JP2021055686A - ガス充填装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のガス供給経路と充填ノズルを備えた場合でも、供給すべきガス通路と充填ノズルに対し水素ガスを供給できるようにする。【解決手段】蓄圧器35に上流側が接続されたガス供給経路4は、第1ガス通路6と第2ガス通路8に分岐されている。また、蓄圧器35に接続される一のガス通路を2つのガス通路6,8から選択する切換スイッチ30を有している。被充填タンク52への充填作業が行われていないときにノズル7,9が保持される保持部31,32は、ガス通路6,8の分岐数に対応してそれぞれ設けられている。この上で、被充填タンク52への水素ガスの供給を制御する制御装置29は、切換スイッチ30によって選択された一のガス通路を用いて水素ガス充填制御を行う構成としている。【選択図】図2

Description

本開示は、例えば車両の被充填タンクに水素ガスを充填するのに用いられるガス充填装置に関する。
一般に、燃料ガスとしての水素ガスを、車両に搭載された被充填タンクに作業者の操作により充填するようにしたガス充填装置は知られている(特許文献1)。このガス充填装置は、水素ガスが蓄圧された蓄圧器に上流側が接続されたガス供給経路と、ガス供給経路の下流側に接続され、車両の被充填タンクに連結される充填ノズルと、ガス供給経路の途中に設けられ、開弁することにより蓄圧器内の水素ガスを充填ノズルへ供給する供給制御弁と、供給制御弁を開閉制御することにより、被充填タンクへの水素ガスの供給を制御する充填制御手段と、被充填タンクへの充填作業が行われていないときに充填ノズルが保持される保持部とを含んで構成されている。
特開2017-44304号公報
ところで、ガス充填装置は、ガス供給経路や充填ノズルのメンテナンスが必要になる。このメンテナンス時には、水素ガスの充填作業を行うことができない。そこで、ガス充填装置に、ガス供給経路と充填ノズルをそれぞれ複数設け、メンテナンス時にも、他のガス供給経路と充填ノズルを利用して充填を行うことが考えられる。しかし、ガス供給経路と充填ノズルを複数設けた場合には、複数のガス供給経路と充填ノズルのそれぞれにガスが供給される等、複数のガス供給経路と充填ノズルのうち、供給すべきガス供給路と充填ノズルに対し水素ガスの供給を行うことができないという問題がある。
本発明の一実施形態の目的は、複数のガス供給経路と充填ノズルを備えた場合でも、供給すべきガス通路と充填ノズルに対し水素ガスを供給できるようにしたガス充填装置を提供することにある。
本発明の一実施形態は、水素ガスが蓄圧された蓄圧器に上流側が接続されたガス供給経路と、前記ガス供給経路の下流側に接続され、車両に搭載された被充填タンクに連結される充填ノズルと、前記ガス供給経路の途中に設けられ、開弁することにより前記蓄圧器内の水素ガスを前記充填ノズルへ供給する供給制御弁と、前記供給制御弁を開閉制御することにより、前記被充填タンクへの前記水素ガスの供給を制御する充填制御手段と、前記被充填タンクへの充填作業が行われていないときに前記充填ノズルが保持される保持部と、を含んで構成されたガス充填装置において、前記ガス供給経路は、複数のガス通路に分岐されてなり、前記蓄圧器に接続される一のガス通路を前記複数のガス通路から選択する切換スイッチを有し、前記保持部は、前記ガス通路の分岐数に対応してそれぞれ設けられ、前記充填制御手段は、前記切換スイッチによって選択された前記一のガス通路を用いて水素ガス充填制御を行うことを特徴としている。
本発明の一実施形態によれば、複数のガス供給経路と充填ノズルを備えた場合でも、供給すべきガス通路と充填ノズルに対し水素ガスを供給することができる。
本発明の第1の実施形態によるガス充填装置を用いて車両の被充填タンクに水素ガスを充填している状態を示す平面図である。 図1中のガス充填装置を模式的に示す回路図である。 ガス充填装置を用いて車両の被充填タンクに水素ガスを充填ノズルするまでの制御処理を示す流れ図である。
