JP2021058965A - フランジ機構及び切削装置 - Google Patents

フランジ機構及び切削装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021058965A
JP2021058965A JP2019184655A JP2019184655A JP2021058965A JP 2021058965 A JP2021058965 A JP 2021058965A JP 2019184655 A JP2019184655 A JP 2019184655A JP 2019184655 A JP2019184655 A JP 2019184655A JP 2021058965 A JP2021058965 A JP 2021058965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting blade
flange
cutting
spindle
boss portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019184655A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7341608B2 (ja
Inventor
宏彦 香西
Hirohiko Kozai
宏彦 香西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Abrasive Systems Ltd filed Critical Disco Abrasive Systems Ltd
Priority to JP2019184655A priority Critical patent/JP7341608B2/ja
Publication of JP2021058965A publication Critical patent/JP2021058965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7341608B2 publication Critical patent/JP7341608B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】切削ブレードまたは押さえフランジを吸引保持する際、該切削ブレードの径方向に向いた力を作用させる。【解決手段】中央に装着孔を有する円盤状の基台と、該基台の外周縁に設けられた切り刃と、を有する切削ブレードを、スピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、前後方向に伸長し該切削ブレードの該基台の該装着孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードの該基台を支持する支持面を有するフランジ部と、を備え、装着される該切削ブレードの該基台の該装着孔の内面に対面する該ボス部の外周面に単数又は複数の開口が形成され、該開口と吸引源とを連通させる吸引路を内部に備え、該吸引源で生じる負圧を該吸引路及び該開口を介して該切削ブレードに作用させて該切削ブレードを吸引固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、被加工物を切削する切削ブレードをスピンドルの先端に装着するためのフランジ機構と、フランジ機構を備える切削装置と、に関する。
シリコン、シリコンカーバイド、サファイア等の半導体基板や樹脂パッケージ基板、セラミックス基板、ガラス基板等の各種の板状の被加工物を円環状の切削ブレードで精密に切削加工する切削装置が知られている。該切削装置では、スピンドルの先端に固定されたフランジ機構で切削ブレードを保持する。フランジ機構は、円柱状のボス部と、ボス部の後方から径方向外向きに突出したフランジ部と、を備える。ボス部に切削ブレードを通しボス部に固定ナットを螺合させると切削ブレードを固定できる。
切削ブレードをフランジ機構に固定する際には固定ナットを所定以上のトルクで締め付ける必要があり、切削ブレードを取り外す際には所定以上のトルクで締め付けられた該固定ナットを緩めなければならない。ここで、固定ナットを締めたり緩めたりする際に使用される専用の治具が知られている(特許文献1参照)。該治具を使用すると、固定ナットを締めつける作業と緩める作業が容易になる。
しかしながら、該治具を使用する場合においても、固定ナットを所定以上のトルクで締め付けるためにトルクを測定できる機構を必要とする。その上、作業者による作業の手間は依然として少なくない。さらに、該治具の使用不使用に関わらず、固定ナットを締めつける際に切削ブレードが固定ナットの回転に連れ回りながらフランジ部に接触するため、フランジ部の接触面が荒れ易い。該接触面が荒れると切削ブレードが正しい向きで固定されにくくなり、また、切削ブレードの固定が不安定となるおそれがある。
そこで、固定ナットで切削ブレードを固定する代わりに、切削ブレードを受けるフランジ機構を改良して、真空吸引により切削ブレードを保持するフランジ機構が開発された(特許文献2参照)。該フランジ機構では、負圧のオンオフを切り替えるだけで切削ブレードを着脱できるため、固定ナットを締め付ける作業が不要であり、切削ブレードの固定作業中に切削ブレードが回転しないためフランジ部の該接触面が荒れることもない。その上、切削ブレードの着脱に要する時間も極めて短くなる。
特許5275675号公報 特開2002−154054号公報
装着孔を有する円盤状の基台と、基台の外周縁に設けられた切り刃と、を有するハブタイプと呼ばれる切削ブレードが知られている。真空吸引で切削ブレードを保持する場合、フランジ部の切削ブレードの該基台に対面する面側に該基台を吸引するように負圧が作用する。すなわち、基台には、切削ブレードの厚さ方向に向いた吸引力が作用する。被加工物に切り込む切削ブレードは径方向に向いた力に対しては極めて強い変形耐性を有するが、該厚さ方向に向いた力に対する変形耐性は比較的小さい。
そのため、切削ブレードを真空吸引して固定すると、基台が変形するおそれがある。基台が僅かに変形しても、基台の外周縁に設けられた切り刃の位置はより大きく変動してしまうため、被加工物が予定された被加工箇所からずれた位置で切削されるおそれがある。そして、固定ナットによる切削ブレードの固定力と比較して真空吸引による切削ブレードの固定力は変動しやすいため、切削加工中にも被加工箇所の位置のずれの量は変動する。すなわち、切削ブレードの位置を予め補正しても、被加工箇所の変動を低減できない。
切削ブレードには、基台のないワッシャータイプと呼ばれる種別が存在する。ワッシャータイプの切削ブレードを固定するフランジ機構は、フランジ部と対になって切削ブレードを挟持する押さえフランジを備える。このフランジ機構でも、真空吸引で押さえフランジをフランジ部に固定することで切削ブレードを挟持できる。しかしながら、切削ブレードの厚さ方向に向いた力のみで押さえフランジを固定すると、押さえフランジの固定力が変動しやすく、切り刃の位置が変動して被加工箇所が変動するおそれがある。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、切削ブレードまたは押さえフランジを吸引保持する際、該切削ブレードの径方向に向いた力を作用させるフランジ機構、及び該フランジ機構を備える切削装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、中央に装着孔を有する円盤状の基台と、該基台の外周縁に設けられた切り刃と、を有する切削ブレードを、スピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、前後方向に伸長し該切削ブレードの該基台の該装着孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードの該基台を支持する支持面を有するフランジ部と、を備え、装着される該切削ブレードの該基台の該装着孔の内面に対面する該ボス部の外周面に単数又は複数の開口が形成され、該開口と吸引源とを連通させる吸引路を内部に備え、該吸引源で生じる負圧を該吸引路及び該開口を介して該切削ブレードに作用させて該切削ブレードを吸引固定することを特徴とするフランジ機構が提供される。
好ましくは、該開口は、複数である。また、好ましくは、該基台の該フランジ部に対面する面の該装着孔の周囲に凹部を有する該切削ブレードをスピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、該ボス部の該開口は、該基台の該凹部と該フランジ部とによって形成される空間に面する。または、該フランジ部は、該ボス部に連続する該ボス部を囲繞する領域に該支持面よりも後方側に形成された凹部を有し、該ボス部の該開口は、該フランジ部の該凹部と該切削ブレードの該基台とによって形成される空間に面する。
