JP2021061646A - ロータ組み立て治具およびそれを用いたロータの組み立て方法 - Google Patents

ロータ組み立て治具およびそれを用いたロータの組み立て方法 Download PDF

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剛志 福地
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Abstract

【課題】コアとリングマグネットとの位置決め精度を向上させ、かつ構造を簡素化して小型軽量化を実現する。【解決手段】ロータ組み立て治具10を形成する第1ベース体21,第2ベース体25およびテーブル部40は、コアの装着孔に差し込まれてコアを径方向内側から支持する支持突起45と、支持突起45を中心に径方向に移動してリングマグネットを径方向外側から支持する複数の支持爪30と、複数の支持爪30を移動させるスライド機構26およびピニオン27と、を備える。コアをテーブル部40に対して可動部分に依らず精度良く位置決めでき、第1ベース体21とテーブル部40との間にリングマグネットを位置決めするための支持爪30を設けるだけで済む。可動部分を少なくしてコアとリングマグネットとの同軸度の低下が抑えられ、構造を簡素化してロータ組み立て治具10を小型軽量化できる。【選択図】図2

Description

本発明は、回転軸が装着される装着孔が中心に設けられたコアと、コアの径方向外側に装着されるリングマグネットと、を有するロータの組み立てに用いられ、コアおよびリングマグネットを支持するベースを備えたロータ組み立て治具およびそれを用いたロータの組み立て方法に関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるワイパ装置等の駆動源には、電動モータが採用されている。電動モータには、ブラシ付きの電動モータおよびブラシを備えないブラシレスモータがあり、近年のハイブリッド車両等においては、静粛性および制御性に優れたブラシレスモータを採用することがある。
このようなブラシレスモータは、駆動電流の供給により回転駆動されるロータを備えており、例えば、特許文献1には、回転軸の径方向外側に環状の磁石を固定してなるロータが開示されている。この特許文献1に記載されたロータは、回転軸と磁石との同軸度を向上させるために、次のようにして組み立てられる。
すなわち、回転軸の外周面と磁石の内周面との間に接着剤を塗布し、回転軸の中心軸と磁石の中心軸とを同軸となるように位置決め治具により位置決めした後に、この位置決め治具から両者を取り外し、互いの中心軸が同軸となった状態の回転軸と磁石とを位置決め治具による固定をせずに恒温槽に入れて、接着剤を硬化させている。
特開2008−160959号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術では、ロータを形成する回転軸が、大径部およびその軸方向両側に小径部を備えた中実の円柱により形成されている。そして、当該回転軸は、位置決め治具に設けられた上部センターシャフトおよび下部センターシャフトにより、軸方向両側から挟持されるようにして位置決めされている。その一方で、ロータを形成する磁石は、回転軸の大径部の径方向外側に装着可能な筒状に形成されている。そして、当該磁石は、位置決め治具に設けられたコレットにより、径方向外側から挟持されるようにして位置決めされている。
このように、特許文献1に記載された位置決め治具は、ロータの軸方向に移動可能なセンターシャフト(回転軸の位置決め用)と、ロータの径方向に移動可能なコレット(磁石の位置決め用)とを備えており、それぞれが可動部分となっている。
したがって、それぞれの可動部分の摩耗が略同時に進行して、ひいては回転軸および磁石の同軸度が早期に低下する虞があった。また、可動部分が多いため、位置決め治具の構造が複雑化したり、位置決め治具の大型化を招いたりする虞もあった。
本発明の目的は、コアとリングマグネットとの位置決め精度を向上させることができ、かつ構造を簡素化して小型軽量化が可能なロータ組み立て治具およびそれを用いたロータの組み立て方法を提供することにある。
本発明のロータ組み立て治具では、回転軸が装着される装着孔が中心に設けられたコアと、前記コアの径方向外側に装着されるリングマグネットと、を有するロータの組み立てに用いられ、前記コアおよび前記リングマグネットを支持するベースを備えたロータ組み立て治具であって、前記ベースは、前記装着孔に差し込まれて前記コアを径方向内側から支持する支持突起と、前記支持突起を中心に径方向に移動して前記リングマグネットを径方向外側から支持する複数の支持爪と、複数の前記支持爪を移動させる移動機構と、を有することを特徴とする。
本発明の他の態様では、前記支持突起の先端側に、先細り部が設けられていることを特徴とする。
本発明の他の態様では、前記支持突起の周囲に、前記支持突起の周方向に等間隔で3つの前記支持爪が配置されていることを特徴とする。
本発明の他の態様では、前記移動機構は、操作レバーが設けられ、前記ベースに対して直動するラックと、前記ラックに噛み合わされ、前記ベースに対して回動するピニオンと、を備え、前記ピニオンは、前記支持爪を移動させる駒部材が入り込み、前記ピニオンの回動に応じて前記駒部材を移動させるカム溝を有することを特徴とする。
本発明のロータの組み立て方法では、回転軸が装着される装着孔が中心に設けられたコアと、前記コアの径方向外側に装着されるリングマグネットと、を有するロータを、ロータ組み立て治具を用いて組み立てるロータの組み立て方法であって、前記ロータ組み立て治具のベースに前記リングマグネットを載せ、当該リングマグネットの周囲に配置された複数の支持爪を径方向に移動させ、前記リングマグネットを複数の前記支持爪により径方向外側から支持する第1工程と、前記コアの径方向外側に接着剤を塗布し、前記コアの前記装着孔に前記ロータ組み立て治具の前記ベースに設けられた支持突起を差し込み、前記リングマグネットの径方向内側に前記コアを配置する第2工程と、前記リングマグネットおよび前記コアを載せた前記ロータ組み立て治具を加熱炉に入れて、前記リングマグネットと前記コアとの間の前記接着剤を硬化させる第3工程と、複数の前記支持爪を径方向に移動させ、複数の前記支持爪による前記リングマグネットの支持を開放し、かつ前記コアを前記支持突起から取り外す第4工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ロータ組み立て治具のベースは、装着孔に差し込まれてコアを径方向内側から支持する支持突起と、支持突起を中心に径方向に移動してリングマグネットを径方向外側から支持する複数の支持爪と、複数の支持爪を移動させる移動機構と、を有している。
