JP2021059892A - 鉄骨施工階への基準点盛替えシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性の高い鉄骨柱上に自動視準するトータルステーションに設置し、鉄骨柱の建入れ位置における計測精度の効率を確保でき、基準点を簡易に設置し盛替えることができ、基準点設置作業の効率を高めることができる鉄骨基準階への基準点盛替えシステムの提供。【解決手段】鉄骨柱2を用いて建造物を構築するものであって、基準点となる鉄骨柱2A、2aを指定して基準点の鉄骨柱2aの上に設置される自動視準するトータルステーション6と、建入れされる鉄骨柱2bに設けられるプリズム台9と、基準階1に建入れされた鉄骨柱2の近傍に設置されるレーザー鉛直器7とからなり、レーザー鉛直器7からのレーザー光8をプリズム台9で反射する光をトータルステーション6で計測して鉄骨柱2bの建入れ位置を自動的に設定するものであり、トータルステーション6とプリズム台9は作業階に移動できるようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄骨柱の自動計測・建入れ調整における自動視準するトータルステーション(TS)による鉄骨施工階への基準点盛替えシステムに関するものである。
この種の建て入れ技術と類似する調整システムとして、複数の技術が公知技術として知られている。例えば、第1の公知技術としては、基礎または既設構築材に別の構築材を接続する構築材の建方方法において、上記別の構築材の接続位置から離れた位置に予めターゲットを付設した状態で該別の構築材を基礎または既設構築材に仮接続すると共にジャッキを取り付けて、接続位置の付近に設置した反射装置から基準光線を所定方向に発射せしめ、上記ターゲットの受光板に映し出された上記基準光線のスポットを電子的に撮影して位置情報を得、該スポットの位置情報に基づいて上記ターゲットの基準点が上記スポットに一致するように上記ジャッキを操作し、該基準点がスポットに一致した時、上記別の構築材を接続固定する構築材の建方方法、である(特許文献1)。
この第1の公知技術に係る構築材の建方方法によれば、ターゲットに照射された基準光線のスポットの位置情報に基づいて、ターゲットの基準点が該スポットに一致するようにジャッキを操作するように構成したので、構築材の建方作業を効率的にかつ安全に行うことができる。ターゲットの受光板に映った基準光線のスポットを該ターゲットに設けたカメラにより撮影するようにしたので、カメラが安価となるだけでなく、上記スポットを画像モニターに鮮明かつ高精度に映し出すことができ、該画像モニターを見ながら手動操作によりジャッキを操作するので、操作が簡単で熟練者を要することなく、迅速かつ確実に建方操作を行うことができる、というものである。
第2の公知技術としては、建継ぐべき上下の柱のエレクションピースに取り付けられる建入用調整治具と、上側の柱の頭部の所定の位置にセットされたターゲットと、前記上側の柱建入用の基準墨に位置合わせしてセットされる位置出し装置と、前記位置出し装置に接続されてターゲットの位置を割り出してその位置データ出力する画像処理装置と、前記画像処理装置と接続されてターゲットの前記位置データにより前記建入用調整治具を駆動・制御する制御装置と、を少なくとも有する柱の建入システム、である(特許文献2)。
この第2の公知技術に係る柱の建入システムによれば、建入調整が高精度に施工され、柱の建入調整が自動的に、かつ、迅速に処理されて工期の短縮となる、というものである。
特開平8−120941号の公開特許公報 特開平10−82183号の公開特許公報
前記第1の公知技術の発明においては、構築材を基礎または既設構築材に仮接続すると共に複数のジャッキを取り付けることが必須要件となっており、該ジャッキを操作してターゲットの基準点が基準光線のスポットに一致するように調整するものであるが、ジャッキの取付けおよび取り外しに余計な時間が掛かり、さらに、別々のジャッキの操作も余計な作業であり、著しく作業性が悪いという問題点を有している。
また、前記第2の公知技術の発明においては、上下の柱の繋ぎ部分に設けられたエレクションピースに建入調整治具を設けなければならず、前記公知例と同様にこれら部分のおよび治具の取付取り外しに余計な時間が掛かり、作業性が悪いという問題点を有している。
本発明は、前記従来技術の課題を解決するために、取付けおよび取り外しの面倒な装置の取り付けを省略して、建物内に基準点を簡易に設置し上階に移設できる自動視準するトータルステーションとプリズム台とを使用し、該プリズム台を利用してレーザー鉛直器を用いて効率的な鉄骨施工階への基準点盛替えシステムを提供することを目的とするものである。
