JP2021032578A - 窒素濃度の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】FT−IR法により測定した窒素複合体の吸光度を基にして、換算式によりエピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度をより正確に測定することができる窒素濃度の測定方法を提供する。【解決手段】エピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度を測定する方法であって、エピタキシャルウエーハに吸光度変化熱処理を施し、室温FT−IR法によりNN、NNO、NNOO複合体の吸光度を測定して吸収係数を求め、下記式[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm3)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α801は波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数)を用いて、エピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度を測定することを特徴とする窒素濃度の測定方法。【選択図】図1

Description

本発明は、窒素濃度の測定方法に関し、特には、エピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度の測定方法に関する。
半導体集積回路を作製するための基板として、主にCZ(Czochra1ski)法によって作製されたシリコンウエーハが用いられている。最先端ロジックデバイス向けには、主にエピタキシャルウエーハが使用されている。エピタキシャルウエーハは、ポリッシュドウエーハ(シリコン基板)上にエピタキシャル層を形成したウエーハである。
一般的にエピタキシャル層を形成する工程は高温であることから、結晶引き上げ中に形成された微小な酸素析出物(BMD)は消去されてしまう。このことから、エピタキシャルウエーハにおけるBMD密度は、エピタキシャル工程を行わないポリッシュドウエーハの場合と比較して低くなる。その結果、ゲッタリング能力が不足する可能性が示唆されている。
さらに、先端のロジックデバイスのプロセスは低温短時間化していることから、プロセス中でのBMDの形成は期待できない。
これらの理由から、結晶引き上げ段階で、エピタキシャル工程後であっても消滅しない、大きなサイズのBMDの形成が必要である。
その対策として、窒素をドープしたウエーハを基板として用いる方法がある。窒素をドープした場合では、結晶引き上げ中に形成されるBMDのサイズは、ドープされていない場合と比較して、サイズが大きくなることが知られている。また、そのサイズは、結晶の熱履歴の他に、窒素濃度に依存することがわかっている。
以上のことから、エピタキシャルウエーハの基板中の窒素濃度を測定することは、非常に重要である。
特許第5842765号 特許第3822113号
JEITA EM−3512
エピタキシャルウエーハ中の窒素濃度を定量する方法としては、SIMS(二次イオン質量分析)があるが、破壊法であることが問題である。一方、非破壊で測定できる方法として、室温のFT−IR法(フーリエ変換赤外分光法)が用いられる。CZウエーハに対する測定では、室温FT−IR法で観測されるNN、NNOおよびNNOO複合体(以下、これらをまとめて窒素複合体、または単に複合体とも言う)の吸光度から換算式を用いて窒素濃度を算出する(非特許文献1)。
この方法について本発明者は研究を行った。窒素ドープウエーハ(シリコン基板)と、それを基板としたエピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度を測定した。図7にエピタキシャル工程前(図7(a):ポリッシュドウエーハ)とエピタキシャル工程後(図7(b):エピタキシャルウエーハ)の室温でのFT−IR法によるスペクトルを示す。窒素濃度は、NN、NNO、およびNNOO複合体の吸光度からサンプルの厚さを用いて吸収係数(α766、α801、α810)に変換し、非特許文献1に記載の換算式である、(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017(atoms/cm)を用いて、窒素濃度を算出する。
その結果、図7に示すように各窒素複合体の吸光度はエピタキシャル工程後に変化し、また、エピタキシャルウエーハの窒素濃度は、エピタキシャル工程前と比較して、高くなることがわかった。具体的には、エピタキシャル工程前では2.5×1015atoms/cmであったのに対して、エピタキシャル工程後では3.1×1015atoms/cmとなった。
また、実際の窒素濃度はSIMSにより実測し、該実際の窒素濃度はエピタキシャル工程前に測定した濃度と同程度であることがわかった。
以上の結果から、室温でのFT−IR法で算出できるエピタキシャル工程後の基板の窒素濃度は、実際の濃度と異なることがわかった。
