JP2021059923A - ドアラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドアが不要に開放される事態をより確実に防止する。【解決手段】オープンリンク20は、ドアハンドルの開操作に伴って移動するレバー本体21と、レバー本体21に対して所定の軸心を中心として回転可能、かつ軸心に沿ってスライド可能に配設され、回転することにより動作位置と非動作位置とに移動する慣性レバー部22と、レバー本体21に対して慣性レバー部22が動作位置に維持されるように付勢するねじりコイルバネ24とを備え、慣性レバー部22がねじりコイルバネ24の回転方向の付勢力に抗して非動作位置に向けて回転した場合にねじりコイルバネ24の軸方向に沿った付勢力により、レバー本体21に対して慣性レバー部22を軸心に沿ってスライドさせ、レバー本体21のブロック部21Bと慣性レバー部22のブロック部22Bとが周方向に対向することにより、慣性レバー部22の動作位置への復帰移動を制限するようにしている。【選択図】図11
Description
本発明は、ドアラッチ装置に関するものである。
車両本体に対してドアを閉じた状態に維持するドアラッチ装置には、車両本体に対して衝撃力が加えられた場合にもドアが不用意に開くことがないように構成されたものが提供されている。例えば、特許文献1に記載のものでは、ドアハンドルが開操作された場合に動作してラチェットレバーを解除動作させるオープンリンクとして、レバー本体及び慣性レバー部を有したものが適用されている。レバー本体は、ドアハンドルの開操作に伴って移動するもので、アンロック位置とロック位置との間を変位可能である。慣性レバー部は、レバー本体に対して動作位置及び非動作位置の間に変位可能に支持されたもので、解除用付勢バネによって動作位置に維持されるように付勢されている。
このドアラッチ装置では、側面衝突等によって車両に衝撃力が加えられると、慣性レバー部が解除用付勢バネの付勢力に抗して非動作位置に移動する。非動作位置に移動した慣性レバー部は、レバー本体が移動した場合にも、ラチェットレバーに対して非係合となる。従って、慣性レバー部が非動作位置に配置された状態においては、仮に衝撃力の影響によってドアハンドルが車両本体に対して動いたとしてもドアが不用意に開放する事態を防止することが可能となる。
ところで、衝突等によって車両本体に衝撃力が加えられた場合には、車両本体に対してドアハンドルがごく短い時間に複数回も開操作方向に動作することが確認されている。上述したドアラッチ装置の慣性レバー部は、非動作位置に移動した後においても解除用付勢バネの付勢力によって動作位置に復帰することになる。従って、慣性レバー部が動作位置に復帰した状態でドアハンドルが開操作方向に動作した場合には、ドアが不用意に開放する事態を招来するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、車両本体に衝撃力が加えられた場合にも、ドアが不要に開放される事態をより確実に防止することのできるドアラッチ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るドアラッチ装置は、アンロック状態及びロック状態に変化し、ドアハンドルが開操作された際に動作するオープンリンクと、前記オープンリンクを介して操作力が与えられた場合にラッチに対するラチェットの係合状態を解除するラチェットレバーとを備え、前記オープンリンクは前記アンロック状態において前記ドアハンドルが開操作された場合にその操作力を前記ラチェットレバーに伝達可能となるドアラッチ装置であって、前記オープンリンクは、前記アンロック状態に対応したアンロック位置及び前記ロック状態に対応したロック位置に変位し、かつ前記ドアハンドルの開操作に伴って移動するレバー本体と、前記レバー本体に対して動作位置及び非動作位置の間に変位可能となるように支持された慣性レバー部と、前記レバー本体に対して前記慣性レバー部が前記動作位置に維持されるように付勢する解除用付勢部材とを備え、前記慣性レバー部が前記解除用付勢部材の付勢力に抗して前記非動作位置に配置された場合には前記レバー本体が前記アンロック位置に配置されている状態においても前記ドアハンドルの操作力が前記ラチェットレバーに非伝達となるものであり、前記レバー本体と前記慣性レバー部との間には、前記慣性レバー部が前記非動作位置に移動した場合に前記動作位置への復帰移動を制限する制限機構が設けられていることを特徴とする。
