JP2021055185A - 接合体の製造方法 - Google Patents

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弘太郎 増山
Kotaro Masuyama
弘太郎 増山
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司 八十嶋
琢磨 片瀬
Takuma Katase
琢磨 片瀬
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Abstract

【課題】接合部材や被接合部材の破損を抑制しつつ、これらの接合性を向上できる接合体の製造方法を提供すること。【解決手段】接合部材と被接合部材とを接合して接合体を形成する接合体の製造方法であって、接合部材は、接合面を有し、被接合部材は、被接合面と被押圧面とを有しており、接合面に金属ペーストを塗布する塗布工程と、接合面に塗布された金属ペースト上に被接合部材の被接合面を対向させて配置する配置工程と、治具により被接合部材の被押圧面を接合部材に向けて0.01MPa以上の圧力で押圧する押圧工程と、押圧工程後に被接合部材が配置された接合部材を無加圧状態で加熱して金属ペーストを焼結させる加熱工程と、を備え、押圧工程では、投影視において、被押圧面に対する治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で前記接合面及び前記被接合面に重なっている。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子等の被接合部材とセラミックス基板等の接合部材とが接合された半導体装置等の接合体の製造方法に関する。
従来、電気自動車等に搭載されるLED(Light Emitting Diode)等の半導体装置は、高温になりやすいことから、半導体装置を構成する半導体とセラミックス基板との接合には、高い耐熱性が求められる。このため、はんだよりも耐熱性の高い銀等の金属粒子を含む接合材が用いられる。このような接合材として、例えば、特許文献1に記載の金属ナノ粒子を用いた金属ペーストが知られている。この金属ペーストを用いて半導体素子をセラミックス基板等に接合する場合、これらを積層方向に加圧した状態で200℃〜350℃の温度で加熱して接合材を焼結させることにより、高い接合強度を確保している。
また、金属ペーストとして、例えば、特許文献2に記載の特定の粒度分布の金属粒子を用いたペーストからなる金属ペーストが知られている。この特許文献2に記載の金属ペーストに含まれる金属粒子凝集体は、銀、金および銅からなる群より選ばれる少なくとも1つの金属を70質量%以上の量にて含有し、粒径が100nm以上500nm未満の範囲にある粒子を60体積%以上95体積%以下の範囲、粒径が50nm以上100nm未満の範囲にある粒子を5体積%以上40体積%以下の範囲、そして粒径が50nm未満の粒子を5体積%以下の割合にて含む金属粒子を含んでいる。このような特殊な金属粒子を含む金属ペーストを基板に塗布した後、半導体素子を載置し、これらを積層方向に加圧することなく汎用のオーブンを用いて加熱して金属ペーストを焼結させることにより、半導体素子と基板とを接合する。これにより、半導体素子及び基板の接合時に半導体素子が破壊されたり、基板が変形したりすることを抑制している。
国際公開2011/007402号 特開2018−172764号公報
しかしながら、特許文献1に記載の金属ペーストを用いて、同一の基板上に平面サイズの異なる複数の半導体素子を接合する場合、各半導体素子をそれぞれ加圧した状態で加熱する必要があるため、半導体素子のそれぞれに均一な荷重をかけることが難しく、一括で接合することが困難である。また、加圧しながら加熱するので、その製造装置が高価となり、製造コストが増大する。
一方、特許文献2に記載の金属ペーストを用いて半導体素子及び基板を接合する場合、無加圧状態で加熱するため、特許文献1に記載の問題は解決できるものの、加熱時に加圧しないがゆえに、半導体素子に生じた反りを抑制することができず、基板と半導体素子とを平行に接合できないので、接合層内にボイドが生じる。また、加圧しないのでペースト内部に巻き込まれたボイド発生要因である気泡が排出されにくくなることで、ボイドが生じる。その結果、基板と半導体素子との接合性が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、基板等の接合部材と半導体素子等の被接合部材とを接合する際に無加圧状態で加熱しても、ボイドの発生を抑制して接合部材と被接合部材との接合性を向上できる接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の接合体の製造方法は、接合部材と被接合部材とを接合して接合体を形成する接合体の製造方法であって、前記接合部材は、前記被接合部材が接合される接合面を有し、前記被接合部材は、前記接合面に対応する被接合面と、該被接合面とは反対側に位置し、前記被接合面と平行な平面からなる被押圧面とを有しており、前記接合面に金属ペーストを塗布する塗布工程と、前記接合面に塗布された前記金属ペースト上に前記被接合部材の前記被接合面を対向させて配置する配置工程と、前記被押圧面を押圧可能な治具により前記金属ペースト上に配置された前記被接合部材の前記被押圧面を前記接合部材に向けて0.01MPa以上の圧力で押圧する押圧工程と、前記押圧工程後に前記被接合部材が配置された前記接合部材を無加圧状態で加熱して前記金属ペーストを焼結させる加熱工程と、を備え、前記押圧工程では、前記接合部材と前記被接合部材との積層方向に平行な方向から見た投影視において、前記被押圧面に対する前記治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で前記接合面及び前記被接合面に重なっている。
