JP2021059064A - 感熱性スクリーン印刷版用補強液 - Google Patents

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亮太 吉田
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Abstract

【課題】印刷画像の形状の変化を抑制することができる感熱性スクリーン印刷用補強液を提供する。【解決手段】B型粘度計を用いて25℃、回転数が6rpmの条件で測定した粘度をμ1、25℃、回転数が60rpmの条件で測定した粘度をμ2としたとき、μ1とμ2のうち少なくとも1つが200mPa・s以上であり、かつμ1/μ2の値が1.2以下である感熱性スクリーン印刷版用補強液。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷画像の形状の変化を抑制することが可能な感熱性スクリーン印刷版用補強液に関する。
従来、感光性樹脂を用いたスクリーン印刷版として、多孔性樹脂膜やスクリーン用紗体に感光性のスクリーン乳剤を付与・乾燥させたものや、感光性樹脂フィルムを貼り合わせたものが知られている。このような感光性スクリーン印刷版では、版下原稿等をマスクとして感光性樹脂等を露光することで、原稿における非画像部を硬化させたのち、未露光部分を洗浄により除去することで穿孔画像を得ることができる。しかしながら該手法では、未露光部分の洗浄、除去時に発生する多量の廃液の処理が問題となり、作業性の点で問題となることがあった。
一方で、インク通過性のある多孔性支持体にあらかじめ熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせた感熱性孔版原紙と、該孔版原紙を用いたスクリーン印刷版の作製方法が知られている。例えば特許文献1には、3デニール以下の合成繊維や天然繊維により形成された多孔性支持体と、ポリエステルフィルムに代表される熱可塑性樹脂フィルムを接着剤により貼り合わせた感熱性孔版原紙を、サーマルプリンタに装着し、サーマルヘッドの熱によって前記した熱可塑性樹脂フィルムをドットマトリックスにて溶融穿孔させることでスクリーン印刷版を得る方法について記載されている。また特許文献2には、スクリーン印刷用紗体と厚さ1.5〜2μmのポリエステルフィルムとを接着剤にて貼り合わせた感熱性スクリーン印刷用孔版原紙と、該孔版原紙をサーマルヘッドにより加熱して前述したポリエステルフィルムを溶融穿孔させて穿孔画像を形成するスクリーン印刷版の製版方法が記載されている。これらのような感熱性スクリーン印刷版では、製版時に洗浄工程や除去工程を必要としないことから廃液の処理が不要であり、作業性が良好であるという点で優れている。
しかしながら、上記した感熱性孔版原紙や感熱性スクリーン印刷用孔版原紙等の感熱性スクリーン印刷版では、加熱による溶融穿孔を効率的に行うために、例えば前者では1〜10μm程度、後者では1.5〜2μm程度の非常に薄い熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。そのため、製版時や取り扱い時、あるいは印刷時に該熱可塑性樹脂フィルムに微細孔が発生し、穿孔画像部以外からインクが漏れ出し、印刷物に不要な線や点等が転写される印刷不良が発生する場合があった。
特許文献3や特許文献4には、感熱性スクリーン印刷用孔版原紙を用いて作製したスクリーン印刷版に、多孔性支持体側から樹脂溶液(以下、補強液と記載する)をコーティングする方法が記載されており、このような補強液をコーティングすることで、印刷版の耐久性の低下を抑制できることが記載されている。例えば特許文献3には、感熱性スクリーン印刷用孔版原紙の接着剤を溶解せず、また印刷用インクに溶解しない樹脂成分を含有する補強液が記載されており、このような性質を有する補強液として、例えばポリビニルアルコール系樹脂やカルボキシメチルセルロース樹脂等の水溶液樹脂や、ウレタンエマルジョンに代表される水分散性樹脂を含有する補強液が記載されている。また特許文献4には、補強液が含有する樹脂成分として各種脂肪酸やワックスなども使用できることが記載されている。
特開昭60−180890号公報 特開平10−086546号公報 特開平07−089043号公報 特開2002−137356号公報
しかしながら、既存技術における補強液では、熱可塑性樹脂フィルムに微細孔が発生することは抑えられるが、穿孔画像のエッジ部が破損することを抑えられず、印刷画像の形状が維持できない場合があった。
本発明の目的は、印刷画像の形状の変化を抑制することができる感熱性スクリーン印刷用補強液を提供することである。
上述した課題は、以下の発明により解決される。
B型粘度計を用いて25℃、回転数が6rpmの条件で測定した粘度をμ1、25℃、回転数が60rpmの条件で測定した粘度をμ2としたとき、μ1とμ2のうち少なくとも1つが200mPa・s以上であり、かつμ1/μ2の値が1.2以下である感熱性スクリーン印刷版用補強液。
本発明により、印刷画像の形状の変化を抑制することができる感熱性スクリーン印刷用補強液を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の補強液が適用される感熱性スクリーン印刷版は、多孔性支持体と、該多孔性支持体上に熱可塑性樹脂フィルムが貼合されたものであって、該感熱性スクリーン印刷版は、熱可塑性樹脂フィルムを加熱により溶融穿孔させて、任意のパターン(穿孔画像)を有する刷版を得ることができる。
