JP2021036509A - 活物質複合体の製造装置及び活物質複合体の製造方法 - Google Patents

活物質複合体の製造装置及び活物質複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結着材の量をより低減した活物質複合体を製造する。【解決手段】本開示の活物質複合体の製造装置は、電極に用いられる活物質複合体の製造装置であって、結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を収容して供給する供給部と、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質を収容する収容部と、供給部から供給された溶液を吐出して紡糸し収容部の活物質の表面へ繊維状結着材を形成する吐出部と、を備えている。【選択図】図1

Description

本明細書は、活物質複合体の製造装置及び活物質複合体の製造方法を開示する。
従来、蓄電デバイスの電極に用いられる材料としては、例えば、平均粒径dAが0.1〜100μmの電極活物質粒子と、それより小さい平均粒径dxでありdx/dAが0.8以上4以下であるバインダ粒子とを有する電極用複合粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電極用複合粒子では、蓄電デバイスのレート特性やサイクル特性などの性能を向上することができる。また、蓄電デバイスの電極に用いられる材料としては、例えば、電極活物質の粒子Aと導電助材からなる粒子Bとバインダからなる粒子Cとを含む電極用複合粒子(例えば、特許文献2参照)や、電極活物質の粒子Aとバインダからなる粒子Cとを含む電極用複合粒子(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2015−69928号公報 特開2016−72151号公報 特開2016−72152号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜3の電極用複合粒子では、蓄電デバイスのレート特性やサイクル特性をより向上することができるものの、良好な結着性を実現するためには、結着材の付着量を十分確保する必要があった。結着材は充放電に寄与しないことから、電極中の結着材の含有量をより低減することが望まれていた。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、結着材の量をより低減した活物質複合体を製造することができる活物質複合体の製造装置及び活物質複合体の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、結着材を繊維状にすることによって、例えば、活物質粒子の表面に凹凸が存在しても、その結着性をより向上し、電極の性能を向上することができることを見いだし、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する活物質複合体の製造装置は、
電極に用いられる活物質複合体の製造装置であって、
結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を収容して供給する供給部と、
キャリアイオンを吸蔵放出する活物質を収容する収容部と、
前記供給部から供給された前記溶液を吐出して紡糸し、前記収容部の活物質の表面へ繊維状結着材を形成する吐出部と、
を備えたものである。
本明細書で開示する活物質複合体の製造方法は、
電極に用いられる活物質複合体の製造方法であって、
結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を用い、平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸し、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質の表面へ繊維状結着材を直接形成する紡糸形成工程、
を含むものである。
本開示では、結着材の量をより低減した活物質複合体を製造することができる。一般的に、電極材料として、例えば、粒子状の結着材を用いることがある。また、活物質の粒子の表面には凹凸がある。この場合、活物質の粒子表面の凹部に結着材粒子が入り込むことがあり、十分な結着性が得られないことがあった。また、結着性を高めるために必要量よりも多い結着材を要することがあり、電解液の入り込む空間がより希少となり、イオン伝導性を妨げることがあった。また、活物質粒子の表面に結着材の膜が形成されることがあり、イオン伝導性を妨げることがあった。このような課題があるが、本開示では、繊維状の結着材と活物質とを複合化することによって、結着材が活物質粒子の凹部に入り込まずに活物質粒子の表面に存在することができる。したがって、この活物質複合体の製造装置及び製造方法では、電極を作製する際において、より少ない結着材の量でも、活物質を十分結着することができる。
活物質複合体10の構成の一例を示す模式図。 導電繊維状結着材20の構成の一例を示す模式図。 活物質複合体製造装置30の一例を示す説明図。 蓄電デバイス40の一例を示す模式図 活物質複合体製造装置30Bによる繊維作製及び評価の説明図。 実験例1、3、5の導電繊維状結着材のSEM写真。 実験例8の正極活物質複合体のSEM写真。 実験例8〜10のハーフセルの充放電曲線。 実験例11の繊維状結着材及び負極活物質複合体のSEM写真。 実験例11〜13のハーフセルの充放電曲線。
本開示の活物質複合体の製造装置は、本開示の活物質複合体の製造方法の好適な実施形態について、図面を用いて以下説明する。本開示の活物質複合体の製造装置は、本開示の活物質複合体の製造方法を実行する装置である。説明の便宜のため、活物質複合体及びその製造方法を先に説明したのち、製造装置、その製造物である活物質複合体を有する電極および蓄電デバイスについて説明する。
(活物質複合体)
本開示の活物質複合体は、二次電池の電極に用いられるものであって、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質と、活物質の表面に1本以上形成され結着材である樹脂を含んで構成される繊維状結着材とを備えたものとする。また、この活物質複合体は、活物質の導電性が低い場合、繊維状結着材に導電材を更に含むものとしてもよい。キャリアイオンは、蓄電デバイスに用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属イオンや第2族元素イオンなどが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオンやナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。第2族元素イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどが挙げられる。ここでは、リチウムイオンを一例として以下説明する。
