JP2021046469A - 粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者にとっての手切れの感触を良好にすることができる粘着テープを提供する。【解決手段】粘着テープは、作業者が手で引き裂くことができる粘着テープであって、本体部を有すると共に、当該本体部に対して溝部が幅方向に延びるように形成された基材と、基材に形成された粘着層と、を備え、溝部は、底面部と、当該底面部から本体部の主面へ移行する移行部と、を有し、粘着テープを幅方向における一方の端部から他方の端部へ向かって引き裂くものとした場合において、引裂強度が極大となるピークでの引裂強度は3N以上、8N以下であり、引裂強度のピークが生じる箇所は、一方の端部からの幅方向における距離が13mm以下である。【選択図】図2
Description
本発明の一側面は、粘着テープに関する。
従来から、粘着テープが知られている。
下記特許文献1は、作業者が手で引き裂くことができる粘着テープを記載する。特許文献1には、本体部を有すると共に、当該本体部に対してV字状の溝部が幅方向に延びるように形成された基材と、基材に形成された粘着層と、を備える粘着テープが記載されている。
上述の粘着テープは、引き裂きやすくするために、基材の本体部にV字状の溝部が形成されている。この粘着テープでは、手で引き裂くことが容易ではないもの、または引き裂きやすすぎて脆く感じるものがある。そのため、作業者にとっては、手切れの感触が十分に得る事ができず、違和感を覚える場合がある。その一方、基材の強度を上げようとすると、基材の厚みが必要以上に増してしまうという問題がある。若しくは、基材の強度を下げようとすると、基材の厚みが必要以上に薄くなってしまうという問題がある。
本発明の一側面は、作業者にとっての手切れの感触を良好にすることができる粘着テープを提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る粘着テープは、作業者が手で引き裂くことができる粘着テープであって、本体部を有すると共に、当該本体部に対して溝部が幅方向に延びるように形成された基材と、基材に形成された粘着層と、を備え、溝部は、底面部と、当該底面部から本体部の主面へ移行する移行部と、を有し、粘着テープを幅方向における一方の端部から他方の端部へ向かって引き裂くものとした場合において、引裂強度が極大となるピークでの引裂強度は3N以上、8N以下であり、引裂強度のピークが生じる箇所は、一方の端部からの幅方向における距離が13mm以下である。
本発明の一形態によれば、作業者にとっての手切れの感触を良好にすることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、図1を参照して、粘着テープ1の構成について説明する。粘着テープ1は、対象物に貼付可能な帯状部材である。粘着テープ1は、作業者が手で引き裂くことができる部材である。粘着テープ1は、例えばロール状に巻かれたロール製品の状態で提供される。使用時において、作業者は、ロール製品から粘着テープ1を引き出して用いる。なお、以降の説明においては、粘着テープ1が延びる方向を「長手方向D1」とし、粘着テープ1の平面方向であって長手方向D1と直交する方向を「幅方向D2」とする。図1には、ロール製品から粘着テープ1を引き出したときの先端部1aが記載されている。粘着テープ1は幅方向D2において互いに対向する端部1b,1cを有している。粘着テープ1の幅方向D2の寸法は、用途などに応じて適宜変更可能であるが、例えば、5〜200mmなどの範囲に設定されてよい。
粘着テープ1には、幅方向D2に延びる切断誘発部10が、長手方向D1に複数形成される。切断誘発部10は、粘着テープ1の幅方向D2における端部1bと端部1cとの間の全域にわたって延びている。切断誘発部10の長手方向D1におけるピッチは特に限定されないが、0.1〜2mmなどの範囲に設定されてよい。切断誘発部10は、長手方向D1に等ピッチに形成されているが、必ずしも等ピッチでなくともよい。使用者が手で粘着テープ1の引き裂き動作を行った場合、切断誘発部10は、当該切断誘発部10の位置での切断を誘発する。すなわち、切断誘発部10は、粘着テープ1の他の部分に比して、引き裂き力に対する強度を低下させ、切断開始時における切断起点となり易く、且つ、切断開始後に切断が連続的に起こり易くされた箇所である。一つあたりの切断誘発部10の詳細な構成については後述する。
