JP2021032394A - ギア装置、レンズ装置、および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 例えば、ギア列の軸間距離調整に有利なギア装置を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明のギア装置は、第1ギアの第1歯と第2ギアの第2歯とが互いに噛み合うように構成されてなるギア装置であって、前記第1ギアは、前記第1ギアと前記第2ギアとの間の予め定められた軸間距離に対応した、前記第1歯の形状とは異なる形状を有する調整歯を有し、前記調整歯は、前記第2歯と噛み合わないように構成されている、ことを特徴とする。【選択図】 図5
Description
本発明は、ギア装置、レンズ装置、および撮像装置に関する。
絞り羽根内縁部の重なりで形成される絞り開口径を変化させる絞り装置では、開口径を変化させる部材から開口径を検出するための回転角度検出器までの間にギア列を用いる場合がある。このような場合、該ギア列のバックラッシュのため、検出器による検出精度が低下し、絞りの開口径の制御精度も低下する。そのため、高精度に開口径を制御するには、当該ギア列のバックラッシュを小さくする必要がある。
特許文献1は、一方のギアに錘を設け、錘によって重力に起因した付勢力をギアに加えることによって、ギア列のバックラッシュを低減する絞り装置を開示している。特許文献2は、リングバネにより主ギアと従ギアとの双方に付勢力を加えることにより、噛み合う相手のギアを挟み込み、バックラッシュを低減する技術を開示している。特許文献3は、ギアの歯に固体被膜のある状態で当該ギア(の軸)の位置決めを他のギアに対して軸間の位置決めを行い、その後に固体被膜を除去することにより適当なバックラッシュを得る技術を開示している。
特許文献1に開示された技術は、重力に起因した付勢力をギアに加えているのみのため、急なギアの反転時にはバックラッシュが発生しうる。特許文献2に開示された技術は、主ギアと従ギアとからなるシザーズギアと、それとは噛み合うギアとの間の軸間距離によって、主ギアと従ギアとがそれとは噛み合うギアに加える力が変化する。よって、安定した駆動制御を行うには精密な軸間距離調整が必要となる。特許文献3に開示された技術は、固体被膜を除去する必要があるため、固体被膜の一部(摩耗粉や剥離片など)がギア列を含む装置内に残りうる。
本発明は、例えば、ギア列の軸間距離調整に有利なギア装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のギア装置は、第1ギアの第1歯と第2ギアの第2歯とが互いに噛み合うように構成されてなるギア装置であって、前記第1ギアは、前記第1ギアと前記第2ギアとの間の予め定められた軸間距離に対応した、前記第1歯の形状とは異なる形状を有する調整歯を有し、前記調整歯は、前記第2歯と噛み合わないように構成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、ギア列の軸間距離調整に有利なギア装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1〜7は、本発明の実施形態にかかわるレンズ装置内に構成される絞り装置である。
図1及び図2に基づいて、絞り装置(可動の光学要素)の駆動構造について説明する。図1は絞り装置の開放状態での正面図、図2は絞り装置の分解斜視図を示す。
絞り装置は図1及び図2に示すように支持筒1と、6枚の絞り羽根2と、カム板3と、押え板4と、ストッパーピン5と、駆動ユニット101及び検出ユニット(検出部)102によって構成される。絞り羽根2には、片側の面に回転中心ピン2aが凸設され、対面側には駆動ピン2bが凸設される。6枚の絞り羽根2に設けられた回転中心ピン2aは支持筒1に設けられた6箇所の係合穴1aにそれぞれ回転自在に係合する。一方で、6枚の絞り羽根2に設けられた駆動ピン2bはカム板3に設けられた6箇所のカム溝3aにそれぞれ係合する。押え板4を4本の固定ビス6によって支持筒1に固定することで、カム板3は支持筒1に対して回転可能に保持される。
また、カム板3に設けられたピン穴3bにストッパーピン5を固定する。これにより、ストッパーピン5はカム板3と一体で可動し、ストッパーピン5が押え板4に設けられた開放端ストッパー4a及びクローズ端ストッパー4bと当接することで、カム板3は適切な可動範囲となるよう規制される。
次にモーター7及びカム板3に設けられたカムギア3c(第2ギア)が噛み合うギア8からなる駆動ユニット101を2本の固定ビス9によって支持筒1に固定する。また、検出部10及びカム板3に設けられたカムギア3cが噛み合う検出ギア(主ギア11、従ギア13)(第1ギア)を持つ検出ユニット102を2本の固定ビス12によって支持筒1に固定する。すると、検出ギアとカム板3に設けられたカムギア3cが噛み合うことで、検出ユニット102によってカム板3の回転角を検出することが可能となる。