活物質は、正極活物質としてもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMnc2(a+b+c=1)やLi(1-x)NiaCobMnc4(a+b+c=2)などとするリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV23などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV25などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。また、正極活物質は、リン酸鉄リチウムなどとしてもよい。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。
また、正極活物質としては、例えば、キャリアイオンを吸着脱離するキャパシタに用いるものとしてもよい。この正極活物質は、例えば、炭素材料を含むものとしてもよい。炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素材料は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であるものとしてもよい。なお、正極では、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を吸着・脱離して蓄電するものと考えられるが、さらに、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を挿入・脱離して蓄電するものとしてもよい。
活物質は、負極活物質としてもよい。負極活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素材料、複数の元素を含む複合酸化物、導電性ポリマーなどが挙げられる。炭素材料は、例えば、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などのグラファイト類が、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能でありキャリアイオンをリチウムイオンとした場合に自己放電を抑え、且つ充電時における不可逆容量を少なくできるため、好ましい。複合酸化物としては、例えば、リチウムチタン複合酸化物やリチウムバナジウム複合酸化物などが挙げられる。負極活物質としては、このうち、炭素材料が安全性の面から見て好ましい。
活物質は、体積抵抗率が103Ωcm以上であるものとしてもよい。活物質は、このように導電性が低いものとしてもよい。このような活物質としては、例えば、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物などが挙げられる。この体積抵抗率は、104Ωcm以上であるものとしてもよいし、105Ωcm以上であるものとしてもよい。あるいは、活物質は、体積抵抗率が102Ωcm以下であるものとしてもよい。活物質は、このように導電性が高いものとしてもよい。このような活物質としては、例えば、炭素材料などが挙げられる。この体積抵抗率は、10Ωcm以下であるものとしてもよいし、1Ωcm以下であるものとしてもよい。
繊維状結着材は、活物質の表面に1本以上形成され、平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲であり結着材である樹脂を含んで構成された繊維状の物質としてもよい。この平均直径Dは、0.03μm以上としてもよい。このような繊維状結着材では、十分な結着力を奏することができる。繊維状結着材は、活物質の表面に複数形成されていることが好ましく、活物質の表面の6割以下の面積比で形成されていることが好ましく、4割以下の面積比で形成されていることがより好ましく、2割以下の面積比で形成されているものとしてもよい。活物質の表面ができるだけ露出している方が、キャリアイオンの移動の観点からは好ましい。
繊維状結着材は、活物質の平均粒径Xに対して1/5以下の平均直径Dを有することが好ましい。この範囲では、繊維状結着材の占める体積をより低減することができる。この平均直径Dは、活物質の粒径に応じて適宜調整するものとすればよく、平均粒径Xに対して1/10以下としてもよいし、1/20以下としてもよい。この活物質の平均粒径Xは、例えば、0.1μm以上50μm以下の範囲としてもよく、15μm以下としてもよく、10μm以下としてもよい。繊維状結着材は、その平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲であるが、0.3μm以上であることが好ましく、0.4μm以上であるものとしてもよい。また、繊維状結着材の平均直径Dは、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であるものとしてもよい。ここで、繊維状結着材の平均直径Dは、以下のように求めるものとする。まず、繊維状結着材を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画像を得たのち、この画像にある繊維状結着材の50本を任意に選択し、その繊維の長さLの中央部分の太さを計測してこの繊維の直径とし、選択した繊維状結着材の平均値を平均直径Dとする。また、活物質の平均粒径Xは、メジアン径D50とする。平均粒径Xの測定は、例えば、活物質を走査型電子顕微鏡で観察し、任意の50個の1次粒子の輪郭を取得する。次に、この輪郭の中で最も長い長さをこの粒子の直径とし、メジアン径D50を求めるものとする。
繊維状結着材は、活物質の表面に存在する平均凹凸周期よりも長い長さLで形成されていることが好ましい。この長さLが平均凹凸周期よりも長いものとすると、繊維状結着材が活物質表面の凹部に埋没することなく外部に露出するため、結着能をより効果的に発揮することができる。ここで、平均凹凸周期は、以下のように求めることができる。活物質を走査型電子顕微鏡で観察し、その1次粒子の輪郭を取得する。次に、凹部と凹部との接続点を得てこの接続点の距離を凹部の長さYとし、この長さYの平均値を平均凹凸周期とする(図1参照)。繊維状結着材は、その長さLが1μm以上100μm以下の範囲であるものとしてもよい。繊維状結着材の長さLは、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよい。また、導電繊維状結着材の長さLは、80μm以下としてもよく、50μm以下としてもよい。この長さLは、例えば、電極に用いる活物質の粒径や表面に存在する凹凸の大きさなどに応じて適宜調整するものとすればよい。
樹脂は、結着材としての機能を有する。この樹脂は、例えば、電解液中でイオン伝導性を有するものであることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVdF−HFP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、及びポリメタクリル酸メチルとアクリルポリマーとの共重合体のうち1以上などが挙げられる。特に、電極に用いるものであるため、この樹脂は、電位安定性の面からフッ素含有樹脂であることがより好ましい。この樹脂としては、PVdFが好ましい。
