JP2021035197A - 電流補助部材、プリント基板及び電力変換装置 - Google Patents

電流補助部材、プリント基板及び電力変換装置 Download PDF

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恭二 坂本
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Abstract

【課題】大電流を通電することが可能であり、且つ主回路を構成する銅箔のインダクタンスを低減可能なプリント基板を提供する。【解決手段】電力変換装置Xにおいて、電流補助部材1は、プリント基板B上に複数設けられた導電部Pと、下側導電体2、絶縁体3、上側導電体4がこの順番で積層状態にある補助銅箔5と、下側導電体2に上端部を接続した第1接続部6と、上側導電体4に上端部を接続した第2接続部7とを備える。第1接続部6の下端部及び第2接続部7の下端部をそれぞれ導電部Pに接続した状態で、下側導電体2に流れる電流と上側導電体4に流れる電流が互いに逆方向になるように設定した。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ等の電力変換装置、また電力変換装置に使用するプリント基板、及びプリント基板に適用可能な電流補助部材に関するものである。
近年、車両等の電動化に伴い、インバータ等の電力変換装置に通電する電流は、大電流化する傾向にある。この電力変換装置を構成するプリント基板の配線パターンの厚さは一般的に70um以下であり、このような配線パターンでは電流の通電経路となる断面積が小さく、大電流を通電することができない。
そこで、配線パターンの厚さが105um乃至数mmに設定された厚銅基板を用いることで大電流の通電が可能になる。しかし、配線パターンの厚さに比例して形成可能な配線パターンの最小幅と最小間隔が広くなるため、狭ピッチ部品を実装することができなくなり、実装部品に制約が生じる。
また、放熱性の良い金属ベース基板を用いた場合、配線パターンの温度上昇を抑制できるため、大電流の通電が可能になる。しかし、金属ベース基板にはスルーホール等を必要とするリード部品を実装することができなくなり、やはり実装部品に制約が生じる。
下記特許文献1には、プリント基板の配線パターンに電流補助部材を半田付けにより実装することで、プリント基板に配線パターンの厚さを70um以下とする一般的な積層プリント基板を用いることができ、実装部品に制約を生じずに大電流を通電可能な構成が開示されている。
特開2014−99460号公報
このような電流補助部材が実装されたプリント基板であれば、大電流が流れる通電経路をプリント基板の配線パターンではなく電流補助部材で構成することができる。その結果、プリント基板には金属ベース基板等の特殊な基板ではなく、一般的な配線パターン厚さのプリント基板を用いることができ、実装する部品に制約を生じることなく大電流の通電が可能になる。
しかしながら、このような電流補助部材は、例えば積層プリント基板の配線パターンのように上下方向に積層することが困難なため、大電流の通電経路のインダクタンス成分が大きくなり、インバータ等の電力変換装置に適用すると、パワー半導体のスイッチングによるサージが増加し、故障や誤動作を引き起こす恐れがある。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、大電流化を図りつつ、実装する部品に制約がなく、大電流が流れる通電経路のインダクタンス成分を低減可能なプリント基板、及びプリント基板に適用可能な電流補助部材、さらには電力変換装置を提供することである。
すなわち、本発明に係る電流補助部材は、下側導電体、絶縁体、上側導電体がこの順番で積層状態にある補助銅箔と、下側導電体に一端部を接続し且つ他端部がプリント基板の導電部に接続可能な第1接続部と、上側導電体に一端部を接続し且つ他端部が導電部に接続可能な第2接続部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係るプリント基板は、上述の電流補助部材(下側導電体、絶縁体、上側導電体がこの順番で積層状態にある補助銅箔と、下側導電体に一端部を接続し且つ他端部が導電部に接続される第1接続部と、上側導電体に一端部を接続し且つ他端部が導電部に接続される第2接続部とを備えた電流補助部材)と、複数の導電部とを備え、第1接続部及び第2接続部をそれぞれ導電部に接続した状態で、下側導電体に流れる電流と上側導電体に流れる電流が互いに逆方向になるように実装されていることを特徴としている。