図2に示すように、粘着テープ1は、帯状の基材4、及び当該基材4の片面または両面に形成された粘着層6を有する。基材4は、少なくとも本体部11を有している。本体部11は、粘着テープ1の強度を確保するための部材である。本体部11は、樹脂材料を含んで構成される。樹脂材料として、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂、またはそれらの混合物などが用いられてよい。本体部11は、主面11a及び主面11bを有している。また、本体部11には、溝部12が形成される。溝部12の構成の詳細については、後述する。なお、基材4は、粘着テープ1のうちの粘着層6以外の部分であるため、本体部11以外の層も含んでよい。例えば、図2(c)に示すように、基材4は、本体部11に加え、他の層13を含んでよい。他の層は、粘着層6であってもよいし、その他の機能を有する層であってもよい。また、図2に示す構成の他、剥離紙(図示せず)を含んでいてもよい。基材4上への切断誘発部10の形成方法は、特に限定されないが、例えば溝の反転形状の彫刻を有するロールを転写するエンボスロール法などを用いることができる。
粘着層6は、基材4の片面または両面に粘着剤の層を形成することで設けられる。粘着層6の材料は、特に限定されないが、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが用いられてよい。これにより、粘着テープ1は、一方の面において対象物に対する接合力を有し、他方の面において対象物に対する接合力を有さない粘着テープ1を構成する。または、粘着テープ1は、両方の面において対象物に対する接合力を有する構成する。両方の面において粘着層6を形成する場合、接着力に差がある構成であってもよい。なお、粘着層6が基材4のどちらの主面に形成されるかは特に限定されない。例えば、図2(a)に示すように、粘着層6は、溝部12側の主面11aに形成されてよい。この場合、粘着テープ1を対象物に貼り付けた際に、平坦面である主面11bを外側の面とすることができる。また、図2(b)(c)に示すように、粘着層6は、溝部12とは反対側の主面11bに形成されてよい。また、図2(c)に示す粘着層6は粘着テープ1の両面に形成されていてもよい。粘着層6の塗工に際しては、一般的なコーター、例えば、グラビヤロールコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いることができる。粘着層6の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、1〜100μm程度の範囲から選択することができる。
次に、図2及び図3を参照して、切断誘発部10の構成について説明する。図2及び図3に示すように、切断誘発部10は、本体部11に形成された溝部12によって構成される。溝部12は、本体部11に対して幅方向D2に延びるように形成される。溝部12は、粘着テープ1の端部1bから端部1cまで、本体部11の幅方向D2における全域にわたって形成される。なお、溝部12の長手方向D1におけるピッチなどの位置関係は、前述の切断誘発部10における説明と同様である。
溝部12は、底面部12aと、当該底面部12aから本体部11の主面11aへ移行する移行部12bと、を有する。底面部12aは、主面11aと略平行となるように平面状に広がる。粘着テープ1の長手方向D1における底面部12aの広さW(図2(a)参照)は、20μm以上であってよく、30μm以上であってよい。これにより、溝部12が狭すぎることによって切断開始時にスムーズに切れ過ぎて手切れの感触が得られにくくなることを回避し、手切れの感触を良好にできる。また、当該広さWは、500μm以下であってよく、300μm以下であってよい。これにより、底面部12aが広すぎることによって切断開始時における引裂強度が大きくなりすぎることを回避できる。本体部11の主面11aと主面11bとの間の厚みH1(図2(a)参照)は、40μm以上であってよく、50μm以上であってよく、250μm以下であってよく、200μm以下であってよい。それに対し、底面部12aに対応する箇所における本体部11の厚みH2(図2(a)参照)、すなわち底面部12aと主面11aとの間の厚みは、20μm以上であってよく、30μm以上であってよい。これにより、当該部分が薄くなりすぎることによって切断開始時にスムーズに切れ過ぎて手切れの感触が得られにくくなることを回避し、手切れの感触を良好にできる。また、当該部分の厚みH2は、180μm以下であってよく、120μm以下であってよい。これにより、当該部分が厚すぎることによって切断開始時における引裂強度が大きくなりすぎることを回避できる。
移行部12bは、底面部12aから主面11aへ移行する部分である。一対の移行部12bは、底面部12aの長手方向D1における両端部から、それぞれ主面11aへ向かって立ち上がるようにして形成される。幅方向D2から見たときに、移行部12bは、底面部12aに対して傾斜するように広がる。一対の移行部12bは、主面11a側へ向かうに従って、互いの長手方向D1における隙間が大きくなるように傾斜する。移行部12bは、底面部12aに対して傾斜した状態で平面状に広がる。移行部12bの底面部12aに対する傾斜角θ(図2(a)参照)は、5°以上であってよく、10°以上であってよい。これにより、傾斜角θが浅すぎることによって切断開始時における引裂強度が大きくなりすぎることを回避できる。また、傾斜角θは、85°以下であってよく、80°以下であってよい。これにより、傾斜角θが大きすぎることによって切断開始時にスムーズに切れ過ぎて手切れの感触が得られにくくなることを回避し、手切れの感触を良好にできる。
