JP2021038117A - 積層構造体、半導体装置及び半導体システム - Google Patents

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【課題】電気抵抗率が低く、熱的に安定で半導体装置に適した、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を有する積層構造体を提供することを目的とする。【解決手段】基板と、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜とを有する積層構造体であって、前記基板がタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板であり、前記結晶性酸化物膜がドーパントを含み、電気抵抗率が50mΩcm以下のものである積層構造体。【選択図】図1

Description

本発明は、積層構造体、半導体装置及び半導体システムに関する。
酸化ガリウム(Ga)に代表される酸化物半導体は、バンドギャップの大きな半導体として、高耐圧、低損失及び高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子への応用が期待されている。
特開2014−072463号公報 特開2013−028480号公報
特許文献1には、比較的低温で、コランダム構造を有する酸化ガリウム(α−Ga)を作製する手法が記載されているが、α−Gaは準安定相であるため、熱的に不安定であるという問題がある。
これに対し、β−Gaは最安定相であり、上記のような相転移は生じない。ここで、β−Gaのようなベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を半導体装置に適用するためには、半導体特性、とりわけ、結晶性酸化物膜の電気抵抗率(以下、単に「抵抗率」ということもある)を制御し、特に低抵抗率のものとする必要がある。特許文献2には、α−Ga膜に不純物のドーピングを行う技術が開示されているが、これまで、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜の抵抗率等の半導体特性の制御については、検討が進められてこなかった。特に、抵抗率の低いベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を得る技術的な知見は、得られていなかった。低抵抗のベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を得ることができれば、適用範囲が広くなり、また、半導体装置の設計の幅(自由度)が高くなる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、抵抗率の低いベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を有する積層構造体を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、基板と、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜とを有する積層構造体であって、前記基板がタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板であり、前記結晶性酸化物膜がドーパントを含み、電気抵抗率が50mΩcm以下のものである積層構造体を提供する。
このような積層構造体は、抵抗率の低い結晶性酸化物膜を有し、半導体装置に適用可能で半導体特性が優れたものとなり、半導体装置へ広く適用できるものとなる。また、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜及びタンタル酸リチウム基板は、ともに熱的に安定であるため、半導体装置の製造時に高温プロセスとなる場合であっても特性の低下や変動を有効に防止できる。
このとき、結晶性酸化物膜の電気抵抗率が5mΩcm以下のものである積層構造体とすることができる。
これにより、抵抗率がより低く、半導体装置により適した結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、前記積層構造体における前記結晶性酸化物膜の主面が、a面、b面、c面又は(−201)面である積層構造体とすることができる。
これにより、結晶性がより高いベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、前記ドーパントが、スズ、ゲルマニウム又はケイ素である積層構造体とすることができる。
これにより、より安定して、電気的特性のより高い結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、前記結晶性酸化物膜の移動度が30cm/Vs以上である積層構造体とすることができる。
