JP2021034264A - リチウムイオン二次電池の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウムイオン二次電池の電池容量の減少を適切に抑制することが可能な制御装置を提供する。
【解決手段】ここで開示されるリチウムイオン二次電池の制御装置は、電池の充電における電流値と通電時間に基づいて、リチウムが析出する状態であるリチウム析出状態となったか否かを判断する。制御装置は、リチウム析出状態となったと判断した場合に、リチウム析出状態となったと判断された態様に応じて、析出したリチウムを回復できる回復可能時間を推定する。制御装置は、リチウム析出状態となったと判断された時から経過した時間であるリチウム析出経過時間が回復可能時間に到達した場合に、電池に流れる充電電流の大きさを基準値以下に制限し、且つ、電池を拘束する拘束装置の駆動を制御することで電池の拘束圧を上昇させる。
【選択図】図2
【解決手段】ここで開示されるリチウムイオン二次電池の制御装置は、電池の充電における電流値と通電時間に基づいて、リチウムが析出する状態であるリチウム析出状態となったか否かを判断する。制御装置は、リチウム析出状態となったと判断した場合に、リチウム析出状態となったと判断された態様に応じて、析出したリチウムを回復できる回復可能時間を推定する。制御装置は、リチウム析出状態となったと判断された時から経過した時間であるリチウム析出経過時間が回復可能時間に到達した場合に、電池に流れる充電電流の大きさを基準値以下に制限し、且つ、電池を拘束する拘束装置の駆動を制御することで電池の拘束圧を上昇させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池の制御装置に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、単に「二次電池」という場合もある)を拘束する拘束圧を制御する制御装置が知られている。例えば、特許文献1に開示されている二次電池の制御装置は、ケースの大側面を外側から拘束することによって、電極板の板面同士を近づける向きに圧迫する。該制御装置は、電池容量の減少の程度に、緩やかな第1の程度からより激しい第2の程度への変化があった場合に、拘束力を増加させることで、電池容量の回復を図っている。
本願発明の発明者は、リチウム析出が生じてから拘束圧を上昇させるまでの時間に応じて、電池容量の回復の程度が変化する場合があることを発見した。つまり、従来の技術では、二次電池の拘束圧を上昇させるタイミングが適切でなければ、電池容量の減少を抑制することが困難な場合があり得る。
本発明の典型的な目的は、リチウムイオン二次電気の電池容量の減少を適切に抑制することが可能なリチウムイオン二次電池の制御装置を提供することである。
かかる目的を実現すべく、ここに開示される一態様のリチウムイオン二次電池の制御装置は、上記二次電池の充電における電流値と通電時間に基づいて、リチウムが析出する状態であるリチウム析出状態となったか否かを判断し、上記リチウム析出状態となったと判断した場合に、上記リチウム析出状態となったと判断された態様に応じて、析出したリチウムを回復できる回復可能時間を推定し、上記リチウム析出状態となったと判断された時から経過した時間であるリチウム析出経過時間が上記回復可能時間に到達した場合に、上記二次電池に流れる充電電流の大きさを基準値以下に制限し、且つ、上記二次電池を拘束する拘束装置の駆動を制御することで上記二次電池の拘束圧を上昇させることを特徴とする。
本願発明の発明者は、リチウム析出が生じてから時間が経過し過ぎると、二次電池にかかる拘束圧を上昇させても電池容量を回復させることが困難な場合があることを発見した。電池容量を回復させ難くなる原因は正確には判明していないが、恐らく、析出したリチウムの周りに不活性部位(例えば、リチウム反応物等)が生じ、時間が経過するにつれて不活性部位が増加することに起因しているものと推測される。時間が経過して不活性部位が増加すると、拘束圧を上昇させても不活性部位が破壊されず、導電パスが復活し難いと考えられる。かかる二次電池の制御装置は、リチウム析出時間が回復可能時間に到達するとすみやかに、拘束圧を上昇させる。その結果、析出したリチウムの周りに生じる不活性部位が増加して破壊が困難になる前に、拘束圧によって不活性部位が破壊されると考えられる。従って、二次電気の電池容量の減少を適切に抑制することができる。
