JP5973179B2 - 粘着テープロール - Google Patents
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Description
基材の一方の面に粘着面が形成された粘着テープを巻回してなる粘着テープロールであって、
上記粘着テープには、上記基材を貫通する切れ目と、隣接する上記切れ目の間に残された未切断部とを交互に有し、かつ、上記粘着テープの長手方向に対する傾斜方向に沿って形成されたミシン目が、上記傾斜方向と直交する方向に一定の間隔をあけて平行に複数形成され、上記複数のミシン目のうち、隣接するミシン目の隣接する切れ目同士が、上記粘着テープの幅方向に整列していることを特徴とする。
第1の発明によれば、粘着テープには、その長手方向に対する傾斜方向に沿って手切り切断用のミシン目が形成されているので、粘着テープを引き出したときに当該粘着テープを指で容易かつ綺麗に切断することができる。粘着テープに幅方向に沿ったミシン目を形成した場合、長手方向への引張り強度が極端に小さくなり、粘着テープをロールから勢いよく引き出すと粘着テープが切れてしまったり、粘着テープを貼った後に少しの力で粘着テープが切れてしまう可能性がある。一般に、粘着テープで2つの物(例えば紙)を結合する際、人の習性として、当該物の端縁に対して粘着テープの長手方向が直角または平行になるように粘着テープを貼り付ける傾向がある。粘着テープに幅方向に沿ったミシン目を形成し、物の端縁に対して粘着テープの長手方向が直角になるように当該粘着テープを貼り付けた場合、テープの幅方向全体においてミシン目と物の端縁の位置が一致し、ミシン目に集中応力が加わり、テープが破断してしまう可能性がある。また、粘着テープに長手方向に沿ったミシン目を形成した場合、長手方向への引張り強度が極端に大きくなり、ロールから引き出した粘着テープを指で切断することが困難となる。また、粘着テープに長手方向に沿ったミシン目を形成し、物の端縁に対して粘着テープの長手方向が平行になるように当該粘着テープを貼り付けた場合、テープの長手方向全体においてミシン目と物の端縁の位置が一致し、ミシン目に集中応力が加わり、テープが破断してしまう可能性がある。これに対し、粘着テープに傾斜方向に沿ったミシン目を形成した場合、粘着テープをロールから勢いよく引き出しても切れることがなく、粘着テープを貼った後も切れにくくなり、しかも、ロールから引き出した粘着テープを指で容易に切断することができる。
上記傾斜方向が上記長手方向となす角度は、5〜85度であることを特徴とする。
上記切れ目は第1の長さを有し、上記未切断部は、上記第1の長さよりも長い第2の長さを有することを特徴とする。
上記粘着テープの基材は一軸延伸または二軸延伸フィルムであり、当該一軸延伸フィルムの延伸方向または上記二軸延伸フィルムの一延伸方向が上記粘着テープの長手方向に沿っていることを特徴とする。
基材の一方の面に粘着面が形成された粘着テープを巻回してなる粘着テープロールの製造方法であって、
上記粘着テープに、上記基材を貫通する切れ目と、隣接する上記切れ目の間に残された未切断部とを交互に有し、かつ、上記粘着テープの長手方向に対する傾斜方向に沿って形成されたミシン目を、上記傾斜方向と直交する方向に一定の間隔をあけて平行に複数形成する工程を有し、上記複数のミシン目のうち、隣接するミシン目の隣接する切れ目同士が、上記粘着テープの幅方向に整列していることを特徴とする粘着テープロールの製造方法である。
本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る粘着テープロールを示す図である。図2は、図1に示される粘着テープのミシン目を拡大して示す図である。
まず、粘着テープロール1の表面から粘着テープ3を引き出す。次いで、引き出した粘着テープ3の一方の側縁部を両手の指で持ち、その指で粘着テープ3にせん断力を与える。そのせん断力により、粘着テープ3はミシン目4を境として切断される。これにより、所望長さの粘着テープ3を得ることができる。切断して得た所望長さの粘着テープ3は、適所に貼り付けられ、例えば図画工作等に使用することができる。
<引張強度試験>
まず、ミシン目の傾斜角度が異なる複数の粘着テープを用意し、各粘着テープを図9に示される引張試験機の2つのクランプ部7にクランプさせた。一方のクランプ部7は、粘着テープの長手方向一端側に位置し、他方のクランプ部7は、粘着テープの長手方向他端側に位置し、互いが「ハ」字をなすように配置した。クランプ部7同士がなす角度の初期値は例えば30度である。2つのクランプ部7は、間隔が小さい側の間隔d1が、間隔が大きい側の間隔d2に等しくなるまで向きを変えて行く。つまり、2つのクランプ部7は、互いが平行になるまで向きを変えて行く(矢印の向きに変位する)。これにより、粘着テープの間隔d1に大きな引張応力が発生し、許容引張応力を超えた時点で粘着テープは間隔d1側から破断する。なお、クランプ部7の引張りにより発生する応力は、人が指で切断する際に発生するせん断応力に近い値である。