以下、本発明の実施形態によるガス充填装置を、4輪自動車等の車両に搭載された被充填タンクに水素ガスを充填する場合を例に挙げ、図1ないし図3に従って詳細に説明する。
図1において、ガス充填装置1は、後述する車両51の被充填タンク52に水素ガスを充填する。なお、図1に示すガス充填装置1は、一般にガス供給ステーションや水素ステーションと呼ばれる設備(ガス充填施設)等に設置されている。
ガス充填装置1は、後述する蓄圧器35からの水素ガスを車両51の被充填タンク52に充填するディスペンサユニット2と、蓄圧器35からディスペンサユニット2のディスペンサ筐体3内に亘って延びるガス供給経路4とを含んで構成されている。図2に示すように、ディスペンサ筐体3には、後述のガス供給経路4、第1ノズル7、第2ノズル9、供給制御弁14,21、制御装置29、切換スイッチ30、第1保持部31、第2保持部32等が収容または取付けられている。
ディスペンサ筐体3は、ディスペンサユニット2の建屋を構成するもので、例えば上,下方向に長尺な直方体状に形成されている。ディスペンサ筐体3には、水素ガスの充填作業を行うガス充填施設の係員または利用者が視認し易い位置に、後述の表示部33が設けられている。また、ディスペンサ筐体3の外部には、2個の保持部31,32と、先端に第1ノズル7を備えた後述する第1ガス通路6のホース部6Bと、第2ノズル9を備えた後述する第2ガス通路8のホース部8Bとが設けられている。
ガス供給経路4は、ディスペンサ筐体3に設けられ、その上流側は、蓄圧器35に接続されている。一方、ガス供給経路4の下流側は、複数、例えば2経路に分岐されている。即ち、ガス供給経路4は、蓄圧器35側となる上流側のメイン通路5と、メイン通路5の下流端の分岐部5Aの位置で分岐された車両51側となる下流側の第1ガス通路6、第2ガス通路8とを有している。この第1ガス通路6、第2ガス通路8はガス通路を構成している。ガス供給経路4は、蓄圧器35から加圧状態の水素ガスを各ガス通路6,8の先端側(下流側)に向けて供給する管路である。なお、メイン通路5は、水素ガスの圧力に耐えられるように、例えば金属管を用いて形成されている。
第1ガス通路6は、ディスペンサ筐体3の内部に配置され、上流側がメイン通路5の分岐部5Aに接続された内部通路部6Aと、ディスペンサ筐体3の外部に配置され、上流側が内部通路部6Aの下流側に接続された外部通路部としてのホース部6Bとにより構成されている。内部通路部6Aは、メイン通路5と同様に金属管を用いて形成されている。また、内部通路部6Aには、後述の供給制御弁14、温度センサ15、圧力センサ16が設けられている。
一方、ホース部6Bの下流端(先端)は、後述の第1ノズル7となっている。ホース部6Bの途中位置には、後述の緊急離脱カップリング20が設けられている。なお、ホース部6Bは、作業者によって第1ノズル7を移動できるように、可撓性を有する耐圧ホースにより形成されている。
第1ノズル7は、充填ノズルを構成するもので、ホース部6Bの先端側に気密状態で接続されている。第1ノズル7は、先端の充填口を開閉する弁(図示せず)を内蔵している。第1ノズル7の先端側は、充填口から水素ガスを車両51の被充填タンク52に供給するため、接続口52Aに気密状態で着脱可能に嵌合(接続)することができる。また、第1ノズル7は、被充填タンク52の接続口52Aに対して係合と離脱が可能な状態でロックされるロック機構(図示せず)を備えている。これにより、第1ノズル7は、水素ガスの充填時に接続口52Aから不用意に外れるのを防ぐことができる。一方で、充填作業時以外の第1ノズル7は、後述の第1保持部31に保持されている。
第2ガス通路8は、第1ガス通路6と同様に構成されている。第2ガス通路8は、ディスペンサ筐体3の内部の内部通路部8Aと、ディスペンサ筐体3の外部のホース部8Bとにより構成されている。内部通路部8Aには、後述の供給制御弁21、温度センサ22、圧力センサ23が設けられている。一方、ホース部8Bの下流端(先端)は、後述の第2ノズル9となり、途中位置には、緊急離脱カップリング27が設けられている。