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本明細書において、「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス一般を指す用語であって、一次電池および二次電池を含む概念である。「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池を含む。二次電池には、全固体電池が含まれる。以下、電解液を備えたリチウムイオン二次電池の制御装置を例示して、本開示に係る二次電池の制御装置について説明する。ただし、本開示に係る二次電池の制御装置を、以下の実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1を参照して、本開示に係る二次電池(以下、単に電池という)1の制御装置2について説明する。電池1は、リチウムイオン二次電池である。一例として、本実施形態では、電池1は、電極体と電解質(本実施形態では非水電解液)とを扁平角型(即ち直方体の箱形形状)のケースに収容した形態のリチウムイオン二次電池である。電池1の正極端子(図示略)および負極端子(図示略)の各々の一方端は、ケースから外部に突出している。正極端子および負極端子の他方端は、ケース内部において、内部正極端子(図示略)および内部負極端子(図示略)に各々接続されている。
電極体は、正極と負極とがセパレータを介して積層され、その積層体が捲回され、扁平に形成されている。電極体は、電極体の扁平な面がケースの外面のうち面積最大の面(以下、大側面という)に略平行になるように配置されている。なお、電極体として、捲回体に代えて積層体を採用することも可能である。この場合、電極体は、積層体の積層された面(積層方向に交差する面)が大側面に略平行になるように配置される。
複数の電池1が接続されて、組電池100が形成されてもよい。例えば、ある電池1の正極端子と隣接する電池1の負極端子とは、バスバーによって締結され、電気的に接続される。これにより、複数の電池1が直列に接続される。ただし、複数の電池1が直列に接続されなくてもよい。例えば、複数の電池1が並列接続されてブロックが構成され、そのブロック同士が直列接続されてもよい。
電池1は、拘束装置3によって拘束される。一例として、拘束装置3は、エンドプレート31と、拘束具32(例えば、ボルト321とナット322等)を備える。例えば、電池1は、電池1のケースの大側面の両側から、一対のエンドプレート31によって挟まれ、拘束具32によって拘束される。本実施形態では、例えば、複数の電池1が積層され、積層された複数の電池1における積層方向の一方端および他方端(図1における右端および左端)に各々対向するように、一対のエンドプレート31が配置されている。一対のエンドプレート31は、拘束具32により互いに締め付けられている。エンドプレート31、拘束具32により、電池1の各々には拘束圧P[単位の例:MPa]が印加されている。
制御装置2は、拘束圧制御装置21と充電制御装置22を備える。拘束圧制御装置21は、拘束装置3の駆動を制御することで電池1の拘束圧Pを調整する。一例として、本実施形態では、拘束圧制御装置21は、ボルト33の締め付け量を制御することにより、拘束圧Pを調整する。例えば、拘束圧Pは、圧力センサ23を一対のエンドプレート31間に設置することにより測定可能である。例えば、本実施形態では、積層方向の一方端(図1における右端)の電池1と、その電池1に対向するように配置されたエンドプレート31との間に、圧力センサ23が設置されている。一例として、ボルト33の締め付け量と拘束圧Pとの相関関係を予め求めておくことにより、所望の拘束圧Pを発生させるための締め付け量を算出することができる。
充電制御装置22は、電池1の充電を少なくとも制御する。電池1には、電流センサ24が接続されている。電流センサ24は、電池1に入出力される電流値を検出する。充電制御装置22は、電流センサ24から出力された信号に基づき、電流値を取得できる。
図2および図3を参照して、電池1の充電制御処理の一例を説明する。例えば、充電制御処理は、メモリ等に記憶された制御プログラムに従って、制御装置2によって実行される。
なお、充電制御処理は、プロセッサによって実行されてもよいし、プロセッサ以外の電子部品(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。充電制御処理は、複数の電子機器(例えば、複数のプロセッサ)によって分散処理されてもよい。