一方、特許文献1や特許文献2においても室温でのFT−IR法で測定されるNN、NNO、もしくはNNOOの吸光度から窒素濃度を定量できることが示されているが、いずれの方法もエピタキシャルウエーハについては言及しておらず、エピタキシャル工程後に各複合体の吸光度が変化することも示されていない。また、一般的に広く知られている非特許文献1で示されている、吸光度から窒素濃度を算出する上記換算式を用いていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、FT−IR法により測定した窒素複合体の吸光度を基にして、換算式によりエピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度をより正確に測定することができる窒素濃度の測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリコン基板上にエピタキシャル工程によりエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエーハの前記シリコン基板中の窒素濃度を測定する方法であって、
前記エピタキシャルウエーハに吸光度変化熱処理を施し、
該吸光度変化熱処理を施した前記エピタキシャルウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求め、
該各々の吸収係数と下記式
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数)
を用いて、前記エピタキシャルウエーハの前記シリコン基板中の前記窒素濃度を測定することを特徴とする窒素濃度の測定方法を提供する。
前述したように、高温のエピタキシャル工程を施すことで、FT−IR法による窒素複合体の吸光度が変化し、上記の非特許文献1の換算式では実際の窒素濃度から外れた値が算出されてしまう。そこで本発明では吸光度変化熱処理を施してから吸光度、ひいては吸収係数の測定を行い、上記換算式によりエピタキシャルウエーハの基板中の窒素濃度を求める。
なお、ここでいう吸光度変化熱処理とは、エピタキシャルウエーハの基板中のNN、NNO、NNOOの窒素複合体の吸光度を変化させ、かつ、該変化後の吸光度から実際の窒素濃度と同程度の窒素濃度を上記換算式で算出し得る程度に吸光度を変化可能な、所定の熱処理を言う。
このようにすれば、エピタキシャル工程により一旦変化した窒素複合体の吸光度を再度変化させ、窒素濃度の測定により適切な状態に変化させることができる。そして、エピタキシャル工程後にそのまま窒素濃度を測定する場合よりも正確に実際の窒素濃度を非破壊で測定することが可能である。エピタキシャルウエーハであっても上記換算式を適用でき、簡便に窒素濃度を求めることができる。
このとき、前記吸光度変化熱処理の条件として、酸素拡散長である(D(T)×t)1/2(ここで、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素拡散係数(cm/sec)、tは熱処理時間(sec))が2×10−7cm〜2×10−5cmの範囲になる熱処理温度と熱処理時間を設定することができる。
このようにすれば、より確実に正確な窒素濃度を測定することができる。
また、前記測定する窒素濃度の範囲を1×1015atoms/cm以上とすることができる。
このように、本発明は上記範囲の窒素濃度の測定に特に有効である。この程度の濃度であれば、十分高い吸光度を得られやすく、より適切に窒素濃度を測定することができる。
以上のように、本発明の窒素濃度の測定方法であれば、たとえエピタキシャルウエーハであっても、吸光度に基づく窒素濃度への換算式を適用することができ、正確に実際の窒素濃度を非破壊かつ簡便に測定することができる。また、このような窒素濃度範囲は、BMD等のために窒素ドープされたCZシリコン基板をベースに作製したエピタキシャルウエーハに好適である。
本発明の窒素濃度の測定方法の一例を示すフロー図である。 エピタキシャルウエーハに熱処理を施した後の窒素複合体の吸光度と熱処理条件との関係の一例を示すグラフである。 窒素複合体の吸光度からの窒素濃度の算出値と熱処理条件との関係の一例を示すグラフである。 熱処理条件における酸素拡散長と、熱処理後の窒素複合体の吸光度から見積もられる窒素濃度の関係の一例を示すグラフである。 実施例および比較例での、各熱処理条件における酸素拡散長と、熱処理後の窒素複合体の吸光度から見積もられる窒素濃度の関係を示すグラフである。 熱処理条件が、(a)450℃/8hと(b)550℃/12hと(c)1000℃/30minの室温でのFT−IR法のスペクトルを示すグラフである。 (a)エピタキシャル工程前と(b)エピタキシャル工程後の室温でのFT−IR法のスペクトルを示すグラフである。
以下、本発明について図面を参照して実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に、本発明の窒素濃度の測定方法のフローの一例を示す。図1に示すように、本発明の測定方法では、主に、エピタキシャルウエーハの用意(工程1)、吸光度変化熱処理(工程2)、室温でのFT−IR法による窒素複合体の吸光度測定および吸収係数の算出(工程3)、換算式を用いた窒素濃度の測定(工程4)からなっている。以下、各工程について詳述する。
(工程1:エピタキシャルウエーハの用意)
まず、シリコン基板上にエピタキシャル工程によりエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエーハを用意する。
