JP6817068B2 - 液体含浸表面形成のためのスプレープロセスおよび方法 - Google Patents

液体含浸表面形成のためのスプレープロセスおよび方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2014年3月25日出願の「液体含浸表面形成のためのスプレープロセスおよび方法(Spray Processes and Methods for Forming Liquid Impregnated Surfaces)」と題された米国仮特許出願第61/969,971号の優先権および利益を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本明細書に記載される実施形態は、液体含浸表面の形成方法に関し、特に液体含浸表面を形成するためのスプレーコーティングプロセスに関する。
[0003] 過去10年間でのマイクロ/ナノ加工表面の出現により、熱流体科学における多種多様な物理現象を強化する新たな技術が利用可能となっている。例えば、マイクロ/ナノ表面テクスチャを用いることで、より小さい粘性抵抗、氷およびその他の材料に対するより低い付着性、自浄性、ならびに撥水性を実現することができる非濡れ性表面が提供されている。こうした改善は、概して、固体表面とそれに隣接する液体との間の接触の減少(すなわち、濡れの低減)によりもたらされる。
[0004] 対象となる非濡れ性表面の1つのタイプに、超疎水性表面がある。一般的に、超疎水性表面は、疎水性コーティングなどの本質的に疎水性である表面上に、マイクロ/ナノスケールの粗さを含む。超疎水性表面は、マイクロ/ナノ表面テクスチャ内部の空気‐水界面によって、水との接触に耐える。
[0005] 既存の非濡れ性表面(例えば、超疎水性、超疎油性(oleophobic)および超疎金属性(metallophobic)表面)の短所の1つは、表面の非濡れ性能を消失させる、突き刺し(impalement)を生じやすいことである。突き刺しは、衝突する液体(例えば、液滴または液流)が表面テクスチャ内部に閉じ込められている空気に取って代わった場合に生じる。突き刺しを防止するための従来の取り組みでは、表面テクスチャの寸法をマイクロスケールからナノスケールへと縮小することに焦点が当てられている。
[0006] 既存の非濡れ性表面の別の短所は、氷の形成および付着が生じやすいことである。例えば、既存の超疎水性表面上に霜が形成された場合、表面は親水性となる。凍結条件下では、水滴が表面にくっつき、氷が蓄積し得る。氷は表面のテクスチャと噛合うことがあるため、氷の除去は困難な場合がある。同様に、こうした表面が、例えば脱塩または油およびガスの用途におけるように、塩で飽和した溶液に露呈される場合、薄片が表面上に溜まり、結果として機能性が損なわれる。既存の非濡れ性表面の同様の限界としては、表面上での水和物の形成、および、その他の有機または無機堆積物の形成に伴う問題が含まれる。
[0007] したがって、より頑丈な非濡れ性表面が必要とされている。特に、より耐久性があり、繰り返し使用された後であっても高い非濡れ特性を維持することができる非濡れ性表面が必要とされている。
[0008] 本明細書に記載する実施形態は、広義には液体含浸表面の生成方法に関し、特に、液体含浸表面を生成するためのスプレーコーティングプロセスに関する。いくつかの実施形態では、液体含浸表面の生成方法は、約5nmと約200μmとの間の平均寸法を有する複数の固体粒子を含む固体粒子懸濁液を形成することを含む。この固体粒子懸濁液は、表面上にスプレー堆積させることによって表面に塗布される。含浸液もまた、この表面に塗布される。複数の固体粒子および含浸液は、共に液体含浸表面を形成する。固体粒子懸濁液と含浸液とが同時に表面上にスプレー堆積するように、固体粒子溶液の塗布後に含浸液を塗布することができ、あるいは、固体粒子溶液が含浸液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングプロセスは、噴霧空気圧を調節することによって、堆積した固体粒子の表面粗さを改善することを含んでよい。いくつかの実施形態では、堆積した固体粒子の乾燥条件および乾燥時間を調節することによって、スプレーコーティングされた固体フィーチャの表面粗さを改善することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子および含浸液を共に表面上に堆積させることによって、液体含浸表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、表面上にスプレー堆積させながら、固体粒子懸濁液の温度を修正(すなわち、加熱または冷却)することによって、表面テクスチャを改善することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子懸濁液を表面上にスプレーコーティングする前または後に、表面の温度を修正(すなわち、加熱または冷却)することによって、表面テクスチャを調節することができる。
[0009] 図1Aは従来の非濡れ性表面に接触する製品の概略断面図であり、図1Bは製品が表面を突き刺している従来の非濡れ性表面を示す。 [0010] 一実施形態による液体含浸表面の概略断面図を示す。 [0011] 図3Aおよび図3Bは、それぞれ、第1の構成および第2の構成にある、容器の首部を把持し、容器を回転させるための、一実施形態による装置を示す。 [0012] 図4Aおよび図4Bは、それぞれ、第1の構成および第2の構成にある、容器の首部を締め付け、容器の内側表面をスプレーコーティングするための、一実施形態による装置を示す。 [0013] 図5Aおよび図5Bは、それぞれ、第1の構成および第2の構成にある、容器の基部を締め付け、かつ容器を回転させることによって、スプレーコータノズルによって容器の内部容積へと送達されて容器の内側表面上に送達される固体粒子溶液および/または含浸液を均質に堆積させるための、一実施形態による装置を示す。 [0014] 固体粒子溶液の単一のコートでコーティングされたPET容器の内側表面の干渉法による画像を示す。 [0015] 固体粒子溶液の5つのコートでコーティングされたPET容器の内側表面の干渉法による画像を示す。 [0016] 噴霧空気圧30psiで固体粒子溶液をコーティングした、第1のPETボトルの内側表面の干渉法による画像を示す。 [0016] 噴霧空気圧60psiで固体粒子溶液をコーティングした、第2のPETボトルの内側表面の干渉法による画像を示す。 [0016] 噴霧空気圧90psiで固体粒子溶液をコーティングした、第3のPETボトルの内側表面の干渉法による画像を示す。 [0017] スプレーコーティングの堆積後の様々な時点で、周囲条件において、オーブン内で、または窒素の強制流によって乾燥させた、様々なPET容器の内側表面上の固体粒子コーティングの重量を示す。 [0018] 図12Aおよび図12Bは、加熱された固体粒子溶液でスプレーコーティングされた内側表面を含む、第1のPETボトルおよび第2のPETボトルの光学画像を示す。 [0019] 図12Bに示す第2のボトルの内側表面上に堆積した固体粒子コーティングスプレーコーティングの干渉法による画像を示す。 [0020] 溶融固体をスプレーすることによって堆積したテクスチャ加工固体でコーティングされた内側表面を含む、PETボトルの光学画像を示す。 [0021] 図14に示すボトルの内側表面上に堆積した固体粒子コーティングスプレーコーティングの干渉法を示す。 [0022] 溶融固体粒子溶液および含浸液でコーティングされて液体含浸表面を形成する内側表面を含む、PETボトルの光学画像を示す。 [0023] 表面上に配置された固体粒子コーティングの干渉法による画像を示す。 [0024] 高温の溶媒でスプレーした後の図17の固体粒子コーティングの干渉法による画像を示す。
[0025] 本明細書に記載する実施形態は、広義には液体含浸表面の生成方法に関し、特に、液体含浸表面を生成するためのスプレーコーティングプロセスに関する。いくつかの実施形態では、液体含浸表面の生成方法は、約5nmと約200μmとの間の平均寸法を有する複数の固体粒子を含む固体粒子溶液を形成することを含む。この固体粒子溶液は、表面上にスプレー堆積させることによって表面に塗布される。含浸液もまた、この表面に塗布される。複数の固体粒子および含浸液は、共に液体含浸表面を形成する。固体粒子溶液と含浸液とが同時に表面上にスプレー堆積するように、固体粒子溶液の塗布後に含浸液を塗布することができ、あるいは、固体粒子溶液が含浸液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングプロセスは、噴霧空気圧を調節することによって、堆積した固体粒子の表面粗さを改善することを含んでよい。いくつかの実施形態では、堆積した固体粒子の乾燥条件および乾燥時間を調節することによって、スプレーコーティングされた固体フィーチャの表面粗さを改善することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子および含浸液を共に表面上に堆積させることによって、液体含浸表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、表面上にスプレー堆積させながら、固体粒子溶液の温度を修正(すなわち、加熱または冷却)することによって、表面テクスチャを改善することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液を表面上にスプレーコーティングする前または後に、表面の温度を修正(すなわち、加熱または冷却)することによって、表面テクスチャを調節することができる。
[0026] 設計された化学的性質および粗さを有するいくつかの公知の表面(例えば、「加工表面」)は、多種多様な商業的および技術的用途において極めて有用であり得る、顕著な非濡れ(疎水)特性を保有する。自然から着想を得て、これらの公知の疎水性表面は、そのような疎水性表面と、液体、例えば、水、水性液、またはその他の任意の水性製品との間の接触角を縮小する表面のマイクロまたはナノテクスチャの内部に捕捉されている、エアポケットを含む。これらのエアポケットが安定している限り、表面は非濡れ特性を維持する。しかしながら、エアポケットを含むそのような公知の疎水性表面は、一定の限界、例えば、i)エアポケットは恒久的な濡れ圧力によって崩壊し得る、ii)エアポケットは周辺の液体内へと拡散し得る、iii)この表面は、テクスチャが損傷した際に頑丈さを損ない得る、iv)エアポケットは、特殊テクスチャ設計が施されない限り、低表面張力液体に取って代わられ得る、および、v)テクスチャ全体にわたってナノスケールで形成され得る結露または霜核は、濡れ特性を完全に変容させ、テクスチャ加工表面を非常に濡れ性の高いものにし得る、などの限界を呈する。
[0027] 本明細書に記載する液体含浸表面は含浸液を含み、この含浸液は、間隙領域を画定する固体フィーチャのマトリクスを含む表面(すなわち、マイクロテクスチャ加工表面)に含浸するものであり、間隙領域は含浸液のポケットを含む。この含浸液は優先的に固体表面を濡らすように構成され、かつ、マイクロテクスチャ加工表面に強い毛管力で付着するように構成され、その結果、接触液はきわめて高い前進接触角およびきわめて低い転がり角(例えば、約1度の転がり角および約100度超の接触角)を有する。これによって、接触液が相当な容易さで液体含浸表面上を移動することが可能となる。したがって、本明細書に記載する液体含浸表面は、従来の超疎水性表面に対して、以下を含む一定の顕著な利点を提供する:(i)液体含浸表面は低いヒステリシスを有する、(ii)そのような液体含浸表面は、自浄特性を有し得る、(iii)高い落下衝撃圧に耐え得る(すなわち、耐摩耗性がある)、(iv)損傷時に、毛管現象によって自己治癒し得る、および(v)結露を改善する。液体含浸表面、液体含浸表面を作成する方法、およびその用途の例は、2013年11月5日発行の「液体含浸表面、その作成方法、およびそれを実装するデバイス(Liquid‐Impregnated Surfaces, Methods of Making,and Devices Incorporating the Same)」と題された米国特許第8,574,704号、および2014年6月26日公開の「液体含浸表面を採用する装置および方法(Apparatus and Methods Employing Liquid‐Impregnated Surfaces)」と題された米国公報第2014/0178611号に記載されており、ここにその内容全体を参照により本明細書に組み込む。表面上に固体フィーチャを形成するために使用される材料、含浸液、可食接触液を伴う用途の例は、2012年6月17日出願の「食品包装および食品加工器具のための自己潤滑式表面(Self‐Lubricating Surfaces for Food Packaging and Food Processing Equipment)」と題された米国特許第8,535,779号に記載されており、ここにその内容全体を参照により本明細書に組み込む。無毒性液体含浸表面の例は、2015年3月19日公開の「無毒性液体(Non‐toxic Liquid)」と題された米国公報第2015/0076030号(「‘030公報」とも呼ばれる)に記載されており、ここにその内容全体を参照により本明細書に組み込む。
[0028] ] 加えて、本明細書に記載される液体含浸表面の生成方法は、含浸液および/または固体粒子溶液をスプレー堆積させることを含む。固体粒子溶液と含浸液とが同時に表面上にスプレー堆積する(すなわち、固体粒子溶液と含浸液とが「共堆積」する)ように、固体粒子溶液の塗布後に含浸液を塗布することができ、あるいは、固体粒子溶液が含浸液を含んでもよい。固体粒子溶液と含浸液との共堆積は、加工表面の逐次的な製造方法よりも迅速かつ効率的であり、より少ない機器(例えば、2つではなく、噴霧器などの1つの塗布デバイス)のみを必要とし、したがって、より高い製造処理量に結びつき得る。さらに、塗布器具として噴霧器を使用することにより、スプレー圧、温度、方向性、ならびに塗布される材料の厚みおよび/または分布の均一性の調節が可能となる。
