JP2021035293A - アクチュエータおよびアクチュエータの製造方法 - Google Patents

アクチュエータおよびアクチュエータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲル状ダンパー部材を用いて可動体と支持体とを接続するアクチュエータにおいて、ゲル状ダンパー部材の変形特性を確保しながら耐久性を高める。【解決手段】アクチュエータ1Aは、支持体2と可動体3とを接続するゲル状ダンパー部材9と、可動体3を支持体2に対して振動させる磁気駆動機構6を備える。ゲル状ダンパー部材9は、大判のシート状ゲルを切断したゲル状部材90と、ゲル状部材90の切断面を覆うコーティング層95を備える。コーティング層95は、露出面96となる端面に形成されているため、ゲル状部材90の破壊がコーティング層95によって抑制される。また、コーティング層95は、ゲル状部材90を構成するシリコーンゲルよりも伸びやすく破断しにくいゴム弾性膜である。従って、ゲル状ダンパー部材9の変形特性を確保しながら耐久性を高めることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、振動を発生させるアクチュエータおよびその製造方法に関する。
特許文献1には、振動を発生させるアクチュエータが開示される。特許文献1のアクチュエータは、支持体および可動体と、支持体に対して可動体を相対移動させる磁気駆動機構を備える。磁気駆動機構は、コイルと磁石とを有する。コイルと磁石の一方は支持体に配置され、コイルと磁石の他方は可動体に配置される。支持体と可動体は、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体によって接続される。
特許文献1のアクチュエータでは、接続体として、シリコーンゲル等のゲル状ダンパー部材が用いられる。ゲル状ダンパー部材は、矩形状にカットされており、支持体と可動体とが対向する箇所に配置される。支持体に対して可動体が振動する際、ゲル状ダンパー部材はせん断方向に変形する。
特開2019−13094号公報
接続体としてゲル状ダンパー部材を用いる場合、ゲル状ダンパー部材の変形特性と耐久性との両立が課題となっている。例えば、低い周波数で大きな振動を出力できるような変形特性(バネ定数)を持つシリコーンゲルからなるゲル状ダンパー部材は、脆くて壊れやすい。ゲル状ダンパー部材は、表面にキズができるとキズが成長して壊れやすいが、脆いゲル状ダンパー部材はキズができやすい。特に、応力が集中する部位は疲労劣化によりキズが発生しやすくなる。そのため、ゲル状ダンパー部材の耐久性が低い。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ゲル状ダンパー部材の変形特性を確保しながら耐久性を高めることにある。
上記課題を解決するために、本発明のアクチュエータは、支持体と、可動体と、前記支持体と前記可動体とを接続するゲル状ダンパー部材と、前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有し、前記ゲル状ダンパー部材は、ゲル状部材と、前記ゲル状部材の表面を覆うコーティング層を備え、前記コーティング層は、少なくとも前記ゲル状ダンパー部材の露出面に配置され、前記コーティング層の弾性率は、前記ゲル状部材の弾性率より小さいことを特徴とする。
本発明によれば、支持体と可動体とを接続するゲル状ダンパー部材は、ゲル状部材の表面にコーティング層を形成した部材である。コーティング層は、少なくとも、ゲル状ダンパー部材における露出面の部分に設けられている。このように、ゲル状部材の露出面がコーティングされていれば、ゲル状部材にキズが発生することを抑制でき、コーティングを施す前にキズができていたとしてもキズの成長を抑制できる。また、ゲル状部材よりもコーティング層の方が弾性率が小さく伸びやすいので、ゲル状部材の変形をコーティング層が妨げないようにすることができる。従って、ゲル状ダンパー部材の変形特性に対するコーティング層の影響が少ないので、ゲル状ダンパー部材の変形特性を確保しながら耐久性
を高めることができる。
本発明において、前記ゲル状部材の弾性限界点でのひずみ量より、前記コーティング層の弾性限界点でのひずみ量の方が大きいことが好ましい。このようにすると、ゲル状ダンパー部材が変形する際に、ゲル状部材よりもコーティング層の方が破断しにくい。従って、ゲル状ダンパー部材の変形特性を確保しながら耐久性を高めることができる。
本発明において、前記コーティング層の膜厚が200μm以下であることが好ましい。また、より好ましくは、前記コーティング層の膜厚が100μm以下にするとよい。このように、コーティング層の膜厚を薄くすることにより、ゲル状ダンパー部材の変形特性へのコーティング層の影響を少なくすることができる。
本発明において、前記コーティング層は、ゴムからなるものとすることができる。例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等のコーティング材を用いることにより、伸びやすく破断しにくいコーティング層を形成できる。
本発明において、前記ゲル状部材は、前記支持体と前記可動体の一方に設けられる第1枠部材と、前記支持体と前記可動体の他方に設けられ、前記第1枠部材の外周側に配置される第2枠部材との径方向の隙間に成型されており、前記コーティング層は、前記ゲル状部材の表面から前記第1枠部材の表面へはみ出すと共に、前記ゲル状部材の表面から前記第2枠部材の表面へはみ出しているものとすることができる。このように、第1枠部材と第2枠部材との間にゲル状部材を直接成型する場合には、コーティング層をゲル状部材の表面から第1枠部材の表面および第2枠部材の表面にはみ出させることにより、ゲル状部材の端部を保護できる。従って、ゲル状ダンパー部材の耐久性を高めることができる。
次に、本発明は、支持体および可動体と、前記支持体と前記可動体とを接続するゲル状ダンパー部材と、前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有するアクチュエータの製造方法であって、ゲル材料から前記ゲル状ダンパー部材より大きい大型ゲル状部材を成型する成型ステップと、前記大型ゲル状部材を切断してゲル状部材を得る切断ステップと、前記ゲル状部材に対して、少なくとも切断面にコーティング層を形成して前記ゲル状ダンパー部材を得るコーティング層形成ステップと、前記コーティング層が形成された面を露出面とするように前記ゲル状ダンパー部材を配置して、前記支持体と前記可動体とを前記ゲル状ダンパー部材によって接続する組立ステップと、を行うことを特徴とする。
