JP2019079454A - 車両制御システム、機能通知装置、機能通知方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

車両制御システム、機能通知装置、機能通知方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数のセンサ情報に基づいて、適切な運転支援制御を実行することのできる車両制御システムを提供する。【解決手段】車両制御システムは、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、センサ情報選択部が選択した少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、機能選択部が選択した少なくとも1つの機能を実現するための処理を実行する処理実行部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両制御システム、機能通知装置、機能通知方法およびコンピュータプログラムに関する。
従来、複数のセンサから受信したセンサ情報を表示機器に表示する表示制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この表示制御システムでは、複数のセンサから受信した情報を複数の表示機器に表示する際に、表示機器のそれぞれに合った表示情報を生成して、表示機器に表示させる。
特開2009−206750号公報
一方、複数のセンサ情報を情報源として、運転支援制御を実行することが望まれている。
しかしながら、従来の表示制御システムでは、表示方法のみに着目されており、同一の対象物を複数のセンサで検出した際に、どのセンサ情報を利用して運転支援制御を実行するかについては考慮されていない。各センサの精度は様々であり、センサが高精度であったとしても、センサと対象物との間の遮蔽物の存在等によっては、当該センサによって、適切に対象物が検出できない場合がある。つまり、センサの状況に応じて、当該センサによるセンサ情報を利用すべきか否かが動的に変化する。このため、適切な運転支援制御を実行するためには、どのセンサ情報を選択するかが重要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数のセンサ情報に基づいて、適切な運転支援制御を実行することのできる車両制御システム、機能通知装置、機能通知方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の一実施態様に係る車両制御システムは、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を実現するための処理を実行する処理実行部と、を備える。
(9)本発明の他の実施態様に係る機能通知装置は、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知する機能通知部と、を備える。
(10)本発明の他の実施態様に係る機能通知方法は、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するステップと、選択された前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択するステップと、選択された前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知するステップと、を含む。
(11)本発明の他の実施態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知する機能通知部と、して機能させる。
本発明によると、複数のセンサ情報に基づいて、適切な運転支援制御を実行することができる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。 サーバの構成の一例を示すブロック図である。 車載装置の構成の一例を示すブロック図である。 路側センサの構成の一例を示すブロック図である。 センサ情報の収集例について説明するための図である。 車両、カメラ、LiDAR、ミリ波レーダ、およびサーバの協働により実行される、運転支援機能情報の配信処理の一例を示すシーケンス図である。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。 移動物体と各センサとの位置関係を示す図である。 機能選択処理(図6のステップS10)詳細を示すフローチャートである。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。 移動物体と各センサとの位置関係を示す図である。 センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。 センサ情報選択のための優先順位の一例を示す図である。
[本願発明の実施形態の概要]
最初に本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る車両制御システムは、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を実現するための処理を実行する処理実行部と、を備える。
この構成によると、センサ情報を選択する際に用いる優先順位を、所定の基準に従って動的に変更することができる。例えば、センサの状況に応じて、選択するセンサ情報を動的に変更することができる。このため、適切なセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。これにより、複数のセンサ情報に基づいて、適切な運転支援制御を実行することができる。
(2)好ましくは、前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサから前記対象物までの距離に従い、前記優先順位を変更する。
この構成によると、例えば、対象物までの距離が近いセンサで計測されたセンサ情報ほど優先順位を高くすることができる。同程度の精度を有するセンサ間では、対象物までの距離が近いセンサほど正確に対象物を計測することができる。このため、対象物までの距離が近いセンサで検出されたセンサ情報を優先的に用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
(3)また、前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサの位置精度に従い、前記優先順位を変更してもよい。
この構成によると、例えば、対象物の絶対位置の検出精度が低いセンサ情報の優先順位を低くすることができる。対象物の絶対位置は、センサの絶対位置と、センサから対象物までの相対位置で規定することができる。このため、センサの絶対位置の検出精度が低い場合には、対象物の絶対位置の検出精度までも低くなる。よって、高い位置精度のセンサ情報が優先的に選択されるように優先順位を変更することにより、対象物の絶対位置の検出精度が高いセンサ情報を用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。これにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
(4)また、前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサによる前記対象物の連続検出回数に従い、前記優先順位を変更してもよい。
この構成によると、例えば、2回以上連続して対象物を検出したセンサのセンサ情報が、1回しか対象物を検出していないセンサのセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。これにより、安定的に対象物を検出しているセンサ情報を用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。よって、適切な運転支援制御を実行することができる。
(5)また、前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサと前記対象物との間の遮蔽物の有無に従い、前記優先順位を変更してもよい。
この構成によると、例えば、センサと対象物との間に遮蔽物が無いセンサ情報が、当該遮蔽物が有るセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。センサと対象物との間に遮蔽物が有ると、対象物の検出精度が低くなるが、遮蔽物の無いセンサ情報を優先的に用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
(6)また、前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサによる前記対象物の検出結果に従い、前記優先順位を変更してもよい。
この構成によると、例えば、対象物を検出したことを示すセンサ情報が、対象物を検出しなかったことを示すセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。これにより、車両が存在するにもかかわらず、車両が存在しないと判断されて運転支援制御が実行されることを防ぐことができる。