図2に示すように、充電制御処理が開始されると、電池1の充電における電流値と通電時間に基づいて、リチウムが析出する状態であるリチウム析出状態となったか否かが判断される(S1)。詳細には、電流センサ24から出力された信号に基づき、電池1の充電における電流値と通電時間が取得される。一例として、図3に示すI−Tマップが参照され、取得された電流値と通電時間に基づいて、リチウム析出状態となったか否かが判断される。より詳細には、取得された電流値と通電時間が示す点Xが、I−Tマップにおける曲線の右上方に位置する場合、リチウム析出状態となったと判断される。取得された電流値と通電時間が示す点Xが、I−Tマップにおける曲線の左下方に位置する場合、リチウム析出状態でないと判断される。従って、充電における電流値が高く、通電時間が長い程、リチウム析出状態となった可能性が高くなる。なお、I−Tマップにおける曲線は、各種条件を考慮して設定される。例えば、I−Tマップは、予め実験を行うことにより作成されてもよい。また、I−Tマップに加えて他のパラメータ(例えば電池1の温度等)が考慮されることで、リチウム析出状態となったか否かが判断されてもよい。
リチウム析出状態となっていないと判断された場合(S1:NO)、処理はそのままS4へ移行する。リチウム析出状態となったと判断された場合(S1:YES)、リチウム析出状態となったと判断された態様に応じて、析出したリチウムを回復できる回復可能時間が推定される(S2)。一例として、回復可能時間推定マップ(図示略)が参照されて、回復可能時間が推定される。例えば、取得された電流値と通電時間が示す点Xと、I−Tマップにおける曲線が比較される。通電時間(T)の方向における点Pと曲線との差がT1、電流値(I)の方向における点Xと曲線との差がI1であるとする。回復可能時間推定マップは、T1と、I1とT1との積(I1×T1)を軸としたマップであり、推定される回復可能時間の分布を示す。ここで、例えば、T1が大きいほど回復可能時間が短くなり、T1が小さい程回復可能時間が長くなる。また、I1×T1が大きいほど回復可能時間は長くなり、I1×T1が小さいほど回復可能時間は短くなる。例えば、回復可能時間推定マップは、予め実験を行うことにより作成されてもよい。なお、回復可能時間の推定方法を変更することも可能である。例えば、T1のみが参照されて回復可能時間が推定されてもよいし、I1×T1のみが参照されて回復可能時間が推定されてもよい。
回復可能時間が推定されると(S2)、タイマがセットされ、リチウム析出経過時間の計時が開始される(S3)。リチウム析出経過時間は、リチウム析出状態となったと判断された時から経過した時間を示す。次に、リチウム析出経過時間が回復可能時間に到達したか否かが判断される(S4)。
リチウム析出経過時間が回復可能時間に到達していない場合(S4:NO)、処理はS1に戻る。再度リチウム析出状態となったと判断されると(S1:YES)、回復可能時間が推定され(S2)、前回とは別のタイマがセットされ、リチウム析出経過時間の計時が開始される(S3)。次に、計時中のタイマの各々について、リチウム析出経過時間が回復可能時間に到達したか否かが判断される(S4)。計時中のタイマの少なくとも1つについて、リチウム析出経過時間が回復可能時間に到達したと判断されると(S4:YES)、計時中の全てのタイマがリセットされる(S5)。次に、走行継続中か否かが判断される(S6)。
例えば、リチウム析出状態となったと判断され(S1)、回復可能時間(第1回復可能時間)が2時間と推定され(S2)、リチウム析出経過時間(第1リチウム析出経過時間)の計時が開始されたとする(S3)。リチウム析出経過時間が回復可能時間に到達しない間に(S4:NO)、再度リチウム析出状態となったと判断され(S1)、回復可能時間(第2回復可能時間)が1時間と推定されたとする(S2)。この場合、前回とは別のタイマがセットされ、リチウム析出経過時間(第2リチウム析出経過時間)の計時が開始される(S3)。この場合、第1リチウム析出経過時間が第1回復可能時間に到達すると、又は、第2リチウム析出経過時間が第2回復可能時間に到達すると(S4:YES)、第1リチウム析出経過時間のタイマと第2リチウム析出経過時間のタイマがいずれもリセットされ(S5)、処理は、走行継続中か否かの判断(S6)に移行する。
