JP2021054293A - 車両割込み対処システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 実用性の高い車両割込み対処システムを提供する。【解決手段】 隣接レーンからの区画線を超えた自車両の前への車両の割込みに対処する車両割込み対処システムであって、コントローラ80を、(a) 監視装置14によって割込み状況であると認定された際に、その車両の割込みに対処するために必要な割込み対処ブレーキ力FCIを、危険度DEに応じた大きさで決定する割込み対処ブレーキ力決定部86と、(b) 割込み状況下において、運転者によってブレーキペダル20の操作が行われたときに、その操作に応じた操作依拠ブレーキ力FOPを、割込み対処ブレーキ力に加えて発生させるべく、ブレーキ装置12を制御するブレーキ制御部30とを有するように構成する。車両の割込みに対処するために自車両に付与される総ブレーキ力FTOが、運転者がブレーキペダルを操作したときに減少するという事態が回避される。【選択図】 図8

Description

本発明は、自車両が走行する自車レーンの隣の隣接レーンからの区画線を超えた自車両の前への車両の割込みに対処する車両割込み対処システムに関する。
下記特許文献には、隣接レーンからの車両の割込みに対処すべく、自車両に対して、自動でブレーキ力を付与する技術が開示されている。
特開2001−171389号公報
隣接レーンからの車両の割込みに対処するシステムは、開発途上にあり、何等かの改良を施すことにより、当該システムの実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い車両割込み対処システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両割込み対処システムは、
自車両が走行する自車レーンの隣の隣接レーンからの区画線を超えた自車両の前への車両の割込みに対処する車両割込み対処システムであって、
自車両の前方および斜め前方を監視し、隣接レーンを走行する車両の割込みの可能性を認定するとともに、その割込みの可能性がある程度を超えて高くなったときに、割込み状況にあると認定する監視装置と、
自車両に付与するブレーキ力を発生させるブレーキ装置と、
(a) 割込み状況下において、前記隣接レーンを走行する車両の割込みに対処するために必要な割込み対処ブレーキ力を、危険度に応じた大きさで決定する割込み対処ブレーキ力決定部と、(b) 割込み状況下において、運転者のブレーキ操作部材の操作に依拠せずに、前記割込み対処ブレーキ力を発生させるべく、前記ブレーキ装置を制御するブレーキ制御部とを有するコントローラと
を備えることを前提構成とし、
前記ブレーキ制御部が、
割込み状況下において、運転者によって前記ブレーキ操作部材の操作が行われたときに、その操作に応じた操作依拠ブレーキ力を、前記割込み対処ブレーキ力に加えて発生させるべく、前記ブレーキ装置を制御するように構成されたことを特徴とする。
本発明の車両割込み対処システムは、
上記前提構成を有する車両割込み対処システムにおいて、
前記監視装置が、前記隣接レーンを走行する車両の区画線に対する横方向速度、および、区画線に対する横方向位置に基づいて、割込み状況にあると認定するように構成してもよい。
運転者のブレーキ操作部材(例えば、ブレーキペダル等が該当する)の操作に依拠しないブレーキ力を自動ブレーキ力と、その自動ブレーキ力を発生させること若しくは自車両に付与することを自動ブレーキと呼べば、一般的な原則として、自動ブレーキの最中に、運転者によるブレーキ操作部材が操作された場合、自動ブレーキを解除するとともに、その自動ブレーキに代えて、その操作に応じたブレーキ力である操作依拠ブレーキ力が発生させられ、若しくは、自車両に付与される。
上記原則に従えば、割込み状況下において自動ブレーキ力の一種である割込み対処ブレーキ力を発生させている最中に、ブレーキ操作部材の操作が行われた場合、割込み対処ブレーキ力に代えて操作依拠ブレーキ力が発生させられることになり、車両の割込みに対処するために自車両に付与される制動力が、不足する可能性もある。そのことに考慮して、上記本発明の車両割込み対処システムでは、割込み対処ブレーキ力を発生させている最中にブレーキ操作部材の操作が行われた場合に、割込み対処ブレーキ力に加えて操作依拠ブレーキ力を発生させるように構成されており、本発明の車両割込み対処システムによれば、車両の割込みに対処するために自車両に付与されるブレーキ力が、運転者がブレーキ操作部材を操作したときに減少するという事態が回避されることになる。