これにより、コアをベースに対して可動部分に依らず精度良く位置決めすることが可能となり、ベースにはリングマグネットを位置決めするための支持爪(可動部分)を設けるだけで済む。よって、従前に比して可動部分を少なくすることができ、ひいてはコアとリングマグネットとの同軸度が早期に低下するようなことが抑えられる。また、構造を簡素化できるため、ロータ組み立て治具を小型軽量化することが可能となる。
本発明に係るロータ組み立て治具を示す斜視図である。 図1のロータ組み立て治具の分解斜視図である。 本体部の詳細を説明する斜視図である。 支持爪の詳細を説明する斜視図である。 テーブル部の詳細を説明する斜視図である。 (a),(b)は、スライド機構およびピニオンの動作を説明する説明図である。 [リングマグネット供給工程]を説明する斜視図である。 [コア装着工程]を説明する説明図である。 [接着剤硬化工程]を説明する説明図である。 [取り出し工程]を説明する説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係るロータ組み立て治具を示す斜視図を、図2は図1のロータ組み立て治具の分解斜視図を、図3は本体部の詳細を説明する斜視図を、図4は支持爪の詳細を説明する斜視図を、図5はテーブル部の詳細を説明する斜視図を、図6(a),(b)はスライド機構およびピニオンの動作を説明する説明図を、図7は[リングマグネット供給工程]を説明する斜視図を、図8は[コア装着工程]を説明する説明図を、図9は[接着剤硬化工程]を説明する説明図を、図10は[取り出し工程]を説明する説明図をそれぞれ示している。
図1に示されるロータ組み立て治具10は、ブラシレスモータ(図示せず)のロータ(回転体)を組み立てる際に用いられるものである。そして、ロータ組み立て治具10は、図10に示されるようなロータ100を、精度良く組み立てられるように構成されている。ここで、ロータ組み立て治具10の詳細な説明に先立ち、当該ロータ組み立て治具10により組み立てられるロータ100の構造について説明する。なお、図10に示されるロータ100は、自動車等の車両に搭載される比較的小型のブラシレスモータに採用されるものである。
図10に示されるように、ロータ100は、磁性体よりなる複数の円盤状の鋼板を積層することで、略円柱形状に形成されたコア110(図8参照)を備えている。また、ロータ100は、コア110の径方向外側に装着されるリングマグネット120(図7参照)を備えている。なお、図7ないし図10では、リングマグネット120の配置関係を判り易くするために、当該リングマグネット120に網掛けを施している。
そして、コア110の回転中心には、当該コア110の軸方向に貫通した装着孔111が設けられている。この装着孔111には、図10の想像線(二点鎖線)で示される回転軸130が、差し込みによって装着されるようになっている。なお、回転軸130は、駆動対象物に動力伝達可能に連結されるものである。これにより、コア110の回転に伴って回転軸130が回転されて、ひいては駆動対象物が正方向または逆方向に回転駆動される。
また、コア110の径方向外側には、ロータ100の組み立て工程において、接着剤140(図8参照)が塗布される接着剤塗布面112が設けられている。ここで、コア110は複数の円盤状の鋼板を積層して形成されるため、接着剤塗布面112は、比較的表面粗さが粗い表面(微小な凹凸を有する表面)となっている。したがって、接着剤塗布面112に塗布された接着剤140は、接着剤塗布面112から容易に垂れ落ちることが無く、接着剤塗布面112に効果的に保持される。なお、接着剤塗布面112に塗布される接着剤140には、加熱により硬化する加熱硬化型の接着剤が用いられる。
コア110の径方向外側に接着剤140を介して固定されるリングマグネット120は、図7に示されるように単純な円筒形状に形成されている。そして、リングマグネット120の周方向には、異なる磁極(N極およびS極)が、交互に等間隔で複数並んで配置されている。なお、リングマグネット120には、安価で比較的強い磁力を発生し得るフェライト磁石が採用されている。
リングマグネット120の径方向内側には、コア110の接着剤塗布面112と対向する内周面121が設けられている。また、リングマグネット120の径方向外側には、ロータ組み立て治具10の3つの支持爪30(図4参照)により支持される外周面122が設けられている。なお、内周面121および外周面122は、接着剤塗布面112よりも平滑な面となっている。
図1および図2に示されるように、ロータ組み立て治具10は、本体部20と、3つの支持爪30と、テーブル部40とを、それぞれ組み立てることにより形成されている。なお、図2に示されるように、本体部20とテーブル部40との間に、3つの支持爪30が挟まれるようにして配置されている。そして、合計3つの固定螺子SC1によって、テーブル部40が本体部20に対してがたつくこと無く強固に固定されている。
図1ないし図3に示されるように、本体部20は、ロータ組み立て治具10の大部分を占める部分を構成している。具体的には、本体部20は、略正方形の肉厚の板状に形成された第1ベース体21を備えている。この第1ベース体21は、例えば、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって形成されており、互いに対向配置された一対の第1対向辺部21aおよび一対の第2対向辺部21bを備えている。