上述した多孔性支持体としては、印刷時に空隙からインクが通過できるものが例示され、例えば多孔性薄葉紙、多孔性樹脂膜、布やスクリーン用紗体等が挙げられる。その中でも、インク通過性に優れるという点からスクリーン用紗体が好ましい。該スクリーン用紗体としてはポリエステル樹脂製、ポリエチレン樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、ナイロン樹脂製、アラミド樹脂製、フッ素樹脂製、ガラス繊維製、ステンレス製等の紗体を用いることができ、使用目的によって適宜選択することが好ましい。スクリーン用紗体の1インチあたりのメッシュ数は30〜1000本(30〜1000メッシュ)であることが好ましい。
上述した熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびこれらの共重合体等の熱可塑性樹脂から形成されたフィルムが例示される。これらの熱可塑性樹脂フィルムの厚みは溶融穿孔を効率的に行うために1〜5μmであることが好ましい。該熱可塑性樹脂フィルムの材質や厚み等は、被印刷物の材質や使用するインクの種類、製版時に用いられる感熱プリンターの種類等に応じて適宜選択することが可能である。また、該熱可塑性樹脂フィルムの表面には接着剤層、帯電防止層、防汚層、プライマー層等が設けられていても良い。
本発明における感熱性スクリーン印刷版は、上述した多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムが貼合されていればよく、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムを接着剤等により貼り合わせたものでも、両者を熱等により直接貼り合わせたものであっても良い。
本発明における感熱性スクリーン印刷版は、例えばサーマルヘッドを搭載した感熱プリンターにより任意のパターンに加熱することで、熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて刷版を得ることができる。穿孔方法としては例えば、前述したサーマルヘッドを搭載した感熱プリンターの他にも、700〜1500μmの波長を有するサーマルレーザーを照射することで熱可塑性樹脂フィルムを溶融させて穿孔画像を得る方法が挙げられる。
前記したように感熱性スクリーン印刷版を溶融穿孔させて刷版を得た後、後述する補強液を付与することで、製版時や洗浄時において穿孔画像のエッジ部を形成する熱可塑性樹脂フィルムの破損を抑え、印刷画像の形状の変化を抑制することができる。
本発明における補強液は、B型粘度計を用いて25℃、回転数が6rpmの条件で測定した粘度をμ1、25℃、回転数が60rpmの条件で測定した粘度をμ2としたとき、μ1とμ2のうち少なくとも1つが200mPa・s以上であり、μ1/μ2の値が1.2以下である必要がある。μ1の上限値は特に規定されないが、刷版へ補強液を付与する際の取り扱い性を考慮すると、μ1は5000mPa・s以下であることが好ましい。μ1とμ2のいずれも200mPa・s未満であるか、またはμ1/μ2の値が1.2より大きい場合、補強液自身の流動性により、補強液が熱可塑性樹脂フィルムのエッジ部に留まることができずに穿孔部を通して流れ落ちるため、該エッジ部では強度が不十分となり、印刷画像の形状が維持できなくなる。該補強液の粘度測定に用いるB型粘度計としては例えば、東機産業(株)から市販されるBII形粘度計を用いることができ、対象とする補強液の粘度測定に適したローターを取り付け、該補強液の液温と測定環境の気温を25℃に保った状態で、回転数が6rpmおよび60rpmの条件における粘度をそれぞれ測定する。また本発明における補強液の粘度は、ローターを該補強液に浸漬させてローターの回転を開始してから5分経過後の値とする。
本発明の補強液は、樹脂成分を含有することが好ましい。上述した印刷画像の形状の変化を抑制するために、該補強液の樹脂成分としては水溶液樹脂または水分散性樹脂が好ましい。ここでいう水溶性樹脂とは、25℃における水に対する溶解度が1mg/mL以上である樹脂のことを指し、また水分散性樹脂は樹脂成分を水性媒体中にエマルジョンやディスパージョンの形式で分散させた分散液の状態で用いられる。
水溶性樹脂としては例えば、デンプン、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
水分散性樹脂としてはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
上述した水溶性樹脂や水分散性樹脂はスクリーン印刷に用いるインクに溶解しないものを選択して用いることが好ましい。また、上述の水溶性樹脂および水分散性樹脂は種々の目的により、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いてもよい。上述した水溶性樹脂の中ではポリビニルブチラールが好ましく、水分散性樹脂の中ではポリウレタン樹脂が好ましい。具体的には前者として積水化学工業(株)製のエスレック(登録商標)KWシリーズが、後者として第一工業製薬(株)製のスーパーフレックス(登録商標)シリーズ、DIC(株)製のハイドラン(登録商標)シリーズが挙げられる。
本発明における補強液が含有する樹脂成分の量は、補強液の全質量に対して5.0質量%以上であることが好ましい。また樹脂成分の含有量の上限は特に限定されないが、補強液の取り扱い性の観点から補強液の全質量に対して70質量%以下であることが好ましい。