また、割込み状況を、隣接レーンを走行する車両の区画線に対する横方向速度、および、区画線に対する横方向位置に基づいて認定することにより、その車両が区画線をはみ出すタイミングを正確に推定することができ、割込み状況であることをより適切に認定することが可能となる。なお、隣接レーンを走行する車両の区画線に対する走行角度にも基づいて、割込み状況であることを認定することが、割込み状況であることをさらに適切に認定できるという観点において、望ましい。
実施例の車両割込み対処システムの全体構成を示す模式図である。 車両割込み対処システムの構成要素である液圧式のブレーキ装置の液圧回路図である。 車両の割込みに対処するための処理を説明するための模式図である。 割込み車両と自車両との衝突に対する危険度を示すマップである。 従来の自動ブレーキにおいて生じる割込み対処ブレーキ力と操作依拠ブレーキ力との入れ替りについての問題を説明するためのグラフである。 想定される車両の割込みのシチュエーションを示す模式図、および、そのシチュエーションにおいて実施例の車両割込み対処システムが自車両に付与する割込み対処ブレーキ力と操作依拠ブレーキ力とを説明するためのグラフである。 実施例の車両割込み対処システムにおいて実行される車両割込み対処プログラムのフローチャートである。 実施例の車両割込み対処システムの機能を説明するためのブロック図である。
以下、請求可能発明を実施するための形態として、実施例の車両割込み対処システムを、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
[A]車両割込み対処システムの基本的構成
実施例の車両割込み対処システムは、図1に示すように、自車両に、詳しくは、自車両が備える4つの車輪10にブレーキ力を付与するブレーキ装置12、および、自車両の前方および斜め前方を監視する監視装置14とを含んで構成されている。
ブレーキ装置12は、一般的な液圧式のブレーキ装置であり、ブレーキ操作部材であるブレーキペダル20と、ブレーキペダル20が連結されるとともにリザーバ22が付設されたマスタシリンダ24と、高圧源を有してその高圧源からの作動液を調圧するブレーキアクチュエータ26と、それぞれがブレーキアクチュエータ26からの作動液によって各車輪10にブレーキ力を付与するための4つの車輪制動器(例えば、ディスクブレーキにおけるブレーキキャリパである)28と、当該ブレーキ装置10の制御を司るブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」と略す場合がある)30とを含んで構成されている。
液圧回路図である図2をも参照しつつ簡単に説明すれば、ブレーキアクチュエータ26は、マスタカット弁32を有しており、通常時においてマスタシリンダ24によって加圧された作動液を遮断する。通常時は、高圧源としてのポンプ34によってリザーバ22から汲み上げられて加圧された作動液を、増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38によって調圧し、各車輪制動器28が有するホイールシリンダ40に供給する。車輪制動器28は、ホイールシリンダ40に供給された作動液の圧力に応じたブレーキ力を各車輪10に付与する。詳しい説明は省略するが、4つの車輪10の車輪制動器28に対応して、アンチロック作動のために、4対の開閉弁42,44が設けられているが、通常時においては、開閉弁42はいずれも開状態とされ、開閉弁44はいずれも閉状態とされる。