一対の第1対向辺部21aには、ブラケット22を介して一対のキャスター(車輪)23がそれぞれ設けられている。すなわち、ロータ組み立て治具10には、合計4つのキャスター23が設けられている。これにより、ロータ組み立て治具10は、図7ないし図10の図中左右方向に移動自在となっている。なお、これらのキャスター23においても、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって形成されている。
また、一対の第2対向辺部21bには、他のロータ組み立て治具10との連結に使用される一対の連結部材24がそれぞれ設けられている。つまり、ロータ組み立て治具10には、合計4つの連結部材24が設けられている。これらの連結部材24は、比較的小さな磁力を発生する略円柱形状の永久磁石からなり、これにより図7ないし図10に示されるように、複数のロータ組み立て治具10は互いに連結可能となっている。
第1ベース体21の表面21cには、ピニオン27を収容する第2ベース体25が一体に設けられている。この第2ベース体25は、その一部が切り欠かれて略C字形状に形成されており、この切り欠かれた第2ベース体25の側方の部分からは、図6に示されるように、ピニオン27の一部(歯の部分)が露出されている。ただし、図6においては、4つのキャスター23,4つの連結部材24およびテーブル部40等の図示を省略している。
ここで、第2ベース体25においても、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって形成されている。なお、第2ベース体25は、第1ベース体21の表面21cに対して、図示しない複数の固定螺子によって、がたつくこと無く強固に固定されている。
さらに、第1ベース体21の表面21cには、第2ベース体25の切り欠かれた側(図3中左下側)で、かつ一方の第1対向辺部21aに沿う部分に、スライド機構26が設けられている。このスライド機構26は、操作者の手やロボットアームによって操作される部分である。
具体的には、スライド機構26は、ピニオン27に噛み合わされ、略直方体形状に形成されたラック26aと、当該ラック26aを第1対向辺部21aに沿わせてスライド(直動)自在に支持するラック支持部材26bと、第1ベース体21の表面21cから立ち上がるようにして設けられた支持壁26cと、当該支持壁26cとラック26aとの間に配置されたコイルスプリング26dと、を備えている。また、ラック26aには、略L字形状に形成された操作レバー26eが固定されている。
そして、操作レバー26eを操作して、ラック26aをコイルスプリング26dのばね力に抗して移動させることで、ピニオン27が一方向(図6(a)の実線矢印RT1の方向)に回転される。また、図6(a)に示される状態から操作レバー26eを開放すると、今度はコイルスプリング26dのばね力によって、ラック26aが元に戻る方向に移動する。これにより、ピニオン27が他方向(図6(b)の破線矢印RT2の方向)に回転される。
なお、スライド機構26を構成するラック26a,ラック支持部材26b,支持壁26cおよび操作レバー26e(コイルスプリング26dを除く)においても、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によってそれぞれ形成されている。
第2ベース体25の径方向内側(内部)には、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって形成されたピニオン27が、回転自在に収容されている。具体的には、このピニオン27は、第1ベース体21の略中央部分に一体に設けられた支持軸21dに回転自在に支持されている。これによりピニオン27は、支持軸21dの軸心Cを中心に正逆方向に回転可能となっている。そして、図6に示されるように、ピニオン27はラック26aに噛み合わされている。
また、ピニオン27には、円弧形状に形成された合計3つのカム溝27aが設けられている。これらのカム溝27aは、3つの支持爪30(図4参照)に対応して設けられ、ピニオン27の周方向に所定間隔(120度間隔)で並んで設けられている。なお、図6に示されるように、円弧形状に形成されたカム溝27aにおいて、ピニオン27の回転方向一方側の部分P1の方が、ピニオン27の回転方向他方側の部分P2よりも、ピニオン27の径方向内側に配置されている。言い換えれば、円弧形状に形成されたカム溝27aにおいて、ピニオン27の回転方向他方側の部分P2の方が、ピニオン27の回転方向一方側の部分P1よりも、ピニオン27の径方向外側に配置されている。
そして、3つのカム溝27aのそれぞれには、支持爪30を移動させる駒部材32がそれぞれ入り込み、これらの駒部材32は、カム溝27aの内部をその形状に沿って移動自在となっている。具体的には、3つのカム溝27aのそれぞれに入り込んで係合された3つの駒部材32は、ピニオン27の回転に伴って、軸心Cを中心にピニオン27の径方向に移動するようになっている(図6の白抜き矢印参照)。つまり、カム溝27aは、ピニオン27の回転に応じて、駒部材32を移動させるようになっている。
なお、3つの駒部材32は、3つの支持爪30を形成する移動本体31(図4参照)にそれぞれ固定される。よって、ピニオン27の回転に伴って、3つの支持爪30のそれぞれが同期して、軸心Cを中心にテーブル部40の径方向に移動するようになっている。
ここで、スライド機構26およびピニオン27は、本発明における移動機構を構成している。
図1,図2および図4に示されるように、3つの支持爪30は、それぞれ同じ形状に形成されており、支持突起45(軸心C)の周囲に、支持突起45の周方向に等間隔(120度間隔)で配置されている。そして、これらの支持爪30は、支持突起45を中心にピニオン27の径方向に移動される移動本体31を備えている。この移動本体31は、略直方体形状に形成されており、その長手方向がピニオン27の径方向に一致している。そして、移動本体31の底面(図示せず)には、駒部材32(図3参照)がそれぞれ固定されるようになっている。