[0029] 多くの異なる方法を用いて液体含浸表面を形成することができる。これらの方法の中でも、スプレーコーティングプロセスは、テクスチャ加工表面および/または含浸液を形成することができる固体粒子の容易な堆積を、低コストで可能とし得る。本明細書に記載するスプレーコーティングプロセスおよび方法は、表面粗さが改善され、かつ、より高い耐久性を有する、テクスチャ加工表面(すなわち、その上に複数の固体フィーチャが堆積している表面)の形成を可能にする。いくつかの実施形態では、液体含浸表面は、第1の転がり角を有する第1の表面を含む。複数の固体フィーチャは、複数の固体フィーチャ間の間隙領域を画定するように、第1の表面上に配置される。含浸液は、間隙領域内に配置される。間隙領域は、含浸液が毛管力によって間隙領域内に保持されるように、寸法決めおよび構成される。間隙領域内に配置された含浸液は、第1の転がり角よりも小さい第2の転がり角を有する第2の表面を画定する。
[0030] いくつかの実施形態では、液体含浸表面を形成するためのスプレーコーティングプロセスは、コーティング全体のテクスチャおよび粗さを改善するために、表面上に固体の多重のスプレーコートを堆積させることを含む。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングプロセスは、噴霧空気圧を調節することによって、堆積する固体粒子の表面粗さを改善することを含んでよい。いくつかの実施形態では、スプレーされた固体コーティングの表面粗さを、堆積した固体粒子の乾燥条件および乾燥時間を調節することによって改善することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子と含浸液とを共に表面上に堆積させることによって、液体含浸表面を形成することができる。いくつかの実施形態では、表面上にスプレーされる固体粒子溶液の温度を調節することによって、表面テクスチャを改善することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液を表面上にスプレーコーティングする前または後に、表面を加熱または冷却することによって、表面テクスチャを調節することができる。
[0031] 本明細書で用いられる用語「約」および「およそ」は、概して、記載されている値のプラスまたはマイナス10%を意味し、例えば、約250μmは、225μmから275μmを含み得、およそ1000μmは、900μmから1100μmを含み得る。
[0032] 本明細書で用いられる用語「接触液」、「流体」、および「製品」は、区別なく用いられ、特に明記しない限り、流れる固体または液体、例えば、非ニュートン流体、ビンガム流体、またはチキソトロピー流体などの、流れる固体または液体であって、かつ液体含浸表面と接触しているものを指す。
[0033] 本明細書で用いられる用語「転がり角」は、表面上に配置された液体の小滴が転がり始める、表面の傾斜角を指す。
[0034] 本明細書で用いられる用語「スプレー」は、溶融固体、溶液、または固体粒子懸濁液の霧化スプレーまたはミストを指す。
[0035] 本明細書で用いられる用語「複雑性」は、(r−1)×100%に相当し、ここで、rはウェンゼル粗さである。
[0036] 図1Aおよび1Bを参照すると、従来の非濡れ性表面10は、表面10上に複数の固体フィーチャ12が配置されているような、テクスチャ加工表面である。固体フィーチャ12は、ガス、例えば、空気によって含浸されている、複数の固体フィーチャ間の間隙領域を画定する。製品P(例えば、非ニュートン流体、ビンガム流体、またはチキソトロピー流体)は、固体フィーチャの頂部に接触するように従来の非濡れ性表面上に配置されるが、ガス‐製品インターフェース14が、製品が表面10全体を濡らすことを防ぐ。いくつかの場合、製品Pは、含浸ガスと取って代わり、表面10のフィーチャ12内部で突き刺し状態となり得る。突き刺しは、例えば、製品Pの小滴が高速で表面10に衝突した場合などに生じ得る。突き刺しが生じた場合、固体フィーチャ12間の領域を占めるガスは、製品Pと部分的または完全に置き換わり、表面10はその非濡れ性性能を消失する場合がある。
[0037] 図2を参照すると、いくつかの実施形態では、液体含浸表面100は、その上に複数の固体フィーチャ112が配置されている固体表面110を含み、複数の固体フィーチャ112は複数の固体フィーチャ間の間隙領域を画定するようになっている。含浸液120は、複数の固体フィーチャ112によって画定されている間隙領域内へと含浸する。製品Pは、液体‐製品インターフェース124が表面110から製品を分離し、製品Pが表面110を全体的に濡らすことを防ぐような、液体含浸表面110上に配置される。
[0038] 製品Pは、任意の製品、例えば、非ニュートン流体、ビンガム流体、チキソトロピック流体、高粘性流体、高ゼロせん断速度粘性流体(a high zero shear rate viscosity fluid)(ずり流動化(shear-thinning)流体)、ずり増粘化(shear-thickning)流体、および高い表面張力を有する流体であってよく、かつ、例えば、食品、薬品、健康および/または美容製品、本明細書に記載のその他の任意の製品、あるいはそれらの組み合わせを含んでよい。
[0039] 表面110は、第1の転がり角、例えば、表面110に接触する製品(例えば、水、食品、薬品、健康または美容製品、あるいは本明細書に記載のその他の任意の製品)の転がり角を有する任意の表面であってよい。表面110は、平面、例えば、シリコンウェーハ、ガラスウェーハ、天板、壁、風防、スキーゴーグルのスクリーンなどであってもよく、または、曲面、例えば、容器、プロペラ、パイプなどであってもよい。
[0040] いくつかの実施形態では、表面110は、製品P(例えば、食品、FDA承認薬品、および/または健康または美容製品)を収容するための容器の内部表面を含んでよく、かつ、例えば、管、ボトル、小瓶、フラスコ、金型、広口瓶、桶、カップ、グラス、水差し、樽、大箱、トート、貯槽、小樽、桶、シリンジ、ブリキ製容器、小袋、裏打ち箱、ホース、シリンダ、および缶などを含んでよい。容器は、ほとんどあらゆる所望の形状に構築することができる。いくつかの実施形態では、表面110は、ホース、配管、導管、ノズル、注射針、分注チップ、蓋、ポンプの内部表面、および、製品Pを収め、搬送し、分配するためのその他の表面を含んでよい。表面110、例えば、容器の内部表面は、プラスチック、ガラス、金属、被覆繊維、およびそれらの組み合わせを含む任意の好適な材料で構築することができる。好適な表面は、例えば、ポリスチレン、ナイロン、ポリプロピレン、蝋、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(プロピレンオキシド)、D‐ソルビトール、Tecnoflonセルロースアセテート、フルオロPOSS、およびポリカーボネートを含んでよい。容器は、剛性または可撓性材料で構築することができる。箔で裏打ちされた、またはポリマーで裏打ちされた、板紙製または紙製の箱も、好適な容器を形成することができる。いくつかの実施形態では、表面は、固体(solid)、平滑、テクスチャ加工済み、粗面、または多孔質とすることができる。
[0041] 表面110は、容器の内側表面としてよく、また第1の転がり角、例えば、接触液CL(例えば、洗濯洗剤、または本明細書に記載の他の任意の接触液)の転がり角を有することができる。表面110は、平面、例えば角柱状の容器の内側表面、または、曲面、例えば、円形、長楕円形、楕円形、卵形、または別の曲面を有する容器の内側表面としてよい。
[0042] 複数の固体フィーチャ112は表面110上に配置され、複数の固体フィーチャ112間の間隙領域を画定する。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、杭、球、マイクロ/ナノ針、ナノグラス(nanograss)、孔、窪み、相互に連結した孔、相互に連結した窪み、マイクロおよび/またはナノ表面粗さをもたらすその他の任意のランダムな幾何学的形状であってよい。いくつかの実施形態では、フィーチャの高さは、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、または、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mmまで(これらの間の全ての範囲が含まれる)であってよく、あるいは含浸液120の受け取りに適したその他の任意の高さであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、約1nm、約5nm、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約100nm、約200nm、約300nm、約400nm、約500nm、約600nm、約700nm、約800nm、約900nm、または約1000nmの高さを有してよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、フィーチャの高さは、約1μm未満であってもよい。さらに、固体フィーチャ112の高さは、例えば、実質的に均一であってよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャは、約1.01超、約1.05超、約1.1超、約1.2超、約1.3超、約1.4超、約1.5超、約1.6超、約1.7超、約1.8超、約1.9超、約2.0超、約2.5超、約3.5超、または約10超のウェンゼル粗さ「γ」を有してよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、例えば、約1μmから約100μm、または約5nmから約1μmの範囲内の間隙空間を有してよい。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工表面110は、階層的なフィーチャ、例えば、その上にナノスケールフィーチャをさらに含むマイクロスケールフィーチャを有してよい。いくつかの実施形態では、表面110は等方的であってよい。いくつかの実施形態では、表面110は異方的であってよい。
[0043] 固体フィーチャ112は、任意の好適な方法を用いて表面110上に配置することができる。例えば、固体フィーチャ112は、容器(例えば、ボトルまたはその他の食品容器)の内側に配置してもよく、または、表面自体の一部を成してもよい(例えば、ポリカーボネートボトルのテクスチャは、ポリカーボネートから作られ得る)。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、不溶性繊維(例えば、精製木材セルロース、微結晶セルロース、および/またはオートブラン繊維)、蝋(例えば、カルナウバ蝋、木蝋、蜜蝋、ライスワックス、キャンデリラ蝋、フッ素化蝋、シリコン含有蝋、脂肪酸のエステルの蝋、脂肪酸、脂肪酸アルコール、グリセリドなど)、他の多糖類、フラクトオリゴ糖、金属酸化物、モンタン蝋、褐炭および泥炭、オゾケライト、セレシン、歴青、ペトロラタム、パラフィン、微結晶蝋、ラノリン、金属もしくはアルカリのエステル、ココナツ粉末、アーモンド、ジャガイモ、小麦、パルプ、ゼイン、デキストリン、セルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒロドキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、酸化第二鉄、酸化第一鉄、シリカ、粘土鉱物、ベントナイト、パリゴルスカイト、カオリナイト、バーミキュライト、燐灰石、グラファイト、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、ペクチン、グルテン、アルギン酸デンプン、カラギーナン、ホエー、および/または本明細書に記載の他の任意の食用固体粒子、あるいはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、粒子の集まりまたはコーティングから形成され得る。
[0044] いくつかの実施形態では、表面110および/または固体フィーチャ112の表面エネルギーを修正して、例えば、表面110に対する固体フィーチャ112の付着性を増大する、あるいは、固体フィーチャ112および/または表面110に対する含浸液120の付着性を増大することができる。そのような表面改質プロセスは、例えば、スパッタコーティング、シラン処理、フッ化ポリマー処理、陽極酸化、不動態化、化学蒸着、物理蒸着、酸素プラズマ処理、電弧処理、熱処理、その他の任意の好適な表面化学改質プロセスまたはそれらの組み合わせを含み得る。
[0045] 固体フィーチャ112は、例えば、杭、球、ナノ針、孔、窪み、相互に連結した孔、溝、隆起、相互に連結した窪み、あるいは、マイクロおよび/またはナノ表面粗さをもたらすその他の任意のランダムな幾何学的形状などの、マイクロスケールフィーチャを含んでよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112は、表面上にランダムまたは均一に分散することができるマイクロスケールまたはナノスケール寸法を有する粒子を含んでよい。固体フィーチャ112間の特徴的な空間は、約1mm、約900μm、約800μm、約700μm、約600μm、約500μm、約400μm、約300μm、約200μm、約100μm、約90μm、約80μm、約70μm、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約20μm、約10μm、約5μm、1μm、あるいは、100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nm、約40nm、約30nm、約20nm、約10nm、または約5nmであってよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112間の特徴的な空間は、約100μmから約100nm、約30μmから約1μm、または約10μmから約1μmの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112間の特徴的な空間は、約100μmから約80μm、約80μmから約50μm、約50μmから約30μm、約30μmから約10μm、約10μmから約1μm、約1μmから約90nm、約90nmから約70nm、約70nmから約50nm、約50nmから約30nm、約30nmから約10nm、または約10nmから約5nmの範囲内であってよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。
