JP2021054730A - エアゾール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷感、破泡音及び泡持ちに優れるエアゾール組成物の提供。【解決手段】2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水と、液化ガスを含む噴射剤と、を含有し、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルの各々が示す親水親油バランス値を含有質量比率に基づいて加重平均して求めた値が10.0以下であり、吐出により泡状物を形成する、エアゾール組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、エアゾール組成物に関する。
原液組成物と噴射剤とからなるエアゾール組成物の一態様として、エアゾール容器から吐出された泡状物に剪断応力を付与すると、泡がパチパチと弾けているような破裂音を生じるものが知られており、頭皮用、スキンケア用などの化粧料に適用されている。本開示においては、以下、エアゾール組成物から形成された泡状物が発する泡がパチパチと弾けているような破裂音を「破泡音」と称する。また、吐出物から破泡音が生じる上記の現象は、英語のクラックリング(crackling)を転用して「クラッキング」とも和称されている。
特許文献1には、水溶性高分子、界面活性剤および低級アルコールを含有する水性原液と、液化ガスとからなり、吐出するとパチパチと音を立てるフォームを形成するエアゾール組成物であって、低級アルコールを水性原液中に1〜30重量%含有し、沸点−5℃以下の液化ガスを、エアゾール組成物中に38重量%以上含有するエアゾール組成物が開示されている。
特許文献2には、原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物であって、原液が油性基剤と水溶性高分子と界面活性剤と水とを含有し、油性基剤のIOB値(無機性/有機性バランス)が0.2〜0.5であり、配合量が原液中3〜30重量%であり、原液と液化ガスとの配合比が50/50〜10/90(重量比)であるエアゾール組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)分子量10万以上の高重合ポリエチレンオキサイド 0.005〜1質量%、(B)非イオン界面活性剤 0.05〜3質量%、(C)エタノール 1〜30質量%、(D)水 20〜70質量%、及び(E)噴射剤 28〜70質量%を含有するクラッキングローションが開示されている。
特開2003−335629号公報 特許5180601号公報 特許5339929号公報
特許文献1(特開2003−335629号公報)に記載のエアゾール組成物は、沸点が−5℃以下の液化ガスを所定量で含有することから、液化ガスの沸点と外気温(例えば皮膚の温度)との差が大きく、これにより吐出物は、破泡音が大きく、気化熱による冷却感が大きいフォームを形成するとされている。しかし、本発明者らの検討では、特許文献1記載のエアゾール組成物は、皮膚への刺激が強く、使用者によっては痛いと感じたり、使い方によっては凍傷のリスクがあることが判明した。
特許文献2(特許5180601号公報)に記載のエアゾール組成物は、吐出物が粘稠液又はペースト状となり、その後、徐々に発泡して自発的にパチパチと大きな破泡音を発し、この吐出物に、指先、手のひらなどで剪断力を付与した場合には、さらに大きな破泡時の音と刺激による心地よい感触が得られ、かつ、このような破泡効果が長時間持続するとされている。しかし、本発明者らの検討では、特許文献2記載のエアゾール組成物は、その破泡効果は十分ではなく、しかも油剤によるべたつきを感じやすいことも判明した。
特許文献3(特許5339929号公報)に記載のクラッキングローションは、高重合ポリエチレンオキサイドを用いることにより、エアゾール缶から吐出させたときに泡立ちが抑制され、塗布時の破泡感や冷涼感が強く、肌になじみ易く、べたつきの少ないクラッキングローションであるとされている。しかし、本発明者らの検討では、特許文献3記載のクラッキングローションは、破泡効果の持続時間が短く、その効果は十分ではないことが判明した。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、冷感、破泡音及び泡持ちに優れるエアゾール組成物を提供することである。
本開示は、以下の態様を含む。
<1>2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水と、液化ガスを含む噴射剤と、を含有し、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルの各々が示す親水親油バランス値を含有質量比率に基づいて加重平均して求めた値が10.0以下であり、吐出により泡状物を形成する、エアゾール組成物。
<2> 更に、粉体を含有する、<1>に記載のエアゾール組成物。
<3> 更に、油剤を含有する、<1>又は<2>に記載のエアゾール組成物。
<4> 更に、皮膚活性成分を含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエアゾール組成物。
<5> 泡状物が有する気泡の平均粒径が0.5mm〜2mmの範囲である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のエアゾール組成物。
<6> スキンケア化粧料である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のエアゾール組成物。
本開示の一実施形態によれば、冷感、破泡音及び泡持ちに優れるエアゾール組成物が提供される。
実施例1及び比較例8で得たエアゾール組成物から形成された泡状物を高速度カメラで撮影した写真である。
