JP2021042968A - 時計用部品および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性を確保でき、かつ、識別表記や意匠表現のためのマーキングが施された時計用部品を提供すること。【解決手段】時計用部品は、フェライト相で構成された基部と、オーステナイト化相で構成された表面層と、前記基部と前記表面層との間に形成され前記フェライト相と前記オーステナイト化相とが混在する混在層と、を備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼で構成され、前記表面層には凹部が形成され、前記表面層の表面から前記凹部の底面までの距離は、前記表面から前記混在層までの距離よりも短い。【選択図】図3

Description

本発明は、時計用部品および時計に関する。
特許文献1には、窒素吸収処理により表面層がオーステナイト化されたフェライト系ステンレス鋼を用いた時計用のハウジング、具体的には、胴や裏蓋が開示されている。
特許文献1では、フェライト系ステンレス鋼の表面層をオーステナイト化することにより、時計用のハウジングとして要求される硬度、耐食性を得られるようにしている。
特開2009−69049号公報
特許文献1に記載の時計用ハウジングにおいて、識別表記や意匠表現を付与するために、例えば、レーザー加工等によりハウジングの一部にマーキングを施すことがある。この際、マーキング箇所の一部がオーステナイト化相を貫通してフェライト相にまで到達してしまうと、フェライト相がマーキング箇所を介して露出してしまうことになる。そうすると、時計用のハウジングとして要求される耐食性を得られなくなってしまう可能性があるといった問題があった。
本開示の時計用部品は、フェライト相で構成された基部と、オーステナイト化相で構成された表面層と、前記基部と前記表面層との間に形成され前記フェライト相と前記オーステナイト化相とが混在する混在層と、を備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼で構成され、前記表面層には凹部が形成され、前記表面層の表面から前記凹部の底面までの距離は、前記表面から前記混在層までの距離よりも短い。
本開示の時計用部品において、前記表面から前記底面までの距離は、1.5μm以上、かつ、350μm未満であってもよい。
本開示の時計用部品において、前記表面から前記底面までの距離は、5μm以上、かつ、20μm以下であってもよい。
本開示の時計用部品において、前記底面の算術平均粗さRaは、前記表面の算術平均粗さRaと異なっていてもよい。
本開示の時計用部品において、前記凹部は、文字、数字、記号、刻印、標識、符号、紋章、およびシンボルの少なくとも1つを構成していてもよい。
本開示の時計は、前記時計用部品を備える。
一実施形態の時計を示す正面図。 時計の裏蓋の一例を示す図。 裏蓋の要部を示す断面図。 レーザー加工を行った裏蓋の断面を示す写真。
[実施形態]
以下、本開示の一実施形態の時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、時計1を示す正面図であり、図2は、時計1の裏蓋22を示す図である。本実施形態では、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計として構成される。
図1、2に示すように、時計1は、金属製のケース2を備える。ケース2は、円筒状のケース本体21と、当該ケース本体21の裏側の開口に取り付けられる裏蓋22とを備える。そして、ケース本体21の内部には、円板状の文字板10と、秒針3、分針4、時針5と、りゅうず7と、Aボタン8と、Bボタン9とを備える。文字板10には、時刻を指示するためのアワーマーク6が設けられている。なお、裏蓋22は、本開示の時計用部品の一例である。
[裏蓋]
図2に示すように、裏蓋22には、型式番号23と、防水性能を示す防水性能表示24と、耐磁性能を示す耐磁性能表示25とが形成されている。なお、型式番号23および防水性能表示24は、本開示の文字および数字の一例であり、耐磁性能表示25は、本開示の記号の一例である。
図3は、裏蓋22の要部を示す断面図である。なお、図3では、裏蓋22を表面側から深さ方向に切断、つまり、裏蓋22を表面と直交する方向に切断した断面図を示している。
図3に示すように、裏蓋22は、フェライト相で構成された基部221と、オーステナイト化相で構成された表面層222と、フェライト相とオーステナイト化相とが混在する混在層223とを備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼にて構成される。そして、表面層222には、凹部224が形成されている。
[基部]
基部221は、質量%で、Cr:18〜22%、Mo:1.3〜2.8%、Nb:0.05〜0.50%、Cu:0.1〜0.8%、Ni:0.5%未満、Mn:0.8%未満、Si:0.5%未満、P:0.10%未満、S:0.05%未満、N:0.05%未満、C:0.05%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼により構成される。