移動本体31の駒部材32側とは反対側には、ピニオン27の軸方向に突出するようにして爪本体33が一体に設けられている。爪本体33の先端側は、テーブル部40に設けられた挿通孔42(図5参照)を介して外部に露出されている(図1参照)。そして、ピニオン27の径方向に沿う爪本体33の断面形状は、略長方形形状となっており、ピニオン27の径方向に沿う爪本体33の幅寸法W1(図4参照)は、ピニオン27の径方向に沿う挿通孔42の幅寸法W2(図5参照)よりも小さくなっている(W1<W2)。
これにより、支持爪30は、挿通孔42に対して、軸心Cを中心にピニオン27の径方向に所定距離の分だけ移動可能となっている。具体的には、支持爪30は、軸心Cを中心にピニオン27の径方向に(W2−W1)の分の距離だけ移動可能となっている。つまり、支持爪30は、挿通孔42によって、テーブル部40の径方向に対して移動が規制された状態となっている。
なお、3つの支持爪30は、それぞれ同期して移動することにより、リングマグネット120の外周面122(図7参照)を支持するが、それぞれの支持爪30は、リングマグネット120の支持位置を個別に微調整可能となっている。具体的には、それぞれの爪本体33の先端寄りの部分に、軸心Cを中心にピニオン27の径方向に移動可能な支持棒34が設けられている。そして、これらの支持棒34は、固定螺子SC2を緩めることで、軸心Cを中心にピニオン27の径方向に移動自在となっている。これにより、支持棒34のリングマグネット120に対する支持位置を、それぞれ微調整することができる。
このように、3つの支持爪30は、リングマグネット120をコア110(図8参照)とは別に独立して径方向外側から支持するようになっている。そのため、コア110の支持位置に左右されること無く、テーブル部40に対してリングマグネット120を高精度で位置決め可能となっている。
ここで、移動本体31,駒部材32,爪本体33および支持棒34においても、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によってそれぞれ形成されている。
図1,図2および図5に示されるように、テーブル部40は、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって略円盤状に形成されている。ここで、ロータ組み立て治具10を形成する第1ベース体21,第2ベース体25およびテーブル部40は、本発明におけるベースを構成している。
テーブル部40の表面40aには、略扇形状に形成された3つの第1載置部41が設けられている。これらの第1載置部41は、3つの支持爪30(図4参照)に対応して設けられ、テーブル部40の周方向に等間隔(120度間隔)で配置されている。そして、これらの第1載置部41の径方向内側の部分(挿通孔42を跨ぐ部分)に、リングマグネット120(図7参照)が載置されるようになっている。つまり、テーブル部40は、リングマグネット120を、その軸方向から支持するようになっている。
そして、テーブル部40の周方向に沿う第1載置部41の中央部分には、支持爪30の爪本体33(図4参照)が挿通される挿通孔42がそれぞれ設けられている。これらの挿通孔42は、テーブル部40を軸方向に貫通するようにして設けられ、略正方形形状に形成されている。そして、それぞれの挿通孔42の内部には、軸心Cを中心にテーブル部40(ピニオン27)の径方向に移動自在に爪本体33が配置されている(図1参照)。これにより、ピニオン27の回転に伴って、3つの支持爪30がピニオン27と一緒に回転されることが防止される。
また、テーブル部40の周方向に沿う第1載置部41の間には、比較的浅い深さ寸法の第1凹溝43が設けられている。これらの第1凹溝43は、合計3つ設けられており、それぞれの第1凹溝43の部分には、螺子挿通穴43aが設けられている。そして、これらの螺子挿通穴43aには、テーブル部40を本体部20(図3参照)に対して強固に固定するための固定螺子SC1が、それぞれ挿通されるようになっている。
さらに、テーブル部40の表面40aにおいて、3つの第1載置部41の径方向内側には、略円形形状に形成された第2載置部44が設けられている。この第2載置部44には、コア110(図8参照)が載置されるようになっている。つまり、テーブル部40は、コア110を、その軸方向から支持するようになっている。そして、第2載置部44の軸心Cの部分には、コア110を径方向内側から支持する支持突起45の基端部分が固定されている。この支持突起45においても、第1ベース体21と同様に、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって形成されている。
支持突起45は、コア110の装着孔111(図8参照)に対してがたつくこと無く差し込み可能となっている。そして、支持突起45の先端側は、先端部に向かうに連れて徐々に小径となっている。具体的には、支持突起45の先端側には、略半球形状に形成された先細り部45aが一体に設けられている。これにより、支持突起45を装着孔111に対して容易に差し込み可能となっている。つまり、先細り部45aは、コア110を第2載置部44の上に載せ易く(セットし易く)する機能を有している。
このように、テーブル部40の軸心Cに固定された支持突起45は、コア110をリングマグネット120(図7参照)とは別に独立して径方向内側から支持するようになっている。そのため、リングマグネット120の支持位置に左右されること無く、テーブル部40に対してコア110を高精度で位置決め可能となっている。
すなわち、テーブル部40の第1載置部41上には、3つの支持爪30によって、軸心Cが中心となるように、径方向外側からリングマグネット120が精度良く位置決めされる。一方、テーブル部40の第2載置部44上には、支持突起45によって、軸心Cが中心となるように、径方向内側からコア110が精度良く位置決めされる。したがって、リングマグネット120およびコア110の同軸度を、上述した従前の技術に比して大幅に向上可能となっている。
