JP2021043475A - 送信装置、点群データ収集システムおよびコンピュータプログラム - Google Patents

送信装置、点群データ収集システムおよびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することのできる送信装置を提供する。【解決手段】送信装置は、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部31aと、点群データ取得部31aが取得した点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部31bと、計測データ除去部31bにより計測データが除去された後の点群データを、サーバに送信する点群データ送信部とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、送信装置、点群データ収集システムおよびコンピュータプログラムに関する。
従来、カメラ等のセンサにより計測された計測データを用いて、自動車等の車両の運転支援を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなシステムにおいては、一般的に、路側または車両に設置されたセンサにより計測された複数の計測点における計測データを、送信装置がサーバに送信し、サーバにおいて、車両や歩行者を検出し、車両の運転支援のための移動物体等の動的情報の更新が行われる。
国際公開第2010/119496号
しかしながら、センサの計測領域内には、建物や木などの固定物や地面などのように、静的な対象物の計測点も多く含まれる。このような計測点における計測データは、動的情報の更新に寄与しないにもかかわらず、送信装置からサーバに送信される。
このため、送信装置からサーバへの通信トラフィックが増大するとともに、サーバの処理負荷を高める原因となっている。
特に、センサとしてLiDAR(Laser Imaging Detection and Rang)方式のレーダセンサ(以下、「LiDAR」と言う)を用いた場合に、このような問題が顕著となる。つまり、LiDARは左右方向および上下方向の広い範囲にレーザを照射することができるため、計測可能範囲が広いものの、多くのレーザは建物や地面に照射され、車両や歩行者に照射されるレーザはわずかである場合が多い。このため、動的情報の更新のためには無駄な計測データが多く、通信トラフィック量の増大およびサーバの処理負荷を高める原因となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することのできる送信装置、点群データ収集システムおよびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の一実施態様に係る送信装置は、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部と、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部と、前記計測データ除去部により前記計測データが除去された後の前記点群データを、サーバに送信する点群データ送信部とを備える。
(17)本発明の他の実施態様に係る点群データ収集システムは、上述の送信装置と、前記送信装置から、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを受信するサーバとを備える。
(18)本発明の他の実施態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部と、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部と、前記計測データ除去部により前記計測データが除去された後の前記点群データを、サーバに送信する点群データ送信部として機能させる。
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える送信装置として実現することができるだけでなく、送信装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする点群データ送信方法として実現することができる。また、本発明は、送信装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することもできる。
本発明によると、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。 LiDARの計測領域の一例を示す図である。 サーバの構成の一例を示すブロック図である。 車載装置の構成の一例を示すブロック図である。 路側に設置された送信装置の一例を示すブロック図である。 路側に設置されたLiDARが計測した距離データの送信を制限するための制限領域について説明するための図である。 車両に設置されたLiDARが計測した距離データの送信を制限するための制限領域について説明するための図である。 静的情報について説明するための図である。 LiDARが計測した点群データから算出された計測点の位置座標を2次元平面上にプロットした図である。 LiDARが計測した点群データから算出された計測点の位置座標を2次元平面上にプロットした図である。 LiDAR、送信装置、車載装置およびサーバの協働により実行される、動的情報の更新処理および配信処理の一例を示すシーケンス図である。 計測データの除去処理(図11のステップS2)の詳細なフローチャートである。
[本願発明の実施形態の概要]
最初に本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る送信装置は、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部と、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部と、前記計測データ除去部により前記計測データが除去された後の前記点群データを、サーバに送信する点群データ送信部とを備える。
この構成によると、点群データのうち、所定の領域に含まれる計測点の計測データをサーバに送信しないようにすることができる。このため、所定の領域を、建物などの固定物や地面などの静的な計測点の領域とすることにより、サーバに対して無駄な計測データを送信しないようにすることができる。これにより、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
(2)好ましくは、前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、地面上の計測点の計測データを除去する。
路側や車両に下向きにセンサが取り付けられているような場合には、センサが計測する計測点の大部分は地面である。このため、この構成によると、地面上の計測点の計測データをサーバに送信しないようにすることができるため、サーバへの通信トラフィック量を効果的に減少させることができる。
(3)また、前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離を前記計測データとして含む前記点群データを取得し、前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、各計測点の高さを算出し、算出された高さが所定の高さ閾値以下の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去してもよい。