(7)また、前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として前記対象物が存在する地点の天候に従い、前記優先順位を変更してもよい。
この構成によると、例えば、雨天時には、ミリ波レーダによるセンサ情報が、レーザレーダによるセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。ミリ波レーダはレーザレーダに比べて雨天時であっても安定的に対象物を検出することができるため、上記のように優先順位を変更することで、適切な運転支援制御を実行することができる。
(8)また、変更前の前記優先順位は、各前記センサの種別に応じて定められてもよい。
この構成によると、高精度のセンサによるセンサ情報を優先的に選択する優先順位を原則としつつ、上記した所定の基準に従って当該優先順位を変更することができる。このため、センサの状況に応じて、適切なセンサ情報を選択することができる。これにより、複数のセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。よって、適切な運転支援制御を実行することができる。
(9)本発明の他の実施形態に係る機能通知装置は、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知する機能通知部と、を備える。
この構成によると、センサ情報を選択する際に用いる優先順位を、所定の基準に従って動的に変更することができる。例えば、センサの状況に応じて、選択するセンサ情報を動的に変更することができる。このため、適切なセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を対象車両に通知することができる。通知を受けた対象車両は、通知された機能を実現するための処理を実行することにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
(10)本発明の他の実施形態に係る機能通知方法は、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するステップと、選択された前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択するステップと、選択された前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知するステップと、を含む。
この構成は、上述した機能通知装置の各処理部に対応するステップを含む。このため、上述した機能通知装置と同様の作用および効果を奏することができる。
(11)本発明の他の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知する機能通知部と、して機能させる。
この構成によると、上述した機能通知装置として、コンピュータを機能させることができる。このため、上述した機能通知装置と同様の作用および効果を奏することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
また、同一の構成要素には同一の符号を付す。それらの機能および名称も同様であるため、それらの説明は適宜省略する。
(実施形態1)
[無線通信システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、車両制御システムとして機能し、無線通信が可能な複数の路側センサ1および車両2と、路側センサ1および車両2と無線通信する1または複数の基地局4と、基地局4とネットワークを介して有線または無線で通信するサーバ5とを備える。
基地局4は、マクロセル基地局、マイクロセル基地局、およびピコセル基地局のうちの少なくとも1つよりなる。
本実施形態の無線通信システムにおいて、サーバ5は、例えば、SDN(Software-Defined Networking)が可能な汎用サーバよりなる。また、基地局4および図示しないリピータなどの中継装置は、SDNが可能なトランスポート機器によりなる。
上記のSDNに代表されるネットワーク仮想化技術は、現時点で規格化が進行中の「第5世代移動通信システム」(以下、「5G」(5th Generation)と略記する。)の基本コンセプトである。したがって、本実施形態の無線通信システムは、例えば5Gよりなる。
路側センサ1は、無線通信機能を有し、道路に設置された画像式車両感知器またはLiDAR、屋外または屋内に設置された防犯カメラなどの各種センサを含んで構成される。
車両2は、無線通信機能を有する車載装置3を含む。車載装置3は、カメラ、ミリ波レーダなどの各種センサを含んで構成される。
車両2には、通常の乗用車だけでなく、路線バスや緊急車両などの公共車両も含まれる。また、車両2は、四輪車だけでなく、二輪車(バイク)であってもよい。
車両2の駆動方式は、エンジン駆動、電気モータ駆動、およびハイブリッド方式のいずれでもよい。車両2の運転方式は、搭乗者が加減速やハンドル操舵などの操作を行う通常運転、およびその操作をソフトウェアが実行する自動運転のいずれでもよい。
[サーバの構成]
図2は、サーバ5の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ5は、機能通知装置として機能し、CPU(Central Processing Unit)などを含む制御部51と、ROM(Read Only Memory)55と、RAM(Random Access Memory)56と、記憶部57と、通信部58とを備える。
制御部51は、ROM55に予め記憶された1または複数のプログラムをRAM56に読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置を基地局4と通信可能なサーバ5として機能させる。つまり、制御部51は、プログラムを実行することにより実現される機能な処理部として、センサ情報選択部52と、機能選択部53と、機能通知部54とを備える。
RAM56は、SRAM(Static RAM)またはDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性のメモリ素子で構成され、制御部51が実行するプログラムおよびその実行に必要なデータを一時的に記憶する。
記憶部57は、フラッシュメモリ若しくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、または、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。
通信部58は、5G対応の通信処理を実行する通信装置よりなり、ネットワークを介して基地局4と通信する。通信部58は、制御部51から与えられた情報を、ネットワークを介して外部装置に送信するとともに、ネットワークを介して受信した情報を制御部51に与える。
制御部51のセンサ情報選択部52は、所定の周期ごとに、サーバ5のサービスエリア内で車両2や路側センサ1などが計測した各種のセンサ情報を、車両2や路側センサ1などから収集する。
その際、センサ情報選択部52は、同一の位置情報(緯度情報および経度情報)を有する対象物が、複数の車載装置3または路側センサ1により計測された場合には、優先順位に基づいて、複数の車載装置3または路側センサ1の計測結果である複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択する。なお、上記優先順位は、所定の基準に従って動的に変更可能である。
制御部51の機能選択部53は、センサ情報選択部52が収集または選択したセンサ情報に基づいて、運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する。
制御部51の機能通知部54は、車両2の車載装置3や、ユーザが所持する通信端末から、運転支援のための機能情報の要求メッセージを受信すると、所定の配信周期ごとに、機能選択部53が選択した機能を示す機能情報と、センサ情報選択部52が選択したセンサ情報とを、要求メッセージの送信元の車載装置3または通信端末に配信する(運転支援機能情報の配信処理)。
制御部51は、交通管制センターおよび民間気象業務支援センターなどからサービスエリア内の各地の交通情報および気象情報を収集してもよい。
[車載装置の構成]
図3は、車載装置3の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、車両2の車載装置3は、制御部(ECU:Electronic Control Unit)31と、GPS受信機32と、車速センサ33と、ジャイロセンサ34と、記憶部35と、ディスプレイ36と、スピーカ37と、入力デバイス38と、カメラ39と、ミリ波レーダ40と、通信部41とを備える。
通信部41は、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。なお、通信部41は、車両2に既設の無線通信機であってもよいし、搭乗者が車両2に持ち込んだ携帯端末であってもよい。
搭乗者の携帯端末は、車両2の車内LAN(Local Area Network)に接続されることにより、一時的に車載の無線通信機となる。