[0046] いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112、例えば固体粒子は、約200μm、約100μm、約90μm、約80μm、約70μm、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約20μm、約10μm、約5μm、1μm、約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nm、約40nm、約30nm、約20nm、約10nm、または約5nmの平均寸法を有してよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112の平均寸法は、約100μmから約100nm、約30μmから約10μm、または約20μmから約1μmの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112の平均寸法は、約100μmから約80μm、約80μmから約50μm、約50μmから約30μm、または約30μmから約10μm、または10μmから約1μm、約1μmから約90nm、約90nmから約70nm、約70nmから約50nm、約50nmから約30nm、約30nmから約10nm、または約10nmから約5nmの範囲内であってよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112の高さは、実質的に均一であってよい。いくつかの実施形態では、表面110は、階層的なフィーチャ、例えば、その上にナノスケールフィーチャがさらに配置されているマイクロスケールフィーチャを有してよい。
[0047] いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112(例えば、粒子)は、多孔質であってよい。粒子の特徴的な孔サイズ(例えば、孔幅または孔長)は、約5,000nm、約3,000nm、約2,000nm、約1,000nm、約500nm、約400nm、約300nm、約200nm、約100nm、約80nm、約50、または約10nmであってよい。いくつかの実施形態では、特徴的な孔サイズは、約200nmから約2μm、または約10nmから約1μmの範囲内であってよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。孔サイズ、孔長、および孔の数を調節することによって、含浸液の流量、製品の流量、および総材料歩留りをより正確に調節することができる。
[0048] 含浸液120は表面110上に配置され、複数の固体フィーチャ112によって画定される間隙領域、例えば、孔、窪み、または、表面110によって画定される別のフィーチャ間空間に含浸し、間隙領域内に空気が残存しないようにする。間隙領域は、毛管力によって間隙領域内に含浸液120の一部が保持されるように寸法決めおよび構成することができる。複数の固体フィーチャ112の間隙領域内に配置される含浸液120は、第1の転がり角(すなわち、改質されていない表面110の転がり角)よりも小さな第2の転がり角を画定するように構成される。いくつかの実施形態では、含浸液120は、室温で、約1,000cP未満の粘度、例えば、約50cP、約100cP、約150cP、約200cP、約300cP、約400cP、約500cP、約600cP、約700cP、約800cP、約900cP、または約1,000cPの粘度を有してよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、約1cP未満の粘度、例えば、約0.1cP、約0.2cP、約0.3cP、約0.4cP、約0.5cP、約0.6cP、約0.7cP、約0.8cP、約0.9cP、または約0.99cPの粘度を有してよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、表面110上に配置されている複数の固体フィーチャ112の上方に含浸液120が少なくとも約5nmの厚さの層を形成するように、含浸液120を固体フィーチャ112によって画定されている間隙領域に充填することができる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、表面110上に配置されている複数の固体フィーチャ112の上方に少なくとも約1μmの層を形成する。いくつかの実施形態では、複数の固体フィーチャは、例えば、規制団体(例えば、食品医薬品局(FDA))のルールおよび規定に準拠して、0.8μm未満の平均粗さRaを有してよい。
[0049] 含浸液120は、固体フィーチャ112によって画定される間隙空間内に、任意の好適な手段を用いて配置することができる。例えば、含浸液120は、テクスチャ加工表面110(例えば、ボトルの内側表面上のテクスチャ)上にスプレーするか、ブラシで塗ることができる。いくつかの実施形態では、含浸液120を、テクスチャ加工表面110を含む容器に充填する、または部分的に充填することによって、テクスチャ加工表面110に塗布することができる。次いで、余分な含浸液120は、容器から除去される。いくつかの実施形態では、容器に洗浄液(例えば、水)を加えて余分な含浸液を容器から収集または抽出することによって、余分な含浸液120を除去することができる。いくつかの実施形態では、余分な含浸液は、機械的に除去され(例えば、固形物体または流体で表面を押し出され)るか、別の多孔質材料を用いて表面110から吸収されるか、あるいは、重力または遠心力によって除去され得る。いくつかの実施形態では、含浸液120は、含浸液と接触している表面110(例えば、容器)をスピンさせ(例えば、スピンコーティングプロセス)、表面110上に含浸液120を凝縮させることによって配置することができる。いくつかの実施形態では、含浸液120は、(例えば、これまでに記載したいずれかの方法を通して)含浸液および1つまたは複数の揮発性液体を含む溶液を堆積させ、この1つまたは複数の揮発性液体を蒸発させることによって塗布される。
[0050] いくつかの実施形態では、表面110に沿って含浸液を広げるまたは押し進める広げ液(spreading liquid)を使用して、含浸液120を塗布することができる。例えば、含浸液120(例えば、オレイン酸エチル)および広げ液(例えば、水)を容器内で組み合わせ、アジテートまたは撹拌し得る。容器内部の流体流は、固体フィーチャ112に含浸すると同時に、含浸液120を容器内に分布させ得る。いくつかの実施形態では、含浸液をテクスチャ加工表面上にスプレーコーティングすることができる。
[0051] いくつかの実施形態では、含浸液120は、シリコンオイル、パーフルオロカーボン液、ハロゲン化バキュームオイル、グリース、潤滑剤(例えば、Krytox1506またはFromblin06/6)、フッ素化冷却材(例えば、3Mによって製造され、FC‐70として販売されているパーフルオロトリペンチルアミン)、イオン液体、水と混和しないフッ素化イオン液体、PDMSを含むシリコンオイル、フッ素化シリコンオイル、例えば、ポリフルオロシロキサンもしくはポリオルガノシロキサン、液体金属、合成油、植物油、電気粘性流体、磁性流体、強磁性流体、誘電性液体、炭化水素液体、例えば、鉱油、ポリアルファオレフィン(PAO)もしくはその他の合成炭化水素コオリゴマー、フルオロカーボン液体、例えば、ポリフェニルエーテル(PPE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)もしくはパーフルオロアルケン、冷媒、バキュームオイル、相転移材料、半液体、ポリアルキレングリコール、飽和脂肪酸および飽和二塩基酸のエステル、ポリ尿素、グリース、滑液、体液、またはその他の任意の水性流体、または本明細書に記載のその他の含浸液、あるいはそれらの任意の組み合わせを含んでよい。
[0052] 含浸液120に対する固体フィーチャ112(例えば、粒子)の比は、固体フィーチャ112のいかなる部分も液体‐製品インターフェースの上方に突出することがないように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、この比は約15%未満、または約5%未満であってよい。いくつかの実施形態では、この比は約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、または約2%未満であってよい。いくつかの実施形態では、この比は約5%から約50%、約10%から約30%、または約15%から約20%であってよく、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、実質的に尖った、陥没した、または丸まった表面テクスチャを用いることで、比を低くすることができる。対照的に、平坦な表面テクスチャは高い比につながる場合があり、固体材料が表面で過度に露出することとなる。
[0053] いくつかの実施形態では、液体含浸表面100は、室温での液体含浸表面100の投影表面積に対応する、非浸水固体を表す部分として定義される「浮上エリア部分(emerged area fraction)」φを有してよく、これは約0.30未満、約0.25未満、約0.20未満、約0.15未満、約0.10未満、約0.05未満、約0.01未満、または約0.005未満である。いくつかの実施形態では、φは、約0.001超、約0.005超、約0.01超、約0.05超、約0.10超、約0.15超、または約0.20超である。いくつかの実施形態では、φは、約0から約0.25の範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、φは、約0から約0.01の範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、φは、約0.001から約0.25の範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、φは、約0.001から約0.10の範囲内であってよい。
[0054] いくつかの実施形態では、液体含浸表面100は、表面上での接触液CLの蓄積を最小限にする、有利な小滴転がり特性を有することができる。いかなる特定の理論にも縛られることなく、いくつかの実施形態では、テクスチャ加工固体上に置かれた接触液の小滴が移動を始める、液体含浸表面100の傾斜角である転がり角は、接触液の特定の体積に対して、約50°未満、約40°未満、約30°未満、約25°未満、約20°未満であってよい。そのような実施形態では、転がり角は小滴に含まれる接触液の体積によって変動してよいが、接触液の特定の体積に対しては、転がり角は実質的に同一のままである。
[0055] いくつかの実施形態では、含浸液120は、含浸液120の蒸発を防止または低減する1つまたは複数の添加材を含んでよい。例えば、含浸液120に界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ドコセン酸、トランス‐13‐ドコセン酸、cis‐13‐ドコセン酸、ノニルフェノキシトリ(エチレンオキシ)エタノール、メチル12−ヒドロキシオクタデカネート、1‐テトラコサノール、フルオロケミカル「L‐1006」、およびこれらの任意の組み合わせが含まれてよいが、これらに限定されない。本明細書に記載の界面活性剤、および含浸液内に含むことができるその他の界面活性剤の例は、White,I.の「100C付近での水の蒸発に対する界面活性剤の効果(Effect of Surfactants on the Evaporation of Water Close to 100C.)」Industrial&Engineering Chemistry Fundamentals 15.1(1976年): 53−59に見ることができ、この内容全体を参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、添加剤として、C1633COOH、C1733COOH、C1833COOH、C1933COOH、C1429OH、C1633OH、C1837OH、C2041OH、C2245OH、C1735COOCH、C1531COOC、C1633OCOH、C1837OCOH、C2041OCOH、C2245OCOH、硫酸ドコシル=ナトリウム(SDS)、ポリ(ステアリン酸ビニル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、およびこれらの任意の組み合わせが含まれてよい。添加剤のさらなる例は、Barnes,G.T.の「単一層の、巨大貯水からの水分蒸発を低減する可能性(The potential for monolayers to reduce the evaporation of water from large water storages)」Agricultural Water Management 95.4(2008年):339−353に見ることができ、ここに、この内容全体を参照により本明細書に組み込む。
[0056] 接触液CLと接触する液体含浸表面100は、4つの異なる相、すなわち、含浸液120、周囲ガス(例えば、空気)、接触液CL、およびその上に固体フィーチャ112が配置されている表面110を画定する。異相間の相互作用は、接触線(すなわち、液体含浸表面に対する接触液滴の接触角を画定する接触線)の形態を決定する。これは、接触線の形態は小滴のピンニングに対して実質的に影響を与え、よって接触液CLの表面上での可動性に実質的に影響を与えるためである。そのような相互作用の詳細、および液体含浸表面と接触する接触液の移動に対してそれらが与える影響の詳細は、上記で参照によって組み込まれている‘030公報に記載されている。
