JP2021046131A - シートヒータ - Google Patents

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Koji Yoshimoto
弘次 吉本
真 岩佐
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Abstract

【課題】ヒータ線の断線を抑制することができるシートヒータを提供する。【解決手段】シートヒータ20において、ヒータ線40は、座席のX軸プラス方向に延びてX軸プラス方向と反対のX軸マイナス方向にUターンしているUターン配線部43と、Uターン配線部43以外の部分であり曲線状の曲線配線部44と、曲線配線部44と連続している第1配線部45aと、第1配線部45aと連続している直線状の第2配線部45bとを有し、Uターン配線部43及び曲線配線部44を基材30に縫い付ける縫い目の第1縫製ピッチと、第1縫製ピッチよりも大きい縫製ピッチであり、第2配線部45bを基材30に縫い付ける縫い目の第2縫製ピッチとで縫い付けられている。第1配線部45aは、第1縫製ピッチから第2縫製ピッチに至るまで、次第に大きくなる縫製ピッチで、基材30に縫い付けられている。【選択図】図3

Description

本開示は、例えば車両等に装備されている座席を温めるシートヒータに関する。
従来、車両等に装備されている座席の暖房用器具として、その座席の座面を温めるシートヒータが開示されている(特許文献1参照)。このシートヒータは、支持体と、支持体にミシンにて縫合し固定され、縫いピッチを4.1(mm)〜6.5(mm)とした直線部分と、直線部分と異なるピッチとした曲線部分とを有するチュービングヒータ配線とを備える。
従来のシートヒータでは、ユーザが座席に着座した際に発生する皺に対応する部分に、縫いピッチの大きい直線部分を設けることで、チュービングヒータ配線が皺に追従して折れないように、チュービングヒータ配線を逃がす。これにより、シートヒータでは、チュービングヒータ配線の折れによる断線を抑制している。
特開2003−173860号公報
しかしながら、上記特許文献1のシートヒータを座席の正面部の両側部分であるサイド部に適応した場合、サイド部に配置されたヒータ線は、シートの前後方向と直交する横方向に働く力によって、曲線部分に近接する直線部分が縫製糸から飛び出る場合がある。この場合、ヒータ線が座席のカバー等に引っ掛かることで、ヒータ線が断線し易くなるという課題が生じる。
そこで、本開示では、ヒータ線の断線を抑制することができるシートヒータを提供する。
本開示の一態様に係るシートヒータは、座席の正面部の両側部分であるサイド部に配置されている基材と、縫製糸によって前記基材の一面に縫い付けられているヒータ線とを備え、前記ヒータ線は、前記座席の第1方向に延びて前記第1方向と反対の第2方向にUターンしているUターン配線部と、前記Uターン配線部以外の部分であり曲線状の曲線配線部と、前記曲線配線部と連続している第1配線部と、前記第1配線部と連続している直線状の第2配線部とを有し、前記Uターン配線部及び前記曲線配線部を前記基材に縫い付ける縫い目の第1縫製ピッチと、前記第1縫製ピッチよりも大きい縫製ピッチであり、前記第2配線部を前記基材に縫い付ける縫い目の第2縫製ピッチとで縫い付けられ、前記第1配線部は、前記第1縫製ピッチから前記第2縫製ピッチに至るまで、次第に大きくなる縫製ピッチで、前記基材に縫い付けられている。
なお、この包括的又は具体的な態様は、システム、方法又は集積回路等の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示のシートヒータは、ヒータ線の断線を抑制することができる。
図1は、実施の形態におけるシートヒータが備えられた座席の外観を示す斜視図である。 図2は、図1のA−A線における座席の断面を示す断面図である。 図3は、実施の形態におけるシートヒータの上面図である。 図4は、実施の形態におけるシートヒータのヒータ線の一部を拡大した部分拡大図である。 図5は、実施の形態におけるシートヒータの一部を拡大した部分拡大図である。 図6は、シートヒータの第3採暖部に力が加わった場合のヒータ線の様子を側面から見た場合の模式図である。 図7は、実施の形態におけるシートヒータの第3採暖部に応力が加わった様子を例示した模式図である。
本開示の一態様に係るシートヒータは、座席の正面部の両側部分であるサイド部に配置されている基材と、縫製糸によって前記基材の一面に縫い付けられているヒータ線とを備え、前記ヒータ線は、前記座席の第1方向に延びて前記第1方向と反対の第2方向にUターンしているUターン配線部と、前記Uターン配線部以外の部分であり曲線状の曲線配線部と、前記曲線配線部と連続している第1配線部と、前記第1配線部と連続している直線状の第2配線部とを有し、前記Uターン配線部及び前記曲線配線部を前記基材に縫い付ける縫い目の第1縫製ピッチと、前記第1縫製ピッチよりも大きい縫製ピッチであり、前記第2配線部を前記基材に縫い付ける縫い目の第2縫製ピッチとで縫い付けられ、前記第1配線部は、前記第1縫製ピッチから前記第2縫製ピッチに至るまで、次第に大きくなる縫製ピッチで、前記基材に縫い付けられている。
これによれば、座席の正面部にユーザが着座又は離席しようとすると、基材が横方向(ユーザ側であり、例えば左右方向)に引っ張られるため、引っ張りの応力は、ヒータ線の曲線配線部に集まる。このように、あえて応力が集中する曲線配線部を設けることで、曲線配線部に基材から離れて縫製糸の間から飛び出ようとする力が働くようにする。そして、曲線配線部を、狭いピッチである第1縫製ピッチで縫製することにより、曲線配線部は縫製糸の間から飛び出し難くなる。さらに、曲線配線部に連続している第1配線部にも応力が働くが、第1配線部は、第2縫製ピッチよりも狭いピッチで基材に縫い付けられているため、縫製糸の間から飛び出し難くなっている。つまり、曲線配線部に働く引っ張りの応力を第1配線部にも分散させることで、さらに縫製糸の間からのヒータ線の飛び出しを抑制することができる。