このように、リングマグネット120およびコア110の同軸度を向上させることにより、以下の(A),(B),(C)に示されるような種々のメリットを得ることができる。
(A)コア110の外径とリングマグネット120の内径との寸法差をより小さくすることができる。よって、両者をより少ない接着剤140(図8参照)で強固に固定することが可能となり、さらにはロータ100(図10参照)をより小型軽量化することが可能となる。
(B)接着剤140の量を少なくできるので、当該接着剤140を硬化させるための加熱炉HT(図9参照)を通過させる時間を短くすることができる。したがって、製造エネルギーの省力化を図りつつ、製造効率を向上させることが可能となる。
(C)加熱炉HTを通過させる時間を短くすることができるので、ロータ組み立て治具10をそのまま加熱炉HTに入れても、ロータ組み立て治具10の加熱が抑えられて、コア110およびリングマグネット120の位置精度の低下が抑えられる。特に、ロータ組み立て治具10の構成部品の殆どが、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材により形成されているため、加熱による熱変形が少なくて済む。また、リングマグネット120が長時間高温に曝されることが抑えられるため、リングマグネット120の熱減磁(磁力低下)が抑えられる。
図5に示されるように、3つの第1載置部41の径方向内側と、第2載置部44の径方向外側との間には、3つの第1凹溝43のそれぞれに繋がる環状の第2凹溝46が設けられている。この第2凹溝46は、第1凹溝43と同じ深さ寸法に設定され、かつテーブル部40の軸方向に対して、コア110とリングマグネット120との間の接着剤140の部分と対向するようになっている。
これにより、仮に、コア110の接着剤塗布面112(図8参照)に塗布すべき接着剤140の量が多くなり、コア110とリングマグネット120との間から接着剤140がはみ出たとしても、このはみ出た余剰の接着剤140は第2凹溝46の部分に配置される。したがって、余剰の接着剤140によりコア110およびリングマグネット120がテーブル部40の軸方向に位置ずれ等を起こすことを、未然に防ぐことができる。
次に、リングマグネット120をテーブル部40上の規定位置に位置決めするスライド機構26の動作について、図6を参照しつつ説明する。
図6(a)に示されるように、操作レバー26eを把持する等して、コイルスプリング26dのばね力に抗してRELEASE方向(図中左側)に移動させる。すると、ラック26aに噛合されたピニオン27が、時計回り方向(矢印RT1の方向)に回転する。これにより、カム溝27aに係合した駒部材32が、カム溝27aの内部を移動して、当該カム溝27aの回転方向一方側の部分P1に配置される。したがって、実線の白抜き矢印で示されるように、駒部材32(支持爪30)が径方向外側に移動して、軸心Cを中心とした大径円R1の部分に配置される。よって、3つの支持爪30の内側にリングマグネット120を配置できるようになる。
図6(b)に示されるように、操作レバー26eの操作力を開放すると、コイルスプリング26dのばね力によりラック26aがCLAMP方向(図中右側)に移動する。すると、ラック26aに噛合されたピニオン27が、反時計回り方向(矢印RT2の方向)に回転する。これにより、カム溝27aに係合した駒部材32が、カム溝27aの内部を移動して、当該カム溝27aの回転方向他方側の部分P2に配置される。したがって、破線の白抜き矢印で示されるように、駒部材32(支持爪30)が径方向内側に移動して、軸心Cを中心とした小径円R2の部分に配置される。
よって、3つの支持爪30を構成するそれぞれの支持棒34が、テーブル部40(図5参照)上に載置されたリングマグネット120の外周面122(図7参照)にそれぞれ当接する。これにより、リングマグネット120が、軸心Cを中心に正規位置に精度良く位置決めされる。このとき、リングマグネット120は、3つの支持棒34によって3点で支持されるため、テーブル部40上でがたつくこと無くバランス良く位置決めされる。
次に、以上のように形成されたロータ組み立て治具10を用いたロータ100(図10参照)の組み立て方法について、図面を用いて詳細に説明する。
本実施の形態に係るロータ組み立て治具10は、図7ないし図10に示されるように、ベルトコンベヤを用いた生産ライン上を連なって流れるようになっている。これにより、大量のロータ100を精度良く生産することが可能となっている。
[リングマグネット供給工程]
図7に示されるように、まず、別の製造工程で製造されたリングマグネット120が、第1ベルトコンベヤCN1により矢印M1のように所定の供給位置に搬送されてくる。このとき、複数のロータ組み立て治具10を載せた第2ベルトコンベヤCN2は停止した状態となっている。
次いで、第2ベルトコンベヤCN2の近傍に設置された第1ロボットRB1(詳細図示せず)が作動して、何も載せていないロータ組み立て治具10の操作レバー26eを、実線矢印RELEASEの方向に移動させる。これにより、図6(a)に示されるように、3つの駒部材32(支持爪30)が径方向外側にそれぞれ移動される。よって、ロータ組み立て治具10が、リングマグネット120を搭載できる状態となる。
その後、第1ベルトコンベヤCN1と第2ベルトコンベヤCN2との間に設置された第2ロボットRB2(詳細図示せず)が作動して、第1ベルトコンベヤCN1上に準備されたリングマグネット120を把持し、矢印M2のようにリングマグネット120をロータ組み立て治具10のテーブル部40上に載せる。これにより、リングマグネット120が3つの支持爪30の内側にセットされて、3つの支持爪30による正規位置への位置決めが可能な状態となる。
次いで、第1ロボットRB1が作動して、ロータ組み立て治具10の操作レバー26eを離す(開放する)。これにより、操作レバー26eが、コイルスプリング26dのばね力によって、破線矢印CLAMPの方向に移動する。よって、リングマグネット120の周囲に配置された3つの駒部材32(支持爪30)が、図6(b)に示されるように径方向内側にそれぞれ移動されて、3つの支持爪30により径方向外側からリングマグネット120が支持されて、リングマグネット120が正規位置に位置決めされる。具体的には、リングマグネット120の軸心(図示せず)が、軸心C(図2参照)に略完全に一致した状態となる。
