JP2021060019A - 車載エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気浄化用の触媒装置を、車体振動の増大を抑えられる範囲内で速やかに暖機する。【解決手段】電子制御ユニット20は、点火時期の遅角とアイドル回転数の上昇とを通じて排気浄化用の触媒装置19の暖機を促進する触媒暖機促進制御を実行するとともに、その触媒暖機促進制御での点火時期の遅角量、及びアイドル回転数の上昇量をエンジン水温の上昇に応じて大きくする。【選択図】図1
Description
本発明は、車載エンジンの制御装置に係り、詳しくは排気浄化用の触媒装置の暖機促進に係る制御構造の改良に関する。
特許文献1に見られるように、エンジンのアイドル回転数の上昇と点火時期の遅角とを通じて触媒装置に流入する排気の熱量を増大することで、触媒装置の暖機を促進する触媒暖機促進制御を行う車載エンジンの制御装置が知られている。
エンジン回転数が変化すると、エンジンが発生する振動、すなわちエンジン振動の周波数も変化する。一方、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数に近づくと、車体の振動が大きくなる。そのため、エンジンのアイドル回転数は、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数から離れた周波数となるように設定されている。しかしながら、触媒暖機促進制御によりアイドル回転数を上昇させると、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数に近づいて車体の振動が増大する虞がある。そのため、触媒暖機促進制御でのアイドル回転数の上昇量は、車体の振動を許容可能なレベル以下に抑えられる範囲に制限されている。そして、その制限のため、触媒暖機促進制御による触媒装置の暖機促進の効果が限定されており、その分、触媒装置の暖機完了に要する時間が長くなっている。
上記課題を解決する車載エンジンの制御装置は、アイドル回転数の上昇を通じて排気浄化用の触媒装置の暖機を促進する触媒暖機促進制御をエンジンの冷間運転中に実施する。そして同制御装置は、触媒暖機促進制御におけるアイドル回転数の上昇量をエンジン水温の上昇に応じて大きくしている。
アイドル回転数の上昇は燃焼室内で燃焼する混合気の増量により達成される。そして、燃焼室内で燃焼された混合気の量が多いほど触媒装置に流入する排気の熱量も多くなる。そのため、触媒暖機促進制御による触媒装置の暖機促進効果は、アイドル回転数の上昇量を大きくするほど高くなる。
以下の説明では、エンジンの暖機完了後のアイドル運転を通常アイドル運転と記載する。車体の振動抑制の優先度は、触媒暖機促進制御の実施中よりも通常アイドル運転中の方が高いため、通常アイドル運転時のアイドル回転数には、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数から離れた周波数となるエンジン回転数が設定されている。そのため、触媒促進制御におけるアイドル回転数の上昇量を大きくすると、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数に近づいて車体の振動が大きくなってしまう。
以下の説明では、車体の振動を許容可能なレベル以下に留められるアイドル回転数の上昇量の最大値を限界上昇量と記載する。エンジンの冷間運転中にエンジン水温が上昇すると、燃焼が安定してエンジン振動が小さくなる。そして、エンジン振動が小さければ、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数に近づいても、車体の振動はあまり大きくならない。そのため、エンジン水温が上昇して燃焼が安定した状態にあるときには、エンジン水温が低くて燃焼が不安定な状態にあるときよりも、触媒暖機促進制御での限界上昇量は大きくなる。その点、上記制御装置では、このようなエンジン水温の上昇による限界上昇量の増大に対応して、触媒暖機促進制御におけるアイドル回転数の上昇量を大きくしている。したがって、上記車載エンジンの制御装置によれば、車体振動の増大を抑えられる範囲内で触媒装置を早期に暖機可能となる。