したがって、このシートヒータでは、ヒータ線の断線を抑制することができる。例えば、座席を車両に適用した場合、車両の乗降口側のサイド部には、ユーザが乗り降りするため、ユーザによる荷重が加わり易い環境である。このため、ヒータ線が縫製糸の間から飛び出ようとする力が働き易くなるが、本開示では、ヒータ線の断線を抑制することができる。
また、本開示の他の態様に係るシートヒータにおいて、前記基材は、前記座席に固定されるための、第1固定部と前記第1固定部に隣り合う第2固定部とを有し、前記第1固定部の第1中心と前記第2固定部の第2中心とを結ぶ直線の中点を規定した場合、前記曲線配線部は、前記第1中心を中心として、前記第1中心と前記中点との距離を半径とする円の内部に配置されている。
例えば、座席にユーザが着座しようとする、若しくは離席しようとすると、ユーザがサイド部を横方向に移動することにより、第1固定部及び第2固定部が横方向に引っ張られる。第1固定部及び第2固定部から横方向に位置する基材の一部分には皺が発生し易くなり、縫製糸の間から飛び出ようとする力が働き易くなる。このため、例えば、円の内部に直線状の第2配線部を配置した場合では、縫製糸の間からヒータ線が飛び出し易くなる。
しかし、本開示では、円の内部に曲線配線部を配置し、第1縫製ピッチで曲線配線部を縫製するため、第1固定部及び第2固定部から横方向に位置する曲線配線部が、縫製糸の間からのヒータ線が飛び出してしまうことを抑制することができる。
また、本開示の他の態様に係るシートヒータにおいて、前記基材は、前記第1固定部及び前記第2固定部を含む、複数の固定部を有し、前記複数の固定部は、前記基材の外周方向に沿って形成されている。
これによれば、基材を座席に強固に固定することができる。このため、基材の位置ズレが抑制されているため、座席に着座するユーザを確実に温めることができる。
また、本開示の他の態様に係るシートヒータにおいて、前記基材は、前記サイド部に沿って前記第1方向に延びる延在部を有し、前記複数の固定部は、前記延在部の外周部分から張り出る凸状の形状を有する。
これによれば、それぞれの固定部によって座席に固定することができるため、シートヒータを座席に取り付け易くなる。
また、本開示の他の態様に係るシートヒータにおいて、前記第1方向に沿って前記延在部の一方側に形成されている、前記複数の固定部のうちの2以上の固定部と、前記第1方向に沿って前記延在部の他方側に形成されている、前記複数の固定部のうちの2以上の固定部とは、互い違いに配置されている。
これによれば、基材を座席に略均等に固定することができるため、ユーザの着座によって生じる基材の皺の発生を抑制することができる。このため、縫製糸の間からヒータ線が飛び出ることを抑制することができる。
また、本開示の他の態様に係るシートヒータにおいて、前記基材は、発泡性樹脂からなる。
これによれば、ユーザが座席に着座した際に、ユーザの臀部及び大腿部等の形状に合わせて座席が変形するため、ユーザの座り心地がよくなる。
特に、発泡性樹脂は柔軟な素材であるため、ヒータ線が縫製糸の間からの飛び出し易くなるが、本開示のシートヒータでは、縫製糸の間からのヒータ線が飛び出してしまうことを抑制することができるため、基材が発泡性樹脂であっても、適用することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略矩形等の表現を用いている。例えば、略T矩形は、完全に矩形状であることを意味するだけでなく、実質的に矩形状である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において矩形状という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
以下の説明において、座席の前後方向をX軸方向と称し、座席の上下方向をZ軸方向と称す。さらに、座席の左右方向、すなわちX軸方向及びZ軸方向のそれぞれに垂直な方向をY軸方向と称す。また、X軸方向における、座席の前側をプラス方向側と称し、座席の後側をマイナス方向側と称す。また、Y軸方向における、座席の左側(図1では右手前側)をプラス方向側と称し、その反対側をマイナス方向側と称す。また、Z軸方向における、座席の上側をプラス方向側と称し、座席の下側をマイナス方向側と称す。図2以降においても、同様に適用する。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態)
<構成:座席1>
図1は、実施の形態におけるシートヒータ20が備えられた座席1の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、例えば車両などに装備されている座席1は、シートバック14と、ヘッドレスト15と、シートクッション10と、シートヒータ20とを備えている。
シートバック14は、座席1に着座するユーザの背部を支える背もたれ部である。シートバック14は、シートクッション10に対して立上るように配置されている。
ヘッドレスト15は、座席1に着座するユーザの頭部を支える頭あて部である。ヘッドレスト15は、シートバック14のZ軸プラス方向側の端部に固定されている。
[シートクッション10]
図2は、図1のA−A線における座席1の断面を示す断面図である。図2では、シートバック14等を省略している。
図1及び図2に示すように、シートクッション10は、座席1に着座するユーザの臀部及び大腿部を支える座席1の座部である。シートクッション10は、クッション材に相当する第1シートパッド11a、第2シートパッド11b、第3シートパッド11c及び第4シートパッド11dと、その第1シートパッド11a、第2シートパッド11b、第3シートパッド11c及び第4シートパッド11dを覆う第1シートカバー12a、第2シートカバー12b、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dとを有している。