制御部31は、車両2の経路探索および他の電子機器32〜41の制御などを行うコンピュータ装置よりなる。制御部31は、GPS受信機32が定期的に取得するGPS信号により自車両の車両位置を求める。なお、制御部31は、図示しない準天頂衛星から送信される信号を受信する受信機が受信したGPS補完信号またはGPS補強信号を合わせて用いることで、GPS信号を補完したり、自車両の車両位置を補正したりしてもよい。
制御部31は、車速センサ33およびジャイロセンサ34の入力信号に基づいて、車両位置および方位を補完し、車両2の正確な現在位置および方位を把握する。
GPS受信機32、車速センサ33およびジャイロセンサ34は、車両2の現在位置、速度および向きを計測するセンサ類である。
記憶部35は、地図データベースを備える。地図データベースは、制御部31に道路地図データを提供する。道路地図データは、リンクデータやノードデータを含み、DVD、CD−ROM、メモリカード、またはHDDなどの記録媒体に格納されている。記憶部35は、記録媒体から必要な道路地図データを読み出して制御部31に提供する。
ディスプレイ36とスピーカ37は、制御部31が生成した各種情報を車両2の搭乗者であるユーザに通知するための出力装置である。
具体的には、ディスプレイ36は、経路探索の際の入力画面、自車周辺の地図画像および目的地までの経路情報などを表示する。スピーカ37は、車両2を目的地に誘導するためのアナウンスなどを音声出力する。これらの出力装置は、通信部41が受信した提供情報を搭乗者に通知することもできる。
入力デバイス38は、車両2の搭乗者が各種の入力操作を行うためデバイスである。入力デバイス38は、ハンドルに設けた操作スイッチ、ジョイスティック、およびディスプレイ36に設けたタッチパネルなどの組み合わせよりなる。
搭乗者の音声認識によって入力を受け付ける音声認識装置を、入力デバイス38とすることもできる。入力デバイス38が生成した入力信号は、制御部31に送信される。
カメラ39は、車両2の前方の映像を取り込む画像センサよりなる。カメラ39は、単眼または複眼のいずれでもよい。ミリ波レーダ40は、車両2の前方や周囲に存在する物体を検出するセンサよりなる。なお、ミリ波レーダ40の代わりに、または、ミリ波レーダ40とともに、LiDARや、レーザレーダ、超音波レーダなどの各種センサを用いることができる。
制御部31は、処理実行部として機能し、カメラ39およびミリ波レーダ40による計測データや、サーバ5から取得したセンサ情報に基づいて、運転中の搭乗者に対する注意喚起をディスプレイ36に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することができる。
制御部31は、記憶部35に格納された各種の制御プログラムを実行する、マイクロコンピュータなどの演算処理装置により構成されている。
制御部31は、上記制御プログラムを実行することにより、車両2の安全運転を支援する機能、ディスプレイ36に地図画像を表示させる機能、出発地から目的地までの経路(中継地がある場合はその位置を含む。)を算出する機能、算出した経路に従って車両2を目的地まで誘導する機能など、各種のナビゲーション機能を実行可能である。
制御部31は、カメラ39およびミリ波レーダ40のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、自車両の前方または周囲の物体を認識する物体認識処理と、認識した物体までの距離を算出する測距処理が可能である。
制御部31は、測距処理により算出した距離と、自車両のセンサ位置とから、物体認識処理によって認識した物体の位置情報を算出することができる。
制御部31は、サーバ5との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)要求メッセージの送信処理
2)機能情報の受信処理
3)通信パケットの送信処理
要求メッセージの送信処理とは、サーバ5が逐次選択する安全運転支援のための機能情報の配信を要求する制御パケットを、サーバ5に送信する処理のことである。制御パケットには、自車両の車両IDが含まれる。
サーバ5は、所定の車両IDを含む要求メッセージを受信すると、送信元の車両IDを有する車両2の通信部41宛てに、機能情報およびセンサ情報を所定の配信周期で配信する。
機能情報の受信処理とは、自装置に宛ててサーバ5が配信した機能情報およびセンサ情報を、受信する処理のことである。
制御部31は、受信した機能情報が示す機能を実現するための処理を実行する。
例えば、制御部31は、機能情報が示す機能が「自動追従機能」の場合には、受信したセンサ情報を用いて、前方の車両に追従するための処理を実行する。
また、制御部31は、受信した機能情報が示す機能が「運転支援」の場合には、受信したセンサ情報を用いて、ドライバーによる車両2の運転を支援するための処理を実行する。例えば、制御部31は、自動ブレーキやレーンキーピングアシストなどの運転支援機能を実現するための処理を実行する。
また、制御部31は、受信した機能情報が示す情報が「注意喚起」の場合には、受信したセンサ情報を用いて、他車両の衝突可能性や接近を判定し、判定結果に基づいてドライバーに対する注意喚起を行う。例えば、制御部31は、走行に影響を及ぼす可能性のある他車両の位置情報をディスプレイ36に表示させたり、当該他車両の存在を示す警報音をスピーカ37から出力させたりする。
また、制御部31は、受信した機能情報が示す情報が「情報提供」の場合には、ドライバーに対して他車両に関する情報を提供する。例えば、制御部31は、受信したセンサ情報を用いて、他車両の位置情報をディスプレイ36に表示させる。
車両2における通信パケットの送信処理とは、カメラ39またはミリ波レーダ40による対象物の検出結果を示すセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する処理のことである。通信パケットの送信処理は、サーバ5による機能情報の配信周期内に行われる。
センサ情報には、対象物の位置情報(対象物の緯度情報および経度情報)の他、車両2(カメラ39またはミリ波レーダ40)から対象物までの距離情報、車両2の位置情報(車両2の緯度情報よび経度情報)、車両2の速度情報、車両2の方位情報、センサの位置精度情報などが含まれる。センサの位置精度情報とは、つまり、車両2の位置精度を示す情報のことである。センサの位置精度情報は、例えば、以下に示す(a)〜(g)などにより定められる。
(a)DR(自律航法、ジャイロセンサ34や車速センサ33などの車速パルスやバック信号による位置の補正)の有無
(b)マップマッチングによる補正の有無
(c)記憶部35に記憶されている道路地図データの精度
(d)車両2の位置を求める際に用いたGPS衛星の数
(e)GPS受信機32のC/N0(搬送波雑音電力密度比)
(f)GPSクオリティ
(g)PDOP(位置精度低下率)
制御部31は、通信パケットに自車両の車両IDを含めて、サーバ5宛に送信する。
[路側センサの構成]
図4は、路側センサ1の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、路側センサ1は、制御部11と、記憶部12と、カメラ13と、ミリ波レーダ14と、通信部15とを備える。
通信部15は、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。
したがって、路側センサ1は、サーバ5と通信することができる。
制御部11は、CPU、ROM及びRAMなどを含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行し、路側センサ1の全体の動作を制御する。
記憶部12は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成され、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。記憶部12は、路側センサ1の識別情報であるセンサIDを記憶している。センサIDは、例えば、路側センサ1の所有者固有のユーザIDやMACアドレスなどよりなる。
カメラ13は、所定の撮影エリアの映像を取り込む画像センサよりなる。カメラ13は、単眼又は複眼のいずれでもよい。ミリ波レーダ14は、ミリ波レーダ14の前方や周囲に存在する物体を検出するセンサよりなる。なお、ミリ波レーダ14の代わりに、または、ミリ波レーダ14とともに、LiDARや、レーザレーダ、超音波レーダなどの各種センサを用いることができる。
また、路側センサ1には、カメラ13およびミリ波レーダ14のいずれか1つのみが備えられていてもよい。
制御部11は、カメラ13及びミリ波レーダ14のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、撮影エリア内の物体を認識する物体認識処理と、認識した物体までの距離を算出する測距処理が可能である。
制御部11は、測距処理により算出した距離と、自車両のセンサ位置とから、物体認識処理によって認識した物体の位置情報を算出することができる。
制御部11は、サーバ5との通信において、通信パケットの送信処理を実行可能である。
路側センサ1による通信パケットの送信処理とは、カメラ13またはミリ波レーダ14による対象物の検出結果を示すセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する処理のことである。通信パケットの送信処理は、サーバ5による安全運転支援のための機能情報の配信周期内に行われる。
