JP2021031528A - 変性ポリオレフィン樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明によれば、トルエン以外の溶媒にも安定的に溶解でき、付着性に優れる変性ポリオレフィン樹脂を得ることを課題とする。【解決手段】成分(A)α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体及び、成分(B)ドデシルアクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリル酸エステルを変性成分として含む、成分(C)ポリオレフィン樹脂の変性物である変性ポリオレフィン樹脂であって、該変性ポリオレフィン樹脂が示差走査型熱量計による融点が50〜90℃の範囲にあり、重量平均分子量が20,000〜250,000の範囲であることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、変性ポリオレフィン樹脂に関する。
一般的に、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンは、安価で成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性など多くの優れた性質を有するため、シート、フィルム、成形物等として近年広く採用されている。しかし、ポリオレフィン基材は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の極性基材とは異なり非極性でかつ結晶性のため、塗装や接着が困難である。
こうしたポリオレフィン樹脂を用いた非極性樹脂基材に対して付着性を有する樹脂として塩素化ポリオレフィン樹脂が広く用いられているが、塩素化ポリオレフィン樹脂は脱塩酸の問題があるため、ポリオレフィン樹脂と金属との接着や、食品などには不適であるとされている。このため、これらの用途に対しては、例えば非塩素型の酸変性したポリオレフィン系樹脂をベースとしたものが一般的に使用されている(特許文献1)。
特開2011−256339号公報
これらの酸変性ポリオレフィン系樹脂は、芳香族以外の溶剤への溶解性に難点があるため、通常トルエンなどの芳香族溶剤に溶解して使用される。
しかしながら、近年、環境問題の観点からトルエンなどの芳香族溶剤を含有しない溶剤を用いた樹脂組成物が要求されるようになっている。
そこで本発明では、トルエン以外の溶媒にも安定的に溶解でき、付着性に優れる変性ポリオレフィン樹脂を得ることを目的とする。
本願発明者らは、鋭意努力の結果、下記の(1)〜(8)であることで課題を解決できることを見出した。
(1)成分(A)α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体及び、成分(B)ドデシルアクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリル酸エステルを変性成分として含む、成分(C)ポリオレフィン樹脂の変性物である変性ポリオレフィン樹脂であって、
該変性ポリオレフィン樹脂が示差走査型熱量計による融点が50〜90℃の範囲にあり、重量平均分子量が20,000〜250,000の範囲であることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂。
(2)前記成分(C)が、ブテン又はエチレンに由来する構造単位を、1〜25モル%の範囲で含むことを特徴とする(1)に記載の変性ポリオレフィン樹脂。
(3)前記成分(C)が、プロピレン-ブテン系共重合体又はプロピレン-エチレン系共重合体、であることを特徴とする(1)〜(2)いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載の変性ポリオレフィン樹脂、及びシクロアルカン系溶剤とケトン系溶剤とを含む、樹脂組成物。
(5)(1)〜(3)いずれかに記載の変性ポリオレフィン樹脂又は(4)に記載の樹脂組成物を含む、プライマー。
(6)(1)〜(3)いずれかに記載の変性ポリオレフィン樹脂又は(4)に記載の樹脂組成物を含む、塗料。
(7)(1)〜(3)いずれかに記載の変性ポリオレフィン樹脂又は(4)に記載の樹脂組成物を含む、インキ。
(8)(1)〜(3)いずれかに記載の変性ポリオレフィン樹脂又は(4)に記載の樹脂組成物を含む、接着剤。
本発明では、トルエン以外の溶媒にも安定的に溶解でき、付着性に優れる変性ポリオレフィン樹脂を得ることができる。
本発明は、成分(A)α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体及び、成分(B)ドデシルアクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリル酸エステルを変性成分として含む、成分(C)ポリオレフィン樹脂の変性物である変性ポリオレフィン樹脂であって、
該変性ポリオレフィン樹脂が示差走査型熱量計による融点が50〜90℃の範囲にあり、重量平均分子量が20,000〜250,000の範囲にあることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂である。
本発明において、成分(A)は、α、β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体である。α、β−不飽和カルボン酸及びその誘導体としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、(メタ)アクリル酸、などが例示され、無水マレイン酸が好ましい。成分(B)は、α、β−不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の化合物であればよく、α、β−不飽和カルボン酸1種以上とその誘導体1種以上の組み合わせ、αア、β−不飽和カルボン酸2種以上の組み合わせ、α、β−不飽和カルボン酸の誘導体2種以上の組み合わせであってもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、メタアクリル酸及び/又はアクリル酸を意味する。「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