Crは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動速度およびフェライト相における窒素の拡散速度を高める元素である。Crが18%未満であると、窒素の移動速度および拡散速度が低くなる。さらに、Crが18%未満であると、表面層222の耐食性が低下する。一方、Crが22%を超えると、硬質化して、材料としての加工性が悪化する。さらに、Crが22%を超えると、美的外観が損なわれる。そのため、Crの含有量は、18〜22%であるのが好ましく、20〜22%とするのがより好ましく、19.5〜20.5%とするのがさらに好ましい。
Moは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動速度およびフェライト相における窒素の拡散速度を高める元素である。Moが1.3%未満であると、窒素の移動速度および拡散速度が低くなる。さらに、Moが1.3%未満であると、材料としての耐食性が低下する。一方、Moが2.8%を超えると、硬質化して、材料としての加工性が悪化する。さらに、Moが2.8%を超えると、表面層222の構成組織の不均質化が顕著になり、美的外観が損なわれる。そのため、Moの含有量は、1.3〜2.8%であるのが好ましく、1.8〜2.8%であるのがより好ましく、2.25〜2.35%とするのがさらに好ましい。
Nbは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動速度およびフェライト相における窒素の拡散速度を高める元素である。Nbが0.05%未満であると、窒素の移動速度および拡散速度が低くなる。一方、Nbが0.50%を超えると、硬質化して、材料としての加工性が悪化する。さらに、析出部が生成され、美的外観が損なわれる。そのため、Nbの含有量は、0.05〜0.50%であるのが好ましく、0.05〜0.35%であるのがより好ましく、0.15〜0.25%であるのがさらに好ましい。
Cuは、窒素吸収処理において、フェライト相での窒素の吸収を制御する元素である。Cuが0.1%未満であると、フェライト相における窒素含有量のばらつきが大きくなる。一方、Cuが0.8%を超えると、フェライト相への窒素の移動速度が低くなる。そのため、Cuの含有量は、0.1〜0.8%であるのが好ましく、0.1〜0.2%であるのがより好ましく、0.1〜0.15%であるのがさらに好ましい。
Niは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Niが0.5%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。さらに、耐食性が悪化するとともに、金属アレルギーの発生等を防止するのが困難になる可能性がある。そのため、Niの含有量は、0.5%未満であるのが好ましく、0.2%未満であるのがより好ましく、0.1%未満であるのがさらに好ましい。
Mnは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Mnが0.8%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。そのため、Mnの含有量は、0.8%未満であるのが好ましく、0.5%未満であるのがより好ましく、0.1%未満であるのがさらに好ましい。
Siは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Siが0.5%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。そのため、Siの含有量は、0.5%未満であるのが好ましく、0.3%未満であるのがより好ましい。
Pは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Pが0.10%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。そのため、Pの含有量は、0.10%未満であるのが好ましく、0.03%未満であるのがより好ましい。
Sは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Sが0.05%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。そのため、Sの含有量は、0.05%未満であるのが好ましく、0.01%未満であるのがより好ましい。
Nは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Nが0.05%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。そのため、Nの含有量は、0.05%未満であるのが好ましく、0.01%未満であるのがより好ましい。
Cは、窒素吸収処理において、フェライト相への窒素の移動およびフェライト相における窒素の拡散を阻害する元素である。Cが0.05%以上であると、窒素の移動速度および拡散速度が低下する。そのため、Cの含有量は、0.05%未満であるのが好ましく、0.02%未満であるのがより好ましい。