なお、加熱工程における無加圧状態とは、被接合部材が配置された接合部材をこれらの積層方向に積極的に加圧しないことを意味しており、例えば、被接合部材の自重や、被接合部材の位置ずれ防止具等を接合部材上に配置することにより、被接合部材にわずかな荷重が作用することまでを除外するものではない。さらに、接合面積は、接合面及び被接合面の面積と同じ面積である。なお、押圧面とは、被押圧面に直接接触する面をいい、被押圧面に接触しない部分は含まない。一方、被押圧面とは押圧面により押圧される面全体をいい、押圧面が接触していない部分も含む。
本発明では、接合部材の接合面に塗布された金属ペースト上に配置された被接合部材の被押圧面に対する治具の押圧面が、上記投影視において接合面積の70%以上の面積で接合面及び被接合面に重なっている状態で被接合部材を押圧するので、被接合部材を均一に押圧でき、加熱工程前に被接合部材の被接合面と接合部材の接合面とを水平にできる。このため、加熱工程において積極的に接合部材及び被接合部材をその積層方向に押圧しなくても、接合層内のボイドの発生を抑制して被接合部材を適切に接合部材に接合でき、これらの接合性を向上できる。また、接合材(金属ペースト)を焼結させる加熱工程時に被接合部材及び接合部材を積層方向に押圧しないので、被接合部材及び接合部材の破損を抑制できる。
なお、上記投影視において、被押圧面に対する治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で接合面及び被接合面に重なっていないと、接合面及び被接合面にかかる荷重が均等にならないので、被接合部材の被接合面を接合部材の接合面に対して水平にできない他、接合層内のボイドが多くなり、接合性が低下する。また、被接合部材を接合部材に向けて押圧する圧力が0.01MPa未満である場合も、圧力が小さすぎて被接合部材の被接合面を接合部材の接合面に対して水平にできない他、加熱時にボイドが発生する。また、押圧工程における圧力の上限は、特に限定されないが、0.1MPa以下であることが好ましい。圧力が0.1MPaを超えると、被接合部材と接合部材との間から金属ペーストが外側に押し出されることで、これらの接合性が低下する可能性があるためである。また、被接合部材の面積が大きくなるにつれ被接合部材自体の反りの影響が相対的に大きくなるのに加えて、被接合部材の面積の拡大に合わせて接合部材にかかる被接合部材の自重も大きくなり、この影響により接合層を必要以上に薄くしないためにも0.1MPa以下であることが望ましい。とりわけ、例えば、被接合部材が平面視正方形状であれば一辺の長さが10mmを超えるときには0.1MPa以下であることがより望ましい。
本発明の接合体の製造方法の好ましい態様としては、前記接合部材は、複数の接合面を有し、前記被接合部材は、前記複数の接合面のそれぞれに対応する複数の被接合面を有し、前記ペースト塗布工程では、前記複数の接合面に前記金属ペーストを塗布し、前記押圧工程では、前記投影視において、前記被押圧面に対する前記治具の押圧面が、前記複数の被接合面及び前記複数の接合面のすべてで重なっているとよい。
複数の接合面に金属ペーストを塗布して被接合部材を接合する場合、治具の押圧面が、各接合面の合計の面積の70%以上の面積で重なっていればよいとすると、複数の接合面のなかには、治具により押圧されない接合面が生じる可能性がある。上記態様では、押圧面が複数の被接合面及び複数の接合面のすべてで重なっているので、複数の被接合面のそれぞれを各接合面に対して確実に押圧して、これらを適切に接合できる。
本発明の接合体の製造方法の好ましい態様としては、前記金属ペーストは、粘度が90Pa・s以上250Pa・s以下、チキソトロピーインデックスが0.83以上0.88以下であるとよい。
なお、ここでの粘度及びチキソトロピーインデックスの値は25℃における値である。
なお、粘度とチキソトロピーインデックスとは、JIS Z3285に規定する微細粉末を使用するソルダペーストの特性評価法に基づき測定されたものである。
金属ペーストの粘度が90Pa・s未満である場合、又は、チキソトロピーインデックスが0.83未満である場合、被接合部材を金属ペースト上に配置した際に、金属ペーストが被接合部材の被接合面から流れ出やすくなるため、治具による荷重のばらつきが生じて、金属ペーストの量が局所的に少なくなる可能性があり、結果としてボイドが生じやすくなる可能性がある。一方、金属ペーストの粘度が250Pa・sを超えている場合、又は、チキソトロピーインデックスが0.88を超えている場合、金属ペースト中に巻き込まれた気泡が加熱後も金属ペースト外に排出されにくくなることから、ボイドが生じやすくなる可能性がある。
本発明の接合体の製造方法の好ましい態様としては、前記治具として、前記被接合部材を吸着孔によりピックアップ可能なコレットを用い、前記コレットの吸着面における前記吸着孔の開口面積は、前記被押圧面の面積の30%以下に設定されているとよい。
なお、コレットの吸着面には吸着孔が開口しているため、コレットの吸着面における吸着孔を除いた領域が押圧面である。
上記態様では、コレットにより被接合部材をピックアップし、そのままコレットにより被接合部材を押圧できるので、例えば、一般的なコレットを用いて被接合部材を金属ペースト上に配置した上、コレットとは異なる治具を用いて被接合部材を接合部材に向けて押圧する場合に比べて、作業時間を短くでき、製造コストを低減できる。
なお、コレットの吸着面における吸着孔の開口面積が被押圧面の面積の30%を超えている場合、吸着孔による被接合部材の吸着力が大きくなり、被接合部材が吸着孔の吸引力により変形する可能性がある。これに対し、上記態様では、吸着面における吸着孔の開口面積が被押圧面の面積の30%以下に設定されているため、被接合部材が変形することを抑制でき、適切に金属ペースト上に配置することが可能となる。