液体含浸表面形成のためのスプレーコーティングプロセス
[0057] いくつかの実施形態では、液体含浸表面100を、スプレーコーティングプロセスを用いて形成することができる。例えば、固体フィーチャ112および/または含浸液120を、スプレープロセスを用いて表面110上に堆積させることができる。スプレーコーティングプロセスを調節して、所望のテクスチャ、所望の表面粗さ、所望の光学的透明度、固体粒子の所望のサイズ、所望の粒子間空間、および/または液体含浸表面100の所望の厚みを実現できるようにしてよい。固体フィーチャ112を形成する固体粒子および/または含浸液120を、任意の噴霧器、例えば、SpriMagTM噴霧器、空気噴霧器、超音波スプレーコータ、熱スプレーコータ、プラズマスプレーコータ、電弧スプレーコータ、またはその他の任意の好適なスプレーコータを使用してスプレーコーティングすることができる。固体粒子には、本明細書に記載のいずれかの固体粒子が含まれてよい。いくつかの実施形態では、固体粒子を溶媒またはキャリア内に溶解して、スプレーコーティングに適した溶液を形成することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子を好適な溶媒および/または含浸液120内に懸濁して、表面110上にスプレーコーティングされ得る固体懸濁液を形成することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子を融解することができ、溶融状態の粒子を表面100上に直接スプレーコーティングすることができる。
[0058] いくつかの実施形態では、固体懸濁液または固体粒子を1つまたは複数の含浸液と混合して、新たな固体粒子溶液を形成することができる。そのような実施形態では、新たな固体粒子溶液における溶媒濃度(重量パーセント)は、約0%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%であってよい。いくつかの実施形態では、新たな粒子溶液における溶媒濃度は、約50%から約99.9%の範囲内である。いくつかの実施形態では、新たな粒子溶液における溶媒濃度は、約0%から約50%の範囲内(すなわち、約50%未満)である。いくつかの実施形態では、固体粒子は、約200μm、約100μm、約90μm、約80μm、約70μm、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約20μm、約10μm、約5μm、約1μm、約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nm、約40nm、約30nm、約20nm、約10nm、または約5nmの平均寸法を有してよい。固体粒子は、上述の様々な平均サイズの粒子の組み合わせであってよい。粒子サイズの分布は、所望の固体テクスチャまたは表面粗さが得られるように調節することができる。
[0059] いくつかの実施形態では、含浸液を伴う固体粒子溶液を、任意の噴霧器、例えば、SpriMagTM噴霧器、空気噴霧器、無気噴霧器、超音波スプレーコータ、熱スプレーコータ、プラズマスプレーコータ、電弧スプレーコータ、粉末スプレーコータ、またはその他の任意の好適なスプレーコータを使用して表面110上にスプレーコーティングし、液体含浸表面100を形成することができる。固体および含浸液は、本明細書に記載のいずれかの化学物質を含んでよい。含浸液を伴う固体粒子懸濁液は、1つまたは複数の添加剤を含んで液体培地内の固体粒子を安定化することができる。例えば、界面活性剤を溶液に添加することができる。界面活性剤としては、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、蜜蝋、ドコセン酸、トランス‐13‐ドコセン酸、cis‐13‐ドコセン酸、ノニルフェノキシトリ(エチレンオキシ)エタノール、フルオロケミカル、およびこれらの任意の組み合わせが含まれてよいが、これらに限定されない。
[0060] いくつかの実施形態では、表面110を粗面化し(すなわち、「凸凹」または表面「フィーチャ」を備える、「粗面化された」または「予めテクスチャ加工された」表面を形成し)、その後含浸液でスプレーコーティングする。粗面は、(非限定的な例として)以下の1つまたは複数を含む粗面化プロセスによって形成することができる:1つまたは複数のテクスチャ加工フィルム、ポリマー、および/またはプラスチックを上に塗布する;(例えば、表面を酸または塩基などの液体化学物質に接触させるか、またはプラズマエッチングによって)表面110を化学的にエッチングする;(例えば、サンドブラスチング、マイクロブラスチング、またはドライアイスブラスチングを介して)表面110を機械的にエッチングする;射出成形によって予めテクスチャ加工する;吹込み成形する;または、その他の任意の好適なプロセスを用いて粗面化する。粗面化プロセスによって、表面に粗さまたは「テクスチャ」を付与するが、これらは、例えば基準長さに沿った中心線上の粗さ凸凹の高さの算術平均を表す、(例えばミクロンまたはマイクロインチ単位の)特徴的な平均粗さを有し得るものである。いくつかの実施形態では、その後粗面に塗布される含浸液は、テクスチャと実質的に共形であってよい(例えば、粗面に対して、その輪郭に沿って実質的に均一な厚みを有してよい)。他の実施形態では、その後粗面に塗布される含浸液は、凸凹または表面フィーチャ間の多様な深さおよび/または容積を有し得る空間を充填し、かつ、凸凹または表面フィーチャの頂部を薄くコーティングするのみであるか、または全くコーティングしなくてもよく、これによって実質的に滑らかな(粗くない)頂面が現れる。いくつかの実施形態では、安定した液体含浸表面を形成するために、予めテクスチャ加工された基材の表面化学を異なるプロセスによって変化または改質させることができる。こうした方法には、化学蒸着、物理蒸着、スピンコーティング、ディップコーティング、スパッタコーティングなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
[0061] いくつかの実施形態では、固体粒子(本明細書に記載のいずれかの固体粒子を含んでよい)の多重のスプレーコートを表面110上に堆積させて、表面上に形成される固体フィーチャ112のテクスチャ、粗さ、および/または厚みを調節することができる。例えば、いくつかの実施形態では、所望の表面テクスチャを得るためには単一のスプレーコートで十分な場合がある。他の実施形態では、固体フィーチャ112の所望のテクスチャを得るために、2つのスプレーコート、3つのスプレーコート、4つのスプレーコート、5つのスプレーコート、または、さらに多くのスプレーコートを表面110上に堆積させることもできる。固体粒子の多重のスプレーにより、表面110上に形成されるテクスチャの表面粗さおよび複雑性を改善することができる。例えば、固体粒子を溶媒に溶解または懸濁させて、表面110上に多数回スプレーコーティングすることが可能な固体粒子溶液または懸濁液を形成することができる。各スプレーは、所定量の固体粒子および溶媒を表面110上に供給することができる。溶媒が蒸発すると、固体粒子溶液内の固体粒子は表面110上にランダムな配向で沈殿して、固体フィーチャ112を形成し得る。第2のスプレーは、第1のスプレーが乾燥してから堆積させることができる。言い換えると、スプレーおよび乾燥のサイクルを交互に行うことによって、多重のスプレーコートを表面110上に堆積させることができる。いくつかの実施形態では、乾燥サイクルは、周囲温度および周囲圧力下で実施することができる。いくつかの実施形態では、乾燥サイクルは、コーティングされた表面110上への不活性ガス(例えば、窒素)流の強制、加熱、および/またはその他の任意の好適な手段によって、加速することができる。いくつかの実施形態では、連続的にスプレーしながら、空気またはその他の任意の不活性ガスを噴射して対流によって溶媒を蒸発させることにより、スプレーおよび乾燥の連続的なサイクルを実施することができる。
[0062] いくつかの実施形態では、多重スプレーコートプロセスを用いて、表面110上に階層的固体フィーチャ112を形成することができる。例えば、まず、第1サイズ範囲の、例えば直径が約10〜20μmの範囲内である固体粒子を有する第1固体粒子溶液を、表面110上にスプレーする。第1粒子溶液の上に、実質的に第1サイズ範囲よりも小さい第2サイズ範囲の、例えば直径が約1〜5μmの範囲内である固体粒子を有する第2固体粒子溶液をスプレーする。さらに、第2粒子溶液の上に、実質的に第2サイズ範囲よりも小さい第3サイズ範囲の、例えば直径が約0.1〜0.3μmの範囲内である固体粒子を有する第3固体粒子溶液をスプレーする。このようにして、表面110上に、表面粗さを増強し得る階層的固体フィーチャ112を形成することができる。いくつかの実施形態では、固体表面110上に多様なサイズ範囲を有する粒子を含む固体粒子の多分散溶液をスプレーすることによって、表面110上に階層的固体フィーチャ112を形成することができる。例えば、多分散固体粒子溶液は、約10〜20μmの範囲内の第1サイズを有する第1固体粒子と、約1〜5μmの範囲内の第2サイズを有する第2固体粒子と、約0.1〜0.3μmの範囲内の第3サイズを有する第3固体粒子とを含んでよい。多分散粒子は、全て同一の材料から形成することもでき、あるいは異なる材料の固体粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、固体粒子は、テクスチャ、粗さ、または多孔性を本質的に含んでもよく、あるいはそのようなフィーチャはスプレーコーティングプロセスの前後に粒子上で画定されてもよい。
[0063] いくつかの実施形態では、固体表面110は、固体粒子コーティング上に溶媒をスプレーすることによってテクスチャ加工することができる。例えば、固体粒子の溶液を表面110上にスプレーコーティングし、凝固させることができる。次いで、この固体粒子コーティング上に溶媒をスプレーすることができる。溶媒は固体粒子コーティングの急速な分解を引き起こし、次いで溶媒が蒸発するとこの固体粒子コーティングは沈殿し、こうして固体フィーチャ112を形成することができる。溶媒の化学的性質および温度は、固体粒子コーティングに対して所望の粗さが付与されるように変動させることができる。いくつかの実施形態では、溶媒を、予め粗面化された表面110(すなわち、その上に固体フィーチャ112が配置されている表面110)上にスプレーすることができる。これにより、例えば、表面110の粗さを増大または低減させることができる。いくつかの実施形態では、その上に固体粒子コーティングが配置されている表面110を、溶媒内に浸漬または浸水させることができる。
[0064] いくつかの実施形態では、表面110上に固体粒子溶液をスプレーコーティングする前に、表面110を粗面化してマイクロまたはナノテクスチャを創出することができる。粗面110には、テクスチャ加工フィルム、ポリマー、化学エッチングされた表面、機械エッチングされた表面(例えば、サンドブラスチングされたもの)、またはその他の任意の好適なプロセスを用いて粗面化されたものが含まれてよい。そのような実施形態では、固体粒子溶液は、粗面110のテクスチャを充填して粗さを低減することもでき、あるいは表面110の本来の粗さを土台として粗さを増強することもできる。
[0065] 固体溶液または懸濁液内の固体粒子、例えば、溶媒内に溶解または懸濁している本明細書に記載のいずれかの固体粒子の濃度、これらの粒子のサイズおよび分子量、その他の物理条件(例えば、スプレー圧、噴霧空気、スプレー速度、スプレー時間など)、および/または固体粒子溶液の組成を調節することによって、テクスチャ加工表面110の表面粗さおよび/または複雑性を調節することができる。このようにして、表面テクスチャの幾何学的特性を調節することができる。さらに、そのようなスプレーは、もたらされる液体含浸表面に悪影響を与える可能性のある、表面110上での大きな固体粒子凝集塊の形成を低減することもできる。したがって、多重スプレーコートプロセスにおいては、各後続スプレーにおける固体粒子の濃度または固体粒子のサイズを徐々に減じることができ、それによって、より小さいスケールの粗さを生成しながら大きな凝集塊を排除することができる。同一溶液の多重のスプレーコートによって、投影面積(すなわち、平面図のXY面積)全体にわたって(展開面積、すなわち総表面積に関係する)複雑性を分析することにより定量化が可能な、より大きな表面粗さを生成することができる。この大きな表面粗さによって、テクスチャ加工表面100から含浸液120を移動させるために必要とされるエネルギーを事実上増大させる、より強い毛管力を実現することができる。さらに、テクスチャ加工表面110内部に、より多量の含浸液120を捕捉することができる。このようにして、多重のスプレーコートを用いて形成されたテクスチャ加工表面110を含む液体含浸表面100は、より高い安定性およびより長い寿命を有することができる。
[0066] いくつかの実施形態では、ガス噴霧器(例えば、エアアシスト式噴霧器)を使用して、固体粒子溶液、懸濁液、または溶融固体粒子を表面上に配置することができ、噴霧ガス圧は、テクスチャ加工表面110の粗さが増大するように変動させることができる。スプレーコーティングプロセス中に噴霧ガス圧を変更することで、より多くの溶媒の蒸発、粗さの増強、および固体フィーチャ112の表面高さの均一性をもたらすことができる。また、これによって固体フィーチャ112の高さを増大させることもでき、固体フィーチャはより多量の含浸液120を捕捉することができる。
