JP2021034133A - 電池及び膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性の高い電池又は膜電極接合体の提供。
【解決手段】1対の電極(1)の層を含む多層構造の電池(100)であって、1つ以上の層内又は層間に設けられる強化材(20)を備える、電池(100)。
【選択図】図1
【解決手段】1対の電極(1)の層を含む多層構造の電池(100)であって、1つ以上の層内又は層間に設けられる強化材(20)を備える、電池(100)。
【選択図】図1
Description
本発明は、電池及び膜電極接合体に関する。
従来、車両に電力を供給する電池として、リチウムイオン電池、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)等の化学電池が使用されている。化学電池は、通常積層構造を有する。例えば、PEFCは、膜電極接合体にセパレータが積層され、膜電極接合体も1対の電極間に固体高分子の電解質膜が設けられた積層体である。電極も、触媒層やガス拡散層等の複数層から構成されていることが多い。
電解質膜は、抵抗を下げるために薄膜化が望まれるが、薄すぎるとピンホールや破れが生じることがある。そのため、機械的強度に優れた電解質膜の研究開発が行われている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかしながら、積層構造を有する電池全体の耐久性を高めるのであれば、機械的強度が望まれるのは電解質膜だけではない。特に、車両に搭載される電池は、環境条件が変化しやすく、高い耐久性が求められる。例えば、温度変化によって加温と冷却のサイクルが繰り返され、湿度変化によって湿潤と乾燥のサイクルが繰り返される。また、大気圧の変化や走行中の衝撃等によって、各層に対する加圧と減圧のサイクルが繰り返される。
この間、電池の各層が膨張と収縮を繰り返し、亀裂等の破壊が生じることがある。また、電池の各層に用いられる材料の熱膨張係数や引張強度等の物性の違いによって、歪む、変形する、隣接する層に引っ張られる等して破壊が生じることもある。それ以外にも、混入した不純物による破壊や繊維状の物質が突き刺さる等の破壊が生じることもある。
本発明は、耐久性の高い電池又は膜電極接合体の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、1対の電極(1)の層を含む多層構造の電池(100)であって、1つ以上の層内又は層間に設けられる強化材(20)を備える、電池(100)が提供される。
本発明の一態様によれば、1対と電極(1)間に電解質膜(2)を備える膜電極接合体(3)であって、前記電極(1)は、多層構造を有し、前記電極(1)と前記電解質膜(2)の各層のうち、1つ以上の層内又は層間に設けられる強化材(20)を備える、膜電極接合体(3)が提供される。
本発明によれば、耐久性の高い電池又は膜電極接合体を提供できる。
以下、本発明の電池及び膜電極接合体の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する構成は、本発明の一実施態様としての一例(代表例)であり、本発明は以下に説明する構成に限定されない。
本発明の電池は、1対の電極を含む化学電池又は物理電池であり、電極を含む複数の層が積層された多層構造を有する。化学電池としては、例えばアルカリマンガン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池、燃料電池等の化学電池が挙げられ、物理電池としては例えば太陽電池等が挙げられる。
以下、本発明の電池の一実施形態として、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)を説明するが、上述した1対の電極を含む多層構造の電池であれば、PEFCと同様に本発明を適用できる。
(PEFC)
図1は、本発明の一実施形態であるPEFC100の構成を示す。
図1に示すように、PEFC100は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)3と、MEA3の両側に設けられた2つのセパレータ4とを備える。
図1は、本発明の一実施形態であるPEFC100の構成を示す。
図1に示すように、PEFC100は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)3と、MEA3の両側に設けられた2つのセパレータ4とを備える。
(MEA)
MEA3は、1対の電極1と、1対の電極1間に設けられた電解質膜2とを備える。
MEA3は、1対の電極1と、1対の電極1間に設けられた電解質膜2とを備える。
(電極)