以下、本開示のエアゾール組成物の実施形態の一例について、詳細に説明する。本開示のエアゾール組成物は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の含有量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計の含有量を意味する。
本開示において、「水相」との語は、溶媒の種類にかかわらず、「油相」に対する用語として使用する。
〔エアゾール組成物〕
本開示のエアゾール組成物は、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水と、液化ガスを含む噴射剤と、を含有し、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルの各々が示す親水親油バランス値(以下、「HLB値」と称する。)を含有質量比率に基づいて加重平均して求めた値(以下、「混合HLB値」と称する。)が10.0以下であり、吐出により泡状物を形成する、エアゾール組成物である。
すなわち、本開示のエアゾール組成物は、混合HLB値を10.0以下とした2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水とを含有する原液組成物、及び、液化ガスを含む噴射剤を含む態様の組成物である。原液組成物は、乳化組成物であることが好ましい。
本開示のエアゾール組成物は、上記の構成を有することにより、冷感、破泡音及び泡持ちのいずれにも優れたものとなる。
さらに、本開示のエアゾール組成物は、皮膚に塗布した際のベタツキの無さ及び保湿感においても優れた効果を有する。
本開示のエアゾール組成物は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、水溶性高分子、及び噴射剤以外の他の成分を含有してもよく、他の成分としては、粉体、油剤、機能性成分(例えば、皮膚活性成分)などが好適に挙げられる。
本開示のエアゾール組成物は、「クラッキング組成物」と称される態様の組成物に属する。本開示において「クラッキング組成物」なる用語は、エアゾール容器から吐出された泡状物(吐出物)に対して剪断力及び/又は温度を付与した際に、泡がパチパチと弾けているような無数の破泡音を生じるエアゾール組成物に対して用いる。
本開示のエアゾール組成物を皮膚上に吐出して形成した泡状物は、破泡音を発するとともに皮膚に良好な冷感を与える。破泡音は、泡状物に対して手指等により剪断力が付与されるとより大きくなり、かつ、破泡音に伴って爽快な皮膚刺激を使用者に与える。
また、本開示のエアゾール組成物は、泡持ちに優れる。本開示において「泡持ち」とは、吐出後の泡状物が有する気泡の状態が、吐出直後と同程度に維持されることを意味する。本開示のエアゾール組成物が泡持ちに優れることは、冷感及び破泡音の持続性に優れることと相関する。泡持ちの時間は、エアゾール組成物の使用に際して所望とされる時間であればよい。例えば、気泡の状態がエアゾール組成物の吐出から30秒程度維持されることは、エアゾール組成物が泡持ちに優れることの指標とすることができる。
特許文献1に記載のエアゾール組成物では、沸点が−5℃以下の液化ガスを噴射剤として用いる制約があり、このような制約は使用者に対して強すぎる皮膚刺激等のダメージを与える原因ともなる。特許文献2に記載のエアゾール組成物及び特許文献3に記載のクラッキングローションは、いずれも破泡効果が十分ではない。
これに対し、本開示のエアゾール組成物は、混合HLB値を10.0以下とした2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水と、液化ガスを含む噴射剤とを含有することにより、使用者に対して、良好な冷感を与え、優れた破泡音が得られ、かつ、泡持ちに優れたものとなるが、このような着目は、特許文献1〜3のいずれにも存在しない。さらに、本開示のエアゾール組成物における噴射剤は、液化ガスを含む噴射剤であればよく、噴射剤選択の自由度も高い。
本開示のエアゾール組成物から形成された泡状物が有する気泡のサイズは、従来の同形態の組成物から形成される泡状物に比して大きく、このため単位体積当たりの泡状物に含まれる液量は従来に比して多いものとなる。
単位体積当たりの泡状物に含まれる液量が多いことは、皮膚への塗布量を多くできることを意味する。このため、例えば、エアゾール組成物が皮膚活性成分などの機能性成分を含有する場合であれば、より多くの機能性成分を皮膚に塗布することができ、機能性成分による効果の向上が期待できる。
また、泡状物が有する気泡のサイズは、破泡音の高低に影響し、泡状物がより大きいサイズの気泡を含むとより低い破泡音が発生する。低い破泡音は、使用者に良好な破泡効果が得られている感触を与えうる。
本開示に係る泡状物が有する気泡は、目視した際に、個々の気泡が粒状形を有することを明瞭に視認できる程度の大きさを有する(図1(A)を参照)。具体的には、泡状物が有する気泡の平均粒径は、0.5mm〜2mmの範囲であることが好ましく、1mm〜1.5の範囲であることがより好ましい。
気泡の平均粒径は、以下の測定方法により測定する。
エアゾール組成物を容器からガラス基板上に噴射(吐出)し、対物レンズと組み合わせた高速度カメラ(例えば、フォトロン社製、Mini UX)を用いて形成される泡状物を撮影する。撮影画像から、噴射後0.3秒の時点で存在する気泡を無作為に20個選択し、各気泡における最長径を測定し、測定値を算術平均した値を気泡の平均粒径とする。
以下、本開示のエアゾール組成物が含有する成分について説明する。
<(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテル>
本開示のエアゾール組成物は、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する。2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルの各々が示す親水親油バランス値(HLB値)を含有質量比率に基づいて加重平均して求めた値(混合HLB値)は、10.0以下である。