ここで、コイルスプリング26dのばね力は、リングマグネット120を破損させること無く、テーブル部40に対して位置決めし得る程度の比較的弱いばね力に設定されている。そのため、3つの支持爪30の動きが渋くなって、スムーズに作動しないようなことが起こり得る。したがって、第1ロボットRB1により、操作レバー26eを、RELEASEの方向およびCLAMPの方向に複数回移動させるようにするのが望ましい。これにより、リングマグネット120をテーブル部40の正規位置により確実に位置決めすることが可能となる。
これにより、[リングマグネット供給工程]が完了する。なお、[リングマグネット供給工程]は、本発明における第1工程を構成している。また、上述のような[リングマグネット供給工程]を終える度に、第2ベルトコンベヤCN2は矢印M3の方向に少しだけ移動される。その移動距離は、次のロータ組み立て治具10に対して次のリングマグネット120を載置できるように、概ねロータ組み立て治具10が1つ分の距離となっている。
さらに、図7に示されるように、第2ベルトコンベヤCN2の移動方向(図中左右方向)に、複数のロータ組み立て治具10が真っ直ぐに整然と連なっているが、これは、それぞれのロータ組み立て治具10に設けられた連結部材24の作用によるものである。すなわち、複数のロータ組み立て治具10は、それぞれの連結部材24により互いに連結されることで、第2ベルトコンベヤCN2上に真っ直ぐに整然と連なることが可能となっている。よって、第2ベルトコンベヤCN2に対するロータ組み立て治具10の位置精度も良好となり、ひいては、第1ロボットRB1および第2ロボットRB2の制御を補正する必要がある場合等には、その補正制御等を簡素化することが可能となっている。
[コア装着工程]
[リングマグネット供給工程]を終えたロータ組み立て治具10(リングマグネット120を搭載)は、第2ベルトコンベヤCN2の移動により、次の[コア装着工程]に移行する。具体的には、図8に示されるように、まず、別の製造工程で製造されたコア110が、第3ベルトコンベヤCN3により矢印M4のように所定の供給位置に搬送されてくる。このとき、複数のロータ組み立て治具10を載せた第2ベルトコンベヤCN2は停止した状態となっている。
次いで、第3ベルトコンベヤCN3と第2ベルトコンベヤCN2との間に設置された第3ロボットRB3(詳細図示せず)が作動して、第3ベルトコンベヤCN3上に準備されたコア110を持って、当該コア110を矢印M5のように接着剤塗布ロボットRBB(詳細図示せず)の近くに移動させる。なお、第3ロボットRB3は、コア110の装着孔111に差し込まれる突起(図示せず)を有しており、当該突起を装着孔111に差し込むことで、コア110を持つようになっている。
その後、第3ロボットRB3は、矢印RT3に示されるように、突起の軸心Jを中心に低速で回転させる。そして、この状態で、接着剤塗布ロボットRBBを作動させて、所定量(比較的少ない量)の接着剤140を、コア110の径方向外側の接着剤塗布面112に塗布する。
このとき、コア110の軸方向に対して螺旋状となるように接着剤140を塗布する。なお、接着剤塗布面112は、比較的表面粗さが粗い表面となっており、接着剤塗布面112に塗布された接着剤140は、第3ロボットRB3の振動等により垂れ落ちることは無い。
これに引き続き、矢印M6に示されるように、第3ロボットRB3を作動させて、接着剤140が塗布されたコア110を、ロータ組み立て治具10のテーブル部40上に臨ませる。このとき、突起の軸心J、つまりコア110の軸心Jを、目標となるロータ組み立て治具10の軸心Cに一致させて、コア110の装着孔111に、テーブル部40の支持突起45を差し込むようにする。そして、支持突起45を装着孔111に差し込む際に、第3ロボットRB3を再び作動させて、矢印RT4に示されるように、コア110を低速で回転させる。
これにより、コア110の接着剤塗布面112に塗布された接着剤140が、リングマグネット120の内周面121(図7参照)に満遍なく行き渡り、コア110とリングマグネット120とが接着剤140によって一体化される。このとき、コア110の装着孔111には、支持突起45の先細り部45a(図5参照)が最初に差し込まれるので、コア110の軸心Jと支持突起45の軸心Cとが若干ずれていたとしても、それぞれの軸心を容易に一致させることができ、ひいては、コア110をテーブル部40上に容易に精度良く載せることが可能となっている。
これにより、リングマグネット120の径方向内側にコア110が配置されて、コア110とリングマグネット120とが互いに軸心Cで一致した状態で一体化される。よって、ロータ組み立て治具10を用いてロータ100を組み立てる場合には、コア110の外径寸法とリングマグネット120の内径寸法との差を詰めることができる。したがって、従前に比して少ない接着剤140で両者を固定でき、かつロータ100自身をより小型軽量化することが可能となる。
このようにして、[コア装着工程]が完了する。なお、[コア装着工程]は、本発明における第2工程を構成している。また、上述のような[コア装着工程]を終える度に、第2ベルトコンベヤCN2は矢印M7の方向に少しだけ移動される。その移動距離は、上述の[リングマグネット供給工程]のときと同様に、概ねロータ組み立て治具10が1つ分の距離となっている。
[接着剤硬化工程]
[コア装着工程]を終えたロータ組み立て治具10(接着剤140が硬化する前のロータ100を搭載)は、第2ベルトコンベヤCN2の移動により、次の[接着剤硬化工程]に移行する。具体的には、図9に示されるように、接着剤140(図8参照)が硬化する前のロータ100を搭載したロータ組み立て治具10が、次々と加熱炉HTの内部に入っていく。つまり、リングマグネット120およびコア110を載せたロータ組み立て治具10が、そのまま第2ベルトコンベヤCN2に載った状態で加熱炉HTの内部に進入していく。
