JP2021037650A - 撥液性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】油に対する撥液性を発揮することができる撥液性物品を提供する。【解決手段】基材表面2と、基材表面2に形成されたフッ素系樹脂表面層3とを有する撥液性物品1であって、基材表面2が、基底面2aと、基底面2aから垂直に突出するとともに所定間隔Dで互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径W及び所定高さHの円柱状をなす凸部2bとで形成された凹凸パターンを有し、所定直径Wが25μm〜100μmであり、所定間隔Dが5μm〜205μmであり、フッ素系樹脂表面層3が、3〜33μmの平均粒径を有する1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと、1μm以下の平均粒径を有する第2フッ素系樹脂粒子3bと、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3a及び第2フッ素系樹脂粒子3bを基材表面2に固着するフッ素系樹脂被膜3cとで形成されている、撥液性物品1。【選択図】図3

Description

本発明は、撥液性物品に関する。
水や食品などの液体をはじく撥液性を有する撥液性物品が知られている。例えば特許文献1には、基材表面に微細な凹凸形状を転写することで撥液性を発現させた撥液性物品が記載されている。また、例えば特許文献2には、平均粒子径が互いに異なる2のフッ素系樹脂粒子をフッ素系樹脂被膜によって基材表面に固着することで撥液性を発現させた撥液性物品が記載されている。
特開2015−80930号公報 特開2016−166308号公報
しかし、上記のような従来の撥液性物品は、油に対する撥液性を発揮することはできなかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、油に対する撥液性を発揮することができる撥液性物品を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る撥液性物品は、
基材表面と、前記基材表面に形成されたフッ素系樹脂表面層とを有する撥液性物品であって、
前記基材表面が、基底面と、前記基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とで形成された凹凸パターンを有し、前記所定直径が25μm〜100μmであり、前記所定間隔が5μm〜205μmであり、
前記フッ素系樹脂表面層が、3〜33μmの平均粒径を有する1以上の第1フッ素系樹脂粒子と、1μm以下の平均粒径を有する第2フッ素系樹脂粒子と、前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子及び前記第2フッ素系樹脂粒子を前記基材表面に固着するフッ素系樹脂被膜とで形成されているものである。
本発明に係る撥液性物品は、食用油を収容する容器を構成する容器構成部材であってもよい。
本発明に係る撥液性物品は、前記所定間隔が前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子のいずれの平均粒径よりも大きく、前記所定高さが前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子のいずれの平均粒径よりも大きくてもよい。
本発明に係る撥液性物品は、前記所定直径が30μm〜80μmであり、前記所定間隔が30μm〜205μmであってもよい。
本発明に係る撥液性物品は、全ての前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子と前記第2フッ素系樹脂粒子との重量比が3:20〜20:5であってもよい。
本発明に係る撥液性物品は、前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子がそれぞれポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成され、前記第2フッ素系樹脂粒子がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成され、前記フッ素系樹脂被膜がパーフルオロアルキル基を有するポリマーによって形成されていてもよい。
本発明によれば、油に対する撥液性を発揮することができる撥液性物品を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る撥液性物品における基材表面の凹凸パターンを模式的に示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の一実施形態に係る撥液性物品におけるフッ素系樹脂表面層を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る撥液性物品のフッ素系樹脂表面層の一例を示すSEM画像である。 図4の破線で囲んだ部分を拡大して示す拡大図である。 本発明の実施例であるキャップに対して実施した撥液性の確認テストの要領を説明するための図である。 図6に示すキャップの写真であり、撥液性の確認テスト後の状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る撥液性物品について詳細に例示説明する。
本実施形態に係る撥液性物品1は、基材表面2と、基材表面2に形成されたフッ素系樹脂表面層3(以下、表面層3ともいう)とを有している。基材表面2は、図1〜図2に示すように、基底面2aと凸部2bとで形成された微細な凹凸パターン、すなわち、凹凸の周期構造を有している。なお、図1〜図2は表面層3を省略し、基材表面2のみを示している。また、表面層3は基材表面2の凹凸パターンを覆っている。なお、図3は基材表面2の凸部2bの天面2c上の表面層3を示している。