第1シートパッド11aは、例えばウレタンフォーム等からなり、座席本体の一部を構成する。第1シートパッド11aは、厚みのある略矩形の板状であり、X−Y平面と略平行な姿勢で配置されている。第1シートパッド11aは、着座するユーザの臀部及び大腿部を支持することができる。
第2シートパッド11bは、例えばウレタンフォーム等からなり、座席本体の一部を構成する。第2シートパッド11bは、第1シートパッド11aの一方側であるY軸マイナス方向側の端縁に配置されている、座席1のサイド部に相当する。本実施の形態では、第2シートパッド11bは、ユーザの右臀部から右大腿部に沿って、つまり、第1シートパッド11aのY軸マイナス方向側の端縁に沿って配置されている。第2シートパッド11bは、ユーザの右臀部から右大腿部に至る右側部分を支持する。
第3シートパッド11cは、例えばウレタンフォーム等からなり、座席本体の一部を構成する。第3シートパッド11cは、第1シートパッド11aの他方側であるY軸プラス方向側に配置されている座席1のサイド部に相当する。本実施の形態では、第3シートパッド11cは、ユーザの左臀部から左大腿部に沿って、つまり、第1シートパッド11aのY軸プラス方向側の端縁に沿って配置されている。第3シートパッド11cは、ユーザの左臀部から左大腿部に至る左側部分を支持する。
第4シートパッド11dは、例えばウレタンフォーム等からなる。第4シートパッド11dは、第1シートパッド11a、第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cのそれぞれよりも、厚みの薄い板状であり、シートヒータ20を覆う。
第4シートパッド11dは、シートヒータ20と第1シートカバー12a、第2シートカバー12b、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dとの間に配置され、シートヒータ20に対する弾性部材として機能する。つまり、第4シートパッド11dは、座席1に着座するユーザの臀部及び大腿部とシートヒータ20との間に配置されていることで、シートヒータ20の違和感を抑制する弾性部材として機能する。
第1シートカバー12aは、ユーザの臀部に対応する位置にある第4シートパッド11dの部分を覆うカバーである。第1シートカバー12aは、ユーザの臀部に対応する位置に配置され、第1シートパッド11aの一部を覆う。第1シートカバー12aは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第2シートカバー12bは、ユーザの大腿部に対応する位置にある第4シートパッド11dの部分を覆うカバーである。第2シートカバー12bは、ユーザの大腿部に対応する位置に配置され、第1シートパッド11aの一部を覆う。第2シートカバー12bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第3シートカバー12cは、ユーザの右臀部から右大腿部に至る右側部分に対応する位置にある第4シートパッド11dの部分を覆うカバーである。第3シートカバー12cは、例えば革等からなり、ユーザの右臀部から右大腿部に至る右側部分に対応する位置に配置されている。つまり、第3シートカバー12cは、第1シートカバー12a及び第2シートカバー12bのY軸マイナス方向側に配置され、第2シートパッド11bを覆う。第3シートカバー12cは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第4シートカバー12dは、ユーザの左臀部から左大腿部に至る左側部分に対応する位置にある第4シートパッド11dの部分を覆うカバーである。第4シートカバー12dは、例えば革等からなり、ユーザの左臀部から左大腿部に至る左側部分に対応する位置に配置されている。つまり、第4シートカバー12dは、第1シートカバー12a及び第2シートカバー12bのY軸プラス方向側に配置され、第3シートパッド11cを覆う。
[シートヒータ20]
シートヒータ20は、車両等の座席1に装備され、ユーザが座席1に着座した際に発熱によって座席1の座面部10aを温めることで、ユーザの臀部及び大腿部等を温めることができるヒータ装置である。シートヒータ20は、第1シートパッド11aと第4シートパッド11dとの間に配置されている。本実施の形態では、シートヒータ20は、座席1の座面部10aに設けられるが、シートバック14等に設けられてもよい。
座面部10aは、正面部の一例である。本実施の形態では、シートヒータ20をシートクッション10に適用した場合を説明しているが、シートヒータ20をシートバック14に適用した場合、ユーザの背中と接触するシートバック14の背もたれ面部が、正面部の一例となる。
図3は、実施の形態におけるシートヒータ20の上面図である。
図1及び図3に示すように、シートヒータ20は、第1採暖部21と、第2採暖部23と、接続部22と、第3採暖部24aと、第4採暖部24bとを備える。
第1採暖部21は、第1シートカバー12a及び第4シートパッド11dに覆われ、座席1に着座するユーザの臀部を、第1シートカバー12a及び第4シートパッド11dを介して温める。第1採暖部21は、座席1における、ユーザの臀部に対応する部分、つまり、第1シートカバー12aに対応する部分に配置されている。
第2採暖部23は、第2シートカバー12b及び第4シートパッド11dに覆われ、座席1に着座するユーザの大腿部を、第2シートカバー12b及び第4シートパッド11dを介して温める。第2採暖部23は、座席1における、ユーザの大腿部に対応する部分、つまり、第2シートカバー12bに対応する部分に配置されている。
接続部22は、第1採暖部21と第2採暖部23との間に配置され、第1採暖部21及び第2採暖部23とを接続する部分である。