センサ情報には、対象物の位置情報(対象物の緯度情報および経度情報)や、路側センサ1から対象物までの距離情報などが含まれる。
制御部11は、通信パケットにセンサIDを含めて、サーバ5宛に送信する。
[センサ情報の収集]
図5は、センサ情報の収集例について説明するための図であり、(A)は、車両からのセンサ情報の収集について説明するための図であり、(B)は、路側センサからのセンサ情報の収集について説明するための図である。
図5の(A)に示すように、自車両の周囲に6台の車両2(車両A〜C、車両A´〜C´)が走行しているものとする。例えば、車両Aは、カメラ39またはミリ波レーダ40の計測データから車両Aの前方を走行する車両A´の位置を検出し、車両Aの位置情報と車両A´の位置情報とを含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する。同様に、車両Bは、カメラ39またはミリ波レーダ40の計測データから車両Bの前方を走行する車両B´の位置を検出し、車両Bの位置情報と車両B´の位置情報とを含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する。また、車両Cは、カメラ39またはミリ波レーダ40の計測データから車両Cの前方を走行する車両C´の位置を検出し、車両Cの位置情報と車両C´の位置情報とを含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する。
これにより、サーバ5は、自車両の周囲を走行する6台の車両2の位置情報を示すセンサ情報を収集し、収集したセンサ情報の中から、優先順位に従ってセンサ情報を選択する。また、サーバ5は、センサ情報に基づいて安全運転支援のための機能を選択する。サーバ5は、選択した機能情報およびセンサ情報を、自車両を含む各車両2に送信する。
また、図5の(B)に示すように、自車両の周囲には3台の車両2(車両E〜F)が走行しているものとする。また、自車両が走行する道路の路側には路側センサ1として路側センサA〜Cが設置されているものとする。路側センサAは、車両Dの位置を検出し、車両Dの位置情報を含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する。同様に、路側センサBは、車両Eの位置を検出し、車両Eの位置情報を含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する。また、路側センサCは、車両Fの位置を検出し、車両Fの位置情報を含む通信パケットを、サーバ5宛に送信する。
これにより、サーバ5は、自車両の周囲を走行する3台の車両2の位置情報を示すセンサ情報を収集し、収集したセンサ情報の中から、優先順位に従ってセンサ情報を選択する。また、サーバ5は、センサ情報に基づいて安全運転支援のための機能を選択する。サーバ5は、選択した機能情報およびセンサ情報を、自車両を含む各車両2に送信する。
なお、サーバ5は、図5の(A)に示したように車両2から収集した当該車両または周囲車両の位置情報と、図5の(B)に示したように路側センサ1から収集した車両2の位置情報との双方を用いて、機能情報の選択を行うこともできる。
[運転支援機能情報の配信処理]
図6は、車両2、カメラ1C、LiDAR1L、ミリ波レーダ3M、およびサーバ5の協働により実行される、運転支援機能情報の配信処理の一例を示すシーケンス図である。図6に示されるシーケンスを所定間隔(例えば、100msec間隔)で繰り返すことにより、所定間隔で安全運転支援のための機能が選択され、配信される。
ここで、車両2は、機能情報の提供を受ける車両を示す。カメラ1Cは、カメラ13を備える路側センサ1を示す。LiDAR1Lは、LiDARを備える路側センサ1を示す。ミリ波レーダ3Mは、ミリ波レーダ40を備える車載装置3を示す。超音波レーダ3Uは、超音波レーダを備える車載装置3を示す。ただし、これらのセンサは、一例であり、いずれかのセンサが含まれていなくてもよいし、これ以外のセンサが含まれていてもよい。
以下では、各センサが検出する対象物は移動物体であるとして説明を行うが、検出対象物は静止物体であってもよい。
カメラ1Cは、カメラ13が撮像した映像データに基づいて、カメラ1Cの前方または周囲を走行する車両2または歩行者などの移動物体を検出する(S1)。
LiDAR1Lは、LiDARの計測データに基づいて、LiDAR1Lの前方または周囲を走行する車両2または歩行者などの移動物体を検出する(S2)。
ミリ波レーダ3Mは、ミリ波レーダ3Mを備える車両2の前方または周囲を走行する他の車両2または歩行者などの移動物体を検出する(S3)。
超音波レーダ3Uは、超音波レーダ3Uを備える車両2の前方または周囲を走行する他の車両2または歩行者などの移動物体を検出する(S4)。
カメラ1Cは、移動物体の検出結果を含むセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5に送信する(S5)。サーバ5は、カメラ1Cから送信された通信パケットを受信する。
LiDAR1Lは、移動物体の検出結果を含むセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5に送信する(S6)。サーバ5は、LiDAR1Lから送信された通信パケットを受信する。
ミリ波レーダ3Mは、移動物体の検出結果を含むセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5に送信する(S7)。サーバ5は、ミリ波レーダ3Mから送信された通信パケットを受信する。
超音波レーダ3Uは、移動物体の検出結果を含むセンサ情報を含む通信パケットを、サーバ5に送信する(S8)。サーバ5は、超音波レーダ3Uから送信された通信パケットを受信する。
サーバ5は、カメラ1C、LiDAR1L、ミリ波レーダ3Mおよび超音波レーダ3Uからそれぞれ受信した通信パケットに含まれるセンサ情報に基づいて、同一の移動物体についてのセンサ情報が複数存在する場合には、複数のセンサ情報の中から1つのセンサ情報を選択する(S9)。ただし、選択するセンサ情報の数は1つに限定されるものではなく、複数のセンサ情報を選択してもよい。センサ情報の選択処理(ステップS9)については後述する。
サーバ5は、各センサから受信したセンサ情報と、センサ情報の選択処理(ステップS9)により選択されたセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための機能を選択する(S10)。機能選択処理(ステップS10)については後述する。
車両2の車載装置3は、機能情報の配信を要求する制御パケットを要求メッセージとしてサーバ5に送信する(S11)。
サーバ5は、車両2の車載装置3から要求メッセージを受け取り、要求メッセージの送信元である車両2の車載装置3に対して、機能選択処理(ステップS10)で選択された機能情報と、センサ情報の選択処理(ステップS9)で選択されたセンサ情報とを送信する(S12)。車両2の車載装置3は、当該機能情報および当該センサ情報を受信する。
[センサ情報の選択処理(図6のステップS9)]
センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細について、具体例を参照しながら説明する。
図7は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。図8は、移動物体と各センサとの位置関係を示す図である。
なお、センサ情報を選択するための優先順位は、各センサの種別に応じて事前に定められており、サーバ5の記憶部57に記憶されているものとする。
図7を参照して、サーバ5のセンサ情報選択部52は、同一の移動物体について路側センサ1のカメラ(以下、「路側カメラ」という。)と、路側センサ1のLiDAR(以下、「路側LiDAR」という。)とのセンサ情報があるか否かを判定する(S21)。
例えば、図8の(A)または(B)に示すように、交差点を走行する移動物体である対象車両(車両2)を、カメラ1C、LiDAR1L、ミリ波レーダ3Mおよび超音波レーダ3Uが検出したとする。この場合には、カメラ1C(路側カメラ)のセンサ情報と、LiDAR1L(路側LiDAR)のセンサ情報とがあるため、ステップS21の判定結果は肯定的である。
ステップS21の判定結果が肯定的である場合には(S21でYES)、センサ情報選択部52は、距離C1(路側カメラから移動物体までの距離)が距離L1(路側LiDARから移動物体までの距離)よりも小さいか否かを判定する(S22)。
例えば、図8の(A)に示すように、カメラ1Cから車両2までの距離C1が、LiDAR1Lから車両2までの距離L1よりも小さい場合には、ステップS22の判定結果は肯定的となる。一方、図8の(B)に示すように、カメラ1Cから車両2までの距離C1が、LiDAR1Lから車両2までの距離L1以上の場合には、ステップS22の判定結果は否定的となる。
