JP2021031508A - 接着剤、接着剤セット及び構造体の製造方法 - Google Patents

接着剤、接着剤セット及び構造体の製造方法 Download PDF

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陽介 藤安
Yosuke Fujiyasu
陽介 藤安
昌大 松永
Masahiro Matsunaga
昌大 松永
雅史 大治
Masashi Oji
雅史 大治
崇司 川守
Takashi Kawamori
崇司 川守
辰宏 高橋
Tatsuhiro Takahashi
辰宏 高橋
晃哉 後藤
Akinari Goto
晃哉 後藤
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Abstract

【課題】接着強度に優れる接着剤及び接着剤セットを提供すること。【解決手段】本発明は、オキサゾリン基を有するモノマー及び重合開始剤を含有する接着剤、並びに、重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備え、第一液及び第二液の少なくとも一方がオキサゾリン基を有するモノマーを更に含有する接着剤セットを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤、接着剤セット及びこれらを用いた構造体の製造方法に関する。
従来、(メタ)アクリル系接着剤は、自動車分野をはじめとした様々な分野に用いられている。(メタ)アクリル系接着剤として、例えば特許文献1には、特定のアクリル樹脂を含むラジカル硬化型接着剤が開示されている。また、第一液及び第二液を備え、これらを混合することにより硬化する二液型接着剤が種々検討されている。二液型の(メタ)アクリル系接着剤として、例えば特許文献2には、重合性アクリルモノマーを含む二液型接着剤が開示されている。
特開2012−12562号公報 特開平5−098216号公報
(メタ)アクリル系接着剤は、主に接着剤に含まれる(メタ)アクリルモノマーがラジカル重合を起こして接着性を発現する。しかしながら、モノマーのラジカル重合だけでは必ずしも充分な接着強度が得られないことがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接着強度に優れる接着剤及び接着剤セットを提供することを目的とする。また、本発明は、上記接着剤又は接着剤セットを用いた構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備え、第一液及び第二液の少なくとも一方は、オキサゾリン基を有するモノマーを含有する、接着剤セットに関する。
上記接着剤セットは、オキサゾリン基を有するモノマーを含有するため、第一液及び第二液の混合物が硬化することで、優れた接着強度で被着体同士の接着が可能となる。
本発明の他の一側面は、オキサゾリン基を有するモノマー及び重合開始剤を含有する接着剤に関する。
上記接着剤は、オキサゾリン基を有するモノマーを含有するため、接着剤が硬化することで、優れた接着強度で被着体同士の接着が可能となる。
本発明の他の一側面は、上記接着剤セットを用いて被着体同士を接着する工程を備え、上記工程において、被着体間に第一液及び第二液を配置して第一液及び第二液の混合物を硬化する、構造体の製造方法工程に関する。一態様において、上記混合物を、100℃未満の温度で硬化させてもよい。
本発明の他の一側面は、上記接着剤を用いて被着体同士を接着する工程を備え、上記接工程において、被着体間に接着剤を配置して接着剤を硬化する、構造体の製造方法に関する。一態様において、上記接着剤を、100℃未満の温度で硬化させてもよい。
上記製造方法によれば、被着体同士が優れた接着強度で接着された構造体が得られる。
本発明によれば、接着強度に優れる接着剤及び接着剤セットが提供される。また、本発明によれば、上記接着剤又は接着剤セットを用いた構造体の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書中、(メタ)アクリルとは、アクリル及びそれに対応するメタクリルを意味し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。
[接着剤セット]
本実施形態に係る接着剤セットは、重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備える接着剤セット(二液型接着剤とも呼ばれる)である。第一液及び第二液の少なくとも一方はオキサゾリン基を有するモノマー((A)成分)を含有する。本実施形態に係る接着剤セットは、第一液と第二液との混合物が被着体に対して優れた接着性を有する。このような効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、オキサゾリン基を有するモノマーが、ラジカル重合性の二重結合とオキサゾリン基とを有することで、モノマーがラジカル重合するだけでなく、オキサゾリン基が被着体の表面と相互作用したり、オキサゾリン基がオキサゾリン同士、又は他の官能基と架橋したりすることにより接着強度を向上することができると考えられる。
第一液及び第二液を混合する際の親和性に優れ、混合度を高くでき、かつ特性のばらつきを抑える観点から、一実施形態において、第一液は、(A)成分及び重合開始剤を含有し、第二液は、(A)成分及び還元剤を含有する。
他の一実施形態において、第一液は、(A1)成分及び重合開始剤を含有し、第二液は、還元剤を含有する((A)成分を含有しない)。他の一実施形態において、第一液は、重合開始剤を含有し((A)成分を含有しない)、第二液は、(A)成分及び還元剤を含有する。
((A)成分:オキサゾリン基を有するモノマー)