本発明では、大型ゲル状部材を切断してゲル状ダンパー部材として用いる場合に、ゲル状部材の切断面にコーティング層を形成するので、切断面の端面品質が悪くても切断面におけるキズの発生および成長を抑制できる。従って、ゲル状ダンパー部材の耐久性を高めることができる。また、ゲル状部材の表面にコーティング層を形成すれば、ゲル状部材が取り扱い易くなる。従って、アクチュエータの製造を容易化することができる。
本発明によれば、支持体と可動体とを接続するゲル状ダンパー部材は、ゲル状部材の表面にコーティング層を形成した部材である。コーティング層は、少なくとも、ゲル状ダンパー部材における露出面の部分に設けられている。このように、ゲル状部材の露出面がコーティングされていれば、ゲル状部材にキズが発生することを抑制でき、コーティングを施す前にキズができていたとしてもキズの成長を抑制できる。また、ゲル状部材よりもコーティング層の方が弾性率が小さく伸びやすいので、ゲル状部材の変形をコーティング層が妨げないようにすることができる。従って、ゲル状ダンパー部材の変形特性に対するコーティング層の影響が少ないので、ゲル状ダンパー部材の変形特性を確保しながら耐久性
を高めることができる。
本発明の実施形態1に係るアクチュエータの斜視図である。 実施形態1のアクチュエータの断面図である。 実施形態1のアクチュエータの分解斜視図である。 実施形態1のアクチュエータの磁気駆動機構、ヨーク、およびホルダの分解斜視図である。 実施形態1のアクチュエータの製造方法の一部を模式的に示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るアクチュエータの断面図である。 実施形態2のアクチュエータの製造方法の一部を模式的に示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。実施形態1、2のアクチュエータは、支持体2および可動体3と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動機構6と、支持体2と可動体3とを接続するゲル状ダンパー部材9を有する。磁気駆動機構6は、コイル7と磁石8を有する。磁気駆動機構6は、コイル7が支持体2の側に設けられ、磁石8が可動体3の側に設けられた態様、および、磁石8が支持体2の側に設けられ、コイル7が可動体3の側に設けられた態様を採用することができる。以下の説明では、コイル7が支持体2の側に設けられ、磁石8が可動体3の側に設けられた態様を中心に説明する。
ゲル状ダンパー部材9は、ゲル状部材90と、ゲル状部材90の表面に形成されたコーティング層95を備える。コーティング層95の弾性率は、ゲル状部材90の弾性率より小さい。また、ゲル状部材90の弾性限界点でのひずみ量より、コーティング層95の弾性限界点でのひずみ量の方が大きい。ゲル状部材90およびコーティング層95は、これらの条件を満たすように形成されている。
実施形態1、2において、ゲル状部材90は、針入度が10度から110度のシリコーンゲルである。針入度とは、JIS−K−2207やJIS−K−2220で規定されており、この値が小さい程、硬いことを意味する。ゲル状ダンパー部材9は、その伸縮方向によって、線形あるいは非線形の伸縮特性を備える。例えば、ゲル状ダンパー部材9は、その厚さ方向に押圧されて圧縮変形する際は、線形の成分よりも非線形の成分が大きい伸縮特性を備える。これに対して、厚さ方向に引っ張られて伸びる場合は、非線形の成分よりも線形の成分が大きい伸縮特性を備える。また、ゲル状ダンパー部材9が厚さ方向と交差する方向(せん断方向)に変形する場合、引っ張られて伸びる方向の変形であるため、非線形の成分よりも線形の成分が大きい変形特性を備える。
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係るアクチュエータ1Aの斜視図である。図2は、実施形態1のアクチュエータ1Aの断面図である。図3は、実施形態1のアクチュエータ1Aの分解斜視図である。実施形態1において、第1方向Z、第2方向Xおよび第3方向Yは互いに直交する方向である。また、第2方向Xの一方側にX1を付し、第2方向Xの他方側にX2を付し、第3方向Yの一方側にY1を付し、第3方向Yの他方側にY2を付し、第1方向Zの一方側にZ1を付し、第1方向Zの他方側にZ2を付して説明する。
図1および図2に示すように、実施形態1のアクチュエータ1Aは、全体として、第2方向Xの寸法が第3方向Yの寸法より大きい直方体形状である。実施形態1では、可動体3が支持体2に対して第2方向Xに振動する。可動体3が第2方向Xに振動すると、アク
チュエータ1Aにおける重心が第2方向Xに変動する。このため、利用者は、第2方向Xの振動を体感することができる。なお、実施形態1において、可動体3を第3方向Yに駆動する態様を採用することもできる。
(支持体)
図1、図2および図3に示すように、実施形態1のアクチュエータ1Aにおいて、支持体2は、カバー11とホルダ60とを有しており、カバー11の内側に、図2に示す可動体3および磁気駆動機構6が配置されている。カバー11は、第1方向Zの一方側Z1に位置する第1カバー部材16と、第1カバー部材16に対して第1方向Zの他方側Z2から重なる第2カバー部材17とを有する。第1カバー部材16、ホルダ60および第2カバー部材17を第1方向Zに重ねた状態で、一方の対角位置に配置したネジ18によって第1方向Zで締結することにより、支持体2が形成されている。なお、支持体2の他方の対角位置には、アクチュエータ1Aを各種機器に搭載する際、機器のフレームに対して止めるネジ(図示せず)が配置される。
第1カバー部材16、ホルダ60および第2カバー部材17の第3方向Yの一方側Y1の側面には、第1カバー部材16の凹部160、ホルダ60の凹部635、第2カバー部材17の凹部170が形成されており、ここに配線基板15が固定される。その際、ホルダ60の凹部635に形成された凸部636を配線基板15の穴155に嵌めて、配線基板15の位置決めを行い、その後、接着剤等によって配線基板15を固定する。