本発明によれば、接合部材と被接合部材とを接合する際に無加圧状態で加熱しても、ボイドの発生を抑制して接合部材と被接合部材との接合性を向上できる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャート図である。 図1に示す半導体装置の製造方法により製造された半導体装置の断面図である。 図1に示す半導体装置の製造方法における塗布工程を示す図である。 図1に示す半導体装置の製造方法における配置工程を示す図である。 図1に示す半導体装置の製造方法における押圧工程を示す図である。 配置工程及び押圧工程で用いるコレットの押圧面(吸引面)を半導体素子上に二点鎖線で示した図である。 上記実施形態の半導体装置の製造方法の第1変形例に係るコレットの押圧面及び接合領域を半導体素子上に二点鎖線で示した図である。 上記第1変形例に係るコレット及び半導体素子の側面図である。 上記実施形態の半導体装置の製造方法の第2変形例に係る半導体素子及びコレットを示す側面図である。 上記実施形態の半導体装置の製造方法の第3変形例に係る押し治具により半導体素子が押圧される状態(押圧工程)を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、接合体の製造方法として、半導体素子(被接合部材)と基板(接合部材)とが接合された半導体装置の製造方法について説明する。
[半導体装置の概略構成]
本発明に係る接合体の製造方法により製造される半導体装置10は、図2に示すように、基板11の上面110における接合面111に接合層13を介して半導体素子12の被接合面121が接合されたものである。この半導体装置10は、例えば、パワーモジュールやLEDモジュールとして用いられる。
[基板の構成]
基板11は、本発明の接合部材に相当し、例えば、セラミックス回路基板やプリント回路基板、絶縁体に支持されたリードフレーム等により構成され、厚さ0.5mm〜5mmの矩形板状に形成されている。この基板11の上面110には、回路(図示省略)が形成されており、基板11の回路が形成された上面110内における半導体素子12の被接合面121が接合されるべき面が接合面111である。接合面111は、図2等に示す例では、上面110の中央に位置しており、この接合面111には、接合層13を介して半導体素子12が固定されている。基板11の最表面には、金または銀のめっき膜が形成されていてもよい。特に限定されるものではないが、このめっき膜の厚さは100nm以下とするとよい。めっき膜は、電解めっき、無電解めっきやスパッタ等で形成することができる。
[半導体素子の構成]
半導体素子12は、本発明の被接合部材に相当し、図2に示すように、矩形板状に形成され、その厚さは100μm以上1mm以下とされている。この半導体素子12の最表面には、スパッタによりAu等の膜が形成されている。また、半導体素子12は、表面120A及び裏面120Bが平行な平面に形成され、基板11と平行な状態で基板11に固定されている。本実施形態では、半導体素子12の表面120Aの略全領域(図6に示すコレット20の吸着面21を示す二点鎖線で囲まれた領域)がコレット20により押圧され、このコレット20により押圧される範囲を含む表面120A全体が被押圧面122である。すなわち、半導体素子12の被押圧面122は、コレット20の吸着面21の押圧面210が当接する範囲及びその外側の範囲も含んだ表面120Aの全体である。また、半導体素子12の裏面120Bは、その全領域が基板11の接合面111に接合されるべき面であるため、裏面120Bの全領域が被接合面121である。
[接合層の構成]
接合層13は、基板11と半導体素子12とを接合するものであり、銀粒子や銅粒子を含む金属ペースト130(図3参照)が加熱されることにより焼結したものである。この接合層13の厚さは、10μm〜100μm程度とされている。
[金属ペーストの構成]
金属ペースト130は、銀又は銅の金属粉末を75質量%以上90質量%以下、エチレングリコールなどの溶媒を10質量%以上25質量%以下、含有しており、これらを混合したものである。より好ましくは、金属ペースト130は、銀又は銅の金属粉末を80質量%以上90質量%以下、エチレングリコールなどの溶媒を10質量%以上20質量%以下含有するとよい。
なお、上記銀又は銅の金属粉末として、一般的に市販されている粉末を使用することができるが、例えば、次のような金属粒子凝集体を使用することも可能である。この金属粒子凝集体は、銀および銅からなる群より選ばれる少なくとも1つの金属からなり、粒径が500nm以上の粒子を1体積%以上含むことがなく、粒径が100nm以上500nm未満の範囲にある粒子を65体積%以上95体積%の範囲、粒径が50nm以上100nm未満の範囲にある粒子を5体積%以上30体積%の範囲、そして粒径が50nm未満の粒子を5体積%以下の割合にて含む。なお、粒径が500nm以上の粒子及び粒径50nm未満の粒子は、含まれない場合もある。
また、金属ペースト130は、粘度が90Pa・s以上250Pa・s以下、チキソトロピーインデックスが0.83以上0.88以下とされている。より好ましくは、粘度が120Pa・s以上200Pa・s以下、チキソトロピーインデックスが0.84以上0.86以下であるとよい。なお、上記粘度及びチキソトロピーインデックスの各値は、25℃における値である。
なお、金属ペーストの粘度が90Pa・s未満である場合、又は、チキソトロピーインデックスが0.83未満である場合、半導体素子12を金属ペースト130上に配置した際に、金属ペースト130が半導体素子12の下面から流れ出やすくなるため、コレット20(図4及び図5参照)による荷重のばらつきが生じて、金属ペースト130の量が局所的に少なくなる可能性があり、結果としてボイドが生じやすくなる可能性がある。一方、金属ペースト130の粘度が250Pa・sを超えている場合、又は、チキソトロピーインデックスが0.88を超えている場合、金属ペースト130中に巻き込まれた気泡が加熱後も金属ペースト130外に排出されにくくなることから、ボイドが生じやすくなる可能性がある。
[半導体装置の製造方法]