本発明における補強液は、前述したB型粘度計を用いて測定される特定の粘度範囲を満たすために、粘度調整剤を含有することが好ましい。本発明の補強液が含有する粘度調整剤としてはカラギーナン、ペクチン、セルロース、ポリウレタン、ポリアクリル酸、アクリルウレタン、ポリエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールや、これらの誘導体といった水溶性の高分子化合物が例示され、中でもポリエーテル誘導体が特に好適であり、このような粘度調整剤としてはサンノプコ(株)から市販されるウレタン変性ポリエーテルであるSNシックナー619や同621N等が例示される。該粘度調整剤は、単独もしくは2種以上の組み合わせでも適宜使用することができる。補強液中の粘度調整剤の含有量は、補強液が上述した粘度範囲となるように適宜調節することが好ましく、具体的には補強液の全質量に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
本発明における補強液は、刷版への付与性を向上させる目的で、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としてはアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性等の各種界面活性剤が例示されるが、中でもスルホコハク酸エステル構造、あるいはポリオキシアルキレン構造を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。これにより、印刷物に不要な線や点等が生じる印刷不良を改善することができる。上述したスルホコハク酸エステル構造を有するアニオン性界面活性剤としては例えば、スルホコハク酸ラウレス2ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2カリウム等のスルホコハク酸モノアルキルエステルのアルカリ金属塩や、スルホコハク酸ジイソブチルナトリウム、スルホコハク酸ジペンチルナトリウム、スルホコハク酸ジヘキシルナトリウム、スルホコハク酸ジシクロヘキシルナトリウム、スルホコハク酸ジトリデシルナトリウム、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)カリウム等のスルホコハク酸ジアルキルエステルのアルカリ金属塩が挙げられ、その中でもスルホコハク酸ジアルキルエステルのアルカリ金属塩を含有することが好ましく、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを含有することが特に好ましい。また上述したポリオキシアルキレン構造を有するアニオン性界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩や、ポリオキシエチレン−2−デシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−3−デシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸塩が挙げられ、その中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を含有することが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含有することが特に好ましい。該界面活性剤は、単独もしくは2種以上の組み合わせでも適宜使用することができる。補強液中の界面活性剤の含有量は、補強液の全質量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
本発明における補強液は、穿孔画像の視認性向上のため染料や顔料等を含有していてもよい。染料としては補強液に対して十分な溶解性を示し、均一に溶解するものであれば特に限定するものではなく、また顔料としては補強液に対して十分に均一分散するものであれば特に制限なく用いることができる。
本発明における補強液は、上述した添加剤の他に、必要に応じて帯電防止剤、滑剤、造膜助剤などを含有してもよい。
以上のような構成で作製した補強液は、感熱性スクリーン印刷版を溶融穿孔させて得た刷版に付与することが好ましい。膜厚が均一な補強膜を得る観点から、補強液は多孔性支持体側の面から、スクリーン印刷用のスキージを用いて付与することが好ましい。また、感熱性スクリーン印刷版1平方メートルあたりの補強液の付与量は固形分量で0.5〜20gが好ましく、1〜15gがより好ましい。
このようにして補強液を上記した刷版に付与した後、水やアルコール等を含ませたウェス等を用いて、補強液を付与した面の反対側の面から拭き取ることで、穿孔画像部に付与した補強液を除去することが好ましい。これにより穿孔内の補強液を除去して、インクの通過性を妨げることなく、熱可塑性樹脂フィルムの強度を高め、熱可塑性樹脂フィルムのエッジ部が破損することを抑え、印刷画像の形状の変化を抑制することができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、この記述により本発明が限定されるものではない。
<実施例1>
<補強液の調製>
第一工業製薬(株)より市販されるウレタンラテックス(スーパーフレックス150、固形分30質量%)10質量部に、サンノプコ(株)より市販されるSNシックナー621Nを0.015質量部と、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムを0.02質量部添加して30分間攪拌し、補強液1を得た。
<粘度の測定>
このようにして得られた補強液1の液温を25℃に調整したのち、気温25℃条件下において、東機産業(株)から市販されるB形粘度計である、BII形粘度計BLII型を用いて、回転数が6rpmの条件における測定開始から5分経過後の粘度μ1、および回転数が60rpmの条件における測定開始から5分経過後の粘度μ2を測定し、μ1/μ2を算出した。以下に示す補強液2〜9についても同様に測定し、それらの結果を表1に示した。