図2、図3に示すように、第1カバー部材16には、第1方向Zの他方側Z2に向かって開口する略長方形の凹部165が形成されている。また、凹部165の底部には、第2方向Xで並ぶ2つの凹部166、167が形成されている。図3に示すように、凹部165は、第2方向Xの一方側X1に位置する第1壁部161と、第2方向Xの他方側X2に位置する第2壁部162と、第3方向Yの一方側Y1に位置する第3壁部163と、第3方向Yの他方側Y2に位置する第4壁部164とによって囲まれている。第3壁部163の外面には、第2方向Xに沿って延在する凹部160が形成されている。
第2カバー部材17は、第1カバー部材16に対して第1方向Zで略対称に形成されている。図2に示すように、第2カバー部材17には、第1方向Zの一方側Z1に向かって開口する略長方形の凹部175が形成されている。また、凹部175の底部には、第2方向Xで並ぶ2つの凹部176、177が形成されている。図3に示すように、第2カバー部材17において、凹部175は、第2方向Xの一方側X1に位置する第1壁部171と、第2方向Xの他方側X2に位置するに第2壁部172と、第3方向Yの一方側Y1に位置する第3壁部173と、第3方向Yの他方側Y2に位置する第4壁部174とによって囲まれている。第3壁部173の外面には、第2方向Xに沿って延在する凹部170が形成されている。
(磁気駆動機構)
図4は、実施形態1のアクチュエータ1Aの磁気駆動機構6、ヨーク85、およびホルダ60の分解斜視図である。図2、図4に示すように、磁気駆動機構6は、コイル7と、コイル7に対して第1方向Zで対向する磁石8とを有している。コイル7は、第2方向Xで並列するように2つ配置されている。コイル7は、第3方向Yに長辺701(有効部分)が延在する長円形状の空芯コイルであり、第1方向Zを厚み方向とする扁平コイルである。コイル7は、ホルダ60に保持されている。
(ホルダ)
図2、図4に示すように、ホルダ60は、2つのコイル保持穴66、67が第2方向Xで並列するように形成されており、コイル保持穴66、67にコイル7が配置されている
。コイル保持穴66、67は貫通穴であり、第3方向Yの両端部に受け部661、671が形成されている。従って、コイル保持穴66、67に第1方向Zの他方側Z2からコイル7を装着すると、コイル7の短辺702(無効部分)が受け部661、671によって第1方向Zの一方側Z1で支持される。この状態で、コイル7は接着剤等によってホルダ60に固定される。
ホルダ60は、コイル保持穴66、67が形成されている部分に対して、第2方向Xの一方側X1、第2方向Xの他方側X2、第3方向Yの一方側Y1、および第3方向Yの他方側Y2には、第1壁部610、第2壁部620、第3壁部630、および第4壁部640を備えている。コイル保持穴66と第1壁部610との間に第1開口部601が形成され、コイル保持穴67と第2壁部620との間に第2開口部602が形成されている。第1開口部601、および第2開口部602はホルダ60を第1方向Zで貫通する。
第3壁部630の外面には、第2方向Xに沿って延在する凹部635が形成されており、凹部635の両端部には、第3方向Yの一方側Y1に突出した位置決め用の凸部636が形成されている。第3壁部630には、コイル保持穴66、67から第3壁部630の外面(凹部635の底面)まで延在するガイド溝637が4本形成されている。コイル7を構成する導線75の巻き始めの端部、および、巻き終りの端部は、ガイド溝637を通してカバー11の外側に引き出され、配線基板15の切り欠き150を通して配線基板15のランド151にハンダ付けされる。その結果、2つのコイル7は、直列に電気的に接続される。なお、2つのコイル7は、並列に電気的に接続してもよい。
(可動体)
図2、図4に示すように、可動体3は、磁石8と、磁石8を保持するヨーク85を備えている。ヨーク85は、コイル7に対して第1方向Zの一方側Z1で対向する第1板部860を備えた第1ヨーク86と、コイル7に対して第1方向Zの他方側Z2で対向する第2板部870を備えた第2ヨーク87とを有する。磁石8は、第1ヨーク86の第1板部860のコイル7と対向する面、および第2ヨーク87の第2板部870のコイル7と対向する面に保持されてコイル7に第1方向Zで対向している。なお、第1板部860と第2板部870の少なくとも一方にのみ磁石8が保持される構成とすることもできる。
実施形態1では、磁石8として、第1ヨーク86の第1板部860のコイル7と対向する面に接着等の方法で固定された磁石81と、第2ヨーク87の第2板部870のコイル7と対向する面に接着等の方法で固定された磁石82とが設けられている。この状態で、磁石81は、コイル7の長辺701に第1方向Zの一方側Z1で対向し、磁石82は、コイル7の長辺701に第1方向Zの他方側Z2で対向している。磁石81および磁石82は各々、厚さ方向(第1方向Z)で分極着磁されており、磁石81においてコイル7に対向する面と、磁石82においてコイル7と対向する面は異なる極に着磁されている。
第1ヨーク86は、第1板部860から第1方向Zの他方側Z2に向けて第2ヨーク87と重なる位置まで延在して第2ヨーク87と連結された第1連結板部861と、磁石81に対して第1連結板部861とは反対側で第1板部860から第1方向Zの他方側Z2に向けて第2ヨーク87と重なる位置まで延在して第2ヨーク87と連結された第2連結板部862とを備えている。第1連結板部861および第2連結板部862は、溶接により第2ヨーク87の端部と連結されている。第1連結板部861は、コイル7に対して第2方向Xの一方側X1でホルダ60の第1開口部601を通って第1方向Zの他方側Z2に向けて延在し、第2連結板部862は、コイル7に対して第2方向Xの他方側Z2でホルダ60の第2開口部602を通って第1方向Zの他方側Z2に向けて延在している。
(ゲル状ダンパー部材)