この繊維状結着材は、導電性が低いものとしてもよいが、導電性を有する導電繊維状結着材であることが好ましい。導電性を有すると、導電性の低い活物質に対して有効である。この導電繊維状結着材は、樹脂の100体積部に対して20体積部以上150体積部以下の導電材である炭素材料を更に含むものとしてもよい。また、導電繊維状結着材は、体積抵抗率が100Ωcm以下であるものとしてもよい。この導電繊維状結着材の体積抵抗率は、より低いことが好ましく、10Ωcm以下であることが好ましく、1Ωcm以下であることがより好ましい。
炭素材料は、繊維状結着材に導電性を付与するものであり、粒子状、鱗片状、繊維状及びチューブ状の形状を有するものとしてもよい。この炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛及びカーボンナノチューブのうち1以上が挙げられる。このうち、アセチレンブラックが好ましい。この炭素材料は、例えば、樹脂の100体積部に対して20体積部以上150体積部以下の範囲で導電繊維状結着材に含まれているものとする。この炭素材料の含有量が20体積部以上では、導電性をより高めることができ、150体積部以下では、結着性の低下をより抑制することができ好ましい。この炭素材料は、樹脂の100体積部に対して30体積部以上含まれることが好ましく、50体積部以上含まれるものとしてもよい。また、この炭素材料は、樹脂の100体積部に対して120体積部以下含まれることが好ましく、100体積部以下含まれるものとしてもよい。また、炭素材料は、例えば、樹脂の100質量部に対して20PHR以上150PHR以下の範囲で導電繊維状結着材に含まれているものとしてもよい。この炭素材料の含有量が20PHR以上では、導電性をより高めることができ、150PHR以下では、結着性の低下をより抑制することができ好ましい。この炭素材料は、樹脂の100質量部に対して30PHR以上含まれることが好ましく、50PHR以上含まれるものとしてもよい。また、この炭素材料は、樹脂の100質量部に対して120PHR以下含まれることが好ましく、100PHR以下含まれるものとしてもよい。このとき、樹脂は、PVdFであるものとしてもよい。
この炭素材料は、炭素粒子である場合、一次粒子の粒径dが10nm以上100nm以下の範囲であるものとしてもよい。粒径dが10nm以上では、導電パスを形成しやすく、粒径dが100nm以下では、導電繊維状結着材の平均直径Dが太くなるのをより抑制することができる。この粒径dは、20nm以上であることが好ましく、50nm以下であることが好ましい。また、炭素材料が鱗片状炭素である場合、長さaと幅bとは同じであってもよいし、異なっていてもよいし、厚さcは長さaや幅bと異なっているものとしてもよい。長さaや幅bは、10nm以上100nm以下の範囲であるものとしてもよい。厚さcは、長さaや幅bも短いことが好ましく、5nm以上50nm以下の範囲であるものとしてもよい。また、炭素材料が繊維状やチューブ状である場合、長さxは、導電繊維状結着材の長さLより短いものとし、例えば、0.1μm以上100μm以下の範囲であるものとしてもよい。また、直径yは、長さxよりも十分短いものとし、例えば、10nm以上100nm以下の範囲であるものとしてもよい。また、チューブ状であるとき、その中空空洞の直径は、直径yより小さいものとすればよい。
活物質複合体は、活物質と繊維状結着材との全体に対して繊維状結着材が0.5質量%以上5質量%以下の範囲で繊維状結着材を含有することが好ましい。繊維状結着材の含有量が0.5質量%以上では結着能をより確保でき、5質量%以下では活物質量の相対的な低下をより抑制できるため容量低下をより抑制することができ好ましい。この繊維状結着材の含有量は、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上としてもよい。また、この繊維状結着材の含有量は、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下としてもよい。また、繊維状結着材に導電材を含まない場合は、活物質複合体中の繊維状結着材の含有量はより少ない側の0.5質量%以上3質量%以下の範囲としてもよいし、繊維状結着材に導電材を含む場合は、より多い側の2質量%以上5質量%以下の範囲としてもよい。
図1は、活物質複合体10の構成の一例を示す模式図である。この活物質複合体10は、活物質11と、繊維状結着材20とを備えている。活物質11は、上述した特徴を有している。活物質11の平均凹凸周期は、長さY1、長さY2などの平均値である。繊維状結着材20は、導電材を含まないものとしてもよいし、導電材を含むものとしてもよい。図2は、繊維状結着材20の構成の一例を示す模式図であり、図2Aが炭素粒子22を含む導電繊維状結着材20A、図2Bが鱗片状炭素22Bを含む導電繊維状結着材20B、図2Cがカーボンナノチューブ22Cを含む導電繊維状結着材20Cの一例である。図2Aに示す導電繊維状結着材20は、樹脂21と、炭素粒子22とを含む。導電繊維状結着材20は、上述した平均直径D、長さLで形成された繊維である。炭素粒子22は上述した粒径dを有する。図2Bに示す導電繊維状結着材20Bは、樹脂21と、鱗片状炭素22Bとを含む。鱗片状炭素22Bは、上述した長さa、幅b、厚さcで形成された平板状の炭素である。図2Cに示す導電繊維状結着材20Cは、樹脂21と、カーボンナノチューブ22Cとを含む。カーボンナノチューブ22Cは、上述した長さx、直径yで形成された中空繊維状の炭素である。これらの導電繊維状結着材20,20B,20Cでは、樹脂21により結着性を有し、炭素材料により導電性を有する。
(活物質複合体の製造方法)
この製造方法は、蓄電デバイスの電極に用いられる活物質複合体を製造する方法である。この製造方法は、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質の表面へ繊維状結着材を直接形成する紡糸形成工程を含む。ここで、結着材を含む溶液を紡糸するには、紡糸可能なレベルの低粘度溶液にすることが必要である。溶媒で希釈し、低粘度化した溶液は、紡糸時には溶媒を含有する状態であるので密着性が高い。したがって、溶媒が乾燥しないうちに活物質に触れると活物質の周囲に繊維状結着材が自発的に複合化されることになる。このように、この工程では、活物質の表面に直接、繊維状結着材を紡糸するため、紡糸が終了した時点で、製造装置内の活物質全体に繊維状結着材が均一に複合化されることになる。この工程では、上述した活物質複合体で挙げられた特性の部材、例えば、活物質、結着材、導電材や配合比、サイズなどを適宜採用すればよい。例えば、紡糸形成工程では、体積抵抗率が103Ωcm以上である活物質を用いるものとしてもよいし、体積抵抗率が102Ωcm以下である活物質を用いるものとしてもよい。また、活物質は、正極活物質としてもよいし負極活物質としてもよい。