1対のうち、一方の電極1はアノードであり、燃料極とも呼ばれる。他方の電極1はカソードであり、空気極とも呼ばれる。アノードでは、セパレータ4を介して供給された水素ガス(H2)から電子(e−)とプロトン(H+)を生成する反応が生じる。電子は外部回路を経由してカソードへ移動する。この電子の移動により外部回路では電流が発生する。プロトンは電解質膜2を経由してカソードへ移動する。カソードでは、セパレータ3を介して酸素ガス(O2)が供給され、外部回路から異動してきた電子により酸素イオン(O2 −)が生成される。酸素イオンは、電解質膜2から異動してきたプロトン(2H+)と結合して、水(H2O)になる。
1対のうち、一方の電極1はアノードであり、燃料極とも呼ばれる。他方の電極1はカソードであり、空気極とも呼ばれる。アノードでは、セパレータ4を介して供給された水素ガス(H2)から電子(e−)とプロトン(H+)を生成する反応が生じる。電子は外部回路を経由してカソードへ移動する。この電子の移動により外部回路では電流が発生する。プロトンは電解質膜2を経由してカソードへ移動する。カソードでは、セパレータ3を介して酸素ガス(O2)が供給され、外部回路から異動してきた電子により酸素イオン(O2 −)が生成される。酸素イオンは、電解質膜2から異動してきたプロトン(2H+)と結合して、水(H2O)になる。
電極1は、少なくとも触媒層11を備える。電極1は、多層構造を有することができ、例えばガスの拡散性向上のため、ガス拡散層12と多孔質層13とを備えることができる。
触媒層11は、触媒によって水素ガス及び酸素ガスの反応を促進する。触媒層11は、触媒と、触媒を担持する担体及びこれらを被覆するアイオノマーを含む。
触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。なかでも、触媒活性、一酸化炭素に対する耐被毒性、耐熱性等の観点から、白金、白金を含む混合物、合金等が好ましい。
触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。なかでも、触媒活性、一酸化炭素に対する耐被毒性、耐熱性等の観点から、白金、白金を含む混合物、合金等が好ましい。
担体としてはメソポーラスカーボン、Ptブラック等の細孔を有する導電性の多孔性金属化合物が挙げられる。分散性が良好で表面積が大きく、触媒の担持量が多い場合でも高温での粒子成長が少ない観点からは、メソポーラスカーボンが好ましい。
アイオノマーとしては、後述する電解質膜2と同様のイオン伝導性の高分子電解質を使用することができる。
アイオノマーとしては、後述する電解質膜2と同様のイオン伝導性の高分子電解質を使用することができる。
ガス拡散層12は、セパレータ4を介して供給されたガスを触媒層11に均一に拡散することができる。ガス拡散層12としては、例えばカーボン繊維等の導電性、ガス透過性及びガス拡散性を有する多孔性繊維シート;発泡金属、エキスパンドメタル等の金属板等を用いることができる。
多孔質層13は、触媒層11とガス拡散層12間の中間層として設けられ、電極1の電気抵抗を下げ、ガスの流れを良化することができる。また、多孔質層13は、電解質膜2において生成した水の排出を促して、逆拡散を抑えることができる。多孔質層13としては、例えば導電性のカーボンと撥水性のバインダー樹脂を混合した多孔質シート等が挙げられる。水の輸送性からは、平均孔径が1〜10nmの多孔質体であることが好ましい。カーボンとしては、例えば黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボン繊維等を用いることができる。
(電解質膜)
電解質膜2は、イオン伝導性の高分子電解質の膜である。電解質膜2としては、例えばナフィオン(登録商標)、アクイヴィオン(登録商標)等のパーフルオロスルホン酸ポリマー;スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スルホン化ポリイミド等の芳香族系ポリマー;ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸等の脂肪族系ポリマー等が挙げられる。
電解質膜2は、イオン伝導性の高分子電解質の膜である。電解質膜2としては、例えばナフィオン(登録商標)、アクイヴィオン(登録商標)等のパーフルオロスルホン酸ポリマー;スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スルホン化ポリイミド等の芳香族系ポリマー;ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸等の脂肪族系ポリマー等が挙げられる。
電解質膜2は、耐久性向上の観点から、多孔質基材2aに高分子電解質を含浸させた複合膜であってもよい。多孔質基材2aとしては、高分子電解質を担持できるのであれば特に限定されず、多孔質、織布状、不織布状、フィブリル状等の膜を用いることができる。多孔質基材2aの材料としても特に限定されないが、イオン伝導性を高める観点から、上述したような高分子電解質を用いることができる。なかでも、フッ素系ポリマーであるポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等は、強度及び形状安定性に優れる。