本発明の他の一態様によると、中央に貫通孔を有する切り刃を有する切削ブレードを、スピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、前後方向に伸長し該切削ブレードの該貫通孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードを支持する支持面を有するフランジ部と、該ボス部が挿通される挿通孔が形成され該フランジ部の該支持面に対面する接触面を有し該接触面と該支持面との間に配された該切削ブレードを前方から挟持する押さえフランジと、を備え、該押さえフランジの該挿通孔の内面に対面する該ボス部の外周面に単数又は複数の開口が形成され、該開口と吸引源とを連通させる吸引路を内部に備え、該押さえフランジの該接触面と該フランジ部の該支持面との間に該切削ブレードを配し該吸引源で生じる負圧を該吸引路及び該開口を介して該押さえフランジに作用させて該押さえフランジを吸引固定することで、該フランジ部及び該押さえフランジで該切削ブレードを挟持することを特徴とするフランジ機構が提供される。
好ましくは、該開口は、複数である。また、好ましくは、該押さえフランジは、該フランジ部に対面する面の該挿通孔の周囲に凹部を有し、該ボス部の該開口は、該押さえフランジの該凹部と該フランジ部とによって形成される空間に面する。または、該フランジ部は、該ボス部の周囲の該押さえフランジに対面する面に凹部を有し、該ボス部の該開口は、該フランジ部の該凹部と該押さえフランジとによって形成される空間に面する。
本発明のさらに他の一態様によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、中央に装着孔を有する円盤状の基台と、該基台の外周縁に設けられた切り刃と、を有する切削ブレードを装着可能であり、装着された該切削ブレードで該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ユニットと、該チャックテーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、を備える切削装置であって、該切削ユニットは、装着された該切削ブレードの回転軸となるスピンドルと、該スピンドルを回転可能に支持し該スピンドルの基端を収容するスピンドルハウジングと、該スピンドルの先端に固定され該切削ブレードを吸引保持するフランジ機構と、該スピンドルに挿通されるとともに該フランジ機構の一部を回転可能に収容できるジョイント開口部を有し、該ジョイント開口部から該スピンドルの該先端が突き出る態様で該スピンドルハウジングに固定されており、一端が該ジョイント開口部に達し他端が開閉弁を介して吸引源に達するジョイント吸引路を内部に備えるロータリージョイントと、を備え、該フランジ機構は、前後方向に伸長し該切削ブレードの該基台の該装着孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードの該基台を支持する支持面を有するフランジ部と、後方側に露出するように該フランジ部の内側に形成され該スピンドルの該先端が挿入されるスピンドル装着穴と、を備え、該ボス部は、装着される該切削ブレードの該基台の該装着孔の内面に対面する外周面に単数又は複数の開口が形成されており、該フランジ機構は、さらに、該開口と該吸引源とを該ジョイント吸引路を介して連通させる吸引路を内部に備え、該吸引源からの負圧によって該切削ブレードを吸引固定することを特徴とする切削装置が提供される。
好ましくは、該フランジ機構に該切削ブレードを装着及び離脱させるブレード着脱ユニットをさらに備え、該開閉弁は、該ブレード着脱ユニットにより該切削ブレードが該フランジ機構に搬入された後に連動して開き、該ブレード着脱ユニットにより該切削ブレードを離脱させる前に連動して閉じる。
また、本発明のさらに他の一態様によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、中央に貫通孔を有する切り刃を有する切削ブレードを装着可能であり、装着された該切削ブレードで該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ユニットと、該チャックテーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、を備える切削装置であって、該切削ユニットは、装着された該切削ブレードの回転軸となるスピンドルと、該スピンドルを回転可能に支持し該スピンドルの基端を収容するスピンドルハウジングと、該スピンドルの先端に固定され該切削ブレードを吸引保持するフランジ機構と、該スピンドルに挿通されるとともに該フランジ機構の一部を回転可能に収容できるジョイント開口部を有し、該ジョイント開口部から該スピンドルの該先端が突き出る態様で該スピンドルハウジングに固定されており、一端が該ジョイント開口部に達し他端が開閉弁を介して吸引源に達するジョイント吸引路を内部に備えるロータリージョイントと、を備え、該フランジ機構は、前後方向に伸長し該切削ブレードの該貫通孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードを支持する支持面を有するフランジ部と、後方側に露出するように該フランジ部の内側に形成され該スピンドルの該先端が挿入されるスピンドル装着穴と、該ボス部が挿通される挿通孔が形成され該フランジ部の該支持面に対面する接触面を有し該接触面と該支持面との間に配された該切削ブレードを前方から挟持する押さえフランジと、を備え、該ボス部は、該押さえフランジの該挿通孔の内面に対面する外周面に単数又は複数の開口が形成されており、該フランジ機構は、さらに、該開口と該吸引源とを該ジョイント吸引路を介して連通させる吸引路を内部に備え、該押さえフランジの該接触面と、該フランジ部の該支持面と、の間に該切削ブレードを配し該吸引源からの負圧を該押さえフランジに作用させて該押さえフランジを吸引固定することで、該フランジ部及び該押さえフランジで該切削ブレードを挟持することを特徴とする切削装置が提供される。
本発明の一態様に係るフランジ機構及び切削装置では、フランジ機構のボス部が切削ブレードの基台の装着孔、または、押さえフランジの挿通孔に突き通される。そして、該装着孔の内面、または、該挿通孔の内面に対面するボス部の外周面に吸引源に連通する開口が形成されている。
フランジ機構で切削ブレードをスピンドルの先端に固定する際、吸引源により生じる負圧が該開口から切削ブレード、または、押さえフランジに供給される。この場合、切削ブレード、または、押さえフランジには、切削ブレードの径方向に向いた力が作用する。ここで、切削ブレード、または、押さえフランジを十分な力で吸引保持するために切削ブレードの厚さ方向に向いた力が利用されてもよいが、該厚さ方向に向いた力のみで吸引保持する場合と比較して、該厚さ方向に向いた力は小さくてよい。
すなわち、本発明の一態様に係るフランジ機構及び切削装置では、切削ブレードにかかる該切削ブレードの厚さ方向に向いた力が小さくなる。そのため、切削ブレードの変形量及び該変形量の変動が小さくなり、該切削ブレードで被加工物の予定された被加工箇所を安定的に切削できるようになる。
したがって、本発明によると、切削ブレードまたは押さえフランジを吸引保持する際、該切削ブレードの径方向に向いた力を作用させるフランジ機構、及び該フランジ機構を備える切削装置が提供される。
フランジ機構が据え付けられる切削装置を模式的に示す斜視図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す分解斜視図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す分解斜視図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。 切削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本実施形態に係るフランジ機構及び切削装置について説明する。該フランジ機構は、該切削装置の切削ユニットに据え付けられて使用される。まず、本実施形態に係る切削装置2について説明する。図1は、切削装置2を模式的に示す斜視図である。切削装置2では、板状の被加工物に設定された分割予定ラインに沿って該被加工物が切削される。
本実施形態に係る加工装置で加工される被加工物は、例えば、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)、GaAs(ヒ化ガリウム)、若しくは、その他の半導体材料から形成される略円板状のウェーハである。または、被加工物は、サファイア、石英、ガラス、セラミックス等の材料からなる板状の基板等である。該ガラスは、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等である。