次に、図4及び図5を参照して、粘着テープ1の強度について説明する。以降の説明では、図5に示すように、粘着テープ1を幅方向D2における一方の端部1bから他方の端部1cへ向かって引き裂くものとする。図4の横軸は、切断の起点である端部1bからの幅方向D2における距離を示している。図4の縦軸は引裂強度を示している。なお、粘着テープ1を端部1cから端部1bへ向かって引き裂いた場合も、同趣旨の関係が成り立つ。
図4に示すように、粘着テープ1では、切断の起点である端部1b付近では引裂強度が大きく上昇し、且つ、変動も大きくなる。そのため、図5(a)(b)に示すように、作業者が端部1b付近を指FGで引き裂こうとしたとき、作業者はある程度の抵抗を感じる。その後は引裂強度が低下し、端部1cまで変動が少なく安定した状態で推移する。そのため、図5(c)に示すように、切断がスムーズに進行する。
引裂強度が極大となるピークP1での引裂強度は3N以上であってよい。これにより、切裂強度が小さすぎることによって切断開始時にスムーズに切れ過ぎて手切れの感触が得られにくくなることを回避し、手切れの感触を良好にできる。
また、ピークP1での引裂強度は8N以下であってよい。これにより、切裂強度が大きすぎることによって切断し難くなることを抑制できる。ピークP1は、端部1bから端部1cまで切断を行う過程において、最も切裂強度が大きくなる。また、引裂強度のピークP1が生じる箇所は、切断の起点となる一方の端部1bからの幅方向D2における距離が13mm以下であってよい。これにより、ピークP1が生じる箇所が、端部1bに近い位置になる。これにより、より短い動作で、最大の引裂強度を超えることができ、良好な手切れの感触を得られやすくなる。また、切断開始時における引裂強度を大きくすることができ、手切れの感触が得られやすくなる。
また、ピークP1での引裂強度は8N以下であってよい。これにより、切裂強度が大きすぎることによって切断し難くなることを抑制できる。ピークP1は、端部1bから端部1cまで切断を行う過程において、最も切裂強度が大きくなる。また、引裂強度のピークP1が生じる箇所は、切断の起点となる一方の端部1bからの幅方向D2における距離が13mm以下であってよい。これにより、ピークP1が生じる箇所が、端部1bに近い位置になる。これにより、より短い動作で、最大の引裂強度を超えることができ、良好な手切れの感触を得られやすくなる。また、切断開始時における引裂強度を大きくすることができ、手切れの感触が得られやすくなる。
なお、引裂強度とは、粘着テープ1の幅方向D2の特定箇所における、引裂に対して抗する強度である。引裂強度は、以下の方法によって定義することができる。図7に示すように、粘着テープ1のサンプル100を50mm×50mmに切り出す。スコッチフィラメントテープ#898(3M社製)を24mm×100mmの試験片を4つ切り出す。粘着テープ1に対して、スコッチフィラメントテープ101A,101Bが50mm飛び出すように幅方向D2に沿って2枚貼り付ける。その際に、スコッチフィラメントテープ101A,101B間の距離を3〜5mm確保し、少なくとも1つの溝が粘着テープ1間に延びて存在するようにする。もう2枚のスコッチフィラメントテープ101C,101Dを、既に取り付けたスコッチフィラメントテープ101A,101Bの試験片の裏側に貼り付ける。スコッチフィラメントテープ101A,101B,101C,101Dの飛び出した部分をオートグラフ(島津製作所、AUTOGRAPH AG−X 100N)の上下のチャックに取り付ける。このとき、スコッチフィラメントテープ101A,101Cは図中の上側へ引っ張られ、スコッチフィラメントテープ101B,101Dは図中の下側へ引っ張られる。これにより、粘着テープ1のうち、スコッチフィラメントテープ101B,101Dで挟まれた部分の端部1bは、折り返されて下側へ向かうように移動する。1000mm/秒のクロスヘッド速度で粘着テープ1を引き裂き、移動距離L1に対する引裂強度を計測する。移動距離L1は、起点CPからの距離L2の倍の値に該当するため、移動距離L1を1/2とすることで起点CPからの距離L2に対する引裂強度を得ることができる。
ピークP1となった後、他方の端部1cへ向かって引き裂く場合に、引裂強度が安定する安定領域E2での引裂強度は、0.5N以上であってよく、1N以上であってよい。これにより、安定領域E2での切裂強度が小さすぎることによって、安定領域E2での切断が進行する時にスムーズに切れ過ぎて手切れの感触が得られにくくなることを回避し、手切れの感触を良好にできる。また、安定領域E2での切裂強度は、6N以下であってよく、5N以下であってよい。これにより、安定領域E2での切裂強度が大きすぎることによって、安定領域E2での切断が進行するときに切断し難くなることを抑制できる。ただし、13mmより端部1c側で計測された値の95%以上が、前述の引裂強度の上限値及び下限値の範囲内となる条件を満たしていればよい。