ここで、HLB値とは、油−水系で界面活性剤の両液体に対する相対的親和力の比を表す指標であり、グリフィン(Griffin)の定義による、25℃におけるHLB値を意味する。グリフィンによるHLB値は、J.Soc.Cosm.Chem.,1954, 5:249−256において定義されている。
本開示におけるHLB値は、カタログ値が確認できる場合には、カタログ値を優先して採用する。
本開示において、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルが示す混合HLB値は、各ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値をその含有質量比率に基づいて加重平均したものであり、次式で求められる。算出した値は、小数点以下第2位で四捨五入し、本開示における混合HLB値とする。
混合HLB値=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
上記式中、HLBxは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルXのHLB値を示す。Wxは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルXの質量(g)を示す。
後述する実施例1の場合であれば、下記のように混合HLB値を算出する。
〜ポリオキシエチレンアルキルエーテルの種類及び使用量〜
・ステアレス−2(HLB値:8)・・・0.28g
・ベヘネス−2(HLB値:10)・・・0.14g
〜混合HLB値の算出〜
混合HLB値=((8×0.28)+(10×0.14))/(0.28+0.14) =8.7
エアゾール組成物から混合HLB値を確認する方法としては、エアゾール組成物中に含有されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを定量し、上記の算出方法により算出することができる。
混合HLB値は、冷感、破泡音及び泡持ちの観点から、10.0以下であり、好ましくは9.6以下である。混合HLB値は、好ましくは5以上であり、より好ましくは6以上であり、更に好ましくは7以上である。
2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルは、混合HLB値が10.0以下となる組み合わせであればよい。
混合HLB値は、HLB値が10.0以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルを2種以上組み合わせて調整してもよいし、HLB値が10.0以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルとHLB値が10.0を超えるポリオキシエチレンアルキルエーテルとを組み合わせて調整してもよい。
組み合わせるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、2種であっても、3種以上であってもよいが、混合HLB値の調整を容易とする観点からは、2種であることがより好ましい。
混合HLB値の調整における好適な態様としては、泡持ち及び原液組成物と噴射剤との混和性の観点から、HLB値が4〜8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される少なくとも1種と、HLB値が10〜20であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される少なくとも1種とを組み合わせて、混合HLB値を5〜10に調整する態様が挙げられ、HLB値が4〜8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される1種と、HLB値が10〜17であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される1種とを組み合わせて、混合HLB値を7〜9.5に調整する態様がより好ましい。
本開示において「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」なる用語は、高級脂肪酸アルコールのエチレンオキシド付加物を総称する用語として用いられる。
高級脂肪酸アルコールに由来する脂肪族炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
上記アルキル基又はアルケニル基は、直鎖又は分岐鎖であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
上記アルキル基又はアルケニル基の炭素数は12〜22であることが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルが有するエチレンオキシドの平均付加モル数は、1.5〜40の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.5〜30であり、さらに好ましくは2〜20である。