シリコン基板は特に限定されないが、特には窒素ドープしたCZシリコン基板とすることができる。従来と同様の単結晶製造装置や手順により製造したものとすることができる。
また測定対象の窒素濃度は、例えば1×1015atoms/cm以上とすることができる。このような濃度範囲は窒素ドープしたCZシリコン基板によくみられる数値範囲であり、また、後工程で行うFT−IR法にて十分な高さの吸光度を得られやすく、窒素濃度を測定しやすい。上限および下限は特に限定されず、吸光度を適切に確認できるレベルであれば良い。
また、エピタキシャル工程自体は特に限定されず、従来と同様のエピタキシャル工程における装置や手順により所望のエピタキシャル層を形成したものとすることができる。なお、通常、エピタキシャル工程は高温であり、例えばシリコン層を積層時のエピタキシャル装置内の温度は1000〜1200℃程度である。
(工程2:吸光度変化熱処理)
次に、用意したエピタキシャルウエーハに対して吸光度変化熱処理を施す。
ここで前述したように、図7に示す通りエピタキシャル工程前後において窒素複合体の吸光度が変化し、結果として、そのまま吸光度を求めて非特許文献1の換算式によりエピタキシャルウエーハのシリコン基板における窒素濃度を求めても、実際の窒素濃度の値から外れてしまう。すなわち、この換算式を適用できず、簡便に実際の窒素濃度を正確に求めることができない。
そこで本発明者は鋭意研究を行い、用意したエピタキシャルウエーハをそのまま窒素濃度の測定にかけるのではなく、エピタキシャルウエーハに追加として、別途、所定の熱処理を行い、窒素複合体の吸光度を変化させることで、上記換算式を適用して正確かつ簡便に非破壊で窒素濃度を測定できることを見出した。
以下に、その所定の熱処理(吸光度変化熱処理)の有効性を見出すに至った実験について説明する。また、吸光度変化熱処理の一例を挙げる。
<実験>
サンプルとして、窒素濃度が2×1015atoms/cmで、酸素濃度が14〜15ppma(JEITA)の直径200mm、p−ウエーハ(CZシリコン基板)に10μm厚のエピタキシャル層を堆積させたp/p−エピタキシャルウエーハを用いた。これらのウエーハに対して、450〜1000℃/10min〜50h/N雰囲気の熱処理を施した後、室温でのFT−IR法によりNN、NNO、およびNNOO複合体を評価した。
その結果、熱処理温度が450℃の場合には、時間を50時間と長くしても、いずれの複合体の吸光度もほとんど変化しなかった。一方、熱処理温度が650℃以上の場合では、30分以内の熱処理により各複合体の吸光度が大きく変化した。
さらに、熱処理時間が1時間以上の場合では、熱処理温度で吸光度の変化は異なり、550℃では、NNOおよびNNOO複合体は増加し、NN複合体は減少した。650℃では、いずれの複合体も一旦増加した後に減少する傾向があった。750℃では、NN複合体は一旦増加した後に減少し、NNOおよびNNOO複合体は一旦減少した後一定となる傾向があった。850℃および1000℃では、いずれの複合体も単調に減少する傾向があった。
熱処理の温度によって、複合体の吸光度が変化する理由は以下のように考えられる。
NN、NNO、およびNNOO複合体は次式の反応式に従って、増加もしくは減少している。
Figure 2021032578
この反応式から、550℃において、NNOおよびNNOO複合体が増加し、NN複合体が減少することは、NN複合体にO原子(酸素原子)が付着する正反応が優勢になっているためと考えられる。
また、750℃において、NN複合体が一旦増加した後に減少し、NNOおよびNNOO複合体が一旦減少した後一定となるのは、NNOO複合体からO原子が脱離することでNNOO複合体が減少し、NNO複合体からO原子が脱離することでNN複合体が一旦増加し、その後、NN複合体が乖離することでNN複合体が減少するためと考えられる。
くわえて、850℃および1000℃において、いずれの複合体も単調に減少するのは、NN、NNO、NNOO複合体からO原子もしくはN原子(窒素原子)が脱離することで、減少していると考えられる。
すなわち、550℃付近では、各複合体にO原子が付着する正反応が優勢になり、750℃以上では、各複合体からO原子やN原子が脱離する逆反応が優勢になると考えられる。
エピタキシャルウエーハに熱処理を施した後の窒素複合体(NN、NNO、NNOO)の吸光度と熱処理条件との関係を図2に示す。また、得られた吸光度からの窒素濃度の算出値と熱処理条件との関係を図3に示す。なお、窒素濃度の算出の手順自体については、工程3、4での手順と同様であるため、ここでは省略し、詳しくは後述する。
図3中の実線(横線)で囲まれた範囲は、SIMSで測定したサンプルの基板中の窒素濃度の実測値の範囲である。実線が二本あるのは、ウエーハ面内位置や結晶位置等によるばらつきをあらわしており、吸光度から求めた窒素濃度がこの範囲内であれば、概ね定量できていると判断できる。
この結果から、熱処理をエピタキシャルウエーハに施して吸光度を変化させることが、基板中の窒素濃度を正確に測ることに対して有効であることがわかった(図3(b)―(d)参照)。