このような本発明によれば、通電経路をプリント基板の配線パターンではなく電流補助部材の下側導電体や上側導電体で形成することができ、下側導電体と上側導電体の厚さや寸法を任意に設定することで大電流を通電することができる。そして、通電する電流や許容する温度上昇、印加電圧等に応じて、下側導電体や上側導電体の形状や寸法、各接続部の形状や数を適宜設計変更することにより、一般的なパターン厚さの積層プリント基板を用いつつ、実装する部品に制約を生じることなく、大電流の通電が可能になる。
さらに、本発明に係るプリント基板であれば、上述の通り、一般的な配線パターン厚さのプリント基板を使用しつつ、大電流の通電が可能になることに加えて、電流補助部材の下側導電体に流れる電流と上側導電体に流れる電流が逆方向になるように設定しているため、通電経路のインダクタンス成分を低減できる。
さらに、本発明によれば、下側導電体及び上側導電体を絶縁体で挟んで配置する積層構造にしつつ、下側導電体と上側導電体に流れる電流を逆方向に設定することで、電流により発生する磁界が互いに打ち消され、通電経路のインダクタンス成分を効果的に低減でき、パワー半導体のスイッチングオフ時のインダクタンス成分に起因する電圧サージを抑制できる。また、本発明によれば、パワー半導体のスイッチングのオン時に電流補助部材にサージ電流が流れることで下側導電体と上側導電体の電流振幅が同等にならないため、通電経路のインダクタンス成分が増加する。このインダクタンス成分がインピーダンスとなってサージ電流を抑制するため、通電経路におけるパワー半導体のスイッチングのオン時の電流サージを抑制できる。
また、本発明において電流補助部材の第1接続部及び前記第2接続部がプレスフィット端子であれば、下側導電体や上側導電体からの放熱に伴う半田付け性の問題を考慮せずに、プリント基板に簡易的に実装できる。
また、本発明において電流補助部材の補助銅箔に外部端子台を設けることで、外部端子台から電流補助部材における通電経路を配線パターンではなく電流補助部材の下側導電体や上側導電体で形成することで、大電流を流す通電経路が減らすことができ、プリント基板の省スペース化を図ることが可能である。
また、本発明に係る電力変換装置は、上述のプリント基板を備えていることを特徴としている。このようなプリント基板を備えた電力変換装置であれば、上述と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば、一般的な配線パターン厚さのプリント基板を用いることができ、実装する部品に制約を生じることなく大電流の通電が可能になるとともに、通電経路のインダクタンス成分を低減可能なプリント基板、及びプリント基板に適用可能な電流補助部材、さらにはプリント基板を備えた電力変換装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電流補助部材を実装したプリント基板を備える電力変換装置を模式的に示す図。 同実施形態に係る電力変換装置の平面模式図。 図2に示すプリント基板の回路図。 同実施形態における電流方向を図3に対応して示す図。 同実施形態における電流方向を図2に対応して示す図。 同実施形態におけるFETのスイッチングタイミングを模式的に示す図。 接続部にフィンを接続した構成を図1の矢印A方向から見た模式図。 同実施形態における電流補助部材の変形例。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る電力変換装置Xは、図1及び図2に示すように、所定箇所に部品実装用のパッドとなる導電部Pが設けられたプリント基板Bと、導電部Pに実装するインバータ等の電力変換装置Xを構成する電子各部品(図示では第1FET(電界効果トランジスタ、Field effect transistor)10、第2FET20、第3FET30、第4FET40、第1コンデンサ50、第2コンデンサ60)と、導電部Pに実装する電流補助部材1とを少なくとも備えたものである。本実施形態では、プリント基板Bとして、配線パターンの厚さが70μm程度以下である一般的な積層プリント基板(厚銅基板や金属ベース基板等の特殊基板ではない基板)を適用している。
図1は、電流補助部材1を実装したプリント基板Bを備えた電力変換装置Xを模式的に示す図である。同図に示すように、本実施形態に係る電流補助部材1は、下側導電体2、絶縁体3及び上側導電体4を積層した補助銅箔5と、補助銅箔5の積層方向に配置される第1接続部6及び第2接続部7とを有するものである。ここで、補助銅箔5の積層方向とは、補助銅箔5を構成する下側導電体2、絶縁体3及び上側導電体4が並ぶ(積層された)方向を意味し、以下では、単に積層方向と称する。