第2ノズル9は、第1ノズル7と同様に構成されている。即ち、第2ノズル9は、車両51に設けられた被充填タンク52の接続口52Aに気密状態で着脱可能に嵌合(接続)される。一方で、充填作業時以外の第2ノズル9は、後述の第2保持部32に保持されている。
このように構成された第1ガス通路6、第1ノズル7と第2ガス通路8、第2ノズル9とには、後述する供給制御弁14,21が選択的に開弁または閉弁されることで、蓄圧器35からの水素ガスが供給される。水素ガスを供給するガス通路、ノズルは、制御装置29によって実際に水素ガスを供給してよいか否かの確認が行われる。
ガス供給経路4のメイン通路5には、例えば手動操作により開閉される入口弁10と、入口弁10の下流側に配置され、水素ガスの流量を計測する流量計11と、流量計11の下流側に配置され、後述の制御装置29によって開閉されることによりガス供給経路4を流れる水素ガスの流量を調整する流量調整弁12と、流量調整弁12よりも下流側に配置され、ガス供給経路4内を流れる水素ガスの温度を冷却する冷却器13とが設けられている。なお、メイン通路5に設けられた流量計11、流量調整弁12、冷却器13の配置関係(上流側から下流側に向かう配置順)は、図2中に示した順番に限定されるものではない。また、メイン通路5に流量計11、流量調整弁12、冷却機13を設けることにより、分岐部5A以降の各ガス通路6,8には、それぞれに流量計11、流量調整弁12、冷却機13を設ける必要がなく、コストが低減され、また、ディスペンサ筐体3を小型化できる。
入口弁10は、ディスペンサ筐体3内に位置してメイン通路5の途中に設けられている。入口弁10は、例えば手動操作により開閉される。なお、入口弁10は、必要に応じて取付けられるものであり、廃止する構成としてもよい。
流量計11は、ガス供給経路4内を流れる水素ガスの流量(質量流量)を計測し、計測結果を制御装置29へと出力する。これにより、制御装置29は、車両51の被充填タンク52に対する水素ガスの充填量を演算により求め、水素ガスの払出し量(給油量に相当)を後述の表示部33等で表示し、例えば顧客(セルフ充填の利用者等)に表示内容を報知する。
流量調整弁12は、例えばエア作動式の弁装置であり、エアの供給で開弁し、制御信号に基づく制御圧(エア圧)に応じて弁開度が調整される。流量調整弁12は、制御装置29の制御プログラムに基づく指令により任意の弁開度に制御され、ガス供給経路4(メイン通路5)内を流れる水素ガスの流量、水素ガス圧を可変に制御する弁である。
冷却器13は、ガス供給経路4(メイン通路5)内を流れる水素ガスを冷却するための冷却装置である。冷却器13は、流量調整弁12の下流側に位置してメイン通路5の途中部位に設けられた熱交換器13Aと、熱交換器13Aに冷媒管路13B,13Cを介して接続され、例えばコンプレッサ、ポンプ等の駆動機構を備えたチラーユニット(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。
冷却器13は、冷媒管路13B,13Cを介してチラーユニットと熱交換器13Aとの間で冷媒(例えば、エチレングリコール等を含んだ液体)を循環流通させる。これにより、冷却器13の熱交換器13Aは、ガス供給経路4内を流れる水素ガスと冷媒との間で熱交換を行い、この水素ガスの温度を規定温度(例えば、−33〜−40℃)まで低下させる。
ガス供給経路4を構成する第1ガス通路6の内部通路部6Aには、開弁することにより蓄圧器35内の水素ガスを第1ノズル7側に供給する供給制御弁14と、供給制御弁14の下流側に配置され、水素ガスの温度を計測する温度センサ15と、温度センサ15の下流側に配置され、水素ガスの圧力を計測する圧力センサ16とが設けられている。
供給制御弁14は、開弁することにより蓄圧器35内の水素ガスを第1ノズル7へ供給する。具体的には、供給制御弁14は、例えば空圧作動式の弁装置で、常時は閉弁し、パイロット圧が供給されたときに開弁する常閉の開閉弁として構成されている。供給制御弁14は、後述する制御装置29の指令を受けて通路切換弁28からパイロットエアが供給されることで開閉し、ガス供給経路4内で水素ガスの流通を許したり、または遮断したりする。