また本発明は、上述したドアラッチ装置において、前記慣性レバー部は、前記レバー本体に対して所定の軸心を中心として相対的に回転可能、かつ前記軸心に沿って相対的にスライド可能に配設され、前記軸心を中心として回転することにより前記動作位置と前記非動作位置とに移動するものであり、前記制限機構は、前記慣性レバー部が前記動作位置から前記非動作位置に向けて回転した場合に前記レバー本体に対して前記慣性レバー部を前記軸心に沿ってスライドさせ、所定のシフト位置に配置させることを特徴とする。
また本発明は、上述したドアラッチ装置において、前記制限機構は、前記レバー本体及び前記慣性レバー部の間に設けられ、前記慣性レバー部が前記シフト位置に配置された場合に互いに周方向に対向することにより、前記非動作位置から前記動作位置に向かう回転を阻止するブロック部を有していることを特徴とする。
また本発明は、上述したドアラッチ装置において、前記制限機構は、前記レバー本体に対して前記慣性レバー部を前記シフト位置に向けて付勢するシフト用付勢部材を有していることを特徴とする。
また本発明は、上述したドアラッチ装置において、前記解除用付勢部材は、前記レバー本体及び前記慣性レバー部が相対回転する軸心を中心として構成されたねじりコイルバネであり、前記シフト用付勢部材としても機能することを特徴とする。
また本発明は、上述したドアラッチ装置において、前記慣性レバー部及び前記慣性レバー部を収容するハウジングには、前記慣性レバー部が前記非動作位置に配置された状態で前記ドアハンドルが予め設定した復帰用のストローク量をもって開操作された場合に互いに当接し、前記慣性レバー部を前記動作位置に復帰させる復帰部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、車両に衝撃力が加えられた場合にレバー本体に対して慣性レバー部が非動作位置に移動するとともに、制限機構によってレバー本体に対する慣性レバー部の動作位置への復帰移動が制限されることになる。従って、慣性レバー部が一旦非動作位置に配置された後においては、そのままの状態でドアハンドルが開操作方向に動作された場合にもラチェットレバーが動作することはなく、車両本体に衝撃力が加えられた場合にドアが不用意に開放する事態をより確実に防止することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るドアラッチ装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、車両に搭載した状態においてそれぞれの方向を特定することとしている。
図1〜図3は、本発明の実施の形態であるドアラッチ装置を示したものである。ここで例示するドアラッチ装置は、図には示していないが、四輪自動車の右側に配置された前方ヒンジのサイドドアに搭載され、ドアハンドルによる開操作やキーによる施解錠操作に従って車両本体に設けられたストライカとの係合状態を変更することにより、サイドドアの開閉制御を行うものである。このドアラッチ装置には、ハウジング1の内部にラッチユニット10が設けてある。
ラッチユニット10は、ラッチ軸11を介して回転可能に配設したラッチ12と、ラチェット軸13を介して回転可能に配設したラチェット14とを備えて構成したものである。ラッチ軸11及びラチェット軸13は、いずれの車両の前後に沿ってほぼ水平となるように延在している。図示の例では、ハウジング1に設けたストライカ進入溝2よりも車両の上方側となる部分にラッチ軸11が設けてあり、ストライカ進入溝2よりも車両の下方側となる部分においてラッチ軸11よりも車両の内方側となる部分にラチェット軸13が設けてある。ストライカ進入溝2に対しては、サイドドアの閉じ操作により、相対的に車両の内方側となる図1の左方からストライカ(図示せず)が進入することになる。
ラッチ12は、ストライカ当接部12a及びフック部12bを有したもので、図示せぬラッチバネのバネ力により、解除方向(図1においては時計方向)に付勢されて噛合待機状態に配置されている。噛合待機後退とは、ストライカ進入溝2に対してフック部12bが上方側に退避する一方、ストライカ当接部12aがストライカ進入溝2の奥方側(図1において右方側)に配置された状態である。サイドドアが閉じられてストライカ進入溝2にストライカが進入すると、ストライカがストライカ当接部12aに当接することにより、ラッチバネのバネ力に抗してラッチ12が反時計方向に回転し、フック部12bがストライカ進入溝2の開口端部側に横切った状態に配置される。