凸部2bは、基底面2aから垂直に突出するとともに所定間隔Dで互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径W及び所定高さHの円柱状をなしている。本願において、X方向とは、基底面2aと平行な第1直線に沿う方向を意味し、Y方向とは、第1直線に対して垂直であり且つ基底面2aと平行な第2直線に沿う方向を意味している。このように、基材表面2は、基底面2aと、基底面2aからX方向及びY方向の両方に垂直なZ方向に所定高さHまで突出する多数の凸部2bとで構成されている。なお、基底面2aは平面であってもよいし、曲面であってもよい。また、凸部2bの天面2cと基底面2aとはそれぞれ、表面粗さRaが例えば22nm程度となる略平滑に形成されているが、これに限らない。
基材表面2は、基材表面2の上記凹凸パターンを転写するための凹凸をキャビティ内の表面に設けた金型を用いて合成樹脂材料を射出成形することにより、射出成形された基材の表面、すなわち射出成形面として形成されている。このような形成方法によれば、射出成形と同時に凹凸パターンを得ることができるので、製造コスト等の観点から有利である。しかし、基材表面2の形成方法はこれに限らず、例えば、射出成形後の平滑面にホットエンボス加工で上記凹凸パターンを転写する形成方法を用いてもよい。
凸部2bは上記のように円柱状をなしているが、外周面に金型の抜き勾配を有していてもよい。すなわち、円柱状の凸部2bの外周面は、基底面2aに向けて徐々に拡径する若干の勾配を有していてもよい。この場合、所定直径Wとは、凸部2bの天面2cにおける直径を意味する。また、この場合、所定間隔Dとは、凸部2bの天面2cにおける間隔を意味する。
基材表面2を合成樹脂を主材として形成する場合、合成樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シリコーン樹脂又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってよい。なお、基材表面2は、合成樹脂を主材として形成するものに限らない。
図3に示すように、表面層3は、3〜33μmの平均粒径を有する1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと、1μm以下の平均粒径を有する第2フッ素系樹脂粒子3bと、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3a及び第2フッ素系樹脂粒子3bを基材表面2に固着するフッ素系樹脂被膜3cとで形成されている。
図3には1の第1フッ素系樹脂粒子3aのみが示されているが、表面層3は、2以上の第1フッ素系樹脂粒子3aで構成されてもよい。例えば、表面層3は、後述する配合パターン23のように、33μmの平均粒径を有する第1フッ素系樹脂粒子3aと、10μmの平均粒径を有する第1フッ素系樹脂粒子3aと、6.2μmの平均粒径を有する第1フッ素系樹脂粒子3aと、3μmの平均粒径を有する第1フッ素系樹脂粒子3aとからなる4の第1フッ素系樹脂粒子3aで構成されてもよい。また、表面層3は、1の第1フッ素系樹脂粒子3aで構成されてもよい。本願において平均粒径とは、レーザー回折散乱法によって測定される50%粒径d50を意味している。
本実施形態では、所定直径Wは25μm〜100μmであり、所定間隔Dは5μm〜205μmである。所定直径Wと所定間隔Dをこの範囲に設定することにより、基材表面2の微細な凹凸パターンに沿って、この凹凸パターンよりも微細な、表面層3のフッ素系樹脂による凹凸を形成することができるので、従来は難しかった油に対する撥液性、つまり撥油性を発現することができる。また、所定直径Wを30μm〜80μmとし、所定間隔Dを30μm〜205μmとすることで、より確実に撥油性を発現することができる。
所定間隔Dは、より確実に撥油性を発揮するために1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aのいずれの平均粒径よりも大きい値に設定されているが、これに限らない。所定高さHは、より確実に撥油性を発揮するために1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aのいずれの平均粒径よりも大きい値に設定されているが、これに限らない。
また、全ての1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとの重量比は、より確実に撥油性を発揮するために3:20〜20:5に設定されているが、これに限らない。
1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aは、より確実に撥油性を発揮するためにそれぞれポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されているが、これに限らない。また、第2フッ素系樹脂粒子3bは、より確実に撥油性を発揮するためにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されているが、これに限らない。また、フッ素系樹脂被膜3cは、より確実に撥油性を発揮するためにパーフルオロアルキル基を有するポリマーによって形成されているが、これに限らない。
表面層3は、より確実に撥油性を発揮するために1の第2フッ素系樹脂粒子3bを有しているが、これに限らない。また、第2フッ素系樹脂粒子3bは、より確実に撥油性を発揮するために1μm以下の最大粒径を有しているが、これに限らない。フッ素系樹脂被膜3cは、より確実に撥油性を発揮するために1以上の第1フッ素系樹脂粒子3a及び第2フッ素系樹脂粒子3bを覆っているが、これに限らない。