これにより、移動度が高く、半導体装置により適した結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、前記結晶性酸化物膜のキャリア密度が1.0×1018/cm以上のものである積層構造体とすることができる。
これにより、キャリア密度が高く、半導体装置により適した結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、前記結晶性酸化物膜が、ガリウム、インジウム又はアルミニウムを含む積層構造体とすることができる。
これにより、優れた結晶性を有し、電気的特性のより高い結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、前記結晶性酸化物膜が少なくともガリウムを含む積層構造体とすることができる。
これにより、熱的に特に安定な結晶性酸化物膜を有する積層構造体となる。
このとき、上記の積層構造体を含む半導体装置とすることができる。また、前記半導体装置を備える半導体システムとすることができる。
これにより、優れた特性を有する半導体装置、半導体システムとなる。
以上のように、本発明の積層構造体によれば、抵抗率の低いベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を有し、半導体装置に適用可能で半導体特性が優れたものとなる。このような積層構造体は低抵抗率のものであるので、半導体装置に有用である。また、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜及びタンタル酸リチウム基板は、ともに熱的に安定であるため、半導体装置の製造時に高温プロセスとなる場合であっても特性低下を有効に防止できる。
本発明に係る積層構造体の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る成膜方法に用いる成膜装置の一例を示す概略構成図である。 成膜装置のミスト化部の一例を示す。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のように、低抵抗率のベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜を有する積層構造体を提供することが求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、基板と、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜とを有する積層構造体であって、前記基板がタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板であり、前記結晶性酸化物膜がドーパントを含み、電気抵抗率が50mΩcm以下のものである積層構造体により、抵抗率の低い結晶性酸化物膜を有し、半導体装置に適用可能で半導体特性が優れたものとなるとともに、熱的に安定であるため、半導体装置の製造時に高温プロセスとなる場合であっても特性低下を有効に防止できることを見出し、本発明を完成した。
以下、図面を参照して説明する。
(積層構造体)
本発明に係る積層構造体1の一実施形態は、図1に示すように、タンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板10上に、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜20が積層されている積層構造体1である。なお、単結晶基板10と結晶性酸化物膜20との間には、バッファ層などが介在していてもよい。
ここで「結晶性」という場合、結晶状態が多結晶又は単結晶のものを含むことを意味する。多結晶又は単結晶に、非晶質が混在していてもよい。
(タンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板)
まず、本発明に係る積層構造体が有するタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板について説明する。
本発明に係る積層構造体を製造する場合、まず、タンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板を準備する。ここで、「タンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板」には、タンタル酸リチウムが50〜100%含まれる基板を含む。
タンタル酸リチウムはイルメナイト構造を有し、格子定数はα−Gaに比較的近い。α−Ga(001)面およびβ−Ga(−201)面、ならびにタンタル酸リチウム(001)面における、酸素原子間の距離の大小関係は概ね、α−Ga<タンタル酸リチウム<β−Gaである。β−Gaはα−Gaに比べエネルギー的に安定であるため、タンタル酸リチウム基板上では低温においてもα−Gaは形成されずにβ−Gaが優先的に形成されるものと推測される。
以下、タンタル酸リチウム単結晶基板について、さらに詳細に説明する。タンタル酸リチウム単結晶基板は、例えば、チョクラルスキー法によってタンタル酸リチウム単結晶を成長させてタンタル酸リチウム単結晶インゴットとし、このインゴットをスライスして基板形状に加工することによって得られる。