温度センサ15は、供給制御弁14よりも下流側に位置して内部通路部6Aの途中に設けられている。温度センサ15は、ガス供給経路4内を流れる水素ガスの温度を測定し、測定した温度に応じた検出信号を制御装置29へと出力する。また、圧力センサ16は、温度センサ15よりも下流側に設けられている。圧力センサ16は、水素ガスの圧力(即ち、被充填タンク52の圧力、または被充填タンク52内の圧力にほぼ相当する管路途中の圧力)を検知する。圧力センサ16は、ガス供給経路4内の圧力を測定し、測定した圧力に応じた検出信号を制御装置29へと出力する。なお、温度センサ15は、圧力センサ16よりも上流側に配置したが、温度センサ15を圧力センサ16よりも下流側に配置してもよい。
第1ガス通路6の供給制御弁14の下流側には、例えば第1ガス通路6内に溜まったガスによる圧力を逃がすための脱圧管路17が分岐して設けられている。この脱圧管路17の途中には、脱圧弁18が設けられている。この脱圧弁18は、ホース部6Bを含む第1ガス通路6を用いた水素ガスの充填作業が完了し、供給制御弁14が閉弁されたときに、制御装置29からの信号により開弁制御される。脱圧弁18は、制御装置29からの制御信号に応じて電磁弁19が作動し、この電磁弁19からパイロット圧が供給されると、開弁する。
緊急離脱カップリング20は、第1ガス通路6のホース部6Bの途中位置に設けられている。緊急離脱カップリング20は、安全装置であり、例えば車両51の誤発進時に、第1ノズル7がホース部6Bと一緒に強い力で引っ張られると、分離して第1ノズル7、ホース部6B等の損傷防止を図る。このときに、緊急離脱カップリング20は、ガス供給経路4内の水素ガスが外部に漏出するのを防ぎ、第1ノズル7(被充填タンク52)側の水素ガスの漏出も防いでいる。
次に、ガス供給経路4を構成する第2ガス通路8の内部通路部8Aには、第1ガス通路6の内部通路部6Aと同様に、供給制御弁21、温度センサ22、圧力センサ23が設けられている。また、第2ガス通路8から分岐した脱圧管路24の途中には、脱圧弁25が設けられ、この脱圧弁25は、電磁弁26によって開閉される。さらに、第2ガス通路8のホース部8Bの途中位置には、緊急離脱カップリング27が設けられている。
通路切換弁28は、2個の供給制御弁14,21を選択的に開閉させる。通路切換弁28は、ガス供給経路4のメイン通路5に供給される水素ガスを、第1ガス通路6または第2ガス通路8に流通させる。通路切換弁28は、制御装置29に接続され、この制御装置29からの制御信号に基づいてパイロットエアを供給し、第1ガス通路6側の供給制御弁14または第2ガス通路8側の供給制御弁21を開弁させる。
即ち、通路切換弁28が供給制御弁14にパイロットエアを供給したときには、供給制御弁14が開弁し、供給制御弁21が閉弁するから、メイン通路5に供給される水素ガスは、第1ガス通路6を通じて第1ノズル7側に流通する。一方、通路切換弁28が供給制御弁21にパイロットエアを供給したときには、供給制御弁21が開弁し、供給制御弁14が閉弁するから、メイン通路5に供給される水素ガスは、第2ガス通路8を通じて第2ノズル9側に流通する。
制御装置29は、充填制御手段を構成するもので、ディスペンサ筐体3内に設けられている。制御装置29は、流量計11、流量調整弁12、供給制御弁14,21、温度センサ15,22、圧力センサ16,23、通路切換弁28等に接続されている。そして、制御装置29は、流量調整弁12、供給制御弁14,21、通路切換弁28等を制御することにより、被充填タンク52への水素ガスの供給を制御する。
制御装置29は、マイクロコンピュータ等からなる制御ユニットとして構成されている。制御装置29には、入力側が流量計11、温度センサ15,22、圧力センサ16,23、切換スイッチ30、後述する保持部31,32のノズル検知器31A,32A等が接続されている。一方、制御装置29の出力側は、流量調整弁12、供給制御弁14,21、電磁弁19,26(脱圧弁18,25)、通路切換弁28、表示部33等に接続されている。