距離C1が距離L1よりも小さい場合には(S22でYES)、センサ情報選択部52は、路側カメラの優先順位が、路側LiDARの優先順位よりも高くなるように、センサ情報選択のための優先順位を決定する(S23)。例えば、図8の(A)の右側に示すように、各センサの種別に応じて優先順位が事前に定められているものとする。具体的には、高性能なセンサほど優先順位が高い。同図の優先順位では、路側カメラの優先順位(1番)が、路側LiDARの優先順位(2番)よりも高くなっている。このため、優先順位の変更は行われない。これにより、相対的に車両2に近い路側カメラの優先順位を、相対的に車両2から遠い路側LiDARの優先順位よりも高くすることができる。
距離C1が距離L1以上の場合には(S22でNO)、センサ情報選択部52は、路側LiDARの優先順位が、路側カメラの優先順位よりも高くなるように、センサ情報選択のための優先順位を決定する(S24)。例えば、センサ情報選択部52は、図8の(A)の右側に示した優先順位を、図8の(B)の右側に示す優先順位に変更する。変更後の優先順位では、路側LiDARの優先順位(1番)が、路側カメラの優先順位(2番)よりも高くなっている。これにより、相対的に車両2に近い路側LiDARの優先順位を、相対的に車両2から遠い路側カメラの優先順位よりも高くすることができる。
ステップS21の判定結果が否定的である場合には(S21でNO)、センサ情報選択部52は、同一の移動物体について車載装置3のカメラ(以下、「車載カメラ」という。)と、車載装置3のLiDAR(以下、「車載LiDAR」という。)とのセンサ情報があるか否かを判定する(S25)。
ステップS25の判定結果が肯定的である場合には(S25でYES)、センサ情報選択部52は、距離C2(車載カメラから移動物体までの距離)が距離L2(車載LiDARから移動物体までの距離)よりも小さいか否かを判定する(S26)。
距離C2が距離L2よりも小さい場合には(S26でYES)、センサ情報選択部52は、車載カメラの優先順位が、車載LiDARの優先順位よりも高くなるように、センサ情報選択のための優先順位を決定する(S27)。これにより、相対的に車両2に近い車載カメラの優先順位を、相対的に車両2から遠い車載LiDARの優先順位よりも高くすることができる。
距離C2が距離L2以上の場合には(S26でNO)、センサ情報選択部52は、車載LiDARの優先順位が、車載カメラの優先順位よりも高くなるように、センサ情報選択のための優先順位を決定する(S28)。これにより、相対的に車両2に近い車載LiDARの優先順位を、相対的に車両2から遠い車載カメラの優先順位よりも高くすることができる。
センサ情報選択部52は、センサ情報選択のための優先順位に従って、最も優先順位の高いセンサ情報を1つ選択する(S29)。
[機能選択処理(図6のステップS10)]
図9は、機能選択処理(図6のステップS10)詳細を示すフローチャートである。
図9を参照して、サーバ5の機能選択部53は、同一の移動物体について所定数以上の検出結果があるか否かを判定する(S31)。例えば、所定数を4とした場合には、カメラ1C、LiDAR1L、ミリ波レーダ3Mおよび超音波レーダ3Uの全てのセンサ情報が同一の移動物体を検出したことを示している場合に、ステップS31の判定結果が肯定的となり、同一の移動物体を検出したことを示すセンサ情報の数が3以下の場合には、ステップS31の判定結果は否定的となる。なお、所定数は4に限定されるものではなく、それ以外の数値であってもよい。
ステップS31の判定結果が肯定的である場合には(S31でYES)、機能選択部53は、安全運転支援のための機能として「自動追従機能」を選択する(S32)。
ステップS31の判定結果が否定的である場合には(S31でNO)、機能選択部53は、センサ情報選択部52が、カメラ(車載カメラもしくは路側カメラ)またはLiDAR(車載LiDARもしくは路側LiDAR)のセンサ情報を選択したか否かを判定する(S33)。
ステップS33の判定結果が肯定的である場合には(S33でYES)、機能選択部53は、安全運転支援のための機能として「運転支援機能」を選択する(S34)。
ステップS33の判定結果が否定的である場合には(S33でNO)、機能選択部53は、センサ情報選択部52が、ミリ波レーダ(車載ミリ波レーダもしくは路側ミリ波レーダ)のセンサ情報を選択したか否かを判定する(S35)。
ステップS35の判定結果が肯定的である場合には(S35でYES)、機能選択部53は、安全運転支援のための機能として「注意喚起機能」を選択する(S36)。
ステップS35の判定結果が否定的である場合には(S35でNO),機能選択部53は、センサ情報選択部52が、超音波レーダ(車載超音波レーダもしくは路側超音波レーダ)のセンサ情報を取得したか否かを判定する(S37)。
ステップS37の判定結果が肯定的である場合には(S37でYES)、機能選択部53は、安全運転支援のための機能として「情報提供機能」を選択する(S38)。
ステップS37の判定結果が否定的である場合には(S37でNO)、機能選択部53は、安全運転支援のための機能を選択しない。
なお、図9に示す処理は、移動物体毎に行われ、移動物体毎に機能が選択されることとなる。センサにより検出された移動物体が複数存在し、複数種類の機能が選択された場合には、選択された複数種類の機能の中から、所定の基準に従って1つの機能を選択するのが望ましい。機能は、自動追従機能、運転支援機能、注意喚起機能、情報提供機能の順に順位付けされている。例えば、機能選択部53は、選択された複数種類の機能のうち、最も低い順位の機能を選択してもよいし、最も高い順位の機能を選択してもよい。
[実施形態1の効果]
以上説明したように、本発明の実施形態1によると、センサ情報を選択する際に用いる優先順位を、センサの状況に応じて動的に変更することができる。このため、サーバ5は、適切なセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための機能を選択し、車両2は、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。これにより、複数のセンサ情報に基づいて、適切な運転支援制御を実行することができる。
例えば、対象物までの距離が近いセンサで計測されたセンサ情報ほど優先順位を高くすることができる。同程度の精度を有するセンサ間では、対象物までの距離が近いセンサほど正確に対象物を計測することができる。このため、サーバ5は、対象物までの距離が近いセンサで検出されたセンサ情報を優先的に用いて安全運転支援のための機能を選択し、車両2は、選択された機能を実現するための処理を実行することにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
なお、優先順位は、事前にセンサの種別に応じて定められたものを、センサの状況に応じて変更するものとしている。このため、高精度のセンサによるセンサ情報を優先的に選択する優先順位を原則としつつ、上記した所定の基準に従って当該優先順位を変更することができる。このため、センサの状況に応じて、適切なセンサ情報を選択することができる。
(実施形態2)
実施形態2では、センサによる移動物体の連続検出回数に応じて優先順位を変更する。
無線通信システムの構成は、実施形態1と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
実施形態2では、図6に示した運転支援機能情報の配信処理のシーケンスにおけるセンサ情報の選択処理(図6のステップS9)が、実施形態1とは異なる。以下、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)について、詳細に説明する。
図10は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。図11は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。
図11の上段は、各時間ステップにおける、路側カメラと、路側LiDARと、車載装置3のミリ波レーダ(以下、「車載ミリ波レーダ」という。)と、車載装置3の超音波レーダ(以下、「車載超音波レーダ」という。)との、同一の移動物体の検出結果を示している。時間ステップ間隔は、例えば、100msec間隔である。「○」は、移動物体を検出したこと(センサ情報に移動物体の位置情報が含まれること)を示し、「×」は、移動物体を検出しなかったこと(センサ情報に移動物体の位置情報が含まれないこと)を示す。例えば、時間ステップt=1においては、路側カメラ、路側LiDAR、車載ミリ波レーダおよび車載超音波レーダの全てにより同一の移動物体が検出されていることが示されている。また、時間ステップt=2においては、路側カメラ、路側LiDARおよび車載超音波レーダにより同一の移動物体が検出されているが、車載ミリ波レーダによっては当該移動物体が検出されなかったことを示している。
センサ情報選択部52は、時間ステップごとに図10に示す処理を実行する。
図10を参照して、センサ情報選択部52は、各センサについて、ステップS41〜S44の処理を実行する(ループA)。