例えば、被加工物の表面には、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の複数のデバイスが形成されている。該被加工物には、デバイス間に分割予定ラインが設定される。そして、切削装置2で該被加工物を該分割予定ラインに沿って切削し被加工物を分割すると、個々のデバイスチップを形成できる。
被加工物は、例えば、環状フレームに貼られたテープ上に貼着され、環状フレームと一体で取り扱われる。環状フレームとテープとを用いて被加工物を取り扱うと、搬送する際に生じる衝撃等から該被加工物を保護できる。さらに、該テープを拡張すると、被加工物が分割されて形成された各チップの間隔を広げられるため、チップのピックアップが容易となる。
切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の前方の角部には開口4aが形成されており、この開口4a内には昇降機構(不図示)によって昇降するカセット支持台6が設けられている。カセット支持台6の上面には、複数の被加工物を収容するカセット8が配設される。なお、図1では説明の便宜上、カセット8の輪郭のみを示している。
カセット支持台6の側方には、長手方向がX軸方向(加工送り方向)に沿うように矩形の開口4aが形成されている。開口4a内には、ボールネジ式のX軸移動機構(不図示)と、X軸移動機構の上部を覆うテーブルカバー10及び防塵防滴カバー12と、が配置されている。X軸移動機構は、テーブルカバー10によって覆われたX軸移動テーブル(不図示)を備えており、このX軸移動テーブルをX軸方向に移動させる。
X軸移動テーブルの上面にはテーブルカバー10から露出するようにチャックテーブル14が配設されている。チャックテーブル14は、上方に露出した保持面14aに載せられた被加工物を吸引保持する機能を有する。チャックテーブル14はモータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル14はX軸移動機構によってX軸移動テーブルやテーブルカバー10とともにX軸方向に移動する。
被加工物を吸引保持するチャックテーブル14は、被加工物と同様の径のポーラス部材を上面に備える。そして、該ポーラス部材の上面が被加工物を吸引保持する保持面14aとなる。チャックテーブル14の内部には、チャックテーブル14の外部に設けられたエジェクタ等の吸引源に一端が接続された吸引路が形成されている。吸引路の他端は、該ポーラス部材に達している。さらに、チャックテーブル14の周囲には、被加工物を支持する環状フレームを四方から固定するためのクランプ14bが設けられている。
切削装置2は、開口4aに隣接する領域に、カセット8からチャックテーブル14等へと被加工物を搬送する搬送ユニット(不図示)を備える。チャックテーブル14の上方には、環状の切削ブレード38aによってウェーハ1を切削する切削ユニット38が配設される。基台4の上面には、切削ユニット38を支持するための支持構造16が配置されている。支持構造16は、開口4aの上方に該開口4aを渡るように伸長した腕部18を上部に備える。
支持構造16の前面上部には、切削ユニット38をY軸方向(割り出し送り方向)に移動させる割り出し送りユニット20が設けられている。割り出し送りユニット20は、支持構造16の前面にY軸方向に沿って伸長した一対のY軸ガイドレール22を備える。一対のY軸ガイドレール22には、Y軸移動プレート24がスライド可能に装着されている。Y軸移動プレート24の裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ガイドレール22に平行なY軸ボールネジ26が螺合されている。
Y軸ボールネジ26の一端部には、Y軸パルスモータ(不図示)が連結されている。Y軸パルスモータによってY軸ボールネジ26を回転させることにより、Y軸移動プレート24がY軸ガイドレール22に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動プレート24の表面(前面)には、切削ユニット38をZ軸方向(上下方向)に沿って昇降させる昇降ユニット28が設けられる。昇降ユニット28は、Z軸方向に沿った一対のZ軸ガイドレール30をY軸移動プレート24の表面に備える。一対のZ軸ガイドレール30にはZ軸移動プレート32がスライド可能に取り付けられている。
Z軸移動プレート32の裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ガイドレール30に平行な方向に沿うように設けられたZ軸ボールネジ34が螺合されている。Z軸ボールネジ34の一端部にはZ軸パルスモータ36が連結されており、このZ軸パルスモータ36によってZ軸ボールネジ34を回転させることにより、Z軸移動プレート32がZ軸ガイドレール30に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート32の下部には切削ユニット38が固定されている。切削ユニット38に隣接する位置には、チャックテーブル14によって吸引保持された被加工物を撮像し、分割予定ラインの位置を検出するための撮像ユニット40が設けられている。割り出し送りユニット20により切削ユニット38及び撮像ユニット40のY軸方向における位置が制御され、昇降ユニット28により切削ユニット38及び撮像ユニット40のZ軸方向における位置が制御される。
チャックテーブル14に保持された被加工物を切削する際には、チャックテーブル14と、切削ユニット38と、を相対的に移動させて、被加工物の分割予定ラインに切削ブレード38aを合わせる。次に、切削ブレード38aを回転させた状態で切削ユニット38を所定の高さまで下降させ、チャックテーブル14をX軸方向に沿って加工送りする。回転する切削ブレード38aの切り刃が被加工物に接触すると、被加工物が切削されて分割される。
開口4aに対してカセット支持台6と反対側の位置には、開口4bが形成されている。開口4b内には加工後の被加工物を洗浄するための洗浄ユニット42が配置されている。洗浄ユニット42は、被加工物を保持しながら回転するスピンナテーブル42aと、スピンナテーブル42aに保持された被加工物に上方から洗浄水を噴射する噴射ノズル42bと、を備える。洗浄ユニット42で洗浄された被加工物は、再びカセット8に収納される。
基台4の上面の開口4aの近傍には、さらに、X軸方向に沿って長い開口4cが形成されている。基台4の開口4cには、切削ユニット38に装着されている切削ブレード38aを自動で着脱して交換できるブレード着脱ユニット44が配設されている。ブレード着脱ユニット44は、切削ユニット38に装着されている切削ブレード38aの搬出に使用されるブレード搬出ユニット46と、新しい切削ブレード38aを切削ユニット38の搬入に使用されるブレード搬入ユニット48と、を含む。
ただし、ブレード搬出ユニット46と、ブレード搬入ユニット48と、は同様に構成されており、互いに役割が入れ替えられて使用されてもよい。ブレード搬出ユニット46及びブレード搬入ユニット48は、切削ブレード38aを把持できるように構成されたブレード把持部46a,48aを備えている。ブレード把持部46a,48aには、Y軸駆動用のアクチュエータ46b,48bが接続されており、ブレード把持部46a,48aは、このアクチュエータ46b,48bによってY軸方向に移動する。
ブレード着脱ユニット44は、開口4cの内部に設けられた移動機構52により支持されている。ブレード着脱ユニット44は、切削ブレード38aがかけられ保管されるブレードラック50が設けられた退避位置と、切削ユニット38の切削ブレード38aの交換が実施される交換位置と、の間を移動する。
切削ユニット38について、さらに説明する。切削ユニット38に装着される切削ブレード38aには、図2に斜視図が示されたハブタイプと呼ばれる切削ブレード92と、図7に斜視図が示されたワッシャータイプと呼ばれる切削ブレード128と、が知られている。ハブタイプの切削ブレード92は、中央に装着孔92cを有する円盤状の基台92aと、該基台92aの外周縁に設けられた切り刃92bと、を有する。ワッシャータイプの切削ブレード128は、中央に貫通孔128cを有する切り刃128bを有する。
図2及び図7は、ブレードカバーを取り外した状態における切削ユニット38の構造を模式的に示す分解斜視図である。切削ユニット38は、Y軸方向(図1参照)に平行な回転軸を構成するスピンドル54を備え、スピンドル54の先端に切削ブレード92,128が固定される。スピンドル54の基端側は、Z軸移動プレート32(図1参照)に固定されたスピンドルハウジング38bに収容されている。スピンドルハウジング38bの内部では、スピンドル54がエアベアリングによってY軸の周りに回転可能に支持される。