以上の構成により、検出部10に基づき図示されない制御部からモーター7に指令信号が入力されると、ギア8によってカム板3が回転する。これにより、6枚の絞り羽根2は、各々6箇所の駆動ピン2bが係合するカム溝3aに案内されると共に、回転中心ピン2aを中心に回動することで、開口状態が可変(絞り開口径を変化させることが可能)な開口絞りを構成する。
図3に基づいて検出ユニット102のバックラッシュを除去する構造について説明する。図3は検出ユニット102の分解斜視図を示す。
検出ユニット102は図3に示すように、検出部10と、検出ギアである同軸の主ギア11と従ギア13と、固定板14と、リングバネ15と、連結ピン16によって構成される。検出部10は、固定部10aが固定穴14aと係合することで固定板14に固定される。リングバネ15はリング状の面に対して垂直方向で互いに反対方向に曲げられた突起部15a及び突起部15bを持つ。突起部15aは主ギア11に設けられた穴部11aに、突起部15bは従ギア13に設けられた穴部13aにそれぞれ係合する。検出軸10bに回転可能に係合する主ギア11に設けられた穴部11bと従ギア13に設けられた穴部13bを嵌め合わせ、連結ピン16によって主ギア11を検出軸10bに固定する。
以上の構成により、主ギア11に対して従ギア13を相対的に回転させると、主ギア11と従ギア13に対して、互いの相対的な回転を戻す方向に、リングバネ15による弾性力(復元力)が働く。この状態で、主ギア11をカムギア3c(第2歯)に噛み合わせると、リングバネ15によって、主ギア11と従ギア13がカムギア3cを挟み込み付勢力が加えられるため、弾性力の範囲内において、バックラッシュなく主ギア11とカムギア3cが噛み合うことが可能となる。すなわち、主ギア11と従ギア13とリングバネ15とにより、バックラッシュレスギア(シザーズギア)が構成されている。
図4〜図7に基づいてカムギア3cと主ギア11の軸間調整方法について説明する。図4は絞り装置の調整時の正面図、図5は図4のA部詳細図、図6は図1のB部詳細図、図7は調整後の作動を示し、(a)は開放端時、(b)は中間絞り状態時、(c)はクローズ端時を示す。
まず、図4及び図5に示すように、ストッパーピン5をカム板3から外し、絞り装置の通常の使用時におけるカム板3の押え板4に対する回転範囲外まで回転可能な状態にする。
次に、調整歯11dをその他の歯(第1歯)と識別するために付された主ギア11の印11cと従ギア13の切欠き13cの位相を一致させた状態にする。(調整歯11dは、カムギア3cと主ギア11の軸間距離の調整を行うために使用される、主ギア11の他の歯(第1歯)とは形状が異なる歯であり、少なくとも1つの調整歯が備えられている。)
この状態は、主ギア11の印11cが従ギア13の切欠き13cを介して視認可能な状態である。これにより、主ギア11と従ギア13との間にはリングバネ15によって相対的な回転方向に対して適切な付勢力(第1の力)が加えられた状態となる。言い換えると、主ギア11と従ギア13との間の回転方向の付勢力が前記第1の力となる主ギア11と従ギア13との間の相対的な回転量のときに主ギア11の印11cが視認可能となるように前記主ギアと前記従ギアが構成されている。
この状態で主ギア11及び従ギア13をカムギア3cに噛み合わせると、適切な付勢力で主ギア11と従ギア13がカムギア3cを挟み込み、バックラッシュを除去することができる。また、主ギア11の印11cがついた歯は、その他の歯よりも大きい転位量で形成された調整歯11dである。絞り装置の通常の使用時のカム板3の押え板4に対する回転範囲外の状態である、印11cとカム板3に設けられた印3dの位相を一致させた状態で、調整歯11dをカムギア3cに当接させながら、検出ユニット102を2本の固定ビス12によって支持筒1に固定する。
最後に、図1及び図6に示すように、開放端ストッパー4aとクローズ端ストッパー4b間が可動域となるようにストッパーピン5をピン穴3bに取り付ける。これにより、主ギア11とカムギア3cは適切な軸間に調整された状態で駆動することが可能となる。ストッパーピン5をピン穴3bに取り付けた後は、図7で示すように、(a)から(b)、そして(c)まで全域で可動させても、調整歯11dはカムギア3cと噛み合うことはない。
以上の構成により、可動全域において検出ユニット102はカムギア3cに対して適切な付勢力でバックラッシュを除去し、且つ適切な軸間距離でカムギア3cと噛み合うことが可能となるため、極めて高い精度でギア列の軸間距離調整を行うことが可能となる。また、各印を一致させて組み立てるので、容易に組み立てることができる。