第3採暖部24aは、第3シートカバー12c及び第4シートパッド11dに覆われ、座席1に着座するユーザの右臀部から右大腿部に沿って、第3シートカバー12c及び第4シートパッド11dを介して温める。第3採暖部24aは、座席1における、ユーザの右臀部から右大腿部に至る右側部分に対応する部分、つまり、第3シートカバー12cに対応する部分に配置されている。具体的には、第3採暖部24aは、X軸方向に長尺であり、第1採暖部21及び第2採暖部23の右側端縁に沿って配置されている。
第4採暖部24bは、第4シートカバー12d及び第4シートパッド11dに覆われ、座席1に着座するユーザの左臀部から左大腿部に沿って、第4シートカバー12d及び第4シートパッド11dを介して温める。第4採暖部24bは、座席1における、ユーザの左臀部から左大腿部に至る左側部分に対応する部分、つまり、第4シートカバー12dに対応する部分に配置されている。具体的には、第4採暖部24bは、X軸方向に長尺であり、第1採暖部21及び第2採暖部23の左側端縁に沿って配置されている。
また、シートヒータ20は、基材30と、ヒータ線40と、縫製糸50と、ヒータ線40に電力を供給するハーネス70とを備える。
[基材30]
基材30は、弾性、柔軟性及び延性を有する材質によってシート状に形成された布状のウレタン等の発泡性樹脂からなる。なお、基材30は、不織布であってもよい。
基材30は、第1基材部分31と、第2基材部分32と、接続部22と、第3基材部分33と、第4基材部分34とを有している。
第1基材部分31は、第1採暖部21に対応する部分であり、矩形状に形成されている。第1基材部分31は、ユーザの臀部に対応する第1シートパッド11aの部分の上面(Z軸プラス方向側の面)に配置されている。
第2基材部分32は、第2採暖部23に対応する部分であり、矩形状に形成されている。第2基材部分32は、ユーザの大腿部に対応する第1シートパッド11aの部分の上面(Z軸プラス方向側の面)に配置されている。
第1基材部分31及び第2基材部分32は、この並び順でX軸方向に沿って配列され、2つの接続部22と共に一体に構成されている。
2つの接続部22は、第1基材部分31と第2基材部分32とを接続する部分である。例えば、2つの接続部22のそれぞれは、筒状に形成されている。2つの接続部22のそれぞれには、ヒータ線40の一部(後述する第1ヒータ線41の一部)が内面に縫い付けられている。
第3基材部分33は、第3採暖部24aに対応する部分であり、X軸方向に延びる帯状に形成されている。第3基材部分33は、第1基材部分31に接続され、第1基材部分31及び第2基材部分32のY軸マイナス方向側の端縁に沿って、第2シートパッド11bと第4シートパッド11dとの間に配置されている。言い換えれば、第3基材部分33は、座席1の座面部10aの両側部分のうちのY軸マイナス方向側の第2シートパッド11bに配置されている。第3基材部分33は、基材30の一例である。
第4基材部分34は、第4採暖部24bに対応する部分であり、X軸方向に延びる帯状に形成されている。第4基材部分34は、第1基材部分31に接続され、第1基材部分31及び第2基材部分32のY軸プラス方向側の端縁に沿って、第3シートパッド11cと第4シートパッド11dとの間に配置されている。言い換えれば、第4基材部分34は、座席1の座面部10aの両側部分のうちのY軸プラス方向側の第3シートパッド11cに配置されている。第4基材部分34は、X−Z平面に対して第3基材部分33と面対称となる位置に配置され、第3基材部分33と一対の基材部分を構成する。第4基材部分34は、基材30の一例である。
また、第3基材部分33及び第4基材部分34は、座席1に固定されるための、第1固定部33b1と第1固定部33b1に隣り合う第2固定部33b2とを有している。具体的には、第3基材部分33及び第4基材部分34は、基材30は、第1固定部33b1及び第2固定部33b2を含む、複数の固定部33bを有している。複数の固定部33bは、基材30の外周方向に沿って形成されている。
また、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれは、延在部33aと、複数の固定部33bとを有している。
延在部33aは、サイド部である第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cのそれぞれに沿って第1方向(本実施の形態ではX軸方向であり、例えばX軸プラス方向)に延びている。つまり、2つの延在部33aは、第1基材部分31からX軸プラス方向に延びる帯状である。第3基材部分33の延在部33aは第2シートパッド11bの上面に載置され、第4基材部分34の延在部33aは第3シートパッド11cの上面に載置されている。
複数の固定部33bのそれぞれは、面ファスナー、両面テープ、ピン等によって、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dに固定されている。
複数の固定部33bのそれぞれは、延在部33aの外周部分から張り出る凸状であり、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dに固定されている部分である。具体的には、第3基材部分33の複数の固定部33bは、第3シートカバー12cに固定されることで、第3基材部分33が第3シートカバー12cに固定される。また、第4基材部分34の複数の固定部33bは、第4シートカバー12dに固定されることで、第4基材部分34が第4シートカバー12dに固定される。なお、第3シートカバー12cに固定された第3基材部分33及び第4シートカバー12dに固定された第4基材部分34は、図には記載していないが、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dが第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cにCリング等を用いて固定されることによって、第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cに固定されてもよい。