図10、11からわかるように、ミシン目の傾斜角度が小さくなるにつれて、つまりミシン目の方向が粘着テープの長手方向に近づくにつれて、次第に破断に要する引張力が大きくなることがわかる。上記引張強度が小さいほど手切れ性が良くなる反面、長手方向の引張りに弱くなるので、適切な角度設定が必要となる。図11からわかるように、セロハンテープと同程度の引張強度(破断強度)を有するためには、上記(a)の条件では、例えば、90度>傾斜角度≧23度が好ましく、上記(b)の条件では、例えば、90度>傾斜角度≧39度が好ましく、上記(c)の条件では、例えば、90度>傾斜角度≧45度が好ましい。
<手切れ性試験>
本発明に係る粘着テープ3(実施例)の手切れ性と、比較例の手切れ性について感応試験を行った。具体的には、以下の実施例1〜4、比較例1〜3に係る粘着テープロールを20個用意し、各粘着テープロールから粘着テープを引き出し、引き出された粘着テープを指で幅方向に切断する動作を行い、切断のし易さについて試験した。
実施例1に係る粘着テープロールの粘着テープは、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム製であり、幅20mm、厚さ40μm、幅方向両端部(各端部幅1〜1.5mm)に切れ目5無し、長手方向H1に対してミシン目4がなす角度56.25度、ミシン目4の切れ目5の長さ0.2mm、未切断部6の長さ2mmであった。
実施例2に係る粘着テープロールの粘着テープは、OPP製であり、幅20mm、厚さ40μm、幅方向両端部(各端部幅1〜1.5mm)に切れ目5無し、長手方向H1に対してミシン目4がなす角度45度、ミシン目4の切れ目5の長さ0.2mm、未切断部6の長さ2mmであった。
実施例3に係る粘着テープロールの粘着テープは、OPP製であり、幅20mm、厚さ40μm、幅方向両端部(各端部幅1〜1.5mm)に切れ目5無し、長手方向H1に対してミシン目4がなす角度22.5度、ミシン目4の切れ目5の長さ0.2mm、未切断部6の長さ2mmであった。
実施例4に係る粘着テープロールの粘着テープは、OPP製であり、幅20mm、厚さ40μm、幅方向両端部に切れ目5有り、長手方向H1に対してミシン目4がなす角度15度、ミシン目4の切れ目5の長さ0.2mm、未切断部6の長さ2mmであった。
比較例1に係る粘着テープロールの粘着テープは、セロハン製であり、幅20mm、フィルム厚さ36μm、ミシン目無しであった。
比較例2に係る粘着テープロールの粘着テープは、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)製であり、幅20mm、フィルム厚さ25μm、ミシン目無しであった。
比較例3に係る粘着テープロールの粘着テープは、OPP製であり、幅20mm、フィルム厚さ40μm、ミシン目無し、幅方向両端部(各端部幅5mm)にランダムに多数の穴明けをしたものであった。
図12に試験結果を示す。図12に示されるように、実施例1〜4に係る粘着テープは、いずれも、20回すべて問題なく容易に切断することができた。また、いずれの粘着テープもミシン目で切断されるので、切断部は直線状であった。このため、引き出された粘着テープをロール表面に戻しても、粘着テープを剥がして再度引き出すことは容易であった。
2 粘着面
3 粘着テープ
4 ミシン目
5 切れ目
6 未切断部
7 クランプ部
H1 長手方向
H2 傾斜方向
d1 狭い側の間隔
d2 広い側の間隔
Claims (5)
- 基材の一方の面に粘着面が形成された粘着テープを巻回してなる粘着テープロールであって、
前記粘着テープには、前記基材を貫通する切れ目と、隣接する前記切れ目の間に残された未切断部とを交互に有し、かつ、前記粘着テープの長手方向に対する傾斜方向に沿って形成されたミシン目が、前記傾斜方向と直交する方向に一定の間隔をあけて平行に複数形成され、
前記複数のミシン目のうち、隣接するミシン目の隣接する切れ目同士が、前記粘着テープの幅方向に整列していることを特徴とする粘着テープロール。 - 前記傾斜方向が前記長手方向となす角度は、5〜85度であることを特徴とする請求項1に記載の粘着テープロール。
- 前記切れ目は第1の長さを有し、前記未切断部は、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の粘着テープロール。
- 前記粘着テープの基材は一軸延伸または二軸延伸フィルムであり、当該一軸延伸フィルムの延伸方向または前記二軸延伸フィルムの一延伸方向が前記粘着テープの長手方向に沿っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープロール。
- 基材の一方の面に粘着面が形成された粘着テープを巻回してなる粘着テープロールの製造方法であって、
前記粘着テープに、前記基材を貫通する切れ目と、隣接する前記切れ目の間に残された未切断部とを交互に有し、かつ、前記粘着テープの長手方向に対する傾斜方向に沿って形成されたミシン目を、前記傾斜方向と直交する方向に一定の間隔をあけて平行に複数形成する工程を有し、
前記複数のミシン目のうち、隣接するミシン目の隣接する切れ目同士が、前記粘着テープの幅方向に整列していることを特徴とする粘着テープロールの製造方法。
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