平均付加モル数が1.5以上であると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの結晶化が抑制され、水への溶解性がより高まる傾向となる。また、平均付加モル数が40以下であると、良好な破泡効果が得られる大きさの気泡サイズが得られる傾向となる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、ラウレス-2(HLB値:9.5)、ラウレス-4(HLB値:11.5)、ラウレス-9(HLB値:14.5)、セテス−2(HLB値:8)、セテス−6(HLB値:10.5)、セテス−7(HLB値:11.5)、セテス−10(HLB値:13.5)、セテス−15(HLB値:15.5)、セテス−20(HLB値:17)、ステアレス−2(HLB値:8)、ステアレス−4(HLB値:9)、ステアレス−20(HLB値:18.0)、オレス−2(HLB値:7.5)、オレス−7(HLB値:10.5)、オレス−19(HLB値:14.5)、オレス−15(HLB値:16.0)、ベヘネス−5(HLB値:7)、ベヘネス−10(HLB値:10)、ベヘネス−20(HLB値:16.5)、等が挙げられるが、これらも限定されない。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの合計含有量は、エアゾール組成物の全質量に対し、0.05質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの合計含有量が0.05質量%以上であると、液化ガスと原液組成物との混和性が向上し、良好な乳化状態が得られる傾向となる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの合計含有量が5質量%以下であると、良好な破泡効果が得られる大きさの気泡サイズが得られる傾向となる。
<(B)水溶性高分子>
本開示のエアゾール組成物は、水溶性高分子を含有する。
本開示において水溶性高分子とは、25℃の水に対する溶解度が1質量%以上である高分子化合物を指す。
水溶性高分子の重量平均分子量は5,000〜200,000の範囲にあることが好ましく、5,000〜150,000の範囲にあることがより好ましい。水溶性高分子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン標準物質換算で測定することができる。
水溶性高分子としては、上記の水溶性を有する高分子化合物であれば特に限定されず、公知の水溶性高分子及びその誘導体を挙げることができる。誘導体とは、高分子化合物の基本骨格は保持したまま構造の一部を改変した化合物を意味する。
水溶性高分子は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性高分子としては、様々な剤形への応用のしやすさから、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、アルカシーラン、アクリル酸Naグラフトデンプン、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、グアガム、ヒドロキシプロピルグアーガム等の多糖類;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース化合物;(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/アクリル酸カルボキシエチルアンモニウム)クロスポリマー、カルボマー等の水溶性アクリルポリマーなどを含む合成ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、水溶性高分子としては、
冷感、破泡音及び泡持ちをより向上させる観点からは、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、アルカシーラン、アクリル酸Naグラフトデンプン、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、グアガム、及びヒドロキシプロピルグアーガムから選択される少なくとも1種の多糖類、及び、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが好ましく、
冷感、破泡音、泡持ち及び気泡の粒径の観点からは、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム及びヒドロキシプロピルグアーガムから選択される少なくとも1種の多糖類がより好ましい。
多糖類であるキサンタンガムは、冷感、破泡音、泡持ち及び気泡の粒径を良好とし、かつ、使用感もよく、酸性下での保存安定性も良好であることから、特に好適な態様の一つである。
水溶性高分子の含有量は、冷感、破泡音及び泡持ち、並びに、原液組成物を適切な粘度とし、液化ガスとの混和性を良好にする観点から、エアゾール組成物の全質量に対し、0.01質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05質量%〜3質量%であり、さらに好ましく0.1質量%〜1.0質量%である。
水溶性高分子の含有量が0.01質量%以上であると、冷感、破泡音及び泡持ちがより良好に発揮される傾向となる。また、水溶性高分子の含有量が5質量%以下であると、原液組成物の粘度がより良好となり、液化ガスと原液組成物との混和性が向上し、良好な乳化状態が得られる傾向となる。
<(C)水>
本開示のエアゾール組成物は、水を含む。
水としては、特に制限はなく、例えば、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、及び超純水(例えば、Milli−Q水)が挙げられる。なお、Milli−Q水とは、メルク(株)のMilli−Q(登録商標)水製造装置により得られる超純水である。
本開示のエアゾール組成物に含まれる水としては、例えば、不純物が少ないという観点から、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、又は超純水が好ましい。
水の含有量は、エアゾール組成物の使用目的(用途)、使用感に応じて、以下に示す範囲にて、適宜、調整することができる。
水の含有量は、エアゾール組成物の全質量に対し、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%がより好ましく、30質量%〜70質量%が更に好ましい。
<(D)液化ガスを含む噴射剤>
本開示のエアゾール組成物は、液化ガスを含む噴射剤を含有する。噴射剤として用いるガスは、エアゾール組成物に通常用いられるガスから選択される。
