(1mg/mL)(3.85倍希釈)を含む生理食塩水40μLに加えた。
次に、3匹のマウスに、ジピベフリン塩酸塩0.636mg(ラセミ体エピネフリン0.3mgに相当)を筋肉内(IM)注射により直ちに投与し、3匹に、酒石酸水素エピネフリン0.546mg(遊離塩基0.3mg)をIM投与した。IM投与後、マウスは、15分、30分、1時間、2時間、4時間、及び6時間の各時点で、麻酔下で後眼窩から採血した。約45μLの血漿(3.85倍希釈、詳細は実施例1を参照)を回収し、プレーティングした。ジピベフリン塩酸塩を投与された3匹のマウスは、研究全体を通じて正常であるようであり、苦痛又は病気の兆候を示さなかった。酒石酸水素エピネフリンを投与された動物は、筋肉内注射の約5分後に冷たくなり、嗜眠状態になった。このグループの3匹のマウスのうち2匹は、化合物投与の約20分後に死亡し、ピンク色の液体が鼻と口から流れ出た。ジピベフリン塩酸塩のグループ及び酒石酸水素エピネフリンのグループの血漿エピネフリン濃度対時間プロファイルを、それぞれ図3A及び図3Bに示す。図3Aのデータが示すように、ジピベフリン塩酸塩はIM注射時に急速に吸収され、すぐにエピネフリンに変換された。図3Bは、0.3mgの同じ等価用量でのエピネフリンのIM注射により、ジピベフリン(Cmax)よりも血漿中のエピネフリン濃度が約10〜100倍高くなったことを示し、これはエピネフリンIMの急性毒性を説明するだろう。この例は、血中のエピネフリンが致死レベルに急速に上昇した結果として、IM注射によって投与されたエピネフリンの偶発的な過剰投与の危険性を示す。他方、ジピベフリンのIM投与による過剰投与の安全性リスクは、エピネフリンへの変換が、プロドラッグからエピネフリンへの変換に関与する酵素の有効性によって調節されるため、大幅に減少する。したがって、エピネフリンの直接注射による過剰投与の潜在的なリスクを考慮すると、ジピベフリンは、エピネフリンの直接注射よりも注射で投与した方が安全なエピネフリンの供給源であると考える。
実施例4.C57BL/6Jマウスにおける腫瘍誘発段階及び腫瘍発生段階の両方での皮下B16−F10同系メラノーマ腫瘍の治療における単一剤としてのジピベフリン活性の評価
この前臨床試験は、C57BL/6Jマウスにおける腫瘍誘発段階及び腫瘍発生段階の両方での皮下B16−F10同系メラノーマ腫瘍の治療において、単一剤として経口投与されたジピベフリン15.3mg/kg(遊離塩基で、ラセミ体エピネフリン8mg/kgに相当)の生体内治療活性を評価する。研究の実験計画は表2にまとめた。
治療は、研究計画を通じて腫瘍接種の7日前(−7日目)に開始した。被験物質の投与及び各試験グループの動物数を表3に示す。
試験のエンドポイントは腫瘍成長阻害(TGI);特定の日の腫瘍体積の中央値の減少;を含み、すべての動物の生存率を追跡し、生存期間の中央値(MST)と寿命の延長(ILS)を各グループについて計算する。
腫瘍増殖阻害率(TGI%)は、抗腫瘍効果の指標であり、次のように表す:TGI(%)=100×(1−T/C)(ここで、TとCはそれぞれ、所定の日の治療グループとコントロールグループの平均腫瘍体積である)。
各マウスのエンドポイントは、腫瘍容積が3000mm3より大きいか、又は動物が極度の不快感(痛み、発作、呼吸困難など)を示すかのいずれかである。寿命の延長(ILS)は次のように計算する:ILS(%)=100×[(薬物治療グループの生存期間中央値/ビヒクルグループの生存期間中央値)−1](%)。
雌のC57BL/6Jマウス(シャンハイ・リンチャン・バイオ−テクノロジー・カンパニー.リミテッド(LC、上海、中華人民共和国;動物証明書番号:2013001825675))を研究に使用した。接種時、マウスは7〜8週齢で体重は16.2〜18.6gであった。マウスは、各ケージに5匹の動物を入れて、一定温度(22〜24℃)及び湿度(60〜70%)の個別換気ケージ(IVC)システムで飼育した。研究期間全体を通して、動物は標準的なマウス食餌(Co60照射滅菌乾燥顆粒食品)と水を自由に摂取可能であった。