ラチェット14は、ラッチ12のフック部12bがストライカ進入溝2に対して横切った状態に配置された際にフック部12bに係合することによりラッチ12の解除方向への回転を阻止するものである。このラチェット14は、図示せぬラチェットバネのバネ力により、ラッチ12に係合する方向(図1においては反時計方向)に付勢されている。従って、ストライカ進入溝2にストライカが進入され、ラッチ12のフック部12bがストライカ進入溝2を横切るように配置されると、ラチェットバネのバネ力によってラチェット14がフック部12bに係合し、その状態が維持されることになる。
ラチェット14には、ラチェットレバー14aが一体に設けてある。ラチェットレバー14aは、ラチェット軸13においてラチェット14よりも車両の前方側に位置する部分から車両の内方側に向けて延在したものである。ラチェットバネのバネ力に抗してラチェットレバー14aを上方側に押圧すると、ラチェット14が図1において時計方向に回転するためラッチ12との係合状態を解除することが可能となる。
ハウジング1の内部においてラチェットレバー14aの下方側となる部分には、オープンリンク20が配設してある。オープンリンク20は、アウトサイドハンドルレバー30及びインサイドハンドルレバー40の動作により上下に沿って移動可能、かつロックユニット50の動作により車両の左右に沿った方向の軸心回りに回転してアンロック状態及びロック状態に変化することができるようにハウジング1に配設したものである。
アウトサイドハンドルレバー30は、車両の前後に沿うアウトサイドレバー軸31により、ラチェット軸13よりも下方側となる部分に回転可能に配設したものである。アウトサイドハンドルレバー30において車両の外方側に位置する端部には、アウトサイドケーブル32を介して図示せぬサイドドアのアウトサイドドアハンドルに連係してある。アウトサイドハンドルレバー30において車両の内方側に位置する端部30aには、オープンレバー33が連係してある。オープンレバー33は、車両の前後に沿うオープンレバー軸34により、アウトサイドハンドルレバー30よりも車両の内方側、かつアウトサイドレバー軸31よりも下方側となる部分に回転可能に配設したもので、車両の内方側に位置する端部33aがオープンリンク20の回転中心部に係合している。アウトサイドドアハンドルが開操作されると、アウトサイドケーブル32を介してアウトサイドハンドルレバー30が図2において反時計方向に回転するとともに、オープンレバー33が図2において時計方向に回転することになり、端部33aを介してオープンリンク20が上方側に向けて移動することになる。アウトサイドドアハンドルの開操作を止めると、オープンレバー33がリターンバネ35のバネ力によって反時計方向に回転し、オープンリンク20及びアウトサイドハンドルレバー30が元の状態に復帰する。
インサイドハンドルレバー40は、車両の左右に沿うインサイドレバー軸41により、オープンリンク20よりも下方側となる部分に回転可能に配設したもので、その前方側に位置する前端部分40aがオープンリンク20の下端面に対向している。インサイドハンドルレバー40の下端部には、インサイドケーブル42を介してサイドドアのインサイドドアハンドルに連係してある。インサイドドアハンドルが開操作されると、インサイドケーブル42を介してインサイドハンドルレバー40が図3において時計方向に回転することになり、インサイドハンドルレバー40の前端部分40aを介してオープンリンク20が上方側に向けて移動することになる。このとき、オープンリンク20の上方側への移動に伴ってオープンレバー33が図2において時計方向に回転した状態となる。従って、インサイドドアハンドルの開操作を止めると、オープンレバー33がリターンバネ35のバネ力によって反時計方向に回転し、オープンリンク20及びインサイドハンドルレバー40が元の状態に復帰する。