また、複数の固定部33bのそれぞれは、延在部33aの外周に沿って、規定の間隔で設けられている。また、X軸方向に沿って延在部33aの一方端縁側(例えば、基材部分側)に形成されている、複数の固定部33bのうちの2以上の固定部33bと、X軸方向に沿って延在部33aの他方端縁側(例えば、基材部分側とは反対側)に形成されている、複数の固定部33bのうちの2以上の固定部33bとは、互い違いに配置されている。つまり、第3基材部分33の延在部33a及び第4基材部分34の延在部33aでは、基材部分側に配置されている2以上の固定部33bは、基材部分側とは反対側に配置されている2以上の固定部33bと互い違いとなるように配置されている。
[ヒータ線40]
ヒータ線40は、図示しない制御装置と電気的に接続され、図示しない電源部から電流が流されることによって、発熱することが可能な導電線である。
ヒータ線40は、ハーネス70から基材30の各部分を通ってそのハーネス70に戻るように基材30の一面に縫い付けられている。ヒータ線40は、銅等の金属線であって、例えばポリエステル繊維の糸を縫製糸50として用いて基材30の一面に縫い付けられている。ヒータ線40は、ジグザグ状のパターンが形成されるように、縫製糸50により基材30の表面に縫い付けられている。ここで、ヒータ線40が縫製糸50により基材30の表面に縫い付けられているとは、基材30に縫い付けられた縫製糸50によりヒータ線40が基材30に保持されている状態である。
具体的には、ヒータ線40は、1本の金属線であり、第1基材部分31、第2基材部分32、接続部22、第3基材部分33、及び、第4基材部分34のそれぞれにおいて、ジグザグ状に縫い付けられている。なお、以下の説明では、ヒータ線40のうち、第1基材部分31、第2基材部分32、及び、接続部22にジグザグ状に縫い付けられているものを第1ヒータ線41と呼び、第1基材部分31、第3基材部分33、及び、第4基材部分34にジグザグ状に縫い付けられているものを第2ヒータ線42と呼ぶ。したがって、第1ヒータ線41と2箇所の第2ヒータ線42は1本のヒータ線40からなり、これらは電気的に直列である。
[第1ヒータ線41]
第1ヒータ線41は、第3基材部分33に配置された第2ヒータ線42から、第1基材部分31、2つの接続部22のうちの一方、及び、第2基材部分32の順に、基材30のそれらの部分を通るように基材30に配置されている。さらに、第1ヒータ線41は、第2基材部分32、2つの接続部22のうちの他方、及び、第1基材部分31の順に、基材30のそれらの部分を通って第4基材部分34に配置された第2ヒータ線42に至るように、基材30に配置されている。
これにより、第1基材部分31上の第1ヒータ線41及び第1基材部分31が第1採暖部21を構成し、第2基材部分32上の第1ヒータ線41及び第2基材部分32が第2採暖部23を構成する。
[第2ヒータ線42]
第2ヒータ線42は、第1ヒータ線41(図3の左側)から、第1基材部分31、及び、第3基材部分33の順に、基材30のそれらの部分を通り、第3基材部分33のX軸プラス方向側の先端部で折り返して、第3基材部分33、及び、第1基材部分31の順に、基材30のそれらの部分を通りハーネス70に戻るように、基材30に配置されている。さらに、第2ヒータ線42は、第1ヒータ線41(図3の右側)から、第1基材部分31及び第4基材部分34の順に、基材30のそれらの部分を通り、かつ、第4基材部分34のX軸プラス方向側の先端部で折り返して、第4基材部分34及び第1基材部分31の順に、基材30のそれらの部分を通ってハーネス70に戻るように、基材30に配置されている。
これにより、第3基材部分33上の第2ヒータ線42及び第3基材部分33は、第3採暖部24aを構成し、第4基材部分34上の第2ヒータ線42及び第4基材部分34は、第4採暖部24bを構成する。
次に、第3基材部分33及び第4基材部分34にそれぞれ配置されている第2ヒータ線42について、具体的に説明する。
第2ヒータ線42は、第3基材部分33及び第4基材部分34において、蛇行しながらX軸方向に沿って配置されている。第2ヒータ線42は、第3基材部分33の一面及び第4基材部分34の一面のそれぞれに、縫製糸50によって縫い付けられている。つまり、第2ヒータ線42は、第3基材部分33及び第4基材部分34のZ軸プラス方向側の面にそれぞれに固定されている。言い換えれば、基材30には、一対の第2ヒータ線42が設けられる。
図4は、実施の形態におけるシートヒータ20のヒータ線40の一部を拡大した部分拡大図である。
図3及び図4に示すように、第2ヒータ線42は、Uターン配線部43と、曲線配線部44と、第1配線部45aと、第2配線部45bとを有している。本実施の形態の第2ヒータ線42では、曲線配線部44、第1配線部45a、第2配線部45b及び第1配線部45aのこの並び順で繰り返し蛇行している。このため、本実施の形態における第3基材部分33及び第4基材部分34にそれぞれの第2ヒータ線42は、複数の曲線配線部44、複数の第1配線部45a及び複数の第2配線部45bを有している。本実施の形態では、曲線配線部44、第1配線部45a及び第2配線部45bは、Uターン配線部43よりもX軸プラス方向に延びる2本の第2ヒータ線42にそれぞれ形成されているが、2本の第2ヒータ線42のうちいずれかに形成されていてもよい。
Uターン配線部43は、座席1の第1方向に延びて第1方向と反対の第2方向(本実施の形態ではX軸方向であり、例えばX軸マイナス方向)にUターンしている部分である。つまり、Uターン配線部43は、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれのX軸プラス方向側の先端部で折り返す部分である。