ここで、安定領域E2の設定方法について説明する。安定領域E2は、ピークP1の箇所よりも、端部1c側に設定される領域であって、端部1cまで続く領域である。安定領域E2よりも端部1b側の領域は、高強度領域E1として設定される。ピークP1は、高い高強度領域E1にて発生する。高強度領域E1と安定領域E2との間の境界部は、端部1bから13mmの位置に設定される。なお、図4では、高強度領域E1のうち、引裂強度が3N以上で8N以下の範囲にハッチングを付している。ピークP1は、当該範囲に収まればよい。また、図4では、安定領域E2のうち、引裂強度が0.5N以上で6N以下の範囲にハッチングを付している。安定領域E2における引裂強度は当該範囲内で推移すればよい。
最大引張強度は、7.5N/cm以上であってよい。最大引張強度は、粘着テープ1を長手方向D1に引っ張ったときに、延びや切断などの粘着テープ1の不可逆的な変形が開始される応力を示している。これにより、粘着テープ1は、長手方向D1にある程度の力で引っ張られた場合であっても、溝部に起因する変形がなく巻き出すことができる。これにより、粘着テープ1は、長手方向D1にある程度の力で引っ張られた場合であっても、切断誘発部10にて切断されることを抑制できる。
次に、本実施形態に係る粘着テープ1の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る粘着テープ1は、作業者が手で引き裂くことができる粘着テープ1であって、本体部11を有すると共に、当該本体部11に対して溝部12が幅方向D2に延びるように形成された基材4と、基材4に形成された粘着層6と、を備え、溝部12は、底面部12aと、当該底面部12aから本体部11の主面11aへ移行する移行部12bと、を有し、粘着テープ1を幅方向D2における一方の端部1bから他方の端部1cへ向かって引き裂くものとした場合において、引裂強度が極大となるピークP1での引裂強度は3N以上、8N以下であり、引裂強度のピークP1が生じる箇所は、一方の端部1bからの幅方向D2における距離が13mm以下である。
この粘着テープ1によれば、溝部12は、底面部12aと、当該底面部12aから本体部11の主面11aへ移行する移行部12bと、を有する。溝部12は、底面部12aを有する形状であるため、例えばスムーズに切れすぎるV字状の溝部に比して、切断開始時に適度な抵抗を生み出し、手切れの感触を良好にすることができる。具体的に、粘着テープ1を幅方向D2における一方の端部1bから他方の端部1cへ向かって引き裂くものとした場合において、引裂強度が極大となるピークP1での引裂強度は3N以上、8N以下であり、引裂強度のピークP1が生じる箇所は、一方の端部1bからの幅方向D2における距離が13mm以下である。これにより、切裂を開始する端部1b付近の箇所における引裂強度のピークP1を適切な大きさとすることができる。以上より、作業者にとっての手切れの感触を良好にすることができる。
引裂強度がピークP1となった後、他方の端部1cへ向かって引き裂く場合に、引裂強度が安定する安定領域E2での引裂強度は、0.5N以上、6N以下であってよい。これにより、切断開始時に適度な抵抗を受けた後は、スムーズに切断を進行させることができる。
粘着テープ1の長手方向D1における底面部12aの広さは、20μm以上、500μm以下であってよい。これにより、切断開始時における引裂強度を適切な大きさとし、手切れの感触を良好にすることができる。
底面部12aに対応する箇所における本体部11の厚みは、20μm以上、180μm以下であってよい。これにより、切断開始時における引裂強度を適切な大きさとし、手切れの感触を良好にすることができる。
最大引張強度が7.5N/cm以上である。これにより、粘着テープ1は、長手方向D1にある程度の力で引っ張られた場合であっても、溝部12に起因する変形がなく巻き出せる。また、溝部12にて切断されることを抑制できる。
幅方向D2から見たときに、移行部12bの底面部12aに対する傾斜角は、5°以上、85°以下である。これにより、切断開始時における引裂強度を適切な大きさとし、手切れの感触を良好にすることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、溝部12には、幅方向D2において所定のピッチで、補強ブリッジが設けられてよい。補強ブリッジは、一方の移行部12bから他方の移行部12bへ長手方向D1へ延びるリブである。ただし、補強ブリッジが設けられる場合も、上述の引裂強度の条件は満たされている。
底面部及び移行部の形状は、上述の実施形態のものに限定されない。例えば、底面部や移行部が多少湾曲していてもよい。