[表面層]
表面層222は、基部221を構成する母材に窒素吸収処理を施すことで、フェライト相がオーステナイト化されることにより形成される。表面層222の厚さaはオーステナイト化相で構成された層の厚さであり、たとえば500から1000倍でSEM観察したときの視野内において、表面層222の表面222Aから混在層223のフェライト相までの最短距離である。あるいは、表面層222の表面222Aから最も浅いオーステナイト化相である。また、表面層222の表面222Aからフェライト相までの距離が短い複数点の距離を測定し、その平均値を表面層222の厚さaとしてもよい。なお、表面層222は、裏蓋22がケース本体21に取り付けられた際に、裏蓋22の露出する面側に形成されている。本実施形態では、表面層222における窒素の含有量は質量%で1.0〜1.6%とされている。
また、本実施形態では、表面222Aと直交する方向に裏蓋22を切断した断面視で、表面222Aから混在層223までの距離aが350μmとなるように、窒素吸収処理が施されている。すなわち、表面層222は、最も浅い箇所の厚さが350μmとなるように形成されている。これにより、裏蓋22として要求される硬度や耐食性を確保できるようにしている。なお、表面層222は、上記構成に限られるものではなく、例えば、上記した距離aが、350μm以上となるように構成されていてもよく、また、350μm以下となるように構成されていてもよく、要求される硬度や耐食性に応じて形成されていればよい。
さらに、本実施形態では、表面層222の表面222Aには、鏡面加工が施されている。これにより、表面222Aは鏡面とされている。具体的には、表面222Aは、算術平均粗さRaが約19nmになるように構成されている。
[混在層]
混在層223は、表面層222の形成過程において、フェライト相で構成された基部221に進入する窒素の移動速度のばらつきによって生じる。すなわち、窒素の移動速度の速い箇所では、フェライト相の深い箇所まで窒素が進入してオーステナイト化され、窒素の移動速度の遅い箇所では、フェライト相の浅い箇所までしかオーステナイト化されないので、深さ方向に対してフェライト相とオーステナイト化相とが混在した混在層223が形成される。なお、混在層223は、断面視においてオーステナイト化相の最も浅い部位から最も深い部位を含む層であり、表面層222よりも薄い層である。
[凹部]
凹部224は、表面層222に形成されており、前述した断面視で、側面225と、当該側面225から連続する底面226と、を有する矩形状に形成されている。なお、凹部224は、断面視で矩形状に形成されることに限られるものではなく、例えば、断面視で略三角形状や、略台形状や、略半円状に形成されていてもよい。また、本実施形態では、凹部224は、図2に示す型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25を構成している。
凹部224は、表面222Aから底面226までの距離b、つまり、凹部224の最も深い箇所から表面222Aまでの最短距離である距離bが、表面222Aから混在層223までの距離aよりも短くなるように形成されている。具体的には、凹部224は、距離bが350μm未満となるように形成されている。これにより、凹部224は、表面層222を貫通して混在層223にまで到達することがないので、当該凹部224を介して、フェライト相が露出することはない。また、凹部224は、上記した距離bが、100μm以下となるように形成されることが好ましく、20μm以下となるように形成されるのがより好ましい。凹部224がこのように構成されることにより、後述するように当該凹部224をレーザー加工により形成する際に、レーザー加工の加工時間を短縮することができ、裏蓋22の生産性を向上できる。
さらに、凹部224は、上記した距離bが1.5μm以上となるように形成されている。これにより、凹部224と表面222Aとを見分けるために必要な、底面226と表面222Aとのコントラストを確保できる。そのため、凹部224によって構成される型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を確保できる。また、凹部224は、上記した距離bが、3μm以上となるように形成されることが好ましく、5μm以上となるように形成されるのがより好ましい。凹部224がこのように構成されることにより、底面226と表面222Aとのコントラストをより大きくできるので、型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を向上できる。
すなわち、本実施形態では、凹部224は、距離bが1.5μm以上、かつ、350μm未満となるように形成されることにより、フェライト相の露出を防止でき、かつ、型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を確保できる。