そして本発明者は、窒素濃度をより確実かつ正確に測定できるように、その熱処理についてさらに調査して一層適切な条件を探求するべく種々のパラメータを調べた。特には、熱処理後の窒素濃度と、各熱処理条件における酸素拡散長である(D(T)×t)1/2(ここで、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素拡散係数(cm/sec)、tは熱処理時間(sec))の関係を調査した。その結果を図4に示す。熱処理条件における酸素拡散長と、熱処理後の窒素複合体の吸光度から見積もられる窒素濃度の関係を示すグラフである。
図4に示すように、酸素拡散長が比較的短くなる熱処理条件の場合は、窒素濃度は高めに算出されること、また、酸素拡散長が2×10−7cm〜2×10−5cmの範囲となる熱処理条件の場合は、窒素濃度は上記ばらつきの範囲内になること、それ以上の酸素拡散長となる熱処理条件の場合では、窒素濃度は減少してしまうことがわかった。
高温のエピタキシャル工程により、NNOもしくはNNOO複合体からO原子が乖離し、NN複合体が増加する。その結果、算出される窒素濃度が増加してしまい、基板の実際の窒素濃度よりも増加してしまう。そこで、エピタキシャル工程後(エピタキシャルウエーハ)に上記条件のような所定の熱処理を施すことで、より適切に各複合体の濃度、ひいては吸光度が変化し、より確実に、算出される窒素濃度が実際の窒素濃度と同程度となり、より正確に基板の窒素濃度を測定することができる。
なお、酸素の拡散係数を用いたのは、NN、NNO、およびNNOO複合体の反応ではO原子の付着と脱離が主要因であるためである。
このように、エピタキシャルウエーハに酸素拡散長が2×10−7cm〜2×10−5cmとなる熱処理温度、熱処理時間の条件を設定して熱処理を施すことで、室温でのFT−IRで観測されるNN、NNO、およびNNOO複合体の吸光度から基板の正確な窒素濃度をより確実に見積もることができる。
(工程3:室温でのFT−IR法による窒素複合体の吸光度測定および吸収係数の算出)
上記のように所定の熱処理(吸光度変化熱処理)を施したエピタキシャルウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定する。測定に使用する装置等は特に限定されず、従来と同様のものを用いることができる。
そして、得られた吸光度から、各窒素複合体の吸収係数を算出して求める。
(工程4:換算式を用いた窒素濃度の測定)
求めた吸収係数を非特許文献1に記載の換算式に代入し、窒素濃度を算出し、これをエピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度の測定値とする。なお換算式の詳細は以下の通りである。
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数)
以上のような本発明の窒素濃度の測定方法であれば、エピタキシャル工程後に(すなわち、エピタキシャル層を形成したままのエピタキシャルウエーハに対し)、そのまま窒素濃度を測定する場合よりも正確に基板中の実際の窒素濃度を測定可能である。一見するとエピタキシャルウエーハには上記換算式を適用できないように思われたものの、本発明者の研究により、前述した吸光度変化熱処理を施すことで上記換算式を適用することができることが分かった。したがって、たとえエピタキシャルウエーハでも簡便に正確な窒素濃度を求めることができる。しかも、破壊検査であるSIMSとは異なり、非破壊で測定することが可能である。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例、比較例)
窒素ドープした直径200mmのシリコン基板にエピタキシャル層を形成したp/p−エピタキシャルウエーハ(エピ層厚さ:10μm、エピタキシャル層の抵抗率:10Ω・cm)を複数用意し、それらに450℃/30min〜50h、550℃/30min〜30h、650℃/30min〜18h、750℃/30min〜12h、850℃/10min〜8h、1000℃/10min〜1hの熱処理を施した。なお、上記熱処理において、酸素拡散長が2×10−7cm〜2×10−5cmの範囲になる熱処理温度と熱処理時間の組み合わせで実施した場合が実施例であり、酸素拡散長が上記範囲外になる組み合わせで実施した場合が比較例である。
その後に、室温のFT−IR法で測定したNN、NNO、およびNNOOの吸光度から吸収係数を算出し、さらには上記換算式を用いて窒素濃度を算出した。
さらに、実際の窒素濃度の把握のため、SIMSで基板の深さ方向の中心部の窒素濃度を実測した。
図5に、実施した各熱処理条件から計算される酸素拡散長(D(T)×t)1/2と吸光度から算出される窒素濃度の関係を示す。図5中の2つの実線(横線)で囲まれた範囲は、SIMS分析で測定した、基板の窒素濃度のばらつき範囲である。
この図5から分かるように、同じ熱処理温度でも時間によって正確に窒素濃度を測定できるかどうかは変化する。例えば、750℃の場合、酸素拡散長が短い場合では、SIMSによる実測の窒素濃度のばらつき範囲内に入り、熱処理時間が長くなり、酸素拡散長が長い条件では、ばらつきの範囲外になることがわかる。