この構成によると、レーダセンサにより計測された計測点の高さが所定の高さ閾値以下の場合に、当該計測点が地面の位置に存在すると判断することができる。これにより、地面上の計測点の計測データを高精度で特定することができる。
(4)また、前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離を前記計測データとして含む前記点群データを取得し、前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データに基づいて算出される計測点に当てはめられる平面の高さが所定の高さ閾値以下の場合に、当該平面を構成する計測点の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去してもよい。
この構成によると、レーダセンサにより計測された計測点に当てはめられた平面の高さが所定の高さ閾値以下の場合に、当該平面が地面であると判断することができる。これにより、地面上の計測点の計測データを高精度で特定することができる。
(5)また、前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離と各計測点からの反射光強度とを前記計測データとして含む前記点群データを取得し、前記計測データ除去部は、各計測点からの反射光強度に基づいて、当該反射光強度が所定の条件を満たす計測点の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去してもよい。
アスファルトで反射されたレーザの反射光強度が事前に分かっている場合には、当該反射光強度から、計測点がアスファルトで舗装された道路であるか否かを判断することができる。このため、この構成によると、アスファルトで舗装された道路に含まれる計測点の計測データを高精度で特定することができる。
(6)また、前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離を前記計測データとして含む前記点群データを取得し、前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データに基づいて算出される計測点の軌跡の曲率の変動が所定範囲内であり、かつ当該軌跡の長さが所定の長さ閾値以上の場合に、当該軌跡を構成する計測点の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去してもよい。
レーダセンサは、回転軸を中心にレーザを円周に沿って移動させながら対象物を走査することにより対象物までの距離を計測することができる。このため、対象物が地面の場合には、点群データに基づいて算出される計測点の軌跡は、円周に沿ったものとなる。このため、この構成によると、円周に沿った軌跡を特定した場合には、当該軌跡を構成する計測点は地面上の計測点であると判断することができる。これにより、地面上の計測点の計測データを高精度で特定することができる。
(7)また、前記センサは、路側に設置されていてもよい。
この構成によると、路側に設置されたセンサにより、車両や歩行者などの移動物体を検出する際に、サーバに対して無駄な計測データを送信しないようにすることができる。
(8)また、前記計測データ除去部は、前記センサを基準とした所定の角度範囲内に含まれる計測点の計測データを除去してもよい。
センサが路側に設置されている場合には、車両や歩行者が通過することのできない建物などの固定物等の方向が事前に分かっている場合がある。このため、この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない方向を所定の角度範囲として定義しておくことにより、所定の角度範囲に含まれる計測点の計測データをサーバに送信しないようにすることができる。
(9)また、上述の送信装置は、さらに、前記所定の角度範囲を記憶している領域情報記憶部を備え、前記計測データ除去部は、前記領域情報記憶部に記憶されている前記所定の角度範囲に基づいて前記計測データを除去してもよい。
この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない方向を示す角度範囲を事前に領域情報記憶部に記憶させておくことができる。これにより、外部装置から角度範囲を受信することができない場合であっても、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
(10)また、上述の送信装置は、さらに、前記所定の角度範囲を取得する領域情報取得部を備え、前記計測データ除去部は、前記領域情報取得部が取得した前記所定の角度範囲に基づいて前記計測データを除去してもよい。
この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない方向を示す角度範囲を外部装置から取得し、取得した角度範囲に基づいて計測データを除去することができる。このため、車両や歩行者が通過することのできない方向が変化した場合であっても、当該変化に即座に対応して、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
(11)また、前記センサは、車両に設置されていてもよい。
この構成によると、車両に設置されたセンサにより、車両や歩行者などの移動物体を検出する際に、サーバに対して無駄な計測データを送信しないようにすることができる。
(12)また、前記計測データ除去部は、所定の位置座標に存在する計測点の計測データを除去してもよい。
車両や歩行者が通過することのできない建物などの固定物等の位置が事前に分かっている場合がある。この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない位置の座標を所定の位置座標とすることにより、当該位置座標に存在する計測点の計測データをサーバに送信しないようにすることができる。
(13)また、前記計測データ除去部は、所定の位置座標で定義される図形領域に含まれる計測点の計測データを除去してもよい。
車両や歩行者が通過することのできない建物などの固定物等の領域が事前に分かっている場合がある。この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない領域を、所定の位置座標で定義される図形領域で示し、当該図形領域に含まれる計測点の計測データをサーバに送信しないようにすることができる。車両や歩行者が通過することのできない領域を図形領域で示すことにより、少ない情報量で当該領域を定義することができる。
(14)また、上述の送信装置は、さらに、前記所定の位置座標を記憶している領域情報記憶部を備え、前記計測データ除去部は、前記領域情報記憶部に記憶されている前記所定の位置座標に基づいて前記計測データを除去してもよい。
この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない位置または領域を示す位置座標を事前に領域情報記憶部に記憶させておくことができる。これにより、外部装置からこのような位置座標を受信することができない場合であっても、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