このような半導体装置10の製造方法は、例えば、図3に示すように、基板11の接合面111に金属ペースト130を塗布する塗布工程と、図4に示すように、基板11に塗布された金属ペースト130上に半導体素子12の被接合面121を対向させて配置する配置工程と、図5に示すように、被押圧面122を押圧可能なコレット20により金属ペースト130上に配置された半導体素子12を基板11に向けて0.01MPa以上の圧力で押圧する押圧工程と、押圧工程後に半導体素子12が配置された基板11を無加圧状態で加熱して金属ペーストを焼結させる加熱工程と、を備えている。以下、図1のフローチャートに示した各工程順に説明する。
(塗布工程)
まず、図3に示すように、基板11の一方の面110(図3では上面)の中央に位置する接合面111に金属ペースト130を塗布する(ステップS11)。この金属ペースト130を、厚さ30μm以上140μm以下となるように基板11の接合面111に印刷塗布する。この場合、金属ペースト130の印刷面積は、半導体素子12の被接合面121の面積と略同じ面積に設定される。
なお、金属ペースト130の塗布は、メタルマスク法やスクリーン印刷法等が一般的であるが、これに限らず、ディスペンサ等による吐出供給でもよい。
(配置工程)
ここで、配置工程に用いるコレット20について説明する。このコレット20は、本発明の治具に相当し、半導体素子12の被押圧面122に当接し、かつ、半導体素子12を押圧可能な吸着面21と、半導体素子12を吸引して吸着面21に支持するための吸着孔22と、を備えている。吸着面21は、平面視矩形状の平坦面により構成され、その中央に吸着孔22が形成されている。この吸着面21内において吸着孔22は、半導体素子12の被押圧面122に接触しないため、吸着面21における吸着孔22を除く領域が押圧面210となり、この押圧面210の面積が押圧面積である。つまり、本実施形態では、押圧面210とは、被押圧面122に直接接触する面をいい、被押圧面122に接触しない部分は含まない。また、この実施形態では、吸着面21の外周縁は、図6に示すように、半導体素子12を支持した際に、半導体素子12の外周縁より内側に位置する。
配置工程では、図4に示すように、基板11に塗布された金属ペースト130上に半導体素子12をコレット20により配置する(ステップS12)。具体的には、まず、コレット20を基板11とは別の位置に配置された半導体素子12上に移動させて、吸着孔22の吸引により半導体素子12の被押圧面122を吸着面21により支持する。そして、図4の矢印に示すように、半導体素子12を支持した状態のコレット20を基板11上に移動させ、半導体素子12の被接合面121を基板11の接合面111に対向させた状態で、基板11上に塗布された金属ペースト130上に配置する。
なお、コレット20の吸着面21における吸着孔22の開口面積は、半導体素子12の被押圧面122の面積の30%以下、より好ましくは10%以下であるとよい。吸着面21の吸着孔22の開口面積が半導体素子12の被押圧面122の面積の30%を超えている場合、吸着孔22による半導体素子12の吸着力が大きすぎ、半導体素子12が吸着孔22の吸引力により変形する可能性があるためである。このため、本実施形態では、図6に示すように、吸着面21における吸着孔22の開口面積を半導体素子12の被押圧面122の面積の略5%程度に設定されている。これにより、半導体素子12が変形することを抑制でき、適切に金属ペースト130上に配置することが可能となる。一方、吸着孔22の吸引力によっても異なるが、吸着孔22の開口面積が小さすぎると適切に半導体素子12を吸着できない可能性がある。このため、吸着孔22の開口面積は、半導体素子12の被押圧面122の面積の1%以上、より好ましくは3%以上であるとよい。
(押圧工程)
そして、図5に示すように、コレット20により金属ペースト130上に配置された半導体素子12を基板11に向けて押圧する(ステップS13)。具体的には、基板11と半導体素子12との積層方向に平行な方向から見た投影視において、被押圧面112に対するコレット20の押圧面210が、接合面111と被接合面122との接合面積の70%以上の面積で接合面111及び被接合面122に重なっている状態で押圧する。
ここで、コレット20の吸着面21の面積は、図6に示すように、半導体素子12の被押圧面122の面積よりも若干小さい面積(略90%程度)に設定されている。また、上述したように、吸着面21における吸着孔22の開口面積は、半導体素子12の被押圧面122の面積の略5%程度に設定されている。すなわち、吸着面21の押圧面210の押圧面積(半導体素子12の被押圧面122への接触面積)は、吸着面21の面積から吸着孔22の開口面積を除いた面積となる。この実施形態の場合、半導体素子12の被押圧面122は被接合面121(及び接合面111)と同じ大きさであるから、コレット20の押圧面210の押圧面積が上記接合面積の85%(90%−5%)となる。すなわち、図6に示す例では、基板11と半導体素子12との積層方向に平行な方向から見た投影視において、被押圧面122に対するコレット20の押圧面210が、被接合面121と接合面111との接合面積の85%の面積で重なることとなる。このため、被接合面121及び接合面111の面積の85%にコレット20の荷重が付与される。
被接合面122と接合面111とを確実に接合するためには、コレット20の押圧面210は、被接合面122及び接合面111に少なくとも70%の面積で重なっている必要がある。このように、上記投影視において、被押圧面122に対するコレット20の押圧面210が、被接合面121と接合面111との接合面積の70%以上の面積で重なっていれば、コレット20により半導体素子12を基板11に向けて押圧した場合、コレット20の荷重が均等に半導体素子12にかかり、基板11の接合面111と半導体素子12の被接合面121とが平行に配置される。
なお、上記投影視において、被押圧面122に対するコレット20の押圧面210が、接合面積の70%以上の面積で被接合面121及び接合面111に重なっていないと、接合面111及び被接合面121にかかる荷重が均等にならないので、半導体素子12の被接合面121を基板11の接合面111に対して水平にできない他、接合層13内のボイドが多くなり、接合性が低下する。なお、上記投影視において、被押圧面122に対するコレット20の押圧面210が、接合面積の95%以上の面積で被接合面121及び接合面111に重なっていることがより好ましい。