ブレーキECU30は、CPU,ROM,RAM等によって構成されるコンピュータと、ポンプ34,増圧用リニア弁36および減圧用リニア弁38の駆動回路等とを有しており、増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38に供給する電流を制御することによって、各車輪10に付与するブレーキ力、すなわち、自車両に付与するブレーキ力を制御する。運転者によって、ブレーキペダル20が操作された場合、ブレーキECU30は、そのブレーキペダル20の操作に応じたブレーキ力、詳しくは、操作量センサ46によって検出されたブレーキペダル20の操作量に応じた大きさのブレーキ力を発生させるべく、そのブレーキ力に応じた大きさの電流を増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38に供給する。なお、以下、ブレーキペダル20の操作に応じたブレーキ力を、操作依拠ブレーキ力と呼ぶ場合があることとする。
なお、各車輪10の車輪回転速度(以下、「車輪速」という場合がある)を検出するために、4つの車輪速センサ48が設けられており、それら車輪速センサ48は、ブレーキECU30に接続されている。ブレーキECU30は、それら車輪速センサ48によって検出された車輪速に基づいて、自車両の走行速度を特定する。本車両割込み対処システムにおいては、ブレーキ装置として、上述のような液圧式のブレーキ装置が採用されているが、電動モータの力によって摩擦部材を車輪とともに回転する回転体に押し付けるように構成された電動ブレーキ装置を採用してもよく、また、それらのブレーキ装置とともに回生ブレーキ装置を採用してもよい。
監視装置14は、カメラ50,例えばレーザ光を利用したレーダ52(ミリ波等を利用したものであってもよい),道路情報を取得するためのナビゲーションシステム54,ステアリング操作部材であるステアリングホイール56の操作量(操作角)を取得するためのステアリングセンサ58等と、それらからの情報を基に、監視処理を実行する監視処理電子制御ユニット(以下、「監視処理ECU」という場合がある)60とを含んで構成されている。監視処理ECU60は、CPU,ROM,RAM等によって構成されるコンピュータを主体とするものであり、上述のブレーキECU30と、CAN(car area network or controllable area network)70を介して接続されている。
監視処理ECU60が実行する基本的な処理は、一般的な処理であるため、本明細書では、詳しい説明については省略する。その基本的処理について、典型例となる処理を簡単に説明すれば、監視処理ECU60は、ブレーキECU30から送られてくる自車両の走行速度についての情報や、ステアリングホイール56の操作量についての情報を基に、自車両の走行線(自車両が描く軌跡と考えることができる)を、カメラ50から送られてくる画像データに基づいて、自車両が走行するレーン(以下、「自車レーン」という場合がある),自車レーンを区画する区画線を、それぞれ特定するとともに、カメラ50からの画像データ,レーダ52による情報を基に、自車レーン内において自車両の前方に存在する物体(障害物,先行車両等であり、以下、「自車レーン内前方存在物」という場合がある)を特定する。そして、監視処理ECU60は、自車両と自車レーン内の前方存在物との衝突の可能性を判断し、その衝突を回避するために必要とされる自動ブレーキ力(以下、「衝突回避ブレーキ力」という場合がある)を、その衝突の可能性の高さに応じた大きさで決定し、その衝突回避ブレーキ力についての指示を、CAN70を介して、ブレーキECU30に送信する。
上記衝突回避ブレーキ力についての指示を受けたブレーキECU30は、その衝突回避ブレーキ力を自車両に付与するために、その衝突回避ブレーキ力に応じた電流を増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38に供給する。ちなみに、運転者がすでにブレーキペダル20を操作していて、上述の操作依拠ブレーキ力が自車両に付与されている場合は、衝突回避ブレーキ力についての指示は、ブレーキECU30によって考慮されない。つまり、ブレーキ装置12は、自動ブレーキ力である衝突回避ブレーキ力を、自車両に付与しない。また、衝突回避ブレーキ力が付与されている最中に運転者がブレーキペダル20を操作した場合には、ブレーキ装置12は、その衝突回避ブレーキ力に代えて、操作依拠ブレーキ力を付与する。
[B]車両の割込みに対処するための処理および制御