研究で使用された被験物質は、ジピベフリン塩酸塩(1.9mg/ml遊離塩基、予め製剤された投与溶液)又はビヒクル(保存剤として0.005%wtの塩化ベンザルコニウムを含む精製水)であった。それぞれを4℃で保存した。B16−F10腫瘍細胞は、10%ウシ胎児血清を補充したDMEM培地で37℃、空気中5%CO2の雰囲気で単層培養として生体外で維持した。腫瘍細胞は、週に2回定期的に継代培養した。指数増殖期に増殖する細胞を採取し、腫瘍接種についてカウントした。
各マウスの右側腹部領域に、腫瘍発生のために0.1mlのPBS中の2×105個のB16F10腫瘍細胞を皮下接種した。接種の7日前に治療を開始した。研究デザイン表3に示されているように、所定のレジメンに従って被験物質を、腫瘍を有するマウスに投与した。腫瘍細胞接種の日付を0日と表示した。
第一のグループ分け:7日目に、30匹すべての動物の体重を量り、体重を数値パラメーターとして使用して、系統誤差を最小限に抑えるために、選択した動物を2つのグループに無作為に振り分けた。投与は、表4に示すように行った。
第二のグループ分け:8日目に、グループ−1の20匹すべての動物を、腫瘍体積に基づいて2つのグループ(1a及び1b)に無作為に振り分けた。表5に示すように、用量投与を行った。
両方の無作為化手順は、STUDYDIRECTOR(登録商標)ソフトウェア(スタディログ・システムズ,インコーポレイテッド.カリフォルニア州、米国)を使用して実施した。体重又は腫瘍体積のグループ間変動が最小であることを示す1つの最適な無作為化設計(一致分布法によって生成)を、グループ割り当て用に選択した。
治療は、研究デザインごとに接種の7日前に開始した(表2)。
腫瘍細胞接種後、罹患率及び死亡率について動物を毎日チェックした。通常のモニタリング時に、移動性、食物と水の消費量、体重の増加/減少(体重は週に2〜3回測定)、目/髪の艶の消失(matting)、その他の異常な影響などの、動物の腫瘍の成長及び治療が通常の行動に及ぼす影響を確認した。死亡及び観察された臨床症状は、各サブセット内の動物の数に基づいて記録した。
キャリパーを使用して、腫瘍の体積を週に2回又は3回、二次元で測定し、mm3での体積を式:V=0.5a×b2(ここで、aとbはそれぞれ腫瘍の直交する長径と短径である)を用いて推定した。投与の処置、並びに腫瘍及び体重の測定は、クリーンベンチ内で行った。
17日目に、腫瘍体積が3000mm3を超えたマウスを安楽死させ、研究全体を19日目に終了した。さらに、グループ1−bのマウス#15は操作誤差のため13日目に死亡し、グループ1−aのマウス#7は腫瘍潰瘍のため18日目に死亡した。
グループ間の腫瘍体積の差の統計分析は、独立標本T検定又はムードの中央値検定を使用して、腫瘍接種後5日目、14日目、及び19日目に得られたデータに対して行った。
生存時間は、カプラン−マイヤー法により分析した。対象となる事象は、個々の腫瘍体積が3000mm3に達した、又は動物が死亡した場合のエンドポイントであった。生存時間は、腫瘍細胞接種後の日から動物の死亡又は安楽死の日までの時間として定義した。各グループについて、生存期間の中央値(MST)、対応する95%信頼区間、及び延命率(ILS)を計算した。カプラン−マイヤー曲線も各グループについて作成し、ログランク検定を用いてグループ間の生存曲線を比較した。
すべてのデータは、SPSS(スタティスティカル・プロダクト・アンド・サービス・ソリューションズ)バージョン18.0(IBM、アーモンク、ニューヨーク州、米国)又はグラフパッド・プリズム5.0で分析した。P値は小数点以下3桁に四捨五入しているが、0.001未満の未加工のP値はP<0.001と記載した。すべてのテストは両側検定で行った。P<0.05は統計的に有意であると見なされた。
腫瘍の誘導及び発生の両方の治療の間、治療グループ間で体重差は観察されず(図4を参照のこと)、研究期間中に薬物関連死は観察されなかった。したがって、ジピベフリン塩酸塩を毎日15.3mg/kg(遊離塩基)で投与しても、体重に影響はない。
ジピベフリンの経口投与はまた、腫瘍細胞接種後のB16F10腫瘍形成を有意に阻害することが示された。図5は、B16F10癌細胞接種の5日後のジピベフリン及びビヒクル処置マウスの平均腫瘍体積を示す。データが示すように、ジピベフリン塩酸塩処置マウスは、腫瘍誘導の初期段階で、ビヒクル処置マウスよりも有意に小さい腫瘍体積を示した(6.2±1.1mm3対16.4±2.5mm3、p<0.01、独立T検定)。この観察は、ジピベフリンが接種部位で癌細胞の殺傷を誘導したことを示唆している。