また、半導体素子12を基板11に向けて押圧する圧力が0.01MPa未満であると、圧力が小さすぎて半導体素子12の被接合面121を基板11の接合面111に対して水平にできない他、加熱時にボイドが発生する。圧力の上限は、特に限定されないが、0.1MPa以下とすることが好ましい。0.1MPaを超えた場合、半導体素子12と基板11との間から金属ペースト130が外側に押し出されることで、これらの接合性が低下する可能性がある。
このため、本実施形態では、コレット20の押圧面210により0.01MPa以上の圧力で半導体素子12を基板11に向けて押圧することとしている。なお、上記圧力は、0.02MPa以上0.07MPa以下であることがより好ましい。
(加熱工程)
そして、押圧工程によりコレット20による半導体素子12の押圧がなされ、吸着孔22からの吸引を停止させたコレット20を基板11上の外側に移動させた後、すなわち、押圧工程後に、半導体素子12が配置された基板11を無加圧状態で加熱する(ステップS14)。この加熱工程は、押圧工程後の半導体素子12が配置された基板11をオーブン内で加熱することにより実行される。
この加熱工程における加熱温度は、120℃以上400℃以下の範囲が好ましい。また、加熱時間は、30分以上であることが好ましい。加熱工程における雰囲気は特に限定されず、窒素雰囲気や大気雰囲気で行うことが可能である。
なお、加熱工程における無加圧状態とは、半導体素子12が配置された基板11をこれらの積層方向に積極的に加圧しないことを意味しており、例えば、半導体素子12の自重や、半導体素子12の位置ずれ防止具等を基板11上に配置することにより、半導体素子12にわずかな荷重(例えば、0.2mN以下の荷重)が作用することまでを除外するものではない。
このような工程により、基板11や半導体素子12の破損を抑制しつつ、これらの接合性が向上した半導体装置10が製造される。
本実施形態では、基板11の接合面111に塗布された金属ペースト130上に配置された半導体素子12の被押圧面122に対するコレット20の押圧面210が、上記投影視において接合面積の70%以上の面積で被接合面121及び接合面111に重なっている状態で半導体素子12を押圧するので、半導体素子12を基板11に向けて均一に押圧でき、加熱工程前に半導体素子12の被接合面121と基板11の接合面111とを水平にできる。このため、加熱工程において積極的に基板11及び半導体素子12をその積層方向に押圧しなくても、接合層13内のボイドの発生を抑制して半導体素子12を適切に基板11に接合でき、これらの接合性を向上できる。また、接合材(金属ペースト130)を焼結させる加熱工程時に半導体素子12及び基板11を積層方向に押圧しないので、半導体素子12及び基板11の破損を抑制できる。
また、コレット20により半導体素子12をピックアップし、そのままコレット20により半導体素子12を押圧できるので、例えば、一般的なコレットを用いて半導体素子12を金属ペースト130上に配置した上、コレットとは異なる治具を用いて半導体素子12を基板に向けて押圧する場合に比べて、作業時間を短くでき、製造コストを低減できる。
その他、細部構成は実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態では、コレット20の吸着面21は、平面視矩形状であったが、これに限らず、例えば、円形状であってもよく、その形状は適宜変更可能である。また、コレット20の吸着孔22は、平面視で円形状であったが、これに限らず、例えば、矩形状や多角形状であってもよく、その形状は適宜変更可能である。
図7は、上記実施形態の半導体装置の製造方法の第1変形例に係るコレット20Aの吸着面21A及び接合面30a,30b,30c,30dを半導体素子12上に二点鎖線で示した図であり、図8はコレット20A及び半導体素子12の側面図である。
上記実施形態では、基板11の回路が形成された上面110における中央部の全領域に金属ペースト130が塗布され、1つの接合面が形成される例について説明したが、本変形例では、図7に示すように、金属ペースト130は、4つの領域に分けて塗布され、接合面が30a,30b,30c,30dの4つに分かれている。同形状(均等な矩形状)の各接合面30a〜30dは、コレット20、半導体素子12及び基板11の積層方向に平行な方向から見て、基板11の上面110における図7に二点鎖線で示すコレット20の吸着面21の外周縁を示す矩形に囲まれた範囲の角部のそれぞれに形成されている。また、1つの接合面の面積は、例えば、半導体素子12の裏面120Bの面積の23%に設定されている。このため、接合面30a〜30dの面積の総和は、半導体素子12の裏面120Bの面積の92%となる。
また、本変形例においては、半導体素子12の裏面120Bにおける接合面30a〜30dに対向する各領域が被接合面となる。
なお、接合面の数、形状、及び接合面積は、半導体素子12を基板11に固定できる範囲であれば適宜設定可能である。
本変形例のコレット20Aの中央部分には、図8に示すように、吸着面21A側の領域が拡大された吸引孔22Aが形成されている。具体的には、吸引孔22Aは、上記吸引孔22と同形状の細孔部221と、細孔部221の先端側(吸着面21A側)に形成され、細孔部221に連通する四角柱状の空間部222とからなる。細孔部221の吸着面21A側の開口部は、平面視において、空間部222の中央に位置している。このため、吸着面21Aの押圧面210Aは、上記空間部222を除いた枠状の領域となる。この吸着面21Aの押圧面210Aの面積は、半導体素子12の被押圧面122の面積の略半分に設定されているものの、基板11の上面110の4つの接合面30a〜30dの全領域を押圧可能に構成されている。すなわち、本変形例では、上記投影視において、被押圧面122に対するコレット20Aの押圧面210Aが、複数の被接合面及び複数の接合面30a〜30dのすべてに重なっている。換言すると、本変形例においては、上記投影視において、複数の被押圧面に対するコレット20Aの押圧面210が、接合面積の100%の面積で複数の接合面30a〜30d及び複数の被接合面に重なっている。