(セパレータ)
セパレータ4は、ガスの流路4aを形成するリブ4bが表面に設けられたプレートであり、バイポーラプレートとも呼ばれる。セパレータ4の材料としては、一般的に金属が用いられる。例えば、軽量化の観点からはカーボン等が用いられ、厚みを薄くする観点からはステンレス鋼等が用いられる。
セパレータ4は、ガスの流路4aを形成するリブ4bが表面に設けられたプレートであり、バイポーラプレートとも呼ばれる。セパレータ4の材料としては、一般的に金属が用いられる。例えば、軽量化の観点からはカーボン等が用いられ、厚みを薄くする観点からはステンレス鋼等が用いられる。
(強化材)
PEFC100は、電極1の層を含む1つ以上の層内又は層間に、機械的強度に優れた強化材20を備える。
温度、湿度、圧力等の環境条件が変化し、加温と冷却、湿潤と乾燥、加圧と減圧等のサイクルが繰り返されると、PEFC100を構成する各層の歪み、変形、各層間での引張力等の負荷が生じることがある。このような負荷が生じても、強化材20により負荷を緩和して、各層の破壊を減らすことができる。
PEFC100は、電極1の層を含む1つ以上の層内又は層間に、機械的強度に優れた強化材20を備える。
温度、湿度、圧力等の環境条件が変化し、加温と冷却、湿潤と乾燥、加圧と減圧等のサイクルが繰り返されると、PEFC100を構成する各層の歪み、変形、各層間での引張力等の負荷が生じることがある。このような負荷が生じても、強化材20により負荷を緩和して、各層の破壊を減らすことができる。
図2は、PEFC100の破壊箇所の一例を、三角形のマーカーP1〜P7により示す。
上述した加熱と冷却、湿潤と乾燥、加圧と減圧等のサイクルが繰り返されると、電極1を構成する触媒層11、ガス拡散層12、多孔質層13、電解質膜2及びセパレータ4は、歪むか又は変形して、マーカーP1〜P5が示す各層の内部において亀裂等の破壊が生じることがある。また、各層と隣接する層との熱膨張係数、引張強度等の物性の違いにより、各層が隣接する層に引っ張られる等して、マーカーP1〜P5が示す各層の内部において破壊が生じることがある。
上述した加熱と冷却、湿潤と乾燥、加圧と減圧等のサイクルが繰り返されると、電極1を構成する触媒層11、ガス拡散層12、多孔質層13、電解質膜2及びセパレータ4は、歪むか又は変形して、マーカーP1〜P5が示す各層の内部において亀裂等の破壊が生じることがある。また、各層と隣接する層との熱膨張係数、引張強度等の物性の違いにより、各層が隣接する層に引っ張られる等して、マーカーP1〜P5が示す各層の内部において破壊が生じることがある。
なかでも、電解質膜2は、運転時の湿潤膨潤と停止時の乾燥収縮のサイクルを繰り返すことによって、マーカーP1が示すように内部の破壊が生じやすい。電解質膜2の膨張時には、隣接する触媒層11との特性の違いによって、触媒層11と触媒層11から突出する電解質膜2との境界位置、すなわちマーカーP7が示す位置において破壊することもある。
また、外部から衝撃が加わった際、セパレータ4の表面のリブ4bとガス拡散層12との接触部分、特にリブ4bの角と接触する部分に負荷がかかり、マーカーP5及びP6が示す位置においてガス拡散層12の破壊が生じることがある。
マーカーP1〜P7が示す破壊箇所において強化材20を適宜使用することで、各層の破壊を減らすことができる。なお、図2中のマーカーP1〜P7が示す位置は破壊箇所の一例であり、これに限定されない。
各層内に設けられる強化材20は、電極1の触媒層11、ガス拡散層12、多孔質層13及び電解質膜2の各層の成分と混合されて各層を構成してもよいし、各層内に含浸していてもよい。例えば、高分子電解質と強化材20を混合して製膜することにより、電解質膜2を形成してもよい。また、電解質膜2の多孔質基材2aを強化材20により構成してもよいし、基材2aに強化材20を含浸させてもよい。また、強化材20の液槽に触媒層11、ガス拡散層12又は多孔質層13を浸漬し、各層の多孔質の材料中に強化材20を含浸させてもよい。
各層間に設けられる強化材20は、空隙を有するシート材であってもよいし、各層の表面を被覆する塗工膜であってもよい。このような強化材20であれば、導電性の低下を防止することができる。空隙を有するシート材の形状は特に限定されず、多孔質状、ネット状、織布状、不織布状、フィブリル状等が挙げられる。シート材は、接着剤を使用して各層に貼り付けられてもよい。強化材20の塗工膜は、例えば両側の層のうちの少なくとも一方の表面に強化材20を含浸させるか、塗布する等により設けることができる。塗工膜は薄く、例えば塗工した層が多孔質である場合は多孔質の形状は変わらず維持できる。
強化材20の機械的強度は、高い構造規則性を有する高分子設計を行うことで高めることができる。例えば、シス配置の増加、高分子鎖の分子量分布のシャープ化、規則的な折り畳み構造の増加、高分子鎖の伸長等、結晶性が増加するように設計することで、強化材20の機械的強度を高めることができる。