つまり、センサ情報選択部52は、着目したセンサについて、移動物体の検出が連続しているか否かを判断する(S41)。着目している時間ステップと、直前の時間ステップとの両方において、当該センサのセンサ情報が、移動物体を検出していることを示している場合には、移動物体の検出が連続していると判定し、それ以外の場合には、移動物体の検出が連続していないと判定する。例えば、図11を参照して、路側カメラ、路側LiDARおよび車載超音波レーダは、時間ステップt=1およびt=2の両方において、移動物体を検出している。このため、時間ステップt=2において、路側カメラ、路側LiDARおよび車載超音波レーダによる移動物体の検出が連続していると判定される。また、路側カメラは、時間ステップt=3において移動物体を検出しておらず、時間ステップt=4において移動物体を検出している。このため、時間ステップt=4において、路側カメラによる移動物体の検出は連続していないと判定される。
着目したセンサによる移動物体の検出が連続していると判定された場合には(S41でYES)、センサ情報選択部52は、その移動物体の検出結果(以下、「移動物体検出結果」という。)を採用する(S42)。つまり、上記の例では、時間ステップt=2における路側カメラ、路側LiDARおよび車載超音波レーダによる移動物体検出結果が採用され、時間ステップt=4における路側カメラによる移動物体検出結果は採用されない。図11では、採用された移動物体検出結果を、下線付きの「○」で示し、採用されなかった移動物体検出結果を、下線なしの「○」で示している。
着目したセンサによる移動物体の検出が連続していると判定されなかった場合には(S41でNO)、センサ情報選択部52は、当該センサについて、移動物体の未検出が連続しているか否かを判定する(S43)。つまり、センサ情報選択部52は、着目している時間ステップと、直前の時間ステップとの両方において、当該センサのセンサ情報が、移動物体を検出していないことを示している場合には、移動物体の未検出が連続していると判定し、それ以外の場合には、移動物体の未検出が連続していないと判定する。例えば、図11を参照して、車載ミリ波レーダは、時間ステップt=4およびt=5の両方において、移動物体を検出していない。このため、時間ステップt=5において、車載ミリ波レーダによる移動物体の未検出が連続していると判定される。また、路側カメラは、時間ステップt=3において移動物体を検出していないが、時間ステップt=2において移動物体を検出している。このため、時間ステップt=3において、路側カメラによる移動物体の未検出は連続していないと判定される。
着目したセンサによる移動物体の未検出が連続していると判定された場合には(S43でYES)、センサ情報選択部52は、その移動物体の未検出結果(以下、「移動物体未検出結果」という。)を採用する(S44)。つまり、上記の例では、時間ステップt=5における車載ミリ波レーダによる移動物体未検出結果が採用され、時間ステップt=3における路側カメラによる移動物体未検出結果は採用されない。図11では、採用された移動物体未検出結果を、下線付きの「×」で示し、採用されなかった移動物体未検出結果を、下線なしの「×」で示している。
ループAの処理後、センサ情報選択部52は、現在の時間ステップにおいて、採用された移動物体検出結果と採用された移動物体未検出結果とが混在しているか否かを判定する(S45)。例えば、図11の時間ステップt=4やt=11では、採用された移動物体検出結果(下線付きの「○」)と、採用された移動物体未検出結果(下線付きの「×」)とが混在している。また、時間ステップt=2や時間ステップt=8では、採用された移動物体検出結果は含まれているが、採用された移動物体未検出結果は含まれていないため、両者は混在していない。
採用された移動物体検出結果と採用された移動物体未検出結果とが混在している場合には(S45でYES)、センサ情報選択部52は、採用された移動物体未検出結果を、以降の処理において除外する(S46)。これにより、移動物体が検出されたことを積極的に利用して運転支援のための機能情報の選択を行うことができる。例えば、図11の時間ステップt=4においては、路側LiDARの移動物体未検出結果が除外され、時間ステップt=11においては、車載ミリ波レーダの移動物体未検出結果が除外される。
センサ情報選択部52は、複数の移動物体検出結果または複数の移動物体未検出結果が採用されているか否かを判定する(S47)。例えば、図11の時間ステップt=2やt=8においては、複数の移動物体検出結果が採用されている。また、時間ステップt=4やt=11では、1つの移動物体検出結果しか採用されていない。これは、上記したステップS46の処理において、移動物体未検出結果が除外されているからである。
複数の移動物体検出結果または複数の移動物体未検出結果が採用されている場合には(S47でYES)、センサ情報選択部52は、センサ性能に応じたセンサ情報選択のための優先順位に従って、最も優先順位が高い検出結果を示すセンサ情報を1つ選択する(S48)。
図11において、路側カメラ、路側LiDAR、車載ミリ波レーダ、車載超音波レーダの順にセンサ性能が高く、センサ性能の順に優先順位が定められているものとする。例えば、図11の時間ステップt=2やt=8においては、採用された移動物体検出結果の中から、最もセンサ性能が高い路側カメラのセンサ情報が選択される。また、時間ステップt=13においては、採用された移動物体検出結果の中から、最もセンサ性能が高い路側LiDARのセンサ情報が選択される。図11では、選択されたセンサ情報を太枠で示している。
図10に示したセンサ情報の選択処理によると、センサ性能に応じて、路側カメラ、路側LiDAR、車載ミリ波レーダ、車載超音波レーダの順に予めセンサ情報選択のための優先順位が決められている。また、ループAの処理により、移動物体検出が連続していない場合、または、移動物体未検出が連続していない場合には、そのセンサ情報は選択されない。つまり、当該センサ情報を除くように優先順位が変更される。また、ステップS46の処理により移動物体未検出結果が除外される。つまり、その移動物体未検出結果を示すセンサ情報を除くように優先順位が変更される。
図11の下段は、機能選択処理(図6のステップ10、図9)の処理結果を示す。つまり、図11の上段に示した時間ステップtごとに、選択された機能を太枠付きのハッチング領域で示し、選択可能な機能を太枠なしのハッチング領域で示している。
例えば、時間ステップt=2においては、路側カメラまたは路側LiDARのセンサ情報が選択されているため、図9に示した機能選択処理により、運転支援機能が選択されることとなる。
ここで、選択対象の機能は、自動追従機能、運転支援機能、注意喚起機能、情報提供機能の順に順位付けされており、ある機能が選択された場合には、選択された機能よりも下位に順位付けされた機能が選択可能であることとする。例えば、運転支援機能が選択された場合には、運転支援機能より下位に順位付けされた注意喚起機能および情報提供機能が選択可能である。一方、運転支援機能よりも上位に順位付けされた自動追従機能は選択不可能である。時間ステップt=2においては、運転支援機能が選択されているため、その下位の機能である注意喚起機能および情報提供機能が選択可能な機能とされる。
選択可能な機能は、車載装置3の判断により、選択された機能の代わりに、または選択された機能とともに利用可能な機能である。
以上説明したように、実施形態2によると、図10のループAの処理により、2回以上連続して対象物を検出したセンサのセンサ情報が、1回しか対象物を検出していないセンサのセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。これにより、安定的に対象物を検出しているセンサ情報を用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。よって、車載装置3は、適切な運転支援制御を実行することができる。
また、図10のステップS45およびS46の処理により、対象物を検出したことを示すセンサ情報が、対象物を検出しなかったことを示すセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。これにより、車両が存在するにもかかわらず、車両が存在しないと判断されて運転支援制御が実行されることを防ぐことができる。
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態2と同様に、センサによる移動物体の連続検出結果に応じて優先順位を変更する。それに加え、実施形態3では、センサの位置精度を考慮して、優先順位を変更する。
無線通信システムの構成は、実施形態1と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
実施形態3では、図6に示した運転支援機能情報の配信処理のシーケンスにおけるセンサ情報の選択処理(図6のステップS9)が、実施形態1とは異なる。以下、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)について、詳細に説明する。
図12は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。図13は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。