本発明に係る積層構造体におけるタンタル酸リチウム単結晶基板は、その表面の格子定数を後に堆積する結晶性酸化物膜の格子定数に近づけるようにカットするのが好ましい。例えば、β−Gaを主成分とする結晶性酸化物膜を堆積する場合、結晶方位がZ±10°以内となるようにカットされているのが好ましく、更に好ましくは、結晶方位がZ±5°以内となるようにカットされているのが良い。また、結晶方位としては、a面、m面、r面又はc面を主面とする基板であることが、好ましい。このような主面を有する単結晶基板であれば、基板上に形成した結晶性酸化物膜が、より安定して、より抵抗率の低い結晶性酸化物膜となる。また、より高い結晶性を有する結晶性酸化物膜となる。
また、本発明の積層構造体に用いるタンタル酸リチウム単結晶基板は、基板の分極状態が均一化されていると酸化物単結晶膜の均一な成長が促進され、好ましい。すなわち、タンタル酸リチウム基板が、単一分極化処理又は多分極化処理されているのが好ましい。
単一分極化処理された基板を得るには、例えば、チョクラルスキー法で作製したタンタル酸リチウム単結晶インゴットを700℃に加熱し、結晶方位Z方向に200Vの電圧を印加して10時間のポーリング処理施した後、そのインゴットをスライスして基板形状に加工すると良い。また、基板形状に加工された基板自体を700℃に加熱し、結晶方位Z方向に200Vの電圧を印加して10時間のポーリング処理施しても良い。
単一分極処理を施した基板を用いる場合、更に基板表面に焦電性抑制処理を施すと、加熱した基板に結晶性酸化物膜を堆積する際に基板が帯電するのを抑制することが出来て、好ましい。焦電性抑制処理は、例えば、単一分極処理を施されたタンタル酸リチウム単結晶基板を炭酸リチウム粉末中に埋め込んで、還元性ガス雰囲気下において、350℃以上、キュリー温度(約610℃)以下の温度で熱処理を行う。このとき、基板の厚さ方向における体積抵抗率が1.0×1011Ω・cm以上、2.0×1013Ω・cm以下で、かつ、基板内における体積抵抗率の最大値と最小値の比が4.0以下となるように処理を施しておくと、基板に結晶性酸化物膜を堆積する際の基板の耐電が効果的に抑制できる。
一方、多分極化処理された基板を得るには、例えば、一旦単一分極化した単結晶(インゴットまたは基板)、または単一分極化処理を施さない単結晶(インゴットまたは基板)に対して、700℃以上に加熱して数時間(好ましくは1000℃以上、より好ましくは5時間以上、更に好ましくは10時間以上)アニールし、歪緩和の処理を行い、インゴットの場合はそれをスライスして基板形状に加工すると良い。多分極化処理された基板を用いると、加熱した基板に結晶性酸化物膜を堆積する際に基板が帯電するのを抑制することが出来て、好ましい。特に、基板表面の分極の平均分域サイズを5μm以下となるようにすると、帯電が効果的に抑制できる。タンタル酸リチウム基板の帯電効果が抑制されると、結晶性酸化物膜が安定に堆積されることより好ましい。なお、タンタル酸リチウム単結晶の(少なくとも基板表面の)組成をコングルエント組成にすると、基板表面の分極の平均分域サイズが小さくなり易く好ましい。ここで、コングルエント組成とは、タンタル酸リチウムの場合は、LiとTaの比率がLi:Ta=48.5−α:51.5+αであり、αは−0.5≦α≦0.5の範囲であることをいう。
タンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板の表面は凹凸が小さくなるように平滑に研磨しておくと、結晶性酸化物膜の平坦な積層膜が得られる。Raが10nm以下にするのが好ましい。Raが5nm以下にすると更に好ましい。
また、タンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板の、結晶性酸化物膜を堆積する面に、予め水素、ヘリウム、アルゴン、他の希ガス類から選択されるイオンを注入し、堆積面の50nmから3μm直下に脆弱層を形成しておくことも出来る。こうすることで、結晶性酸化物膜を堆積後に、脆弱層に衝撃を与えることによって、堆積した結晶性酸化物膜をタンタル酸リチウム単結晶基板から容易に剥離することが出来る。
単結晶基板の厚さは特に限定されないが、好ましくは、10〜2000μmであり、より好ましくは50〜800μmである。また、基板の面積は100mm以上が好ましく、より好ましくは口径(直径)が2インチ(50mm)以上である。
(結晶性酸化物膜)
本発明に係る積層構造体における結晶性酸化物膜は、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜である。結晶性酸化物膜は、通常、金属と酸素から構成される。結晶性酸化物膜は、金属成分として、例えば、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びコバルトから選ばれる1種又は2種以上の金属を含んでもよい。特に、ガリウム、インジウム又はアルミニウムを含むものであることが好ましく、少なくともガリウムを含むものであることが、より好ましい。結晶性が高く、熱的に、より安定なものとなる。なお、結晶性酸化物膜はベータガリア構造であれば、単結晶でも多結晶でもよい。
ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜の中でも、特に、β−Gaを主成分(膜中の50〜100%)とするものであることが好ましい。β−Gaは、熱的により安定な結晶性酸化物膜である。
結晶性酸化物膜中にはドーパントが含まれている。例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム又はニオブ等のn型ドーパント、又は、銅、銀、スズ、イリジウム、ロジウム等のp型ドーパントなどが挙げられる。前記ドーパントは特に限定されないが、スズであることが好ましい。ドーパントの濃度は、例えば、約1×1016/cm〜1×1022/cmであってもよく、約1×1017/cm以下の低濃度にしても、約1×1020/cm以上の高濃度としてもよい。
本発明に係る積層構造体における結晶性酸化物膜は、特に、電気抵抗率が50mΩcm以下のものである点に特徴を有している。低抵抗で、半導体特性が高いものである。好ましくは20mΩcm以下、より好ましくは5mΩcm以下のものとすることができる。
本発明に係る積層構造体における結晶性酸化物膜は、移動度が30cm/Vs以上のものが好ましい。好ましくは移動度が50cm/Vs以上のものであり、より好ましくは移動度が100cm/Vs以上のものである。このような電気特性に優れた結晶性酸化物膜を有する積層構造体は、半導体装置に適用したときに、優れた特性を有するものとなる。
また、本発明に係る積層構造体における結晶性酸化物膜では、キャリア密度が1.0×1018/cm以上ものであることが好ましく、より好ましくは1.0×1019/cm以上のものである。半導体特性がより高いものとなる。
また、結晶性酸化物膜は、主面が、a面、b面、c面又は(−201)面であるものとすることができる。このような主面を有するものは、電気特性がより優れたものであり、また、膜の結晶性も高いものであり、半導体装置への適用により優れたものである。
本発明に係る積層構造体においては結晶性酸化物膜の膜厚は特に限定されないが、例えば、1.0〜50μmであってよく、好ましくは5.0〜30μmであり、より好ましくは10〜20μmである。
なお、単結晶基板と結晶性酸化物膜の間に別の層が介在しても構わない。別の層とは、基板ならびに最表層の結晶性酸化物膜と組成が異なる層であり、例えば、結晶性酸化物膜、絶縁膜、金属膜等、いずれでも構わない。
本発明に係る積層構造体又は前記積層構造体から得られる結晶性酸化物膜は、適宜構造設計を行うことで、半導体装置に利用できる。例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、静電誘導トランジスタ(SIT)、接合電界効果トランジスタ(JFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、発光ダイオード(LED)などそれぞれの半導体層を構成することができる。また、これらの半導体装置を用いた半導体システムとすることができる。
(成膜装置)
本発明に係る積層構造体は、少なくとも、ドーパント源とガリウム等の金属源を含有する水溶液を霧化又は液滴化して生成されるミストを、キャリアガスを用いてタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板へ搬送し、ついで単結晶基板上で該ミストを熱反応させて結晶性酸化物膜を成膜する方法により製造することができる。このような結晶性酸化物膜を含む積層構造体を成膜可能な成膜装置について説明する。
図2に、成膜装置101の一例を示す。成膜装置101は、原料溶液をミスト化してミストを発生させるミスト化部120と、ミストを搬送するキャリアガスを供給するキャリアガス供給部130と、ミストを熱処理して基板上に成膜を行う成膜部140と、ミスト化部120と成膜部140とを接続し、キャリアガスによってミストが搬送される搬送部109とを有する。また、成膜装置101は、成膜装置101の全体又は一部を制御する制御部(図示なし)を備えることによって、その動作が制御されてもよい。
なお、ここで、本発明でいうミストとは、気体中に分散した液体の微粒子の総称を指し、霧、液滴等と呼ばれるものを含む。
(原料溶液)
原料溶液(水溶液)104aには、ガリウム等の金属源が含有されている。すなわち、ガリウムの他、例えば、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びコバルトから選ばれる1種又は2種以上の金属を含むことができる。特に、ガリウム、インジウム又はアルミニウムを含むことが好ましく、少なくともガリウムを含むことが、より好ましい。前記金属を錯体又は塩の形態で、水に溶解又は分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩などが挙げられる。また、上記金属を、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸等に溶解したものも塩の水溶液として用いることができる。溶質濃度は0.01〜1mol/Lが好ましい。