図2に示すように、支持体2と可動体3とが第1方向Zで対向する個所にはゲル状ダンパー部材9が配置されている。実施形態1では、ゲル状ダンパー部材9として、可動体3の第1ヨーク86と支持体2の第1カバー部材16とが第1方向Zで対向する個所に第1ゲル状ダンパー部材91が配置され、可動体3の第2ヨーク87と支持体2の第2カバー部材17とが第1方向Zで対向する個所に第2ゲル状ダンパー部材92が配置されている。より具体的には、第1ゲル状ダンパー部材91は、第1ヨーク86の第1板部860と第1カバー部材16の凹部166、167の底部との間に2つ配置され、第2ゲル状ダンパー部材92は、第2ヨーク87の第2板部870と第2カバー部材17の凹部176、177の底部との間に2つ配置されている。
第1ゲル状ダンパー部材91および第2ゲル状ダンパー部材92は、第1方向Zを厚み方向として配置され、第2方向Xおよび第3方向Yに延在する。第1ゲル状ダンパー部材91および第2ゲル状ダンパー部材92は、支持体2と接する面で支持体2と接着され、可動体3と接する面で可動体3と接着されている。
ゲル状ダンパー部材9は、シリコーンゲルからなるゲル状部材90の表面の一部にコーティング層95が形成された部材である。コーティング層95は、少なくとも、ゲル状ダンパー部材9のX1側の表面、X2側の表面、Y1側の表面、および、Y2側の表面の4面に形成されている。ゲル状ダンパー部材9は、X1側の表面、X2側の表面、Y1側の表面、Y2側の表面の4面が他部材に固定されない露出面96となるように配置される。従って、露出面96の全範囲にコーティング層95が形成されている。また、実施形態1では、上記の4面に加えて、ゲル状ダンパー部材9のZ1側の表面もしくはZ2側の表面のいずれか一方にもコーティング層95が形成されている。
第1ゲル状ダンパー部材91は、X1側の表面、X2側の表面、Y1側の表面、Y2側の表面、および、Z2側の表面にコーティング層95が形成されている。第1ゲル状ダンパー部材91のZ1側の端部では、ゲル状部材90が直接第1カバー部材16に接着されている。一方、第1ゲル状ダンパー部材91のZ2側の端部では、ゲル状部材90がコーティング層95を介して第1板部860に接着されている。
第2ゲル状ダンパー部材92は、X1側の表面、X2側の表面、Y1側の表面、Y2側の表面、および、Z1側の表面にコーティング層95が形成されている。第2ゲル状ダンパー部材92のZ2側の端部では、ゲル状部材90が直接第2カバー部材17に接着されている。一方、第2ゲル状ダンパー部材92のZ1側の端部では、ゲル状部材90がコーティング層95を介して第2板部870に接着されている。なお、第1ゲル状ダンパー部材91と第2ゲル状ダンパー部材92は、それぞれ、第1方向Zで逆向きにして使用することもできる。
可動体3が第2方向Xに移動する際、ゲル状ダンパー部材9はせん断方向に変形する。ゲル状ダンパー部材9は、線形および非線形の変形特性を持つため、可動体3を振動させた際の共振をゲル状ダンパー部材9によって抑制することができる。また、ゲル状ダンパー部材9は、せん断方向に変形する際は、非線形の成分よりも線形の成分が大きい変形特性を備える。従って、可動体3が第2方向Xへ振動する際、ゲル状ダンパー部材9のせん断方向のバネ要素を用いることにより、入力信号に対する振動加速度の再現性を向上させることができる。
また、ゲル状ダンパー部材9は、可動体3と支持体2との間で第1方向Zに伸縮するように取り付けられている。ゲル状ダンパー部材9が潰れる方向に変形する際は、線形の成分よりも非線形の成分が大きい伸縮特性を備える。従って、可動体3が第1方向Zに移動しようとするとき、ゲル状ダンパー部材9のバネ定数は、可動体3が第2方向Xに移動す
るときのバネ定数より大きいので、ゲル状ダンパー部材9が第1方向Zに大きく変形することを抑制できる。従って、可動体3と支持体2とのギャップが大きく変化することを抑制できる。
(アクチュエータの製造方法)
図5は、実施形態1のアクチュエータ1Aの製造方法の一部を模式的に示す説明図である。実施形態1のアクチュエータ1Aの製造工程は、図5に示すゲル状ダンパー部材9の製造工程を含む。図5(a)は成型ステップを示し、図5(b)は切断ステップを示し、図5(c)はコーティング層形成ステップを示す。図5(a)に示すように、成型ステップでは、成形型にゲル材料を充填して加熱硬化させることにより、シート状ゲル97を成型する。シート状ゲル97は、ゲル状ダンパー部材9よりも大きい大型ゲル状部材である。
次に、切断ステップでは、図5(b)に示すように、成形型から取り出したシート状ゲル97を切断する。例えば、成形型を第1型と第2型によって構成する場合には、成形後に第2型を第1型から取り外し、第1型に設けられた支持面98の上でシート状ゲル97を切断する。これにより、ゲル状ダンパー部材9として使用するサイズの矩形状のゲル状部材90が得られる。各ゲル状部材90は、厚み方向と直交する方向を向く4つの端面が切断面99となっている。
続いて、コーティング層形成ステップでは、図5(c)に示すように、ゲル状部材90の表面にコーティング材料をスプレーしてコーティング層95を形成する。これにより、ゲル状ダンパー部材9が得られる。ゲル状ダンパー部材9は、支持面98に当接している面を除く他の5面にコーティング層95が形成される。そのため、切断面99である4つの端面の全範囲にコーティング層95が形成される。なお、切断面99である4つの端面のみにコーティング層95を形成する形態を採用することもできる。
コーティング層形成ステップでは、コーティング層95を形成する際、その膜厚を200μm以下とするようにコーティング材料をスプレーする量を調節する。また、膜厚のばらつきを±30μm以下とするようにコーティング材料をスプレーする量を調節する。ここで、コーティング層95の膜厚は、100μm以下とすることがより好ましい。例えば、コーティング層95の膜厚を50μmにすることができる。
コーティング材料としては、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等を用いる。ゲル状部材90としてシリコーンゲルを用いるとともに、コーティング層95としてシリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等のゴム弾性体の膜を用いることにより、コーティング層95の弾性率をゲル状部材90の弾性率より小さくすることができる。また、ゲル状部材90の弾性限界点でのひずみ量より、コーティング層95の弾性限界点でのひずみ量の方が大きいという条件を達成できる。