表面層3は、より確実に撥油性を発揮するために1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aのそれぞれと第2フッ素系樹脂粒子3bとの重畳によって凹凸状に形成された1以上の第1部分表面層4aと、第2フッ素系樹脂粒子3bの凝集によって凹凸状に形成された第2部分表面層4bとを有しているが、これに限らない。
このような表面層3の一例を示す走査型電子顕微鏡(SEM)画像を図4〜図5に示す。図4から、基材表面2の凹凸パターン上に表面層3が形成されていることが視認できる。なお、図4の画像は、X方向及びY方向が紙面の上下左右方向に対して45°傾いた状態で示されている。また、凸部2bの天面2c上の表面層3を拡大して示す図5から、1以上の第1部分表面層4aと第2部分表面層4bとによる多数のエアポケットが形成されていることが視認できる。
表面層3は、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとをフッ素系樹脂溶液に分散させた懸濁液で基材表面2の凹凸パターンを覆い、乾燥させることで形成されている。より具体的には、準備工程、被覆工程及び乾燥工程をこの順に経ることにより、表面層3が形成されている。なお、表面層3の形成方法はこれに限らない。
準備工程は、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとをフッ素系樹脂溶液に分散させた懸濁液を準備する工程である。フッ素系樹脂溶液のフッ素系樹脂溶質は、乾燥によってフッ素系樹脂被膜3cを形成する成分である。準備工程においては、例えば、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとを含むフッ素系樹脂溶液に超音波を5〜10分適用することにより、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとが良好に分散した懸濁液を得ることができる。
被覆工程は、基材表面2の凹凸パターンを懸濁液で被覆する工程である。この被覆は、例えば塗布又は浸漬等によって行うことができる。その際、基材表面2にプライマーの適用又は表面処理を行う必要はない。
乾燥工程は、懸濁液を乾燥させることにより、1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとフッ素系樹脂溶液の乾燥によって形成されたフッ素系樹脂被膜3cとによって表面層3を形成する工程である。乾燥工程において懸濁液の乾燥は、例えば80℃で5〜10分放置することによって行うことができるが、常温での放置によって行ってもよい。
準備工程において、懸濁液に含まれる全ての1以上の第1フッ素系樹脂粒子3aと第2フッ素系樹脂粒子3bとを合わせたフッ素系樹脂粒子の濃度、つまり懸濁液に含まれるフッ素系樹脂粒子の総配合量は、より確実に撥油性を発揮するために15〜25重量%に設定されているが、これに限らない。なお、懸濁液に含まれるフッ素系樹脂溶液のフッ素系樹脂溶質の濃度は、5重量%程度に設定されているが、これに限らない。
撥液性物品1は、食用油を収容する容器を構成する容器構成部材であってもよい。容器構成部材は、例えば、容器本体又はキャップである。しかし、撥液性物品1は、食用油以外の油を収容する容器を構成する容器構成部材であってもよいし、容器構成部材以外の物品であってもよい。
表面層3を容器の内側に設けた場合には、容器の内面への付着によって使い切れない油の残量(使い残し)を低減することができる。また、表面層3を容器の外側に設けた場合には、容器の外面への油の付着による汚れの発生を抑制することができる。容器は、筒状の口部と口部の下方に連なる胴部と胴部の下端を閉塞する底部とを有する容器本体と、容器本体の口部に装着されるとともに内容物を吐出可能な筒状等の吐出部を有するキャップとを備えてもよい。表面層3をこのようなキャップの吐出部に設けた場合には、油をキャップの吐出部を通じて外部に吐出する際に、吐出部における油の液切れを良くするとともに吐出部への油の付着を抑制することができ、もって、吐出部での汚れの発生を抑制することができる。
前述した本実施形態は、本発明の実施形態の一例にすぎず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
発明者は、種々の形状パターンを有する基材表面2を有する樹脂板を製作し、種々の配合パターンを有する表面層3をその上に形成して、食用油(コーン油)に対する撥液性の評価を行った。その結果を表1に示す。撥液性の評価は油に対する滑落角を測定し、滑落角が30°以内だったものを○、30°を越えたものを×で表1に示している。滑落角の測定は、サンプルに油を一滴付着させて、サンプルを傾け、油が滑り落ち始める角度を測定することによって行った。
基材表面2の形状パターンは表2に示したとおりであり、いずれの形状パターンの所定直径W及び所定間隔Dも、本発明の範囲内の値に設定されている。また、表面層3の配合パターンは表1に示したとおりであり、第2フッ素系樹脂粒子3bを含まない配合パターン26〜31、34〜35、40〜43によるサンプルが比較例であり、その他のサンプルが本発明の実施例である。なお、いずれのサンプルも、表1及び表2に示していない条件は上述した本実施形態の場合と同じ条件として製作した。
いずれのサンプルにおいても、基材表面2を有する樹脂板はポリプロピレン(PP)(日本ポリプロ株式会社製「BC08F」)の射出成形によって製作した。成形機は、日精樹脂工業株式会社製NEX110を用いた。