ロックユニット50は、車両の左右に沿ったロック軸51の軸心回りに回転するロックレバー52を介してオープンリンク20に係合するもので、ロックレバー52に係合するアクチュエータユニット53及びロックケーブル54を備えている。アクチュエータユニット53は、車両の使用者が所有するリモコンの操作によってロック操作及びアンロック操作されるものである。ロックケーブル54は、サイドドアに設けられたロックノブの操作によってロック操作及びアンロック操作されるものである。アクチュエータユニット53もしくはロックケーブル54がアンロック操作されると、ロックレバー52を介してオープンリンク20が図3において時計回りに回転することになり、図4に示すように、ほぼ直立したアンロック状態となる。同様に、アクチュエータユニット53もしくはロックケーブル54がロック操作されると、ロックレバー52を介してオープンリンク20が図3において反時計回りに回転することになり、図5に示すように、前傾したロック状態となる。
本実施の形態では、図8及び図9に示すように、上述したオープンリンク20として、レバー本体21及び慣性レバー部22を有して構成したものを適用している。
レバー本体21は、下端部に係合孔21a及び支持軸部21bを有するとともに、上端部にロック係合部21cを有したものである。係合孔21aは、車両の左右方向に沿って貫通した異形の孔であり、オープンレバー33において車両の内方側に位置する端部33aが相対回転可能、かつ上下方向へは相対移動不可となる状態で係合している。支持軸部21bは、係合孔21aに隣接する部分から車両の後方側に向けて突出した円柱状を成すものである。ロック係合部21cは、車両の外方側に向けて突出した突起部であり、ロックレバー52に係合している。すなわち、レバー本体21は、アウトサイドドアハンドル及びインサイドドアハンドルが開操作された場合に上方に移動し、かつロックユニット50及びロックケーブル54がロック操作された際に前傾したロック位置に配置される一方、アンロック操作された際にほぼ直立したアンロック位置に配置されるものである。レバー本体21のロック位置及びアンロック位置は、それぞれオープンリンク20のロック状態及びアンロック状態に対応するものである。
慣性レバー部22は、上端部に慣性質量体22aを有し、かつ下端部に摺動孔22bを有したものである。慣性質量体22aは、慣性レバー部22において上端部の質量が下端部よりも大きくなるように構成したもので、上端に押圧当接面22cを構成しているとともに、車両の後方側となる部分に復帰用傾斜突部(復帰部)22dを有している。この慣性レバー部22は、摺動孔22bに支持軸部21bを挿通させることにより、支持軸部21bの軸心回りに回転可能、かつ支持軸部21bの軸心に沿ってスライド可能となる状態でレバー本体21に支持してある。
図10及び図11に示すように、支持軸部21bの突出端面にはスライド規制板23が設けてあり、また支持軸部21bにおいてレバー本体21と慣性レバー部22との間に位置する部分にはねじりコイルバネ(解除用付勢部材及びシフト用付勢部材)24が設けてある。スライド規制板23は、摺動孔22bの内径よりも大きな外径を有した円板状を成すもので、取付ネジ25によって支持軸部21bの端面に固定してある。ねじりコイルバネ24は、車両の後方側から見た場合、レバー本体21に対して慣性レバー部22が反時計回りに回転するように付勢するとともに、慣性レバー部22の下端部をスライド規制板23に向けて軸方向に押圧するように付勢するものである。
これらレバー本体21及び慣性レバー部22には、それぞれブロック部21B,22Bが設けてある。これらのブロック部21B,22Bは、図10に示すように、慣性レバー部22が支持軸部21bのもっとも前方側に配置された状態においてはレバー本体21及び慣性レバー部22を相対回転させることで互いに前後(軸方向)に重なり、かつ図11に示すように、慣性レバー部22が支持軸部21bの後方側に配置された状態においては互いに周方向に重なるように構成してある。
つまり、図10に示すように、慣性レバー部22が支持軸部21bのもっとも前方側に配置された場合には、ねじりコイルバネ24の回転方向の付勢力によって互いに近接する方向に回転し、ブロック部21B,22Bが互いに前後に重なった状態に配置されることになる。この状態においては、慣性レバー部22の慣性質量体22aがレバー本体21に沿って配置されることになる。従って、図6に示すように、レバー本体21がアンロック位置に配置されている場合には、慣性レバー部22もほぼ鉛直に沿って配置され、上端の押圧当接面22cがラチェットレバー14aの下面に対向した状態となる(慣性レバー部22の動作位置)。従って、アウトサイドドアハンドルの開操作及びインサイドドアハンドルの開操作によってレバー本体21が上方に移動すれば、押圧当接面22cを介してラチェットレバー14aが上方に移動することになり、ラッチ12に対するラチェット14の係合状態を解除することが可能となる。