走行が停止されている場合(S6:NO)、充電の入力はなされない。この場合、制御装置2の拘束圧制御装置21により拘束装置3の駆動が制御され、電池1の拘束圧Pが上昇される(S7)。その後、拘束装置3の駆動が制御され、電池1の拘束圧Pが減少され、元の拘束圧に戻される(S8)。次に、走行が開始されたか否かが判断される(S9)。走行が開始されない間は(S9:NO)、充電の入力はなされない。その間、S9の処理が繰り返され、待機状態となる。走行が開始されると(S9:YES)、処理はS1に戻り、再度リチウム析出状態となったか否かが判断される(S1)。
一方、S6で、走行継続中であると判断されると(S6:YES)、制御装置2の充電制御装置22は、電池1に流れる充電電流の大きさ(電流値)を基準値以下に制限する(S10)。詳細には、電流センサ24から取得される電流値が基準値以下になるように、電池1の充電が制御される。次に、拘束装置3の駆動が制御され、電池1の拘束圧Pが上昇される(S11)。次に、拘束装置3の駆動が制御され、電池1の拘束圧Pが減少され、元の拘束圧に戻される(S12)。次に、S10で行われた電流値の制限が解除される(S13)。その後、処理はS1に戻り、再度リチウム析出状態となったか否かが判断される(S1)。
次に、小型の評価セルを用いた評価試験の結果を説明する。小型の評価セルとして、正極(ニッケル、コバルト、マンガンの三元系(NCM)材料)、負極(黒鉛)、およびセパレータ(樹脂)からなる電極体と電解液とをアルミラミネートフィルム製パウチに収容したラミネート型電池を用いた。評価試験として、評価セルの電池容量の第1測定、耐久試験、評価セルの拘束圧変更、評価セルの電池容量の第2測定をこの順に行った。
評価セルの電池容量の第1測定および第2測定は、温度:25℃、電流値:1C、電圧:3.0〜4.1Vの条件で行った。耐久試験は、温度:−10℃、評価試験開始時のSOC(State of Charge):50%、通電時間:10秒、電流値:(リチウム析出限界電流レート)×1.5の矩形波サイクルで行った。リチウム析出限界電流レートは、リチウムが析出し始める電流レートである。評価セルの拘束圧変更は、温度:25℃の条件で行い、拘束圧を3倍に上昇させた後、元の拘束圧に戻した。第1測定で測定された電池容量に対する、第2測定で測定された電池容量の比率を、容量維持率(%)として算出した。
評価試験は、第1比較例、第2比較例、第3比較例、および第1実施例として行った。第1比較例での耐久試験における評価セルの拘束圧を基準値(1.00)とする。第1比較例では、評価セルの拘束圧変更を行わなかった。第1比較例における容量維持率は、75.2%であった。第2比較例での耐久試験における評価セルの拘束圧は、2.50(第1比較例の2.5倍)とした。第3比較例での耐久試験における評価セルの拘束圧は、0.08(第1比較例の0.08倍)とした。第1実施例での耐久試験における評価セルの拘束圧は、1.00(第1比較例と同じ)とした。第2比較例、第3比較例、および第1実施例では、耐久試験の直後に評価セルの拘束圧変更を行い、拘束圧を3倍に上昇させた後、元の拘束圧に戻した。第2比較例における容量維持率は、75.5%であった。第3比較例における容量維持率は、66.9%であった。第1実施例における容量維持率は、79.8%であった。
第2比較例では、第1比較例と比較して、容量維持率の上昇は僅かであった。第2比較例では、耐久試験中に、第1比較例の2.5倍という高い拘束圧を予め加えていた。そのため、リチウムがデンドライト(樹状結晶)化し易く、不活性部位が増加し易かったと考えられる。これにより、拘束圧を上昇させても、上昇した拘束圧が評価セルに伝わり難かったと考えられる。第3比較例では、第1比較例と比較して、容量維持率が低下した。第3比較例では、耐久試験中に、第1比較例の0.08倍という低い拘束圧を予め加えていた。そのため、電池容量が低下する別の要因(例えば、抵抗のムラやガス発生等)が発生した可能性があると考えられる。一方、第1実施例では、第1比較例と比較して、容量維持率が5%近く上昇した。第1実施例では、第1比較例と同じ拘束圧を評価セルに加えていたが、第1比較例と異なり、耐久試験後に評価セルの拘束圧を一時的に上昇させた。そのため、リチウムが析出しても、拘束圧の上昇により、不活性部位を破壊し易かったと考えられる。