第1フッ素系樹脂粒子としては、株式会社喜多村製のKTL−400M(平均粒径33μm)、KTL−450A(平均粒径17.5μm)、KTL−620(平均粒径11.5μm)、KTL−10S(平均粒径10μm)、KTL−9S(平均粒径6.2μm)及びKTL−4N(平均粒径3μm)を用いた。第2フッ素系樹脂粒子としては、株式会社喜多村社製KTL−500F(平均粒径1μm以下)を用いた。配合パターン1〜62において用いた粒子の濃度を表1に示す。準備工程において、懸濁液に含まれるフッ素系樹脂溶液は、AGCセイミケミカル株式会社製の「エスエフコート」を用いた。このフッ素系樹脂溶液中のフッ素系樹脂溶質の濃度は、5重量%程度であった。
いずれの実施例でもコーン油に対する撥液性は発揮されたが、滑落角が30°以内となる優れた撥液性を発揮できたものは表1に○で示されるサンプルに限られた。表1の結果から、所定間隔Dよりも大きい平均粒径の第1フッ素系樹脂粒子3aを含むサンプル(配合パターン10、14、23、25、46、56と形状パターンaとの組合せによるサンプル)では優れた撥液性を発揮できないことが分かる。また、表1の結果から、フッ素系樹脂粒子の総配合量が30重量%に達しているサンプル(配合パターン18、21、47〜53によるサンプル)では優れた撥液性を発揮できないことが分かる。また、表1の結果から、フッ素系樹脂粒子の総配合量が15重量%に満たないサンプルで優れた撥液性を発揮できないもの(配合パターン15、32〜33、44〜45によるサンプル)があることが分かる。なお、コーン油以外の食用油として、大豆油、ごま油、オリーブ油についてもコーン油の場合と同様の評価を行った結果、いずれの実施例でもこれらの食用油に対する撥液性が発揮されることが確認されている。
また、発明者は、配合パターン11と形状パターンbとの組合せによるサンプルと同様の要領でボトル状容器用のキャップの内側面に基材表面2と表面層3を形成し、コーン油に対する撥液性の確認テストを実施した。図6に示すように、キャップ5は、円板状の天壁5aと、天壁5aの外周から垂下する円筒状の周壁5bとを有するものとした。そして、天壁5aの底面全体の半分の領域のみに、基材表面2と表面層3を形成した。図6において、基材表面2と表面層3を形成した領域Rを網掛けによって示している。このキャップ5を、コーン油を収容したボトル状の容器本体6の口部6aに装着し、容器全体を反転させて、コーン油をキャップ5の天壁5aの底面全体に接触させた後に、キャップ5を容器本体6から取り外して撥液性を目視で確認した。
容器本体6から取り外して撮影したキャップ5の写真を図7に示す。図7の写真は、キャップ5の天壁5aを底面側から撮影している。図7において、天壁5aの底面における右半分の領域(図6に網掛けで示した領域R)が基材表面2と表面層3を形成した領域となっているが、この領域がコーン油に対して明らかに撥液していることが分かる。
1 撥液性物品
2 基材表面
2a 基底面
2b 凸部
2c 天面
3 フッ素系樹脂表面層
3a 第1フッ素系樹脂粒子
3b 第2フッ素系樹脂粒子
3c フッ素系樹脂被膜
4a 第1部分表面層
4b 第2部分表面層
5 キャップ
5a 天壁
5b 周壁
6 容器本体
6a 口部
D 所定間隔
W 所定直径
H 所定高さ
R 領域

Claims (6)

  1. 基材表面と、前記基材表面に形成されたフッ素系樹脂表面層とを有する撥液性物品であって、
    前記基材表面が、基底面と、前記基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とで形成された凹凸パターンを有し、前記所定直径が25μm〜100μmであり、前記所定間隔が5μm〜205μmであり、
    前記フッ素系樹脂表面層が、3〜33μmの平均粒径を有する1以上の第1フッ素系樹脂粒子と、1μm以下の平均粒径を有する第2フッ素系樹脂粒子と、前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子及び前記第2フッ素系樹脂粒子を前記基材表面に固着するフッ素系樹脂被膜とで形成されている、撥液性物品。
  2. 食用油を収容する容器を構成する容器構成部材である、請求項1に記載の撥液性物品。
  3. 前記所定間隔が前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子のいずれの平均粒径よりも大きく、前記所定高さが前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子のいずれの平均粒径よりも大きい、請求項1又は2に記載の撥液性物品。
  4. 前記所定直径が30μm〜80μmであり、前記所定間隔が30μm〜205μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の撥液性物品。
  5. 全ての前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子と前記第2フッ素系樹脂粒子との重量比が3:20〜20:5である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の撥液性物品。
  6. 前記1以上の第1フッ素系樹脂粒子がそれぞれポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成され、前記第2フッ素系樹脂粒子がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成され、前記フッ素系樹脂被膜がパーフルオロアルキル基を有するポリマーによって形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の撥液性物品。
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