ここで、複数の接合面30a〜30dに金属ペースト130を塗布して半導体素子12を接合する場合、コレットの押圧面が、各接合面30a〜30dの合計の面積の70%以上の面積で重なっていればよいとすると、複数の接合面30a〜30dのなかには、コレットにより押圧されない接合面が生じる可能性がある。これに対し、変形例では、押圧面210Aが複数の被接合面及び複数の接合面30a〜30dのすべてで重なっているので、複数の被接合面のそれぞれを各接合面30a〜30dに対して確実に押圧して、これらを適切に接合できる。
なお、上記変形例では、図8に破線で示すように、コレット20Aの吸着孔22Aの先端側(吸着面21A側)に四角柱状の空間部222が形成され、この空間部222は、吸着孔22Aの一部を構成している。このため、空間部222が形成されている場合においては、半導体素子12の直上にある空間部222の開口部の面積が吸着孔22Aの開口面積となる。
また、第1変形例のように、接合面が4つに分かれている場合には、例えば、半導体素子12は、図9に示すように、裏面120から突出する複数の突出部123を有していてもよい。本変形例の半導体素子12は、裏面120の各角部から突出する四角柱状の突出部123を有している。これら突出部123の底面124は、4つの接合面30a〜30dと同形状に形成されている。つまり、本変形例においては、突出部123の底面124が本発明の被接合面に相当する。この場合においても、上記投影視において、コレット20Aの押圧面210Aが接合面30a〜30dと底面124(被接合面)との接合面積の100%の面積で重なっているので、突出部123の底面124(被接合面)と接合面30a〜30dとが適切に接合され、上記第1変形例と同様の効果を奏することができる。
なお、図9に示す例において、押圧面は、接合面30a〜30dの100%の面積を押圧することとしたが、これに限らない。接合面30a〜30dの全ての面積の総和の70%以上を押圧面により押圧すればよい。例えば、各接合面30a〜30dの一部ずつを押圧し、その一部が各接合面30a〜30dのそれぞれの面積の70%以上を押圧面により押圧することも可能である。また、押圧面は複数の被接合面及び複数の接合面30a〜30dのすべてに重なっていなくてもよく、例えば、図7に示す4つの領域に接合面が形成される場合、そのうちの1つの接合面が押圧されない場合も含む(その場合も、全接合面の合計の面積に対して、75%の面積で重なっている)。
上記実施形態では、コレット20の吸着孔22は、吸着面21,21Aの中央に1つだけ設けられることとしたが、これに限らず、2つ以上の複数の吸着孔を備えることとしてもよい。この場合、複数の吸着孔の面積が半導体素子12の面積の30%以下であれば、その数は問わない。
なお、コレット20の吸着面21の外周縁は、半導体素子12の外周縁の内側に位置することとしたが、これに限らず、各外周縁が一致する形状であってもよいし、コレット20の吸着面21の外周縁が半導体素子12の外周縁よりも外側に位置する形状であってもよい。なお、上記いずれの場合もコレット20の押圧面は、半導体素子12の被押圧面122に接触する面である。このため、後段の場合は、半導体素子12の外周縁よりも外側に位置する部位は押圧面には含まれない。
上記実施形態では、コレット20により半導体素子12の配置及び押圧を実行することとしたが、これに限らない。例えば、図10に示すように、半導体素子12を配置した後、押し治具40により半導体素子12を押圧することとしてもよい。
図10は、金属ペースト130上に配置された半導体素子12を押し治具40により押圧する状態を示す図である。押し治具40としては、例えば、SUSまたはカーボン製のブロックやシリコンカーバイドまたは窒化ケイ素製のプレート等を用いることができる。
本変形例では、例えば、ピンセットやピックアップツール等により半導体素子12を金属ペースト130上に配置した後、押し治具40により押圧工程を実行する。この押し治具40の底面41は、本発明の押圧面に相当する平坦面により構成され、その面積は、半導体素子12の被接合面121の面積の70%以上の面積とされ、上記投影視において、被押圧面122に対する押し治具40の底面41が、接合面積の70%以上の面積で被接合面121及び接合面111と重なっている。なお、半導体素子12の被接合面121の面積と同じ、又は、半導体素子12の被接合面121の面積よりも大きく設定することも可能である。また、押し治具40の圧力は、上記実施形態のコレット20が半導体素子12を押圧する圧力と同じとされる。そして、押圧工程においては、半導体素子12の被押圧面122が押し治具40の底面41により基板11に向けて押圧される。このため、本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、押し治具40により押圧した後に、コレットでさらに押圧しても構わない。この場合の、コレットの面積や吸着孔の大きさは特に限定されない。
上記実施形態では、被接合部材として半導体素子を例示し、接合部材として基板を例示し、接合体としての半導体装置の製造方法について説明したが、これに限らず、被接合部材と接合部材とを接合して接合体を製造する全ての方法に利用できる。つまり、接合部材及び被接合部材は、板状に限らず、接合部材が接合面を有し、被接合部材が被接合面及び押圧面を有していればその形状は問わない。
実施例1〜26及び比較例1〜4では、表1に示す各種金属粉と、エチレングリコールとを混合し、遊星撹拌機(THINKY社製ARE−250)で2000rpm/分で0.5分間予備混錬した後、ロールミルでさらに混錬することにより金属ペーストを製造した。なお、各種金属粉末の割合と、エチレングリコール(溶媒)の割合については、表1に示す通りとした。また、各種金属粉は、以下のようにして製造した。