このとき、第2ベルトコンベヤCN2は、比較的遅い送り速度に制御される。これにより、コア110とリングマグネット120との間の接着剤140が確実に硬化される。このとき、コア110およびリングマグネット120は、それぞれ個別にロータ組み立て治具10に位置決めされた状態のため、接着剤140の熱収縮等により、コア110およびリングマグネット120の位置が互いにずれてしまうようなことが無い。
なお、加熱炉HTの内部温度は、例えば200度に設定されており、加熱炉HTの内部を通過する時間は、例えば1分に設定されている。ただし、リングマグネット120の熱減磁を抑えるために、加熱炉HTの内部温度を低く設定して、その代わりに加熱炉HTの内部を通過する時間を長く設定することもできる。いずれにしても、本実施の形態においては、接着剤140の塗布量が従前に比して少なくて済むため、従前に比して加熱炉HTを通過させる時間、つまり、[接着剤硬化工程]に要する時間を十分に短縮することが可能となっている。
そして、加熱炉HTの出口側(図中右側)には、加熱炉HTを通過したロータ100を検査する検査カメラCAMが設置されている。そして、矢印M8のように検査カメラCAMでロータ100を撮像することで、接着剤140の硬化状態(良否)を確認するようになっている。検査カメラCAMでロータ100を検査した後は、完成したロータ100を搭載したロータ組み立て治具10は、第2ベルトコンベヤCN2の移動により矢印M9の方向に移動される。
このようにして、[接着剤硬化工程]が完了する。なお、[接着剤硬化工程]は、本発明における第3工程を構成している。
[取り外し工程]
[接着剤硬化工程]を終えたロータ組み立て治具10(完成したロータ100を搭載)は、第2ベルトコンベヤCN2の移動により、次の[取り外し工程]に移行する。具体的には、図10に示されるように、第2ベルトコンベヤCN2を定期的に停止させて、かつ第2ベルトコンベヤCN2の近傍に設置された第4ロボットRB4(詳細図示せず)を作動させる。そして、ロータ組み立て治具10の操作レバー26eを、実線矢印RELEASEの方向に移動させて、これにより、図6(a)に示されるように、3つの駒部材32(支持爪30)を径方向外側にそれぞれ移動させる。
これにより、3つの支持爪30によるリングマグネット120(ロータ100)の支持が開放されて、ロータ組み立て治具10から完成したロータ100を取り外せるようになる。
その後、第2ベルトコンベヤCN2と第4ベルトコンベヤCN4との間に設置された第5ロボットRB5(詳細図示せず)が、ロータ組み立て治具10の上に載置されたロータ100を把持し、軸心Cの方向に引き抜くように作動する。これにより、ロータ100を形成するコア110が、テーブル部40の支持突起45から外される。
次いで、第5ロボットRB5は、矢印M10に示されるように、ロータ組み立て治具10から取り外したロータ100を、第4ベルトコンベヤCN4上に載せる。その後、第4ベルトコンベヤCN4が、矢印M11の方向へ移動することで、完成したロータ100がストッカ(図示せず)に貯留されていく。
これにより、[取り外し工程]が完了する。なお、[取り外し工程]は、本発明における第4工程を構成している。また、上述のような[取り外し工程]を終える度に、第2ベルトコンベヤCN2は矢印M12の方向に少しだけ移動される。その移動距離は、上述の[リングマグネット供給工程]のときと同様に、概ねロータ組み立て治具10が1つ分の距離となっている。
なお、完成したロータ100が取り外されたロータ組み立て治具10は、上述の[リングマグネット供給工程]に戻る。
以上詳述したように、本実施の形態に係るロータ組み立て治具10によれば、ロータ組み立て治具10を形成する第1ベース体21,第2ベース体25およびテーブル部40は、装着孔111に差し込まれてコア110を径方向内側から支持する支持突起45と、支持突起45を中心に径方向に移動してリングマグネット120を径方向外側から支持する複数の支持爪30と、複数の支持爪30を移動させるスライド機構26およびピニオン27と、を有している。
これにより、コア110をテーブル部40に対して可動部分に依らず精度良く位置決めすることが可能となり、第1ベース体21とテーブル部40との間にリングマグネット120を位置決めするための支持爪30(可動部分)を設けるだけで済む。よって、従前に比して可動部分を少なくすることができ、ひいてはコア110とリングマグネット120との同軸度が早期に低下するようなことが抑えられる。また、構造を簡素化できるため、ロータ組み立て治具10を小型軽量化することが可能となる。
また、本実施の形態に係るロータ組み立て治具10によれば、支持突起45の先端側に先細り部45aが設けられているので、支持突起45を装着孔111に対して容易に差し込めるようになっている。したがって、コア110を第2載置部44の上に容易にセットすることが可能となり、作業性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態に係るロータ組み立て治具10によれば、支持突起45の周囲に、当該支持突起45の周方向に等間隔(120度間隔)で3つの支持爪30が配置されているので、リングマグネット120を、3つの支持爪30により3点で支持することができ、ひいてはテーブル部40上でがたつくこと無くバランス良く位置決めすることができる。
また、本実施の形態に係るロータ組み立て治具10によれば、操作レバー26eが設けられ、第1ベース体21に対して直動するラック26aと、ラック26aに噛み合わされ、第1ベース体21に対して回動するピニオン27と、から移動機構が構成され、ピニオン27は、支持爪30を移動させる駒部材32が入り込み、ピニオン27の回動に応じて駒部材32を移動させるカム溝27aを有している。
これにより、比較的単純な構成の所謂「ラック・アンド・ピニオン」構造で、3つの支持爪30を同期して移動させることができる。よって、リングマグネット120をロータ組み立て治具10に容易にセットでき、かつロータ組み立て治具10を小型軽量化することができる。