以下、車載エンジンの制御装置の一実施形態を、図1〜図6を参照して詳細に説明する。ここではまず、図1を参照して本実施形態の適用対象となる車載用のエンジン10の構成を説明する。
図1に示すように、エンジン10は、吸気と燃料との混合気の燃焼が行われる燃焼室11と、燃焼室11への吸気の導入通路である吸気通路12と、燃焼室11での混合気の燃焼により生じた排気の排出通路である排気通路13と、を備えている。吸気通路12には吸気中の不純物を濾過するエアクリーナ14が設置されており、吸気通路12におけるエアクリーナ14よりも下流側の部分には吸気流量GAを検出するエアフローメータ15が設置されている。また、吸気通路12におけるエアフローメータ15よりも下流側の部分には吸気流量GAを調整するための弁であるスロットルバルブ16が設置されており、吸気通路12におけるスロットルバルブ16よりも下流側の部分には吸気中に燃料を噴射するインジェクタ17が設置されている。一方、燃焼室11には、吸気通路12を通じて導入された吸気とインジェクタ17が噴射した燃料との混合気を火花放電により点火する点火装置18が設置されている。さらに排気通路13には、排気浄化用の触媒装置19が設置されている。
こうしたエンジン10は、エンジン制御装置としての電子制御ユニット20により制御されている。電子制御ユニット20は、エンジン制御のための演算処理を行う演算処理装置21と、エンジン制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリ22と、を備えている。電子制御ユニット20には、上述のエアクリーナ14に加え、水温センサ23、クランク角センサ24、アクセルペダルセンサ25、車速センサ26などのエンジン10の運転状況や同エンジン10を搭載した車両の走行状況を検出する各種センサの検出信号が入力されている。なお、水温センサ23は、エンジン10の冷却水の温度であるエンジン水温THWを検出し、クランク角センサ24は、エンジン10の出力軸であるクランク軸の回転角を検出する。また、アクセルペダルセンサ25は、運転者のアクセルペダルの踏み込み量であるアクセルペダル開度を検出し、車速センサ26はエンジン10が搭載された車両の走行速度である車速を検出する。なお、電子制御ユニット20は、クランク角センサ24の検出結果からエンジン10の回転数であるエンジン回転数NEを求めている。そして、電子制御ユニット20は、各センサの検出結果に基づき、スロットルバルブ16の開度であるスロットル開度TA、インジェクタ17の燃料噴射量、点火装置18による燃焼室11での混合気の点火時期などを操作することでエンジン制御を行っている。
エンジン制御の一環として電子制御ユニット20は、エンジン10のアイドル運転中のエンジン回転数NEであるアイドル回転数の制御、いわゆるISC(Idol Speed Control)を実施する。ISCは、アイドル回転数の目標値である目標アイドル回転数NIと現在のエンジン回転数NEとの偏差に基づき、同偏差を縮小するようにスロットル開度TAをフィードバック制御することで行われる。
ところで、上述の触媒装置19には、排気中の有害成分の浄化反応を促進する触媒が担持されている。触媒装置19は、触媒の温度がその活性化温度よりも低いとき、すなわち触媒装置19が未暖機のときには、排気を十分に浄化できない状態にある。そこで、電子制御ユニット20は、エンジン制御の一環として、エンジン10の冷間運転中に、触媒装置19の暖機を促進するための触媒暖機促進制御を実施する。触媒暖機促進制御は、アイドル回転数の上昇と点火時期の遅角とを通じて行われる。アイドル回転数の上昇は、燃焼室11で燃焼される吸気及び燃料の増量により行われ、その結果、触媒装置19に流入する排気の熱量が増加する。一方、点火時期を遅角すると、エンジン10の効率が低下して熱損失が増加するため、これによっても、触媒装置19に流入する排気の熱量が増加する。このように触媒暖機促進制御では、触媒装置19に流入する排気の熱量を増加させることで、触媒装置19の温度上昇を促している。なお、ここでの冷間運転は、エンジン本体、及び触媒装置19の少なくとも一方が未暖機の状態でのエンジン10の運転をいう。このエンジン10では通常、エンジン本体よりも触媒装置19の方が先に暖機が完了するようになっている。