[0067] いくつかの実施形態では、スプレーコーティングされた固体粒子配合物(例えば、溶液、懸濁液、または溶融固体粒子)の乾燥条件は、所望のテクスチャまたは表面粗さを得られるように調節することができる。例えば、いくつかの実施形態では、堆積した固体粒子(例えば、本明細書に記載のいずれかの固体粒子)コーティングを、周囲条件下で乾燥させることができる。いくつかの実施形態では、堆積した固体粒子配合物を、周囲温度よりも高い温度(例えば、オーブン内で)で乾燥させることができる。例えば、固体粒子コーティングを、約30セルシウス度超、約40セルシウス度超、約50セルシウス度超、約60セルシウス度超、約70セルシウス度超、約80セルシウス度超、約90セルシウス度超、さらには約100セルシウス度超の温度で乾燥させることができる。いくつかの実施形態では、固体粒子コーティングを、強制空気またはその他の任意のガス(例えば、窒素)を用いて乾燥させることができ、このガスは、周囲温度、または周囲温度より高い温度(例えば、対流式オーブン内の窒素)であってよい。乾燥プロセスを用いて、例えば、表面110上に形成される固体フィーチャ112の厚み、および、固体粒子が溶解または懸濁している溶媒あるいはキャリアの蒸発速度を調節することができる。このようにして、均一な重量の固体配合物を表面110上に堆積させる。いくつかの実施形態では、乾燥時間を変動させて、コーティングの表面粗さを調節することもできる。さらに、乾燥時間を変動させて、テクスチャ加工表面110のテクスチャおよび/または粗さを改善することもできる。
[0068] いくつかの実施形態では、表面110上に堆積させる前に、固体粒子配合物(例えば、溶液または懸濁液)を加熱することができる。例えば、いくつかの実施形態では、好適な溶媒内に溶解された固体粒子(例えば、本明細書に記載のいずれかの固体粒子)の溶液を、表面110上にスプレーコーティングする前に好適な温度、例えば、約40セルシウス度、約50セルシウス度、約60セルシウス度、約70セルシウス度、約75セルシウス度、約80セルシウス度、約85セルシウス度、約90セルシウス度、約95セルシウス度、約100セルシウス度、またはさらに高い温度まで加熱することができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。いくつかの実施形態では、純粋な固体粒子を高温で融解し、次いでこの溶融固体を表面110上にスプレーコーティングすることができる。
[0069] いくつかの実施形態では、固体フィーチャ112を形成する固体粒子を含浸液120内に溶解して溶液を形成することができる。溶液は、固体懸濁液または溶液の形であってよく、これを表面110上にスプレーコーティングして液体含浸表面100を形成することができる。いくつかの実施形態では、含浸液120(例えば、本明細書に記載のいずれかの含浸液)内に溶解された固体粒子(例えば、本明細書に記載のいずれかの固体粒子)の溶液を、周囲温度より高い温度、例えば、約50セルシウス度超、約60セルシウス度超、約70セルシウス度超、約80セルシウス度超、約90セルシウス度超、または約100セルシウス度超で維持して、この溶液を液相のまま維持することができる。そのような実施形態では、外部溶媒は必要ではない可能性があるが、外部溶媒を使用して表面テクスチャをさらに変更してもよい。
[0070] いくつかの実施形態では、スプレーコーティングされる固体粒子溶液または懸濁液と表面110とを異なる温度で維持して、テクスチャ加工表面112のテクスチャおよび/または粗さを調節することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のいずれかの固体粒子を含み得る固体粒子溶液または懸濁液を、周囲より高い温度、例えば、約50セルシウス度、約60セルシウス度、約70セルシウス度、約80セルシウス度、またはさらに高い温度まで加熱することができ、これらの間の全ての範囲が含まれる。また、表面110を、例えば0セルシウス度の温度まで冷却することができる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液または懸濁液を冷却することができ、表面110を、例えば、約55セルシウス度、約65セルシウス度、約75セルシウス度、約85セルシウス度、または約95セルシウス度、あるいはその他の任意の好適な温度まで加熱することができる。いくつかの実施形態では、固体配合物スプレーを周囲温度とすることができ、表面110を、例えば、約55セルシウス度、約65セルシウス度、約75セルシウス度、約85セルシウス度、または約95セルシウス度、あるいはその他の任意の好適な温度まで加熱することができる。高温の表面により、例えば、堆積される固体粒子を表面110への接触時に融解することができ、次いでこの粒子は再凝固する。したがって、再凝固によって、より均一なテクスチャ加工表面112の形成が可能となり得る。いくつかの実施形態では、固体配合物スプレーを周囲温度とすることができ、かつ表面110を、例えば約0セルシウス度の温度まで冷却することができ、固体粒子は、冷却された表面110への接触時に即座に凝固し得る。
[0071] いくつかの実施形態では、固体粒子溶液は、UV光の下で架橋して固体フィーチャ112を形成し得る極端紫外(UV)活性官能基を含むことができる。そのような化合物としては、例えば、メタクリル酸(例えば、ポリメタクリル酸メチル)が含まれてよい。いくつかの実施形態では、表面110上に付着促進剤も配置して、表面110に対する固体フィーチャ112の付着を促進することもできる。好適な付着促進剤には、例えば、シランが含まれてよい。例えば、表面110上にビニルトリエトキシシランをスプレーし、続いて表面上にメタクリル酸メチルをスプレーして、表面110上に「ポリマーブラシ」を形成することができる。次いで、表面110をUV放射に暴露して、メタクリル酸メチルが架橋して固体フィーチャ112を形成するように促すことができる。いくつかの実施形態では、付着促進剤を、表面110上に配置する前にマイクロまたはナノ粒子と結合させることができる。例えば、ビニルトリエトキシシランをシリコン酸化物粒子に付加し、UV架橋可能モノマー(例えば、メタクリル酸メチル)の存在下で表面110上にスプレーすることができる。次いで、コーティングをUV光に暴露し、モノマーが重合(例えば、ポリメタクリル酸メチルを形成)して、シリコン酸化物粒子がその中に捕捉されているコーティングを形成するようにし得る。
[0072] いくつかの実施形態では、固体粒子溶液に対して界面活性剤、例えばフルオロカーボンをスプレー塗布前に添加することによって、固体粒子溶液を安定化させることができる。例えば、界面活性剤は、表面110上へのスプレーコーティング後に蒸発し得る揮発性のものであってよい。したがって、界面活性剤は、固体粒子溶液の安定化に役立つのみであって、形成されたテクスチャ加工表面110の一部ではない。好適な界面活性剤の例には、SURFYNOL(登録商標)61、その他の任意の好適な界面活性剤、またはそれらの組み合わせが含まれる。
[0073] いくつかの実施形態では、固体粒子溶液または懸濁液は、超臨界流体を含んでよい。超臨界流体は、明確な固相および液相が存在しない流体であって、温度および圧力がその流体の臨界点を超えているものである。超臨界流体は、いかなる表面張力も有さない。したがって、それらの特性を固体粒子に調和させることができる。そのような超臨界流体は、物質移動キャリアシステムとして作用し得、かつ/または固体フィーチャ112の形態を変化させ得る。例えば、固体フィーチャ112は、超臨界流体の存在下で膨張し得る。「無溶媒」スプレープロセスにおいて、超臨界流体を従来の溶媒に替えて使用することができる。例としては、超臨界二酸化炭素および超臨界水が含まれる。超臨界流体を使用して、固体粒子、例えばポリマー固体粒子を、合成、処理、または表面110上にスプレーすることができる。超臨界流体は、輸送機構として作用して、ポリマー(例えば、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体など)が表面110上に一定のテクスチャまたは粗さを創出することを可能にし得る。超臨界流体は、蒸発して、熱力学的に安定な固体フィーチャ112を生成し得る。後処理条件、例えば、テクスチャ加工表面の一定のエリアの洗い流しを用いて、杭、窪み、あるいは規則的または不規則的なパターンのフィーチャを生成することができる。
[0074] いくつかの実施形態では、固体粒子配合物を表面110上にスプレーコーティングすることでセラミックスポンジが形成されるように、固体粒子溶液を配合することができる。例えば、固体粒子のスプレーは、非溶媒誘起相分離を経て、固体フィーチャ112を画定するスポンジ状多孔質構造を形成し得るポリマーを含んでよい。例えば、ポリスルホン、ポリ(ビニルピロリドン)、およびDMAcの溶液を表面110上にスプレーコーティングし、次いで、水槽内に浸すことができる。水に浸すと、溶媒と非溶媒とが交換され、ポリスルホンが沈殿および固化する。
[0075] いくつかの実施形態では、固体粒子を粉砕して粉末を形成することができる。次いで、粉末を、溶媒内に溶解させずに表面110上に直接コーティングすることができる。そのような実施形態では、表面110上に固体をスプレーコーティングして固体フィーチャ112を形成するために溶媒は必要とされない。固体粒子をスプレーコーティングするために、任意の好適な粉末スプレーコーティング機器、例えば、M3TM Superspnicスプレーガン(Uniquecoat Technologies)、M2TM AC‐HVAFスプレーガン(Uniquecoat Technologies)、ENCORE(登録商標)XTマニュアルパウダースプレーシステム(Nordson)、ENCORE(登録商標)HD自動パウダーコーティングガン(Nordson)、またはその他の任意の粉末スプレーコーティングガンを使用することができる。圧縮空気または酸素を使用して、粉末固体粒子を表面110上に推進することができる。いくつかの実施形態では、これらの粉末スプレーガンを使用して、表面110を粗面化することもできる。表面上に粉末固体粒子をスプレーして固体フィーチャを形成することで、いくつかの利点、例えば、高度に均一なスプレーパターン、コーティング特性調節のためのスプレー速度の調節、高スプレーレート、高堆積効率、より低い運用コスト、より低い導入コスト、およびスプレーノズルの目詰まりの低減を実現するといった利点がもたらされる。いくつかの実施形態では、表面110上に固体粉末粒子を配置する前に接着剤または溶媒を表面110上に配置して、例えば、表面に固体粒子が付着できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、固体粒子が表面110上に堆積した後に接着剤または溶媒を塗布して、例えば、粒子を互いに膠着または合体させることができる。いくつかの実施形態では、加熱、焼鈍、および/または化学反応を用いて固体粒子を付着させることができる。
[0076] いくつかの実施形態では、固体発泡体、または発泡体形成材料(例えば、ポリウレタン発泡体)を表面100上にスプレーコーティングして、固体フィーチャ112を形成することができる。この発泡体は、周囲条件下、より高い温度、および/またはより大きい空気流量下で、表面上で凝固し、表面110上に固体フィーチャ112を形成し得る。いくつかの実施形態では、例えば表面上で反応して発泡体を形成し得る、2つまたはより多くの前駆物質を、表面110上に「共スプレー(co‐sprayed)」することができる。例えば、第1反応物質Aと第2反応物質Bとを表面110上にスプレーして、固体ポリウレタン発泡体を形成することができる。第1反応物質Aとしては、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネートおよびポリメリックメチレンジフェニルジイソシアネートが含まれてよい。第2反応物質Bとしては、例えば、固体を形成するための反応に寄与し得るポリオールの混合物が含まれてよい。また、第2反応物質Bとして、例えば、触媒、発泡剤、難燃剤、および/または界面活性剤などの添加剤も含まれてよい。ポリオールおよび/またはその他の添加剤、例えば界面活性剤の濃度を変動させて、発泡体のポロシティを調節することができる。
[0077] いくつかの実施形態では、2つまたはより多くの反応性材料を表面110上にスプレーコーティング(例えば、共スプレー)して固体フィーチャ112を形成することができる。例えば、第1の反応性材料を、第2の反応性材料と共に、表面110上に共スプレーすることができる。いくつかの実施形態において、第1の反応性材料を表面110上にスプレーコーティングすることができ、その後第2の反応性材料を第1反応性材料上にスプレーコーティングすることができる。第2の反応性材料は、第1反応性材料と反応して、コーティングが多孔質となるようなガスを生成し得る。いくつかの実施形態では、第2の反応性材料は、第1の反応性材料と反応して、第1の反応性材料内に一時的なダングリングボンドを生成し得、このダングリングボンドは、凝集して固体フィーチャを形成し、かつ表面110に対する付着を促進し得る。さらに、このダングリングボンドは、含浸液120の少なくとも一部分が固体フィーチャ112に対して共有結合するように含浸液120と反応することも可能であり、それによってより安定した液体含浸表面が創出される。
[0078] いくつかの実施形態では、溶媒流を固体粒子溶液流内へとスプレーすることによって、固体フィーチャ112を表面110上に形成することができる。これにより、実質的により高度な固体粒子の核生成を引き起こすことができ、かつ、表面110への到達時に固体粒子が凝集するように懸濁液を不安定化させることもできる。いくつかの実施形態では、高温および/または湿りガス(例えば、空気または窒素)を固体粒子スプレーおよび/または溶媒スプレー内に取り込ませてポロシティを増大させることもできる。いくつかの実施形態では、固体粒子溶液を、固体粒子の溶解性が低い溶媒と共に共スプレーすることができる。そのような実施形態では、固体粒子溶液は溶媒と混合して、固体粒子が沈殿して表面110上に固体フィーチャを形成するような、固体粒子に対する溶解性がより低い混合物を形成し得る。いくつかの実施形態では、この低溶解性溶媒は、含浸液120または含浸液120の溶液を含んでよい。
[0079] いくつかの実施形態では、表面110をコロナまたはプラズマに暴露して、基材の表面エネルギーを変化させ、例えば、(例えば表面110に対する固体フィーチャ112または含浸液120の付着を促進するために)表面110を親水性にすることができる。いくつかの実施形態では、その上に固体フィーチャ112が配置されている表面110をコロナまたはプラズマに暴露して、表面110および/または固体フィーチャ112の表面エネルギーを変化させる(例えば、表面110および/または固体フィーチャ112を親水性にする)ことができる。これによって、例えば、表面110および/または固体フィーチャ112に対する含浸液120の付着を促進することができる。