下側導電体2及び上側導電体4は、導電性を有する材料(銅や銅と同等以上の導電率・熱伝導率を有する材料が好適)で構成される。下側導電体2及び上側導電体4の厚さ寸法(積層方向の寸法)は同等であり、例えば0.1乃至2.0mm程度である。下側導電体2及び上側導電体4は、略平板状をなし、平面形状も相互に略同じである。
絶縁体3は、絶縁性を有する材料(樹脂、グリース、絶縁シート、絶縁板、接着剤、プリプレグ等が好適)で構成される。絶縁体3の形状は、下側導電体2と同様に略平板状である。絶縁体3の平面形状は、下側導電体2と上側導電体4の間の絶縁距離を確保するため、下側導電体2及び上側導電体4よりも大きい形状であることが好ましい。なお、絶縁距離を確保できれば、図1に示すように、絶縁体3の平面形状を下側導電体2と同等に設定してもよい。この場合、絶縁体3を厚くする(積層方向の寸法を大きくする)など適宜変更することも可能である。
第1接続部6は、導電性を有する材料で構成され、一端部を下側導電体2に接続し、他端部がプリント基板Bの表面に設けられた導電部Pに接続されるものである。第1接続部6の形状は、棒状(角柱状や円柱状など)である。電流補助部材1は、第1接続部6を複数(図1では2つ)有しており、一方を入力用第1接続部6aとして、他方を出力用第1接続部6bとして機能させる。以下の説明では、プリント基板Bに複数設けられた導電部Pのうち、入力用第1接続部6aが接続される導電部を入力用第1導電部Pa1とし、出力用第1接続部6bが接続される導電部を出力用第1導電部Pa2とする。
第2接続部7は、第1接続部6と同等の材料や形状であり、一端部を上側導電体4に接続し、他端部がプリント基板Bの導電部Pに接続されるものである。また、電流補助部材1は、第2接続部7を複数(図1では2つ)有しており、一方を入力用第2接続部7aとし、他方を出力用第2接続部7bとして機能させる。以下の説明では、プリント基板Bに複数設けられた導電部Pのうち、入力用第2接続部7aが接続される導電部を入力用第2導電部Pb1とし、出力用第2接続部7bが接続される導電部を出力用第2導電部Pb2とする。
第2接続部7は、一端部を上側導電体4に接続する際に下側導電体2との絶縁距離を確保する必要がある。図1では、下側導電体2及び絶縁体3を積層方向に貫通する縦孔8に第2接続部7を挿入し、縦孔8内で下側導電体2との絶縁距離に相当する空間を確保した状態で接続した一例を示している。また、縦孔8内の絶縁距離に相当する空間の代わりに絶縁材を挿入して、下側導電体2との絶縁距離を確保するなど適宜変更してよい。
電流補助部材1は、補助銅箔5がプリント基板Bの表面に対向する姿勢であって、且つ、プリント基板Bの表面から補助銅箔5までの離間距離や、第1接続部6と第2接続部7の距離を極力近接するように実装される。そして、下側導電体2に流れる電流と上側導電体4に流れる電流が互いに逆方向になるようにする。具体的には、図1で二点鎖線の矢印で示すように、入力用第1導電部Pa1から入力用第1接続部6aに流れた電流は、下側導電体2、出力用第1接続部6b、出力用第1導電部Pa2の順に流れる。一方、入力用第2導電部Pb1から入力用第2接続部7aに流れた電流は、上側導電体4、出力用第2接続部7b、出力用第2導電部Pb2の順に流れる。このような構成によれば、下側導電体2及び上側導電体4に流れる電流によって発生する磁界を互いに打ち消すことで、通電経路のインダクタンス成分を低減できる。好適には、下側導電体2に流れる電流と上側導電体4に流れる電流が交差するように各接続部及び導電部を配置すると、通電経路のインダクタンス成分の抑制効果が増す。
以上の基本構成を有する電流補助部材1は、通電する電流や許容する温度上昇、印加電圧、さらにはプリント基板Bのレイアウト等に応じて、補助銅箔5の形状や寸法、各導電体(上側導電体4、下側導電体2)や絶縁体3の厚さ、各接続部(第1接続部6、第1接続部7)の形状や数を適宜設計変更することができる。
図2は、補助銅箔5の平面形状や第1接続部6及び第2接続部7の数や位置が相互に異なる電流補助部材1A、1Bを実装したプリント基板Bを電力変換装置Xに適用した図である。本実施形態に係るプリント基板Bは、配線パターンが一般的な厚さである12um〜70umの積層プリント基板であり、インバータの構成部品(第1FET10、第2FET20、第3FET30、第4FET40、第1コンデンサ50、第2コンデンサ60)が、半田付け等で導電部Pに実装されている。また、各導電部Pは、通電経路をプリント基板Bの配線パターンではなく電流補助部材1A、1Bで構成するために、配線パターンで繋がっておらず、電子部品を実装できる程度のサイズで形成される。