ゲル状ダンパー部材9の完成後、アクチュエータ1Aを組み立てる工程を行う。その際、完成したゲル状ダンパー部材9を用いて支持体2と可動体3とを接続する。実施形態1では、支持体2と可動体3とが第1方向Zで対向する箇所にゲル状ダンパー部材9を配置する。その際、ゲル状ダンパー部材9の厚さ方向と第1方向Zを一致させる。これにより、露出面96となる4つの面の全範囲がコーティング層95で覆われた状態となるようにゲル状ダンパー部材9が配置される。
(実施形態1の主な効果)
以上説明したように、実施形態1のアクチュエータ1Aは、支持体2と、可動体3と、支持体2と可動体3とを接続するゲル状ダンパー部材9と、可動体3を支持体2に対して
相対移動させる磁気駆動機構6とを有する。ゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材91および第2ゲル状ダンパー部材92)は、ゲル状部材90と、ゲル状部材90の表面を覆うコーティング層95を備える。コーティング層95は、少なくともゲル状ダンパー部材9の露出面96に配置され、コーティング層95の弾性率は、ゲル状部材90の弾性率より小さい。
実施形態1では、このように、ゲル状ダンパー部材9の露出面96がコーティングされている。従って、ゲル状部材90の表面にキズが発生することを抑制でき、コーティングを施す前にキズができていたとしてもコーティング材料によってキズが埋まるので、キズの成長を抑制できる。従って、ゲル状ダンパー部材9の破壊を抑制できる。また、ゲル状部材90よりもコーティング層95の方が弾性率が小さく伸びやすい。従って、ゲル状ダンパー部材9の変形特性に対するコーティング層95の影響が少ないので、ゲル状ダンパー部材9の変形特性を確保しながら耐久性を高めることができる。
また、実施形態1のゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材91および第2ゲル状ダンパー部材92)は、ゲル状部材90の弾性限界点でのひずみ量より、コーティング層95の弾性限界点でのひずみ量の方が大きいので、可動体3の振動に追従してゲル状ダンパー部材9が変形する際に、ゲル状部材90よりもコーティング層95の方が破断しにくい。従って、ゲル状ダンパー部材9の耐久性が高い。実施形態1では、コーティング層95がシリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等からなる薄膜であるため、コーティング層95が伸びやすく破断しにくい。従って、上記の弾性率の条件および弾性限界点でのひずみ量の条件を満たすことができる。
実施形態1では、ゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材91および第2ゲル状ダンパー部材92)におけるコーティング層95の膜厚を200μm以下とし、より好ましくは100μm以下としている。また、膜厚のばらつきを±30μm以下としている。このように、コーティング層95の膜厚を薄くし、且つ、膜厚を均一にすることにより、ゲル状ダンパー部材9の変形特性への影響が少ない。
実施形態1のアクチュエータ1Aの製造方法では、コーティング層95を備えたゲル状ダンパー部材9を製造する際、ゲル材料からゲル状ダンパー部材9より大きいシート状ゲル97(大型ゲル状部材)を成型する成型ステップと、シート状ゲル97を切断してゲル状部材90を得る切断ステップと、切断済みのゲル状部材90に対して、少なくとも切断面99にコーティング層95を形成してゲル状ダンパー部材9を得るコーティング層95形成ステップとを行う。しかる後に、コーティング層95が形成された面を露出面96とするようにゲル状ダンパー部材9を配置して、支持体2と可動体3とをゲル状ダンパー部材9によって接続する組立ステップを行う。
このように、実施形態1では、大判のゲル状部材90を切断してゲル状ダンパー部材9として用いる場合に、ゲル状部材90の切断面99にコーティング層95を形成する。従って、切断面99の端面品質が悪くなっても切断面99におけるキズの発生および成長を抑制できる。従って、ゲル状ダンパー部材9の耐久性を高めることができる。また、ゲル状部材90の表面にコーティング層95を形成すれば、アクチュエータ1Aを組み立てる際にゲル状部材90を取り扱い易い。従って、アクチュエータ1Aの製造を容易化することができる。
実施形態1では、コーティング材料をゲル状部材90の表面にスプレーすることにより、少なくとも切断面99にコーティング材料の膜を形成する。コーティング材料をスプレーすることにより、多数のゲル状部材90に対して一度コーティング層95を形成できるので、ゲル状ダンパー部材9を効率良く形成できる。また、膜厚を薄く均一にすることが
できる。なお、コーティング材料へのディッピングによりゲル状部材90の表面にコーティング材料の膜を形成することもできる。このような方法でも、ゲル状ダンパー部材9を効率良く形成できる。
[実施形態2]
(全体構成)
図6は、本発明の実施形態2に係るアクチュエータ1Bの断面図である。実施形態2において、軸線Lは可動体3の中心軸線である。また、軸線Lが延在する方向(軸線L方向)の一方側をL1とし、軸線L方向の他方側をL2とする。実施形態2のアクチュエータ1Bは、全体として、軸線L方向に延びる円筒状である。実施形態2では、可動体3が支持体2に対して軸線L方向に振動する。可動体3と支持体2は、可動体3と支持体2との径方向の隙間に配置されるゲル状ダンパー部材9によって接続される。
実施形態2では、支持体2が可動体3の外周側を囲んでおり、ゲル状ダンパー部材9の内周部が可動体3に接続され、ゲル状ダンパー部材9の外周部が支持体2に接続される形態を例にとって説明するが、本発明は、可動体3と支持体2の配置を入れ換えて、可動体3が支持体2の外周側を囲む構成を採用することもできる。また、実施形態2では、可動体3は、軸線L方向の一方側(L1側)および他方側(L2側)の2箇所において、ゲル状ダンパー部材9によって支持体2と接続される。実施形態2では、可動体3のL1側の端部に配置されるゲル状ダンパー部材9を第1ゲル状ダンパー部材93とし、可動体3のL2側の端部に配置されるゲル状ダンパー部材9を第2ゲル状ダンパー部材94とする。なお、ゲル状ダンパー部材9が1箇所もしくは3箇所以上に配置される構成を採用することもできる。