強化材20は、イオン伝導性を有していても有していなくてもよいが、イオン伝導性を有する強化材20は、例えば触媒層11のアイオノマーや電解質膜2の高分子電解質の一部又は全部として使用することができる。また、イオン伝導性を有する強化材20は、親水性を付与することができる。よって、イオン交換機能を付与する観点、又は親水性を付与して強化材20が存在する層の水の排出性又は湿潤性を高める観点からは、強化材20はイオン交換基を有して、イオン伝導性を有することが好ましい。
強化材20は、アノード側とカソード側のいずれか一方側の層内又は層間に設けることもできるし、両側の層内又は層間に設けることもできるが、アノード側に設けられる強化材20はイオン交換基を有して、イオン伝導性を有することが好ましい。アノード側はドライアウトによってイオン伝導性が低下しやすいが、強化材20によって各層のイオン伝導性を補うことができる。
本実施形態のPEFC100では、アノード側のガス拡散層12とセパレータ4の間と、カソード側のガス拡散層12とセパレータ4の間の両方に、ネット状のシート材である強化材20が設けられている。また、アノード側の多孔質層13内にイオン伝導性を有する強化材20が含浸している。
強化材20のイオン伝導度は、電解質膜2と強化材20の位置関係に応じて勾配を有してもよい。例えば、強化材20のイオン伝導度は、強化材20の位置が電解質膜2に近いほど高いことが好ましい。強化材20のイオン伝導度が高いほど、アノードで生じたプロトンがカソードへ移動しやすく、発電効率が高まりやすくなる。
強化材20のイオン伝導度は、JIS R 1661:2004に従い、強化材20により形成した膜から測定することができる。
強化材20のイオン伝導度は、JIS R 1661:2004に従い、強化材20により形成した膜から測定することができる。
イオン伝導性を有する強化材20の具体例としては、シス−1,4結合量が85%以上であってイオン交換基を有する高シスジエン系重合体、国際公開2010/044436に記載された延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜、特開2011−21176号公報に記載されたポリウレア電解質等が挙げられるが、機械的強度に優れた材料であれば、これらに限定されない。これらのうちの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて強化材20として使用することができる。また、強化材20としては市販品を使用することもできる。市販品としては、例えばPrimoSpire(登録商標)(自己強化型ポリフェニレン、Solvay社)、Kapton(登録商標)(耐熱性及び耐寒性ポリイミドフィルム、デュポン社)等が挙げられる。
<高シスジエン系重合体>
なかでも、シス−1,4結合量が85%以上の高シスジエン系重合体が、高い引張強度を有し、耐久性に優れる点で、好ましい。通常、ジエン系重合体は、モノマー単位間にシス−1,4結合、トランス−1,4結合及びトランス−1,2結合を有するが、本発明に用いる高シスジエン系重合体のシス−1,4結合量は、伸長結晶性、ひいては機械的強度を高める観点から、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、97%以上がさらに好ましく、99%以上が特に好ましい。
なお、上記シス−1,4結合量は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定することができる。
なかでも、シス−1,4結合量が85%以上の高シスジエン系重合体が、高い引張強度を有し、耐久性に優れる点で、好ましい。通常、ジエン系重合体は、モノマー単位間にシス−1,4結合、トランス−1,4結合及びトランス−1,2結合を有するが、本発明に用いる高シスジエン系重合体のシス−1,4結合量は、伸長結晶性、ひいては機械的強度を高める観点から、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、97%以上がさらに好ましく、99%以上が特に好ましい。
なお、上記シス−1,4結合量は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定することができる。
上記高シスジエン系重合体の分子量としては、特に限定されるものではないが、高分子電解質膜としての利用であるのならば、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して、1,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、100,000以上が特に好ましい。上記下限以上であれば、十分な機械的強度が得られやすい。また、燃料電池用途の触媒層内での高分子電解質としての利用であるのならば、5,000,000以下が好ましく、1,000,000以下がより好ましく、500,000以下が特に好ましい。上記上限以下であれば十分な酸素透過性及びイオン伝導性が得られやすく、また、触媒層用インク調製時の溶解性も得られやすい。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により算出することができる。