変性ポリオレフィン樹脂中の成分(A)のグラフト重量は、変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合に、0.1重量%以上であることが好ましく、0.5重量%以上であることがより好ましい。これにより、得られる変性ポリオレフィン系樹脂の、金属被着体に対する接着性を保つことができる。上限は10重量%以下であることが好ましく、4重量%以下であることがより好ましい。これにより、グラフト未反応物の発生を防止することができ、樹脂被着体に対する十分な接着性を得ることができる。従って成分(A)のグラフト重量は、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上4重量%以下である。
成分(A)のグラフト重量(重量%)は、公知の方法で測定することができる。例えば、アルカリ滴定法によって求めることができる。
本発明における成分(B)は、ドデシルアクリレートを含むことが重要である。変性ポリオレフィン系樹脂中の成分(B)のグラフト重量は、変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合に、0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは、0.3重量%以上である。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂の分子量分布を十分狭い範囲に保つことができる。すなわち、高分子量部分の悪影響を抑制することができ、溶剤溶解性、溶液の低温安定性及び他樹脂との相溶性を良好に保持することができる。また、低分子量部分の悪影響を抑制して、接着力を向上させることができる。上限は、10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは4重量%以下である。これにより、グラフト未反応物の発生を抑制することができ、樹脂、金属等の被着体に対する接着性を良好に保持することができる。従って、成分(B)のグラフト重量は、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3重量%以上4重量%以下である。
成分(B)のグラフト重量(重量%)は、公知の方法で測定することができる。例えば、アルカリ滴定法によって求めることができる。
成分(B)は、ドデシルアクリレートを少なくとも含むことが重要であるが、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜その他の(メタ)アクリル酸エステルを組み合わせてもよい。なお、その他の(メタ)アクリル酸エステルを含む場合、本発明の効果を阻害しない範囲としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類全量のグラフト変性量100%とした際に、ドデシルアクリレートのグラフト変性量が80%以上にすることが好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂中の成分(A)のグラフト重量及び成分(B)のグラフト重量のうちのいずれかが0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、両方が0.1重量%以上10重量%以下であることがより好ましい。
用途や目的に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で、成分(A)及び(B)以外のグラフト成分(他のグラフト成分)を併用してもよい。例えば、成分(A)以外の(メタ)アクリル酸誘導体(例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等)が挙げられる。他のグラフト成分は、単独であってもよいし、或いは複数種の組み合わせで合ってもよい。他のグラフト成分のグラフト重量(複数種の組み合わせの場合にはそれらの合計)は、特に限定されないが、成分(A)及び(B)のグラフト重量の合計を超えないことが好ましい。
成分(C)は、ポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂は、特に限定されず、1種又は2種以上のオレフィン成分の重合体であればよい。ポリオレフィン樹脂としては、炭素数2〜6のα−オレフィンの、単独重合体(エチレン又はプロピレンの単独重合体等);エチレン又はプロピレンとその他のコモノマーとの、ランダム共重合体、ブロック共重合体が例示される。その他のコモノマーとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンが例示されるが、1−ブテンが好ましい。
成分(C)は、ポリオレフィン樹脂1種であってもよく、2種以上であってもよい。成分(C)としては、例えばエチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、及びエチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を挙げることができるが、プロピレン−1−ブテン共重合体又はプロピレン-1-エチレン系共重合体を含むことがより好ましい。ポリオレフィン樹脂がブテン成分又はエチレン成分を含む場合、ブテン成分又はエチレン成分のモル比は、ポリオレフィン樹脂全体の1〜25%が好ましく、より好ましくは5〜25%、さらに好ましくは10〜25%である。ポリオレフィン樹脂がプロピレン成分を含む場合、プロピレン成分のモル比は、ポリオレフィン樹脂全体の40〜99%が好ましく、より好ましくは75〜99%、さらに好ましくは75〜90%である。
なお、ポリオレフィン樹脂におけるブテン構成単位含有率は、原料におけるブテンの使用割合としうるが、NMR解析により算出してもよい。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法としては、成分(C)に成分(A)及び成分(B)をグラフト重合することで得ることができる。製造の際には成分(D):ラジカル発生剤を用いてもよい。
ラジカル発生剤は、公知のラジカル発生剤であってもよく、有機過酸化物系化合物が好ましい。有機過酸化物系化合物としては例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,4−ビス[(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート等が挙げられ、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド及びジラウリルパーオキサイドが好ましく、ジラウリルパーオキサイドがより好ましい。成分(D)は、単独のラジカル発生剤でもよいし、複数種のラジカル発生剤の組み合わせであってもよい。