自車レーンの隣の走行レーンである隣接レーンを走行する車両(以下、「隣接レーン走行車両」という場合がある)が、区画線を超えて自車両の前方に割り込む場合がある。その場合、その割り込んだ車両に自車両が衝突することも予測される。その割り込んだ車両は、上述の自車レーン内前方存在物となるため、先に説明したような衝突回避ブレーキ力を付与することによって衝突を回避することも可能である。しかしながら、割込みの状態によっては、その割込み車両への衝突が回避できないこともあり得る。そのため、隣接レーン走行車両が自車レーンに割り込む前に、その割込みを察知して対処することが望ましい。本車両割込み対処システムは、隣接レーン走行車両の割込みの可能性を判断し、その可能性がある程度を超えて高くなったときに、自動ブレーキ力を自車両に付与するようにされている。以下に、本システムが実行する隣接レーン走行車両の割込みに対する監視装置の処理、および、ブレーキ装置の制御について、詳しく説明する。なお、以下に説明する車両の割込みに対処するための処理は、自車両OVの走行速度vOが30Km/h以上のときに行われる。
i)割込みの可能性判断
片側2レーンの道路において、自車レーンを自車両が、隣接レーンの斜め前方を別の車両が、それぞれ走行している状態を模式的に示す図3(a)を参照しつつ説明すれば、監視処理ECU60は、カメラ50によって取得された画像データ,レーダ52によって得られた情報に基づいて、隣接レーンLSにおいて自車両OVの斜め前方を走行する車両TVが存在する場合に、その車両TVを隣接レーン走行車両として特定し、その車両TVを監視する。そして、監視処理ECU60は、その車両TVが自車レーンLOに向かってレーンチェンジを行う旨の意思表示の有無、具体的には、自車レーンLO側のウインカ(方向指示器)の点滅の有無を認定するとともに、その車両TVの区画線DLとの距離(区画線DLに直角な方向の距離であり、区画線DLとの間隔と考えることができる)である対区画線距離wT,その車両TVの区画線DLに対する速度(区画線DLに直角な方向の速度と考えることができる)である対区画線速度vT,その車両TVの走行線と区画線DLとのなす角度(区画線DLに対するその車両TVの走行角度と考えることができる)である対区画線角度θTを検知する。ちなみに、対区画線距離wTは、車両TVの区画線DLに対する横方向位置であり、対区画線速度vTは、車両TVの区画線DLに対する横方向速度である。
監視処理ECU60は、隣接レーン走行車両として特定された車両TVの自車レーンLO側のウインカが点滅している場合には、その車両TVが自車レーンLOに割り込む可能性が高いため、その車両TVを、割込み車両(実際に割り込んだ車両、および、割り込むであろうと予測される車両との両方が含まれる概念である)と認定する。また、監視処理ECU60は、上記ウインカの点滅がなくても、その車両TVの対区画線距離wTが設定閾距離wT0よりも小さく、対区画線速度vTが設定閾速度vT0よりも高く、かつ、対区画線角度θTが設定閾角度θT0よりも大きい場合も、その車両TVが自車レーンLOに割り込む可能性が高いため、その車両TVを、割込み車両と認定する。つまり、隣接レーンLSを走行する車両TVの割込みの可能性がある程度を超えて高くなったときに、割込み状況にあると認定するのである。
ii)危険度に基づく割込み対処ブレーキ力の決定
監視処理ECU60は、割込み車両と認定した車両TVとの衝突の危険度DEを判定する。詳しく言えば、監視処理ECU60は、図3(b)に示すように、その車両TVと自車両OVとの車間距離Dと、その車両TVと自車両OVとの相対速度(車間距離Dの変化速度であり、相対接近する場合を正として扱う)dD/dtとを検知し、それら車間距離D,相対速度dD/dtに基づき、図4に示すマップに従って、危険度DEを判定する。図4のマップは、危険度DEを等高線で示しており、具体的には、車間距離Dが小さく,相対速度dD/dtが高い程、危険度DEが高く、車間距離Dが大きく,相対速度dD/dtが低い程、危険度DEが低いと判定される。ちなみに、マップに従うのではなく、例えば、車間距離D,相対速度dD/dtをパラメータとする関数f(D,dD/dt)を設定し、その設定した関数f(D,dD/dt)に従って、危険度DEを判定してもよい。