本発明は前述の課題を解決する具体的手段として、鉄骨柱を用いて建造物を構築するものであって、基準点となる鉄骨柱を指定して該基準点の鉄骨柱の上に設置される自動視準するトータルステーションと、建入れされる鉄骨柱に設けられるプリズム台と、基準階に建入れされた鉄骨柱の近傍に設置されるレーザー鉛直器とからなり、該レーザー鉛直器からのレーザー光を前記プリズム台で反射する光を前記トータルステーションで計測して鉄骨柱の建入れ位置を自動的に設定するものであり、前記トータルステーションと前記プリズム台は作業階に移動できるようにしたことを特徴とする鉄骨施工階への基準点盛替えシステムを提供するものである。
上記発明において、前記プリズム台は、長方形の鉄板で形成され、基部側には取付用のスリット状の溝孔が設けられ先端側は円弧状に形成され、円弧の中心に小径の孔が設けられると共に、円形状の支持板が取り付けられていること;および、前記プリズム台は、取付状態において90度の範囲において回転できるように取り付けられ、プリズム取付位置を水平に調整できること;を付加的要件として含むものである。
本発明に係る鉄骨施工階への基準点盛替えシステムによれば、剛性の高い鉄骨柱上に自動視準するトータルステーションを設置できるので、鉄骨柱の建入れ位置における計測精度の効率を確保できること、および基準点を簡易に設置し盛替えることができるため、基準点設置作業の効率を高めることができるという優れた効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る鉄骨施工階への基準点盛替えシステムを用いて鉄骨柱を建て入れした構造物の一部を示した側面図である。 同鉄骨施工階への基準点盛替えシステムを用いて鉄骨柱を建て入れする状況を示した建造物一部を略示的に示した斜視図である。 同鉄骨施工階への基準点盛替えシステムに係るレーザー鉛直器の設置状態を示した斜視図である。 同鉄骨施工階への基準点盛替えシステムに係るプリズム台を示すもので、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。 同プリズム台を鉄骨柱に取り付けた状態を示した斜視図である。 同プリズム台の取付状態において、伸縮と回転が可能な状態を示した説明図である。
本発明の好ましい実施の形態を示した図1〜5について説明すると、まず、図1,2に示したように、鉄骨構造物の設計図に基づいて建造物の基準となる地表の基準階1に鉄骨柱2Aを基準点として、複数の鉄骨柱2を設計図通りに垂直に建て、基準点の鉄骨柱2Aおよび鉄骨柱2の上部に2階部分のフロアーとなる作業階3が構築される。
この作業階3において、前記鉄骨柱2Aの上に計測の基準点となる鉄骨柱2aをジョイント4を介して垂直に取り付け、該鉄骨柱2aの頂部には台座5を介して自動視準するタルステーション(TS)6が取り付けられ、該トータルステーション6により鉄骨の建入れ位置を計測し自動的に建入れ調整を行うシステムである。
そして、基準階1の他の複数の鉄骨柱2の上にもそれぞれ鉄骨柱2bを繋げて建てる必要があり、そのために基準階1の各鉄骨柱2の根元に近接した位置に、図3に示したように、好ましくは三脚式のレーザー鉛直機7が設置され、該レーザー鉛直機7からのレーザー光8が鉄骨柱2に沿って鉛直に上方に照射される。このレーザー光8はプリズム台9で受けられるものであり、該プリズム台9は、図4(a)、(b)に示したように、長方形の鉄板で形成され、基部側にはスリット状の溝孔10が設けられ先端側は円弧状に形成されると共に小径の孔11が設けられており、該孔11より一回り大きな孔12が形成された円弧よりもやや大きめの円形状の支持板13が取り付けられたものである。なお、プリズム台9が撓まないように下面の略中央部に長さ方向に沿ってリブ14が形成されている。
このように形成されたプリズム台9は、図5に示したように、作業階3側に突出した各鉄骨柱2の側面またはコーナ部にスリット状の溝孔10を介して取り付けられ、該取り付けられたプリズム台9の円形状の乳白色のアクリル板15上にプリズム16を載置する。なお、プリズム台9は、図6に示したように、鉄骨柱の側面に取り付けた場合には左右に45度を含めて略90度の範囲で先端部の方向を回転できるし、取付用の溝孔10によって突出長さを適宜に調整することができるのである。また、プリズム台9が取り付けられた位置に対応して、作業階3の床に小孔17が設けられる。