(支持体)
支持体2は、金属製のケース20と、ケース20に保持される樹脂製の第1ホルダ40および第2ホルダ50と、コイルホルダ70を備える。ケース20は、軸線L方向に延びる筒状ケース21と、筒状ケース21のL1側の端部に固定される第1端板22と、筒状ケース21のL2側の端部に固定される第2端板23を備える。筒状ケース21には、コイル線が接続される基板24が固定される。
第1ホルダ40は、筒状ケース21のL1側の端部の内側に固定される環状部42と、環状部42の内周側に配置される枠部分45と、環状部42と枠部分45とを接続する接続部46を備えている。コイルホルダ70は、第1ホルダ40にL1側から固定されるホルダ固定部71と、ホルダ固定部71からL2側へ突出するコイル固定部72を備える。ホルダ固定部71は、周方向に離間した複数個所からL1側へ突出するフック73を備えている。フック73の先端は、筒状ケース21の縁に係止される。
第2ホルダ50は、筒状ケース21のL2側の端部の内側に固定される円筒部55と、円筒部55の内周側に配置される枠部分56と、円筒部55と枠部分56とを接続する接続部57を備えている。
(可動体)
可動体3は、支持体2の径方向の中心において軸線L方向に延びるシャフト31と、シャフト31の軸線L方向の略中央に固定される磁石8と、磁石8にL1側で重なる第1ヨーク32と、磁石8にL2側で重なる第2ヨーク33を備える。第2ヨーク33は、磁石8のL2側の面に接着等の方法で固定される第1磁性板34と、第1磁性板34にL2側から当接する第2磁性板35を備える。
また、可動体3は、第1ヨーク32にL1側から当接する金属製の第1錘部材36と、
第2ヨーク33にL2側から当接する金属製の第2錘部材37を備える。第1錘部材36および第2錘部材37は、シャフト31が嵌まる軸孔を備えている。第1錘部材36は軸線L方向に延びており、L1側の端部に大径部分361を備えている。大径部分361は、第1ホルダ40の枠部分45の内周側に配置される。また、第2錘部材37は軸線L方向に延びており、L2側の端部に大径部分371を備えている。大径部分371は、第2ホルダ50の枠部分56の内周側に配置される。
(磁気駆動機構)
磁気駆動機構6は、支持体2に配置されるコイル7と、可動体3に配置される磁石8を備える。磁石8は円筒状であり、軸線L方向においてN極とS極とに分極するように着磁されている。磁石8の外周側には、コイルホルダ70に設けられたコイル固定部72が磁石8と同軸に配置される。従って、磁石8とコイル7は同軸に配置される。磁気駆動機構6は、コイル7に通電することにより、可動体3を軸線L方向に駆動する駆動力を発生させる。
(ゲル状ダンパー部材)
実施形態2において、ゲル状ダンパー部材9は、可動体3と支持体2の径方向の隙間において全周に連続して配置される。実施形態2では、ゲル状ダンパー部材9として、シャフト31のL1側の端部に取り付けられた第1錘部材36の大径部分361と第1ホルダ40の枠部分45との間に配置される第1ゲル状ダンパー部材93、および、シャフト31のL2側の端部に取り付けられた第2錘部材37の大径部分371と第2ホルダ50の枠部分56との間に配置される第2ゲル状ダンパー部材94を備える。第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダンパー部材94は、径方向の厚さが一定の円筒状部材であり、軸線L方向の寸法(高さ)も一定である。
実施形態2のゲル状ダンパー部材9は、第1枠部材901と、第1枠部材901の外周側に配置される第2枠部材902の間に直接成型されている。図6に示すように、実施形態2では、第1錘部材36の大径部分361、および、第2錘部材37の大径部分371が第1枠部材901であり、第1枠部材901は可動体3に設けられている。また、第1ホルダ40の枠部分45、および、第2ホルダ50の枠部分56が第2枠部材902であり、第2枠部材902は支持体2に設けられている。第1ゲル状ダンパー部材93は、内周部が大径部分361(第1枠部材901)に固定され、外周部が枠部分45(第2枠部材)に固定される。第2ゲル状ダンパー部材94は、内周部が大径部分371(第1枠部材901)に固定され、外周部が枠部分56(第2枠部材)に固定される。
実施形態2のゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダンパー部材94)は、ゲル状部材90の表面の一部にコーティング層95が形成された部材である。コーティング層95は、ゲル状ダンパー部材9のL1側の端面およびL2側の端面に形成されている。ゲル状ダンパー部材9は、L1側の端面およびL2側の端面が他部材に接していない露出面96であり、露出面96の全範囲にコーティング層95が形成されている。
第1ゲル状ダンパー部材93のL1側の端面およびL2側の端面において、コーティング層95は、ゲル状部材90の表面から第1枠部材901である大径部分361の表面へはみ出すとともに、第2枠部材902である枠部分45の表面へはみ出している。同様に、第2ゲル状ダンパー部材94のL1側の端面およびL2側の端面において、コーティング層95は、ゲル状部材90の表面から第1枠部材901である大径部分371の表面へはみ出すとともに、第2枠部材902である枠部分56の表面へはみ出している。
実施形態2のアクチュエータ1Bは、コイル7に通電することにより、磁気駆動機構6
によって可動体3が支持体2に対して軸線L方向に相対移動する。コイル7への通電を切ると、可動体3は、ゲル状ダンパー部材9の復帰力によって原点位置へ戻る。従って、コイル7への通電を断続的に行うことにより、可動体3は、軸線L方向で振動する。可動体3が軸線L方向に振動すると、ゲル状ダンパー部材9は、可動体3の振動に追従してせん断方向に変形する。実施形態2においても、実施形態1と同様に、可動体3を振動させた際の共振をゲル状ダンパー部材9によって抑制することができる。また、ゲル状ダンパー部材9のせん断方向のバネ要素を用いることにより、入力信号に対する振動加速度の再現性を向上させることができる。
また、可動体3が振動方向(軸線L方向)とは異なる方向(すなわち、径方向)に移動するとき、ゲル状ダンパー部材9は潰れる方向に変形する。従って、可動体3が振動方向(軸線L方向)とは異なる方向に移動しようとするとき、ゲル状ダンパー部材9のバネ定数は可動体3が軸線L方向に振動するときのバネ定数より大きいので、可動体3が振動方向(軸線L方向)とは異なる方向に移動しにくい。