更に、評価セルの拘束圧の変更を行うタイミングを変更して、評価試験を行った。以下説明する第2実施例、第4比較例、および第5比較例の評価試験の内容のうち、拘束圧を変更するタイミング以外は、第1実施例の評価試験の内容と同一である。第1実施例については、上述の通り、耐久試験の直後に拘束圧を上昇させた。その結果、第1比較例に対する電池容量の回復量(以下、単に容量回復量という)は、4.6%程度であった。第2実施例については、耐久試験から10時間後に評価セルの拘束圧変更を行った後、第2測定を行った。その結果、第1比較例に対する容量回復量は、4%強であった。一方、第4比較例については、耐久試験から20時間以上経過した後に評価セルの拘束圧変更を行った後、第2測定を行った。その結果、第1比較例に対する容量回復量は、1.5%程であった。第5比較例については、耐久試験から50時間近く経過した後に評価セルの拘束圧変更を行った後、第2測定を行った。その結果、第1比較例に対する容量回復量は、1%弱であった。
耐久試験から10時間程度経過した後に評価セルの拘束圧変更を行っても、容量回復量は4%強であり、電池容量回復の効果が得られた。しかし、耐久試験から20時間以上経過すると、容量回復量は低下し、電池容量回復の効果は得難くなった。これは、析出したリチウムは活性が高く、時間経過に伴い、安定な物質(例えば、炭酸リチウム、酸化リチウム、フッ化リチウム等の不活性部位)に変化したためと推測される。
更に、評価セルの拘束圧の上昇率を変更して、評価試験を行った。第1比較例については、上述の通り、評価セルの拘束圧変更を行わなかった。以下説明する第6比較例および第3比較例の評価試験の内容のうち、拘束圧を上昇させる割合以外は、第1実施例の評価試験の内容と同一である。第6比較例については、拘束圧を1.1倍程度に上昇させた後、元の拘束圧に戻した。その結果、容量回復量は2%強であった。一方、第1実施例については、上述の通り、評価セルの拘束圧変更を行う際、拘束圧を3倍に上昇させた後、元の拘束圧に戻した。その結果、容量回復量は4.6%程度であった。第3実施例については、評価セルの拘束圧変更を行う際、拘束圧を1.2倍に上昇させた後、元の拘束圧に戻した。その結果、容量回復量は4%強であった。
評価セルの拘束圧変更を行う際、拘束圧の上昇率が1.2倍であっても、電池容量回復の効果が得られた。これは、析出したリチウムは柔らかく、拘束圧を上昇させる割合が比較的低くても、析出したリチウムの表面に生じた不活性部位を破壊して、リチウムを変形させることができたためと考えられる。これにより、導電パスを形成し易くなったと考えられる。
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記で例示された技術を変更することも可能である。上記実施形態では、角形のリチウムイオン二次電池を用いて、電池1について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。
例えば、上記実施形態では、電流センサ24は電池1に入出力される電流値を検出する。しかし、電流センサ24は、電池1のブロックに入出力される電流値を検出してもよい。また、電流センサ24は、組電池100に入出力される電流値を検出してもよい。
上記実施形態では、充電制御処理(図2参照)において、拘束圧を上昇させた後(S7、S11)、拘束圧を元に戻す(S8、S12)。しかし、拘束圧を上昇させた後、拘束圧を元に戻さなくてもよい。
上記実施形態では、充電制御処理のS6において、走行継続中か否かを判断する。走行継続中である場合(S6:YES)、電流値を基準値以下に制限し(S10)、且つ、電池1の拘束圧を上昇させる(S11)。しかし、走行継続中か否かを判断は行われず、S6からS9の処理は省かれてもよい。この場合、走行が停止されている場合、充電の入力はなされない。従って、走行が停止されている場合は、結果的にS10では電流値の制限は行われず、拘束圧が上昇される(S11)。
1 電池
2 制御装置
3 拘束装置
2 制御装置
3 拘束装置
Claims (1)
- リチウムイオン二次電池の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記二次電池の充電における電流値と通電時間に基づいて、リチウムが析出する状態であるリチウム析出状態となったか否かを判断し、
前記リチウム析出状態となったと判断した場合に、前記リチウム析出状態となったと判断された態様に応じて、析出したリチウムを回復できる回復可能時間を推定し、
前記リチウム析出状態となったと判断された時から経過した時間であるリチウム析出経過時間が前記回復可能時間に到達した場合に、前記二次電池に流れる充電電流の大きさを基準値以下に制限し、且つ、前記二次電池を拘束する拘束装置の駆動を制御することで前記二次電池の拘束圧を上昇させることを特徴とするリチウムイオン二次電池の制御装置。
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