ジピベフリンの経口投与はまた、ビヒクルと比較して、マウスのB16F10腫瘍細胞接種の14日後に、腫瘍体積の中央値の有意な減少をもたらした。図6に示すのは、B16F10癌細胞接種の14日後のジピベフリン及びビヒクル処置マウスの腫瘍体積の中央値である。データが示すように、ジピベフリンで処置したマウスは、ビヒクルで処置したマウスよりも腫瘍体積の中央値が有意に小さかった(827mm3対1060mm3、p<0.05、ムード中央値検定)。
ジピベフリンの経口投与は、腫瘍が確立された後、B16F10腫瘍の増殖を阻害することも示された。ビヒクル処置マウス(グループ1、N=20)を、B16F10腫瘍接種の8日後に、それぞれ10匹(1a及び1b)の2つの等しいグループに腫瘍体積に基づき無作為に振り分けた(グループ1aの平均腫瘍体積145.5±30.8mm3対グループ1bの平均腫瘍体積145.6±35.6mm3)。グループ1aのマウスにはビヒクルを投与し続けたが、グループ1bのマウスには8日目から毎日ジピベフリンを経口投与した。19日目に、ジピベフリン治療グループは、ビヒクル治療グループと比較して平均腫瘍体積が約18%減少した(2997.2±341.6mm3対3668.0±311.9mm3)。データは図7にも示している。
ジピベフリンの経口投与は、C57BL/6Jマウスにおける皮下B16F10腫瘍の治療において、ビヒクルと比較して生存時間を有意に延長した。異なるグループの生存時間を表6に示す。これらのグループのカプラン−マイヤー生存曲線を図8に示す。ログランク検定を使用して、グループ間の生存曲線を比較した。ジピベフリンで処置したグループ1bは、ビヒクルで処置したグループ1a(12%、p=0.038)と比較して有意な延命率(ILS)を示した。ジピベフリン治療グループ2は、ビヒクルと比較して寿命が6%増加した。この延命率は統計的有意性には達しなかったが(p=0.175)、それはジピベフリンがビヒクルと比較して生存利益を提供するという事実を支持する。2つのジピベフリン投与群1aと2の生存時間は、予想どおり統計的に異ならなかった(p=0.448)。
実施例5.C57BL/6マウスにおけるインフルエンザA型(H1N1PDM)ウイルス感染症の治療のためのジピベフリンの有効性
これらの実験は、ジピベフリンによるマウスの経口治療が、死亡を防止し、インフルエンザによる体重減少を低減できることを示す。A型/カリフォルニア/04/2009(H1N1pdm)ウイルス感染症に対するジピベフリンの効果をC57BL/6Jマウスで試験した。
ジャクソン・ラボラトリーズ(バーハーバー、メイン州)からの12匹の雌C57BL/6Jマウス(18〜20g)を、ケタミン/キシラジン(50/5mg/kg)のi.p.注射により麻酔し、続いて、インフルエンザウイルスの75μL懸濁液の鼻腔内(i.n.)曝露を行った。ウイルスの感染性接種材料は、従前のマウスの滴定研究の結果に基づくと、90%致死のチャレンジ量である。6匹のマウスに、感染後24時間に8.48mg/kg(4mg/kgのエピネフリンに相当)の用量で、ジピベフリン塩酸塩(0.16ml、0.5mg/mLのエピネフリンに相当する1.06mg/ml溶液として製剤)を1回経口投与した。プラセボ(複合ビヒクルのみ)を他の6匹のマウスに同じ投与レジメンで投与した。処置グループ及びプラセボグループからそれぞれ3匹のマウスを感染後(p.i.)3日目及び6日目に安楽死させ、肺組織を採取した。組織の重さを量り、0(影響を受けていない)から4(4葉すべて−又は肺全体−が変色/暗く見える)まで、出血度を評価した。肺の重さを量り、−80℃で凍結した。
肺組織を解凍し、1mLの細胞培養培地でホモジナイズし、融合性のMDCK細胞を播種した96ウェルマイクロプレートでのエンドポイント希釈(10倍希釈)により、ホモジネートにおける力価を測定した。培地は、10IU/mLのブタトリプシン、1μg/mLのEDTA、及び50μg/mLのゲンタマイシンを含むMEMであった。プレートを37℃で5日間インキュベートした後、各ウェルのウイルス細胞変性効果を読み取った。各肺の50%細胞培養感染量(CCID50)は、リード−ミュンヒ方程式を用いて決定した。