監視処理ECU60は、判定された危険度DEを基に、自車両OVに付与すべき自動ブレーキ力である割込み対処ブレーキ力FCIを決定する。詳しく言えば、危険度DEをパラメータとした関数FCI(DE)が、自車両OVの車種に応じて設定されており、割込み対処ブレーキ力は、その関数FCI(DE)に従って決定される。関数FCI(DE)は、危険度DEが高ければ高い程、割込み対処ブレーキ力FCIが大きくなるように設定されており、具体的には、例えば、危険度DEに応じて自車両OVの減速度が0G以上0.5G以下の範囲となる割込み対処ブレーキ力FCIが付与されるように設定されている。監視処理ECU60は、決定した割込み対処ブレーキ力FCIについての指令を、ブレーキECU30に送信する。
iii)割込み対処ブレーキ力の付与とブレーキ操作があった場合の処理
ブレーキECU30は、送信されてきた割込み対処ブレーキ力FCIについての指令に基づいて、その割込み対処ブレーキ力FCIをブレーキ装置12が自車両OVに付与するように、増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38に、その割込み対処ブレーキ力FCIに応じた電流を供給する。つまり、ブレーキ装置12は、運転者のブレーキペダル20の操作に依拠しないブレーキ力を発生させる。
先に説明したように、割込み対処ブレーキ力FCIは、自車両OVの減速度が0G以上0.5G以下の範囲となる大きさに設定されており、緊急ブレーキという程の大きさではない。したがって、割込み対処ブレーキ力FCIが付与されている場合においても、運転者が、さらなるブレーキ力を付与するために、ブレーキペダル20を操作することも予測される。
先に説明したように、自動ブレーキ力として衝突回避ブレーキ力が付与されている最中に運転者がブレーキペダル20を操作した場合には、ブレーキ装置12は、その衝突回避ブレーキ力に代えて、操作依拠ブレーキ力を付与する。同様に、割込み対処ブレーキ力FCIに代えて操作依拠ブレーキ力FOPが付与されるようにされている場合、時間tの経過に対するブレーキ力Fの変化を示す図5から解るように、割込みに対処するために自車両OVに付与されることが必要なブレーキ力に対して、実際に発生させられるブレーキ力(総ブレーキ力FTOである)は、小さくなってしまうことも予測される。言い換えれば、車両TVの割込みに対処するためのブレーキ力が不足してしまうことも予測されるのである。ちなみに、図5に示すシチュエーションでは、自動ブレーキ力である割込み対処ブレーキ力FCIが増加させられた後の時点t0において、運転者によるブレーキペダル20の操作がなされている。
上述したブレーキ力の不足に鑑みて、本車両割込み対処システムでは、ブレーキECU30は、割込み状況下において運転者によってブレーキペダル20の操作が行われたときに、その操作に応じた操作依拠ブレーキ力FOPを、割込み対処ブレーキ力FCIに加えて発生させるべく、ブレーキ装置12を制御するように構成されている。
模式的な例を挙げて具体的に説明すれば、図6(a)に示すように、割込み車両TVと自車両OVとの車間距離が比較的大きく確保されている場合において、運転者がブレーキペダル20を軽く踏んだときには、図6(b)のグラフに示すように、運転者がブレーキペダル20の踏込み操作を行った時点t0から、その踏込み操作に応じた大きさの操作依拠ブレーキ力FOPが、詳しく言えば、ブレーキペダル20の操作量に応じた大きさの操作依拠ブレーキ力FOPが、自動ブレーキ力である割込み対処ブレーキ力FCIに加えられて発生させられることになる。その結果、運転者がブレーキ操作を行ったときにおいて実際に発生させられるブレーキ力である総ブレーキ力FTOは、充分な大きさとなる。
また、図6(c)に示すように、割込み車両TVと自車両OVとの車間距離が充分には確保されていない場合において、運転者がブレーキペダル20を大きく踏み込んだときにも、図6(d)のグラフに示すように、運転者がブレーキペダル20の踏込み操作を行った時点t0から、その踏込み操作に応じた大きさの操作依拠ブレーキ力FOPが割込み対処ブレーキ力FCIに加えられて発生させられることになる。その結果、運転者がブレーキ操作を行ったときにおいて実際に発生させられるブレーキ力である総ブレーキ力FTOは、相当に大きなものとなる。
iv)車両の割込みに対処するための処理のフロー