成分(D)を用いて変性ポリオレフィン系樹脂を製造する方法としては例えば、成分(A)、(B)及び(C)の混合物を、トルエン、キシレン等の有機溶剤に加熱溶解し、成分(D)を添加する溶液法、並びに、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の混練機を使用して成分(A)、(B)、(C)及び(D)を添加し、加熱下で溶融混練反応により変性ポリオレフィン系樹脂を得る方法が挙げられる。変性ポリオレフィン系樹脂の製造において、成分(A)、(B)、(C)及び(D)は、反応系に一括添加しても、逐次添加してもよい。
グラフト重合反応における成分(D)の添加量は、成分(A)の添加量及び成分(B)の添加量の合計(重量)に対し、1重量%であることが好ましく、より好ましくは、10重量%である。これにより、十分なグラフト効率を保持することができる。上限は100重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下である。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量の低下を抑制することができる。
そのようにして得られる本発明の変性ポリオレフィン樹脂の融点(Tm)は、50〜90℃の範囲にあることが重要であり、60〜90℃の範囲にあることが好ましく、60~80℃の範囲にあることがより好ましく、60〜75℃の範囲にあることがさらに好ましい。
なお融点は示差走査熱量測定法( D S C ) 等により測定することができる。
本発明におけるDSCによるTmの測定は、例えば以下の条件で行うことができる。JIS K7121−1987に準拠し、DSC測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製 DISCOVERY DSC2500)を用い、約5mgの試料を150℃で10分間加熱融解状態を保持後、10℃/分の速度で降温して−50℃で安定保持した後、更に10℃/分で150℃まで昇温して融解した時の融解ピーク温度を測定し、該温度をTmとして評価する。尚、後述の実施例におけるTmは前述の条件で測定されたものである。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、20,000〜250,000の範囲であることが重要であり、40,000〜200,000の範囲であることが好ましく、50,000〜180,000の範囲であることがより好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されたポリスチレン樹脂を標準とした値である。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂は、特定の(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性されるとともに、変性ポリオレフィン樹脂が上述される融点、重量平均分子量、が特定の範囲にあることで、本発明の優れた効果を発揮することができる。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂は、溶剤に分散させた樹脂組成物とすることができる。溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);脂環式炭化水素溶剤(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のシクロアルカン類);脂肪族炭化水素溶剤(ヘキサン、ヘプタン、及びオクタン等);ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等);エステル系溶剤(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、及び酢酸n−ブチル等)グリコール系溶剤(エチレングリコール、エチルセロソルブ、及びブチルセロソルブ等);アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、n−ブタノール、t−ブタノール等);並びに、これらの混合溶剤が例示されるが、脂環式炭化水素溶剤(好ましくは、(メチル)シクロヘキサンなど)とケトン系溶剤(メチルエチルケトンなど)の混合溶剤であることが好ましい。混合溶媒における各溶剤の重量比は特に問わないが、芳香族溶剤/脂環式炭化水素溶剤の場合には9/1〜5/5であることが好ましく、8/2〜6/4がさらに好ましい。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂を含む樹脂組成物は、さらに他の成分と組み合わせて用いてもよい。そのような他の成分としては、硬化剤、接着成分が例示される。
硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、イソホロンジアミン等のポリアミン化合物、ポリオール化合物、或いはそれらの官能基が保護基でブロックされた架橋剤が例示される。硬化剤は単独であってもよいし、或いは複数種の組み合わせであってもよい。硬化剤の配合量は、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂中の成分(A)の含有量により適宜選択できる。本発明の組成物が、硬化剤を含有する場合は、触媒を含有していてもよい。触媒としては、有機スズ化合物、第三級アミン化合物が例示され、これらの中から目的に応じて適宜選択すればよい。
接着成分としては、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤
等の公知の接着剤が例示される
本発明の変性ポリオレフィン樹脂は、付着性に優れるのみならず、溶液中での安定性に優れるため、接着剤、プライマー、塗料用バインダー及びインキ用バインダーとして用いることができる。
次に本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分89モル%、エチレン成分11モル%、重量平均分子量50,000、Tm=65℃)100重量部、無水マレイン酸4.0重量部、ドデシルアクリレート2.5重量部、ジラウリルパーオキサイド1重量部を、170℃に設定した二軸押出機を用いて混練反応した。押出機内にて減圧脱気を行い、残留する未反応物を除去し、重量平均分子量が55,000、Tm=64℃、無水マレイン酸のグラフト重量が3.4重量%、ドデシルアクリレートのグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン樹脂1を得た。