データの統計分析:0日目の体重の個々の体重百分率を計算した。マウスの体重と肺ウイルス力価の統計は、二元配置分散分析を用いて行った後、試験後のボンフェローニの多重比較検定を行った。治療グループとプラセボグループの間で統計的比較を行った。すべての統計分析は、プリズム7.0(グラフパッド・ソフトウェア、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いて行った。
感染中の体重変化を図10にグラフで示す。マウスの体重は、感染後5日目と6日目(p<0.05)のプラセボグループと治療グループの間で有意に異なり、ジピベフリン処置マウスは6日間の観察中に体重が減少した。
視覚的な肺の出血度は、両方の治療グループにおいて0〜3の範囲であった。肺組織におけるインフルエンザウイルス力価は、感染後3日目又は6日目の治療グループとプラセボグループの間で有意差はなかった(図11)。薬物治療グループは、感染後3日目よりも感染後6日目の方が肺組織のウイルス力価が低かった(p<0.05)。肺のウイルス力価は、プラセボグループでは感染後の2日間で有意差はなかった(p=0.42)。注目すべきことに、感染後6日目に肺のウイルス力価があったにも関わらず、1匹の治療を受けたマウスはチャレンジ期間中その体重を維持した。
要約すると、この研究では、ウイルス攻撃の24時間後に、マウスに8.48mg/kgのジピベフリン塩酸塩の単回投与を行った。治療を受けたマウスは、プラセボと比較して体重減少が少ないことで示されるように、病気が少なかった(p<0.05)。6日目の平均の肺のウイルス力価は、治療を受けたマウスではプラセボと比較してわずかに低く、その差は統計的に有意でなかった。薬物治療グループでは、感染後3日目よりも感染後6日目の肺組織のウイルス力価が有意に低かった(p<0.05)。肺のウイルス力価は、プラセボ群の感染後2日間で有意差はなかった(p=0.42)。注目すべきことに、感染後6日目に肺のウイルス力価があったにも関わらず、1匹の治療を受けたマウスはチャレンジ期間中その体重を維持した。
実施例6.MRSA感染症の腹膜炎−敗血症モデルにおけるジピベフリンの抗菌活性
この実施例は、ジピベフリンの生体内抗菌活性を実証する。
C57BL/6Jの2グループ(1グループ毎に10匹のマウス)の6〜8週齢の雌マウス(体重約20g)に2×108CFU/mLのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)菌株NRS71−Sanger 252を、200μLの容量で腹腔内注射した。治療グループには、細菌接種に対してt=−5日から、経口胃管栄養法によりジピベフリン15.3mg/kg(遊離塩基)の投与を開始した。投与は、細菌接種後7日まで1日1回行った。体重は0〜7日目に1日1回測定し、実験のエンドポイントは7日での生存であった。感染後、元の体重の20%未満に落ちた動物は安楽死させた。感染の4時間後に、各グループの4匹の動物から血液を採取し、標準的なプレーティングアッセイによって細菌量を測定した。各血液サンプルを連続対数希釈で希釈し、10個の希釈液(100〜10−9)を、5%ヒツジ血液を含むTSAに2つずつプレーティングした。プレートを37℃で24時間インキュベートし、その時点で形成されたコロニーを数え、CFU/mLを決定した。ビヒクルグループの1匹のマウスは感染の翌日に死亡しており、感染後7日まではその後の死亡は見られなかった。感染後7日以内に治療グループで死亡したマウスはいなかった。感染後4時間の血中細菌数は、薬物処置グループよりもビヒクル処置グループの方が有意に高かった(p<0.05、両側、独立T検定、図9)。
実施例7.ジピベフリン塩酸塩の口腔内溶解錠剤の調製
ゼラチン(100mg)を最初に脱イオン水(5.0g)に40℃で溶解して、透明な溶液を得た。次に、表7に挙げた他の不活性成分を加え、室温でゼラチン溶液に溶解した。ジピベフリン塩酸塩(635.2mg)を最後に加えて溶解し、得た薬液を、ピペットを用いてブリスターポケット(593.5mg/ポケット)に分注した。充填したブリスターパックをドライアイス上に2時間置き、マニホールド凍結乾燥機に取り付けられた凍結乾燥フラスコに移し、24時間凍結乾燥した。このようにして得られた、錠剤当たり63.5mgのジピベフリン塩酸塩を含有する錠剤は、ブリスターパックから容易に取り出され、ガラス瓶に保存され得る。錠剤を、表面の滑らかさ/優雅さ及びもろさについて検査した。経口的に溶解するジピベフリン塩酸塩の5mg錠剤を、535mgの薬液を各ブリスターポケットに分配したことを除いて、同じ方法で調製した。