Uターン配線部43は、縫製糸50によって、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれの先端部に縫い付けられている。具体的には、Uターン配線部43の少なくとも一部は、基材30に縫い付ける縫い目の第1縫製ピッチP1で、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに、縫製糸50によって縫い付けられている。
曲線配線部44は、Uターン配線部43以外の第2ヒータ線42の一部分であり、曲線状の配線部である。本実施の形態では、sinカーブ又はcosカーブのように、第2ヒータ線42が規定の周期で蛇行する曲線状である場合、曲線配線部44は、極大に相当する第2ヒータ線42の部分、及び、極小に相当する第2ヒータ線42の部分である。
また、曲線配線部44は、縫製糸50によって、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに縫い付けられている。具体的には、曲線配線部44の少なくとも一部は、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに、第1縫製ピッチP1で縫製糸50によって縫い付けられている。第1縫製ピッチP1は、曲線配線部44の内周側の縫い目M1と、縫い目M1と隣接しかつ縫製糸50で直接的に接続される、曲線配線部44の外周側の縫い目N1との距離である。
図5は、実施の形態におけるシートヒータ20の一部を拡大した部分拡大図である。
図3及び図5に示すように、曲線配線部44は、例えば、複数の固定部33bのうちの第1固定部33b1の近傍であり、第1固定部33b1に対してY軸上に配置されている。具体的には、第1固定部33b1の第1中心A1と第2固定部33b2の第2中心A2とを結ぶ直線の中点を規定した場合、曲線配線部44は、第1中心A1を中心として、第1中心A1と中点との距離を半径とする円Sの内部に配置されている。
ここで、第1固定部33b1の第1中心A1とは、第1固定部33b1を平面視した場合の中心であるが、第1固定部33b1の幅方向(本実施の形態ではX軸方向)の中心であってもよい。つまり、中心と同視できる程度に、実質的に中心であればよく、数十%未満の誤差を含む。第2固定部33b2の第2中心A2においても同様である。
第1配線部45aは、Uターン配線部43以外の第2ヒータ線42の一部分であり、曲線配線部44と連続している配線部である。第1配線部45aは、全てが曲線状又は直線状であってもよく、曲線状の配線部と直線状の配線部とを含んでいてもよい。
また、第1配線部45aは、第1縫製ピッチP1よりも大きく第2縫製ピッチP2よりも小さい縫製ピッチで、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに、縫製糸50によって縫い付けられている。第1配線部45aでは、曲線配線部44から第2配線部45bに至るまで、次第に縫製ピッチが大きくなっている。具体的には、第1配線部45aは、第1縫製ピッチP1から第2縫製ピッチP2に至るまで、次第に大きくなる縫製ピッチで、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに、縫製糸50によって縫い付けられている。
ここで、「次第に」とは、1つ1つの縫製ピッチが段階的に変化するだけでなく、複数の縫製ピッチのうち、変化しない縫製ピッチを含んでいてもよい。つまり、第1配線部45aにおける縫製ピッチを見た場合に、曲線配線部44から第2配線部45bに至るまで、全体として次第に縫製ピッチが大きくなっていればよい。
第2配線部45bは、直線状の配線部であり、第1配線部45aと連続している。
第2配線部45bは、縫製糸50によって、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに縫い付けられている。具体的には、第2配線部45bの少なくとも一部は、基材30に縫い付ける縫い目の第2縫製ピッチP2で、第3基材部分33及び第4基材部分34のそれぞれに、縫製糸50によって縫い付けられている。第2縫製ピッチP2は、第1縫製ピッチP1よりも大きい縫製ピッチである。
第2縫製ピッチP2は、第2配線部45bの縫い目M2と、縫い目M2と隣接しかつ縫製糸50で直接的に接続される、第2配線部45bの縫い目N2との距離である。
[縫製糸50]
縫製糸50は、ヒータ線40を基材30に固定するために、ヒータ線40の延在方向に沿ってヒータ線40を基材30に縫い付ける。縫製糸50は、例えば、図示しない、上糸と下糸とを有している。上糸は基材30の表面から裏面に向けて貫通するように基材30に縫製されており、下糸は基材30の裏面から表面に向けて貫通するように基材30に縫製されている。なお、縫製糸50は、シートヒータ20の構成に含まれていなくてもよく、シートヒータ20の必須の構成要件ではない。
[ハーネス70]
ハーネス70は、第1基材部分31におけるX軸方向マイナス側の端部に配置され、ヒータ線40と電気的に接続されている。また、ハーネス70は、図示しない制御装置と電気的に接続され、図示しない電源部からの電流をヒータ線40に流す。
<まとめ>
本実施の形態では、制御装置がヒータ線40に電流を流すと、シートヒータ20が発熱することで、第4シートパッド11d、第1シートカバー12a、第2シートカバー12b、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dを介して、座席1に着座しているユーザの臀部及び大腿部を温めることができる。具体的には、シートヒータ20の第1採暖部21が発熱することでユーザの臀部を温め、シートヒータ20の第2採暖部23が発熱することでユーザの大腿部を温める。また、シートヒータ20の第3採暖部24aが発熱することでユーザの右臀部から右大腿部に至る右側部分を温め、シートヒータ20の第4採暖部24bが発熱することでユーザの左臀部から左大腿部に至る左側部分を温める。つまり、第3採暖部24a及び第4採暖部24bは、ユーザの臀部及び大腿部の両側を温めることができる。