紡糸形成工程では、結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を用い、繊維状結着材を紡糸する紡糸処理を実行するものとしてもよい。このとき、繊維状結着材が平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸することが好ましい。この平均直径Dの範囲では、結着性を確保することができ、結着材が活物質表面の被覆がより抑制されるため、容量低下もより抑制することができる。この平均直径Dは、0.3μm以上2μm以下の範囲とすることがより好ましい。また、この工程では、活物質の平均粒径Xに対して1/5以下の平均直径Dを有する繊維状結着材を紡糸するものとしてもよい。更に、この工程では、活物質の表面に存在する平均凹凸周期Yよりも長い長さLの繊維状結着材を紡糸するものとしてもよい。更にまた、この工程で用いる溶媒としては、樹脂を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどのうち1以上を用いることができる。この溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びアセトンのうち1以上が好ましい。
この工程では、結着材である樹脂と導電材である炭素材料とを含む溶液を用い、導電繊維状結着材を紡糸する紡糸処理を実行するものとしてもよい。特に、導電性を有さない活物質に対してこの導電繊維状結着材をその表面に形成することが好ましい。この紡糸処理では、結着材である樹脂と導電材である炭素材料とを樹脂の100体積部に対して炭素材料が20体積部以上150体積部以下の範囲となるよう溶媒と共に混合し、紡糸ペーストを得ることが好ましい。また、この紡糸処理では、樹脂の100質量部に対して炭素材料が20PHR以上150PHR以下の範囲となるよう溶媒と共に混合するものとしてもよい。また、樹脂の100質量部に対して炭素材料が30PHR以上100PHR以下の範囲となるよう溶媒と共に混合することが好ましい。このとき、樹脂はPVdFとしてもよい。また、この工程では、体積抵抗率が100Ωcm以下、より好ましくは10Ωcm以下、更に好ましくは1Ωcm以下の範囲となるように紡糸することが好ましい。また、この工程では、炭素材料として、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛及びカーボンナノチューブのうち1以上を用いるものとしてもよい。更に、この工程では、粒径が20nm以上50nm以下の範囲である炭素材料を用いるものとしてもよい。更にまた、この工程では、粒子状であり、一次粒子の粒径が10nm以上100nm以下の範囲である炭素材料を用いるものとしてもよい。
紡糸処理としては、特に限定されないが、例えば、溶融紡糸法を用いることができ、静電紡糸法などを用いるものとしてもよい。静電紡糸法では、炭素材料が連続して接続した構造になりやすいため、導電性を得られやすく好ましい。また、紡糸処理としては、回転紡糸法、乾燥紡糸法、湿式紡糸法などを採用してもよい。ここでは、静電紡糸法を主として以下説明する。例えば、静電紡糸法では、紡糸ペーストの樹脂濃度は、2質量%以上5質量%以下の範囲が好ましく、2.2質量%以上4.5質量%以下の範囲がより好ましい。このような範囲では、炭素材料を含む紡糸ペーストにおいて、静電紡糸法によって繊維形状としやすく好ましい。また、紡糸ペーストの密度は、0.9g/cm3以上1.2g/cm3以下の範囲が好ましく、0.95g/cm3以上1.0g/cm3以下の範囲がより好ましい。このような範囲では、炭素材料を含む紡糸ペーストにおいて、静電紡糸法によって繊維形状としやすく好ましい。なお、繊維状結着材は、静電紡糸法で紡糸する以外に、例えば、回転霧化静電スプレーなどにより行うこともできる。
(活物質複合体の製造装置)
この製造装置は、電極に用いられる活物質複合体を製造する装置である。図3は、活物質複合体製造装置30の一例を示す説明図である。この活物質複合体製造装置30は、活物質複合体10を製造するものであり、上述した活物質複合体の製造方法を実行する装置である。したがって、用いる原料や、配合比、紡糸条件などは、上述した製造方法の内容を適宜採用すればよい。この活物質複合体製造装置30は、チャンバー31と、供給部32と、吐出部33と、収容部コレクタ35と備えている。また、活物質複合体製造装置30は、電圧印加部36や撹拌部38を備えているものとしてもよい。チャンバー31は、吐出部33や収容部コレクタ35を収容する箱体である。供給部32は、結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を収容して吐出部33へ一定速度で供給するものである。この溶液は、例えば、上記紡糸ペーストとしてもよく、導電材を含むものとしてもよい。供給部32は、例えば、シリンジ及びシリンジポンプにより構成してもよい。吐出部33は、供給部32から供給された溶液を吐出して紡糸し、収容部コレクタ35に収容された活物質の表面へ繊維状結着材を形成するものである。この吐出部33には、紡糸ペーストを収容部コレクタ35に向かって吐出するノズルが先端に配設されている。このノズルは、先端に開口を有するが、その開口の大きさは、紡糸する繊維状結着材の太さや、含まれる導電材の大きさに応じて経験的に選択するものとすればよい。例えば、吐出部33は、平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲の繊維状結着材を紡糸するものとしてもよい。また、吐出部33は、活物質11の表面に存在する平均凹凸周期よりも長い長さLの繊維状結着材を紡糸するものとしてもよい。活物質複合体製造装置30では、吐出部33のノズル及び紡糸ペーストは、電気的に浮いた状態で配置されており、紡糸ペーストを介してノズルが接地されないように構成されている。収容部コレクタ35は、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質11を収容する容器状のものであり、吐出部33から吐出されて形成された導電繊維状結着材20を受ける部材である。また、この収容部コレクタ35は、アースされている。吐出部33から吐出された繊維状結着材は、静電引力で収容部コレクタ35へ向かって防止される。電圧印加部36は、吐出部33に高電圧(例えば、+10kV以上+50kV以下)を印加するものである。撹拌部38は、収容部コレクタ35に収容された活物質を撹拌、混合するものである。この撹拌部38は、例えば、マグネチックスターラーやそれ以外の回転系スターラー、振動攪拌器、機体流動攪拌器などとしてもよい。
活物質複合体製造装置30が実行する紡糸条件としては、ノズル径、ノズルの印加電圧、紡糸ペーストの供給速度、コレクタ形状などがある。ノズル径は、紡糸する繊維の平均直径Dに応じて適宜選択することができ、例えば0.1mm〜0.5mmの範囲のいずれかにしてもよい。ノズルの印加電圧は、繊維を作製する規模に応じて適宜選択することができ、例えば+10kV〜+50kVの範囲としてもよい。紡糸ペーストの供給速度は、繊維を作製する規模に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1mL/hr〜10mL/hrの範囲としてもよい。
(電極)