電流補助部材1A,1Bは、上述した基本構成、すなわち、下側導電体2、絶縁体3及び上側導電体4を積層した補助銅箔5と、紙面奥方向に沿って配置される複数の第1接続部6及び第2接続部7とを有するものである。
図2に示すように、電流補助部材1Aの補助銅箔5のうち下側導電体2は、第1コンデンサ50の電極A1の接続先である導電部P1aと、第1FET10のドレインの接続先である導電部P2aと、第2コンデンサ60の電極B1の接続先である導電部P3aと、第3FET30のドレインの接続先である導電部P4aにそれぞれ接続されている。これらの導電部P1a,P2a,P3a,P4aのうち、導電部P1a,P3aには、電流補助部材1Aの入力用第1接続部6aが接続され、導電部P2a,P4aには、電流補助部材1Aの出力用第1接続部6bが接続される。
電流補助部材1Aの補助銅箔5のうち上側導電体4は、第1コンデンサ50の電極A2の接続先である導電部P1bと、第2FET20のソースの接続先である導電部P2bと、第2コンデンサ60の電極B2の接続先である導電部P3bと、第4FET40のソースの接続先である導電部P4bにそれぞれ接続されている。これらの導電部P1b,P2b,P3b,P4bのうち、導電部P1b,P3bには、電流補助部材1Aの入力用第2接続部7aが接続され、導電部P2b,P4bには、電流補助部材1Aの出力用第2接続部7bが接続される。
また、電流補助部材1Bの補助銅箔5のうち下側導電体2は、第1FET10のソースの接続先である導電部P5aと、第2FET20のドレインの接続先である導電部P6aにそれぞれ接続されている。これらの導電部P5a,P6aのうち、パッドP5aには、電流補助部材1Bの入力用第1接続部6aが接続され、導電部P6aには、電流補助部材1の出力用第1接続部6bが接続される。
電流補助部材1Bの補助銅箔5のうち上側導電体4は、第3FET30のソースの接続先である導電部P6bと、第4FET40のドレインの接続先である導電部P5bにそれぞれ接続されている。これらの導電部P5b,P6bのうち、導電部P5bには、電流補助部材1Bの入力用第2接続部7aが接続され、導電部P6bには、電流補助部材1Bの出力用第2接続部7bが接続される。なお、図2では、電流補助部材1のうち補助銅箔5を所定のパターンを付して示すとともに、プリント基板Bの各導電部(P1a、P1b、P2a、P2b、P3a、P3b、P4a、P4b、P5a、P5b、P6a、P6b)を補助銅箔5とは異なるパターンを付して示している。また、図2では、相対的に紙面奥方に見える各導電部(P1a、P1b、P2a、P2b、P3a、P3b、P4a、P4b、P5a、P5b、P6a、P6b)のうち、相対的に紙面手前に見える補助銅箔5と重なっている部分を、パターンの透明度を上げて相対的に薄く表示している。
このような構成により、図3の太線で示す通電経路をプリント基板Bの配線パターンではなく電流補助部材1A,1Bで形成することができ、下側導電体2と上側導電体4の厚さや寸法を任意に設定することで大電流を通電することができる。具体的には、電力変換装置Xを構成する回路において、大電流を流す通電経路をプリント基板Bの配線パターンではなく電流補助部材1A,1Bの下側導電体2や上側導電体4で形成して、通電する電流や許容する温度上昇、印加電圧等に応じて、下側導電体2や上側導電体4の形状や寸法、各接続部の形状や数を適宜設計変更することにより、プリント基板Bに一般的なパターン厚さの積層プリント基板を用いつつ、実装する部品に制約を生じることなく、大電流の通電が可能になる。
さらに、補助銅箔5の下側導電体2に流れる電流と上側導電体4に流れる電流が逆方向になるように設定しているため、図3の太線で示す電流経路のインダクタンス成分を直接的に低減できる。また、下側導電体2に流れる電流と上側導電体4に流れる電流は、電流振幅が同等であるため、インダクタンス成分を最小化できる。よって、図3の太線で示す通電経路のインダクタンス成分による電圧サージを効果的に抑制できる。具体的には、電力変換装置Xの通電経路を形成する下側導電体2及び上側導電体4を絶縁体3で挟んで配置する積層構造にして、図4や図5のように、通電経路(1)及び通電経路(2)、通電経路(3)及び通電経路(4)、通電経路(5)及び通電経路(6)、通電経路(7)及び通電経路(8)に流れる電流を逆方向に設定することで、電流により発生する磁界が互いに打ち消され、通電経路のインダクタンス成分を効果的に低減でき、パワー半導体のスイッチングオフ時のインダクタンス成分に起因する電圧サージを抑制できる。特に、絶縁体3を薄く(積層方向の寸法を小さく)設定したり、入力用第1接続部6aと出力用第2接続部7bを近接させることで、電流補助部材1A,1Bのキャパシタンス成分が増加してインダクタンス成分を打ち消して電圧サージをより一層効果的に抑制できる。