上記高シスジエン系重合体を含む電解質膜2は、機械的耐久性に優れるため、膜厚を小さくしても長期間の連続使用に耐えられる。このため、高シスジエン系重合体は、従来の高分子電解質と比較して相対的にイオン交換容量(IEC:Ion Exchange Capacity)が小さくても、PEFC用途に好適に用いることができる。
上記高シスジエン系重合体のIECとしては、イオン伝導性の向上の観点からは、0.1meq/g以上であることが好ましく、0.5meq/g以上がより好ましく、1.0meq/g以上がさらに好ましい。また、高シスジエン系重合体のIECとしては、吸水時の寸法安定性の観点からは、3meq/g以下であることが好ましく、2.5meq/g以下がより好ましく、2meq/g以下がさらに好ましい。したがって、高シスジエン系重合体のIECとしては、0.1〜3meq/gが好ましく、0.5〜2.5meq/gがより好ましく、1.0〜2meq/gがさらに好ましい。
シス−1,4結合量が85%以上であってイオン交換基を有する高シスジエン系重合体は、高シスジエン系重合体成分と、イオン交換基を有する重合体成分とを含む共重合体である。
高シスジエン系重合体成分とイオン交換基を有する重合体成分との共重合体としては、例えばグラフト共重合体、統計共重合体、ブロック共重合体及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。ブロック共重合体としては、例えばジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等が挙げられる。
高シスジエン系重合体成分とイオン交換基を有する重合体成分との共重合体としては、例えばグラフト共重合体、統計共重合体、ブロック共重合体及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。ブロック共重合体としては、例えばジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等が挙げられる。
高シスジエン系重合体成分の含有量に対するイオン交換基を有する重合体成分の含有量の比率[(高シスジエン系重合体成分の含有量)/(イオン交換基を有する重合体成分の含有量)]は、上述したIECの範囲内であればとのような比率でも構わない。すなわち、目的に応じて、上述したIECの範囲内で当該比率を適宜調整すればよい。例えば、機械的強度をより高める観点からは、高シスジエン系重合体成分の比率を高めればよく、イオン伝導性の向上の観点からは、イオン交換基を有する重合体成分の比率を高めればよい。
<高シスジエン系重合体成分>
高シスジエン系重合体成分は、伸長結晶化するため、引張強度や耐摩耗性等の優れた機械的強度を強化材20に付与する。
高シスジエン系重合体成分は、伸長結晶化するため、引張強度や耐摩耗性等の優れた機械的強度を強化材20に付与する。
高シスジエン系重合体成分は、機械的強度向上の観点から、炭素数が4〜12の共役ジエンであることが好ましい。炭素数が4〜12の共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、1,3−ブタジエン又は2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
高シスジエン系重合体成分としては、上記共役ジエン以外に共役ジエンと共重合体を形成可能な他の成分を含むことができる。他の成分としては、耐熱性向上や、共重合体の主鎖中に占める二重結合の割合を減らし、結晶性を低下させることでエラストマーとしての設計自由度を高める観点から、非共役オレフィンを含むことが好ましい。非共役オレフィンは、非環状オレフィンであって炭素数が2〜10であることが好ましい。そのような非共役オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィンが好ましい。α−オレフィンはオレフィンのα位に二重結合を有するため、共役ジエンとの共重合を効率良く行うことができる。上記α−オレフィンのなかでも、エチレン、プロピレン又は1−ブテンがより好ましく、エチレンがさらに好ましい。これらの非共役オレフィンは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記非共役オレフィン以外に、共役ジエンと共重合体を形成可能な他の成分としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の環状オレフィン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