図2に、触媒暖機促進制御のために電子制御ユニット20が実行する触媒暖機促進制御ルーチンのフローチャートを示す。電子制御ユニット20は、エンジン10の運転中、既定の制御周期ごとに本ルーチンを実行する。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、触媒暖機促進制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。本実施形態における触媒暖機促進制御の実行条件は、エンジン10がアイドル運転中であること、エンジン水温THWが既定の触媒暖機完了温度TX未満であること、の双方が満たされる場合に成立となる。そして、実行条件が成立している場合(YES)にはステップS110に処理が進められ、成立していない場合(NO)にはそのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
ステップS110に処理が進められるとそのステップS110において、エンジン水温THWに基づき点火遅角量KRETが算出される。そして続くステップS120において、エンジン水温THWに基づき目標アイドル回転数NIが算出される。そして、電子制御ユニット20は、続くステップS130において、算出した点火遅角量KRET、及び目標アイドル回転数NIに基づく点火時期制御、及びISCを実施する。すなわち、電子制御ユニット20は、ステップS130において、エンジン回転数NE及びエンジン負荷率KLに基づき設定された基本点火時期ABSEよりも点火遅角量KRETの値の分だけ遅角した時期に点火装置18による混合気の点火時期を制御する。また、電子制御ユニット20は、ステップS130において、目標アイドル回転数NIに対する現在のエンジン回転数NEの偏差を縮小すべくスロットル開度TAのフィードバック制御を実施する。そして、点火時期制御及びISCの実施後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
図3に、ステップS110で算出する点火遅角量KRETとエンジン水温THWとの関係を示す。同図の「T0」は、エンジン10の始動性が確保されるエンジン水温THWの最低値である最低始動温度を示している。同図に示すように点火遅角量KRETは、エンジン水温THWが最低始動温度T0であるときの値「K0」からエンジン水温THWが触媒暖機完了温度TXであるときの値「K1」へと、エンジン水温THWの上昇に応じて次第に大きくなる値として設定されている。なお、各エンジン水温THWにおける点火遅角量KRETの値は、各々のエンジン水温THWにおいて失火が発生せずに燃焼を継続可能な点火遅角量KRETの最大値よりも若干小さい値が設定されている。
図4に、ステップS120で算出する目標アイドル回転数NIとエンジン水温THWとの関係を示す。なお、同図に示される回転数N0は、暖機完了後のアイドル運転時の目標アイドル回転数NIの値を示している。同図に示すようにエンジン水温THWが最低始動温度T0から所定の温度T1までの範囲にあるときには、回転数N0よりも高い既定の回転数N1が目標アイドル回転数NIの値として設定される。そして、エンジン水温THWが温度T1から触媒暖機完了温度TXまでの範囲にあるときには、回転数N1よりも更に高い回転数N2が目標アイドル回転数NIの値として設定される。このように本実施形態では、暖機完了後の目標アイドル回転数NIとして設定される回転数N0よりも高い回転数N1,N2を触媒暖機促進制御中の目標アイドル回転数NIとして設定している。そしてこれにより、触媒暖機促進制御中のアイドル回転数を暖機完了後のアイドル運転時のアイドル回転数よりも上昇させている。
なお、アイドル回転数が上昇すれば、失火が発生せずに燃焼を継続可能な点火遅角量KRETの最大値が大きくなる。一方、点火遅角量KRETを増加すれば、エンジン振動が大きくなり、車体振動の振幅を許容最大振幅AMAX未満に抑えられる目標アイドル回転数NIが低くなる。このように、点火遅角量KRETと目標アイドル回転数NIは、相互に影響し合う。そのため、本実施形態では、エンジン10の燃焼状態と車体振動とを総合的に考慮して、失火が発生せず、かつ車体振動の振幅が許容最大振幅AMAXを超えないように、各エンジン水温THWにおける点火遅角量KRET及び目標アイドル回転数NIの値を設定している。