スピンドル54は、先端側に向かうにつれて徐々に径が小さくなるテーパー形状を有する円柱状に形成されており、先端にボルト固定穴58が形成されている。ボルト固定穴58では、切削時のスピンドル54の回転方向に回転させることで締め込まれる向きにねじが切られている。
スピンドルハウジング38bの前側の端面には、ロータリージョイント60が固定される。ロータリージョイント60は、Y軸方向に沿った円筒状のフランジ機構収容体66を中央に備える。ロータリージョイント60のフランジ機構収容体66には、Y軸方向に沿って貫通するジョイント開口部64が形成されている。ジョイント開口部64には、スピンドル54の先端側が挿通されるとともに、スピンドル54の先端に装着される後述のフランジ機構70,108の後端側の一部が回転可能に収容される。
スピンドルハウジング38bの該端面には、ロータリージョイント60を固定する際に使用されるボルト62a(図3等参照)が螺合される複数のねじ穴56が形成されている。ロータリージョイント60には、ねじ穴56の配置に対応した配置で貫通孔62が形成されている。そして、ロータリージョイント60は、ボルト62aが貫通孔62に通されねじ穴56に螺合されることにより、ジョイント開口部64からスピンドル54の先端が突き出る態様でスピンドルハウジング38bに固定されている。
スピンドル54の先端に固定されたフランジ機構70,108は、切削ブレード92,128を保持する。換言すると、フランジ機構70,108は、スピンドル54の先端に切削ブレード92,128を固定するために使用される。ハブタイプの切削ブレード92を保持するフランジ機構70と、ワッシャータイプの切削ブレード128を保持するフランジ機構108と、では構造が異なるため、以下に個別に説明する。
ハブタイプの切削ブレード92を保持するフランジ機構70は、前後方向(Y軸方向)に伸長し切削ブレード92の基台92aの装着孔92cに挿通する円柱状のボス部72を備える。また、フランジ機構70は、ボス部72の後方側から径方向外向きに突出し切削ブレード92の基台92aを支持する支持面76を有するフランジ部74を備える。
さらに、フランジ機構70は、フランジ部74よりも後方側に伸長した円筒状の後端部82を備え、フランジ部74及び後端部82の内側にスピンドル54の先端が挿入されるスピンドル装着穴70a(図3等参照)を備える。スピンドル装着穴70aは後方側に露出しており、後方側からスピンドル54が挿入される。
スピンドル54は、先端に向かうにつれて径が小さくなる先細り形状を有し、外周面がテーパー形状となっている。そして、スピンドル装着穴70aの内面は、スピンドル54の外周面のテーパー形状に対応するテーパー形状となっている。フランジ機構70は、前方側に露出するようにボス部72の内側に形成されたボルト収容穴88をさらに備える。ボルト収容穴88は、スピンドル装着穴70aに連通している。
スピンドル装着穴70aにスピンドル54の先端を挿入したとき、スピンドル54の先端に形成されたボルト固定穴58がボルト収容穴88を通して前方側に露出する。そして、スピンドル装着穴70aにスピンドル54を挿入した後、ワッシャー94を通した固定ボルト96をフランジ機構70のボルト収容穴88に前方側から差し入れてボルト固定穴58に固定ボルト96を螺合させる。すると、スピンドル54の先端にフランジ機構70が固定される。
図3は、フランジ機構70を備える切削ユニット38を模式的に示す断面図である。図3に示す通り、フランジ機構70の内部には、排気路90が形成されている。スピンドル54は、エアベアリングにより支持されるため、スピンドルハウジング38bからはスピンドル54に沿ってエアーが噴き出る。排気路90の一端は該エアーの噴出先に達しており、排気路90の他端はフランジ機構70の後端部82の外周面に達している。該エアーは、排気路90を通じて切削ユニット38の外部に速やかに排気される。
また、図3には、スピンドル54の先端に固定されたフランジ機構70の断面図が示されている。ボス部72の外径は、切削ブレード92の基台92aの装着孔92cの内径に対応している。
フランジ機構70を使用してスピンドル54の先端に切削ブレード92を固定する際には、基台92aの装着孔92cにフランジ機構70のボス部72が通される。従来、ボス部72の先端部の外周面にはねじ山が形成されており、切削ブレード92の基台92aの装着孔92cに通されたボス部72の先端部に固定ナットを螺合させることで切削ブレード92を固定していた。
近年、固定ナットを使用せずに切削ブレード92を固定できるフランジ機構70として、内部に吸引路86を備えるフランジ機構70が使用される。フランジ機構70の後端部82の外周面には全周にわたって外周溝84aが形成されており、吸引路86の一端は外周溝84aの底部に形成された複数の開口84bに達している。そして、ロータリージョイント60は、一端がジョイント開口部64に達し他端が開閉弁100を介して吸引源98に達するジョイント吸引路68を内部に備える。
ジョイント開口部64では、フランジ機構70の後端部82の外周面に形成された外周溝84aがジョイント吸引路68の該一端に対面する。そして、フランジ機構70の吸引路86と、ロータリージョイント60のジョイント吸引路68と、が連通する。ジョイント吸引路68に設けられた開閉弁100を開放しておくと、吸引源98で生じた負圧がジョイント吸引路68及び吸引路86を通じて該吸引路86の他端に達する。
従来、フランジ機構70の吸引路86の該他端は、フランジ部74の支持面76よりも内側の領域に達していた。そして、切削ブレード92の基台92aと、フランジ部74と、の間の空間が吸引されることにより切削ブレード92がフランジ機構70に吸引保持されていた。
次に、ワッシャータイプの切削ブレード128を保持するフランジ機構108について説明する。フランジ機構108は、図7等に示す通り、前後方向(Y軸方向)に伸長し切削ブレード128の貫通孔128cに挿通する円柱状のボス部110を備える。また、フランジ機構108は、ボス部110の後方側から径方向外向きに突出し切削ブレード128を支持する支持面114を有するフランジ部112を備える。
さらに、フランジ機構108は、フランジ部112よりも後方側に伸長した円筒状の後端部120を備え、フランジ部112及び後端部120の内側にスピンドル54が挿入されるスピンドル装着穴108a(図8等参照)を備える。スピンドル装着穴108aは後方側に露出しており、後方側からスピンドル54が挿入される。スピンドル装着穴108aの内面は、スピンドル54の外周面のテーパー形状に対応するテーパー形状となっている。
フランジ機構108は、前方側に露出するようにボス部110の内側に形成されたボルト収容穴126をさらに備える。ボルト収容穴126は、スピンドル装着穴108aに連通している。スピンドル装着穴108aにスピンドル54を挿入したとき、スピンドル54の先端に形成されたボルト固定穴58がボルト収容穴126を通して前方側に露出する。
そして、スピンドル装着穴108aにスピンドル54を挿入した後、ワッシャー94を通した固定ボルト96をフランジ機構108のボルト収容穴126に前方側から差し入れてボルト固定穴58に固定ボルト96を螺合させる。すると、スピンドル54の先端にフランジ機構108が固定される。
図8は、フランジ機構108を備える切削ユニット38を模式的に示す断面図である。図8には、スピンドル54の先端に固定されたフランジ機構108の断面図が示されている。図8に示す通り、フランジ機構108の内部には、排気路138が形成されている。排気路138の一端はスピンドルハウジング38bから噴出するエアーの噴出先に達しており、排気路138の他端はフランジ機構108の後端部120の外周面に達している。該エアーは、排気路138を通じて切削ユニット38の外部に速やかに排気される。
フランジ機構108を使用してスピンドル54の先端に切削ブレード128を固定する際には、貫通孔128cにフランジ機構108のボス部110及びフランジ部112の前側の凸部が通され、フランジ部112の支持面114に切削ブレード128が当接される。
フランジ機構108は、フランジ部112の支持面114との間に配された切削ブレード128を前方から挟持する円環状の押さえフランジ130をさらに備える。押さえフランジ130は、ボス部110が挿通される挿通孔132が形成され、フランジ部112の支持面114に対面する接触面136を有する。
ボス部110は、押さえフランジ130の挿通孔132の内径に対応する外径を有する。そして、フランジ部112の前側の凸部は、切削ブレード128の貫通孔128cの内径に対応する外径を有する。押さえフランジ130は、フランジ部112と協働して切削ブレード128を挟持することで切削ブレード128をスピンドル54の先端に固定する。ここで、押さえフランジ130は、例えば、吸引によりボス部110に固定される。