生体外溶解試験。
37℃に予熱した、2mlの穏やかに攪拌した模擬唾液に、1錠を注意深く投下した。スマートフォンのタイマーを使用して、錠剤の溶解が完了するまでの時間を記録した。
生体内溶解/味覚試験。健康な成人男性ボランティアの舌の上に1錠を置いた。口は、噛んだり飲み込んだりすることなく閉じられた。スマートフォンのタイマーを使用して、錠剤の溶解が完了するまでの時間を記録した。その後、被験者の口を検査して、溶解していない錠剤の残留物がないか調べた。次にボランティアに、味、口当たり、及び起こり得る刺激について説明するように求めた。
実施例8.ウサギへの単回経口投与後のジピベフリンの薬物動態研究
研究開始時に3.2ヶ月齢で体重が3.4〜3.6キログラムの範囲の雌のニュージーランドホワイトウサギをこの研究に利用した。動物は耳のタグとケージのラベルで識別した。試験開始時、動物は健康であった。動物は、同じ部屋内のケージごとに1匹ずつ収容した。一次囲いは、USDA動物福祉法(9 CFR、Parts1,2,及び3)で指定され、ガイド・フォー・ケア・アンド・ユーズ・オブ・ラボラトリー・アニマルズ(ILAR publication、2011年、National Academy Press)に記載されたとおりのものであった。動物には、認定された実験食(サーティファイド・ラビット・ダイエット、HF5325)を与えた。動物には水を自由に供給した。動物の2つのグループに、2.12mg/mlの精製水中の溶液(1mg/mlラセミ体エピネフリン遊離塩基に相当)として製剤したジピベフリン塩酸塩を、ゴム製の経口胃管栄養チューブ経由で経口投与し、続いて5mLの水で洗い流した。動物の3番目のグループには、口腔内溶解錠剤として製剤したジピベフリン塩酸塩を経口投与した。動物は布製拘束具を用いて手動で拘束した。表8に示す研究デザインに従って、適切な日の0時間目に投薬を行った。
全血試料(約0.5〜1mL)を、適切な時点で直接の静脈穿刺を介して動物の耳の血管から収集し、抗凝固剤としてK2EDTAチューブに入れた。血液サンプルを4℃、3000gで5分間遠心分離した。すべてのサンプルは、処理中は冷蔵状態を維持した。血漿サンプル(250μL)をエッペンドルフチューブ内の6%wtメタ重亜硫酸ナトリウム溶液50μLに分注し、キーストーン・バイオアナリティカルにおいて、エピネフリン血漿濃度の分析を行うためにドライアイスと共に発送するまで、約−70℃を維持するように設定された冷凍庫に入れた。
Cmax:最大血漿濃度(個々のウサギのCmax値の平均±標準誤差);Tmax:最大血漿エピネフリン濃度に達した時間(個々のウサギTmax値の平均±標準誤差);AUC0−last:血漿濃度対時間曲線下面積(個々のウサギのAUC値の平均±標準誤差)。Tmaxは、最も高いピークのエピネフリン濃度が個々のウサギで発生した時間である。Tmaxは、定義された採血時間に基づく離散変数であるため、実験デザインによって制限される。
平均血漿エピネフリン濃度対時間プロファイルを図12〜14に示す。本実施例は、次のことを示す:(a)エピネフリンの生物学的利用能は、経口投与後のジピベフリン塩酸塩の用量とともに増加する;(b)同じ用量で、ジピベフリン塩酸塩の口腔内溶解錠剤は、経口胃管栄養法によって投与されるジピベフリン塩酸塩の経口溶液よりもはるかに高いエピネフリンの生物学的利用能を提供する;(c)エピネフリンIM0.3mgと比較して、アナフィラキシーの標準的な治療である、ジピベフリン塩酸塩の口腔内溶解錠剤63.5mgは、エピネフリンを長期間にわたって血流に放出し、ウサギでは結果としてCmaxは低くなるが、全体的に同程度又はさらに高いAUCになる。