さらに、凹部224は、距離bが、3μm以上、かつ、100μm以下となるように形成されることが好ましく、5μm以上、かつ、20μm以下となるように形成されるのがより好ましい。凹部224がこのように形成されることにより、裏蓋22の生産性を向上でき、かつ、型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を向上できる。
また、本実施形態では、前述したように、型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25を構成する凹部224は、レーザー加工により、表面層222の一部が気化され、マーキングされることで形成されている。このように、凹部224は、レーザー加工で形成されることにより、底面226が粗面とされている。具体的には、底面226は、算術平均粗さRaが約500nmになるように形成されている。すなわち、底面226は、算術平均粗さRaが表面層222の表面222Aと異なるように、具体的には、底面226は、算術平均粗さRaが表面222Aよりも大きくなるように形成されている。これにより、表面222Aと底面226とのコントラストを大きくできるので、凹部224によって構成される型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を向上できる。なお、底面226は、表面222Aよりも算術平均粗さRaが、例えば5倍以上異なるように形成されるのが好ましく、10倍以上異なるように形成されるのがより好ましい。
さらに、本実施形態では、底面226と表面222Aとは、反射率が異なっている。具体的には、底面226は、表面222Aよりも反射率が小さくなるように形成されている。これにより、表面222Aと底面226とのコントラストをさらに大きくできるので、凹部224によって構成される型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を向上できる。
[実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、時計用部品である裏蓋22は、フェライト相で構成された基部221と、オーステナイト化相で構成された表面層222と、フェライト相とオーステナイト化相とが混在する混在層223とを備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼にて構成される。表面層222には、凹部224が形成されている。そして、凹部224は、表面222Aから底面226までの距離bが、表面222Aから混在層223までの距離aよりも短くなるように形成されている。
これにより、凹部224は、表面層222を貫通して混在層223にまで到達することがないので、当該凹部224を介して、フェライト相が露出することを防止できる。そのため、耐食性を確保でき、かつ、識別表記や意匠表現のためのマーキングが施された時計用部品としての裏蓋22を得ることができる。
本実施形態では、表面222Aから底面226までの距離bが1.5μm以上、かつ、350μm未満となるように、凹部224は形成されている。
これにより、フェライト相の露出を防止でき、かつ、凹部224によって構成される型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を確保できる。
本実施形態では、底面226の算術平均粗さRaが表面222Aの算術平均粗さRaと異なるように凹部224が形成されている。
これにより、表面222Aと底面226とのコントラストを大きくできるので、凹部224によって構成される型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25の視認性を向上できる。
本実施形態では、凹部224は、レーザー加工により形成されている。
これにより、レーザー光線の照射条件を調整することにより、表面222Aから凹部224の底面226までの距離bを容易に調整できるので、凹部224を容易に形成することができる。
次に、具体的な実施例について説明する。
[実施例]
実施例の時計用部品としての裏蓋に対して、レーザー加工により型式番号、防水性能表示、および耐磁性能表示を構成する凹部を形成する方法について説明する。
まず、質量%で、Cr:20%、Mo:2.1%、Nb:0.2%、Cu:0.1%、Ni:0.05%、Mn:0.5%、Si:0.3%、P:0.03%、S:0.01%、N:0.01%、C:0.02%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼からなる母材を製造し、当該母材に窒素吸収処理を施すことで、オーステナイト化された表面層が形成された金属材料を得た。そして、当該金属材料を加工して、裏蓋を製造した。
次に、上記のように製造した裏蓋の表面に、すなわち、ケース本体に裏蓋が取り付けられた際に露出する側の面にレーザー加工を施して、型式番号、防水性能表示、および耐磁性能表示を構成する凹部を形成した。
具体的には、レーザー加工装置を用い、波長:532nm、平均出力:4W、スイッチ周波数:100kHz、走査速度:1000mm/s、のレーザー照射条件でレーザー加工を施して凹部を形成した。
図4は、上記のようにレーザー加工を施した裏蓋の断面を、走査型電子顕微鏡により撮影した写真である。