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるシートヒータ20の作用効果について説明する。
以上のように、本実施の形態におけるシートヒータ20は、座席1の座面部10aの両側部分である第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cに配置されている基材30と、縫製糸50によって基材30の一面に縫い付けられているヒータ線40とを備え、ヒータ線40は、座席1のX軸プラス方向に延びてX軸プラス方向と反対のX軸マイナス方向にUターンしているUターン配線部43と、Uターン配線部43以外の部分であり曲線状の曲線配線部44と、曲線配線部44と連続している第1配線部45aと、第1配線部45aと連続している直線状の第2配線部45bとを有し、Uターン配線部43及び曲線配線部44を基材30に縫い付ける縫い目の第1縫製ピッチP1と、第1縫製ピッチP1よりも大きい縫製ピッチであり、第2配線部45bを基材30に縫い付ける縫い目の第2縫製ピッチP2とで縫い付けられている。そして、第1配線部45aは、第1縫製ピッチP1から第2縫製ピッチP2に至るまで、次第に大きくなる縫製ピッチで、基材30に縫い付けられている。
これによれば、座席1の座面部10aにユーザが着座又は離席しようとすると、基材30が横方向(ユーザ側であり、例えば左右方向)に引っ張られるため、引っ張りの応力は、ヒータ線40の曲線配線部44に集まる。このように、あえて応力が集中する曲線配線部44を設けることで、曲線配線部44に基材30から離れて縫製糸50の間から飛び出ようとする力が働くようにする。そして、曲線配線部44を、狭いピッチである第1縫製ピッチP1で縫製することにより、曲線配線部44は縫製糸50の間から飛び出し難くなる。
図6は、シートヒータ20の第3採暖部24aに力が加わった場合のヒータ線40の様子を側面から見た場合の模式図である。図6に示すように、曲線配線部44に連続している第1配線部45aに応力が働くが、第1配線部45aは、第2縫製ピッチP2よりも狭いピッチで基材30に縫い付けられているため、縫製糸50の間から飛び出し難くなっている。つまり、曲線配線部44に働く引っ張りの応力を第1配線部45aにも分散させることで、さらに縫製糸50の間からのヒータ線40の飛び出しを抑制することができる。
したがって、このシートヒータ20では、ヒータ線40の断線を抑制することができる。例えば、座席1を車両に適用した場合、車両の乗降口側の第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cには、ユーザが乗り降りするため、ユーザによる荷重が加わり易い環境である。このため、ヒータ線40が縫製糸50の間から飛び出ようとする力が働き易くなるが、本実施の形態では、ヒータ線40の断線を抑制することができる。
特に、シートヒータをシートカバーに取り付け、このシートカバーをシートパッドに取り付ける構成の場合では、シートヒータのシートカバーへの取り付け方によっては、シートヒータが移動し易くなる場合があるため、シートヒータが変形し易くなる。シートヒータが変形し易くなれば、縫製糸の間からのヒータ線が飛び出し易い環境となっても、本実施の形態のシートヒータ20では、縫製糸50の間からのヒータ線40の飛び出しを抑制することができる。このため、このシートヒータ20では、シートヒータ20の第1シートカバー12a、第2シートカバー12b、第3シートカバー12c及び第4シートカバー12dへの取り付け方の自由度が向上する。
なお、図4において、ヒータ線40の飛び出しを抑制するために、すべての縫製ピッチを第1縫製ピッチP1にすると、基材30に縫製穴が多数開くことになるので、基材30そのものの強度が低下する。そのため、図4の構成のような縫製ピッチとする必要がある。
また、本実施の形態におけるシートヒータ20において、基材30は、座席1に固定されるための、第1固定部33b1と第1固定部33b1に隣り合う第2固定部33b2とを有している。第1固定部33b1の第1中心A1と第2固定部33b2の第2中心A2とを結ぶ直線の中点を規定した場合、曲線配線部44は、第1中心A1を中心として、第1中心A1と中点との距離を半径とする円Sの内部に配置されている。
例えば、座席にユーザが着座しようとする、若しくは離席しようとすると、ユーザがサイド部を横方向に移動することにより、第1固定部及び第2固定部が横方向に引っ張られる。第1固定部及び第2固定部から横方向に位置する基材の一部分には皺が発生し易くなり、縫製糸の間から飛び出ようとする力が働き易くなる。このため、円の内部に直線状の第2配線部を配置した場合では、縫製糸の間からヒータ線が飛び出し易くなる。
しかし、本実施の形態では、円Sの内部に曲線配線部44を配置し、第1縫製ピッチで曲線配線部44を縫製している。図7は、実施の形態におけるシートヒータ20の第3採暖部24aに応力が加わった様子を例示した模式図である。図7に示すように、本実施の形態では、第1固定部33b1及び第2固定部33b2から横方向に位置する曲線配線部44が、縫製糸50の間からのヒータ線40が飛び出してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態におけるシートヒータ20において、基材30は、第1固定部33b1及び第2固定部33b2を含む、複数の固定部33bを有し、複数の固定部33bは、基材30の外周方向に沿って形成されている。
これによれば、基材30を座席1に強固に固定することができる。このため、基材30の位置ズレが抑制されるため、座席1に着座するユーザを確実に温めることができる。