[0080] いくつかの実施形態では、表面110上に固体粒子溶液を、真空内、例えば真空チャンバ内でスプレーコーティングして、溶媒の蒸発を促進、および/または環境からの粒子の汚染を最小化することができる。真空内でのスプレーコーティングによって表面テクスチャを改善することもでき、例えば、より大きな粗さを有し、かつ均一の厚みを有する固体フィーチャ112を含み得るテクスチャ加工表面を生成することもできる。さらに、真空コーティングにより、不規則表面上、例えば不規則な形状の容器の内側表面上への固体粒子溶液の均一な堆積が可能にもなり得る。
[0081] いくつかの実施形態では、表面110を固体粒子溶液でスプレーコーティングする前に、まず接着剤を表面110上にスプレーコーティングすることができる。接着剤層もまた、表面110上にスプレーコーティングすることができる。好適な接着剤層としては、例えば、膠、セメント、粘質物、ポリマー、シリコン接着材、シラン、その他の任意の好適な接着剤層またはそれらの組み合わせが含まれてよい。接着剤層は、固体粒子の表面110上への付着を促進して、耐久性を有する固体フィーチャ112を形成し得る。
[0082] 表面110を固体粒子でスプレーコーティングするために、任意の好適なスプレーノズルおよび/または送達デバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングシステムは多数のノズルを含んでよく、これらは、例えば、異なる方向に配向することができる。そのような配置によって、固体粒子配合物による表面110(例えば、容器の側壁)の完全な被覆が可能となり得る。いくつかの実施形態では、スプレー分布が異なるノズルを使用して、例えば、表面110の異なる部分を異なる流量または体積の固体粒子スプレーでコーティングすることができ、表面110上において固体粒子の均一なコーティングが得られる。いくつかの実施形態では、ノズルは、約5μm〜約5mmの範囲内の直径を有してよい。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングシステムは、スピンニングノズル、すなわち、中心軸を中心に回転するノズルを含んでよい。このノズルは、固体粒子スプレーが表面110の第1部分上に堆積する第1位置から、固体粒子スプレーが表面110の第2部分上に堆積する第2位置へと回転することができる。ノズルをスピンさせながら固体粒子を連続的にスプレーすることによって、表面110、例えば円形容器の、完全な被覆が可能となり得る。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングシステムは、可撓性ノズル、例えば、可撓性管材の端部に取り付けられたノズルを含んでよい。可撓性ノズルは、例えば、特殊な形状(例えば、非円形形状、または接近が困難な部分)を有する容器のコーティングに有用であり得る。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングシステムは、ミスチングデバイス、例えば、固体粒子配合物のミストを創出することができる霧吹きを含んでよい。そのような実施形態においては、所定の時間にわたって表面110を固体粒子の拡散ミストに単純に暴露して、表面110上に固体フィーチャ112を形成することができる。
[0083] いくつかの実施形態では、スプレーコーティングシステムは、無気スプレー技術を含んでよい。例えば、スプレーコーティングシステムは、固体配合物のスプレーコーティング用の静電式スプレーガンを含んでよい。いくつかの実施形態では、ノズルと表面110との間に電位差を付与することができる。固体スプレー内に含まれる固体粒子は、表面110の電圧に対して逆の静電ポテンシャルを有するように静電的またはイオン的に帯電させることができる。したがって、この帯電固体粒子スプレーは、空気圧を必要とせずに、帯電表面110に対して推進させることができる。無気スプレー技術により、例えば、固体フィーチャ112のサイズの均一性の改善、粗さの改善、より優れた均一性、およびコーティング厚の調節などのいくつかの利点が提供され得る。
[0084] いくつかの実施形態では、スプレーコーティングシステムは、電気または熱スプレーを含んでよい。例えば、プラズマスプレー、デトネーションスプレー、ワイヤアークスプレー、フレームスプレー、高速酸素燃焼コーティングスプレー、またはその他の任意の好適な電気または熱スプレーシステムを使用して固体材料又は固体粒子を融解およびスプレーすることができ、こうしたシステムを使用して固体材料を融解した後、この溶融材料を表面110上にスプレーして固体フィーチャ112を形成することができる。このような電気または熱スプレーシステムは、実質的に高い温度を発生させて固体材料を融解し得る。例えば、アーク放電は、約15,000ケルビン超の温度を有し得るプラズマジェットを発生させ得る。そのような高温では、金属、例えばモリブデンを融解して表面110上にスプレーし、固体フィーチャ112を形成することができる。
[0085] いくつかの実施形態では、固体粒子は、固体粒子配合物において磁性粒子を含み得る。そのような実施形態では、表面110全体にわたって磁場が付与され、固体粒子スプレーを表面110に対して推進させることができる。さらに、スプレーコーティングシステムからスプレーが出て来ると、磁場は、固体粒子スプレーが広がって表面をコーティングするように促し得る。いくつかの実施形態では、スプレーコーティングされた固体粒子を、粒子が融解および再凝固するように局所的に加熱することができ、それによって、テクスチャ加工表面110のテクスチャおよび/または表面粗さを調節することができる。
[0086] いくつかの実施形態では、固体粒子および/または含浸液120を表面上にスプレーするためのスプレーコーティング技術には、圧電アクチュエーションに基づく技術が含まれてよい。いくつかの実施形態では、スプレーコーティング技術には、電気流体力学スプレーコーティング技術が含まれてよい。いくつかの実施形態では、スプレーコーティング技術には、レイヤーバイレイヤー(layer by layer)スプレーコーティング技術が含まれてよい。
[0087] いくつかの実施形態では、スプレーコーティングされた表面を、固体フィーチャ112の厚みおよび/または粗さを調節するために品質管理プロセスに供することができる。例えば、コーティング厚の品質管理のために、光学式および/または磁気式膜厚計、例えば、分光エリプソメータ、鉄または非鉄膜厚計を使用することができる。
[0088] いくつかの実施形態では、表面110は、容器、例えば、ボトル、ジョッキ、管、小瓶、大きな貯槽、または、本明細書に記載のその他の任意の容器の内側表面であってよい。そのような実施形態では、固体粒子スプレーが容器の内側表面上に均一に堆積することができるように、回転機構を使用して容器の回転を調節することができる。
[0089] 図3Aおよび3Bを参照すると、回転機構1040を使用して、容器1000の首部を締め付け、かつ容器1000を回転させることができる。容器は、容器1000の本体よりも実質的に小さい直径あるいは断面を有する、首部1002を含む。回転機構1040は、基部1042を含む。回転機構1040は、1組のアーム1044(例えば、2つのアーム)をさらに含む。1組のアーム1044のそれぞれの近位端部は、基部1042へと結合する。クランプ1046は、各アーム1044の遠位端部へと結合する。各クランプ1046は、首部1002の直径あるいは断面に対応する形状(例えば、半円形状)およびサイズ(例えば、曲率半径)を有してよく、クランプ1046が、本明細書に記載されるように、第2構成において首部1002の外側表面に近接することができるようになっている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のクランプ1046の内側表面は、溝、隆起、へこみ、突出、突起、またはその他の任意のフィーチャを含んでよく、いかなる滑りも低減されるような相当量の摩擦力によって、第2構成における首部1002の外側表面の把持を容易にし得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のクランプ1002の内側表面は、軟質材料、例えば、発泡体パッド、ゴムパッド、シリコンゲル、接着剤、またはその他の任意の軟質および可撓性材料を含んでよく、クランプ1046が首部1002を把持することによって引き起こされる首部1002に対するあらゆる機械的損傷を低減し得る。アーム1044は、クランプ1046が互いに第1の距離dを取る第1構成から、クランプ1046が互いに第2の距離dを取る第2構成へと、基部1042のまわりで関節を成すように動作可能であり、第2の距離dは第1の距離dより小さくなるようになっている。第2の距離dは、クランプ1046が容器1000の首部1002を固定できるように、容器1000の首部1002のサイズ、直径、あるいは断面と実質的に等しくなるように構成することができる。
[0090] 例えば、図3Aに示すように、回転機構1040は第1構成にあってよい。クランプが容器1000の首部1002に近接するまで、回転機構1042を、矢印Aで示す方向へ、容器に向かって移動させることができる。次いで、回転機構1040を、距離dが首部1002の外径あるいは断面と実質的に同一であり、かつクランプ1046が首部1002を固定するような、第2構成(図3B)へと促すことができる。この時点で、回転機構1040を矢印Bで示すように回転させて、容器1000を回転させることができる。
[0091] いくつかの実施形態では、回転機構は、ノズルおよびクランプを含んでよい。図4Aおよび4Bを参照すると、回転機構3040は、導管3042、例えば、管またはパイプを含んでよい。ノズル3046は、導管3042の遠位端部に配置される。クランプ3044は、容器3000の首部3002を固定するように構成されている導管3042の周囲に配置することができる。容器3000は、容器1000、2000、または本明細書に記載のその他の任意の容器と実質的に同一であってよい。導管3042は、クランプ3046の内部を移動するように動作可能である。例えば、第1構成の図4Aにおいては、容器3000の上下を反転させることができ、回転機構3040を容器3000の下方に配置することができる。導管3042を、矢印Cで示すように容器3000に向かって移動するように促すことができ、第2構成において、クランプ3044が容器3000の首部3002を固定し、かつ導管3042の少なくとも一部分が容器3000によって画定される内部容積の内部に配置されるようにすることができる。導管3042または容器3000を矢印D(図4B)で示すように回転させ、ノズル3046によって固体粒子スプレーを容器3000の内側側壁上に送達して、テクスチャ加工表面を形成することができる。
[0092] いくつかの実施形態では、回転機構は、容器の側壁を固定するためのクランプを含んでよい。図5Aおよび5Bを参照すると、回転機構4040は、その上に容器4000の基部を配置することができる台座4043を含む。容器4000は、容器1000、2000、3000、または本明細書に記載のその他の任意の容器と実質的に同一であってよい。クランプ4044は、台座4043の縁部上に配置され、容器4000の側壁の少なくとも一部分を固定するように動作する。第1構成において、導管4042を矢印E(図5A)で示す方向に、容器4000の内部容積内へと挿入することができる。ノズル4046は、導管4042の遠位端部に配置される。ノズル4046は、ノズル4046を通って連絡する固体粒子スプレーが広い角度にわたって広がり、例えば、容器4000の側壁の大部分をコーティングするように構成される。回転子4047によって、台座4043をモータ(図示せず)へと結合することができる。回転子4047は、矢印G(図5B)で示すように台座4043を回転させることができ、容器4000の回転も促す。このようにして、容器4000の内側表面の実質的に全面に、固体粒子を配置することができる。ひとたびスプレープロセスが完了すると、矢印Fで示す方向に移動させることによって、導管4042を容器の内部容積の外へ引き抜くことができる。
[0093] いくつかの実施形態では、回転機構は、回転容器の代わりに回転ノズルを含んでよい。例えば、図5Aおよび5Bに示すノズルは、容器に出入りするときに回転していてもよい。容器が非円形の断面(例えば、卵形、楕円形、非対称形など)を有する場合、ノズルを通る流量が一定であると、むらのあるコーティングとなり得る。したがって、いくつかの実施形態では、ノズルを、容器の回転と共に変動する流量、例えば、容器の側壁のより遠い部分をスプレーコーティングするときにはより大きな流量を有するように構成することができる。
[0094] 以下の実施例に、本明細書に記載のスプレーコーティングプロセスの様々な実施形態を通して形成された、表面粗さが改善されたテクスチャ加工表面を示す。ここで、スプレーコーティングプロセスの効果を示すために、複雑性(より高い複雑性はより大きな粗さを意味する)を測定した。このようなテクスチャ加工表面を使用して、より高い安定性およびより長い寿命を有する液体含浸表面を形成することができる。これらの実施例は単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1:表面粗さ改善のための多重スプレーコート