本開示の電極は、上述した活物質複合体を備えたものである。この電極は、活物質の電位に対して対極の電位に基づいて正極又は負極のいずれかとなる。この電極は、集電体上に上述した活物質複合体を形成し、加熱処理して集電体上に固着したものとしてもよい。即ち、上述した活物質複合体は、溶媒を用いてペースト状にして集電体上に塗布するなどの工程は不要であり、活物質複合体をそのまま集電体に形成することができる。即ち、本開示の活物質複合体は、乾燥工程で電極を作製可能なものである。活物質複合体の集電体上への固着は、例えば、加熱プレスなどにより行うことができる。加熱温度は、樹脂の種別に応じて適宜設定すればよいが、例えば、100℃以上や120℃以上、150℃以上としてもよいし、200℃以下や180℃以下、160℃以下などとしてもよい。集電体は、活物質の電位などに応じて適宜選択すればよいが、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、銅、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。活物質複合体の形成量は、蓄電デバイスに求められる所望の性能に応じて適宜設定すればよい。
(蓄電デバイス)
本開示の蓄電デバイスは、上述した活物質複合体を有する電極を備えたものである。この蓄電デバイスは、正極活物質の活物質複合体を有する正極と、負極活物質の活物質複合体を有する負極と、のうち少なくとも1以上を有するものとすればよい。例えば、正極及び負極の両者が上記活物質複合体を有する電極としてもよい。また、この蓄電デバイスは、正極と、負極と、正極及び負極の間に介在しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体とを備えるものとしてもよい。この蓄電デバイスは、リチウム二次電池やリチウムイオン二次電池、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、空気電池などのうちいずれかであるものとしてもよい。
イオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性が優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスの取れたものとすることができる。
支持塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩を溶解する濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体のイオン伝導性ポリマーをイオン伝導媒体として用いることもできる。イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、フッ化ビニリデンなどのポリマーと支持塩とで構成されるポリマーゲルを用いることができる。更に、イオン伝導性ポリマーと非水系電解液とを組み合わせて用いることもできる。また、イオン伝導媒体としては、イオン伝導性ポリマーのほか、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
本開示の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、リチウム二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
この蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図4は、蓄電デバイス40の一例を示す模式図である。この蓄電デバイス40は、カップ形状の電池ケース41と、正極活物質を有しこの電池ケース41の下部に設けられた正極42と、負極活物質を有し正極42に対してセパレータ44を介して対向する位置に設けられた負極43と、絶縁材により形成されたガスケット45と、電池ケース41の開口部に配設されガスケット45を介して電池ケース41を密封する封口板46と、を備えている。この蓄電デバイス40は、正極42と負極43との間の空間にイオン伝導媒体47が介在している。正極42及び負極43のいずれか1以上が上述した活物質複合体を含んでいる。
以上詳述した本実施形態の活物質複合体の製造装置及び活物質複合体の製造方法では、結着材の量をより低減することができる。一般的に、電極材料として、例えば、粒子状の結着材を用いることがある。また、活物質の粒子の表面には凹凸がある。この場合、活物質の粒子表面の凹部に結着材粒子が入り込むことがあり、十分な結着性が得られないことがあった。また、結着性を高めるために必要量よりも多い結着材を要することがあり、電解液の入り込む空間がより希少となり、イオン伝導性を妨げることがあった。また、活物質粒子の表面に結着材の膜が形成されることがあり、イオン伝導性を妨げることがあった。このような課題があるが、本開示では、繊維状の結着材と活物質とを複合化することによって、結着材が活物質粒子の凹部に入り込まずに活物質粒子の表面に存在することができる。したがって、この活物質複合体では、電極を作製する際において、より少ない結着材の量でも、活物質を十分結着することができる。また、導電材を含む繊維状結着材では、粒子状の導電材を用いた場合に生じうる導電材の凹部への入り込みも抑制することができる。これにより、電解液が活物質に接触しやすくなる。この活物質複合体では、例えば、結着性や導電性のほか、イオン伝導性も改善することができる。更に、活物質の表面に繊維状の結着材が固着しているため、溶媒を用いて合材ペーストを用いた塗布工程などが必要なく、乾燥工程によって電極を作製することができ、工程の大幅な簡略化を図ることができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本開示の活物質複合体の製造装置及びその製造方法を具体的に実施した例を実験例として説明する。なお、実験例1、7、9、10、12、13が比較例に相当し、実験例2〜6、8、11が実施例に相当する。
(実験例1〜7)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を体積比として90:5:5で混合した混合溶媒に、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF,クレハ製W7300)を溶解した溶液へ、導電材としてのアセチレンブラック(デンカ製HS−100)を添加した。アセチレンブラックは、一次粒径が20〜50nmのものを用いた。この溶液を−60℃以下の露点雰囲気で十分に拡散したものを紡糸用ペーストとして用いた。実験例1〜6の導電材(炭素材料)の添加量、結着材(樹脂)の濃度、ペースト密度及び溶媒をまとめて表1に示した。なお、PHRは、結着材の固形分の100質量部に対する導電材の質量部を示し、100PHRは、結着材と導電材とが同質量であることを表す。また、表1には、結着材の固形分の100体積部に対する導電材の体積部も示した。導電繊維状結着材の紡糸は、図3Aに示す活物質複合体製造装置30を用いて行った。紡糸工程は、100mm下方に配置しアースしたCu平板のコレクタに向けて、+20kVに電圧を印加した0.4mmのノズルから紡糸用ペーストを2mL/hrの流量で吐出させる条件で行った。なお、ノズル及び紡糸ペーストは、電気的に浮いた状態で配置されており、紡糸ペーストを介してノズルが接地されないようになっている。導電材の添加比が200PHR、150PHR、100PHR、50PHR、30PHR、20PHR及び10PHRであるものをそれぞれ実験例1〜7の導電繊維状結着材とした。