(アクチュエータの製造方法)
図7は、実施形態2のアクチュエータ1Bの製造方法の一部を模式的に示す説明図である。実施形態2のアクチュエータ1Bの製造工程は、図7に示すゲル状ダンパー部材9の製造工程を含む。図7(a)〜図7(e)はゲル状部材90を成型する成型ステップを示し、図7(f)ははゲル状部材90の表面にコーティング層95を形成するコーティング層形成ステップを示す。成型ステップでは、図7(a)に示す製造用治具100を使用する。成型ステップでは、製造用治具100に対して第1枠部材901と第2枠部材902を組み付ける第1ステップ(図7(b)参照)と、第1枠部材901と第2枠部材902との隙間Sにゲル材料10を充填する第2ステップ(図7(c)参照)と、ゲル材料10を加熱硬化させる第3ステップ(図7(d)参照)と、製造用治具100からゲル状部材90と共に第1枠部材901および第2枠部材902を取り外す第4ステップ(図7(e)参照)を含む。
上記のように、実施形態2では、第1枠部材901は第1錘部材36、第2錘部材37と一体に形成されているが、図7では第1枠部材901の構成を簡略化して示す。同様に、第2枠部材902は第1ホルダ40、第2ホルダ50と一体に形成されているが、図7では第2枠部材902の構成を簡略化して示す。
図7(a)に示すように、製造用治具100は、円形凹部101と、円形凹部101の底面中央から突出するピン102とを備える。図7(b)に示すように、第1ステップでは、製造用治具100に対して第1枠部材901および第2枠部材902を当接させて位置決めし、第1枠部材901と第2枠部材902の間に環状の隙間Sを形成する。環状の隙間Sは全周にわたって形成され、径方向の幅が全周で一定である。
図7(c)に示すように、第2ステップでは、第1枠部材901と第2枠部材902との隙間Sにゲル材料10を充填する。ここで、隙間Sにゲル材料10を充填する前に、第1枠部材901の外周面および第2枠部材902の内周面にプライマー13を塗布する。なお、プライマー13を塗布する作業は、製造用治具100に対して第1枠部材901および第2枠部材902を組み付ける前に行ってもよいし、組み付けた後に行ってもよい。
図7(d)に示すように、第3ステップでは、ゲル材料10を製造用治具100ごと加熱し、規定の温度で規定の時間維持することにより、ゲル材料10を硬化させる。これにより、隙間Sにはゲル状部材90が形成される。ゲル材料10は、加熱硬化する際に、プライマー13に接する部分がプライマー13と反応して、第1枠部材901の外周面および第2枠部材902の内周面に固定される。従って、ゲル状部材90は、接着剤を用いる
ことなく、ゲル状部材90自体の接着力によって第1枠部材901および第2枠部材902に固定される。
図7(e)に示すように、第4ステップでは、ゲル状部材90を第1枠部材901および第2枠部材902と共に製造用治具100から取り外す。例えば、製造用治具100に突き出しピンを配置するための貫通孔を設けておき、突き出しピンを用いてゲル状部材90、第1枠部材901、および第2枠部材902を製造用治具100から取り外す。
続いて、図7(f)に示すように、コーティング層形成ステップでは、ゲル状部材90のL1側の端面およびL2側の端面にコーティング層95を形成する。コーティング層95の膜厚、および、コーティング材料は、実施形態1と同様である。このとき、ゲル状部材90と第1枠部材901との接合面よりも第1枠部材901の側へコーティング層95がはみ出すように形成すると共に、ゲル状部材90と第2枠部材902との接合面よりも第2枠部材901の側へコーティング層95がはみ出すように形成する。コーティング層95の形成は、実施形態1と同様に、コーティング材料をスプレーすることにより行うことができる。これにより、ゲル状ダンパー部材9が得られる。
(実施形態2の主な効果)
以上説明したように、実施形態1のアクチュエータ1Bは、支持体2と、可動体3と、支持体2と可動体3とを接続するゲル状ダンパー部材9と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動機構6と、を有する。ゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダンパー部材94)は、ゲル状部材90と、ゲル状部材90の表面を覆うコーティング層95を備える。コーティング層95は、少なくともゲル状ダンパー部材9の露出面96に配置され、コーティング層95の弾性率は、ゲル状部材90の弾性率より小さい。
このように、実施形態2のアクチュエータ1Bは、実施形態1と同様に、ゲル状ダンパー部材9の露出面96がコーティングされている。従って、ゲル状部材90の表面にキズが発生することを抑制でき、コーティングを施す前にキズができていたとしてもコーティング材料によってキズが埋まるので、キズの成長を抑制できる。また、ゲル状部材90よりもコーティング層95の方が弾性率が小さく伸びやすい。従って、ゲル状ダンパー部材9の変形特性に対するコーティング層95の影響が少ないので、ゲル状ダンパー部材9の変形特性を確保しながら耐久性を高めることができる。
また、実施形態2のゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダンパー部材94)は、ゲル状部材90の弾性限界点でのひずみ量より、コーティング層95の弾性限界点でのひずみ量の方が大きいので、可動体3の振動に追従してゲル状ダンパー部材9が変形する際に、ゲル状部材90よりもコーティング層95の方が破断しにくい。従って、ゲル状ダンパー部材9の耐久性が高い。実施形態2では、実施形態1と同様に、コーティング層95がシリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等からなる薄膜であるため、コーティング層95が伸びやすく破断しにくい。従って、上記の弾性率の条件および弾性限界点でのひずみ量の条件を満たすことができる。