実施例1〜17、21、22、25、26及び比較例1〜4で用いた金属粉(銀紛)であるAg(1)は、以下のようにして製造した。まず、1200gのイオン交換水に、900gの硝酸銀水溶液と、600gのクエン酸アンモニウム水溶液とを、5分かけて同時に滴下し、クエン酸銀スラリーを調製した。なお、イオン交換水中に硝酸銀水溶液とクエン酸アンモニウム水溶液とを同時に滴下している間、イオン交換水を撹拌し続けた。また、硝酸銀水溶液中の硝酸銀の濃度は66質量%であり、クエン酸アンモニウム水溶液中のクエン酸の濃度は56質量%であった。なお、硝酸銀水溶液、クエン酸アンモニウム水溶液及びイオン交換水は50℃で保持した。
次いで、50℃に保持した上記クエン酸銀スラリーに、50℃に保持した300gのギ酸アンモニウム水溶液を30分かけて滴下して混合スラリーを得た。このギ酸アンモニウム水溶液中のギ酸の濃度は58質量%であった。次に、上記混合スラリーを昇温速度10℃/時間で最高温度70℃まで昇温し、70℃(最高温度)で2時間保持した後に、60分間かけて30℃まで温度を下げた。これにより銀粉スラリーを得た。
そして、上記銀粉スラリーを遠心分離機に入れて1000rpmの回転速度で10分間回転させた。これにより銀粉スラリー中の液層が除去され、脱水及び脱塩された銀粉スラリーが得られた。この脱水及び脱塩された銀粉スラリーを凍結乾燥法により30時間乾燥して銀粉(Ag(1))を得た。
実施例23の金属粉(銀紛)であるAg(2)として、福田金属箔粉工業社製AgC161Tを用いた。
実施例18〜20で用いた金属粉(銅紛)であるCu(1)は、以下のようにして製造した。まず、クエン酸銅・2.5水和物(和光純薬工業社製)を室温のイオン交換水に入れ、撹拌羽を用いて撹拌し、濃度30質量%のクエン酸銅の水分散液を調製した。次いで、このクエン酸銅の水分散液にpH調整剤としてのクエン酸アンモニウム水溶液を加えて、上記水分散液のpHが5になるように調整した。次に、この水分散液を50℃とし、窒素ガス雰囲気下で、還元剤を一気に添加し、撹拌羽を用いて均一に混合した。なお、還元剤として、上記水分散液内の銅イオンを還元できる1.2倍当量分のヒドラジン一水和物をイオン交換水で2倍に希釈したもの用いた。そして、上記水分散液と上記還元剤との混合液を窒素ガス雰囲気下で70℃まで昇温し、70℃で2時間保持した。その後、遠心分離機を用いて、上記混合液中に生成した粒子を固液分離して回収した。回収した粒子を減圧乾燥法で乾燥して銅紛(Cu(1))を得た。
実施例24の金属粉(銅紛)であるCu(2)として、三井金属鉱業社製1020Yを用いた。
そして、厚さ0.3mm、窒化珪素(Si)からなるセラミックス基板の両面に厚さ0.3mmの銅層が形成された絶縁回路基板上(上側に位置する銅層上)に、上記各金属ペーストを15mm×15mm、厚さ0.03mmで塗布した。
なお、表1に示すように、実施例1〜17、21〜23及び比較例1〜4で用いた絶縁回路基板の上側に位置する銅層の最表面には銀めっき膜を形成し、実施例25で用いた絶縁回路基板の上記銅層の最表面には金めっき膜を形成した。また、実施例18〜20、24及び26で用いた絶縁回路基板の上記銅層には、各種めっき膜を形成しなかった。各めっき膜は、電解めっきにより形成し、その厚さは100nmとした。なお、銅層と最表面のめっき層の間にはバリア層として無電解めっきで形成した3μmのNiめっき層を介した。
そして、スパッタにより成膜した30nm厚のAuからなる膜を最表面に形成したSi製の半導体素子(15mm×15mm、厚さ0.4mm)をそれぞれの金属ペースト上に配置した。SiとAuの間には密着層とバリア層として100nmのTiと300nmのNiを一層ずつSi側から順に施した。この半導体素子の配置は、実施例1〜8、18、21〜26及び比較例1,2では、半導体素子を、ピンセットを用いて配置し、実施例9〜17、19、20及び比較例3、4では、コレットを用いた。このコレットは、吸着面が15mm×15mmの平坦面により構成され、中央に1.5mmφの吸着孔が形成されたものを用いた。そして、実施例1〜8、15〜18、20〜26及び比較例1、2においては、絶縁回路基板と半導体素子との積層方向と平行な方向から見た投影視において、金属ペーストが塗布された接合面と、表1に示す接触面積率の押し治具の押圧面とが重なるように、該押し治具を用いて、半導体素子を基板に向けて表1に示す圧力(荷重)で押圧した。一方、実施例9〜14、19及び比較例3、4においては、押し治具を用いることなく、上記投影視において、金属ペーストが塗布された接合面と、表1に示す接触面積率及び吸着孔面積率のコレットの押圧面とが重なるように、該コレットにより、表1に示す圧力(荷重)で押圧した。
なお、上記接触面積率とは、治具やコレットの半導体素子との接触面積(上記実施形態における押圧面積と同じ意味であり、コレットにおいては吸着面の面積から吸着孔の面積を除いた面積)を絶縁回路基板と半導体素子との接合面積で除した値に100を乗じた値である。また、吸着孔面積率とは、(コレットの吸着孔の面積)/(絶縁回路基板と半導体素子との接合面積)×100の式より算出される値である。
そして、半導体素子が配置された(実施例1〜26及び比較例1、3においては、配置後押圧された)絶縁回路基板を、イナートオーブン(ESPEC社製IPHH−202M)を用い、表1に記載の雰囲気で、250℃、60分の条件で、無加圧状態で加熱し、実施例1〜26及び比較例1〜4の各試料とした。
このようにして作製された実施例1〜26及び比較例1〜4の各試料について、ボイド率から接合性を評価した。なお、各試料に用いられた金属ペーストのペースト粘度及びチキソトロピーインデックス(チキソ値)については、マルコム社製PCU−2Vを用い、その値を求めた。
(接合性の評価)