一方、車両の後方側から見て、レバー本体21に対して慣性レバー部22を時計方向に回転させ、ブロック部21B,22Bの前後方向に沿った重なりが無くなると、図11に示すように、ねじりコイルバネ24の軸方向に沿った付勢力によって慣性レバー部22が車両の後方側に向けてスライドし、下端部がスライド規制板23に当接した状態となる(慣性レバー部22のシフト位置)。この状態においては、ブロック部21B,22Bが相互に周方向に対向して並設されるため、ねじりコイルバネ24の回転方向の付勢力によっては、慣性レバー部22が反時計方向に回転することはない。従って、図7に示すように、レバー本体21がアンロック位置に配置されている場合であっても、慣性レバー部22の上端部が車両の外方側に向けて傾斜した状態に維持され、上端の押圧当接面22cがラチェットレバー14aの下面に対して非対向の状態となる(慣性レバー部22の非動作位置)。従って、この状態からは、アウトサイドドアハンドルの開操作及びインサイドドアハンドルの開操作によってレバー本体21が上方に移動したとしても、押圧当接面22cがラチェットレバー14aに当接することはなく、ラッチ12に対するラチェット14の係合状態が維持される。
復帰用傾斜突部22dは、慣性レバー部22が非動作位置に配置された状態で、アウトサイドドアハンドルの開操作及びインサイドドアハンドルの開操作が通常よりも大きな復帰用のストローク量をもって行われた場合に、図12に示すように、ハウジング1の復帰用突起(復帰部)1Aに当接することにより、ねじりコイルバネ24の軸方向に沿った付勢力に抗してレバー本体21に対して慣性レバー部22を車両の前方側にスライドさせるものである。レバー本体21に対して慣性レバー部22がもっとも前方側にスライドされると、ねじりコイルバネ24の回転方向の付勢力により、レバー本体21のブロック部21Bに対して慣性レバー部22のブロック部22Bが前方側に配置された状態で互い前後に重なることになり、慣性レバー部22が動作位置に復帰することになる。
上記のように構成したドアラッチ装置は、上述したように、レバー本体21の支持軸部21bが車両の前後に沿い、かつ慣性レバー部22が動作位置に配置された状態で車両に搭載される。従って、通常の使用時においては、アウトサイドドアハンドルの開操作及びインサイドドアハンドルの開操作によってラッチ12に対するラチェット14の係合状態が解除され、サイドドアを開放することが可能となる。
上述の車両に対して側面衝突によって衝撃力が加えられると、左右方向の重力加速度によって上端部が慣性質量体22aとなった慣性レバー部22がねじりコイルバネ24の回転方向の付勢力に抗して回転し、非動作位置に配置されることになる。上述したように、非動作位置に配置された慣性レバー部22は、ねじりコイルバネ24の軸方向に沿った付勢力によりレバー本体21に対して慣性レバー部22が車両後方に向けて移動し、レバー本体21との間に設けたブロック部21B,22Bが互いに周方向に重なった状態となる。従って、ねじりコイルバネ24の回転方向の付勢力によっては、動作位置に復帰することがない。これにより、仮に衝撃力の影響によってドアハンドルが車両本体に対して複数回も動いたとしてもドアが不用意に開放する事態を招来するおそれはない。
なお、上述した実施の形態では、四輪自動車のサイドドアに搭載するドアラッチ装置を例示しているが、その他のタイプの車両に搭載してももちろん良い。この場合、レバー本体の支持軸部が車両の前後に沿い、かつ慣性レバー部の慣性質量体が上方となるように配置すれば、実施の形態と同様、側面衝突等によって車両の左右方向に衝撃力が加えられた場合にドアが不用意に開放する事態を防止することが可能となる。
また、上述した実施の形態では、制限機構としてレバー本体21及び慣性レバー部22にブロック部21B,22Bを設けるようにしているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、例えば、慣性レバー部22が回転して非動作位置に配置された場合にレバー本体21に対して単に軸方向にスライドさせるように構成しても同様の作用効果を奏することが可能である。また、衝撃力が加えられた場合にレバー本体21に対して慣性レバー部22を回転させることで非動作位置に配置するようにしているが、本発明はこれに限定されず、スライドさせることで慣性レバー部22を非動作位置に配置するようにしても良い。この場合には、例えばレバー本体21に対して慣性レバー部22を回転させるように制限機構を構成することで、復帰移動を規制するようにしても良い。なお、単一のねじりコイルバネ24によりレバー本体21に対して慣性レバー部22を動作位置に維持する用に付勢する機能と、慣性レバー部22を非動作位置に付勢する機能とを兼用させるようにしているが、それぞれを個別の付勢部材によって構成してももちろん良い。