図4に示すように、上記のようなレーザー照射条件にてレーザー加工を施すことにより、表面から底面までの距離が5.56μmになる凹部が形成可能であることが示唆された。すなわち、表面から底面までの距離が1.5μm以上、かつ、350μm未満となるような凹部を形成可能であることが示唆された。したがって、上記のような条件でレーザー加工を施すことにより、フェライト相の露出を防止でき、かつ、視認性を確保できる型式番号、防水性能表示、および耐磁性能表示を裏蓋に形成できることが示唆された。
[変形例]
なお、本開示は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。
前述した実施形態では、本開示の時計用部品は裏蓋22として構成されていたが、これに限定されない。例えば、本開示の時計用部品は、ケース本体、ベゼル、バンド、中留、文字板等として構成されていてもよい。また、時計は、上記のような時計用部品を複数有していてもよい。
前述した実施形態では、本開示の文字および数字である型式番号23、防水性能表示24、および耐磁性能表示25が凹部224により構成されていたが、これに限定されない。例えば、刻印、標識、符号、紋章、およびシンボル等が凹部により構成されていてもよく、文字、数字、記号、刻印、標識、符号、紋章、およびシンボルの少なくとも1つが凹部により構成されていればよい。
前述した実施形態では、表面層222の表面222Aは、鏡面加工が施されていたが、これに限定されない。例えば、表面222Aは、筋目加工が施され、算術平均粗さRaが約120nmの粗面とされていてもよい。この場合、底面226は、表面222Aとのコントラストを大きくするために、算術平均粗さRaが約800nmの粗面とされていてもよい。
さらに、底面226は、算術平均粗さRaが表面222Aよりも小さくなるように形成されていてもよい。
前述した実施形態では、レーザー加工により凹部224が形成されていたが、これに限定されない。例えば、電子ビームの照射や、切削加工等の機械加工により凹部224が形成されていてもよい。
前述した実施形態では、表面層222は、裏蓋22がケース本体21に取り付けられた際に、裏蓋22の露出する面側に形成されていたが、これに限定されない。例えば、表面層は裏蓋等の時計用部品の表面全体にわたって形成されていてもよい。
前述した実施形態では、底面226は、表面222Aよりも反射率が小さくなるように形成されていたが、これに限定されない。例えば、底面226は、表面222Aよりも反射率が大きくなるように形成されていてもよい。
前述した実施形態では、本開示のフェライト系ステンレス鋼を母材とした金属材料は、時計用部品としての裏蓋を構成していたが、これに限定されない。例えば、本開示の金属材料は、時計以外の電子機器のケース、つまり、ハウジング等の電子機器用部品を構成していてもよい。このような金属材料から構成されるハウジングを備えることで、電子機器は、識別表記や意匠表現のためのマーキングが施した上で、耐食性を確保できる。
1…時計、2…ケース、3…秒針、4…分針、5…時針、6…アワーマーク、7…りゅうず、8…Aボタン、9…Bボタン、10…文字板、21…ケース本体、22…裏蓋(時計用部品)、23…型式番号(文字、数字)、24…防水性能表示(文字、数字)、25…耐磁性能表示(記号)、221…基部、222…表面層、222A…表面、223…混在層、224…凹部、225…側面、226…底面。

Claims (6)

  1. フェライト相で構成された基部と、オーステナイト化相で構成された表面層と、前記基部と前記表面層との間に形成され前記フェライト相と前記オーステナイト化相とが混在する混在層と、を備えるオーステナイト化フェライト系ステンレス鋼で構成され、
    前記表面層には凹部が形成され、
    前記表面層の表面から前記凹部の底面までの距離は、前記表面から前記混在層までの距離よりも短い
    ことを特徴とする時計用部品。
  2. 請求項1に記載の時計用部品において、
    前記表面から前記底面までの距離は、1.5μm以上、かつ、350μm未満である
    ことを特徴とする時計用部品。
  3. 請求項1に記載の時計用部品において、
    前記表面から前記底面までの距離は、5μm以上、かつ、20μm以下である
    ことを特徴とする時計用部品。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計用部品において、
    前記底面の算術平均粗さRaは、前記表面の算術平均粗さRaと異なる
    ことを特徴とする時計用部品。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計用部品において、
    前記凹部は、文字、数字、記号、刻印、標識、符号、紋章、およびシンボルの少なくとも1つを構成する
    ことを特徴とする時計用部品。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の時計用部品を備えることを特徴とする時計。
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