「引裂強度が極大となるピークP1での引裂強度は3N以上、8N以下であり、引裂強度のピークP1が生じる箇所は、一方の端部1bからの幅方向D2における距離が13mm以下で」という条件は、粘着テープ1の中の全ての切断誘発部10が満たしている必要はなく、当該条件を満たさない切断誘発部10が一部に含まれていてもよい。
[実施例]
実施例に係る粘着テープとして、次の条件を満たすものを作成した。本体部11の幅方向D2の寸法を50mmとした。本体部11の主面11aと主面11bとの間の厚みH1を171μmとした。底面部12aに対応する箇所における本体部11の厚みH2を147μmとした。粘着テープの底面部の広さを316μmとした。幅方向D2から見たときに、移行部12bの底面部12aに対する傾斜角を10°とした。切断誘発部10のピッチを1.8mmとした。
実施例に係る粘着テープとして、次の条件を満たすものを作成した。本体部11の幅方向D2の寸法を50mmとした。本体部11の主面11aと主面11bとの間の厚みH1を171μmとした。底面部12aに対応する箇所における本体部11の厚みH2を147μmとした。粘着テープの底面部の広さを316μmとした。幅方向D2から見たときに、移行部12bの底面部12aに対する傾斜角を10°とした。切断誘発部10のピッチを1.8mmとした。
実施例に係る粘着テープは、以下の方法で製造された。ポリプロピレン(Hyosung Corporation製、PP J842)と、ポリエチレン(Japan Polyethylene Corporation製、LDPE Novatec LJ803)とを、70:30の比で、ドライブレンドし、混合樹脂組成物を調製し、該混合樹脂組成物をダイス温度260℃で押出し成形機を用いて押出してフィルムを作製し、該フィルムを凹凸彫刻を施したロールに押し当てることにより、上記基材を作成した。さらに、基材の溝部形成の反対面へ、0.5μmの背面剥離剤層を形成した。その後、その反対面へ、アクリル系粘着剤(綜研化学製SKダイン1503、東ソー製コロネートLを混合したもの)層を、30μm形成し、粘着テープを得た。上記測定法による、引裂強度のピークP1は、6.9N、ピークP1が生じる距離が、6mmであった。安定領域E2での引裂強度の平均値は、2.2N、最大引張強度は、31N/cmであった。官能評価で、良好な引裂性を得た。
比較例1に係る粘着テープとして、ポリエチレン製のV溝が形成されたスコッチブループレミアムテープ#2098(3M社製)を用いた。幅方向D2の寸法を50mmとした。V溝間のピッチは940μm、厚みH2は62μm、角度は25度である。上記測定法による、引裂強度のピークP1は、11.2N、ピークP1が生じる距離が、8mm、安定領域E2での引裂強度の平均値は、4.2N、最大引張強度は16N/cmであった。官能評価では、引き裂くことが容易ではなかった。
上述の実施例に係る粘着テープと比較例に係る粘着テープの引裂強度を、前述の引裂強度試験により測定した。測定結果を図6に示す。
1…粘着テープ、4…基材、6…粘着層、11…本体部、12…溝部、12a…底面部、12b…移行部。
Claims (6)
- 作業者が手で引き裂くことができる粘着テープであって、
本体部を有すると共に、当該本体部に対して溝部が幅方向に延びるように形成された基材と、
前記基材に形成された粘着層と、を備え、
前記溝部は、底面部と、当該底面部から前記本体部の主面へ移行する移行部と、を有し、
前記粘着テープを前記幅方向における一方の端部から他方の端部へ向かって引き裂くものとした場合において、
引裂強度が極大となるピークでの前記引裂強度は3N以上、8N以下であり、
前記引裂強度の前記ピークが生じる箇所は、前記一方の端部からの前記幅方向における距離が13mm以下である、粘着テープ。 - 前記引裂強度が前記ピークとなった後、前記他方の端部へ向かって引き裂く場合に、前記引裂強度が安定する安定領域での前記引裂強度は、0.5N以上、6N以下である、請求項1に記載の粘着テープ。
- 前記粘着テープの長手方向における前記底面部の広さは、20μm以上、500μm以下である、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
- 前記底面部に対応する箇所における前記本体部の厚みは、20μm以上、180μm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の粘着テープ。
- 最大引張強度が7.5N/cm以上である、請求項1〜4の何れか一項に記載の粘着テープ。
- 前記幅方向から見たときに、前記移行部の前記底面部に対する傾斜角は、5°以上、85°以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の粘着テープ。
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