フランジ機構108の内部には吸引路124が設けられており、フランジ機構108の後端部120の外周面には全周にわたって外周溝122aが形成されている。吸引路124の一端は外周溝122aの底部に形成された複数の開口122bに達している。ジョイント開口部64では、該外周溝122aがジョイント吸引路68の該一端に対面し、フランジ機構108の吸引路124と、ロータリージョイント60のジョイント吸引路68と、が連通する。
そして、ジョイント吸引路68に設けられた開閉弁100を開放すると、吸引源98で生じた負圧がジョイント吸引路68及び吸引路124を通じて該吸引路124の他端に達する。従来、フランジ機構108の吸引路124の該他端は、フランジ部112の支持面114よりも内側の領域に達していた。そして、押さえフランジ130と、フランジ部112と、の間の空間が吸引されることにより押さえフランジ130が吸引保持されていた。
ここで、ハブタイプの切削ブレード92を吸引保持するフランジ機構70では、切削ブレード92の基台92aに切削ブレード92の厚さ方向に向いた吸引力が作用する。被加工物に切り込む切削ブレード92は径方向に向いた力に対しては強い変形耐性を有するが、該厚さ方向に向いた力に対する変形耐性は比較的小さい。そのため、基台92aに切削ブレード92の厚さ方向に向いた力が作用すると基台92aが変形するおそれがある。
基台92aが僅かに変形しても、基台92aの外周縁に設けられた切り刃92bの位置はより大きく変動してしまうため、切削ブレード92で被加工物を切削すると、被加工物が予定された被加工箇所からずれた位置で切削されるおそれがある。そして、真空吸引による切削ブレード92の固定力は固定ナットによる切削ブレード92の固定力より変動しやすく、切削加工中にも被加工箇所の位置のずれの量が変動する場合がる。すなわち、切削ブレード92の位置を予め補正しても、被加工箇所の変動を低減できない。
また、押さえフランジ130を吸引保持してワッシャータイプの切削ブレード128を固定するフランジ機構108においても同様の問題が生じる。すなわち、切削ブレード128に厚さ方向に向いた力のみで押さえフランジ130を固定すると、押さえフランジ130から切削ブレード128に該厚さ方向に向いた力が作用する。そして、押さえフランジ130の固定力は比較的変動しやすく、切削ブレード128の切り刃128bの位置が変動して被加工箇所が変動する場合がある。
そこで、本実施形態に係るフランジ機構70,108及び切削装置2では、切削ブレード92,128の径方向に向いた力を利用して切削ブレード92,128を保持する。以下、再びハブタイプの切削ブレード92を保持するフランジ機構70と、ワッシャータイプの切削ブレード128を保持するフランジ機構108と、に分けて説明する。
図2に示す通り、フランジ機構70では、装着される切削ブレード92の基台92aの装着孔92cの内面に対面するボス部72の外周面78に開口80が形成されている。図3は、フランジ機構70を備える切削ユニット38を模式的に示す断面図である。フランジ機構70の内部に形成された吸引路86は、ボス部72の外周面78に設けられた開口80と、吸引源98と、を連通させる。
フランジ機構70を使用して切削ブレード92を吸引固定する際は、開閉弁100を開き吸引源98で生じる負圧をロータリージョイント60のジョイント吸引路68、吸引路86及び開口80を介して切削ブレード92に作用させる。この場合、切削ブレード92の基台92aには、切削ブレード92の径方向に向いた力がかかる。そして、上述の通り、切削ブレード92は、径方向に向いた力に対する変形耐性が極めて大きいため、切削ブレード92がフランジ機構70に吸引保持されても切削ブレード92はほぼ変形しない。
その上、切削ブレード92を吸引する吸引力に変動が生じても、そもそも吸引保持による変形が切削ブレード92に生じないため、切り刃92bの位置も変動しない。したがって、切削ブレード92の切り刃92bの位置は吸引保持により変化することはなく、切削ブレード92を吸引保持しても被加工物の被加工箇所を予定通りに加工できる。
なお、ボス部72の外周面78に形成される開口80の数は、複数でもよい。図2には、ボス部72の外周面78に複数の開口80が形成されている場合が示されている。開口80が複数である場合、フランジ機構70の内部の吸引路86はそれぞれの開口80に連通される。この場合、吸引源98で生じる負圧をより効率的に切削ブレード92に作用できる。
さらに、複数の開口80を外周面78において周方向に等距離に配置すると、切削ブレード92にかかる径方向に向いた力が互いに相殺し合うため、基台92aの装着孔92cにおけるボス部72の位置に偏りが生じない。また、フランジ機構70の重心の偏りも小さくなるため、スピンドル54の回転がフランジ機構70の重心の偏り影響を受けることもない。
また、ボス部72の外周面78に形成される開口80の数は、単数でもよい。ボス部72に開口80が形成されると、ボス部72の機械的な強度が低下してしまう。被加工物を切削する間にフランジ機構70のボス部72に物理的な損傷が生じると、高速回転する切削ブレード92がフランジ機構70に適切に保持されなくなり脱落するおそれがある。または、被加工箇所に大きなずれが生じたり、被加工物に形成される切削溝の品質が低下したりするおそれがある。
いずれにせよ、ボス部72に物理的な損傷が生じると切削ブレード92、被加工物、または、切削ユニット38等に甚大な損傷が生じるおそれがある。しかしながら、開口80が単数であるとボス部72の強度の低下を最小限に抑えられるため、ボス部72に損傷が生じにくくなる。ただし、ボス部72に十分な強度を有する部材が使用されれば複数の開口80がボス部72に形成されてもこのような問題が生じないことは言うまでもない。
なお、本実施形態に係るフランジ機構70では、吸引保持される切削ブレード92に該切削ブレード92の厚さ方向に向いた力がかかる場合が排除されない。換言すると、切削ブレード92は、径方向に向いた力のみでフランジ機構70に保持される必要はない。図4は、変形例に係るフランジ機構70を含む切削ユニット38を模式的に示す断面図である。
図4に示されたフランジ機構70のフランジ部74は、ボス部72に連続する該ボス部72を囲繞する領域に支持面76よりも後方側に形成された凹部74bを有する。そして、ボス部72の外周面78に形成された開口80は、フランジ部74の凹部74bと切削ユニット38に装着される切削ブレード92の基台92aとによって形成される空間に面する。
この場合、吸引源98を作動させると該空間が減圧されるため、切削ブレード92の基台92aには、切削ブレード92の径方向に向いた力に加えて切削ブレード92の厚さ方向に向いた力がかかる。そのため、切削ブレード92は、より強固にフランジ機構70に吸引固定される。
ここで、該厚さ方向に向いた力のみで切削ブレード92を吸引固定する場合と比較すると、凹部74bを備えるフランジ機構70では切削ブレード92の吸引固定に要する力を確保するにあたり該厚さ方向に向いた力を低減できる。そのため、厚さ方向に向いた力がかかることに起因する切削ブレード92の変形の問題も生じにくくなる。
また、切削ブレード92の基台92aのフランジ部74に対面する面の装着孔92cの周囲に凹部92dが形成されていてもよい。すなわち、フランジ機構70は、基台92aのフランジ部74に対面する面の装着孔92cの周囲に凹部92dを有する切削ブレード92をスピンドル54の先端に装着するためのフランジ機構であるともいえる。
そして、フランジ機構70のボス部72の外周面78に形成された開口80は、切削ブレード92の基台92aの凹部92dとフランジ部74とによって形成される空間に面する。この場合、吸引源98を作動させると該空間が減圧されるため、切削ブレード92は、より強固にフランジ機構70に吸引固定される。この場合においても、切削ブレード92の基台92aには切削ブレード92の厚さ方向に向いた力がかかるが、該力は比較的小さいため切削ブレード92の変形の問題が生じにくい。
図5は、さらなる変形例に係るフランジ機構70を含む切削ユニット38を模式的に示す断面図である。図5に示すフランジ機構70では、ボス部72の外周面78の開口80よりも前方側に、Oリング104を収容するOリング収容溝102が外周面78を一周するように形成されている。Oリング104は、例えば、ゴムやシリコーン等の樹脂でなる弾性体(弾性限界の大きい物体)で構成される。
また、Oリング104は、ボス部72の径よりも大きい外径を有し、好ましくは、切削ブレード92の基台92aの装着孔92cの内径よりも僅かに大きい外径を有する。さらに、図5に示すフランジ機構70のボス部72の内部には、Oリング収容溝102とボス部72の先端側とを連通する通気路106が形成されている。