(15)また、上述の送信装置は、さらに、外部装置から、前記所定の位置座標を取得する領域情報取得部を備え、前記計測データ除去部は、前記領域情報取得部が取得した前記所定の位置座標に基づいて前記計測データを除去してもよい。
この構成によると、車両や歩行者が通過することのできない位置または領域を示す位置座標を外部装置から取得し、取得した位置座標に基づいて計測データを除去することができる。このため、車両や歩行者が通過することのできない領域等が変化した場合であっても、当該変化に即座に対応して、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
(16)また、前記センサは、LiDAR方式のレーダセンサであってもよい。
この構成によると、センサとしてLiDAR方式のセンサを用いた場合に、サーバへの通信トラフィック量を減少させつつ、効率的な動的情報の更新のための計測データをサーバへ送信することができる。
(17)本発明の他の実施形態に係る点群データ収集システムは、上述の送信装置と、前記送信装置から、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを受信するサーバとを備える。
この構成によると、点群データ収集システムは、上述の送信装置を含む。このため、上述の送信装置と同様の作用および効果を奏することができる。
(18)本発明の他の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部と、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部と、前記計測データ除去部により前記計測データが除去された後の前記点群データを、サーバに送信する点群データ送信部として機能させる。
この構成によると、コンピュータを、上述の送信装置として機能させることができる。このため、上述の送信装置と同様の作用および効果を奏することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
[1.無線通信システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、路側または車両に設置されたセンサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを収集するための点群データ収集システムとして機能し、カメラ1CまたはLiDAR1Lに接続された無線通信が可能な複数の送信装置6と、無線通信が可能な車両2と、送信装置6および車両2と無線通信する1または複数の基地局4と、基地局4とネットワークを介して有線または無線で通信するサーバ5とを備える。
基地局4は、マクロセル基地局、マイクロセル基地局、およびピコセル基地局のうちの少なくとも1つよりなる。
本実施形態の無線通信システムにおいて、サーバ5は、例えば、SDN(Software-Defined Networking)が可能な汎用サーバよりなる。また、基地局4および図示しないリピータなどの中継装置は、SDNが可能なトランスポート機器によりなる。
上記のSDNに代表されるネットワーク仮想化技術は、現時点で規格化が進行中の「第5世代移動通信システム」(以下、「5G」(5th Generation)と略記する。)の基本コンセプトである。したがって、本実施形態の無線通信システムは、例えば5Gよりなる。
カメラ1Cは、所定の撮影エリアの映像を取り込む画像センサよりなる。カメラ1Cは、単眼または複眼のいずれでもよい。
LiDAR1Lは、複数の計測点を走査しながら、各計測点に対してレーザを出射し、レーザを出射してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、各計測点までの距離を計測する。なお、LiDAR1Lの代わりに、または、LiDAR1Lとともに、ミリ波レーダや、レーザレーダ、超音波レーダなどの各種センサを用いることができる。
図2は、LiDARの計測領域の一例を示す図である。
LiDAR1Lは、レーザ照射部を回転軸(例えば鉛直軸)中心に360°回転させながら、各計測点にレーザを照射し、計測点からのレーザの反射光を受光する。LiDAR1Lは、レーザを照射してから反射光を受光するまでの時間(反射時間)に基づいて、各計測点までの距離を計測する。これにより、例えば、図2に示すように、LiDAR1Lは、LiDAR1Lの周囲360°の計測領域11に含まれる複数の計測点までの距離を計測することができる。
送信装置6は、無線通信機能を有し、道路に設置されたカメラ1CまたはLiDAR1Lなどの各種センサが計測した計測データを含むセンサ情報を送信する。
車両2は、無線通信機能を有する車載装置3を含む。車載装置3は、送信装置として機能し、カメラ、LiDARなどの各種センサを含んで構成される。
車両2には、通常の乗用車だけでなく、路線バスや緊急車両などの公共車両も含まれる。また、車両2は、四輪車だけでなく、二輪車(バイク)であってもよい。
車両2の駆動方式は、エンジン駆動、電気モータ駆動、およびハイブリッド方式のいずれでもよい。車両2の運転方式は、搭乗者が加減速やハンドル操舵などの操作を行う通常運転、およびその操作をソフトウェアが実行する自動運転のいずれでもよい。
[2.サーバの構成]
図3は、サーバ5の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ5は、CPU(Central Processing Unit)などを含む制御部51と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、記憶部55と、通信部56とを備える。
制御部51は、ROM53に予め記憶された1または複数のプログラムをRAM54に読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置を基地局4と通信可能なサーバ5として機能させる。つまり、制御部51は、プログラムを実行することにより実現される機能な処理部として、情報生成部52を備える。
RAM54は、SRAM(Static RAM)またはDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性のメモリ素子で構成され、制御部51が実行するプログラムおよびその実行に必要なデータを一時的に記憶する。
記憶部55は、フラッシュメモリ若しくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、または、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。
通信部56は、5G対応の通信処理を実行する通信装置よりなり、ネットワークを介して基地局4と通信する。通信部56は、制御部51から与えられた情報を、ネットワークを介して外部装置に送信するとともに、ネットワークを介して受信した情報を制御部51に与える。
図3に示すように、サーバ5の記憶部55は、動的情報マップ(以下、単に「マップ」ともいう。)Mを記憶している。
マップMは、静的情報である高精細のデジタル地図に対して、時々刻々と変化する動的情報を重畳させたデータの集合体(仮想的なデータベース)である。マップMを構成するデジタル情報には、下記の「動的情報」、「准動的情報」、「准静的情報」、および「静的情報」が含まれる。