<刷版の作製>
感熱性スクリーン印刷版として市販されるサーマルスクリーンマスクTSM−120(厚み2μmのポリエステルフィルムと120メッシュのポリエステル樹脂製スクリーン用紗体の貼合体、三菱製紙(株)製)を450mm(幅)×600mm(長)のアルミ製フレームに紗張りし、サーマルヘッドを搭載したデジタルスクリーン製版機MDS−360(三菱製紙(株)製:1204dpi/120lpi、ラインヘッド)により、印字速度1msec/lineで、所定の画像パターンで加熱することで該ポリエステルフィルムを画像様に溶融穿孔した。
<補強液の付与>
上述のようにして得られた刷版を、ウェスを敷いた水平な作業台の上にポリエステルフィルム側の面を下にして置き、スクリーン印刷用のゴムスキージを用いて、スクリーン用紗体側の面の側から感熱性スクリーン印刷版の全域に塗り広げ、固形分量で3.0g/mの補強液1を付与した。その後、水を含ませたウェスによってポリエステルフィルム側の面を拭き取り、ヘアドライヤーを用いて乾燥させ、刷版を得た。
<実施例2>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nの添加量を0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして補強液2を作製し、該補強液2を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<実施例3>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nの添加量を0.10質量部に変更した以外は実施例1と同様にして補強液3を作製し、該補強液3を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<実施例4>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nの添加量を0.013質量部に変更し、さらにSNシックナー615(サンノプコ(株)製、ウレタン変性ポリエーテル)を0.001質量部添加した以外は実施例1と同様にして補強液4を作製し、該補強液4を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<実施例5>
実施例1の補強液の調製において、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウムに代わりポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と同様にして補強液5を作製し、該補強液5を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<比較例1>
補強液を付与しなかった以外は実施例1と同様にして刷版を得た。
<比較例2>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nの添加量を0.01質量部に変更した以外は実施例1と同様にして補強液6を作製し、該補強液6を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<比較例3>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nに代わりSNシックナー615を0.05質量部添加した以外は実施例1と同様にして補強液7を作製し、該補強液7を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<比較例4>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nに代わりSNシックナー615を0.10質量部添加した以外は実施例1と同様にして補強液8を作製し、該補強液8を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<比較例5>
実施例1の補強液の調製において、SNシックナー621Nに代わりSNシックナー615を0.20質量部添加した以外は実施例1と同様にして補強液9を作製し、該補強液9を用いて実施例1と同様にして刷版を得た。
<耐刷性評価>
(株)ミノグループ製の半自動スクリーン印刷機(MINOMAT6590)に実施例1〜5および比較例1〜5で得られた各刷版と、(株)ミノグループ製のスキージブレード(ミノウレタン、黄、厚さ6mm、幅42mm)を取り付け、(有)プリズムから市販されるプラスチゾルインク(COLORMAX、WHITE、CM−011)を用い、綿100%、厚み300μmの生地上に印刷を行い、印刷画像の形状に変化が生じるまでの印刷枚数を比較した。印刷枚数が100枚以上であった場合を〇、50〜99枚であった場合を△、50枚未満であった場合を×として、その結果を表1に示した。
Figure 2021059064
表1の結果から明らかなように、本発明によって、印刷画像の形状の変化を抑制することができる感熱性スクリーン印刷用補強液を提供できることが分かる。

Claims (1)

  1. B型粘度計を用いて25℃、回転数が6rpmの条件で測定した粘度をμ1、25℃、回転数が60rpmの条件で測定した粘度をμ2としたとき、μ1とμ2のうち少なくとも1つが200mPa・s以上であり、かつμ1/μ2の値が1.2以下である感熱性スクリーン印刷版用補強液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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