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、ラジカル重合性基とオキサゾリン基とを有する化合物であれば特に限定されない。ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基、アルケニル基、及び(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、4−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4−エチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、5−エチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジエチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,5−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,5−ジエチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4−メチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4−エチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、5−エチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジエチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,5−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、及び4,5−ジエチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが挙げられる。(A)成分は、接着強度より高める観点から、ビニル基とオキサゾリン基とを有するモノマーを含むことが好ましく、2−ビニル−2−オキサゾリンを含むことがより好ましい。
(A)成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。(A)成分が第一液及び第二液の両方に含まれる場合、第一液に含まれる(A)成分と、第二液に含まれる(A)成分とは、互いに同じであっても異なっていてもよく、好ましくは互いに同じである。
((B)成分:オキサゾリン基を有しないモノマー)
接着剤セットは、(A)成分以外のモノマーとして、オキサゾリン基を有しないモノマー(以下、「(B)成分」ともいう)を含んでもよい。(B)成分は、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルモノマーであってもよい。(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸及びアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートにおけるアルキル基の炭素数は、例えば1〜18、1〜12又は1〜8であってよい。当該アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であっても環状であってもよい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。オキサゾリン基を有するモノマーとの反応性に優れる観点から、(B)成分は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、又はブチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、メチル(メタ)アクリレート又はブチル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。
(B)成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。(B)成分が第一液及び第二液の両方に含まれる場合、第一液に含まれる(B)成分と、第二液に含まれる(B)成分とは、互いに同じであっても異なっていてもよく、好ましくは互いに同じである。
((C)成分:(メタ)アクリルポリマー)
接着剤セットは、(A)成分及び(B)成分以外に、(メタ)アクリルポリマー(以下、「(C)成分」ともいう)を含んでもよい。(メタ)アクリルポリマーは、(メタ)アクリルモノマーに基づく構造をモノマー単位として含むポリマーである。(メタ)アクリルポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。(メタ)アクリルモノマーは、(B)成分で例示したモノマーから選択してもよい。(A)成分及び(B)成分との相溶性の観点から、(メタ)アクリルポリマーとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート(PBA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)、及びメチルメタクリレート(MMA)/ブチルメタクリレート(BMA)コポリマーが挙げられる。(メタ)アクリルポリマーは、(メタ)アクリルモノマーとスチレン等の芳香族ビニルモノマーとのコポリマーであってもよい。
(C)成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。(C)成分が第一液及び第二液の両方に含まれる場合、第一液に含まれる(C)成分と、第二液に含まれる(C)成分とは、互いに同じであっても異なっていてもよく、好ましくは互いに同じである。
第一液及び第二液における(A)成分の含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば3質量部以上、5質量部以上又は10質量部以上であってよく、接着強度の観点から、好ましくは15質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。当該含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば99質量部以下、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下又は60質量部以下であってよく、接着強度の観点から、好ましくは50質量部以下である。