重合結果として得られる高シスジエン系重合体成分としては、例えばブタジエン重合体やブタジエンーエチレン共重合体等が挙げられる。
<イオン交換基を有する重合体成分>
イオン交換基を有する重合体成分は、強化材20にイオン伝導性を付与する。
イオン交換基としては、特に限定されず、アニオン性基でもカチオン性基でもよい。
イオン交換基を有する重合体成分は、強化材20にイオン伝導性を付与する。
イオン交換基としては、特に限定されず、アニオン性基でもカチオン性基でもよい。
アニオン性基としては、例えばスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基、スルホニルイミド基等が挙げられる。これらのなかでもイオン伝導性に優れることから、スルホン酸基が好ましい。カウンターのカチオンとしては特に限定されないが、アルカリ金属イオン、H+、4級アンモニウムイオン等の1価のカチオンが好ましい。
カチオン性基としては、無置換アミノ基、N−アルキルアミノ基、N−ジアルキルアミノ基等のアミノ基、ピリジル基、イミダゾリル基等の含窒素複素環や、N−トリアルキルアンモニウム基、N-アルキルピリジニウム基、N-アルキルイミダゾリウム基、チオウロニウム基、イソチオウロニウム基等の四級アンモニウム基が挙げられる。四級アンモニウム基のカウンターのアニオンとしては特に限定されないが、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −等の5B族元素のハロゲン化アニオン、BF4 −等の3B族元素のハロゲン化アニオン、I−(I3 −)、Br−、Cl−等のハロゲンアニオン、ClO4 −等のハロゲン酸アニオン、AlCl4 −、FeCl4 −、SnCl5 −等の金属ハロゲン化物アニオン、NO3 −で示される硝酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CH3SO3 −、CF3SO3 −等の有機スルホン酸アニオン、CF3COO−、C6H5COO−等のカルボン酸アニオン、OH−等の1価のアニオンが好ましい。
イオン交換基が導入される重合体成分としては、イオン交換基を導入でき、かつ高シスジエン系重合体成分と共重合体を形成可能な化合物であれば、特に限定されない。例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン等の共役ジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等のオレフィン、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の環状オレフィン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
以下、イオン交換基を有する重合体成分の例示化合物(1)〜(4)を示すが、これらに限定されない。
重合結果として得られるイオン交換基を有する重合体としては、例えばイオン交換基を有するフッ素系重合体、イオン交換基を有する脂肪族系重合体、及びイオン交換基を有する芳香族系重合体等が挙げられる。換言すれば、イオン交換基を有する重合体成分は、これら重合体と重合体を構成する単量体も含む。
イオン交換基を含むフッ素系重合体としては、例えばパーフルオロスルホン酸重合体等が挙げられる。パーフルオロスルホン酸重合体は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ユニットと、パーフルオロスルホン酸ユニットと、を有する。パーフルオロスルホン酸重合体としては、市販品も使用することができる。使用できる市販品としては、例えばナフィオン(Nafion:登録商標、DuPont社製)、アクイヴィオン(Aquivion:登録商標、Solvay社製)、フレミオン(Flemion:登録商標、旭硝子社製)、アシプレックス(Aciplex:登録商標、旭化成社製)等が挙げられる。
パーフルオロスルホン酸重合体の例示化合物(5)〜(7)を下記に示すが、これらに限定されない。例示化合物(5)及び(6)は、それぞれナフィオン(登録商標)及びアクイヴィオン(登録商標)である。例示化合物(7)は、3M社が提案するアイオノマーである。
イオン交換基を有する脂肪族系重合体としては、例えばポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸等が挙げられる。
イオン交換基を有する芳香族系重合体としては、例えばスルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スルホン化ポリエーテルスルホン(SPES)、スルホン化ポリフェニルスルホン(SPPSU)、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリエーテルイミド、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスチレン等が挙げられる。