また、本実施例では主ギア11に調整歯11dを設けたが、カムギア3c側に調整歯を設けてもよい。更には、調整歯は双方に設けてもよく、つまりは調整時よりも可動時の主ギア11とカムギア3cのバックラッシュが大きくなるような歯の組み合わせであればよい。調整歯11dは主ギア11と従ギア13の双方またはどちらか一方の少なくとも1枚の歯に構成されればよい。
また、本実施例では調整歯は歯の転位量を大きくする、つまりは歯の山を他の歯の山よりも大きく形成したが、ギアの谷の転位量を大きくする、つまりは歯の谷を浅く形成してもよい。
本実施例においては、バックラッシュレスギア(シザーズギア)とカムギア3cとが噛み合うギア装置を例示したので、適切な付勢力で主ギア11と従ギア13がカムギア3cを挟み込み、所定の弾性力の範囲内での回転であれば、極めて高い精度でギア列の軸間距離調整ができているので、バックラッシュが除去された状態で安定駆動することができる。しかし、本発明はバックラッシュレスギアではないギア同士が噛み合うギア装置の場合にも適用できる。その場合には、極めて高い精度でギア列の軸間距離調整ができているので、調整歯を使用してバックラッシュ無く噛み合うように2つのギアの軸間距離が調整され、実使用時の調整歯以外の歯が噛み合う状態においては、軸間距離に対応した適正なバックラッシュを有して噛み合うギア装置を提供することができる。
本発明のギア装置を、開口径が可変な絞り装置や可動レンズ群の位置検出に使用したレンズ装置により、本発明のギア装置の効果を享受できるレンズ装置を実現することができる。また、該レンズ装置と、該レンズ装置の像面に配された撮像素子と、を有する撮像装置を構成することによって本発明の効果を享受できる撮像装置を実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
3c カムギア(第2ギア)
11 主ギア(第1ギア)
11d 調整歯
13 従ギア(第1ギア)
11 主ギア(第1ギア)
11d 調整歯
13 従ギア(第1ギア)
Claims (10)
- 第1ギアの第1歯と第2ギアの第2歯とが互いに噛み合うように構成されてなるギア装置であって、
前記第1ギアは、前記第1ギアと前記第2ギアとの間の予め定められた軸間距離に対応した、前記第1歯の形状とは異なる形状を有する調整歯を有し、
前記調整歯は、前記第2歯と噛み合わないように構成されている、
ことを特徴とするギア装置。 - 前記調整歯は、前記第1歯より大きいことを特徴とする請求項1に記載のギア装置。
- 前記調整歯の谷は、前記第1歯の谷より浅いことを特徴とする請求項1に記載のギア装置。
- 前記第1ギアと前記第2ギアとは、前記予め定められた軸間距離に対応したバックラッシュを有して互いに噛み合っていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載のギア装置。
- 前記調整歯の転位量は、前記第1歯の転位量とは異なっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載のギア装置。
- 前記第1ギアは、シザーズギアであり、
前記シザーズギアの主ギアと従ギアとのうち少なくとも一方は、前記調整歯を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載のギア装置。 - 前記第1ギアは、前記調整歯を前記第1歯とは識別するための印を有し、
前記主ギアと前記従ギアとの間の相対的な回転量が前記主ギアと前記従ギアとの間の予め定められた付勢力に対応する場合に前記印が視認可能となるように構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のギア装置。 - 可動の光学要素と、
請求項1ないし請求項7のうちいずれか1項に記載のギア装置を含み、該ギア装置を介して前記光学要素の動きに関する状態を検出する検出部と、
を有することを特徴とするレンズ装置。 - 前記光学要素は、開口状態が可変の開口絞りを含むことを特徴とする請求項8に記載のレンズ装置。
- 請求項8または請求項9に記載のレンズ装置と、
前記レンズ装置によって形成された像を受ける撮像素子と、
を有することを特徴とする撮像装置。
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JP2019156949A JP2021032394A (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | ギア装置、レンズ装置、および撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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RD01 | Notification of change of attorney |
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