「動的情報」(〜1秒)は、1秒以内の遅延時間が要求される動的なデータのことである。例えば、ITS(Intelligent Transport Systems)先読み情報として活用される、移動体(車両および歩行者など)の位置情報、および信号情報などが動的情報に該当する。
「准動的情報」(〜1分)は、1分以内の遅延時間が要求される准動的なデータのことである。例えば、事故情報、渋滞情報、および狭域気象情報などが准動的情報に該当する。
「准静的情報」(〜1時間)は、1時間以内の遅延時間が許容される准静的なデータのことである。例えば、交通規制情報、道路工事情報、および広域気象情報などが准静的情報に該当する。
「静的情報」(〜1カ月)は、1カ月以内の遅延時間が許容される静的なデータのことである。例えば、路面情報、車線情報、および3次元構造物データなどが静的情報に該当する。
制御部51は、記憶部55に格納されたマップMの動的情報を、所定の更新周期ごとに更新する(動的情報の更新処理)。
具体的には、制御部51の情報生成部52は、所定の更新周期ごとに、サーバ5のサービスエリア内で車両2やカメラ1C、LiDAR1Lなどが計測した各種の計測データを含むセンサ情報を、車両2や送信装置6などから収集する。情報生成部52は、収集したセンサ情報に基づいてマップMの動的情報を更新する。
制御部51は、車両2の車載装置3や、ユーザが所持する通信端末から動的情報の要求メッセージを受信すると、所定の配信周期ごとに、最新の動的情報を要求メッセージの送信元の車載装置3または通信端末に配信する(動的情報の配信処理)。
制御部51の情報生成部52は、交通管制センターおよび民間気象業務支援センターなどからサービスエリア内の各地の交通情報および気象情報を収集し、収集した情報に基づいて、マップMの准動的情報および准静的情報を更新する。
[3.車載装置の構成]
図4は、車載装置3の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、車両2の車載装置3は、制御部(ECU:Electronic Control Unit)31と、GPS受信機32と、車速センサ33と、ジャイロセンサ34と、記憶部35と、ディスプレイ36と、スピーカ37と、入力デバイス38と、カメラ39と、LiDAR40と、通信部41とを備える。
通信部41は、後述する制御部31の計測データ除去部31bによって計測データが除去された後の点群データを送信する点群データ送信部として機能し、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。なお、通信部41は、車両2に既設の無線通信機であってもよいし、搭乗者が車両2に持ち込んだ携帯端末であってもよい。
搭乗者の携帯端末は、車両2の車内LAN(Local Area Network)に接続されることにより、一時的に車載の無線通信機となる。
制御部31は、車両2の経路探索および他の電子機器32〜41の制御などを行うコンピュータ装置よりなる。制御部31は、GPS受信機32が定期的に取得するGPS信号により自車両の車両位置を求める。なお、制御部31は、図示しない準天頂衛星から送信される信号を受信する受信機が受信したGPS補完信号またはGPS補強信号を合わせて用いることで、GPS信号を補完したり、自車両の車両位置を補正したりしてもよい。
制御部31は、車速センサ33およびジャイロセンサ34の入力信号に基づいて、車両位置および方位を補完し、車両2の正確な現在位置および方位を把握する。
GPS受信機32、車速センサ33およびジャイロセンサ34は、車両2の現在位置、速度および向きを計測するセンサ類である。
記憶部35は、地図データベースを備える。地図データベースは、制御部31に道路地図データを提供する。道路地図データは、リンクデータやノードデータを含み、DVD、CD−ROM、メモリカード、またはHDDなどの記録媒体に格納されている。記憶部35は、記録媒体から必要な道路地図データを読み出して制御部31に提供する。
ディスプレイ36とスピーカ37は、制御部31が生成した各種情報を車両2の搭乗者であるユーザに通知するための出力装置である。
具体的には、ディスプレイ36は、経路探索の際の入力画面、自車周辺の地図画像および目的地までの経路情報などを表示する。スピーカ37は、車両2を目的地に誘導するためのアナウンスなどを音声出力する。これらの出力装置は、通信部41が受信した提供情報を搭乗者に通知することもできる。
入力デバイス38は、車両2の搭乗者が各種の入力操作を行うためデバイスである。入力デバイス38は、ハンドルに設けた操作スイッチ、ジョイスティック、およびディスプレイ36に設けたタッチパネルなどの組み合わせよりなる。
搭乗者の音声認識によって入力を受け付ける音声認識装置を、入力デバイス38とすることもできる。入力デバイス38が生成した入力信号は、制御部31に送信される。
カメラ39は、車両2の前方の映像を取り込む画像センサよりなる。カメラ39は、単眼または複眼のいずれでもよい。LiDAR40は、車両2の周囲に存在する物体を検出するセンサよりなる。LiDAR40は、複数の計測点を走査しながら、各計測点に対してレーザを出射し、レーザの反射時間に基づいて、各計測点までの距離を計測する。なお、LiDAR40の代わりに、または、LiDAR40とともに、ミリ波レーダや、レーザレーダ、超音波レーダなどの各種センサを用いることができる。
制御部31は、カメラ39およびLiDAR40による計測データに基づいて、運転中の搭乗者に対する注意喚起をディスプレイ36に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することができる。
制御部31は、記憶部35に格納された各種の制御プログラムを実行する、マイクロコンピュータなどの演算処理装置により構成されている。
制御部31は、上記制御プログラムを実行することにより、ディスプレイ36に地図画像を表示させる機能、出発地から目的地までの経路(中継地がある場合はその位置を含む。)を算出する機能、算出した経路に従って車両2を目的地まで誘導する機能など、各種のナビゲーション機能を実行可能である。
また、制御部31は、各種の制御プログラムを実行することにより実現される機能的な処理部として、点群データ取得部31aと、計測データ除去部31bと、領域情報取得部31cとを備える。
点群データ取得部31aは、カメラ39またはLiDAR40から、カメラ39またはLiDAR40による複数の計測点の計測データを含む点群データを取得する。
計測データ除去部31bは、点群データ取得部31aが取得した点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する。計測データ除去部31bによる計測データの除去方法については後述する。
領域情報取得部31cは、計測データ除去部31bによる計測データの除去の対象となる領域の情報を、通信部41を介してサーバ5より取得する。取得した領域情報は、記憶部35に記憶され、計測データ除去部31bによる計測データ除去に用いられる。
制御部31は、サーバ5との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)要求メッセージの送信処理
2)動的情報の受信処理
3)通信パケットの送信処理