[0095] この実施例では、容器の内側表面上で多重のスプレーコートを実施し、表面粗さが改善されたテクスチャ加工表面を形成した。まず、3%の蜜蝋を酢酸エチルに溶解することによって、固体粒子の溶液を調製した。SpriMagTMスプレーコータに、この固体粒子溶液を充填した。このスプレーコータを、第1のスプレーから第2のスプレー、およびそれ以降にわたって、所定時間のスプレー時に実質的に同一重量の固体粒子溶液を送達するように調整した。固体粒子溶液を、第1の8オンスの空のPETボトル(ボトル1)および第2の8オンスの空のPETボトル(ボトル2)上にスプレーコーティングした。ボトル1はボトル2と実質的に同一である。スプレーコーティングの前に、コーティングされていないボトル1およびボトル2のそれぞれの重量を計測した。まず、ボトル1の内側表面を、第1の所定時間にわたって固体粒子溶液でコーティングし、次いで、酢酸エチルが完全に蒸発するまで、約20秒間にわたって窒素流内で乾燥させた。単一のコーティングを含む、1回コーティングしたボトル1の重量を計測し、約0.04グラムであると確認した。次に、ボトル2の内側表面を、第1の所定時間と実質的に同一である第2の所定時間にわたって、同一の固体粒子溶液でコーティングした。スプレーコーティングしたボトル2を、約20秒間にわたって窒素流で乾燥させた。このプロセスを5度繰り返し、ボトル2上に5つのコートを得て、5回コーティングしたボトル2の重量が約0.20グラム、すなわち1回コーティングしたボトル1の重量の約5倍となるようにした。ボトル1およびボトル2の表面テクスチャを、干渉計(Taylor Hobson,CCI HD)を使用して分析し、2つのボトルの内側表面の粗さパラメータを確認した。図6に、ボトル1の1回コーティングされた表面の干渉法による画像を示し、図7に、ボトル2の5回コーティングした表面の干渉法による画像を示す。ボトル2の5回コーティングしたテクスチャ加工表面は、約36.8%の粗さパラメータ、および約22.2%の複雑性を有していた。対照的に、ボトル1の、単一コーティングを施したテクスチャ加工表面は、ボトル2の、多重コーティングを施したテクスチャ加工表面よりも実質的に低い、約12.3%の粗さパラメータ、および約9.6%の複雑性を有していた。
実施例2:噴霧空気圧の変動
[0096] この実施例では、様々な噴霧空気圧で固体溶液をスプレーすることによって、容器の内側表面上にテクスチャ加工表面を形成した。3%の蜜蝋を酢酸エチルに溶解することによって、固体粒子の溶液を調製した。SpriMagTMスプレーコータに、この固体粒子溶液を充填した。このスプレーコータを、第1のコートから第2のコート、およびそれ以降にわたって、所定時間のスプレー時に実質的に同一重量の固体粒子溶液を送達するように調整した。6つの空の8オンスPETボトル、すなわちボトル1‐1、ボトル1‐2、ボトル2‐1、ボトル2‐2、ボトル3‐1、およびボトル3‐2の内側表面を、実質的に同重量の固体粒子溶液でスプレーコーティングした。ボトル1‐1および1‐2は噴霧空気圧30psiでコーティングし、ボトル2‐1および2‐2は噴霧空気圧60psiでコーティングし、ボトル3‐1および3‐2は噴霧空気圧90psiでコーティングした。これらのボトルを窒素内で20秒間乾燥させ、各ボトルのテクスチャ加工内側表面の粗さパラメータおよび複雑性を、干渉法イメージングを用いて測定した。その結果を、表1にまとめる。
Figure 0006817068
[0097] 表1から分かるように、より高い噴霧空気圧によって、より高い粗さパラメータおよび複雑性を有し、それゆえにより高い安定性を有するテクスチャ加工表面がもたらされ得る。図8、図9、および図10に、それぞれ、30psiでコーティングしたボトル1‐1、60psiでコーティングしたボトル2‐1、90psiでコーティングしたボトル3‐1の干渉法による画像(Taylor Hobson,CCI HD)を示す。見て分かるように、これら3つのボトルのうち、90psiでコーティングしたボトル3‐1が最も高い粗さを有し、一方、30psiでコーティングしたボトル1‐1が最も低い粗さを有する。
実施例3:乾燥条件の変動
[0098] これらの実験では、固体粒子溶液を容器の内側表面上にスプレーコーティングし、コーティングされた固体粒子溶液を様々な条件下で乾燥させた。乾燥条件には、周囲条件における乾燥、約50セルシウス度の温度への加熱、約10秒間、約20秒間、または約30秒間の強制窒素による乾燥が含まれていた。3%の蜜蝋を酢酸エチルに溶解することによって、固体粒子の溶液を調製した。SpriMagTMスプレーコータに、この固体粒子溶液を充填した。このスプレーコータを、第1のコートから第2のコート、およびそれ以降にわたって、所定時間のスプレー時に実質的に同一重量の固体粒子溶液を送達するように調整した。固体粒子溶液を、実質的に互いに同一である複数の8オンスPETボトルの内側表面上にスプレーコーティングした。ボトルをコーティングする前に、各ボトルを計量した。5つのボトルのセットを、以下に記載する各乾燥条件を用いて乾燥させた。
[0099] 1)5つのボトルを、固体粒子溶液をスプレーした直後に計量し、次いで周囲条件において乾燥させた。各ボトルの重量を、20分、40分、60分、120分、180分、および240分で再度計測した。
[0100] 2)5つのボトルを、固体粒子溶液をスプレーした直後に計量し、次いで約50セルシウス度のオーブン内に置いた。各ボトルの重量を、20分、40分、60分、120分、180分、および240分で再度計測した。
[0101] 3)5つのボトルを、約10秒間強制窒素で乾燥させ、次いでこの窒素スプレーの終了直後に計量した。次いで、これらのボトルを周囲条件に置き、各ボトルの重量を、20分、40分、60分、120分、180分、および240分で再度計測した。
[0102] 4)5つのボトルを、約20秒間強制窒素で乾燥させ、次いでこの窒素スプレーの終了直後に計量した。次いで、これらのボトルを周囲条件に置き、各ボトルの重量を、20分、40分、60分、120分、180分、および240分で再度計測した。
[0103] 5)5つのボトルを、約30秒間強制窒素で乾燥させ、次いでこの窒素スプレーの終了直後に計量した。次いで、これらのボトルを周囲条件に置き、各ボトルの重量を、20分、40分、60分、120分、180分、および240分で再度計測した。
[0104]図11に、周囲条件、50セルシウス度に維持されたオーブン内、および強制窒素により乾燥させた5つのボトルのセットの、異なる時点での平均重量を示す。結果は、強制窒素による乾燥によって、固体粒子溶液コーティング内の溶媒はより迅速に蒸発し得、かつ、固体粒子コーティングは最短の時間で実質的に一定のコーティング重量に到達し得たことを示している。20秒間にわたり送達された窒素流によって、溶媒の急速な蒸発に起因して、ボトル内のコーティングされた固体粒子溶液の重量が著しく低減している。残存するコーティングの重量は、ボトルに付着することが見込まれる固体粒子の量と一致している。これらの実験において使用された強制窒素は周囲雰囲気にあったが、いくつかの実施形態では、加熱された窒素流を使用して溶媒の蒸発を増大させ、それにより乾燥プロセスを迅速化することもできる。
実施例4:加熱された固体粒子溶液のスプレーコーティング
[0105] この実施例では、容器の内側表面上にスプレーコーティングする前に、固体粒子溶液を加熱した。以下に記載するように、2つの異なる手法を用いた。すなわち、1)予熱されたスプレーガンを使用して高温固体溶液をスプレーコーティングした;および、2)スプレーガンを使用して、純粋な溶融固体をスプレーした。
1.高温固体粒子溶液
[00106] 酢酸エチル50mlに対して蜜蝋1.5グラムを加えることにより3%の蜜蝋の固体粒子溶液を調製し、この溶液を、蜜蝋固体1.5グラムが完全に溶けるまで加熱および撹拌した。この溶液を、ガラス広口瓶内で、約75セルシウス度に保った。SpriMagTMスプレーコータをアルミホイルで包み、スプレーコータのノズル付近に熱電対を配置して温度を監視した。スプレーガンを、約75セルシウス度に加熱した。8オンスの空のプラスチックボトルを、固体粒子溶液でコーティングする前に計量した。加熱された蜜蝋固体粒子溶液の広口瓶をスプレーコータと流体的に結合させ、高温固体粒子溶液をボトルの内側表面上にスプレーコーティングした。固体粒子コーティング上に10秒間窒素を吹き付け、残留溶媒を蒸発させた。次いで、コーティングしたボトルを計量し、コーティングしたボトルの内側表面の表面トポグラフィーを検討した。2つの実質的に同一の8オンスPETボトルであるボトル2およびボトル3を、上述したように固体粒子溶液でコーティングした。ボトル2は、約0.02グラムの固体粒子の堆積重量を有し、ボトル3は、約0.1グラムの固体粒子の堆積重量を有していた。図12Aおよび12Bに、加熱された固体粒子溶液でコーティングした後のボトル2およびボトル3の光学画像を示す。
[00107] ボトル3を用いて、固体粒子コーティングの表面トポグラフィーおよびコーティング厚を検討した。コーティング厚は、コーティングを剥がしてその下にある表面を露出し、側面計を使用してステップ高さを測定することによって確認した。厚みは、剥がされたエリアの一部の平均とコーティングされているエリアの平均との間のステップ高さとされ、約1.3μmであると確認された。表面トポグラフィーは、干渉計(Taylor Hobson,CCI HD)を使用して検討された。干渉法による画像を図13に示す。二乗平均平方根(RMS)粗さは約20.2μmであると確認され、複雑性は約175%であった。
[00108] ボトル2で、マヨネーズの滑り特性について試験した。含浸液プロピレングリコールジ(カプリン酸/カプリル酸)をボトルのテクスチャ加工内側表面上にスプレーし、液体含浸表面を形成した。堆積した含浸液の重量は約0.4グラムであると確認された。次いで、マヨネーズをボトル内へ配置した。液体含浸表面上でのマヨネーズの良好な滑り性能が観察された。さらに、液体含浸表面上でピンニングは実質的に観察されなかった。
2.純粋な溶融固体
[00109] 純粋な蜜蝋固体10グラムを、固体が完全に融解するまで加熱した。融解した蜜蝋を、ガラス広口瓶内で、約75セルシウス度で保温した。SpriMagTMスプレーコータをアルミホイルで包み、このスプレーコータのノズル付近に熱電対を配置して温度を監視した。スプレーガンを、約75セルシウス度に加熱した。8オンスの空のプラスチックボトルを、固体でコーティングする前に計量した。加熱された蜜蝋の広口瓶をスプレーコータへと流体的に結合させ、溶融蜜蝋をボトルの内側表面上にスプレーコーティングした。次いで、コーティングしたボトルを計量し、コーティングしたボトルの内側表面の表面トポグラフィーを、干渉計(Taylor Hobson, CCI HD)を使用して検討した。2つの実質的に同一の8オンスPETボトルであるボトル4およびボトル5を、上述したように固体粒子溶液でコーティングした。ボトル4は約0.04グラムの堆積重量を有し、ボトル5は約0.05グラムの堆積重量を有していた。図14に示すボトル4の光学画像に見られるように、堆積したコーティングは均質であった。ボトル4を用いて、溶融固体粒子溶液コーティングの表面トポグラフィーを検討した。ボトル5を用いて、滑り性能を検討した。
[00110] 表面トポグラフィーを、干渉計(Taylor Hobson, CCI HD)を使用して検討した。干渉法による画像を、図15に示す。二乗平均平方根(RMS)粗さは約7.6μmであると確認され、複雑性は約102%であった。
[00111] ボトル5で、マヨネーズの滑り特性について試験した。含浸液プロピレングリコールジ(カプリン酸/カプリル酸)をボトルのテクスチャ加工内側表面上にスプレーし、液体含浸表面を形成した。堆積した含浸液の重量は約0.4グラムであると確認された。図16に、液体含浸表面を含むボトル5の光学画像を示す。次いで、マヨネーズをボトル内へ配置した。液体含浸表面上でのマヨネーズの良好な滑り性能が観察された。
実施例5:固体粒子と含浸液とを含む一段階スプレー
[00112] この実施例では、含浸液内に溶解または懸濁された固体粒子を含む(すなわち、含浸液は固体粒子に対して溶媒として作用する)スプレーを表面上にスプレーコーティングし、液体含浸表面が一段階のコーティングプロセスで形成されるようにした。含浸液中の固体粒子の溶液を、溶融溶液または固体懸濁液として表面上にスプレーコーティングした。プロピレングリコールジ(カプリン酸/カプリル酸)含浸液中の5%のカルナウバ蝋固体粒子溶液を、プロピレングリコールジ(カプリン酸/カプリル酸)50ml中にカルナウバ蝋2.5グラムを加えることにより調製した。この固体粒子溶液は、カルナウバ蝋固体を含有するプロピレングリコールジ(カプリン酸/カプリル酸)含浸液を約80セルシウス度超の温度に加熱し、カルナウバ蝋固体が溶解して溶液が透明かつ黄色みを帯びるまで加熱することによって調製された。次いで、この固体粒子溶液25mlを第1のSpriMagTMスプレーコータ広口瓶に充填し、冷水で冷却しながら、超音波処理機内で音波処理に供した。溶液が冷却されるとカルナウバ蝋の固体粒子が含浸液内に沈殿し、これにより、プロピレングリコールジ(カプリン酸/カプリル酸)含浸液中のカルナウバ蝋固体粒子の懸濁液を形成した。
[00113] 残りの溶融固体粒子溶液25mlを、第2のSpriMagTMスプレーコータ広口瓶に充填し、約80セルシウス度超の温度に維持されたホットプレート上にスプレーコータを置くことによって溶融状態で保持した。固体粒子懸濁液を、2つのガラスボトルであるガラスAおよびガラスB、ならびにPETボトルであるPETAの内側表面上にスプレーコーティングした。同様に、溶融固体粒子溶液を、2つのガラスボトルであるガラスCおよびガラスD、ならびにPETボトルであるPETB上にスプレーコーティングし、それによって、スプレーコーティングしたボトルのそれぞれの内側表面上に液体含浸表面を形成した。各ガラスボトルおよびPETボトルを、固体粒子溶液でのコーティング前およびコーティング後に計量し、堆積したコーティングの重量を確認した。その結果を、表2に示す。
Figure 0006817068
[00114] PETボトルAおよびPETボトルBの内側表面上に形成された液体含浸表面の表面テクスチャを、干渉計(Taylor Hobson,CCI HD)を使用して分析し、液体含浸表面の粗さパラメータおよび複雑性を確認した。PETAボトル上に形成された液体含浸表面の測定された粗さパラメータは、第1位置で14.9%、および第2位置で22.0%であり、測定された複雑性は、第1位置で12.7%、および第2位置で18.5%であった。比較すると、PETBボトル上に形成された液体含浸表面の測定された粗さパラメータは、第1位置で6.12%、および第2位置で7.46%であり、測定された複雑性は、第1位置で5.22%、第2位置で5.38%であった。