制御装置29のメモリ29Aには、例えば、図3に示す充填制御処理用のプログラムと、切換スイッチ30が第1ノズル7と第2ノズル9のいずれのノズルに切換えられたのかを判定する手段と、作業者が第1ノズル7と第2ノズル9とのいずれのノズルを保持部から取外したのかを判定する手段と、各ノズル7,9(ホース部6B,8B)の交換が必要になったか否かを判定する手段等とが更新可能に格納されている。換言すると、制御装置29は、切換スイッチ30によって選択された一のガス通路(6または8)と保持部(31または32)から取外されたノズル(7または9)とが対応しているか否かを判定し、一のガス通路と取外したノズルとが対応していると判定したときにノズルに向けて水素ガスの供給を開始させる。
切換スイッチ30は、制御装置29の入力側に接続され、水素ガスの充填作業を行う作業者から見易いディスペンサ筐体3の操作面側に設けられている。切換スイッチ30は、蓄圧器35に接続される一のガス通路を、第1ガス通路6と第2ガス通路8とから選択するスイッチである。即ち、切換スイッチ30を操作して第1ガス通路6、第1ノズル7のうち、第1ガス通路6を選択すると、この切換信号を受信した制御装置29は、通路切換弁28に制御信号を出力する。この制御信号に従って通路切換弁28は、第1ガス通路6側の供給制御弁14を開弁させる。これにより、蓄圧器35から供給される水素ガスは、ガス供給経路4のメイン通路5、第1ガス通路6を通って第1ノズル7まで供給され、第1ノズル7から車両51の被充填タンク52に充填される。なお、切換スイッチ30が第2ガス通路8、第2ノズル9を選択した場合は、同様の制御によって第1ノズル7から車両51の被充填タンク52に充填される。
第1保持部31は、第1ガス通路6のホース部6Bに対応するように、例えば、ディスペンサ筐体3の側面部分に設けられている。第1保持部31は、第1ノズル7が取外し可能に掛止めされる。第1保持部31には、第1ノズル7を係合(掛止め)状態に保持する係合部(図示せず)が設けられている。
また、第1保持部31には、第1ノズル7が保持されているか否かを検知する検知手段としてのノズル検知器31Aが設けられている。このノズル検知器31Aは、例えば2位置切換型のスイッチ等からなり、第1ノズル7を第1保持部31に掛止めするときに、第1ノズル7によって押動されるとオン(ON)状態に切換わり、この検出信号を制御装置29に出力する。また、ノズル検知器31Aは、第1ノズル7が第1保持部31から取外されるとオフ(OFF)状態に切換わり、この検出信号を制御装置29に出力する。なお、ノズル検知器31Aは、ディスペンサ筐体3側の第1保持部31に設けるものに限らず、第1ノズル7側に設けてもよい。
第2保持部32は、第1保持部31と同様に、第2ガス通路8のホース部8Bに対応するように、ディスペンサ筐体3の側面部分に設けられている。第2保持部32は、第2ノズル9が取外し可能に掛止めされる。また、第2保持部32には、第1ノズル7が保持されているか否かを検知する検知手段としてのノズル検知器32Aが設けられている。
表示部33は、ディスペンサ筐体3に設けられている。この場合、表示部33は、水素ガスの充填作業に必要な情報表示、各種警告等を行う。なお、表示部33は、ディスペンサ筐体3から離間した別の位置に設ける構成としてもよい。他の温度センサ34は、ディスペンサ筐体3内の温度を計測するもので、制御装置29に接続されている。
蓄圧器35は、高圧に圧縮された水素ガスを貯蔵する水素ガスの供給源である。蓄圧器35は、ディスペンサユニット2と共にガス充填装置1を構成している。蓄圧器35は、ガス供給経路4の上流側で、高圧に圧縮された水素ガスを貯蔵するガス貯蔵部を構成している。
ここで、図1に示すように、水素ガスを燃料として走行する車両51は、4輪自動車(乗用車)として構成されている。車両51には、例えば燃料電池と電動モータ等の駆動装置(いずれも図示せず)と、図2中に点線で示す被充填タンク52等とが設けられている。この被充填タンク52は、水素ガスが充填される耐圧構造をもった容器として構成され、例えば車両51の後部側に搭載されている。なお、被充填タンク52は、車両51の後部側に限らず、前部側または中央部側に設ける構成としてもよい。