噴射剤は、少なくとも1種の液化ガスを含むものであればよく、液化ガスを1種のみ含むものであってもよいし、液化ガスを含む2種以上の混合ガスであってもよい。
液化ガスは、噴射剤の主成分として含有される。ここで、噴射剤の主成分とは、噴射剤を構成するガス成分のうち、5質量%以上であるガス成分を指す。
噴射剤が混合ガスである場合、2種以上の液化ガスからなる混合ガスであってもよいし、1種又は2種以上の液化ガスと、1種又は2種以上の他のガスとの混合ガスであってもよい。
液化ガスとしては、例えば、液化石油ガス(LPG)、フロン類が挙げられる。これらのうち、LPGが好ましく、20℃における圧力が、好ましくは0.15MPa〜0.25MPa、より好ましくは0.15MPa〜0.20MPaのLPGが好適に用いられる。
液化ガスと併用される他のガスとしては、例えば、炭酸ガス、窒素ガス、圧縮空気等の圧縮ガスが挙げられる。
噴射剤をエアゾール容器に充填する際、その容器内圧は、共に充填される乳化組成物の特性及び物性に影響を与えないこと、また、吐出性によって決定すればよい。
具体的には、噴射剤の充填の際の容器内圧は、0.1MPa以上1.5MPa以下が好ましく、0.2MPa以上1.0MPa以下がより好ましく、0.3MPa以上0.85MPa以下が更に好ましい。
本開示のエアゾール組成物から、噴射剤を除いた残部は原液組成物であることが好ましい。
噴射剤の含有量は、水系の原液組成物に対する安定な乳化及び冷感の観点から、エアゾール組成物の全質量に対し、好ましくは15質量%〜70質量%であり、より好ましくは20質量%〜70質量%であり、更に好ましくは25質量%〜60質量%である。
<(E)粉体>
本開示のエアゾール組成物は、粉体を含有することが好ましい。
エアゾール組成物が粉体を含有することで、泡状物において乳化状態がより向上し、気泡がより破泡し易くなる。また、粉体を含有は、べたつきの抑制にも寄与する。
粉体としては、化粧料に通常用いられる粉体を適用することができる。
粉体としては、例えば、シリカ、タルク、カオリン、雲母、セリサイト、ゼオライト、バーミキュライト等の無機粉体;ポリアミド樹脂粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末等の有機粉体;これらの複合粉体などが挙げられる。
粉体の平均粒径としては、1μm〜60μmが好ましく、2μm〜20μmがよりに好ましく、3μm〜12μmがさら好ましい。粉体の平均粒径は、体積平均粒径である。粉体の平均粒径は、例えば、ベックマンコ−ルタ−社製コ−ルタ−カウンタ−により測定すればよい、
粉体の含有量は、原液組成物における乳化状態の向上及びべたつき低減の観点から、エアゾール組成物の全質量に対して、0.15質量%〜5質量%が好ましく、0.2質量%〜1質量%がより好ましい。
<(F)油剤>
本開示のエアゾール組成物は、油剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
油剤を含有することにより、破泡強度、及び、保湿感等の使用感をより向上させることができる。油剤は、破泡強度,所望とする使用感などに応じて、適宜選択すればよい。
油剤としては、例えば、エステル油、炭化水素油、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。
エステル油の例としては、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸PG、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジカプリル酸PG、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン、イソステアリン酸ヘキシルデシル等が挙げられる。
炭化水素類としては、スクワラン、ワセリン、流動パラフィン等が挙げられる。
シリコーン油の例としては、シクロペンタシロキサン、ジメチコン等が挙げられる。
高級脂肪酸の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リノール酸等が挙げられる。
高級アルコールの例としてはイソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、キミルアルコール、コレステロール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール、デシルテトラデカノール、バチルアルコール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール等が挙げられる。
油剤の含有量は、破泡強度及び使用感の観点から、原液組成物の全質量に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜15質量%がより好ましい。
油剤の含有量が1質量%以上であると、より良好な破泡及び保湿感が得られる傾向となる。また、油剤の含有量が10質量%以下であると、べたつきが抑制されたより良好な使用感が得られる傾向となる。
<(G)皮膚活性成分>
本開示のエアゾール組成物は、皮膚活性成分を少なくとも1種含有することが好ましい。
本開示において、皮膚活性成分とは、皮膚に対して何らかの活性効果(例えば、皮膚柔軟効果、美白効果、抗炎症効果、抗酸化効果、血行促進効果、抗老化効果(抗シワ効果)、皮脂分泌抑制効果等)を与える機能性成分を指す。
皮膚活性成分は、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種の皮膚活性成分であれば特に制限されない。皮膚活性成分としては、例えば、植物抽出物、抗炎症剤、保湿剤、アミノ酸類、美白剤、一重項酸素消去剤、抗酸化剤、血行促進剤、皮脂分泌抑制剤、抗菌剤、角解剤等が挙げられる。