監視処理ECU60,ブレーキECU30は、それぞれ、所定のプログラムを実行することで、上述した処理を行う。上述の処理の内容から解るように、本車両割込み対処システムは、監視処理ECU60とブレーキECU30とによって1つのコントローラが構成され、その1つのコントローラが、仮想的な1つのプログラムである図7にフローチャートを示す車両割込み対処プログラムを、短い時間ピッチ(例えば、数m〜数十msec )で繰り返し実行することで、上述の処理が行われると考えることができる。繰り返しになるが、以下に、車両の割込みに対処するための処理を、その車両割込み対処プログラムに従った処理として、そのフローチャートに沿って説明する。
車両割込み対処プログラムに沿った処理では、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、割込み車両フラグWFの値が判断される。割込み車両フラグWFは、割込み状態にある場合、すなわち、割込み車両が存在すると認定されている場合に、“1”とされるフラグである。
S1において割込み車両が存在しないと判断された場合、S2において、隣接レーンLSに車両TVが存在しているか否か、すなわち、車両TVが走行しているか否かが判断される。車両TVが隣接レーンLSに存在する場合、S3において、その車両TVの自車レーンOL側のウインカが点滅しているか否かが判断される。ウインカが点滅していない場合には、S4において、車両TVの対区画線距離wTが設定閾距離wT0よりも小さく、対区画線速度vTが設定閾速度vT0よりも高く、かつ、対区画線角度θTが設定閾角度θT0よりも大きいという条件を充足しているか否かが判断される。
S3においてウインカが点滅していると判断された場合、S4において、上記条件を充足していると判断された場合、S5において、割込み車両が存在すると認定され、割込み車両フラグWFが“1”とされる。S2において隣接レーンLSに車両TVが存在していないと判断された場合、および、S4において上記条件が充足されていないと判断された場合には、当該プログラムの1回の実行が終了させられる。
S5において割込み車両が存在すると判断された場合、若しくは、S1において割込み車両フラグWFに基づいて割込み車両が存在していると認定された場合には、S6において、自車両OVと割込み車両である車両TVとの車間距離Dおよび相対速度dD/dtに基づいて、図4に示すマップデータを参照しつつ、上述の危険度DEが判定される。そして、S7において、判定された危険度DEが0であると判断されたとき、つまり、自車両OVが割込み車両である車両TVに衝突する危険性が殆どないと判断された場合には、S8において、割込み車両フラグWFが“0”にリセットされて、当該プログラムの1回の実行が終了させられる。まとめて言えば、本システムでは、隣接レーン走行車両が、一旦、割込み車両と認定された場合、その車両が実際に自車レーンに割り込んでも、先に説明した衝突回避ブレーキ力に拠らずに、危険度DEが0となるまでは、本プログラムに従った処理によってその割込み車両に対処するようにされているのである。
S7において危険度DEが0を超えていると判断された場合、すなわち、自車両OVが割込み車両である車両TVに衝突する危険性がある程度あると判断された場合には、S9において、自動ブレーキ力である割込み対処ブレーキ力FCIが、判定されている危険度DEに基づいて、上述の関数FCI(DE)を利用して決定される。
次のS10において、運転者によってブレーキペダル20が操作されているか否かが判定され、ブレーキペダル20が操作されている場合には、S11においてブレーキペダル20の操作量に基づいて、操作依拠ブレーキ力FOPが決定され、ブレーキペダル20が操作されていない場合には、S12において、操作依拠ブレーキ力FOPは、0とされる。続く、S13において、決定された割込み対処ブレーキ力FCIと操作依拠ブレーキ力FOPとが加算されて総ブレーキ力FTOが決定され、S14において、ブレーキアクチュエータ26の増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38に、それぞれ、決定された総ブレーキ力FTOに基づく電流が供給される。
v)車両割込み対処システムの機能構成