また、本実施の形態におけるシートヒータ20において、基材30は、第2シートパッド11b及び第3シートパッド11cに沿ってX軸プラス方向に延びる延在部33aを有し、複数の固定部33bは、延在部33aの外周部分から張り出る凸状の形状を有する。
これによれば、それぞれの固定部33bによって基材30を座席1に固定することができるため、シートヒータ20を座席1に取り付け易くなる。
また、本実施の形態におけるシートヒータ20において、X軸プラス方向に沿って延在部33aの一方側に形成されている、複数の固定部33bのうちの2以上の固定部33bと、X軸プラス方向に沿って延在部33aの他方側に形成されている、複数の固定部33bのうちの2以上の固定部33bとは、互い違いに配置されている。
これによれば、基材30を座席1に略均等に固定することができるため、ユーザの着座によって生じる基材30の皺の発生を抑制することができる。このため、縫製糸50の間からヒータ線40が飛び出ることを抑制することができる。
また、本実施の形態におけるシートヒータ20において、基材30は、発泡性樹脂からなる。
これによれば、ユーザが座席1に着座した際に、ユーザの臀部及び大腿部等の形状に合わせて座席1が変形するため、ユーザの座り心地がよくなる。
特に、発泡性樹脂は柔軟な素材であるため、ヒータ線40が縫製糸50の間からの飛び出し易くなるが、本実施の形態のシートヒータ20では、縫製糸50の間からのヒータ線40が飛び出してしまうことを抑制することができるため、基材30が発泡性樹脂であっても、適用することができる。
(その他の変形例)
以上、本実施の形態に係るシートヒータについて、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本実施の形態は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本実施の形態の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本実施の形態の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記各実施の形態におけるシートヒータでは、制御装置が、シートヒータの電源をON及びOFFを制御することで、シートヒータの温度を調整してもよい。また、制御装置は、蓄電池等の電源部からシートヒータに供給する電力を制御することで、シートヒータの温度を調整してもよい。制御装置は、プログラムを実行するプロセッサを備えたデバイスであってもよく、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等である。
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本実施の形態に含まれる。
本開示は、例えば車両等に装備されている座席を温めるシートヒータに利用可能である。
1 座席
10a 座面部(正面部)
11b 第2シートパッド(サイド部)
11c 第3シートパッド(サイド部)
30 基材
33 第3基材部分(基材)
33a 延在部
33b 固定部
33b1 第1固定部
33b2 第2固定部
34 第4基材部分(基材)
40 ヒータ線
41 第1ヒータ線
42 第2ヒータ線
43 Uターン配線部
44 曲線配線部
45a 第1配線部
45b 第2配線部
50 縫製糸
A1 第1中心
A2 第2中心
P1 第1縫製ピッチ
P2 第2縫製ピッチ
S 円

Claims (6)

  1. 座席の正面部の両側部分であるサイド部に配置されている基材と、
    縫製糸によって前記基材の一面に縫い付けられているヒータ線とを備え、
    前記ヒータ線は、
    前記座席の第1方向に延びて前記第1方向と反対の第2方向にUターンしているUターン配線部と、前記Uターン配線部以外の部分であり曲線状の曲線配線部と、前記曲線配線部と連続している第1配線部と、前記第1配線部と連続している直線状の第2配線部とを有し、
    前記Uターン配線部及び前記曲線配線部を前記基材に縫い付ける縫い目の第1縫製ピッチと、前記第1縫製ピッチよりも大きい縫製ピッチであり、前記第2配線部を前記基材に縫い付ける縫い目の第2縫製ピッチとで縫い付けられ、
    前記第1配線部は、前記第1縫製ピッチから前記第2縫製ピッチに至るまで、次第に大きくなる縫製ピッチで、前記基材に縫い付けられている
    シートヒータ。
  2. 前記基材は、前記座席に固定されるための、第1固定部と前記第1固定部に隣り合う第2固定部とを有し、
    前記第1固定部の第1中心と前記第2固定部の第2中心とを結ぶ直線の中点を規定した場合、前記曲線配線部は、前記第1中心を中心として、前記第1中心と前記中点との距離を半径とする円の内部に配置されている
    請求項1に記載のシートヒータ。
  3. 前記基材は、前記第1固定部及び前記第2固定部を含む、複数の固定部を有し、
    前記複数の固定部は、前記基材の外周方向に沿って形成されている
    請求項2に記載のシートヒータ。
  4. 前記基材は、前記サイド部に沿って前記第1方向に延びる延在部を有し、
    前記複数の固定部は、前記延在部の外周部分から張り出る凸状の形状を有する
    請求項3に記載のシートヒータ。
  5. 前記第1方向に沿って前記延在部の一方端縁側に形成されている、前記複数の固定部のうちの2以上の固定部と、前記第1方向に沿って前記延在部の他方端縁側に形成されている、前記複数の固定部のうちの2以上の固定部とは、互い違いに配置されている
    請求項4に記載のシートヒータ。
  6. 前記基材は、発泡性樹脂からなる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートヒータ。
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