さらに、上述した実施の形態では、ラチェット14とラチェットレバー14aとを一体に成形したものを例示しているが、ラチェットレバー14aの動作によってラッチ12に対するラチェット14の係合状態を解除することができれば、ラチェットとラチェットレバーとを別体に成形してももちろん良い。
1A 復帰用突起
12 ラッチ
14 ラチェット
14a ラチェットレバー
20 オープンリンク
21 レバー本体
21B,22B ブロック部
21b 支持軸部
22 慣性レバー部
22d 復帰用傾斜突部
24 ねじりコイルバネ
12 ラッチ
14 ラチェット
14a ラチェットレバー
20 オープンリンク
21 レバー本体
21B,22B ブロック部
21b 支持軸部
22 慣性レバー部
22d 復帰用傾斜突部
24 ねじりコイルバネ
Claims (6)
- アンロック状態及びロック状態に変化し、ドアハンドルが開操作された際に動作するオープンリンクと、前記オープンリンクを介して操作力が与えられた場合にラッチに対するラチェットの係合状態を解除するラチェットレバーとを備え、前記オープンリンクは前記アンロック状態において前記ドアハンドルが開操作された場合にその操作力を前記ラチェットレバーに伝達可能となるドアラッチ装置であって、
前記オープンリンクは、前記アンロック状態に対応したアンロック位置及び前記ロック状態に対応したロック位置に変位し、かつ前記ドアハンドルの開操作に伴って移動するレバー本体と、前記レバー本体に対して動作位置及び非動作位置の間に変位可能となるように支持された慣性レバー部と、前記レバー本体に対して前記慣性レバー部が前記動作位置に維持されるように付勢する解除用付勢部材とを備え、前記慣性レバー部が前記解除用付勢部材の付勢力に抗して前記非動作位置に配置された場合には前記レバー本体が前記アンロック位置に配置されている状態においても前記ドアハンドルの操作力が前記ラチェットレバーに非伝達となるものであり、
前記レバー本体と前記慣性レバー部との間には、前記慣性レバー部が前記非動作位置に移動した場合に前記動作位置への復帰移動を制限する制限機構が設けられていることを特徴とするドアラッチ装置。 - 前記慣性レバー部は、前記レバー本体に対して所定の軸心を中心として相対的に回転可能、かつ前記軸心に沿って相対的にスライド可能に配設され、前記軸心を中心として回転することにより前記動作位置と前記非動作位置とに移動するものであり、
前記制限機構は、前記慣性レバー部が前記動作位置から前記非動作位置に向けて回転した場合に前記レバー本体に対して前記慣性レバー部を前記軸心に沿ってスライドさせ、所定のシフト位置に配置させることを特徴とする請求項1に記載のドアラッチ装置。 - 前記制限機構は、前記レバー本体及び前記慣性レバー部の間に設けられ、前記慣性レバー部が前記シフト位置に配置された場合に互いに周方向に対向することにより、前記非動作位置から前記動作位置に向かう回転を阻止するブロック部を有していることを特徴とする請求項2に記載のドアラッチ装置。
- 前記制限機構は、前記レバー本体に対して前記慣性レバー部を前記シフト位置に向けて付勢するシフト用付勢部材を有していることを特徴とする請求項2に記載のドアラッチ装置。
- 前記解除用付勢部材は、前記レバー本体及び前記慣性レバー部が相対回転する軸心を中心として構成されたねじりコイルバネであり、前記シフト用付勢部材としても機能することを特徴とする請求項4に記載のドアラッチ装置。
- 前記慣性レバー部及び前記慣性レバー部を収容するハウジングには、前記慣性レバー部が前記非動作位置に配置された状態で前記ドアハンドルが予め設定した復帰用のストローク量をもって開操作された場合に互いに当接し、前記慣性レバー部を前記動作位置に復帰させる復帰部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のドアラッチ装置。
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