ウサギへのジピベフリン塩酸塩の経口投与後の血流へのエピネフリンの持続的放出(徐放)は、ジピベフリン塩酸塩がウサギの眼に投与されるとエピネフリンが急速に放出されるという事実を考えると驚くべきことである(アンダーソン,J.A.ら,Invest Ophthalmol Vis Sci.1980年,19巻:817−23頁)。ブチリルコリンエステラーゼ(BChE、EC 3.1.1.8)は、ウサギの角膜でジピベフリンをエピネフリンに変換する上で主要な役割を果たすと考えられている(ナカムラ,M.ら,Ophthalmic Res 1993年;25巻:46−51頁)。ジピベフリン塩酸塩の経口投与後のエピネフリンの低いCmaxと長いTmaxは、アナフィラキシーの緊急治療のための経口療法としては不適切であろう。アナフィラキシー症状の発現では、エピネフリンの迅速な放出が不可欠である。
理論に束縛されることを望まないが、発明者は、ウサギにおけるジピベフリン塩酸塩の経口投与後のエピネフリンの徐放は、ウサギ血漿における比較的低いブチリルコリンエステラーゼ(BChE、EC 3.1.1.8)活性により引き起こされ得ると仮定した。オロペサ,A. L.ら(Ecotoxicol Environ Saf.2014,100:39−43)によって報告されているように、ウサギ血漿中の主なコリンエステラーゼはアセチルコリンエステラーゼ(AChE;EC 3.1.1.7)であるため、ウサギは経口ジピベフリン塩酸塩の適切なPKモデルではない。
実施例9.イヌへの単回経口投与後のジピベフリンの薬物動態研究
ジピベフリン塩酸塩の薬物動態は、以下の表10に従って、三工程(three leg)のクロスオーバーデザインでイヌにおいて評価した。試験開始の4日前に、1.5〜6.5歳で体重が9.8〜10.8キログラムの範囲にある、4頭(n=4)の非ナイーブである雄のビーグル犬から1mLの全血を、K
2EDTAを含む4つの冷却チューブに採取した。血液を血漿へと処理し、血漿コリンエステラーゼ活性を、基質としてヨウ化アセチルチオコリンを用いるエルマン法に従ってアッセイした(エルマン,G.L.ら,Biochemical Pharmacology,1961年,第7巻,88−95ページ)。アッセイの結果を表10にまとめる。血漿コリンエステラーゼ活性アッセイの結果に基づいて、血漿コリンエステラーゼ活性が最も高い最初の3匹のイヌをPK研究のために選択した。
イヌは、ケージごとに1匹ずつ収容し、耳のタグ及びケージのラベルによって識別した。試験開始時、動物は健康であった。一次囲いは、USDA動物福祉法(9 CFR、Parts1,2,及び3)で指定され、ガイド・フォー・ケア・アンド・ユーズ・オブ・ラボラトリー・アニマルズ(ILAR publication、2011年、National Academy Press)に記載されたとおりのものであった。動物は投与前に最低12時間絶食させ、投与後4時間で元に戻した;動物には水を自由に供給した。
投薬は、研究デザイン表(表11)に従って、適切な日の0時間目に行った。コントロールとして、アナフィラキシーの標準治療であるエピネフリンIM0.3mgが第一工程として含まれる。筋肉内投与は、25ゲージの針とシリンジを介して、左又は右の大腿の外側面に投与した。投与前に投与部位の毛を切り取り、アルコールで洗浄した。口腔内溶解錠剤は、イヌの舌の上に1錠を置くことによって投与した。鼻口部を1〜2分間静かに閉じておいた。この期間の後、錠剤が完全に溶解したことを観察するために口を開けた。
全血試料(約0.5〜1mL)を、適切な時点で直接の静脈穿刺を介してイヌの頸静脈から収集し、抗凝固剤としてK2EDTAチューブに入れた。血液サンプルを4℃、3000gで5分間遠心分離した。すべてのサンプルは、処理中は冷蔵状態を維持した。血漿サンプル(250μL)をエッペンドルフチューブ内の6%wtメタ重亜硫酸ナトリウム溶液50μLに分注し、キーストーン・バイオアナリティカルにおいて、エピネフリン血漿濃度の分析を行うためにドライアイスと共に発送するまで、約−70℃を維持するように設定された冷凍庫に入れた。
Cmax:最大血漿濃度(個々のイヌのCmax値の平均±標準誤差);Tmax:最大血漿エピネフリン濃度に達した時間(個々のイヌTmax値の平均±標準誤差);AUC0−last:血漿濃度対時間曲線下面積(個々のイヌのAUC値の平均±標準誤差)。Tmaxは、最も高いピークのエピネフリン濃度が個々のイヌで発生した時間である。Tmaxは、定義された採血時間に基づく離散変数であるため、実験デザインによって制限される。