切削ブレード92をフランジ機構70に固定する際に基台92aの装着孔92cにボス部72を挿入させ基台92aをフランジ部74の支持面76に当接させたとき、装着孔92cの内面がOリング104の外周に当たる。そして、Oリング104は装着孔92cの該内面に追従して変形する。ここで、通気路106がボス部72に形成されていると、Oリング104が変形しても該内部空間の気圧が変化しないため、Oリング104がより変形しやすくなる。
この場合、Oリング104により基台92aとボス部72との間の隙間が遮断されるため、該隙間を通した負圧の漏れが防止される。そのため、吸引源98により生じた負圧が開口80を通して切削ブレード92により強く作用するようになる。したがって、ボス部72の外周面78にOリング収容溝102が形成されOリング104が収容されていると、切削ブレード92がより吸引保持されやすくなる。
また、基台92aとボス部72との間の隙間が塞がれていなければ、被加工物を切削ブレード92で切削する際に生じる切削屑や切削ブレード92に供給される切削水が吸引源98で生じた負圧により該隙間から吸引されるおそれがある。フランジ機構70のうち負圧が作用する領域内に切削屑等が侵入すると、切削屑等が壁面に付着してフランジ機構70の頻繁な清掃が必要となる。これに対して、Oリング104により該隙間が塞がれていると、切削屑等が該隙間から吸い込まれなくなり問題の発生が抑制される。
さらに、基台92aの装着孔92cにボス部72を挿入させる際、Oリング104により該基台92aと該ボス部72との接触が防止されるため、基台92aやボス部72に傷等の損傷が生じにくくなる。その上、切削ブレード92の装着中に切削ブレード92の向きが傾くことにより生じる基台92aとボス部72とのかじり現象も防止される。
ただし、Oリング104により該隙間が塞がれていない場合においても、ボス部72の外周面78に開口80が形成されていると切削屑等は開口80から吸い出されるため、基台92aの装着孔92cの内面以外には切削屑等は到達しにくい。本実施形態に依らずフランジ部74に開口80が形成される場合、切削屑等が到達する範囲が広がるため、このような問題が顕著となりやすい。すなわち、本実施形態に係るフランジ機構70では、切削屑等の吸引に起因する問題も抑制される。
次に、フランジ機構70に切削ブレード92を着脱する過程について図6を用いて説明する。図6は、ブレード着脱ユニット44に保持された切削ブレード92と、フランジ機構70が取り付けられた切削ユニット38と、を模式的に示す断面図である。フランジ機構70に切削ブレード92を着脱する際には、移動機構52(図1参照)を作動させてブレード着脱ユニット44を切削ブレード92の着脱作業が可能な位置に移動させるとともに、切削ユニット38を対応する位置に移動させておく。
図6に示す通り、ブレード着脱ユニット44のブレード把持部46a,48aは、切削ブレード92の基台92aを把持するための複数の爪部46c,48cを先端側に備える。例えば、各爪部46c,48cは切削ブレード92の径方向に沿って移動可能である。そして、各爪部46c,48cを連動させて該径方向内側に移動させることで該基台92aを把持し、各爪部46c,48cを連動させて該径方向外側に移動させることで該基台92aの把持を解く。
切削ブレード92をフランジ機構70に搬入する際には、ブレード着脱ユニット44のアクチュエータ46b,48b(図1参照)を作動させて切削ブレード92の装着孔92cにフランジ機構70のボス部72を通す。そして、切削ブレード92の基台92aをフランジ部74の支持面76に当接させた後、ブレード着脱ユニット44による切削ブレード92の把持を解き、アクチュエータ46b,48b(図1参照)を作動させてブレード把持部46a,48aを後退させる。
次に、開閉弁100を作動させて吸引源98で生じた負圧をジョイント吸引路68及び吸引路86を通じて開口80から切削ブレード92に作用させる。すると、切削ブレード92がフランジ機構70に吸引保持されて該切削ブレード92がスピンドル54の先端に固定される。切削ブレード92のフランジ機構70からの取り外しは、逆の手順により実施される。
切削ブレード92を交換する際には、例えば、2つのブレード把持部46a,48aの一方に新しい切削ブレード92を把持させておき、他のブレード把持部46a,48aで古い切削ブレード92をフランジ機構70から搬出する。そして、該一方のブレード把持部46a,48aで新しい切削ブレード92をフランジ機構70に搬入する。
このように、フランジ機構70では、真空吸引により切削ブレード92が固定される。ここで、開閉弁100は、ブレード着脱ユニット44により切削ブレード92がフランジ機構70に搬入された後に連動して開いてもよく、ブレード着脱ユニット44により切削ブレード92を離脱させる前に連動して閉じてもよい。
従来、真空吸引に依らずに切削ブレード92を固定する際には、切削ブレード92を固定するための固定ナットをボス部72の先端側に螺合させる必要があった。そのため、固定ナットを回転させる回転機構を備える固定ナット着脱ユニットがブレード着脱ユニット44に必要であった。
そして、固定ナットを回転させたときに該固定ナットに接触する切削ブレード92が該固定ナットと連れ回り基台92aがフランジ部74の支持面76に擦れるため、基台92aや該支持面76に損傷が生じ易かった。
これに対して、真空吸引により切削ブレード92をフランジ機構70に固定する場合、固定ナットが不要であるため、ブレード着脱ユニット44は固定ナット着脱ユニットを備える必要はなく、基台92aと支持面76の擦れに伴う損傷も生じない。さらに、フランジ機構70では、開閉弁100を作動させて吸引源98で生じた負圧を切削ブレード92に作用させるだけで切削ブレード92を固定できるため、固定作業を短時間で完了できる。
次に、ワッシャータイプの切削ブレード128を該切削ブレード128の径方向に向いた力を利用して固定する本実施形態に係るフランジ機構108について説明する。図7はフランジ機構108を含む切削ユニット38を模式的に示す分解斜視図であり、図8は該切削ユニット38を模式的に示す断面図である。
フランジ機構108のボス部110の外周面116aは押さえフランジ130の挿通孔132の内面134に対面し、フランジ部112の前側の凸部の外周面116bは切削ブレード128の貫通孔128cの内面に対面する。そして、図7及び図8に示す通り、フランジ機構108では、ボス部110の外周面116aに開口118が形成されている。フランジ機構108の内部に形成された吸引路124は、ボス部110の外周面116aに設けられた開口118と、吸引源98と、を連通させる。
フランジ機構108を使用して切削ブレード128を固定する際は、押さえフランジ130の接触面136とフランジ部112の支持面114との間に切削ブレード128を配する。そして、開閉弁100を開き吸引源98で生じる負圧をロータリージョイント60のジョイント吸引路68、吸引路124及び開口118を介して押さえフランジ130に作用させて該押さえフランジ130を吸引固定する。すると、フランジ部112及び押さえフランジ130で切削ブレード128が挟持される。
この場合、押さえフランジ130には、切削ブレード128の径方向に向いた力がかかる。そのため、押さえフランジ130と、フランジ部112と、に挟持される切削ブレード128には、切削ブレード128の厚さ方向に向いた力が必要以上にはかからない。すなわち、押さえフランジ130がフランジ機構108に吸引保持されても切削ブレード128はほぼ変形しない。
なお、ボス部110の外周面116aに形成される開口118の数は、単数でも複数よい。また、本実施形態に係るフランジ機構108では、押さえフランジ130や切削ブレード128に該切削ブレード128の厚さ方向に向いた力がかかる場合が排除されない。換言すると、押さえフランジ130は、径方向に向いた力のみで保持される必要はない。図9は、変形例に係るフランジ機構108を含む切削ユニット38を模式的に示す断面図である。
図9に示されたフランジ機構108のフランジ部112は、ボス部110の周囲の押さえフランジ130に対面する面に凹部112bを有する。そして、ボス部110の外周面116aに形成された開口118は、フランジ部112の凹部112bと押さえフランジ130とによって形成される空間に面する。
この場合、吸引源98を作動させると該空間が減圧されるため、押さえフランジ130には、切削ブレード128の径方向に向いた力に加えて切削ブレード128の厚さ方向に向いた力がかかる。そのため、押さえフランジ130は、より強固に吸引固定される。
ここで、該厚さ方向に向いた力のみで押さえフランジ130を吸引固定する場合と比較すると、フランジ機構108では押さえフランジ130の吸引固定に要する力を確保するにあたり該厚さ方向に向いた力を低減できる。そのため、押さえフランジ130が切削ブレード128に厚さ方向に向いた力をかけることに起因する切削ブレード128の変形の問題も生じにくくなる。