第一液及び第二液における(B)成分の含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば1質量部以上、5質量部以上、10質量部以上、20質量部以上又は30質量部以上であってよい。当該含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば70質量部以下又は60質量部以下であってよく、接着強度の観点から、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下である。
第一液及び第二液における(C)成分の含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば1質量部以上、5質量部以上、10質量部以上、20質量部以上又は30質量部以上であってよい。当該含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば50質量部以下又は40質量部以下であってよい。
(重合開始剤)
重合開始剤は、例えば、ラジカル重合開始剤であってよい。ラジカル重合開始剤は、例えば、有機過酸化物又はアゾ化合物であってよい。有機過酸化物は、例えば、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド等であってよい。アゾ化合物は、AIBN(2、2’−アゾビスイソブチロニトリル)、V−65(アゾビスジメチルバレロニトリル)等であってよい。重合開始剤は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド及びクメンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルへキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、及びジ(3−メチル−3メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートが挙げられる。
パーオキシエステルとしては、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロへキサン、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)へキサン、t−へキシルパーオキシベンゾエート、及びt−ブチルパーオキシアセテートが挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、及び2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカンが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、及びt−ブチルクミルパーオキサイドが挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニツクパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、及びベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、貯蔵安定性の観点から、好ましくは有機過酸化物であり、より好ましくはハイドロパーオキサイドであり、更に好ましくはクメンハイドロパーオキサイドである。
第一液における重合開始剤の含有量は、第一液及び第二液に含まれる(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、1質量部以上又は3質量部以上であってよく、15質量部以下、12質量部以下、又は10質量部以下であってよい。
(還元剤)
還元剤は、例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体、遷移金属塩等であってよい。第3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、及びN,N−ジメチルパラトルイジンが挙げられる。チオ尿素誘導体としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、及びエチレンチオ尿素が挙げられる。遷移金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、及びバナジルアセチルアセトネートが挙げられる。還元剤は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
還元剤は、硬化速度の観点から、チオ尿素誘導体又は遷移金属塩を含むことが好ましい。チオ尿素誘導体は、例えば、エチレンチオ尿素であってよい。遷移金属塩は、例えば、バナジルアセチルアセトネートであってよい。
第二液における還元剤の含有量は、第一液及び第二液に含まれる(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば0.01質量部以上、0.1質量部以上、又は0.15質量部以上であってよい。当該含有量は、第一液及び第二液に含まれる(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば10質量部以下、2質量部以下、又は1質量部以下であってよい。
接着剤セットは、(A)成分、(B)成分、(C)成分、重合開始剤及び還元剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、第一液及び第二液の一方又は両方に含まれていてよく、第一液及び第二液とは異なる第三液に含まれていてもよい。
その他の成分は、貯蔵安定性を向上させる目的から、重合禁止剤であってよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール、及びフェノチアジンが挙げられる。
その他の成分は、酸素による重合阻害を防止する目的から、パラフィン類であってよい。パラフィン類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン、及びカンデリラろうが挙げられる。
その他の成分は、液だれの防止、チクソ性の付与、接着強度の向上等の目的から、フィラーであってよい。フィラーの形状は、例えば、繊維状又は球状であってもよい。