要求メッセージの送信処理とは、サーバ5が逐次更新するマップMの動的情報の配信を要求する制御パケットを、サーバ5に送信する処理のことである。制御パケットには、自車両の車両IDが含まれる。
サーバ5は、所定の車両IDを含む要求メッセージを受信すると、送信元の車両IDを有する車両2の通信部41宛てに、動的情報を所定の配信周期で配信する。
動的情報の受信処理とは、自装置に宛ててサーバ5が配信した動的情報を、受信する処理のことである。
車両2における通信パケットの送信処理とは、カメラ39またはLiDAR40により計測された計測データを含むセンサ情報の通信パケットを、サーバ5宛に送信する処理のことである。通信パケットの送信処理は、サーバ5による動的情報の配信周期内に行われる。
センサ情報には、カメラ39またはLiDAR40による複数の計測点の計測データを含む点群データ、車両2の位置情報(車両2の緯度情報および経度情報)、車両2の速度情報、車両2の方位情報などが含まれる。
点群データには、カメラ39が撮像した複数の計測点における輝度値を含む画像データ、LiDAR40により計測された複数の計測点の各々までの距離データ、各計測点に対してLiDAR40から出射されるレーザの照射方向情報(レーザの照射方向の水平角および垂直角)、当該レーザの各計測点からの反射光強度情報などが含まれる。なお、点群データのうち、一部の計測点における計測データは、計測データ除去部31bにより除去されている。
制御部31は、通信パケットに自車両の車両IDを含めて、サーバ5宛に送信する。
制御部31は、サーバ5などから受信した動的情報に基づいて、運転中の搭乗者に対する注意喚起をディスプレイ36に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することもできる。
記憶部35は、上述した地図データベースを備える他、領域情報記憶部として機能し、計測データ除去部31bによる計測データの除去に用いられる領域情報を記憶する。領域情報は、領域情報取得部31cが取得したものであってもよいし、予め記憶部35に記憶されていてもよい。
[4.路側センサの構成]
図5は、路側に設置された送信装置6の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、送信装置6は、制御部61と、記憶部62と、通信部63とを備える。
制御部61は、CPU、ROMおよびRAMなどを含む。制御部61は、記憶部62に記憶されたプログラムを読み出して実行し、送信装置6の全体の動作を制御する。
制御部61は、プログラムを実行することにより実現される機能な処理部として、点群データ取得部61aと、計測データ除去部61bと、領域情報取得部61cとを備える。
点群データ取得部61aは、カメラ1CまたはLiDAR1Lから、カメラ1CまたはLiDAR1Lによる複数の計測点の計測データを含む点群データを取得する。
計測データ除去部61bは、点群データ取得部61aが取得した点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する。計測データ除去部61bによる計測データの除去方法について後述する。
領域情報取得部61cは、計測データ除去部61bによる計測データの除去の対象となる領域の情報を、通信部63を介してサーバ5より取得する。取得した領域情報は、記憶部62に記憶され、計測データ除去部61bによる計測データ除去に用いられる。
記憶部62は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成され、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。記憶部62は、送信装置6の識別情報であるセンサIDを記憶している。センサIDは、例えば、送信装置6の所有者固有のユーザIDやMACアドレスなどよりなる。
また、記憶部62は、領域情報記憶部として機能し、計測データ除去部61bによる計測データの除去に用いられる領域情報を記憶する。領域情報は、領域情報取得部61cが取得したものであってもよいし、予め記憶部62に記憶されていてもよい。
通信部63は、制御部61の計測データ除去部61bによって計測データが除去された後の点群データを送信する点群データ送信部として機能し、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。
したがって、送信装置6は、サーバ5と通信することができる。
制御部61は、サーバ5との通信において、通信パケットの送信処理を実行可能である。
送信装置6による通信パケットの送信処理とは、カメラ1CまたはLiDAR1Lにより計測されたセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する処理のことである。通信パケットの送信処理は、サーバ5による動的情報の配信周期内に行われる。
センサ情報には、カメラ1CまたはLiDAR1Lによる複数の計測点の計測データを含む点群データ、カメラ1CまたはLiDAR1Lの位置情報(カメラ1CまたはLiDAR1Lの緯度情報および経度情報)などが含まれる。なお、サーバ5が、カメラ1CまたはLiDAR1Lの位置を事前に知っている場合には、上記位置情報をサーバ5に送信しなくてもよい。
点群データには、カメラ1Cが撮像した複数の計測点における輝度値を含む画像データ、LiDAR1Lにより計測された複数の計測点の各々までの距離データ、各計測点に対してLiDAR1Lから出射されるレーザの照射方向情報(レーザの照射方向の水平角および垂直角)、当該レーザの各計測点からの反射光強度情報などが含まれる。
制御部61は、通信パケットにセンサIDを含めて、サーバ5宛に送信する。
[5.計測データの除去処理について]
次に、車載装置3または送信装置6による計測データの除去処理について詳細に説明する。
〔5−1.送信装置6による計測データの除去処理について〕
図2を用いて説明したように、LiDAR1Lは、計測領域11に含まれる複数の計測点までのLiDAR1Lからの距離を計測することができる。しかしながら、計測領域11には、計測対象とされる車両2や歩行者7などの他に、建物9や木10などの固定物が含まれる。これらの固定物までの距離データは、時間経過によって変化することのない静的情報であるため、サーバ5における動的情報の更新処理には不必要な情報である。このため、送信装置6は、これらの固定物までの距離データをサーバ5に送信しない。
図6は、路側に設置されたLiDARが計測した距離データの送信を制限するための制限領域について説明するための図である。
図2に示したように、LiDAR1Lの右上方向には建物9などの固定物が存在する。このため、図6に示すように、破線で示す計測領域11に実線で示す制限領域12を設け、送信装置6は、制限領域12内の計測点で計測された距離データをサーバ5に送信しないようにする。つまり、送信装置6の計測データ除去部61bが、LiDAR1Lが計測した点群データから、制限領域12内の計測点で計測された距離データを除去する。送信装置6は、制限領域12内の計測点の距離データが除去された後の、点群データをサーバ5に送信する。
制限領域12は、記憶部62に記憶されている計測データの中からの、計測データ除去部61bによる計測データの除去に用いられる領域情報であり、角度により定義される。例えば、LiDAR1Lの右方向を0°方向とした場合には、制限領域12は、0°〜90°の範囲と定義することができる。制限領域12の情報は、送信装置6の記憶部62(領域情報記憶部として機能する)に事前に記憶されていてもよい。また、制限領域12の情報は、領域情報取得部61cが取得して、記憶部62に記憶したものであってもよい。