また、フランジ部112と押さえフランジ130とによって形成される空間を形成するために、押さえフランジ130は、フランジ部112に対面する面の挿通孔132の周囲に凹部140が形成されてもよい。この場合、フランジ機構108のボス部110の外周面116aに形成された開口118は、押さえフランジ130の凹部140とフランジ部112とによって形成される空間に面する。
吸引源98を作動させると該空間が減圧されるため、押さえフランジ130は、より強固に吸引固定される。この場合においても、押さえフランジ130には切削ブレード128の厚さ方向に向いた力がかかるが、該力は比較的小さいため切削ブレード128の変形の問題が生じにくい。
以上に説明した通り、本実施形態に係るフランジ機構70,108及び該フランジ機構70,108を備える切削装置2では、ボス部72,110の外周面78,116aに開口80,118が形成されている。そのため、切削ブレード92、または、押さえフランジ130には、切削ブレード92,128の径方向に向いた力が作用される。
すなわち、本発明の一態様に係るフランジ機構70,108及び切削装置2では、切削ブレード92,128にかかる該切削ブレード92,128の厚さ方向に向いた力を低減できる。そのため、切削ブレード92,128の変形量及び該変形量の変動が小さくなり、切削ブレード92,128で被加工物の予定された被加工箇所を安定的に切削できるようになる。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、ボス部72,110の外周面78,116aに吸引路86,124に接続された開口80,118が形成されている場合について説明したが、本発明の一態様はこれに限定されない。
例えば、開口80,118に代えてボス部72,110の外周面78,116aにボス部72,110の周方向に沿った吸引溝が形成されていてもよい。この場合、フランジ機構70,108のボス部72,110に重心の偏りがないため、ボス部72,110が安定的に回転できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 切削装置
4 基台
4a,4b,4c 開口
6 カセット支持台
8 カセット
10 テーブルカバー
12 防塵防滴カバー
14 チャックテーブル
14a 保持面
14b クランプ
16 支持構造
18 腕部
20 割り出し送りユニット
22,30 ガイドレール
24,32 移動プレート
26,34 ボールネジ
28 昇降ユニット
36 パルスモータ
38 切削ユニット
38a 切削ブレード
38b スピンドルハウジング
40 撮像ユニット
42 洗浄ユニット
42a スピンナテーブル
42b 噴射ノズル
44 ブレード着脱ユニット
46 ブレード搬出ユニット
46a,48a ブレード把持部
46b,48b アクチュエータ
46c,48c 爪部
48 ブレード搬入ユニット
50 ブレードラック
52 移動機構
54 スピンドル
56 ねじ穴
58 ボルト固定穴
60 ロータリージョイント
62 貫通孔
62a ボルト
64 ジョイント開口部
66 フランジ機構収容体
68 ジョイント吸引路
70,108 フランジ機構
70a,108a スピンドル装着穴
72,110 ボス部
74,112 フランジ部
74b,112b 凹部
76,114 支持面
78,116a,116b 外周面
80,118 開口
82,120 後端部
84a,122a 外周溝
84b,122b 開口
86,124 吸引路
88,126 ボルト収容穴
90,138 排気路
92,128 切削ブレード
92a 基台
92b,128b 切り刃
92c 装着孔
92d 凹部
94 ワッシャー
96 固定ボルト
98 吸引源
100 開閉弁
102 Oリング収容溝
104 Oリング
106 通気路
128c 貫通孔
130 押さえフランジ
132 挿通孔
134 内面
136 接触面
140 凹部

Claims (11)

  1. 中央に装着孔を有する円盤状の基台と、該基台の外周縁に設けられた切り刃と、を有する切削ブレードを、スピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、
    前後方向に伸長し該切削ブレードの該基台の該装着孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードの該基台を支持する支持面を有するフランジ部と、を備え、
    装着される該切削ブレードの該基台の該装着孔の内面に対面する該ボス部の外周面に単数又は複数の開口が形成され、
    該開口と吸引源とを連通させる吸引路を内部に備え、
    該吸引源で生じる負圧を該吸引路及び該開口を介して該切削ブレードに作用させて該切削ブレードを吸引固定することを特徴とするフランジ機構。
  2. 該開口は、複数であることを特徴とする請求項1記載のフランジ機構。
  3. 該基台の該フランジ部に対面する面の該装着孔の周囲に凹部を有する該切削ブレードをスピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、
    該ボス部の該開口は、該基台の該凹部と該フランジ部とによって形成される空間に面することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフランジ機構。
  4. 該フランジ部は、該ボス部に連続する該ボス部を囲繞する領域に該支持面よりも後方側に形成された凹部を有し、
    該ボス部の該開口は、該フランジ部の該凹部と該切削ブレードの該基台とによって形成される空間に面することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフランジ機構。
  5. 中央に貫通孔を有する切り刃を有する切削ブレードを、スピンドルの先端に装着するためのフランジ機構であって、
    前後方向に伸長し該切削ブレードの該貫通孔に挿通する円柱状のボス部と、該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードを支持する支持面を有するフランジ部と、該ボス部が挿通される挿通孔が形成され該フランジ部の該支持面に対面する接触面を有し該接触面と該支持面との間に配された該切削ブレードを前方から挟持する押さえフランジと、を備え、
    該押さえフランジの該挿通孔の内面に対面する該ボス部の外周面に単数又は複数の開口が形成され、
    該開口と吸引源とを連通させる吸引路を内部に備え、
    該押さえフランジの該接触面と該フランジ部の該支持面との間に該切削ブレードを配し該吸引源で生じる負圧を該吸引路及び該開口を介して該押さえフランジに作用させて該押さえフランジを吸引固定することで、該フランジ部及び該押さえフランジで該切削ブレードを挟持することを特徴とするフランジ機構。
  6. 該開口は、複数であることを特徴とする請求項5記載のフランジ機構。
  7. 該押さえフランジは、該フランジ部に対面する面の該挿通孔の周囲に凹部を有し、
    該ボス部の該開口は、該押さえフランジの該凹部と該フランジ部とによって形成される空間に面することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のフランジ機構。
  8. 該フランジ部は、該ボス部の周囲の該押さえフランジに対面する面に凹部を有し、
    該ボス部の該開口は、該フランジ部の該凹部と該押さえフランジとによって形成される空間に面することを特徴とする請求項5又は6記載のフランジ機構。
  9. 被加工物を保持するチャックテーブルと、
    中央に装着孔を有する円盤状の基台と、該基台の外周縁に設けられた切り刃と、を有する切削ブレードを装着可能であり、装着された該切削ブレードで該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ユニットと、
    該チャックテーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、を備える切削装置であって、
    該切削ユニットは、
    装着された該切削ブレードの回転軸となるスピンドルと、
    該スピンドルを回転可能に支持し該スピンドルの基端を収容するスピンドルハウジングと、
    該スピンドルの先端に固定され該切削ブレードを吸引保持するフランジ機構と、
    該スピンドルに挿通されるとともに該フランジ機構の一部を回転可能に収容できるジョイント開口部を有し、該ジョイント開口部から該スピンドルの該先端が突き出る態様で該スピンドルハウジングに固定されており、一端が該ジョイント開口部に達し他端が開閉弁を介して吸引源に達するジョイント吸引路を内部に備えるロータリージョイントと、を備え、