皮膚活性成分として、具体的には、アスタキサンチン、リコピン等のカロテノイド、テトラヒドピペリン、ピペリン等のピペリン化合物、トコフェロール、トコトリエノール等のビタミンEやその誘導体、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルMg、アスコルビン酸グルコシド等のビタミンCやその誘導体、植物抽出物等が挙げられるが、これらに限定されない。
皮膚活性成分は、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
エアゾール組成物の調製において、皮膚活性成分は、単体で原液組成物に含有させてもよいし、溶液、乳化物、等の形態に調製して、原液組成物に含有させてもよい。
エアゾール組成物における皮膚活性成分の含有量は、皮膚活性成分の種類及び許容される含有量に応じて、適宜設定することができる。
(その他の添加成分)
本開示のエアゾール組成物は、その効果を損なわない範囲で、上記の成分以外に、必要に応じて、その他の添加成分を含有していてもよい。その他の添加成分は、通常、化粧料において配合可能な各種の成分を目的に応じて使用することができる。
その他の添加成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、トレハロース等の保湿剤、エタノール等の清涼剤、メチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、紫外線吸収剤、着色剤、香料等が挙げられる。
これらの添加成分は、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
本開示のエアゾール組成物は、混合HLB値が10.0以下である2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水と、を少なくとも含有する原液組成物を調製し、調製された原液組成物と液化ガスを含む噴射剤とを組み合わせることにより得ることができる。具体的には、調製された原液組成物と液化ガスを含む噴射剤とからなるエアゾール組成物を、エアゾール容器に充填する。
〜原液組成物〜
原液組成物は、水相組成物と、油相組成物と、を混合し、常法により乳化することを含む製造方法により、好適に製造することができる。
水相組成物中には、水、水溶性高分子、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルが含まれ、その他の水溶性成分を含むことができる。
油相組成物中には、エアゾール組成物が含有する油溶性成分が含まれ、油溶性成分の例としては、既述の油剤、皮膚活性成分のうち油溶性の成分等が含まれる。
以下、原液組成物の好ましい調製例について、詳細に説明する。
例えば、a)水、水溶性高分子、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、水溶性さらに所望により、その他の水溶性成分を混合し溶解して、水相組成物を得る、b)油剤等を含む油性成分を混合し溶解して、油相組成物を得る、そして、c)撹拌下で水相組成物と油相組成物とを混合して、乳化分散を行うという調製方法をとることができる。
粉体は、水相組成物又は乳化分散後の組成物に添加することが好ましい。
乳化分散の際には、例えば、スターラー、インペラー、ホモミキサー、連続流通式剪断装置等の剪断作用を利用する通常の乳化手段を用いることができる。更なる粒子径の均一化を図る目的で、乳化分散を複数回行ってもよい。
以上のようにして、原液組成物が調製される。
〜エアゾール容器及び充填〜
本開示のエアゾール組成物充填されるエアゾール容器としては、耐圧容器であればよく、金属、ガラス、プラスチック等の素材を用いた容器が使用できる。
また、エアゾール容器へのエアゾール組成物の充填方法としては、公知の方法を使用することができる。具体的には、ガッサーシェイカー法、サチュレーター法、スルーバルブ法、アンダーカップ法等が挙げられる。
エアゾール化粧料の充填方法として、ガッサーシェイカー法等を利用する場合、耐圧性能の高い、アルミニウムのインパクト缶、アルミニウムのDI(Drawing and Ironing)缶、及びブリキ・モノブロック缶が好ましい。
また、エアゾール容器が内容物(原液組成物)を充填する内袋を備えた2重容器の場合は、内袋は、ガス透過性をある程度確保するために、ポリエチレン、ポリプロピレン等の素材を用いたものが好ましい。
〜エアゾール組成物の用途〜
本開示のエアゾール組成物の好適な用途としては、スキンケア化粧料(化粧水、美容液などを含む)、頭皮用化粧料などの化粧料が挙げられ、スキンケア化粧料であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて、本開示のエアゾール組成物を詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は一実施形態であり、それらに何ら限定されず、主旨を超えない限り種々の変形例を取りうる。
なお、特に断らない限り、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準である。
[実施例1]
〔原液組成物の調製〕
表1に記載の成分のうち、ミリスチン酸イソプロピル、トコフェロール、及びアスタキサンチンを、80℃のウォーターバスにて、1時間加熱し、撹拌して油相組成物を得た。
表1に記載の成分のうち、キサンタンガム、ステアレス−2、ベヘネス−10、シリカ、グリセリン、リン酸アスコルビルMg、及びフェノキシエタノールを、80℃のウォーターバスにて、1時間加熱し、撹拌して水相組成物を得た。
真空乳化撹拌装置(型式:PVQ−3/7UN、みづほ工業(株))を用いて、得られた水相組成物を撹拌しながら、油相組成物を添加して、原液組成物(1)を得た。
〔エアゾール組成物の調製及び容器への充填〕
エアゾール容器(アルミニウム製エアゾール用耐圧容器、容量100mL)に、70部の原液組成物(1)と、30部の噴射剤(炭酸ガス:0.5部、LPG:29.4部)と、を充填して、実施例1のエアゾール組成物(クラッキング組成物)を得た。
[実施例2〜実施例36、比較例1〜12]