(走査型電子顕微鏡(SEM)観察)
実験例1〜7のSEM観察を行った。SEM観察は、日立ハイテクノロジーズ社製S−3600Nを用いて1000〜5000倍の条件で行った。また、観察結果より、導電繊維状結着材の直径D(μm)を計測し、その上下限値を求めた。
(電気抵抗評価)
実験例1〜7の体積抵抗率を測定した。測定試料は、上記紡糸ペーストを用いて、図5に示す活物質複合体製造装置30Bを用いて紡糸した。図5は、活物質複合体製造装置30Bによる繊維作製及び評価の説明図であり、図5Aが活物質複合体製造装置30Bの説明図、図5Bが得られた導電繊維状結着材の説明図、図5Cが直線状に伸ばした導電繊維状結着材とそのSEM写真、図5Dが距離に対する抵抗の測定概念図である。活物質複合体製造装置30Bは、円周部が鋭角に形成された所定直径(例えば200mm)の円板形状のコレクタ34Bを備えている。コレクタ34Bを回転させながら紡糸すると、その円周部に沿って導電繊維状結着材が紡糸される。上述した紡糸条件により、コレクタ34Bを300rpmで回転させながら30分間紡糸した。これを直線状に伸ばしたサンプルを用いて、繊維の長手方向の抵抗を測定した。ここでは、距離を変えたときの抵抗を測定し(図5C)、その関係図(図5D)の傾きに基づいて体積抵抗率(Ωcm)を求めた。
(結着性評価)
実験例1〜7の結着性の評価を行った。この評価では、上述した電気抵抗の評価を行った導電繊維状結着材の繊維束1cmを15μm角のAl箔集電体に挟んで、含まれる樹脂の融点以上である200℃でロールプレスを行った。常温に戻したあと、Al箔同士が付着しているものを「A」、Al箔が剥がれたものを「C」と評価した。
(総合判定)
また、実験例1〜7を総合判定した。この評価では、体積抵抗率が10Ωcm以下で且つ結着性「A」であるものを総合判定「A」、体積抵抗率が10Ωcm超過100Ωcm以下の範囲で且つ結着性「A」であるものを総合判定「B」、体積抵抗率が100Ωcm超過、又は結着性「C」であるものを総合判定「C」とした。
(結果と考察)
図6は、実験例1の導電繊維状結着材のSEM写真であり、図6Bが図6Aの拡大写真である。図6Cは、実験例3の導電繊維状結着材のSEM写真であり、図6Dが図6Cの拡大写真である。図6Eは、実験例5の導電繊維状結着材のSEM写真であり、図6Fが図6Eの拡大写真である。また、実験例1〜7の導電材添加比と、結着材濃度、ペースト密度ρ及びペーストの溶媒種別をまとめて表2に示した。図6、表2に示すように、実験例1〜7において、紡糸条件及びペーストの粘度を適正化することにより、炭素材料を200PHRまで含む結着材樹脂を繊維状に紡糸することができることが確認された。また、得られた導電繊維状結着材は、容易に解砕することができ、適宜その繊維長さLを調整することができた。また、表2に示すように、実験例1〜6では、体積抵抗率が100Ωcm以下であり好ましく、特に実験例1〜5では体積抵抗率が10Ωcm以下でありより好ましいことがわかった。また、実験例2〜7では、結着性が良好であり、繊維径Dが0.3〜3μmと好ましい範囲であった。総合評価としては、導電材が20〜150PHRであるものが好ましく、30PHR以上がより好ましいことがわかった。
実験例2〜6では、導電性、結着性の良好な導電繊維状結着材を得ることができることがわかった。また、活物質粒子の直径Xが3〜30μmであるとすると、その表面に形成される平均凹凸周期Yは、0.3〜3μm程度であると見積もられる。活物質粒子の表面に凹凸が存在しても、導電繊維状結着材はその凹部に埋没することが抑制されるため、導電材や結着材によりその凹部が閉塞されることがより抑制されることが容易に予想される。即ち、この導電繊維状結着材によれば、電極のイオン伝導性についてもより向上することができると見込まれた。更に、繊維状の導電結着材であるため、電極の作製工程において、電極合材ペーストのように溶媒を使用せずに、活物質粒子と混合し加熱するなどして活物質を集電体に結着させることができる、即ちドライプロセスで電極を作製することができるため、ペースト作製や溶媒の回収、乾燥に関する製造設備を省略することができ、より容易な工程で電極を作製することができるものと推察された。
(実験例8)
次に、正極活物質の粒子表面に導電繊維状結着材を形成した複合体を作製した。正極活物質粒子は、平均粒径D50が5μmであるLiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いた。ここでは、図3に示した活物質複合体製造装置30を用い、実験例2の100PHRの導電繊維状結着材を正極活物質上に紡糸した。静電紡糸は、正極活物質が97.0質量%、導電繊維状結着材が3.0質量%となる組成比で、正極活物質を撹拌しながら、実験例2と同様の条件で行った。得られた複合体を実験例8とした。図7は、実験例8の導電繊維状結着材(図7A)及び正極活物質複合体(図7B)のSEM写真である。図7Aの導電繊維状結着材は、平板状のコレクタに紡糸した。図7Aに示すように、静電紡糸により作製した導電繊維状結着材は、その直径Dが300nm〜3μmの範囲内であった。また、この導電繊維状結着材は、体積抵抗率が10-2Ωcmであった。また、図7Bに示すように、活物質粒子の表面には、複数の導電繊維状結着材が形成されていることがわかった。また、導電繊維状結着材は、粒子の凹部の長さYよりも長い長さを有し、凹部の内部に収容されずに外表面に形成されていることがわかった。
次に、正極活物質複合体を用いて正極を作製し、ハーフセルを組み立て、その充放電特性を検討した。正極活物質複合体を厚さ15μmのAl箔上にふるいを用いて乾燥塗布し、150℃でプレスを行い、直径16mmの円状に打ち抜き、これを正極とした。正極活物質の目付量は、10mg/cm2とした。作用極をこの正極とし、対極をLi金属とし、セパレータを介してこれらを対向したハーフセルを組み立てた。セパレータには、厚さ15μm、気孔率40体積%のポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)を体積比で30/40/30で混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解させたものを用いた。得られたものを実験例8のハーフセルとした。
(実験例9)