次に、作業階3において基準階1の鉄骨柱2の上端に鉄骨柱2bを建入れ操作について説明すると、例えば、建築現場の近くの架設小屋またはワゴン車やトラック等において、一種のコンピュータともいえる機器を用い、該機器に予め建造物の設計図を入力しておき、トータルステーション6からの情報による画面に基づき、鉄骨柱2bの建入れを行うものであって、鉄骨柱2の上端に取り付けられているプリズム台9は取り外して、建入れられる鉄骨柱2bの上端部に移設して取り付けられており、クレーンで鉄骨柱2bを吊り上げてジョイント4を介して連結して建入れる際に、レーザー鉛直機7からのレーザー光8によりプリズム台9上のプリズム16が反射(光輝)するので、その反射光をトータルステーション6により検知し、建入れられる鉄骨柱2bが設計通りの位置で垂直状態になっているかを計測して自動的に判定するのである。仮に、建入れられる鉄骨柱2bが少しでも位置がずれていたりまたは傾斜していたりすると、鉄骨柱2bの上部に取り付けられたプリズム台9のプリズム16がレーザー光8を適正方向に反射しないので、トータルステーション6で計測した情報が設計図と符合しないため良しとする判定が出されないのである。
また、作業階3における他の複数本の鉄骨柱2bについても、前記と同様の操作によって順次建入れるのであり、この作業階3の鉄骨柱2bの建入れが終了した後に、その建入れた鉄骨柱2a、2bの上端側に3階部分のフロアーとなる新たな作業階が形成され、前記作業階3と同様に、鉄骨柱2aの上端にその新たな作業階における計測の基準となる鉄骨柱をジョイントを介して垂直に取り付け、該基準となる鉄骨柱の頂部には前記作業階3における鉄骨柱2aに取り付けられていた台座5とトータルステーション(TS)6を取り外して、次の鉄骨施工階に新たな基準となる鉄骨柱の上端部に取り付けると共に、プリズム台9も取り外して新たに建入れられる鉄骨柱に取り付けられ、前記と同様のやり方で新たな作業階において複数の鉄骨柱が建入れられる(取り付けられる)のである。以下、階が順次上昇しても同じようにプリズム台9とトータルステーション6を順次移設して基準点を上層階に盛替えて効率よく鉄骨構造物を建造することができるのである。
本発明に係る鉄骨施工階への基準点盛替えシステムは、鉄骨柱2を用いて建造物を構築するものであって、建造物の設計図に基づき基準点となる鉄骨柱2A、2aを指定して該基準点の鉄骨柱2aの上に設置される自動視準するトータルステーション6と、建入れされる鉄骨柱2bに設けられるプリズム台9と、基準階1に建入れされた鉄骨柱2の近傍に設置されるレーザー鉛直器7とからなり、該レーザー鉛直器7からのレーザー光8を前記プリズム台9で反射する光を前記トータルステーション6で計測して鉄骨柱2bの建入れ位置を自動的に設定するものであり、前記トータルステーション6と前記プリズム台9は作業階に移動できるようにしたことを特徴とする鉄骨施工階への基準点盛替えシステムであり、剛性の高い鉄骨柱2A、2a上に自動視準するトータルステーション6を設置できるので、鉄骨柱2bの建入れ位置における計測制度の効率を確保できること、および上層階においても基準点を簡易に設置し盛替えることができるため、基準点設置作業の効率を高めることができるので、この種の鉄骨柱の建設業界における構造物の構築に広く使用可能である。
1 基準階
2A、2a 基準点の鉄骨柱
2b 建入れされる鉄骨柱
3 作業階
4 ジョイント
5 台座
6 トータルステーション(TS)
7 レーザー鉛直機
8 レーザー光
9 プリズム台
10 溝孔
11 小径の孔
12 一回り大きな孔
13 支持板
14 リブ
15 乳白色のアクリル板
16 プリズム
17 小孔

Claims (3)

  1. 鉄骨柱を用いて建造物を構築するものであって、
    基準点となる鉄骨柱を指定して該基準点の鉄骨柱の上に設置される自動視準するトータルステーションと、
    建入れされる鉄骨柱に設けられるプリズム台と、
    基準階に建入れされた鉄骨柱の近傍に設置されるレーザー鉛直器とからなり、
    該レーザー鉛直器からのレーザー光を前記プリズム台で反射する光を前記トータルステーションで計測して鉄骨柱の建入れ位置を自動的に設定するものであり、
    前記トータルステーションと前記プリズム台は作業階に移動できるようにしたこと
    を特徴とする鉄骨施工階への基準点盛替えシステム。
  2. 前記プリズム台は、長方形の鉄板で形成され、基部側には取付用のスリット状の溝孔が設けられ先端側は円弧状に形成され、円弧の中心に小径の孔が設けられると共に、円形状の支持板が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の鉄骨施工階への基準点盛替えシステム。
  3. 前記プリズム台は、取付状態において90度の範囲において回転できるように取り付けられ、プリズム取付位置を水平に調整できること
    を特徴とする請求項1乃至2に記載の鉄骨施工階への基準点盛替えシステム。
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