被充填タンク52には、第1ノズル7または第2ノズル9の先端側が着脱可能に嵌合される接続口52A(レセプタクル)が設けられている。そして、車両51の被充填タンク52には、接続口52Aに気密に連結(嵌合)された第1ノズル7または第2ノズル9から水素ガスの充填が行われる。この間、第1ノズル7または第2ノズル9は、前述したロック機構により接続口52Aに対して不用意に外れることがないようにロックされている。
本実施形態によるガス充填装置1は、上述の如き構成を有するもので、次に、ガス充填装置1による水素ガスの充填作業について説明する。この水素ガスの充填作業としては、通常時はガス供給経路4の第1ガス通路6、第1ノズル7が用いられ、第1ガス通路6、第1ノズル7のメンテナンスを行うときに、第2ガス通路8、第2ノズル9を用いる場合を例示する。
車両51の被充填タンク52に水素ガスを充填するときには、ガス充填施設の係員またはセルフ充填の利用者(以下、作業者という)が第1ノズル7を第1保持部31から取外す。そして、この作業者は、図1に示すように、第1ノズル7を被充填タンク52の接続口52Aに接続し、当該接続部位をロックする。この状態で、図3に示すガス充填作業の処理手順が開始される。
即ち、制御装置29は、図3の処理が開始されると、ステップ1で、切換スイッチ30が操作されて第1ノズル7と第2ノズル9のどちらが選択されたかを判定する。ステップ1で、第1ノズル7が選択された場合には、ステップ2に移動し、第1保持部31から第1ノズル7が取外されたか否かを判定する。このステップ2では、第1保持部31のノズル検知器31AがOFFに切換わったか否かを判定し、「YES」と判定したときには、ステップ3で、水素ガスの充填を開始する制御処理を行う。このステップ3の充填開始制御処理では、蓄圧器35からガス供給経路4のメイン通路5、第1ガス通路6を通じて水素ガスが供給され、第1ノズル7から被充填タンク52に水素ガスが充填される。
一方、ステップ2で「NO」と判定したときには、ステップ4で第2保持部32のノズル検知器32AがOFFに切換わったか否かを判定する。ステップ4で「YES」と判定したときには、作業者が水素ガスの充填に用いるノズルを取り違えているから、ステップ5で、ノズルの取り違いを表示部33等に表示する。
次に、ステップ6では、水素ガスの充填が終了したか否かを判定する。具体的な終了条件としては、図示しない充填終了ボタンが押されたり、被充填タンク52が満タンになったりしたことが挙げられる。ステップ6で「YES」と判定したときには、ステップ7で水素ガスの充填を終了する制御処理を行う。
続いて、ステップ8では、第1ノズル7が第1保持部31に保持されたか否か、即ち、ノズル検知器31AがONに切換わったか否かを判定し、「YES」と判定したときには、ステップ9で、第1ノズル7側の脱圧処理を行う。この第1ノズル7側の脱圧処理は、脱圧弁18を開弁し、ホース部6Bを含む第1ガス通路6内に残存した水素ガスを排出する。
ステップ10では、ステップ9の判定に基づいて、第1ノズル7を用いた充填作業の回数をカウントアップする。そして、ステップ11では、第1ノズル7を用いた水素ガスの充填作業の回数が、ホース部6Bの交換が必要な回数(安全を考慮した寿命回数)に達したか否かを判定する。ステップ11で、「YES」と判定したときには、ステップ12で、ホース部6Bの交換が必要である旨の要求を表示部33等に表示する。
一方、ステップ1で、第2ノズル9が選択された場合には、ステップ13に移動し、ステップ23まで第1ノズル7が選択された場合の動作と同様の動作を行う。このステップ13からステップ23までの動作中には、第2ノズル9等を用いて被充填タンク52に水素ガスを充填しつつ、第1ガス通路6のホース部6Bの交換作業、第1ガス通路6に接続された温度センサ15、圧力センサ16等のメンテナンスを行うことができる。