また、一般的にパワー半導体のスイッチングのオン時は、パワー半導体の寄生ダイオードの逆回復現象により電流が一時的に逆流する。例えば、図3において、第2FET20をオンする場合、第1FET10の寄生ダイオードの逆回復現象により逆流する電流(以下、サージ電流)が、第1FET10から第2FET20へ一時的に流れる。このサージ電流により、パワー半導体の破損やスイッチングノイズによる機器の誤動作を引き起こすおそれがある。
本実施形態では、パワー半導体のスイッチングのオン時に電流補助部材1A、1Bにサージ電流が流れることで下側導電体2と上側導電体4の電流振幅が同等にならないため、通電経路のインダクタンス成分が増加する。このインダクタンス成分がインピーダンス成分となってサージ電流を抑制するため、通電経路におけるパワー半導体のスイッチングのオン時の電流サージを効果的に抑制できる。具体的には、パワー半導体のスイッチングのオン時に下側導電体2及び上側導電体4に流れる電流にサージ電流が加わり、これらの電流によって発生する磁界が互いに重なり合って通電経路のインダクタンス成分が一時的に増加するため、パワー半導体のスイッチングオン時のサージ電流を抑制することができる。
また、本実施形態では、パワー半導体のスイッチングオンのタイミングを所定時間シフトさせ電流補助部材1A、1Bにサージ電流を積極的に流すことにより、パワー半導体のスイッチングのオン時の下側導電体2と上側導電体4の電流振幅が同等にならないようにして、通電経路におけるパワー半導体のスイッチングのオン時の電流サージを抑制している。してスイッチングすることで、短絡電流を制限することもできる。具体的には、図65に示すように、パワー半導体の通常のスイッチングのオン時に、第1FET10のオンタイミングを第4FET40よりも所定時間tだけ前倒したり、第2FET20のオンタイミングを第3FET30よりも所定時間tだけ前倒してオンすることで、下側導電体2及び上側導電体4に流れる電流が同等にならないため、通電経路のインダクタンス成分が増加する。このインダクタンス成分がインピーダンスとなってサージ電流を抑制してサージ電流を制限できる。スイッチングデバイスのオンのタイミングのシフトの方法については、第3FET30や第4FET40のオンタイミングを所定時間シフトしてもよいし、所定時間tだけ後倒してオンにするなど適宜変更可能である。
(第1変形例)
上述した本実施形態の一変形例として、電流補助部材1A、1Bの第1接続部6a、6b及び第2接続部7a、7bにプレスフィット端子を使用する態様を挙げることができる。プレスフィット端子を用いることにより、下側導電体2や上側導電体4からの放熱に伴う半田付け性の問題を考慮せずに、プリント基板Bに簡易的に実装できる。また、通電する電流や許容する温度上昇、印加電圧等に応じて、プレスフィット端子の数や種類を適宜変更することで、プリント基板Bレイアウト等に応じて適宜設計変更することができる。
(第2変形例)
上述した本実施形態の第2変形例として、図2で示すように、外部機器(電源やモータ等)を電力変換装置Xに接続するために、電流補助部材1A,1Bに外部端子台(第1端子T1、第2端子T2、第3端子T3、第4端子T4)を設置した構成を挙げることができる。外部端子台への接続方法は、電流補助部材1A、1Bの下側導電体2や上側導電体4に開けた孔や、下側導電体2や上側導電体4に設けたタップ加工された端子部品などを利用して、電力変換装置Xの外部配線(図示せず)をボルト等で締結する。このような構成によれば、外部端子台から電流補助部材1A,1Bにおける通電経路を配線パターンではなく電流補助部材1A、1Bの下側導電体2や上側導電体4で形成することで、大電流を流す通電経路が減らすことができ、プリント基板Bの省スペース化を図ることが可能である。また、図2に示すように、第1端子T1及び第2端子T2を第1コンデンサ50及び第2コンデンサ60の間にそれぞれ配置することで、第1コンデンサ50及び第2コンデンサ60への通電経路を最短にでき、電流補助部材1Aを小型化できる。さらに、第3端子T3を第1FET10のソースを接続する導電部P5aと第2FET20のドレインを接続する導電部P6aの間に配置し、第4端子T4を第3FET30のソースを接続する導電部P6bと第4FET40のドレインを接続する導電部P5bの間に配置することで、第1FET10〜第4FET40への通電経路を最短にでき、電流補助部材1Bを小型化できる。