(実施例2)
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分88モル%、エチレン成分12モル%、重量平均分子量200,000、Tm=60℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸4.5部、ドデシルアクリレート3.5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、反応物を大過剰のアセトン中に投入することで精製して、重量平均分子量が130,000、Tm=60℃、無水マレイン酸のグラフト重量が3.0重量%、ドデシルアクリレートのグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン樹脂を得た。
(実施例3)
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分88モル%、エチレン成分12モル%、重量平均分子量200,000、Tm=60℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸1.0部、ドデシルアクリレート1.0部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.4部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、反応物を大過剰のアセトン中に投入することで精製して、重量平均分子量が120,000、Tm=60℃、無水マレイン酸のグラフト重量が0.8重量%、ドデシルアクリレートのグラフト重量が0.6重量%の変性ポリオレフィン樹脂を得た。
(実施例4)
プロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン成分70モル%、ブテン成分30モル%、重量平均分子量250,000、Tm=75℃)100重量部、無水マレイン酸2.5重量部、ドデシルアクリレート2.0重量部、ジラウリルパーオキサイド1重量部を、175℃に設定した二軸押出機を用いて混練反応した。押出機内にて減圧脱気を行い、
残留する未反応物を除去し、重量平均分子量が150,000、Tm=73℃、無水マレイン酸のグラフト重量が1.6重量%、ドデシルアクリレートのグラフト重量が1.3重量%の変性ポリオレフィン樹脂1を得た。
<評価>
(評価試験)
ガラス瓶内にて、実施例及び比較例で得られる変性ポリオレフィン樹脂を、メチルシクロヘキサン/メチルエチルケトン溶液(混合比80/20)に溶解して、15質量%の濃度の塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物について、以下の手順で性能評価を実施した結果を表1に示した。
<付着性試験>
ヒートシール強度試験は、アルミ箔上に樹脂乾燥膜厚3μmとなるように#16のマイヤーバーで塗料組成物を接着剤として塗布し、180℃で10秒間乾燥した。塗布済みのアルミ箔を無延伸ポリプロピレン(CCP)フィルムと貼合し、200℃×1秒間、100kPaの条件で熱圧着を行い、15mm幅に切り出した試験片を作製した。試験片を23℃、相対湿度50%で24時間恒温恒湿保管後、180度方向剥離、剥離速度100mm/minの条件でラミネート接着強度を測定し、下記の基準で評価した。
〇:接着強度が8N/15mm以上であり、接着性良好。
×:接着強度が8N/15mm未満であり、接着性に劣る。
<溶液安定性試験>
上記の通り得られた塗料組成物200mlを、225ml容積のガラス瓶に入れ溶剤が揮発しないようにしっかりと封をし、室温(23℃)にて1週間静置した後に溶液安定性を目視し、下記評価基準で評価した。
〇:塗料組成物は透明なままであり、流動性が保たれている。
×:塗料組成物は濁っており、流動性が低下している。
Figure 2021031528

Claims (8)

  1. 成分(A)α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体及び、成分(B)ドデシルアクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリル酸エステルを変性成分として含む、成分(C)ポリオレフィン樹脂の変性物である変性ポリオレフィン樹脂であって、
    該変性ポリオレフィン樹脂が示差走査型熱量計による融点が50〜90℃の範囲にあり、重量平均分子量が20,000〜250,000の範囲であることを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂。
  2. 前記成分(C)が、ブテン又はエチレンに由来する構造単位を、1〜25モル%の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載の変性ポリオレフィン樹脂。
  3. 前記成分(C)が、プロピレン-ブテン系共重合体又はプロピレン-エチレン系共重合体、であることを特徴とする請求項1〜2いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂、及びシクロアルカン系溶剤とケトン系溶剤とを含む、樹脂組成物。
  5. 請求項1〜3いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂又は請求項4に記載の樹脂組成物を含む、プライマー。
  6. 請求項1〜3いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂又は請求項4に記載の樹脂組成物を含む、塗料。
  7. 請求項1〜3いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂又は請求項4に記載の樹脂組成物を含む、インキ。
  8. 請求項1〜3いずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂又は請求項4に記載の樹脂組成物を含む、接着剤。
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