また、図2に示したように、LiDAR1Lの左方向および下方向には木10などの固定物が存在する。このため、図6に示すように、破線で示す計測領域11に実線で示す制限領域13を設け、送信装置6は、制限領域13内の計測点で計測された距離データをサーバ5に送信しないようにする。つまり、送信装置6の計測データ除去部61bが、LiDAR1Lが計測した点群データから、制限領域13内の計測点で計測された距離データを除去する。送信装置6は、制限領域13内の計測点の距離データが除去された後の、点群データをサーバ5に送信する。
制限領域13は、記憶部62に記憶されている計測データの中からの、計測データ除去部61bによる計測データの除去に用いられる領域情報であり、制限領域13に含まれる各位置の座標(緯度情報および経度情報)により定義される。制限領域13の情報は、送信装置6の記憶部62(領域情報記憶部として機能する)に事前に記憶されていてもよい。また、制限領域13の情報は、領域情報取得部61cが取得して、記憶部62に記憶したものであってもよい。
なお、制限領域12または13は、カメラ1Cにより撮影された映像の除去に用いられてもよい。つまり、計測データ除去部61bは、映像のうち、制限領域12または13の画像データを除去してもよい。
〔5−2.車載装置3による計測データの除去処理について〕
送信装置6も、車載装置3と同様に、建物9や木10などの固定物までの距離データを送信しない。
図7は、車両に設置されたLiDARが計測した距離データの送信を制限するための制限領域について説明するための図である。
車両2に搭載されたLiDAR40は、計測領域11に含まれる複数の計測点までのLiDAR40からの距離を計測することができる。しかしながら、車両2が走行する道路の路側などには、建物9や木10などの固定物が存在する。このため、図7に示すように、実線で示す制限領域13を設け、車載装置3は、制限領域13内の計測点で計測された距離データをサーバ5に送信しないようにする。つまり、車載装置3の計測データ除去部31bが、LiDAR40が計測した点群データから、制限領域13内の計測点で計測された距離データを除去する。車載装置3は、制限領域13内の計測点の距離データが除去された後の、点群データをサーバ5に送信する。
制限領域13は、計測データ除去部31bによる記憶部35に記憶されている計測データの除去に用いられる領域情報であり、制限領域13に含まれる各位置の座標(緯度情報および経度情報)により定義される。制限領域13の情報は、車載装置3の記憶部35(領域情報記憶部として機能する)に事前に記憶されていてもよい。また、制限領域13の情報は、領域情報取得部31cが取得して、記憶部35に記憶したものであってもよい。
なお、制限領域13が所定の図形で示される場合には、制限領域13を、所定の位置座標で定義してもよい。例えば、制限領域13が多角形の場合には、制限領域13を、多角形の頂点の位置座標で定義してもよい。また、制限領域13が円形の場合には、制限領域13を、円の中心座標と半径で定義してもよい。さらに、制限領域13が楕円形の場合には、制限領域13を、楕円の中心座標、長径および短径と、楕円の長径方向を示すベクトルとで定義してもよい。このような、所定の位置座標を用いた制限領域13の定義は、送信装置6における制限領域13の定義にも用いることができる。
なお、制限領域13は、カメラ39により撮影された映像の除去に用いられてもよい。つまり、計測データ除去部31bは、映像のうち、制限領域13の画像データを除去してもよい。
〔5−3.地面上の計測点の計測データの除去処理について〕
図8は、静的情報について説明するための図である。
図8に示すように、距離データの多くは、道路8などの地面上の計測点までの距離データである。地面上の計測点までの距離データも、固定物までの距離データと同様に、時間経過によって変化することのない静的情報である。このため、送信装置6は、地面上の計測点までの距離データをサーバ5に送信しない。同様に、車両2の車載装置3も、地面上の計測点までの距離データをサーバ5に送信しない。
以下、地面上の計測点を検出する処理として、検出方法1〜4を説明する。
<検出方法1>
計測データ除去部61bまたは31bは、LiDAR1Lまたは40が計測した点群データから、各計測点の高さを算出する。LiDAR1Lまたは40の位置と、計測点までの距離と、計測点の方向とが分かっているため、計測データ除去部61bまたは31bは、計測点の高さを算出することができる。
計測データ除去部61bまたは31bは、算出した高さが所定の高さ閾値以下の計測データを、地面上の計測点の計測データとして除去する。
<検出方法2>
計測データ除去部61bまたは31bは、LiDAR1Lまたは40が計測した点群データから、各計測点の位置座標を算出する。LiDAR1Lまたは40の位置と、計測点までの距離と、計測点の方向とが分かっているため、計測データ除去部61bまたは31bは、計測点の位置座標を算出することができる。
計測データ除去部61bまたは31bは、RANSAC(Random Sampling Consensus)アルゴリズムを用いて、点群データから算出された複数の計測点の位置座標に平面を当てはめることにより、平面を検出する。これにより、地面や建物の壁などの平面を検出することができる。計測データ除去部61bまたは31bは、検出した平面の高さが所定の高さ閾値以下の場合に、当該平面を構成する計測点の計測データ(当該平面の検出の元となった計測点の計測データ)を、地面上の計測点の計測データとして除去する。
<検出方法3>
計測データ除去部61bまたは31bは、各計測点について、当該計測点の反射光強度が予め定められたアスファルトの反射光強度の範囲内に含まれているか否かを判断する。計測データ除去部61bまたは31bは、アスファルトの反射光強度の範囲内に含まれる反射光強度を有する計測点の計測データを、地面上の計測点の計測データとして除去する。
<検出方法4>
計測データ除去部61bまたは31bは、LiDAR1Lまたは40が計測した点群データから、各計測点の位置座標を算出する。LiDAR1Lまたは40の位置と、計測点までの距離と、計測点の方向とが分かっているため、計測データ除去部61bまたは31bは、計測点の位置座標を算出することができる。
図9および図10は、LiDAR1Lまたは40が計測した点群データから算出された計測点の位置座標を2次元平面上にプロットした図である。つまり、図9および図10は、予め定められた視点から各計測点を見た図である。図9および図10において、計測点は黒点で示されている。LiDAR1Lまたは40は、レーザを円周方向に動かしながら照射し、各計測点までの距離を検出する。このため、レーザで平面を走査した場合には、計測点の軌跡は円弧形状を有することとなる。
したがって、計測データ除去部61bまたは31bは、点群データに基づいて算出された計測点の軌跡の曲率の変動が所定範囲内であり、かつ当該軌跡の長さが所定の長さ閾値以上であるという条件を満たす場合に、当該軌跡を構成する計測点の計測データを、地面上の計測点の計測データとして除去する。ここで、曲率の変動が所定範囲内とは、例えば、軌跡における曲率の最大値と最小値との比または差が所定の閾値範囲内に含まれていることを言う。