以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
上述のように本実施形態では、エンジン10の冷間運転中に、点火時期の遅角とアイドル回転数の上昇とを通じて触媒装置19の暖機を促進する触媒暖機促進制御を行っている。こうした触媒暖機促進制御での触媒装置19の暖機の促進効果は、点火遅角量KRETを大きくすること、及びアイドル回転数の上昇量を大きくすること、で高められる。
上述のように本実施形態では、エンジン10の冷間運転中に、点火時期の遅角とアイドル回転数の上昇とを通じて触媒装置19の暖機を促進する触媒暖機促進制御を行っている。こうした触媒暖機促進制御での触媒装置19の暖機の促進効果は、点火遅角量KRETを大きくすること、及びアイドル回転数の上昇量を大きくすること、で高められる。
ただし、エンジン水温THWが低いときには、インジェクタ17が噴射した燃料が霧化し難いため、エンジン10の燃焼状態が悪化する。エンジン10の燃焼状態は点火時期の遅角によっても悪化するため、エンジン水温THWが低い状態で点火遅角量KRETを大きくすると、失火が発生するまで燃焼状態が悪化する虞がある。このように触媒暖機促進制御での点火遅角量KRETは、失火を抑制可能な点火時期の遅角限界により制限されている。なお、エンジン10の燃焼状態は暖機の進行と共に改善するため、エンジン水温THWの上昇と共に、失火を抑制可能な点火遅角量KRETの最大値が大きい値となる。本実施形態では、これを反映して、エンジン水温THWが触媒暖機完了温度TXに向かって上昇するにつれて大きい値となるように点火遅角量KRETを設定している。
一方、触媒暖機促進制御中のアイドル回転数の上昇量は、車体振動の抑制の観点から制限されている。以下、こうしたアイドル回転数の上昇量と、車体振動との関係を説明する。
図5には、エンジン水温THWが上記温度T1未満の状態でエンジン10を運転したときの車体振動の振幅とエンジン回転数NEとの関係が実線により示されている。また、図5には、エンジン水温THWが上記温度T1以上、かつ触媒暖機完了温度TX未満の状態でエンジン10を運転したときの車体振動の振幅とエンジン回転数NEとの関係が破線により示されている。なお、以下の説明では、エンジン水温THWが上記温度T1未満の状態で触媒暖機促進制御が開始された場合のエンジン水温THWが上記温度T1に達するまでの期間を暖機初期と、エンジン水温THWが温度T1を超えてから触媒暖機完了温度TXに達するまでの期間を暖機後期と、それぞれ記載する。なお、図5における「AMAX」は、ドライバビリティ上、許容可能な車体振動の振幅の最大値である許容最大振幅を示している。
図5に示されるエンジン回転数NEの範囲では、車体振動の振幅に2つのピークが表れている。車体振動の振幅がピーク値を示すエンジン回転数NEでは、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数と同じ周波数となっている。以下の説明では、エンジン振動の周波数が車体の共振周波数と同じ周波数となるエンジン回転数NEを共振回転数と記載する。共振回転数N3,N4は、車体の共振特性により決まるため、エンジン水温THWに依らず一定である。
車両の設計に際しては、暖機完了後のアイドル運転時の目標アイドル回転数NIである回転数N0が共振回転数N3,N4から離れた回転数となるように、車体の共振特性やエンジンマウントMの制振特性が設定される。そのため、触媒暖機促進制御によりエンジン10の目標アイドル回転数NIを「N0」からそれよりも高い回転数に変更すると、エンジン回転数NEが共振回転数N4に近づいて車体振動が大きくなる。よって、触媒暖機促進制御における目標アイドル回転数NIの上昇量は、車体振動の振幅が許容最大振幅AMAX以下となる範囲に留める必要がある。