図13の上段は、各時間ステップにおける、車載カメラと、車載LiDARと、車載ミリ波レーダと、車載超音波レーダとの、同一の移動物体の検出結果を示している。なお、車載カメラ、車載LiDAR、車載ミリ波レーダおよび車載超音波レーダは、それぞれ異なる車両2に設置されているものとする。時間ステップ間隔は、例えば、100msec間隔である。「○」は、移動物体を検出し、かつ移動物体検出時のセンサの位置精度が高いことを示す。「△」は、移動物体を検出し、かつ移動物体検出時のセンサの位置精度が低いことを示す。センサの位置精度は、例えば、車両2の位置を求める際に用いたGPS衛星の数に基づいて決定され、GPS衛星の数が所定の閾値以上の場合に位置精度が高いとされ、GPS衛星の数が所定の閾値未満の場合に位置精度が低いとされる。「×」は、移動物体を検出しなかったこと、または、移動物体を検出したが、移動物体検出時のGPS衛星の数が0であり、移動物体の位置を検出できなかったことを示す。
センサ情報選択部52は、時間ステップごとに図12に示す処理を実行する。
図12を参照して、センサ情報選択部52は、各センサについて、ステップS41〜S44の処理を実行する(ループA)。これらの処理は、図10に示したものと同様である。
例えば、図13に示すように、時間ステップt=4およびt=5において、車載カメラは、位置精度が高い状態で移動物体を検出している。このため、時間ステップt=5において、車載カメラは移動物体を連続して検出していると判定され、t=5における車載カメラの移動物体検出結果が採用される。また、時間ステップt=10およびt=11において、車載カメラは、位置精度が低い状態で移動物体を検出している。このため、時間ステップt=11において、車載カメラは移動物体を連続して検出していると判定され、t=11における車載カメラの移動物体検出結果が採用される。また、車載ミリ波レーダは、時間ステップt=4およびt=5の両方において、移動物体を検出していない。このため、時間ステップt=5において、車載ミリ波レーダによる移動物体の未検出が連続していると判定され、時間ステップt=5における車載ミリ波レーダの移動物体未検出結果が採用される。
図13では、採用された移動物体検出結果を、下線付きの「○」または下線付きの「△」で示し、採用されなかった移動物体検出結果を、下線なしの「○」または下線なしの「△」で示している。また、採用された移動物体未検出結果を、下線付きの「×」で示し、採用されなかった移動物体未検出結果を、下線なしの「×」で示している。
ループAの処理後、センサ情報選択部52は、ステップS45およびS46の処理を実行する。これらの処理は、図10に示したものと同様である。
次に、センサ情報選択部52は、現在の時間ステップにおいて、採用された高位置精度の移動物体検出結果と、採用された低位置精度の移動物体検出結果とが混在しているか否かを判定する(S51)。例えば、図13の時間ステップt=11では、採用された高位置精度の移動物体検出結果(下線付きの「○」)と、採用された低位置精度の移動物体検出結果(下線付きの「△」)とが混在している。また、時間ステップt=6では、採用された高位置精度の移動物体検出結果は含まれるが、採用された低位置精度の移動物体検出結果は含まれないため、両者は混在していない。
ステップS51の判定結果が肯定的である場合には(S51でYES)、センサ情報選択部52は、採用された低位置精度の移動物体検出結果を、以降の処理において除外する(S52)。これにより、高位置精度の移動物体検出結果を優先的に利用して機能情報の選択を行うことができる。
その後、センサ情報選択部52は、ステップS47およびS48の処理を実行する。これらの処理は、図10に示したものと同様である。図13では、選択されたセンサ情報を太枠で示している。
図12に示したセンサ情報の選択処理によると、センサ性能に応じて、車載カメラ、車載LiDAR、車載ミリ波レーダ、車載超音波レーダの順に予めセンサ情報選択のための優先順位が決められている。また、ループAの処理により、移動物体検出が連続していない場合、または、移動物体未検出が連続していない場合には、そのセンサ情報は選択されない。つまり、当該センサ情報を除くように優先順位が変更される。また、ステップS46の処理により移動物体未検出結果が除外される。つまり、その移動物体未検出結果を示すセンサ情報を除くように優先順位が変更される。さらに、ステップS52の処理により、低位置精度の移動物体検出結果が除外される。つまり、低位置精度の移動物体検出結果を示すセンサ情報を除くように優先順位が変更される。
図13の下段は、機能選択処理(図6のステップ10、図9)の処理結果を示す。図13の下段の見方は、図11の下段の見方と同様である。
例えば、時間ステップt=2においては、車載カメラまたは車載LiDARのセンサ情報が選択されているため、図9に示した機能選択処理により、運転支援機能が選択されることとなる。また、運転支援機能よりも下位の機能である注意喚起機能および情報提供機能が選択可能な機能とされる。
以上説明したように、実施形態3によると、対象物の絶対位置の検出精度が低いセンサ情報の優先順位を低くすることができる。対象物の絶対位置は、センサの絶対位置と、センサから対象物までの相対位置で規定することができる。このため、センサの絶対位置の検出精度が低い場合には、対象物の絶対位置の検出精度までも低くなる。よって、高い位置精度のセンサ情報が優先的に選択されるように優先順位を変更することにより、対象物の絶対位置の検出精度が高いセンサ情報を用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することができる。これにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
なお、センサ情報の中に、路側センサ1のセンサ情報が含まれる場合には、路側センサ1の位置精度は、常に高いとされる。これは、路側センサ1の位置が固定されており、予め分かっているからである。
(実施形態3の変形例1)
実施形態3では、同一物体について4以上の検出結果が存在する場合に、「自動追従機能」を選択することとした(図9のステップS31、S32)。ただし、「自動追従機能」を選択するために必要な検出結果の数は、4に限定されるものではない。
図14は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。
図14の上段は、図13と同じである。図14の下段は、「自動追従機能」を選択するために必要な検出結果の数を3とした場合の機能選択結果を示している。
例えば、時間ステップt=2やt=8では、同一物体についての選択された検出結果が3以上存在することより、自動追従機能が選択される。
(実施形態3の変形例2)
実施形態3では、同一物体について4以上の検出結果が存在する場合に、「自動追従機能」を選択することとした(図9のステップS31、S32)。ただし、「自動追従機能」を選択するために必要な検出結果の数は、4に限定されるものではない。
図15は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)と機能選択処理(図6のステップS10、図9)とを説明するための図である。
図15の上段は、図13と同じである。図15の下段は、「自動追従機能」を選択するために必要な検出結果の数を2とした場合の機能選択結果を示している。
例えば、時間ステップt=6やt=10では、同一物体についての選択された検出結果が2以上存在することより、自動追従機能が選択される。
(実施形態4)
実施形態4では、センサと移動物体との間の遮蔽物の有無に応じて、優先順位を変更する。
無線通信システムの構成は、実施形態1と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
実施形態4では、図6に示した運転支援機能情報の配信処理のシーケンスにおけるセンサ情報の選択処理(図6のステップS9)が、実施形態1とは異なる。以下、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)について、詳細に説明する。
図16は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。図17は、移動物体と各センサとの位置関係を示す図である。図17では、各センサの計測範囲を破線で示している。
なお、センサ情報を選択するための優先順位は、各センサの種別に応じて事前に定められており、サーバ5の記憶部57に記憶されているものとする。
図16を参照して、センサ情報選択部52は、各センサについて、ステップS61およびS62の処理を実行する(ループB)。
つまり、センサ情報選択部52は、着目しているセンサと当該センサが検出している移動物体との間に遮蔽物があるか否かを判定する(S61)。例えば、図17の(A)に示すように、カメラ1CおよびLiDAR1Lが、移動物体である車両2を検出する。図17の(A)によると、カメラ1Cと車両2との間に遮蔽物は無く、LiDAR1Lと車両2との間には遮蔽物は無い。一方、図17の(B)によると、カメラ1Cと車両2との間に遮蔽物は無いが、LiDAR1Lと車両2との間に遮蔽物として車両7がある。