下記にイオン交換基を含む芳香族系重合体の例示化合物(8)〜(10)を示すが、これらに限定されない。
例示化合物(8)はSPEEK、例示化合物(9)はSPES、例示化合物(10)はスルホン化ポリエーテルイミドである。
例示化合物(8)はSPEEK、例示化合物(9)はSPES、例示化合物(10)はスルホン化ポリエーテルイミドである。
<高シスジエン系重合体の製造方法>
上述した高シスジエン系重合体は、従来公知の方法に従って製造することができる。通常は、チーグラー・ナッタ触媒、ニッケル系触媒、アルミニウム系触媒、ランタニド系触媒組成物系の触媒、メタロセン錯体系触媒等の触媒存在下で各成分を重合させることにより得られる。これらの触媒のなかでも、ランタニド系触媒組成物系、メタロセン錯体系触媒を用いるのが好ましい。
上述した高シスジエン系重合体は、従来公知の方法に従って製造することができる。通常は、チーグラー・ナッタ触媒、ニッケル系触媒、アルミニウム系触媒、ランタニド系触媒組成物系の触媒、メタロセン錯体系触媒等の触媒存在下で各成分を重合させることにより得られる。これらの触媒のなかでも、ランタニド系触媒組成物系、メタロセン錯体系触媒を用いるのが好ましい。
ランタニド系触媒組成物系の触媒としては、特に限定されず、例えば特開2015−508843等に記載の公知のランタニド系触媒組成物系の触媒を用いることができる。
メタロセン錯体系触媒としては、特に限定されず、例えば特開2012−162627や特開2012−180457等に記載の公知のメタロセン錯体系触媒を用いることができる。メタロセン錯体系触媒のなかでもランタノイド元素としてガドリニウムを用いた、ガドリニウムメタロセン錯体系触媒がより好ましい。ガドリニウムメタロセン錯体系触媒は非常に高活性であるため、当該触媒を用いることによりシス−1、4結合量が高い高分子電解質が得られる。また、非常に高活性であるため触媒の使用量を大幅に低減することが可能となる。
また高シスジエン系重合体成分として共役ジエン及び非共役オレフィンを含む場合であっても、ランタニド系触媒組成物系、メタロセン錯体系触媒が好ましく、特に上述したガドリニウムメタロセン錯体系触媒が好ましい。ガドリニウムメタロセン錯体系触媒を用いることにより効率良く、共役ジエン−オレフィン共重合体を合成できる。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であればよく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。
上記方法を用い、添加方法、加熱条件等を適宜調整することにより、統計共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体、及びこれらの組み合わせ等の共重合体を製造することができる。上記方法により製造した、シス−1,4結合量が85%以上の高シスジエン系重合体は、高い引張強度を有し、優れた機械的耐久性を有する。
高シスジエン系重合体は、機械的強度向上の観点から、架橋体であってもよい。架橋方法としては、例えば架橋剤の使用、電子線、放射線等のエネルギー線の照射等が挙げられる。架橋剤を使用した架橋方法としては、例えば高シスジエン系重合体と架橋剤とを溶媒中に溶解させた組成物を得て、加熱又は光の照射によって架橋する方法等が挙げられる。架橋剤としては特に限定されず、公知の架橋剤を用いることができる。
<MEAの製造方法>
MEA3は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、高分子電解質を製膜して電解質膜2を形成するか、多孔質基材2a中に高分子電解質を含浸させて電解質膜2を得る。この電解質膜2の両面に、触媒、担体及びアイオノマーを含む触媒層用インクを塗工して触媒層11を形成する。次いで、強化材20の液槽に浸漬して層内に強化材20を含浸させた多孔質層13をアノード側に貼り合わせ、強化材20を含浸させていない多孔質層13をカソード側に貼り合わせる。多孔質層13上にさらにガス拡散層12を貼り合わせて、MEA3を得る。
MEA3は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、高分子電解質を製膜して電解質膜2を形成するか、多孔質基材2a中に高分子電解質を含浸させて電解質膜2を得る。この電解質膜2の両面に、触媒、担体及びアイオノマーを含む触媒層用インクを塗工して触媒層11を形成する。次いで、強化材20の液槽に浸漬して層内に強化材20を含浸させた多孔質層13をアノード側に貼り合わせ、強化材20を含浸させていない多孔質層13をカソード側に貼り合わせる。多孔質層13上にさらにガス拡散層12を貼り合わせて、MEA3を得る。
<PEFCの製造方法>