実施例6:基材の加熱または冷却
[00115] この実施例では、その上に固体粒子の溶液がスプレーコーティングされる基材を、スプレーコーティング前に加熱または冷却し、テクスチャ加工表面の特性を調節した。カルナウバ蝋の3%溶液を、酢酸エチル中で調整した。この溶液を調整するために、カルナウバ蝋1.5グラムを酢酸エチル50mlに加えた。この溶液を、カルナウバ蝋固体が酢酸エチル溶媒内に完全に溶解するまで加熱および撹拌し、安定した固体粒子溶液を形成した。次いで、固体粒子溶液を室温まで冷却した。冷却した固体粒子溶液を、SpriMagTMスプレーコータのガラス広口瓶に充填した。このスプレーコータを、第1のスプレーコーティングから第2のスプレーコーティング、およびそれ以降にわたって、所定時間のスプレー時に実質的に同一重量の固体粒子溶液を送達するように調整した。固体粒子溶液を、第1の8オンスPETボトル、第2の8オンスPETボトル、および第3の8オンスPETボトルの内側表面上に、各ボトルが同じ時間にわたってスプレーコーティングされるようにスプレーコーティングした。これら3つのPETボトルは実質的に互いに同一であった。コーティング前に、各ボトルの重量を計量した。第1のPETボトルはコーティング前に約65度の温度まで加熱し、第2のPETボトルはコーティング前に約0セルシウス度の温度まで冷却し、第3のPETボトルは室温で維持した。各PETボトルを、スプレーコーティングプロセスの前および後に計量し、堆積したコーティングの重量を確認した。各PETボトル上の固体粒子コーティングの付着性を、コーティングに対して摩擦力を印加することによって検討した。第1のPETボトルと第2のPETボトルと第3のPETボトルとの間に、実質的な重量差は観察されなかった。しかしながら、加熱された表面上にスプレーされた固体粒子の局所的な融解および再凝固のため、加熱された第1のPETボトルの内側表面に対する固体コーティングの付着性においては、いくらかの増大が観察された。
実施例7:固体粒子コーティング上への溶媒のスプレー
[00116] 蜜蝋の滑らかなコーティングを表面上に配置した。図17に、滑らかな蜜蝋コーティングの干渉法による画像(Taylor Hobson,CCI HD)を示す。このコーティングの複雑性は、約1.2%であった。約80セルシウス度に加熱したエタノールをこの蜜蝋コーティング上にスプレーし、次いで蒸発させた。図18に、エタノールによるスプレー処理後の蜜蝋コーティングの干渉法による画像(Taylor Hobson,CCI HD)を示す。コーティングは明らかに粗く見え、約55%の複雑性を有している。
[00117] これまで、システム、方法、およびデバイスの様々な実施形態を記載してきたが、それらは限定ではなく、単に例として提示されていることを理解されたい。上述した方法およびステップは特定の順序で生じる特定の事象を示しているが、本開示の利益を得る当業者は、特定のステップの順序は修正可能であり、そのような修正は本発明のバリエーションに基づくものであることを認識するであろう。さらに、特定のステップは、上述のように順を追って実施するのみでなく、可能な場合は、平行プロセスで同時に実施してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、加熱された固体粒子溶液の多重のスプレーコートを基材上に堆積させることができ、次いでこれをオーブン内で加熱するか、または窒素分子により乾燥させることができる。あるいは、含浸液内に懸濁した固体粒子を含む固体粒子溶液の多重スプレーコートを実施することもできる。あるいは、本明細書に記載するスプレーコーティングプロセスの様々な実施形態の他の任意の組み合わせを実施することもできる。実施形態を詳細に図示および記載してきたが、形態および詳細において様々な変更を加え得ることが理解されるであろう。

Claims (29)

  1. 第1の複数の固体粒子および第2の複数の固体粒子を含む多分散固体粒子懸濁液を形成することであって、前記第1の複数の固体粒子が5nmと200μmとの間の第1の平均寸法を有し、前記第2の複数の固体粒子が前記第1の平均寸法と異なる第2の平均寸法を有することと、
    前記多分散固体粒子懸濁液を表面上にスプレー堆積させることにより、前記表面に前記多分散固体粒子懸濁液を塗布することと、
    前記表面に含浸液を塗布することであって、前記第1の複数の固体粒子、第2の複数の固体粒子および前記含浸液が前記第1の複数の固体粒子および前記第2の複数の固体粒子を含む液体含浸表面を共に生成することと、
    を含む方法。
  2. 前記多分散固体粒子懸濁液が界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記界面活性剤が、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、蜜蝋、ドコセン酸、トランス‐13‐ドコセン酸、cis‐13‐ドコセン酸、ノニルフェノキシトリ(エチレンオキシ)エタノール、およびフルオロケミカルのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の複数の固体粒子が10nmと100μmとの間の平均寸法を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の複数の固体粒子が5nmと1μmとの間の平均寸法を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1の複数の固体粒子が1μmと50μmとの間の平均寸法を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記スプレー堆積の前に前記表面を粗面化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記粗面化することが、化学的エッチング、機械的エッチング、射出成形による予めのテクスチャ加工、および吹込み成形のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記スプレー堆積が、空気噴霧器、無気噴霧器、超音波スプレーコータ、熱スプレーコータ、プラズマスプレーコータ、電弧スプレーコータ、および粉末スプレーコータのうちの少なくとも1つを使用して実施される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記多分散固体粒子懸濁液が前記含浸液を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記含浸液を前記塗布することが、前記多分散固体粒子懸濁液を前記塗布することの後に実施される、請求項1に記載の方法。
  12. 溶媒、第1の複数の固体粒子および第2の複数の固体粒子を含む多分散固体粒子懸濁液を形成することであって、前記第1の複数の固体粒子が5nmと200μmとの間の第1の平均寸法を有し、前記第2の複数の固体粒子が前記第1の平均寸法と異なる第2の平均寸法を有することと、
    前記多分散固体粒子懸濁液を表面上にスプレー堆積させることにより、前記表面に前記多分散固体粒子懸濁液を塗布することと、
    前記溶媒の少なくとも一部分を蒸発させ、それによってテクスチャ加工表面を生成することと、
    前記テクスチャ加工表面に含浸液を塗布して液体含浸表面を生成することと、
    を含む方法。
  13. 前記多分散固体粒子懸濁液内の前記溶媒の重量パーセント濃度が50%から99.9%の範囲内である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記複数の固体粒子が、不溶性繊維、蝋、多糖類、フラクトオリゴ糖、金属酸化物、モンタン蝋、褐炭、泥炭、オゾケライト、セレシン、歴青、ペトロラタム、パラフィン、微結晶蝋、ラノリン、金属またはアルカリのエステル、ココナツ粉末、アーモンド、ジャガイモ、小麦、パルプ、ゼイン、デキストリン、セルロースエーテル、酸化第二鉄、酸化第一鉄、シリカ、粘土鉱物、ベントナイト、パリゴルスカイト、カオリナイト、バーミキュライト、燐灰石、グラファイト、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、ペクチン、グルテン、アルギン酸デンプン、およびカラギーナンのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 噴霧空気圧を調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記スプレー堆積中に前記多分散固体粒子懸濁液の温度を調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  17. スプレー堆積前に前記表面の温度を修正することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  18. スプレー堆積中に前記表面の温度を修正することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  19. スプレー堆積後に前記表面を加熱または冷却することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  20. 前記スプレー堆積後に、堆積された固体粒子の少なくとも1つの乾燥条件および/または乾燥時間を調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  21. 前記第2のコーティングを前記スプレー堆積する前に前記第1のコーティングの少なくとも一部分を乾燥させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  22. 含浸液、第1の複数の固体粒子および第2の複数の固体粒子を含む多分散固体粒子懸濁液を形成することであって、前記第1の複数の固体粒子の粒子が5nmと200μmとの間の平均寸法を有し、前記第2の複数の固体粒子が前記第1の平均寸法と異なる第2の平均寸法を有することと、
    前記多分散固体粒子懸濁液を表面上にスプレー堆積させることにより、前記多分散固体粒子懸濁液の少なくとも1つのコーティングを前記表面に塗布し、それによって液体含浸表面を生成することと、
    を含む方法。
  23. 前記多分散固体粒子懸濁液が溶媒をさらに含み、前記多分散固体粒子懸濁液内の前記溶媒の重量パーセント濃度が50%未満である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記含浸液が、シリコンオイル、パーフルオロカーボン液、ハロゲン化バキュームオイル、グリース、潤滑剤、フッ素化冷却材、イオン液体、水と混和しないフッ素化イオン液体、PDMSを含むシリコンオイル、フッ素化シリコンオイル、液体金属、合成油、植物油、電気粘性流体、磁性流体、強磁性流体、誘電性液体、炭化水素液体、ポリアルファオレフィン(PAO)、フルオロカーボン液体、冷媒、バキュームオイル、相転移材料、半液体、ポリアルキレングリコール、飽和脂肪酸または飽和二塩基酸のエステル、ポリ尿素、滑液、および体液のうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記固体粒子が融解している、請求項22に記載の方法。
  26. 前記第1の複数の固体粒子は、不溶性繊維、精製木材セルロース、微結晶セルロース、オートブラン繊維、蝋、カルナウバ蝋、木蝋、蜜蝋、ライスワックス、キャンデリラ蝋、フッ素化蝋、シリコン含有蝋、脂肪酸のエステルの蝋、脂肪酸、脂肪酸アルコール、グリセリド、フルクトオリゴ糖、金属酸化物、モンタン蝋、褐炭および泥炭、オゾケライト、セレシン、歴青、ペトロラタム、パラフィン、微結晶蝋、ラノリン、金属もしくはアルカリのエステル、ココナツ粉末、アーモンド、ジャガイモ、小麦、パルプ、ゼイン、デキストリン、セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化第二鉄、酸化第一鉄、シリカ、粘土鉱物、ベントナイト、パリゴルスカイト、カオリナイト、バーミキュライト、燐灰石、グラファイト、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、ペクチン、グルテン、アルギン酸デンプン、カラギーナン、ホエー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
  27. 前記多分散固体粒子懸濁液は、前記第1の複数の固体粒子および前記第2の複数の固体粒子とは異なる第3の複数の固体粒子を含む、請求項22に記載の方法。
  28. 前記第3の複数の固体粒子は、不溶性繊維、精製木材セルロース、微結晶セルロース、オートブラン繊維、蝋、カルナウバ蝋、木蝋、蜜蝋、ライスワックス、キャンデリラ蝋、フッ素化蝋、シリコン含有蝋、脂肪酸のエステルの蝋、脂肪酸、脂肪酸アルコール、グリセリド、フルクトオリゴ糖、金属酸化物、モンタン蝋、褐炭および泥炭、オゾケライト、セレシン、歴青、ペトロラタム、パラフィン、微結晶蝋、ラノリン、金属もしくはアルカリのエステル、ココナツ粉末、アーモンド、ジャガイモ、小麦、パルプ、ゼイン、デキストリン、セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化第二鉄、酸化第一鉄、シリカ、粘土鉱物、ベントナイト、パリゴルスカイト、カオリナイト、バーミキュライト、燐灰石、グラファイト、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、ペクチン、グルテン、アルギン酸デンプン、カラギーナン、ホエー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
  29. 前記第1の複数の固体粒子は、前記含浸液に少なくとも部分的に沈殿している、請求項22に記載の方法。
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