    該フランジ機構は、
    前後方向に伸長し該切削ブレードの該基台の該装着孔に挿通する円柱状のボス部と、
    該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードの該基台を支持する支持面を有するフランジ部と、
    後方側に露出するように該フランジ部の内側に形成され該スピンドルの該先端が挿入されるスピンドル装着穴と、を備え、
    該ボス部は、装着される該切削ブレードの該基台の該装着孔の内面に対面する外周面に単数又は複数の開口が形成されており、
    該フランジ機構は、さらに、該開口と該吸引源とを該ジョイント吸引路を介して連通させる吸引路を内部に備え、該吸引源からの負圧によって該切削ブレードを吸引固定することを特徴とする切削装置。
  10. 該フランジ機構に該切削ブレードを装着及び離脱させるブレード着脱ユニットをさらに備え、
    該開閉弁は、該ブレード着脱ユニットにより該切削ブレードが該フランジ機構に搬入された後に連動して開き、該ブレード着脱ユニットにより該切削ブレードを離脱させる前に連動して閉じることを特徴とする請求項9記載の切削装置。
  11. 被加工物を保持するチャックテーブルと、
    中央に貫通孔を有する切り刃を有する切削ブレードを装着可能であり、装着された該切削ブレードで該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ユニットと、
    該チャックテーブルと該切削ユニットとを相対的に加工送りする加工送りユニットと、を備える切削装置であって、
    該切削ユニットは、
    装着された該切削ブレードの回転軸となるスピンドルと、
    該スピンドルを回転可能に支持し該スピンドルの基端を収容するスピンドルハウジングと、
    該スピンドルの先端に固定され該切削ブレードを吸引保持するフランジ機構と、
    該スピンドルに挿通されるとともに該フランジ機構の一部を回転可能に収容できるジョイント開口部を有し、該ジョイント開口部から該スピンドルの該先端が突き出る態様で該スピンドルハウジングに固定されており、一端が該ジョイント開口部に達し他端が開閉弁を介して吸引源に達するジョイント吸引路を内部に備えるロータリージョイントと、を備え、
    該フランジ機構は、
    前後方向に伸長し該切削ブレードの該貫通孔に挿通する円柱状のボス部と、
    該ボス部の後方側から径方向外向きに突出し該切削ブレードを支持する支持面を有するフランジ部と、
    後方側に露出するように該フランジ部の内側に形成され該スピンドルの該先端が挿入されるスピンドル装着穴と、
    該ボス部が挿通される挿通孔が形成され該フランジ部の該支持面に対面する接触面を有し該接触面と該支持面との間に配された該切削ブレードを前方から挟持する押さえフランジと、を備え、
    該ボス部は、該押さえフランジの該挿通孔の内面に対面する外周面に単数又は複数の開口が形成されており、
    該フランジ機構は、さらに、該開口と該吸引源とを該ジョイント吸引路を介して連通させる吸引路を内部に備え、該押さえフランジの該接触面と、該フランジ部の該支持面と、の間に該切削ブレードを配し該吸引源からの負圧を該押さえフランジに作用させて該押さえフランジを吸引固定することで、該フランジ部及び該押さえフランジで該切削ブレードを挟持することを特徴とする切削装置。
JP2019184655A 2019-10-07 2019-10-07 フランジ機構及び切削装置 Active JP7341608B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019184655A JP7341608B2 (ja) 2019-10-07 2019-10-07 フランジ機構及び切削装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019184655A JP7341608B2 (ja) 2019-10-07 2019-10-07 フランジ機構及び切削装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021058965A true JP2021058965A (ja) 2021-04-15
JP7341608B2 JP7341608B2 (ja) 2023-09-11

Family

ID=75381867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019184655A Active JP7341608B2 (ja) 2019-10-07 2019-10-07 フランジ機構及び切削装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7341608B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017192998A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 株式会社ディスコ フランジ機構
JP2018144168A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 株式会社ディスコ フランジ機構
JP2019055446A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 株式会社ディスコ 切削ブレードの装着機構
JP2019104068A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 株式会社ディスコ 切削装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017192998A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 株式会社ディスコ フランジ機構
JP2018144168A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 株式会社ディスコ フランジ機構
JP2019055446A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 株式会社ディスコ 切削ブレードの装着機構
JP2019104068A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 株式会社ディスコ 切削装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7341608B2 (ja) 2023-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102094048B1 (ko) 절삭 장치
KR102094047B1 (ko) 절삭 장치
TWI607496B (zh) Cutting device with blade sleeve
CN110281407B (zh) 切削装置
KR102619219B1 (ko) 반송용 지그 및 절삭 블레이드의 교환 방법
KR20150010629A (ko) 절삭 장치
CN108527700B (zh) 凸缘机构
KR102223587B1 (ko) 플랜지 기구
JP5199777B2 (ja) 切削装置
JP2009043771A (ja) チャックテーブル機構および被加工物の保持方法
KR20160120666A (ko) 피가공물의 반송 트레이
JP5623213B2 (ja) 切削加工装置
CN111300670B (zh) 切削装置
JP2021126742A (ja) 切削ブレード、フランジ機構、及び切削装置
JP2012004414A (ja) 切削装置
JP5465064B2 (ja) ノズル調整治具
JP2021058965A (ja) フランジ機構及び切削装置
JP7408244B2 (ja) チャックテーブル、テーブルベース、及びチャックテーブル固定機構
JP2011124419A (ja) 加工装置
JP7486893B2 (ja) ブレード交換装置及びブレード交換装置の調整方法
JP2010267764A (ja) 切削装置
TWI760433B (zh) 切削刀、安裝凸緣
JP2000164536A (ja) チャックテーブル
JP2021126751A (ja) 切削ブレード装着機構
JP2013093383A (ja) 板状物の保持方法及び板状物の加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7341608

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150