原料溶液104aには、結晶性酸化物膜の電気的特性を制御するためのドーパント元素を含有させる。例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム又はニオブ等のn型ドーパント、又は、銅、銀、スズ、イリジウム、ロジウム等のp型ドーパントなどが挙げられる。前記ドーパントは特に限定されないが、スズであることが好ましい。また、前記ドーパント元素はイオン化していることが好ましい。従って、原料溶液104aには酸を混合してドーパント元素の溶解を促進させてもよい。前記酸としては、例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸などのハロゲン化水素、次亜塩素酸、亜塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、ヨウ素酸等のハロゲンオキソ酸、蟻酸等のカルボン酸、硝酸、等が挙げられる。なお、溶解の促進には、加熱したり超音波を与えたりするのも有効である。
(ミスト化部)
ミスト化部120では、原料溶液104aを調整し、前記原料溶液104aをミスト化してミストを発生させる。ミスト化手段は、原料溶液104aをミスト化できさえすれば特に限定されず、公知のミスト化手段であってよいが、超音波振動によるミスト化手段を用いることが好ましい。より安定してミスト化することができるためである。
このようなミスト化部120の一例を図3に示す。例えば、原料溶液104aが収容されるミスト発生源104と、超音波振動を伝達可能な媒体、例えば水105aが入れられる容器105と、容器105の底面に取り付けられた超音波振動子106を含んでもよい。詳細には、原料溶液104aが収容されている容器からなるミスト発生源104が、水105aが収容されている容器105に、支持体(図示せず)を用いて収納されている。容器105の底部には、超音波振動子106が備え付けられており、超音波振動子106と発振器116とが接続されている。そして、発振器116を作動させると、超音波振動子106が振動し、水105aを介して、ミスト発生源104内に超音波が伝播し、原料溶液104aがミスト化するように構成されている。
(搬送部)
搬送部109は、ミスト化部120と成膜部140とを接続する。搬送部109を介して、ミスト化部120のミスト発生源104から成膜部140の成膜室107へと、キャリアガスによってミストが搬送される。搬送部109は、例えば、供給管109aとすることができる。供給管109aとしては、例えば石英管や樹脂製のチューブなどを使用することができる。
(成膜部)
成膜部140では、ミストを加熱し熱反応を生じさせて、基板(単結晶基板)110の表面の一部又は全部に成膜を行う。成膜部140は、例えば、成膜室107を備え、成膜室107内には基板(単結晶基板)110が設置されており、該基板(単結晶基板)110を加熱するためのホットプレート108を備えることができる。ホットプレート108は、図2に示されるように成膜室107の外部に設けられていてもよいし、成膜室107の内部に設けられていてもよい。また、成膜室107には、基板(単結晶基板)110へのミストの供給に影響を及ぼさない位置に、排ガスの排気口112が設けられてもよい。
また、基板(単結晶基板)110を成膜室107の上面に設置するなどして、フェイスダウンとしてもよいし、基板(単結晶基板)110を成膜室107の底面に設置して、フェイスアップとしてもよい。
熱反応は、加熱によりミストが反応すればよく、反応条件等も特に限定されない。原料や成膜物に応じて適宜設定することができる。例えば、加熱温度は250〜900℃の範囲であり、好ましくは300℃〜800℃の範囲であり、より好ましくは350℃〜700℃の範囲とすることができる。
熱反応は、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下、空気雰囲気下及び酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、成膜物に応じて適宜設定すればよい。また、反応圧力は、大気圧下、加圧下又は減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、大気圧下の成膜であれば、装置構成が簡略化できるので好ましい。
(キャリアガス供給部)
キャリアガス供給部130は、キャリアガスを供給するキャリアガス源102aを有し、キャリアガス源102aから送り出されるキャリアガス(以下、「主キャリアガス」という)の流量を調節するための流量調節弁103aを備えていてもよい。また、必要に応じて希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源102bや、希釈用キャリアガス源102bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁103bを備えることもできる。