実施形態2では、ゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダンパー部材94)におけるコーティング層95の膜厚を200μm以下とし、より好ましくは100μm以下としている。また、膜厚のばらつきを±30μm以下としている。このように、コーティング層95の膜厚を薄くし、且つ、膜厚を均一にすることにより、ゲル状ダンパー部材9の変形特性への影響が少ない。
実施形態2のゲル状ダンパー部材9(第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダ
ンパー部材94)において、ゲル状部材90は、可動体3に設けられた第1枠部材901と、支持体2に設けられ、第1枠部材901の外周側に配置される第2枠部材902との径方向の隙間に直接成型されている。コーティング層95は、ゲル状部材90のL1側の端面およびL2側の端面のそれぞれの位置において、ゲル状部材90の表面から第1枠部材901の表面へはみ出すと共に、ゲル状部材90の表面から第2枠部材902の表面へはみ出している
このように、第1枠部材901と第2枠部材902との間にゲル状部材90を直接成型する場合には、ゲル状部材90の表面から第1枠部材901の表面および第2枠部材902の表面にはみ出すようにコーティング層95を形成することにより、応力が集中しやすいゲル状部材90の端部を保護できる。従って、ゲル状ダンパー部材9の耐久性を高めることができる。
1A、1B…アクチュエータ、2…支持体、3…可動体、6…磁気駆動機構、7…コイル、8…磁石、9…ゲル状ダンパー部材、10…ゲル材料、11…カバー、13…プライマー、15…配線基板、16…第1カバー部材、17…第2カバー部材、18…ネジ、20…ケース、21…筒状ケース、22…第1端板、23…第2端板、24…基板、31…シャフト、32…第1ヨーク、33…第2ヨーク、34…第1磁性板、35…第2磁性板、36…第1錘部材、37…第2錘部材、40…第1ホルダ、42…環状部、45…枠部分、46…接続部、50…第2ホルダ、55…円筒部、56…枠部分、57…接続部、60…ホルダ、66、67…コイル保持穴、70…コイルホルダ、71…ホルダ固定部、72…コイル固定部、73…フック、75…導線、81、82…磁石、85…ヨーク、86…第1ヨーク、87…第2ヨーク、90…ゲル状部材、91…第1ゲル状ダンパー部材、92…第2ゲル状ダンパー部材、93…第1ゲル状ダンパー部材、94…第1ゲル状ダンパー部材、95…コーティング層、96…露出面、97…シート状ゲル(大型ゲル状部材)、98…支持面、99…切断面、100…製造用治具、101…円形凹部、102…ピン、150…切り欠き、151…ランド、155…穴、160…凹部、161…第1壁部、162…第2壁部、163…第3壁部、164…第4壁部、165…凹部、166、167…凹部、170…凹部、171…第1壁部、172…第2壁部、173…第3壁部、174…第4壁部、175…凹部、176、177…凹部、361…大径部分、371…大径部分、601…開口部、602…開口部、610…第1壁部、620…第2壁部、630…第3壁部、635…凹部、636…凸部、637…ガイド溝、640…第4壁部、661、671…受け部、701…長辺、702…短辺、860…第1板部、861…第1連結板部、862…第2連結板部、870…第2板部、901…第1枠部材、902…第2枠部材、L…軸線、S…隙間、X…第2方向、Y…第3方向、Z…第1方向

Claims (7)

  1. 支持体と、
    可動体と、
    前記支持体と前記可動体とを接続するゲル状ダンパー部材と、
    前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有し、
    前記ゲル状ダンパー部材は、ゲル状部材と、前記ゲル状部材の表面を覆うコーティング層を備え、
    前記コーティング層は、少なくとも前記ゲル状ダンパー部材の露出面に設けられ、
    前記コーティング層の弾性率は、前記ゲル状部材の弾性率より小さいことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記ゲル状部材の弾性限界点でのひずみ量より、前記コーティング層の弾性限界点でのひずみ量の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記コーティング層の膜厚が200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記コーティング層の膜厚が100μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記ゲル状部材は、シリコーンゲルからなり、
    前記コーティング層は、ゴムからなることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記ゲル状部材は、前記支持体と前記可動体の一方に設けられる第1枠部材と、前記支持体と前記可動体の他方に設けられ、前記第1枠部材の外周側に配置される第2枠部材との径方向の隙間に成型されており、
    前記コーティング層は、前記ゲル状部材の表面から前記第1枠部材の表面へはみ出すと共に、前記ゲル状部材の表面から前記第2枠部材の表面へはみ出していることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  7. 支持体および可動体と、前記支持体と前記可動体とを接続するゲル状ダンパー部材と、前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有するアクチュエータの製造方法であって、
    ゲル材料から前記ゲル状ダンパー部材より大きい大型ゲル状部材を成型する成型ステップと、
    前記大型ゲル状部材を切断してゲル状部材を得る切断ステップと、
    前記ゲル状部材に対して、少なくとも切断面にコーティング層を形成して前記ゲル状ダンパー部材を得るコーティング層形成ステップと、
    前記コーティング層が形成された面を露出面とするように前記ゲル状ダンパー部材を配置して、前記支持体と前記可動体とを前記ゲル状ダンパー部材によって接続する組立ステップと、を行うことを特徴とするアクチュエータの製造方法。
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