実施例1において、エアゾール組成物の組成(原液組成物及び噴射剤)を表1〜表6に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜実施例36及び比較例1〜12の組成物を得て、容器に充填した。
[気泡サイズ及び形態の確認]
エアゾール組成物を容器からガラス基板上に噴射(吐出)し、対物レンズと組み合わせた高速度カメラ(フォトロン社製、Mini UX)を用いて形成される泡状物を撮影した。撮影画像から、噴射後0.3秒の時点に存在する気泡を無作為に20個選択し、各気泡における最長径を測定し、測定値を算術平均した値を気泡の平均粒径とした。
得られた平均粒径に基づき、各実施例及び比較例の結果を、下記の3ランクに分けて、下記表1〜表6に示す。
S:0.2mm未満
M:0.2mm以上1mm未満
L:1mm以上。
なお、比較例5については、原液組成物と噴射剤とが混合せず分離してしまっており、泡状物が吐出されず、気泡サイズ及び形態の確認ができなかった。
図1に、実施例1のエアゾール組成物から得られた撮影画像(A)と比較例8のエアゾール組成物から得られた撮影画像(B)を示す。図1に示されるように、実施例のエアゾール組成物から得られた泡状物は、比較例のエアゾール組成物から得られた泡状物に比し、0.5mm〜1mmの範囲の大きな気泡を有することが確認できる。
[評価]
得られたエアゾール組成物(クラッキング組成物)について、下記(1)〜(6)の評価を行った。なお、評価は、評価モニター3名により、25℃50%RHの環境下にて行った。なお、比較例5については、原液組成物と噴射剤とが混合せず分離してしまっており、泡状物が吐出されず、評価を行えなかった。
各評価は、評価モニター3名が、A、B、C及びDの4段階の評価基準で行った。そして、A:4点、B:3点、C:2点、C:1点、D:0点として、3名の評価点を平均し、小数点第1位を四捨五入した値に対応する評価ランクを、評価結果とした。最も優れるランクは「A」である。
評価結果を下記表1〜表6に示す。
〜エアゾール組成物の吐出及び塗布〜
評価に供したエアゾール組成物の吐出及び塗布は、以下の1)、2)及び3)の手順にて行った。
1)得られたエアゾール組成物を、一方の手のひらに、2cm大に吐出し、手のひらの上に所定量の泡状物(吐出物)を形成する。
2)泡状物が載った手のひらと他方の手のひらとを擦り合わせて、破泡の確認を行う。
3)破泡後の泡状物を両手のひらにて顔の皮膚に塗り拡げる。
(1)冷感
エアゾール組成物を顔の皮膚に塗り広げた際の冷感を、下記の基準により評価した。
−評価基準−
A:心地よく強い冷感を感じた。
B:冷感を感じた。
C:冷感に物足りなさは感じたが、許容できるレベル。
D:非常に冷たく、痛みを感じた。
(2)破泡感
エアゾール組成物を一方の手のヒラに吐出して所定量の泡状物が形成された後直ぐに、両方の手のひらを擦り合わせ、その際に生じた破泡音と手のひらで感じる振動の強さと持続時間を、下記の基準により評価した。
−評価基準−
A:大きな破泡音と手のひらで感じる振動が長く得られた。
B:大きな破泡音と手のひらで感じる振動が得られた。
C:破泡音と手のひらで感じる振動が、小さいが許容できるレベルで得られた。
D:破泡と手のひらで感じる振動が得られなかった。
(3)泡持ち
エアゾール組成物を一方の手のひらに吐出して所定量の泡状物を形成し、30秒間放置した時点の気泡の状態を目視で確認した。気泡の状態を確認した後、両方のひらを擦り合わせて破泡を確認し、下記の基準で評価した。
−評価基準−
A:吐出直後と同様な気泡の状態が維持されており、破泡音を生じた。
B:変化は認められるが気泡の状態は維持されており、破泡音を生じた。
C:気泡は残っており、許容できるレベルの破泡音が生じた。
D:気泡がすべて消失し、破泡しなかった。
(5)べたつき感
吐出物を塗り広げた後の顔の皮膚を手で触った感触により、べたつき感を下記の基準にて評価した。
−評価基準−
A:べたつきを感じない。
B:べたつきをわずかに感じる。
C:べたつきを感じるが、許容できるレベル。
D:べたつきを強く感じる。
(6)保湿感
吐出物を顔に塗り広げた後、1分後における保湿感の程度を、下記の基準にて評価した。
−評価基準−
A:とてもしっとりする。
B:しっとりする。
C:わずかにしっとりする。
D:しっとりした感触がない。
Figure 2021054730
Figure 2021054730
Figure 2021054730

Figure 2021054730

Figure 2021054730

Figure 2021054730
表1〜表6中、組成の欄に記載の「−」は、該当する成分を含まないことを意味する。
表1〜表6に記載の各成分の詳細は、以下のとおりである。
・キサンタンガム〔商品名:ノムコートZZ、日清オイリオ(株)〕
・ジェランガム〔商品名:KELCOGEL CG−LA、三晶(株)〕
・カラギーナン〔商品名:GENUGEL SWG-J、三晶(株)〕
・アルカシーラン〔商品名:アルカシーラン、伯東(株)〕
・アクリル酸Naグラフトデンプン〔商品名:MAKIMOUSSE12、大東化成(株)〕
・ヒドロキシエチルセルロース〔商品名:SUNHEC、三晶(株)〕
・ヒドロキシプロピルグアーガム〔商品名:JAGUAR HP−105、三晶(株)〕
・タマリンドガム〔商品名:グリロイド6C、DSP五協フード&ケミカル(株)〕
・ヒドロキシプピルメチルセルロース〔商品名:NEOVISCO MC、三晶(株)〕
・ヒドロキシプロピルキサンタンガム〔商品名:ラボールガムEX、DSP五協フード&ケミカル(株)〕
・カルボマー〔商品名:Ultrez30、ルブリゾール(株)〕
・(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
・疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔商品名:サンジェロース90、大同化成工業(株)〕
・高重合PEG〔商品名:アルコックスE−30、明成化学(株)〕