作製した各試料を超音波探傷装置(SAT装置、日立ハイテック社製FineSAT)の反射モード(プローブ周波数:110MHz)で素子表面側から観察し、接合層内部のボイド率を評価した。なお、ここでのボイドは、観察画像において白色で表示される領域であり、かつ、真円換算(白色領域の面積と等しい面積を有する円を仮定した時の直径)で100μm以上である領域と定義する。
また、ボイド率は、実施例1〜26及び比較例1〜4において、同条件で作製した10個の試料についてSAT装置で観察されるボイドのピクセル数を素子面積のピクセル数で除し、100を乗じたときに得られる数値を各々求め、これらの相加平均値を表1に示した。
Figure 2021055185
表1に示すように、実施例1〜26は、半導体素子と絶縁回路基板との接合面積の70%以上の押圧面積(接触面積率)を有する治具又はコレットにより、上記投影視において、治具又はコレットの押圧面が接合面積の70%以上の面積で被接合面及び接合面に重なる状態で金属ペースト上に配置された半導体素子を基板に向けて0.01MPa以上の圧力で押圧した後、無加圧状態で加熱していたため、ボイド率が7%以下と低く、半導体素子と絶縁回路基板との接合性を向上できた。これらのうち、実施例1、9、18、19、25及び26は、ボイド率が1%未満であり、特に接合性を向上できた。また、ペーストに含まれる金属粉末をAg(1)又はAg(2)とした実施例1〜17、21〜23、25、26、及び金属粉末をCu(1)又はCu(2)とした実施例18〜20、24のいずれにおいても、接合性を向上できた。
なお、絶縁回路基板の上側に位置する銅層として、表面に銀めっき膜を形成したもの、表面に金めっき膜を形成したもの及び表面に各種めっき膜を形成しなかったものを用いたが、実施例1〜26のいずれにおいても接合性を向上できた。また、半導体素子が配置された絶縁回路基板を加熱する際に、大気雰囲気又は窒素雰囲気のいずれかで加熱したが、実施例1〜26のいずれにおいても接合性を向上できた。
一方、比較例1は、押し治具の押圧面積(接触面積率)が半導体素子と絶縁回路基板との接合面積の50%と小さく、上記投影視において、被押圧面に対する治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で被接合面及び接合面に重なっていなかったため、ボイド率が15%と高く、接合性が低かった。同様に、比較例3は、コレットの押圧面積(コレット接触面積率)が半導体素子と絶縁回路基板との接合面積の50%と小さく、上記投影視において、被押圧面に対する治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で被接合面及び接合面に重なっていなかったため、ボイド率が20%と高く、接合性が低かった。
また、比較例2は、押し治具の押圧面積(接触面積率)が上記接合面積の100%と高く、上記投影視において、被押圧面に対する治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で被接合面及び接合面に重なっていたものの、半導体素子を押圧する際の圧力が0.005MPaと小さかったため、ボイド率が10%と高く、接合性が低かった。同様に、比較例4においても、コレットにより半導体素子を押圧しているものの、その圧力が0.001MPaと小さかったため、ボイド率が30%と高く接合性が低かった。
10 半導体装置(接合体)
11 基板(接合部材)
110 上面
111 接合面
12 半導体素子(被接合部材)
120A 表面
120B 裏面
121 被接合面
122 被押圧面
123 突出部
124 底面(被接合面)
13 接合層
130 金属ペースト
20,20A コレット
21,21A 吸着面
210,210A 押圧面
22,22A 吸着孔
221 細孔部
222 空間部 30a,30b,30c,30d 接合面
40 押し治具
41 底面(押圧面)

Claims (4)

  1. 接合部材と被接合部材とを接合して接合体を形成する接合体の製造方法であって、
    前記接合部材は、前記被接合部材が接合される平面からなる接合面を有し、前記被接合部材は、前記接合面に対応する平面からなる被接合面と、該被接合面とは反対側に位置し、前記被接合面と平行な平面からなる被押圧面とを有しており、前記接合面に金属ペーストを塗布する塗布工程と、前記接合面に塗布された前記金属ペースト上に前記被接合部材の前記被接合面を対向させて配置する配置工程と、前記被押圧面を押圧可能な治具により前記金属ペースト上に配置された前記被接合部材の前記被押圧面を前記接合部材に向けて0.01MPa以上の圧力で押圧する押圧工程と、前記押圧工程後に前記被接合部材が配置された前記接合部材を無加圧状態で加熱して前記金属ペーストを焼結させる加熱工程と、を備え、
    前記押圧工程では、前記接合部材と前記被接合部材との積層方向に平行な方向から見た投影視において、前記被押圧面に対する前記治具の押圧面が、接合面積の70%以上の面積で前記接合面及び前記被接合面に重なっていることを特徴とする接合体の製造方法。
  2. 前記接合部材は、複数の接合面を有し、前記被接合部材は、前記複数の接合面のそれぞれに対応する複数の被接合面を有し、前記ペースト塗布工程では、前記複数の接合面に前記金属ペーストを塗布し、前記押圧工程では、前記投影視において、前記被押圧面に対する前記治具の押圧面が、前記複数の被接合面及び前記複数の接合面のすべてで重なっていることを特徴とする請求項1に記載の接合体の製造方法。
  3. 前記金属ペーストは、粘度が90Pa・s以上250Pa・s以下、チキソトロピーインデックスが0.83以上0.88以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合体の製造方法。
  4. 前記治具として、前記被接合部材を吸着孔によりピックアップ可能なコレットを用い、前記コレットの吸着面における前記吸着孔の開口面積は、前記被押圧面の面積の30%以下に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
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