着目しているセンサと、当該センサが検出している移動物体との間に遮蔽物がある場合には(S61でYES)、当該センサによる当該移動物体の検出結果を示すセンサ情報の優先順位を最下位に変更する(S62)。例えば、図17の(A)の右側に示すように、遮蔽物が無い場合の優先順位が予め定められているものとする。この優先順位では路側LiDAR(LiDAR1L)の優先順位は2番目である、しかし、車両2とLiDAR1Lとの間に車両7が存在する。このため、図17の(B)の右側に示すように、車両2についてのLiDAR(LiDAR1L)のセンサ情報の優先順位は最下位(10番目)に変更される。なお、変更後の優先順位は最下位に限定されるものではなく、例えば、予め定められた数の順位だけ優先順位を下げるようにしてもよい。
センサ情報選択部52は、優先順位に従って、同一の移動物体についてのセンサ情報の中から、最も優先順位が高いセンサ情報を1つ選択する(S63)。
以上説明したように、実施形態4によると、センサと対象物との間に遮蔽物が無いセンサ情報が、当該遮蔽物が有るセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。センサと対象物との間に遮蔽物が有ると、対象物の検出精度が低くなるが、遮蔽物の無いセンサ情報を優先的に用いて安全運転支援のための機能を選択し、選択された機能を実現するための処理を実行することにより、適切な運転支援制御を実行することができる。
(実施形態5)
実施形態5では、検出対象の移動物体が存在する地点の天候に従い、優先順位を変更する。
無線通信システムの構成は、実施形態1と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
実施形態5では、図6に示した運転支援機能情報の配信処理のシーケンスにおけるセンサ情報の選択処理(図6のステップS9)が、実施形態1とは異なる。以下、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)について、詳細に説明する。
図18は、センサ情報の選択処理(図6のステップS9)の詳細を示すフローチャートである。図19は、センサ情報選択のための優先順位の一例を示す図である。
図18を参照して、センサ情報選択部52は、複数のセンサにより検出された移動物体が存在する地点の検出時点の天候が雨天であるか否かを判定する(S71)。雨天か否かの判定は、民間気象業務支援センターなどから収集した気象情報に基づいて行われる。
雨天であれば(S71でYES)、センサ情報選択部52は、ミリ波レーダの優先順位が、LiDARまたはレーザレーダの優先順位よりも高くなるように、優先順位の変更を行う(S72)。
センサ情報選択部52は、優先順位に従って、同一の移動物体についてのセンサ情報の中から、最も優先順位の高いセンサ情報を選択する(S73)。
図19の(A)は、晴天時のセンサ情報の優先順位である。晴天時には、路側LiDARおよび路側レーザレーダの優先順位(2番、3番)が、路側ミリ波レーダ(4番)の優先順位よりも高く設定され、車載LiDARおよび車載レーザレーダの優先順位(7番、8番)が、車載ミリ波レーダ(9番)よりも高く設定される。
図19の(B)は、雨天時のセンサ情報の優先順位である。レーザセンサは雨天などの悪天候に弱い。このため、雨天時には、路側LiDARおよび路側レーザレーダの優先順位(3番、4番)が路側ミリ波レーダ(2番)の優先順位よりも低く設定され、車載LiDARおよび車載レーザレーダの優先順位(8番、9番)が、車載ミリ波レーダ(7番)よりも低く設定される。
以上説明したように、実施形態5によると、雨天時には、ミリ波レーダによるセンサ情報が、レーザレーダまたはLiDARによるセンサ情報よりも優先して選択されるように優先順位を変更することができる。ミリ波レーダはレーザレーダまたはLiDARに比べて雨天時であっても安定的に対象物を検出することができるため、上記のように優先順位を変更することで、適切な運転支援制御を実行することができる。
[付記]
以上、本発明の実施形態に係る無線通信システムについて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよい。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムをコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD−ROM、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムを、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、上記実施形態および上記変形例の少なくとも一部を任意に組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 路側センサ
1C カメラ
1L LiDAR
2 車両
3 車載装置
3M ミリ波レーダ
3U 超音波レーダ
4 基地局
5 サーバ
7 車両
11 制御部
12 記憶部
13 路側カメラ
14 ミリ波レーダ
15 通信部
31 制御部
32 GPS受信機
33 車速センサ
34 ジャイロセンサ
35 記憶部
36 ディスプレイ
37 スピーカ
38 入力デバイス
39 車載カメラ
40 ミリ波レーダ
41 通信部
51 制御部
52 センサ情報選択部
53 機能選択部
54 機能通知部
55 ROM
56 RAM
57 記憶部
58 通信部

Claims (11)

  1. 所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、
    前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、
    前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を実現するための処理を実行する処理実行部と、を備える車両制御システム。
  2. 前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサから前記対象物までの距離に従い、前記優先順位を変更する、請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサの位置精度に従い、前記優先順位を変更する、請求項1または請求項2に記載の車両制御システム。
  4. 前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサによる前記対象物の連続検出回数に従い、前記優先順位を変更する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両制御システム。
  5. 前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサと前記対象物との間の遮蔽物の有無に従い、前記優先順位を変更する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両制御システム。
  6. 前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として各前記センサによる前記対象物の検出結果に従い、前記優先順位を変更する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両制御システム。
  7. 前記センサ情報選択部は、前記所定の基準として前記対象物が存在する地点の天候に従い、前記優先順位を変更する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両制御システム。
  8. 変更前の前記優先順位は、各前記センサの種別に応じて定められる、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両制御システム。
  9. 所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、
    前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、
    前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知する機能通知部と、を備える機能通知装置。
  10. 所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するステップと、
    選択された前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択するステップと、
    選択された前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知するステップと、を含む機能通知方法。
  11. コンピュータを、
    所定の基準に従って動的に変更可能なセンサ情報の優先順位に基づいて、複数のセンサによる同一の対象物の検出結果を示す複数のセンサ情報の中から少なくとも1つのセンサ情報を選択するセンサ情報選択部と、
    前記センサ情報選択部が選択した前記少なくとも1つのセンサ情報に基づいて、安全運転支援のための複数の機能の中から少なくとも1つの機能を選択する機能選択部と、
    前記機能選択部が選択した前記少なくとも1つの機能を、対象車両に通知する機能通知部と、して機能させるためのコンピュータプログラム。
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