イヌにおけるジピベフリン塩酸塩のPK分析結果を以下にまとめた(表12)。統計分析は、一元配置分散分析を用いて行った後、テューキーの多重比較検定を行った。すべての統計分析は、プリズム7.0(グラフパッド・ソフトウェア、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いて行った。
ビーグル犬へのジピベフリン塩酸塩の口腔内溶解錠剤の投与後、血漿エピネフリン濃度は急速に上昇する。口腔内で溶解するジピベフリン塩酸塩の5mg錠剤は、同等のTmaxを伴うエピネフリンの標準IM0.3mg注射と比較して、2倍のCmax及びAUClastをもたらした。ジピベフリン塩酸塩63.6mgは、5mgのジピベフリン塩酸塩の口腔内溶解錠剤(Cmaxにおいてp<0.05及びAUCにおいてp<0.01)又は標準のエピネフリンIM0.3mg(CmaxとAUCの両方においてp<0.01)と比較して、有意に高いレベルのエピネフリンを生成した。すべての治療グループ間でTmaxに有意差はない(p>0.6)。本実施例は、ジピベフリン塩酸塩のODTがイヌにおいて、アナフィラキシーの緊急治療に最適な薬物である標準的なエピネフリンIM0.3mgと統計的に同等のレベルのエピネフリンを生成できることを示す。図15及び16を参照のこと。
本開示は、以下の態様をさらに包含する。
本開示は、対象への治療有効量のエピネフリンの全身送達のために経口投与されるジピベフリン又はその薬学的に許容される塩の使用を含む。
本開示は、対象への治療有効量のエピネフリンの全身送達のために経口投与されるジピベフリン又はその薬学的に許容される塩の使用を含み、対象はエピネフリンに反応する疾患を有する。
疾患は、呼吸困難であり得る。
呼吸困難は、アナフィラキシー、喘息、気管支炎、気腫、クループ、又は呼吸器感染症であり得る。
疾患はアナフィラキシーであり得る。疾患はアナフィラキシーであり得るものであり、治療有効量のエピネフリンは、対象におけるアナフィラキシーの少なくとも1つの症状を緩和するのに十分な量である。疾患はアナフィラキシーであり得るものであり、エピネフリンの治療有効量は、アナフィラキシーの重症度を軽減するか、又はアレルゲンに対象が曝露した後の対象におけるアナフィラキシーの発症を阻害するのに十分な量である。
エピネフリンに反応する疾患は、癌であり得る。癌は、皮膚癌、脳癌、神経膠腫、肉腫、乳癌、肺癌、非小細胞肺癌、中皮腫、虫垂癌、泌尿生殖器癌、腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、陰茎癌、子宮頸癌、卵巣癌、フォン・ヒッペル・リンドウ病、頭頸部癌、消化管癌、肝細胞癌、胆嚢癌、食道癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、神経内分泌腫瘍、甲状腺腫瘍、下垂体腫瘍、副腎腫瘍、血液悪性腫瘍、リンパ腫、白血病、又はそれらの組み合わせであり得る。疾患は皮膚がんであり得るものであり、皮膚がんはメラノーマである。ジピベフリン又はその薬学的に許容される塩が、補助的な抗癌治療であり得るものであり、方法が少なくとも1つの追加の抗癌治療を対象に行うことを含む。
エピネフリンに反応する疾患は、微生物感染症であり得る。微生物感染症は、細菌、ウイルス、真菌、又は寄生虫の感染症であり得る。微生物感染症は、インフルエンザ感染症などのウイルス感染症であり得る。微生物感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症などの細菌感染症であり得る。ジピベフリン又はその薬学的に許容される塩は、補助的な抗菌剤であり得るものであり、方法は、対象における感染症を治療するための少なくとも1つの追加の抗菌剤の使用をさらに含む。追加の抗菌剤は抗生物質であり得る。追加の抗菌剤は抗ウイルス剤であり得る。
本開示の方法で使用されるジピベフリンは、ラセミ体のジピベフリン又はL−ジピベフリンであり得る。本開示の方法で使用されるジピベフリンは、ジピベフリン塩酸塩又はL−ジピベフリン塩酸塩であり得る。本開示の方法で使用されるジピベフリンは、同位体標識されたジピベフリン又はその薬学的に許容される塩であり得る。