さらに、本実施の形態に係るロータ組み立て治具10を用いて組み立てられるロータ100の組み立て方法によれば、[リングマグネット供給工程]において、リングマグネット120がその径方向外側からロータ組み立て治具10の正規位置に位置決めされ、[コア装着工程]において、コア110がその径方向内側からロータ組み立て治具10の正規位置に位置決めされる。
したがって、それぞれを個別に径方向からロータ組み立て治具10に対して精度良く位置決めすることが可能となり、両部材(コア110およびリングマグネット120)の同軸度を、従前に比して大幅に向上させることが可能となる。
また、本実施の形態に係るロータ組み立て治具10を用いて組み立てられるロータ100の組み立て方法によれば、ロータ組み立て治具10の構成部品の殆どを、熱膨張係数が比較的小さいステンレス鋼材によって形成しているので、高熱に曝したとしても、コア110およびリングマグネット120の同軸度が低下するようなことを抑制できる。
したがって、[接着剤硬化工程]において、ロータ100を搭載したロータ組み立て治具10を、そのまま加熱炉HTに入れることができる。よって、接着剤140が熱収縮等することで、コア110およびリングマグネット120の同軸度が低下するようなことを、確実に防止することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、自動車等の車両に搭載される比較的小型のブラシレスモータに採用されるロータ100を例に説明したが、本発明はこれに限らず、エスカレータやエレベータ等の駆動源に用いられる産業用の比較的大型のブラシレスモータ等のロータにも、採用することができる。
その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。
10 ロータ組み立て治具
20 本体部
21 第1ベース体(ベース)
21a 第1対向辺部
21b 第2対向辺部
21c 表面
21d 支持軸
22 ブラケット
23 キャスター
24 連結部材
25 第2ベース体(ベース)
26 スライド機構(移動機構)
26a ラック
26b ラック支持部材
26c 支持壁
26d コイルスプリング
26e 操作レバー
27 ピニオン(移動機構)
27a カム溝
30 支持爪
31 移動本体
32 駒部材
33 爪本体
34 支持棒
40 テーブル部(ベース)
40a 表面
41 第1載置部
42 挿通孔
43 第1凹溝
43a 螺子挿通穴
44 第2載置部
45 支持突起
45a 先細り部
46 第2凹溝
100 ロータ
110 コア
111 装着孔
112 接着剤塗布面
120 リングマグネット
121 内周面
122 外周面
130 回転軸
140 接着剤
CAM 検査カメラ
CN1 第1ベルトコンベヤ
CN2 第2ベルトコンベヤ
CN3 第3ベルトコンベヤ
CN4 第4ベルトコンベヤ
HT 加熱炉
P1 回転方向一方側の部分
P2 回転方向他方側の部分
R1 大径円
R2 小径円
RB1 第1ロボット
RB2 第2ロボット
RB3 第3ロボット
RBB 接着剤塗布ロボット
RB4 第4ロボット
RB5 第5ロボット
SC1,SC2 固定螺子

Claims (5)

  1. 回転軸が装着される装着孔が中心に設けられたコアと、前記コアの径方向外側に装着されるリングマグネットと、を有するロータの組み立てに用いられ、前記コアおよび前記リングマグネットを支持するベースを備えたロータ組み立て治具であって、
    前記ベースは、
    前記装着孔に差し込まれて前記コアを径方向内側から支持する支持突起と、
    前記支持突起を中心に径方向に移動して前記リングマグネットを径方向外側から支持する複数の支持爪と、
    複数の前記支持爪を移動させる移動機構と、
    を有することを特徴とするロータ組み立て治具。
  2. 請求項1に記載のロータ組み立て治具において、
    前記支持突起の先端側に、先細り部が設けられていることを特徴とするロータ組み立て治具。
  3. 前記支持突起の周囲に、前記支持突起の周方向に等間隔で3つの前記支持爪が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロータ組み立て治具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロータ組み立て治具において、
    前記移動機構は、
    操作レバーが設けられ、前記ベースに対して直動するラックと、
    前記ラックに噛み合わされ、前記ベースに対して回動するピニオンと、
    を備え、
    前記ピニオンは、
    前記支持爪を移動させる駒部材が入り込み、前記ピニオンの回動に応じて前記駒部材を移動させるカム溝を有することを特徴とするロータ組み立て治具。
  5. 回転軸が装着される装着孔が中心に設けられたコアと、前記コアの径方向外側に装着されるリングマグネットと、を有するロータを、ロータ組み立て治具を用いて組み立てるロータの組み立て方法であって、
    前記ロータ組み立て治具のベースに前記リングマグネットを載せ、当該リングマグネットの周囲に配置された複数の支持爪を径方向に移動させ、前記リングマグネットを複数の前記支持爪により径方向外側から支持する第1工程と、
    前記コアの径方向外側に接着剤を塗布し、前記コアの前記装着孔に前記ロータ組み立て治具の前記ベースに設けられた支持突起を差し込み、前記リングマグネットの径方向内側に前記コアを配置する第2工程と、
    前記リングマグネットおよび前記コアを載せた前記ロータ組み立て治具を加熱炉に入れて、前記リングマグネットと前記コアとの間の前記接着剤を硬化させる第3工程と、
    複数の前記支持爪を径方向に移動させ、複数の前記支持爪による前記リングマグネットの支持を開放し、かつ前記コアを前記支持突起から取り外す第4工程と、
    を有することを特徴とするロータの組み立て方法。
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