従来のスラリー法で正極を作製した。正極活物質としてLiCo1/3Ni1/3Mn1/32を用い、活物質を95.3質量%、導電材としてカーボンブラックを2.9質量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを3.7質量%混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加、分散してスラリー状の正極合材とした。この正極合材を15μm厚のAl箔に均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートを作製した。塗布シートをロールプレスに通して高密度化させ、直径が16mmとなるように打ち抜き、これを正極とした。この正極を用いた以外は、実験例8と同様にハーフセルを組み立て、得られたものを実験例9とした。
(実験例10)
特開2016−72152号公報の製造方法に基づき、粒子状の結着材と粒子状の導電材とを複合化した正極活物質複合体を用いて乾式で正極を作製した以外は、実験例8と同様にハーフセルを組み立て、得られたものを実験例10とした。結着材としてポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製、HSV900、数平均粒子径:0.2μm)を用い、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、デンカブラックHS−100、数平均粒子径:0.048μm)を用いた。正極活物質、導電材および結着剤の配合比は、実験例9と同様に、それぞれ、95.3質量%、2.9質量%、3.7質量%とした。正極活物質、導電材および結着剤をミキサー(協立理工株式会社製、SK−M10R)を用いて、室温にて5分間攪拌することで正極活物質複合体を得た。
(充放電試験)
作製した実験例8〜10のハーフセルを用い、充放電試験を行った。充放電試験は、上限電圧4.1V、下限電圧3.0V、電流密度を0.4mA/cm2、試験温度を20℃として定電流充放電を実施した。
(結果と考察)
図8は、実験例8〜10のハーフセルの充放電曲線である。図8に示すように、実験例10では、従来のスラリー法による実験例9と同じ導電材、結着材の配合量であるが、実験例9に比して容量が大きく、且つ分極抵抗が低くなることが確認された。一方、導電繊維状結着材を用いた実験例8では、導電材及び結着材の量が合計3質量%と実験例9,10の半分以下であるが、電極を作製することができ、更に容量や分極抵抗においてより良好であり、優れた性能を示すことがわかった。なお、実験例8の正極の密着性をテープ剥離試験で評価したところ、従来の実験例10の正極と遜色のない密着強度を有することがわかった。
(実験例11)
次に、負極活物質の粒子表面に繊維状結着材を形成した複合体を作製した。負極活物質粒子は、平均粒径D50が10μmである天然黒鉛を用いた。ここでは、図3に示した活物質複合体製造装置30を用い、繊維状結着材を負極活物質上に紡糸した。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を体積比として90:5:5で混合した混合溶媒に、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF,クレハ製W9300)を溶解した。この溶液を−60℃以下の露点雰囲気で十分に拡散したものを紡糸用ペーストとして用いた。静電紡糸は、繊維状結着材が1.0質量%となる組成比で、負極活物質を撹拌しながら、実験例2と同様の条件で行った。得られた複合体を実験例11とした。図9は、実験例11の繊維状結着材(図9A)及び負極活物質複合体(図9B)のSEM写真である。図9Aに示すように、繊維状結着材は、直径Dが300nm〜3μmの範囲内にあり、導電材が添加されていないため導電性は有していなかった。また、図9Bに示すように、活物質粒子の表面には、複数の繊維状結着材が形成されていることがわかった。また、繊維状結着材は、粒子の凹部の長さYよりも長い長さを有し、凹部の内部に収容されずに外表面に形成されていることがわかった。
次に、負極活物質複合体を用いて負極を作製し、ハーフセルを組み立て、その充放電特性を検討した。負極活物質複合体を厚さ10μmのCu箔上にふるいを用いて乾燥塗布し、150℃でプレスを行い、直径16mmの円状に打ち抜き、これを負極とした。負極活物質の目付量は、10mg/cm2とした。作用極をこの負極とし、対極をLi金属とし、セパレータを介してこれらを対向したハーフセルを組み立てた。セパレータには、厚さ15μm、気孔率40体積%のポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)を体積比で30/40/30で混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解させたものを用いた。得られたものを実験例11のハーフセルとした。
(実験例12)
従来のスラリー法で負極を作製した。負正極活物質として天然黒鉛を用い、活物質を97質量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを3.0質量%混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加、分散してスラリー状の負極合材とした。この負極合材を10μm厚のCu箔に均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートを作製した。塗布シートをロールプレスに通して高密度化させ、直径16mmとなるように打ち抜き、これを負極とした。この負極を用いた以外は、実験例11と同様にハーフセルを組み立て、得られたものを実験例12とした。
(実験例13)
特開2016−72152号公報の製造方法に基づき、粒子状の結着材を複合化した負極活物質複合体を用いて乾式で負極を作製した以外は、実験例11と同様にハーフセルを組み立て、得られたものを実験例13とした。結着材としてポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製、HSV900、数平均粒子径:0.2μm)を用いた。負極活物質および結着剤の配合比は、実験例12と同様に、それぞれ、97質量%、3.0質量%とした。負極活物質および結着剤をミキサー(協立理工株式会社製、SK−M10R)を用いて、室温にて5分間攪拌することで負極活物質複合体を得た。
(充放電試験)
作製した実験例11〜13のハーフセルを用い、充放電試験を行った。充放電試験は、上限電圧1.5V、下限電圧0.01V、電流密度を0.4mA/cm2、試験温度を20℃として定電流充放電を実施した。
(結果と考察)
図10は、実験例11〜13のハーフセルの充放電曲線である。図10に示すように、実験例13では、従来のスラリー法による実験例12と同じ結着材の配合量であるが、実験例12に比して容量が大きく、且つ分極抵抗が低くなることが確認された。一方、繊維状結着材を用いた実験例11では、結着材の量が1質量%と実験例12,13の半分以下であるが、電極を作製することができ、更に容量や分極抵抗においてより良好であり、優れた性能を示すことがわかった。なお、実験例11の負極の密着性をテープ剥離試験で評価したところ、従来の実験例12の正極と遜色のない密着強度を有することがわかった。