(第3変形例)
上述した本実施形の第3変形例として、図7に示すように、接続部(第1接続部6、第2接続部7)の先端部分9にフィンFを接続した態様を挙げることができる。このような構成によれば、フィンFによる放熱作用で接続部(第1接続部6、第2接続部7)の温度上昇を抑制することができ、大電流化が可能になる。すなわち、電流補助部材1の接続部(第1接続部6及び第2接続部7)は、下側導電体2や上側導電体4に比べ通電経路の断面積が相対的に狭いため、通電に伴う損失が多くなり、また、各接続部と導電部Pの接触部分も半田の電気抵抗によって通電に伴う損失が多くなり、温度上昇の増加が懸念される。そこで、電流補助部材1の第1接続部6及び第2接続部7の各先端部分9(導電部Pに接続する側の先端部分)がプリント基板Bを貫通し、各先端部分9を放熱する構造を採用することで、接続部の温度上昇を抑制でき、更なる大電流化が可能である。なお、接続部(第1接続部6、第2接続部7)とフィンFの間の空隙にはグリース等のTIM(Thermal interface Material、熱伝導材料)を充填することが好ましい。
また、パワー半導体の実装パッド部に第1接続部6a、6bや第2接続部7a、7bを実装した場合、電流補助部材1A、1Bがパワー半導体の放熱機能を兼ねることで放熱性が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態及び各変形例の構成に限られるものではない。例えば、補助銅箔を構成する導電体の層数を3層以上に設定することもできる。
また、接続部として補助銅箔の一部を使用して、電流補助部材をプリント基板に実装できる。具体的には、補助銅箔の下側導電体や上側導電体の一部を折り曲げて半田付けしたり、図8(a)のように、ネジ等の適宜の固定具を利用して、プリント基板Bの導電部Pに直接接続などがある。
また、電流補助部材を構成する補助銅箔の形状は、略平板状に限定されず、図8(b)に示すような凹凸形状に設定したり、図8(c)に示すような両端を適宜の方向(図示例では上方)に折り曲げた形状に設定することも可能である。なお、図8(b)、(c)では第1接続部及び第2接続部を省略している。
また、パワー半導体等の電子デバイスの周囲に配置する電流補助部材の第1接続部や第2接続部の数量は特に限定されず、各接続部の表面積や断面積が多いほど、電流補助部材による放熱効果が大きくなる。また、プリント基板において、電流補助部材とは別に放熱器が必要な場合、電流補助部材と放熱器で放熱量を分散することができるため、放熱器の小型化が可能になる。
また、電流補助部材1A、1Bは、図2に示すように両方使用するのが好適であるが、プリント基板Bのレイアウトや電圧サージ、サージ電流の状態に応じて、片方のみ使用してもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…電流補助部材
2…下側導電体
3…絶縁体
4…上側導電体
5…補助銅箔
6…第1接続部
7…第2接続部
B…プリント基板
P…導電部(パッド)
T1,T2,T3,T4…外部端子台(第1端子,第2端子,第3端子,第4端子)
X…電流変換装置

Claims (5)

  1. 下側導電体、絶縁体、上側導電体がこの順番で積層状態にある補助銅箔と、
    前記下側導電体に一端部を接続し且つ他端部が前記プリント基板の導電部に接続可能な第1接続部と、
    前記上側導電体に一端部を接続し且つ他端部が前記導電部に接続可能な第2接続部とを備えていることを特徴とする電流補助部材。
  2. 前記第1接続部及び前記第2接続部は、プレスフィット端子である請求項1に記載の電流補助部材。
  3. 前記補助銅箔に外部端子台を設けている請求項1または2に記載の電流補助部材。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の電流補助部材と、
    複数の導電部とを備え、
    前記電流補助部材は、前記第1接続部及び前記第2接続部をそれぞれ前記導電部に接続した状態で、前記下側導電体に流れる電流と前記上側導電体に流れる電流が互いに逆方向になるように実装されていることを特徴とするプリント基板。
  5. 請求項4に記載のプリント基板を備えていることを特徴とする電力変換装置。
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