本開示の方法で使用されるジピベフリンは、経口溶液、錠剤、又はカプセルの形態であり得る。本開示の方法で使用されるジピベフリンは、経口溶液の形態であり得る。本開示の方法で使用されるジピベフリンは、口腔内溶解錠剤又は口腔内崩壊錠剤の形態であり得る。本開示の方法で使用されるジピベフリン剤形は、0.01mg〜150mg、0.01mg〜100mg、0.01mg〜50mg、0.1mg〜20mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜5mg、0.1mg〜3mg、2.5mg、2mg、又は1.5mgのジピベフリンのジピベフリンを含むことができる。
ジピベフリン又はその塩の治療有効量は、対象において0.1〜50.0ng/mLのエピネフリンの血漿のCmaxをもたらすのに十分な量であり得る。ジピベフリン又はその塩の治療有効量は、米国FDA承認の注射可能剤形が筋肉内又は皮下投与のいずれかである場合、エピネフリンを含む米国FDA承認の注射可能剤形のエピネフリン薬物動態プロファイルと実質的に同等の薬物動態プロファイルをもたらすのに十分な量である。米国FDA承認の剤形は、筋肉内投与用の0.3mg、0.15mg、又は0.1mgのエピネフリン剤形を含み得る。米国FDA承認の剤形は、皮下投与用の0.3mg、0.15mg、又は0.1mgのエピネフリン剤形を含み得る。
本開示の特定の方法及び剤形は、投与の45分以内、投与の30分以内、投与の15分以内、投与の10分以内、又は投与の5分以内に治療有効量のエピネフリンを提供するための、ジピベフリン又はその塩の経口投与を含む。
本開示は、口腔内で2分以内に溶解可能なマトリックス中にジピベフリン又はジピベフリン塩を含む口腔内溶解錠剤を提供する。本開示の特定の剤形は、ジピベフリン塩酸塩を含む錠剤を含む。ジピベフリン又はジピベフリン塩の錠剤は、水溶性ポリマー及び甘味料をさらに含む。水溶性ポリマーは、ゼラチン、HPMC、又は前述のものの組み合わせであり得る。
組成物、方法、及び物品は、代替的に、本明細書に開示されている任意の適切な材料、工程、又は構成要素を含み、それらからなり、又は本質的にそれらからなることができる。組成物、方法、及び物品は、組成物、方法、及び物品の機能又は目的を達成するために他の方法では必要のない、任意の材料(もしくは種)、工程、又は構成要素を欠くように、又は実質的に除くように、追加的又は代替的に策定することができる。
本明細書に開示されるすべての範囲は、端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせることができる(例えば、「最大25重量%、又はより具体的には、5重量%〜20重量%」の範囲には、「5重量%〜20重量%」などの範囲の端点とすべての中間値が含まれる)。本明細書に記載される値は、当業者によって決定される特定の値の許容可能な誤差範囲を含み、これは、値がどのように測定又は決定されるか、すなわち、測定システムの制限に部分的に依存する。本明細書全体にわたっての「一部の実施形態」、「一実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して説明される特定の要素が本明細書に説明される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、説明された要素は、様々な実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよいことが理解されるべきである。
引用されたすべての特許、特許出願、及び他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願における用語が、組み込まれた参考文献における用語と矛盾又は相反する場合、本出願からの用語は、組み込まれた参考文献からの矛盾する用語よりも優先される。
特定の実施形態が説明されてきたが、出願人又は他の当業者には現在予見できない、又はその可能性のある代替、修正、変形、改良、及び実質的な同等物が生じ得る。したがって、提出され、修正される可能性がある添付の特許請求の範囲は、そのようなすべての代替、修正、変形、改良、及び実質的な同等物を包含することを意図している。