例えば、図9においては、軌跡101や102は、上記条件を満たすため、地面上の計測点の計測データとして除去される。なお、図9には、車両2を構成する計測点103が示されているが、計測点103は、上記条件を満たさないため、除去されない。
また、図10においては、軌跡104や105は、上記条件を満たすため、地面上の計測点の計測データとして除去される。なお、図10には、歩行者7を構成する計測点106が示されているが、計測点106は、上記条件を満たさないため、除去されない。
車載装置3または送信装置6は、上記した検出方法1〜4の少なくとも1つの方法を用いて地面上の計測点の計測データを除去する。
[6.動的情報の更新処理および配信処理]
図11は、LiDAR1L、送信装置6、車載装置3およびサーバ5の協働により実行される、動的情報の更新処理および配信処理の一例を示すシーケンス図である。図11に示されるシーケンスを所定間隔(例えば、100msec間隔)で繰り返すことにより、所定間隔で動的情報が更新される。
LiDAR40は、LiDAR40の周囲の複数の計測点までの距離を計測し、複数の計測点の計測データを含む点群データを、通信パケットに含めて送信装置6に送信する(S1)。送信装置6は、LiDAR40から、当該通信パケットを受信する。
送信装置6は、受信した通信パケットに含まれる点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する(S2)。
図12は、計測データの除去処理(図11のステップS2)の詳細なフローチャートである。
送信装置6は、各計測点の計測データが示す計測点までの距離に基づいて、計測点の位置座標を算出する(S11)。
送信装置6は、複数の計測点の中に地面上の計測点が存在するか否かを判断する(S12)。地面上の計測点が存在する場合には(S12でYES)、送信装置6は、地面上の計測点を除去する(S13)。
送信装置6は、複数の計測点の中に、図6に示したような所定の角度範囲で示される制限領域12内の計測点が存在するか否かを判断する(S14)。制限領域12内の計測点が存在する場合には(S14でYES)、送信装置6は、制限領域12内の計測点を除去する(S15)。なお、ステップS14およびS15の処理は、車載装置3においては実行されなくてもよい。
送信装置6は、複数の計測点の中に、図6または図7に示したような所定の座標により定義される制限領域13内の計測点が存在するか否かを判断する(S16)。制限領域13内の計測点が存在する場合には(S16でYES)、送信装置6は、制限領域13内の計測点を除去する(S17)。
再度図11を参照して、送信装置6は、所定の領域に含まれる計測点の計測データが除去された後の点群データを、サーバ5に送信する(S3)。
サーバ5は、送信装置6から受信した点群データに基づいて、マップMの動的情報を更新する(S4)。例えば、サーバ5は、点群データに基づいて、マップ上に存在する車両2または歩行者7などの移動物体を検出する。サーバ5は、検出結果に基づいて、マップM上の移動物体の位置を更新したり、新たに出現した移動物体をマップM上に重畳させることにより、マップMの動的情報を更新する。
車両2の車載装置3は、マップMの動的情報の配信を要求する制御パケットを要求メッセージとしてサーバ5に送信する(S5)。
サーバ5は、車両2の車載装置3から要求メッセージを受け取り、要求メッセージの送信元である車両2の車載装置3に対して、マップMの動的情報を送信する(S6)。車両2の車載装置3は、当該動的情報を受信する。
なお、上記した動的情報の更新処理および配信処理の説明では、LiDAR1L、送信装置6、車載装置3およびサーバ5の協働による処理について説明したが、LiDAR1Lおよび送信装置6の代わりに、LiDAR40および車載装置3をそれぞれ用いてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態によると、点群データのうち、所定の領域に含まれる計測点の計測データをサーバ5に送信しないようにすることができる。このため、所定の領域を、建物などの固定物や地面などの静的な対象物の計測点の領域とすることにより、サーバ5に対して無駄な計測データを送信しないようにすることができる。これにより、車載装置3または送信装置6からサーバ5への通信トラフィック量を減少させることができる。また、サーバ5は、静的情報の計測データが除去された点群データを受信することができる。このため、サーバ5は、動的情報を効率的に更新することができる。
なお、LiDAR1LやLiDAR40が下向きに取り付けられているような場合には、LiDARが計測する計測点の大部分は地面である。車載装置3または送信装置6は、地面上の計測点の計測データを除去した点群データをサーバ5に送信している。このため、車載装置3または送信装置6からサーバ5への通信トラフィック量を効果的に減少させることができる。
また、車載装置3は、車両や歩行者が通過することのできない所定の角度範囲に含まれる計測点の計測データを除去した点群データをサーバ5に送信している。これにより、路側に設置されたLiDAR1Lにより車両2や歩行者7などの移動物体までの距離を検出する際に、サーバ5に対して無駄な計測データを送信しないようにすることができる。
また、車載装置3または送信装置6は、所定の位置座標に存在する計測点の計測データを除去して点群データをサーバ5に送信している。このように、車両や歩行者が通過することのできない位置の座標を所定の位置座標とすることにより、当該位置座標に存在する計測点の計測データをサーバに送信しないようにすることができる。
また、車両2や歩行者7が通過することのできない領域を、所定の位置座標で定義される図形領域で示すことにより、少ない情報量で当該領域を定義することができる。
また、上記した所定の角度範囲または所定の位置座標は、車載装置3または送信装置6が予め記憶していてもよい。これにより、外部装置からこのようなデータを受信することができない場合であっても、計測データを除去することができる。
また、上述した所定の角度範囲または所定の位置座標は、車載装置3または送信装置6が、サーバ5などの外部装置から受信してもよい。これにより、車両2や歩行者7が通過することのできない領域等が変化した場合であっても、当該変化に即座に対応して計測データの除去を行うことができる。
以上、本発明の実施形態に係る無線通信システムについて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、車載装置3または送信装置6からサーバ5へ点群データを送信するものとしたが、点群データを送信する対象の装置はサーバ5に限定されるものではない。例えば、マップMの動的情報を更新する機能が車載装置3に備わっている場合には、ある車載装置3から、当該機能を備える他の車載装置3に対して、点群データを無線により送信してもよい。また、送信装置6から当該機能を備える車載装置3に対して、点群データを無線により送信してもよい。
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよい。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムをコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD−ROM、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムを、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1C カメラ