かくして、本実施形態によれば、蓄圧器35に上流側が接続されたガス供給経路4は、第1ガス通路6と第2ガス通路8に分岐されている。また、蓄圧器35に接続される一のガス通路を2つのガス通路6,8から選択する切換スイッチ30を有している。被充填タンク52への充填作業が行われていないときにノズル7,9が保持される保持部31,32は、ガス通路6,8の分岐数に対応してそれぞれ設けられている。この上で、被充填タンク52への水素ガスの供給を制御する制御装置29は、切換スイッチ30によって選択された一のガス通路を用いて水素ガス充填制御を行う構成としている。
従って、制御装置29は、例えば、切換スイッチ30によって第1ノズル7(第1ガス通路6)を選択した場合、第1ノズル7が第1保持部31から取外されたか否かを監視することで、誤って第2ノズル9を用いたまま充填作業が進行するのを防止することができる。同様に、切換スイッチ30によって第2ノズル9(第2ガス通路8)を選択した場合、第2ノズル9が第2保持部32から取外されたか否かを監視することで、誤って第1ノズル7を用いたまま充填作業が進行するのを防止することができる。
これにより、ガス供給経路4を2つのガス通路6,8に分岐し、それぞれにノズル7,9を設けた場合でも、充填作業を行おうとして手に取ったノズルと実際に水素ガスが供給されるノズルとが異なる事態を未然に防ぐことができる。この結果、第1ガス通路6、第1ノズル7と第2ガス通路8、第2ノズル9を備えた場合でも、供給すべきガス通路とノズルに対し水素ガスを正しく供給することができ、充填作業に対する信頼性を向上することができる。
しかも、本実施形態では、第1ガス通路6、第1ノズル7と第2ガス通路8、第2ノズル9を備えている。従って、一方のガス通路、ノズルを用いて充填作業を行いつつ、他方のガス通路、ノズルおよびガス通路に接続された機器類を交換したり、メンテナンスしたりすることができる。これにより、ガス充填装置1の稼働率を高めることができる。
保持部31,32は、ノズル7,9が保持されているか否かを検知する検知手段31A,32Aを備えている。また、制御装置29は、切換スイッチ30で選択したガス通路と保持部から取外されたノズルとが対応しているか否かを判定し、ガス通路とノズルとが対応していると判定したときにノズルに向けて水素ガスの供給を開始させる構成としている。これによっても、水素ガスを正しく充填することができ、充填作業に対する信頼性を向上することができる。
さらに、ガス供給経路4の第1ガス通路6には、供給制御弁14が設けられ、第2ガス通路8には、供給制御弁21が設けられている。これにより、供給制御弁14と供給制御弁21との一方を開弁させることで、第1ガス通路6または第2ガス通路8に水素ガスを供給することができる。
なお、実施形態では、第1ガス通路6に供給制御弁14を設け、第2ガス通路8に供給制御弁21を設けることにより、供給制御弁14と供給制御弁21との一方を開弁させ、他方を閉弁させることで、第1ガス通路6または第2ガス通路8に水素ガスを供給する構成とした場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、メイン通路5と各ガス通路6,8との合流位置に3方向2位置の切換弁を設けることで、水素ガスの供給方向を切換える構成としてもよい。
また、実施形態では、ガス供給経路4を第1ガス通路6と第2ガス通路8との2つに分岐した場合を例示している。しかし、本発明は、これに限るものではなく、ガス供給経路を3つ以上に分岐させる構成としてもよい。
実施形態では、車両51の被充填タンク52に高圧の水素ガスを充填する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば車両以外のタンクや容器等に高圧の水素ガスを充填する際にも適用することができる。また、ガス充填装置1のディスペンサユニット2を、他の場所に水素ガスを給送するための管路の途中に設置してもよい。
さらに、実施形態では、切換スイッチ30によって選択された一のガス通路を用いて水素ガスが充填されるように制御する構成としたが、これに限らず、切換スイッチ30によって選択された一のガス通路に水素ガスを供給しないように制御してもよい。これにより、切換スイッチ30によって選択された一のガス通路側には水素ガスが供給されないので、切換スイッチ30によってメンテナンスするガス通路を指定することができる。