PEFC100は、例えば次のようにして製造することができる。
上述のようにして製造されたMEA3のガス拡散層12の表面に、ネット状のシート材である強化材20を貼り合わせる。さらにセパレータ4を貼り合わせて、PEFC100を得る。
PEFC100は、例えば次のようにして製造することができる。
上述のようにして製造されたMEA3のガス拡散層12の表面に、ネット状のシート材である強化材20を貼り合わせる。さらにセパレータ4を貼り合わせて、PEFC100を得る。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
上述した方法により、シス−1,4結合量が85%である高シスジエン系重合体を得た。この高シスジエン系重合体を用いてネット状のシート材を形成し、図1に示すPEFC100と同様の構成のPEFCのガス拡散層上に貼り付けて、ガス拡散層とセパレータの層間に強化材を設けた。
強化材を設けたPEFCと設けていないPEFCを、恒湿槽において−30℃で1時間保持した後、100℃で1時間保持する温冷試験を繰り返し行った。温冷試験を5サイクル行うごとにPEFCの各層の破壊の有無を目視で確認したところ、強化材を設けていないPEFCの方が強化材を設けた方よりも早く破壊が認められ、強化材を設けたPEFCの耐久性が高いことが確認された。
また、シス−1,4結合量が95%である高シスジエン系重合体を用いて同様の試験を行ったところ、シス−1,4結合量が85%である高シスジエン系重合体よりも破壊が確認されるまでのサイクル数が多く、より耐久性が高いことが分かった。
また、シス−1,4結合量が95%である高シスジエン系重合体を用いて同様の試験を行ったところ、シス−1,4結合量が85%である高シスジエン系重合体よりも破壊が確認されるまでのサイクル数が多く、より耐久性が高いことが分かった。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述したPEFC100に限らず、リチウムイオン電池、太陽電池等も1対の電極の層を含む多層構造の電池である。PEFC100以外の電池であっても、本発明によれば、各層の層内又は層間に強化材20を備えることにより、積層体である電池全体の耐久性を高めることができる。
例えば、上述したPEFC100に限らず、リチウムイオン電池、太陽電池等も1対の電極の層を含む多層構造の電池である。PEFC100以外の電池であっても、本発明によれば、各層の層内又は層間に強化材20を備えることにより、積層体である電池全体の耐久性を高めることができる。
100・・・PEFC、1・・・電極、3・・・MEA、11・・・触媒層、12・・・ガス拡散層、13・・・多孔質層、4・・・セパレータ、20・・・強化材
Claims (9)
- 1対の電極(1)の層を含む多層構造の電池(100)であって、
1つ以上の層内又は層間に設けられる強化材(20)を備える、電池(100)。 - 前記強化材(20)は、高シスジエン系重合体を含み、
前記高シスジエン系重合体のシス−1,4結合量が85%以上である、
請求項1に記載の電池(100)。 - 前記高シスジエン系重合体のシス−1,4結合量が95%以上である、
請求項2に記載の電池(100)。 - 前記層内に設けられる強化材(20)は、前記層の成分と混合されて前記層を構成するか、又は前記層内に含浸する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池(100)。 - 前記層間に設けられる強化材(20)は、空隙を有するシート材であるか、両側の層のうちの少なくとも一方の表面を被覆する塗工膜である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池(100)。 - 前記電池(100)は、固体高分子型燃料電池であり、
前記1対の電極(1)間に電解質膜(2)と、
前記1対の電極(1)の両側にセパレータ(4)と、を備え、
前記電極(1)は、
触媒層(11)及びガス拡散層(12)を備え、
前記強化材(20)は、前記電解質膜(2)、触媒層(11)及びガス拡散層(12)のうちの1つ以上の層内又は層間に設けられる、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池(100)。 - 前記強化材(20)は、イオン交換基を有する、
請求項6に記載の電池(100)。 - 前記1対の電極(1)のうち、アノードである電極(1)側の層内又は層間に設けられる前記強化材(20)は、イオン交換基を有する、
請求項6に記載の電池(100)。 - 1対の電極(1)間に電解質膜(2)を備える膜電極接合体(3)であって、
前記電極(1)は、多層構造を有し、
前記電極(1)と前記電解質膜(2)の各層のうち、1つ以上の層内又は層間に設けられる強化材(20)を備える、膜電極接合体(3)。
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