また、例として熱処理条件が450℃/8hの場合(比較例で、酸素拡散長は9.3×10−8cm)、550℃/12hの場合(実施例で、1.4×10−6cm)、および1000℃/30minの場合(比較例で、1.5×10−4cm)の室温でのFT−IR法で得られたスペクトルを図6に示す。なお、参考として、エピタキシャル工程後の状態(すなわち、熱処理前の状態)におけるスペクトルも破線で示してある。
さらに、熱処理後のエピタキシャルウエーハから得られた吸光度から見積もった吸収係数および窒素濃度を表1に示す。
Figure 2021032578
酸素拡散長が2×10−7cm〜2×10−5cmの範囲内に入る熱処理を施した550℃/12hの場合、算出した窒素濃度が2.5×1015atoms/cmであり、SIMSの実測の窒素濃度のばらつき範囲に入っていることが分かる。また、その他の2つの場合はSIMSの窒素濃度のばらつき範囲から外れていることが分かる。
さらには、図5に示すように、実施例の他の例でもSIMSの実測の窒素濃度のばらつき範囲内となっていることが分かる。一方、比較例については、他の例でもSIMSの実測の窒素濃度のばらつきの範囲外となっていることが分かる。
上記実施例では窒素濃度が2.5×1015atoms/cm程度のエピタキシャルウエーハについて測定を行ったが、他の窒素濃度を有するエピタキシャルウエーハ(5×1014atoms/cm、1×1015atoms/cm、5×1015atoms/cm、5×1016atoms/cm)についても同様に本発明の測定方法により窒素濃度を測定した。具体的には、酸素拡散長が2×10−7cm〜2×10−5cmの範囲となる熱処理条件で吸光度変化熱処理を施し、実施例と同様にして吸光度を測定して換算式により算出した。その結果、実施例と同様に、実際の窒素濃度と同程度の値を算出することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
上記目的を達成するために、本発明は、シリコン基板上にエピタキシャル工程によりエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエーハの前記シリコン基板中の窒素濃度を測定する方法であって、
前記エピタキシャルウエーハに吸光度変化熱処理を施し、
該吸光度変化熱処理を施した前記エピタキシャルウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求め、
該各々の吸収係数と下記式
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α 801 波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数)
を用いて、前記エピタキシャルウエーハの前記シリコン基板中の前記窒素濃度を測定することを特徴とする窒素濃度の測定方法を提供する。
(工程4:換算式を用いた窒素濃度の測定)
求めた吸収係数を非特許文献1に記載の換算式に代入し、窒素濃度を算出し、これをエピタキシャルウエーハのシリコン基板中の窒素濃度の測定値とする。なお換算式の詳細は以下の通りである。
[N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017
(ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、α 801 波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数)

Claims (3)

  1. シリコン基板上にエピタキシャル工程によりエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエーハの前記シリコン基板中の窒素濃度を測定する方法であって、
    前記エピタキシャルウエーハに吸光度変化熱処理を施し、
    該吸光度変化熱処理を施した前記エピタキシャルウエーハにおいて、室温でのFT−IR法により波数766cm−1のNN複合体、波数801cm−1のNNO複合体、および波数810cm−1のNNOO複合体の吸光度を測定して各々の吸収係数を求め、
    該各々の吸収係数と下記式
    [N]=(α766+1.2×α801+0.3×α810)×1.83×1017
    (ここで、[N]は窒素濃度(atoms/cm)、α766は波数766cm−1のNN複合体の吸収係数、波数801cm−1のNNO複合体の吸収係数、α810は波数810cm−1のNNOO複合体の吸収係数)
    を用いて、前記エピタキシャルウエーハの前記シリコン基板中の前記窒素濃度を測定することを特徴とする窒素濃度の測定方法。
  2. 前記吸光度変化熱処理の条件として、酸素拡散長である(D(T)×t)1/2(ここで、D(T)は熱処理温度T(K)での酸素拡散係数(cm/sec)、tは熱処理時間(sec))が2×10−7cm〜2×10−5cmの範囲になる熱処理温度と熱処理時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の窒素濃度の測定方法。
  3. 前記測定する窒素濃度の範囲を1×1015atoms/cm以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒素濃度の測定方法。
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