キャリアガスの種類は、特に限定されず、成膜物に応じて適宜選択可能である。例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、又は水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類でも、2種類以上であってもよい。例えば、第1のキャリアガスと同じガスをそれ以外のガスで希釈した(例えば10倍に希釈した)希釈ガスなどを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよく、空気を用いることもできる。
本明細書においては、キャリアガスの流量Qは、キャリアガスの総流量を指す。上記の例では、キャリアガス源102aから送り出される主キャリアガスの流量と、希釈用キャリアガス源102bから送り出される希釈用キャリアガスの流量の総量を、キャリアガスの流量Qとする。
キャリアガスの流量Qは成膜室や基板の大きさによって適宜決められるが、通例1〜60L/分であり、好ましくは2〜40L/分である。
(成膜方法)
次に、図2を参照しながら、本発明に係る結晶性酸化物膜の成膜方法の一例を説明する。まず、原料溶液104aをミスト化部120のミスト発生源104内に収容し、基板(単結晶基板)110であるタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板を、ホットプレート108上に直接又は成膜室107の壁を介して設置し、ホットプレート108を作動させる。単結晶基板として用いるタンタル酸リチウムは熱膨張係数が大きいため、低温から徐々に昇温するのが好ましい。
次に、流量調節弁103a、103bを開いてキャリアガス源102a、102bからキャリアガスを成膜室107内に供給し、成膜室107の雰囲気をキャリアガスで十分に置換するとともに、主キャリアガスの流量と希釈用キャリアガスの流量をそれぞれ調節し、キャリアガス流量Qを制御する。
ミストを発生させる工程では、超音波振動子106を振動させ、その振動を、水105aを通じて原料溶液104aに伝播させることによって、原料溶液104aをミスト化させてミストを生成する。次に、ミストをキャリアガスにより搬送する工程では、ミストがキャリアガスによってミスト化部120から搬送部109を経て成膜部140へ搬送され、成膜室107内に導入される。成膜を行う工程で、成膜室107内に導入されたミストは、成膜室107内でホットプレート108の熱により熱処理され熱反応して、基板(単結晶基板)110上に成膜される。
(アニール処理)
結晶性酸化物膜を成膜した後、膜表面の平坦化や、電気的特性をより安定させるためにアニールを行うことも可能である。アニール処理の条件として、例えば、温度を500℃以上とすることができる。上限は特に限定されず、結晶性酸化物膜や単結晶基板が熱処理に耐えうる範囲であればよいが、例えば、1000℃とすることができる。アニール処理の時間は特に限定されないが、例えば1分以上とすることができる。また、生産性を考慮すれば、1時間以下が好ましく、30分以下とすることがより好ましい。アニール処理の雰囲気は特に限定されないが、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。また、このようなアニール処理により、結晶性酸化物膜の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)を0.1μm以下とできる。電気特性等が安定化する効果が期待できる。なお、表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)により10μm角の領域についての表面形状測定結果を用い、JIS B0601に基づき算出して得た算術平均粗さ(Ra)を表す。
(剥離)
単結晶基板を結晶性酸化物膜から剥離してもよい。剥離手段は特に限定されず、公知の手段であってもよい。例えば、機械的衝撃を与えて剥離する手段、熱を加えて熱応力を利用して剥離する手段、超音波等の振動を加えて剥離する手段、エッチングして剥離する手段、レーザーリフトオフなどが挙げられる。前記剥離によって、結晶性酸化物膜を自立膜として得ることができる。
(電極)
半導体装置を構成するために必要となる電極の形成は、一般的な方法を用いることができる。すなわち、蒸着、スパッタ、CVD、めっきなどの他、樹脂等と一緒に接着させる印刷法など、いずれを用いてもかまわない。電極材料としては、Al、Ag、Ti、Pd、Au、Cu、Cr、Fe、W、Ta、Nb、Mn、Mo、Hf、Co、Zr、Sn、Pt、V、Ni、Ir、Zn、In、Ndなどの金属の他、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェンまたはポリピロールなどの有機導電性化合物、いずれを用いてもかまわないし、これらの2種以上の合金、混合物でもかまわない。電極の厚さは、1〜1000nmが好ましく、より好ましくは10〜500nmである。
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