・セテス−2〔商品名:NIKKOL BC−2、HLB値:8、日光ケミカルズ(株)〕
・セテス−7〔商品名:NIKKOL BC−7V、HLB値:11.5、日光ケミカルズ(株)〕
・セテス−10〔商品名:NIKKOL BC−10、HLB値:13.5、日光ケミカルズ(株)〕
・セテス−20〔商品名:NIKKOL BC−20、HLB値:17、日光ケミカルズ(株)〕
・ステアレス−2〔商品名:NIKKOL BS−2、HLB値:8、日光ケミカルズ(株)〕
・ステアレス−4〔商品名:NIKKOL BS−4、HLB値:9、日光ケミカルズ(株)〕
・オレス−2〔商品名:NIKKOL BO−2V、HLB値:7.5、日光ケミカルズ(株)〕
・オレス−7〔商品名:NIKKOL BO−7V、HLB値:10.5、日光ケミカルズ(株)〕
・ベヘネス−5〔商品名:NIKKOL BB−5、HLB値:7、日光ケミカルズ(株)〕
・ベヘネス−10〔商品名:NIKKOL BB−10、HLB値:10、日光ケミカルズ(株)〕
・ベヘネス−20〔商品名:NIKKOL BB−20、HLB値:16.5、日光ケミカルズ(株)〕
・PEG−20ソルビタンココエート〔商品名:NIKKOL TL-10、HLB値:17、日光ケミカルズ(株)〕
・シリカ〔商品名:サンスフェアH51、平均粒径:5μm、AGCエスアイテック (株)〕
・タルク〔商品名:SAタルク−JA−46R、平均粒径:7-11μm、三好化成(株)〕
・ミリスチン酸イソプロピル〔商品名:IPM-100、日光ケミカルズ(株)〕
・エチルヘキサン酸セチル〔商品名:CIO、日光ケミカルズ(株)〕
・シクロメチコン〔商品名:SH245、東レDCシリコーン(株)〕
・ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール〔商品名:NEOSOLUE-MP、日本精化(株)〕
・アスタキサンチン〔商品名:富士フイルムアスタキサンチンS、富士フイルム(株)〕
・トコフェロール〔商品名:リケンEオイル800、理研(株)〕
・グリセリン〔阪本薬品(株)〕
・メチルパラベン
・EDTA
・水:精製水
・LPG[液化ガス、商品名:LPG20℃0.15、小池化学(株))
・炭酸ガス(圧縮ガス、大陽日酸)
表1〜表6から明らかなように、実施例のエアゾール組成物は、いずれも、冷感、破泡音及び泡持ちの全てにおいても優れていた。一方、比較例のエアゾール組成物は、冷感、破泡音及び泡持ちのいずれか1つ以上において劣っていた。
さらに、実施例のエアゾール組成物は、べたつき感が抑制されており、保湿感も有するものであった。
なお、比較例5はエアゾール組成物としての評価ができなかった。
[実施例37]
実施例1において、下記にて調製した乳化物Zを1g加え、水の量を調整して合計量を100gとした以外は、実施例1と同様にて、実施例37のエアゾール組成物を得た。
乳化物Zは、皮膚活性成分であるテトラヒドロピペリンを含有する乳化物である。
<乳化物Zの調製>
下記組成の油相組成物Xを構成する各成分を容器に入れ、80℃のウォーターバス中で、スターラーを用いて、1時間撹拌することにより、油相組成物Xを得た。次に、下記の組成の水相組成物Yを構成する各成分を容器に入れ、80℃のウォーターバス中で、スターラーを用いて、1時間撹拌することにより、水相組成物Yを得た。
次に、80℃のウォーターバス中で、水相組成物Yを、スターラーを用いて撹拌し、撹拌中の水相組成物Yに、油相組成物Xを徐々に添加して混合液を得た。得られた混合液に対し、超音波ホモジナイザー〔型番:US600−AT、(株)日本精機製作所〕を用いて、100g当たり1分間分散処理を施し、粗分散液を得た。次いで、得られた粗分散液に対し、高圧乳化装置〔製品名:スターバーストミニ、(株)スギノマシン〕を用いて、乳化処理(圧力:245MPa、パス方式にて2パス)を施し、乳化物Zを得た。
<油相組成物X>
・テトラヒドロピペリン〔商品名:コスモペリン、純度:99.9%、サビンサジャパン(株)〕 0.75質量%
・イソノナン酸イソノニル〔商品名:NINI−99、日本エマルジョン(株)〕 13.25質量%
・レシチン 〔商品名:SLP−ホワイト、辻製油(株)〕 1.0質量%
<水相組成物Y>
・オレイン酸ポリグリセリル−10〔商品名:NIKKOL Decaglyn 1−OV、日光ケミカルズ(株)〕 6.7質量%
・ステアリン酸スクロース〔商品名:DKエステルSS、モノエステル体(カタログ値):97質量%、第一工業製薬(株)〕 3.3質量%
・グリセリン〔花王(株)〕 45.0質量%
・水(精製水) 30.0質量%

Claims (6)

  1. 2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水溶性高分子と、水と、液化ガスを含む噴射剤と、を含有し、
    前記2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルの各々が示す親水親油バランス値を含有質量比率に基づいて加重平均して求めた値が10.0以下であり、
    吐出により泡状物を形成する、エアゾール組成物。
  2. 更に、粉体を含有する、請求項1に記載のエアゾール組成物。
  3. 更に、油剤を含有する、請求項1又は請求項2に記載のエアゾール組成物。
  4. 更に、皮膚活性成分を含有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエアゾール組成物。
  5. 前記泡状物が有する気泡の平均粒径が0.5mm〜2mmの範囲である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエアゾール組成物。
  6. スキンケア化粧料である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエアゾール組成物。
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