次に、上記実施形態に含まれるガス充填装置として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
ガス充填装置の第1の態様としては、水素ガスが蓄圧された蓄圧器に上流側が接続されたガス供給経路と、前記ガス供給経路の下流側に接続され、車両に搭載された被充填タンクに連結される充填ノズルと、前記ガス供給経路の途中に設けられ、開弁することにより前記蓄圧器内の水素ガスを前記充填ノズルへ供給する供給制御弁と、前記供給制御弁を開閉制御することにより、前記被充填タンクへの前記水素ガスの供給を制御する充填制御手段と、前記被充填タンクへの充填作業が行われていないときに前記充填ノズルが保持される保持部と、を含んで構成されたガス充填装置において、前記ガス供給経路は、複数のガス通路に分岐されてなり、前記蓄圧器に接続される一のガス通路を前記複数のガス通路から選択する切換スイッチを有し、前記保持部は、前記ガス通路の分岐数に対応してそれぞれ設けられ、前記充填制御手段は、前記切換スイッチによって選択された前記一のガス通路を用いて水素ガス充填制御を行うことを特徴としている。
ガス充填装置の第2の態様としては、前記保持部は、前記充填ノズルが保持されているか否かを検知する検知手段を備えており、前記充填制御手段は、前記一のガス通路と前記保持部から取外された前記充填ノズルとが対応しているか否かを判定し、前記一のガス通路と前記充填ノズルとが対応していると判定したときに前記充填ノズルに向けて水素ガスの供給を開始させることを特徴としている。
ガス充填装置の第3の態様としては、前記ガス供給経路の前記複数のガス通路には、前記供給制御弁がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
1 ガス充填装置
4 ガス供給経路
6 第1ガス通路(ガス通路)
7 第1ノズル(充填ノズル)
8 第2ガス通路(ガス通路)
9 第2ノズル(充填ノズル)
14,21 供給制御弁
29 制御装置(充填制御手段)
30 切換スイッチ
31 第1保持部(保持部)
31A,32A ノズル検知器(検知手段)
32 第2保持部(保持部)
35 蓄圧器
51 車両
52 被充填タンク

Claims (3)

  1. 水素ガスが蓄圧された蓄圧器に上流側が接続されたガス供給経路と、
    前記ガス供給経路の下流側に接続され、車両に搭載された被充填タンクに連結される充填ノズルと、
    前記ガス供給経路の途中に設けられ、開弁することにより前記蓄圧器内の水素ガスを前記充填ノズルへ供給する供給制御弁と、
    前記供給制御弁を開閉制御することにより、前記被充填タンクへの前記水素ガスの供給を制御する充填制御手段と、
    前記被充填タンクへの充填作業が行われていないときに前記充填ノズルが保持される保持部と、
    を含んで構成されたガス充填装置において、
    前記ガス供給経路は、複数のガス通路に分岐されてなり、
    前記蓄圧器に接続される一のガス通路を前記複数のガス通路から選択する切換スイッチを有し、
    前記保持部は、前記ガス通路の分岐数に対応してそれぞれ設けられ、
    前記充填制御手段は、前記切換スイッチによって選択された前記一のガス通路を用いて水素ガス充填制御を行うことを特徴とするガス充填装置。
  2. 前記保持部は、前記充填ノズルが保持されているか否かを検知する検知手段を備えており、
    前記充填制御手段は、前記一のガス通路と前記保持部から取外された前記充填ノズルとが対応しているか否かを判定し、前記一のガス通路と前記充填ノズルとが対応していると判定したときに前記充填ノズルに向けて水素ガスの供給を開始させることを特徴とする請求項1に記載のガス充填装置。
  3. 前記ガス供給経路の前記複数のガス通路には、前記供給制御弁がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガス充填装置。
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