タンタル酸リチウム単結晶基板上に、バッファ層としてノンドープのβ−Gaを形成し、さらにその上に、結晶性酸化物膜としてβ−Gaを形成した積層構造体を作製し、評価を行った。製造条件は以下のとおりである。
(積層構造体の構成)
基板 : 信越化学工業社製、タンタル酸リチウム単結晶基板
直径2インチ(50mm)、厚さ200μm、m面
鏡面仕上げ
バッファ層 : β−Ga(ノンドープ)
結晶性酸化物膜: β−Ga
(結晶性酸化物膜の成膜条件)
成膜方法 : ミストCVD法
原料水溶液 : 臭化ガリウム
塩化スズ
Ga:Sn=1:0.02
臭化水素酸10%
キャリアガス : N、2L/min
希釈ガス : N、4.5L/min
成膜温度 : 400℃
成膜時間 : 180分
具体的には、まず、単結晶基板としてコングルエント組成(Li/(Li+Ta)の値は、0.485)のタンタル酸リチウム単結晶基板を準備した。チョクラルスキー法によって作製したタンタル酸リチウム単結晶を、Z軸カットして、m面基板に加工し、700℃、10時間の加熱処理を行って多分極化処理を施し、表面を研磨して表面粗さRa=0.5nmとした。
次に、原料水溶液を作製した。ガリウム源として臭化ガリウムを用い、臭化ガリウムの濃度を1.0×10−1mol/Lとし、臭化ガリウムと塩化スズを、ガリウム、スズの原子数比で1:0.02となるように水溶液を調整した。調製した水溶液に、体積比で10%の48%臭化水素酸溶液を加え、原料水溶液を調製とした。
上述のようにして得た原料溶液104aを、ミスト発生源104内に収容した。次に、基板(単結晶基板)110として、主面がm面であり、直径2インチ(50mm)、厚さ200μmのタンタル酸リチウム単結晶基板を、成膜室107内でホットプレート108に載置し、ホットプレート108を作動させて温度を400℃に昇温した。
続いて、流量調節弁103a、103bを開いてキャリアガス源102a、102bからキャリアガスとして窒素ガスを成膜室107内に供給し、成膜室107の雰囲気をキャリアガスで十分に置換するとともに、主キャリアガスの流量を2L/minに、希釈用キャリアガスの流量を4.5L/minにそれぞれ調節した。すなわち、キャリアガス流量Q=6.5L/分とした。
次に、超音波振動子106を2.4MHzで振動させ、その振動を、水105aを通じて原料溶液104aに伝播させることによって、原料溶液104aをミスト化してミストを生成した。このミストを、キャリアガスによって供給管109aを経て成膜室107内に導入した。そして、大気圧下、400℃、成膜時間180分の条件で、成膜室107内でミストを熱反応させて、タンタル酸リチウム単結晶基板上にGaを成膜した。
成膜した結晶性酸化物膜の膜厚は、反射率分光式膜厚計を用いて測定した。本実施例で得られた結晶性酸化物膜の膜厚は2.9μmであった。
(実施例2,3)
基板として、オフ角を有するm面タンタル酸リチウム基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、結晶性酸化物膜を得た。なお、オフ角は、実施例2は0.5°、実施例3は3.0°とした。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は、それぞれ、実施例2が3.4μm、実施例3が3.1μmであった。
(実施例4)
原料溶液として、臭化ガリウムの代わりにヨウ化ガリウムを用い、ガリウムとスズの原子数比を1:0.05に変更したこと、及び、基板として、表面にバッファ層としてβ―Ga(Snドープ)が積層されたm面タンタル酸リチウム基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は3.3μmであった。
(実施例5)
基板として、表面にバッファ層が積層されていないm面タンタル酸リチウム基板を用いたこと、及び、成膜時間を60分としたこと以外は、実施例1と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は0.6μmであった。
(実施例6)
基板として、表面にバッファ層としてβ−Ga(ノンドープ)が積層されたa面タンタル酸リチウム基板を用いたこと、及び、原料溶液として、塩化スズのかわりに酸化ゲルマニウムを用い、ガリウムとゲルマニウムの原子数比を1:0.02としたこと以外は、実施例1と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は3.2μmであった。
(実施例7)
基板として、表面にバッファ層としてβ−Ga(Snドープ)が積層されたa面タンタル酸リチウム基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は2.8μmであった。
(実施例8)
基板として、表面にバッファ層としてβ−Ga(ノンドープ)が積層されたc面タンタル酸リチウム基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は3.0μmであった。
(実施例9)
原料溶液として、臭化ガリウムの代わりにヨウ化ガリウムを用いたこと以外は、実施例8と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は3.6μmであった。