エンジン水温THWが低く、エンジン10の燃焼状態が悪化した状態では、エンジン振動が大きくなる。また、エンジン水温THWが低いときにはエンジン10の潤滑油の粘度が高くなって各摺動部の摩擦抵抗が大きくなるが、これによってもエンジン振動が大きくなる。これに対してエンジン10の暖機が進むと、燃焼状態が改善するとともに潤滑油の粘度が下がるため、エンジン振動は小さくなる。エンジン振動が小さくなれば、これを受けての車体の振動も小さくなる。そのため、図5に示すように、暖機後期には各エンジン回転数NEでの車体振動の振幅が暖機初期よりも小さくなる。そしてその結果、暖機後期には、回転数N0よりも高回転側において車体振動の振幅が許容最大振幅AMAXとなるエンジン回転数NEが、暖機初期よりも共振回転数N4に近い回転数となる。すなわち、暖機後期には、車体振動の振幅を許容最大振幅AMAX以下に抑えられる目標アイドル回転数NIの最大値が暖機初期よりも大きくなる。これを反映して本実施形態では、暖機初期の目標アイドル回転数NIの値として設定される回転数N1よりも高い回転数N2を暖機後期の目標アイドル回転数NIの値として設定している。このように本実施形態では、触媒暖機促進制御におけるアイドル回転数の上昇量をエンジン水温THWの上昇に応じて大きくしている。
図6に、エンジン水温THWが最低始動温度T0の状態からエンジン10が始動された場合の触媒暖機促進制御の実行期間における各状態量の推移を示す。図6(a)にはエンジン回転数NEの推移が、図6(b)にはエンジン水温THWの推移が、図6(c)には点火時期の推移が、図6(d)には車体振動の振幅が、それぞれ示されている。なお、図6には、本実施形態の車載エンジン制御装置の場合のエンジン回転数NE、エンジン水温THW、点火時期、及び車体振動の振幅のそれぞれの推移が実線で示されている。また、点火遅角量KRET及び目標アイドル回転数NIを固定して触媒暖機促進制御を行う車載エンジン制御装置の比較例の場合のエンジン回転数NE、エンジン水温THW、点火時期、及び車体振動の振幅のそれぞれの推移が破線で示されている。
点火遅角量KRET及び目標アイドル回転数NIを固定して触媒暖機促進制御を行う比較例の場合にも、失火の発生や、許容最大振幅AMAXを超える車体振動の増大は避ける必要がある。そのため、比較例での触媒暖機促進制御中の点火遅角量KRETの値としては、本実施形態での最低始動温度T0のときの点火遅角量KRETの値である「K0」が設定されることになる。また、比較例での触媒暖機促進制御中の目標アイドル回転数NIの値としては、本実施形態での暖機初期の目標アイドル回転数NIの値である回転数N1が設定されることになる。同図の場合、比較例では、時刻t0におけるエンジン始動の直後からエンジン水温THWが触媒暖機完了温度TXに到達する時刻t3までの期間、触媒暖機促進制御が実行されている。なお、こうした比較例では、エンジン始動時以外は、車体振動の振幅が許容最大振幅AMAX未満に抑えられている。
これに対して本実施形態の場合にも、触媒暖機促進制御の開始時には、「K0」が点火遅角量KRETの値として、回転数N1が目標アイドル回転数NIの値として、それぞれ設定されている。また、本実施形態の場合にも、比較例の場合と同様に、エンジン始動時以外は、車体振動の振幅が許容最大振幅AMAX未満に抑えられている。ただし、本実施形態の場合には、触媒暖機促進制御中のエンジン水温THWの上昇と共に点火遅角量KRETの値が増加される。そのため、点火遅角量KRETが「K0」に固定された比較例の場合よりもエンジン10の暖機が促進されて、エンジン水温THWの上昇が早くなる。また、エンジン10の暖機と共に触媒装置19の暖機も促進されることになる。さらに、本実施形態では、触媒暖機促進制御の実行中の時刻t1に、エンジン水温THWが温度T1に達すると、目標アイドル回転数NIが回転数N1から回転数N2に高められる。そのため、時刻t1以降は、エンジン10、及び触媒装置19の暖機が更に促進される。その結果、本実施形態の場合には、比較例の場合よりも早い時刻t2にエンジン水温THWが触媒暖機完了温度TXに到達して、触媒暖機促進制御が完了している。