表3に実験例8〜13の活物質、作製工程、電極容量をまとめて示した。以上の結果より、ドライ電極作製プロセスに用いる活物質複合体には、繊維状結着材及び導電繊維状結着材を複合化することにより、粒子状結着材よりも少量の結着材量で電極の作製が可能になると共に、電池性能も向上することが明らかとなった。特に、導電材が必要な正極では、繊維状の結着材を添加した導電繊維状結着材と正極活物質と複合化することによって、導電材と活物質との密着性も確保可能であり、低コスト化をより図ることができるものと推察された。
なお、本開示は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本明細書で開示した活物質複合体の製造装置及び活物質複合体の製造方法は、二次電池などの蓄電デバイスの技術分野に利用可能である。
10 活物質複合体、20 繊維状結着材、20A,20B,20C 導電繊維状結着材、21 樹脂、22 炭素粒子、22B 鱗片状炭素、22C カーボンナノチューブ、30,30B 活物質複合体製造装置、31 チャンバー、32 収容部、33 吐出部、34,34B コレクタ、35 収容部コレクタ、40 蓄電デバイス、41 電池ケース、42 正極、43 負極、44 セパレータ、45 ガスケット、46 封口板、47 イオン伝導媒体。

Claims (20)

  1. 電極に用いられる活物質複合体の製造装置であって、
    結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を収容して供給する供給部と、
    キャリアイオンを吸蔵放出する活物質を収容する収容部と、
    前記供給部から供給された前記溶液を吐出して紡糸し、前記収容部の活物質の表面へ繊維状結着材を形成する吐出部と、
    を備えた活物質複合体の製造装置。
  2. 前記吐出部は、平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲の繊維状結着材を紡糸する、請求項1に記載の活物質複合体の製造装置。
  3. 前記吐出部は、前記活物質の表面に存在する平均凹凸周期よりも長い長さLの前記繊維状結着材を紡糸する、請求項1又は2に記載の活物質複合体の製造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造装置であって、
    前記吐出部に電圧を印加する電圧印加部、を備え、
    前記収容部は、コレクタであり、
    前記吐出部は、静電紡糸する、活物質複合体の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造装置であって、
    前記収容部に収容された前記活物質の粉体を撹拌、混合する撹拌部、
    を備えた、活物質複合体の製造装置。
  6. 前記供給部は、更に導電材を含む前記溶液を収容し、
    前記吐出部は、前記導電材を更に含む溶液を吐出して紡糸する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造装置。
  7. 電極に用いられる活物質複合体の製造方法であって、
    結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を用い、平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸し、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質の表面へ繊維状結着材を直接形成する紡糸形成工程、
    を含む活物質複合体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造装置を用いた活物質複合体の製造方法であって、
    結着材である樹脂を溶媒に溶解した溶液を用い、平均直径Dが0.03μm以上3μm以下の範囲となるように紡糸し、キャリアイオンを吸蔵放出する活物質の表面へ繊維状結着材を直接形成する紡糸形成工程、
    を含む活物質複合体の製造方法。
  9. 前記紡糸形成工程では、結着材である樹脂と、導電材である炭素材料とを前記樹脂の100体積部に対して前記炭素材料が20体積部以上150体積部以下の範囲となるよう溶媒と共に混合し、体積抵抗率が100Ωcm以下である導電繊維状結着材を前記活物質の表面に形成する、請求項7又は8に記載の活物質複合体の製造方法。
  10. 前記紡糸形成工程では、前記炭素材料を前記樹脂の100質量部に対する質量比率が20PHR以上150PHR以下となるよう混合する、請求項9に記載の活物質複合体の製造方法。
  11. 前記紡糸形成工程では、前記炭素材料として、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛及びカーボンナノチューブのうち1以上を用いる、請求項9又は10に記載の活物質複合体の製造方法。
  12. 前記紡糸形成工程では、粒径が20nm以上50nm以下の範囲である前記炭素材料を用いる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  13. 前記紡糸形成工程では、体積抵抗率が10Ωcm以下である前記導電繊維状結着材を紡糸する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  14. 前記紡糸形成工程では、粒子状であり、一次粒子の粒径が10nm以上100nm以下の範囲である前記炭素材料を用いる、請求項9〜13のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  15. 前記紡糸形成工程では、体積抵抗率が103Ωcm以上である前記活物質を用いる、請求項9〜14のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  16. 前記紡糸形成工程では、体積抵抗率が102Ωcm以下である前記活物質を用いる、請求項7〜15のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  17. 前記紡糸形成工程では、前記活物質の平均粒径Xに対して1/5以下の平均直径Dを有する前記繊維状結着材を紡糸する、請求項7〜16のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  18. 前記紡糸形成工程では、平均直径Dが0.3μm以上2μm以下の範囲に前記繊維状結着材を紡糸する、請求項7〜17のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  19. 前記紡糸形成工程では、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びアセトンのうち1以上を含む前記溶媒を用いる、請求項7〜18のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
  20. 前記紡糸形成工程では、静電紡糸法により前記繊維状結着材を紡糸する、請求項7〜19のいずれか1項に記載の活物質複合体の製造方法。
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