(実施例10)
基板として、表面にバッファ層としてβ−Ga(ノンドープ)が積層されたr面タンタル酸リチウム基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして結晶性酸化物膜を得た。得られた結晶性酸化物膜の膜厚は2.9μmであった。
(比較例)
基板として、(013)面を主面として有するタンタル酸リチウム基板を用いたこと以外は実施例1と同様に成膜を行った。
(結晶性の評価)
成膜した結晶性酸化物膜の相の同定は、XRD回折装置を用いて、10度から120度まで2θ/ωスキャンを行うことによって行った。測定はCuKα線を用いて行った。その結果、得られた結晶性酸化物膜は、実施例1−5では、c面β−Gaであり、実施例6,7ではb面β−Gaであり、実施例8,9では(−201)面を主面とするβ−Gaであり、実施例10ではa面β−Gaであった。比較例で得られた結晶性酸化物膜の面方位は同定できなかった。
実施例1−5で得られた結晶性酸化物膜は31.8度付近の、実施例6,7で得られた結晶性酸化物膜は61.1度付近の、実施例8,9で得られた結晶性酸化物膜は38.5度付近の、実施例10で得られた結晶性酸化物膜は30.2度付近の、2θ/ωスキャンピーク位置において、ロッキングカーブ半値幅をそれぞれ測定した結果を表1に示す。なお、比較例では、半値幅の計算は行わなかった。
(電気的特性の評価)
実施例1−10及び比較例で得られた結晶性酸化物膜につき、van der pauw法により、ホール効果測定を実施した。測定したキャリア密度、移動度及び抵抗率を表1に示す。表1に示すように、比較例では抵抗率は100mΩcm以上であり、抵抗率の高い膜であったが、本発明に係る結晶性酸化物膜は、電気特性に優れており、特に、抵抗率の低いものが得られたことがわかる。また、キャリア密度についても、比較例では1.0×1018/cm未満であったが、実施例1−10では高いキャリア密度を有するものが得られた。さらに、移動度についても、実施例1−10では高い特性を有するものが得られた。
Figure 2021038117
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…積層構造体、 10…単結晶基板、 20…結晶性酸化物膜、
101…成膜装置、 102a…キャリアガス源、
102b…希釈用キャリアガス源、 103a…流量調節弁、
103b…流量調節弁、 104…ミスト発生源、 104a…原料溶液(水溶液)、
105…容器、 105a…水、 106…超音波振動子、 107…成膜室、
108…ホットプレート、 109…搬送部、 109a…供給管、
110…基板(単結晶基板)、 112…排気口、 116…発振器、
120…ミスト化部、130…キャリアガス供給部、140…成膜部。

Claims (10)

  1. 基板と、ベータガリア構造を有する結晶性酸化物膜とを有する積層構造体であって、
    前記基板がタンタル酸リチウムを主成分とする単結晶基板であり、
    前記結晶性酸化物膜がドーパントを含み、電気抵抗率が50mΩcm以下のものであることを特徴とする積層構造体。
  2. 前記結晶性酸化物膜の電気抵抗率が5mΩcm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。
  3. 前記積層構造体における前記結晶性酸化物膜の主面が、a面、b面、c面又は(−201)面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層構造体。
  4. 前記ドーパントが、スズ、ゲルマニウム又はケイ素であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の積層構造体。
  5. 前記結晶性酸化物膜の移動度が30cm/Vs以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の積層構造体。
  6. 前記結晶性酸化物膜のキャリア密度が1.0×1018/cm以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の積層構造体。
  7. 前記結晶性酸化物膜が、ガリウム、インジウム又はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の積層構造体。
  8. 前記結晶性酸化物膜が、少なくともガリウムを含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の積層構造体。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の積層構造体を含むことを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置を備えることを特徴とする半導体システム。
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