本実施形態の車載エンジンの制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、触媒暖機促進制御におけるアイドル回転数の上昇量をエンジン水温THWの上昇に応じて大きくしている。そして、触媒暖機促進制御でのエンジン水温THWの上昇に応じたアイドル回転数の上昇量の増加幅を、車体の共振特性とエンジン水温THWの上昇に伴うエンジン振動の減少とを加味して、車体振動の振幅が許容最大振幅AMAXを超えることがないように設定している。そのため、車体振動の増大を抑えられる範囲内で触媒装置19を速やかに暖機できる。
(1)本実施形態では、触媒暖機促進制御におけるアイドル回転数の上昇量をエンジン水温THWの上昇に応じて大きくしている。そして、触媒暖機促進制御でのエンジン水温THWの上昇に応じたアイドル回転数の上昇量の増加幅を、車体の共振特性とエンジン水温THWの上昇に伴うエンジン振動の減少とを加味して、車体振動の振幅が許容最大振幅AMAXを超えることがないように設定している。そのため、車体振動の増大を抑えられる範囲内で触媒装置19を速やかに暖機できる。
(2)本実施形態では、触媒暖機促進制御における点火遅角量KRETをエンジン水温THWの上昇に応じて大きくしている。そして、触媒暖機促進制御でのエンジン水温THWの上昇に応じた点火遅角量KRETの増加量を、エンジン水温THWによるエンジン10の燃焼状態の変化を加味して、失火が発生せずに燃焼を継続可能な点火遅角量KRETの最大値を超えないように設定している。そのため、失火を抑えられる範囲内で触媒装置19を速やかに暖機できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、触媒暖機促進制御中のアイドル回転数をエンジン水温THWが温度T1を超えたときに1回だけ上昇させるようにしていたが、エンジン水温THWの上昇に応じてアイドル回転数を2回以上に分けて上昇させたり、エンジン水温THWの上昇に応じてアイドル回転数を連続的に上昇させたり、してもよい。
・上記実施形態では、触媒暖機促進制御中のアイドル回転数をエンジン水温THWが温度T1を超えたときに1回だけ上昇させるようにしていたが、エンジン水温THWの上昇に応じてアイドル回転数を2回以上に分けて上昇させたり、エンジン水温THWの上昇に応じてアイドル回転数を連続的に上昇させたり、してもよい。
・上記実施形態では、触媒暖機促進制御中の点火遅角量KRETをエンジン水温THWの上昇に応じて連続的に増加させていたが、エンジン水温THWの上昇に応じて点火遅角量KRETを段階的に増加させてもよい。
・触媒暖機促進制御中の点火遅角量KRETを、エンジン水温THWに関わらず、一定の値としてもよい。そうした場合にも、触媒暖機促進制御中のアイドル回転数の上昇量をエンジン水温THWの上昇に応じて大きくすれば、車体振動の増大を抑えられる範囲で触媒装置19の暖機を促進することは可能である。
・上記実施形態では、エンジン水温THWが触媒暖機完了温度TX未満であることをもって、触媒装置19が未暖機であると判断して触媒暖機促進制御を実行するようにしていた。エンジン水温THW、吸気流量GA、燃料噴射量、点火時期などのエンジン10の運転条件やエンジン10の始動後の経過時間などから触媒装置19の温度を推定し、その推定した温度から触媒装置19が未暖機かどうかを判断して触媒暖機促進制御を実行するようにしてもよい。また、触媒装置19の温度を検出するセンサを設置し、そのセンサの検出結果から触媒装置19が未暖機かどうかを判断して触媒暖機促進制御を実行するようにしてもよい。
C…車体、M…エンジンマウント、10…エンジン、11…燃焼室、12…吸気通路、13…排気通路、14…エアクリーナ、15…エアフローメータ、16…スロットルバルブ、17…インジェクタ、18…点火装置、19…触媒装置、20…電子制御ユニット、21…演算処理装置、22…メモリ、23…水温センサ、24…クランク角センサ、25…アクセルペダルセンサ、26…車速センサ。
Claims (1)
- アイドル回転数の上昇を通じて排気浄化用の触媒装置の暖機を促進する触媒暖機促進制御をエンジンの冷間運転中に実施するとともに、前記触媒暖機促進制御におけるアイドル回転数の上昇量をエンジン水温の上昇に応じて大きくする車載エンジンの制御装置。
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