1L LiDAR
2 車両
3 車載装置
4 基地局
5 サーバ
6 送信装置
11 計測領域
12 制限領域
13 制限領域
31 制御部
31a 点群データ取得部
31b 計測データ除去部
31c 領域情報取得部
32 GPS受信機
33 車速センサ
34 ジャイロセンサ
35 記憶部
36 ディスプレイ
37 スピーカ
38 入力デバイス
39 カメラ
40 LiDAR
41 通信部
51 制御部
52 情報生成部
53 ROM
54 RAM
55 記憶部
56 通信部
61 制御部
61a 点群データ取得部
61b 計測データ除去部
61c 領域情報取得部
62 記憶部
63 通信部
101 軌跡
103 計測点
104 軌跡
106 計測点

Claims (18)

  1. センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部と、
    前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部と、
    前記計測データ除去部により前記計測データが除去された後の前記点群データを、サーバに送信する点群データ送信部とを備える、送信装置。
  2. 前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、地面上の計測点の計測データを除去する、請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、
    前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離を前記計測データとして含む前記点群データを取得し、
    前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、各計測点の高さを算出し、算出された高さが所定の高さ閾値以下の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去する、請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、
    前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離を前記計測データとして含む前記点群データを取得し、
    前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データに基づいて算出される計測点に当てはめられる平面の高さが所定の高さ閾値以下の場合に、当該平面を構成する計測点の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去する、請求項2に記載の送信装置。
  5. 前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、
    前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離と各計測点からの反射光強度とを前記計測データとして含む前記点群データを取得し、
    前記計測データ除去部は、各計測点からの反射光強度に基づいて、当該反射光強度が所定の条件を満たす計測点の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去する、請求項2に記載の送信装置。
  6. 前記センサは、各計測点までの距離を計測するレーダセンサであり、
    前記点群データ取得部は、前記複数の計測点における各計測点までの距離を前記計測データとして含む前記点群データを取得し、
    前記計測データ除去部は、前記点群データ取得部が取得した前記点群データに基づいて算出される計測点の軌跡の曲率の変動が所定範囲内であり、かつ当該軌跡の長さが所定の長さ閾値以上の場合に、当該軌跡を構成する計測点の計測データを、前記地面上の計測点の計測データとして除去する、請求項2に記載の送信装置。
  7. 前記センサは、路側に設置されている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の送信装置。
  8. 前記計測データ除去部は、前記センサを基準とした所定の角度範囲内に含まれる計測点の計測データを除去する、請求項7に記載の送信装置。
  9. さらに、
    前記所定の角度範囲を記憶している領域情報記憶部を備え、
    前記計測データ除去部は、前記領域情報記憶部に記憶されている前記所定の角度範囲に基づいて前記計測データを除去する、請求項8に記載の送信装置。
  10. さらに、
    外部装置から、前記所定の角度範囲を取得する領域情報取得部を備え、
    前記計測データ除去部は、前記領域情報取得部が取得した前記所定の角度範囲に基づいて前記計測データを除去する、請求項8に記載の送信装置。
  11. 前記センサは、車両に設置されている、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の送信装置。
  12. 前記計測データ除去部は、所定の位置座標に存在する計測点の計測データを除去する、請求項7に記載の送信装置。
  13. 前記計測データ除去部は、所定の位置座標で定義される図形領域に含まれる計測点の計測データを除去する、請求項7に記載の送信装置。
  14. さらに、
    前記所定の位置座標を記憶している領域情報記憶部を備え、
    前記計測データ除去部は、前記領域情報記憶部に記憶されている前記所定の位置座標に基づいて前記計測データを除去する、請求項12または請求項13に記載の送信装置。
  15. さらに、
    外部装置から、前記所定の位置座標を取得する領域情報取得部を備え、
    前記計測データ除去部は、前記領域情報取得部が取得した前記所定の位置座標に基づいて前記計測データを除去する、請求項12または請求項13に記載の送信装置。
  16. 前記センサは、LiDAR方式のレーダセンサである、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の送信装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の送信装置と、
    前記送信装置から、センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを受信するサーバとを備える、点群データ収集システム。
  18. コンピュータを、
    センサにより計測された複数の計測点における計測データを含む点群データを取得する点群データ取得部と、
    前記点群データ取得部が取得した前記点群データから、所定の領域に含まれる計測点の計測データを除去する計測データ除去部と、
    前記計測データ除去部により前記計測データが除去された後の前記点群データを、サーバに送信する点群データ送信部として機能させるための、コンピュータプログラム。
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