以上の説明から解るように、実施例の車両割込み対処システムは、特に、当該システムの制御を司るコントローラは、図8にブロック図で示す機能構成を有していると考えることができる。図8から解るように、コントローラ80は、ブレーキECU30,監視処理ECU60とによって構成されている。
監視処理ECU60は、カメラ50,レーダ52等の情報を基に、隣接レーンLSを走行する車両の割込みの可能性を判断(認定)するとともに、その割込みの可能性がある程度を超えて高くなったときに、割込み状況にあると認定する機能部として、言い換えれば、上記S3〜S5の処理を実行する機能部として、割込み可能性判断部82を有し、カメラ50,レーダ52等の情報を基に割込み車両への自車両の衝突に対する危険度DEを判定する機能部として、言い換えれば、上記S6の処理を実行する機能部として、危険度判定部84を有している。また、監視処理ECU60は、判定された危険度DEに基づいて、割込み対処ブレーキ力FCIを決定する機能部として、言い換えれば、上記S9の処理を実行する機能部として、割込み対処ブレーキ力決定部86を有している。
一方で、ブレーキECU30は、それ自体がブレーキ装置12を制御するブレーキ制御部として機能し、操作量センサ46によって検出されたブレーキペダル20の操作量に基づいて、操作依拠ブレーキ力FOPを決定する機能部、言い換えれば、上記S11の処理を実行する機能部として、操作依拠ブレーキ力決定部88を有している。そして、割込み対処ブレーキ力FCIと操作依拠ブレーキ力FOPとを加算して総ブレーキ力FTOを決定する機能部、すなわち、上記S13の処理を実行する機能部として、加算器90を有しており、決定された総ブレーキ力FTOに基づいて、ドライバ92は、ブレーキアクチュエータ26の増圧用リニア弁36,減圧用リニア弁38に、その総ブレーキ力FTOに応じた電流を供給する。
10:車輪 12:ブレーキ装置 14:監視装置 20:ブレーキペダル〔ブレーキ操作部材〕 26:ブレーキアクチュエータ 28:車輪制動器 30:ブレーキ電子制御ユニット(ブレーキECU)〔ブレーキ制御部〕 36:増圧用リニア弁 38:減圧用リニア弁 50:カメラ 52:レーダ 60:監視処理電子制御ユニット(監視処理ECU) 80:コントローラ 82:割込み可能性判断部 84:危険度判定部 86:割込み対処ブレーキ力決定部 88:操作依拠ブレーキ力決定部 90:加算器 OV:自車両 TV:別の車両 LO:自車レーン LS:隣接レーン DL:区画線 wT:対区画線距離 vT:対区画線速度 θT:対区画線角度 D:車間距離 dD/dt:相対速度 DE:危険度 FCI:割込み対処ブレーキ力 FOP:操作依拠ブレーキ力 FTO:総ブレーキ力

Claims (2)

  1. 自車両が走行する自車レーンの隣の隣接レーンからの区画線を超えた自車両の前への車両の割込みに対処する車両割込み対処システムであって、
    自車両の前方および斜め前方を監視し、隣接レーンを走行する車両の割込みの可能性を認定するとともに、その割込みの可能性がある程度を超えて高くなったときに、割込み状況にあると認定する監視装置と、
    自車両に付与するブレーキ力を発生させるブレーキ装置と、
    (a) 割込み状況下において、前記隣接レーンを走行する車両の割込みに対処するために必要な割込み対処ブレーキ力を、危険度に応じた大きさで決定する割込み対処ブレーキ力決定部と、(b) 割込み状況下において、運転者のブレーキ操作部材の操作に依拠せずに、前記割込み対処ブレーキ力を発生させるべく、前記ブレーキ装置を制御するブレーキ制御部とを有するコントローラと
    を備え、
    前記ブレーキ制御部が、
    割込み状況下において、運転者によって前記ブレーキ操作部材の操作が行われたときに、その操作に応じた操作依拠ブレーキ力を、前記割込み対処ブレーキ力に加えて発生させるべく、前記ブレーキ装置を制御するように構成されたことを特徴とする車両割込み対処システム。
  2. 前記監視装置が、前記隣接レーンを走行する車両の区画線に対する横方向速度、および、区画線に対する横方向位置に基づいて、割込み状況にあると認定する請求項1に記載の車両割込み対処システム。
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