フィラーの成分としては、例えば、銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉等の金属フィラー;アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー;及びカーボン、ゴム系フィラー等の有機フィラーが挙げられる。
本実施形態に係る接着剤セットは、第一液と第二液とから構成される二液型の(メタ))アクリル系接着剤であり、貯蔵安定性に優れ、室温での長期保管が可能であると共に、第一液と第二液との混合物は被着体に対する接着強度の高い接着層を形成することができる。
[接着剤]
本実施形態に係る接着剤は、オキサゾリン基を有するモノマー((A)成分)及び重合開始剤を含有する接着剤(一液型接着剤とも呼ばれる)である。本実施形態に係る接着剤は、被着体に対して優れた接着性を有する。
本実施形態に係る接着剤は、(A)成分以外のモノマーとして、オキサゾリン基を有しないモノマー((B)成分)を含んでもよい。また、本実施形態に係る接着剤は、(A)成分及び(B)成分以外に、(メタ)アクリルポリマー((C)成分)を含んでもよい。
接着剤の接着強度をより高める観点から、(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば3質量部以上、5質量部以上、又は8質量部以上であってよい。(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば70質量部以下、60質量部以下、50質量部以下、又は40質量部以下であってよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば1質量部以上、5質量部以上、10質量部以上、又は20質量部以上であってよい。(C)成分の含有量の総量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば50質量部以下又は40質量部以下であってよい。
本実施形態において、重合開始剤は、上述の接着剤セットで記載した重合開始剤から選択してもよい。重合開始剤の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、0.5質量部以上、1質量部以上又は2質量部以上であってよく、15質量部以下であってよい。
接着剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び重合開始剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、上述の接着剤セットで説明したその他の成分と同様の態様を適用できる。
[構造体の製造方法]
本実施形態に係る構造体の製造方法は、上述の接着剤セットを用いて被着体同士を接着する工程(接着工程1)を備えている。接着工程1においては、被着体間に第一液及び第二液を配置し、次いで、第一液及び第二液の混合物を硬化する。
被着体は、例えば、鋼、鉄、銅、ブリキ、アルミニウム、ステンレス等の金属、樹脂、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等で形成されている。接着対象である二つの被着体は、互いに同種の材料で形成されていてよく、互いに異種の材料で形成されていてもよい。
接着工程1では、具体的には、例えば、一の被着体と他の被着体とを所定の隙間を空けて配置し、ミキシングノズル等の装置を用いて、当該隙間に第一液及び第二液を注入する。接着工程1では、被着体間に注入するのと略同時に第一液及び第二液を混合してもよく、被着体間に注入する直前に第一液及び第二液を混合してもよい。
第一液及び第二液の混合物は、100℃未満の温度で硬化させることができる。硬化温度は、例えば80℃以下、70℃以下、60℃以下、又は50℃以下であってよく、5℃以上、10℃以上又は20℃以上であってよい。硬化時間は、例えば10時間以上、15時間以上、又は20時間以上であってよく、3日以下又は2日以下であってよい。
接着強度をより一層高める観点から、第一液及び第二液の混合物を100℃未満の温度で硬化した後、更に100℃以上の温度で熱処理してもよい。熱処理温度は、例えば110℃以上であってよく、150℃以下、140℃以下、又は130℃以下であってよい。熱処理時間は、例えば1分以上、3分以上、又は5分以上であってよく、30分以下又は20分以下であってよい。
本実施形態に係る構造体の製造方法は、上述の接着剤を用いて被着体同士を接着する工程(接着工程2)を備えている。接着工程2においては、被着体間に本実施形態に係る接着剤を配置し、該接着剤を硬化する。
接着工程2では、具体的には、例えば、一の被着体と他の被着体とを所定の隙間を空けて配置し、当該隙間に接着剤を注入する。
接着剤は、100℃未満の温度で硬化させることができる。硬化温度は、例えば80℃以下又は70℃以下であってよく、40℃以上又は50℃以上であってよい。硬化時間は、例えば5分以上、10分以上、又は15分以上であってよく、1時間以下、50分以下、40分以下又は30分以下であってよい。
接着強度をより一層高める観点から、接着剤を100℃未満の温度で硬化した後、更に100℃以上の温度で熱処理してもよい。熱処理温度は、例えば110℃以上であってよく、150℃以下、140℃以下、又は130℃以下であってよい。熱処理時間は、例えば1分以上、3分以上、又は5分以上であってよく、30分以下又は20分以下であってよい。
以上の製造方法により得られる構造体は、一の被着体と、他の被着体と、一の被着体及び他の被着体を接着する接着部とを備えている。接着部は、上述の接着剤セットを構成する液の混合物(例えば、第一液及び第二液の混合物)の硬化物又は接着剤の硬化物である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(A)成分として、以下のオキサゾリン基を有するモノマーを準備した。
A−1:2−ビニル−2−オキサゾリン(KJケミカル株式会社製)
(B)成分として、以下の(メタ)アクリルモノマーを準備した。
B−1:メチルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
B−2:ブチルメタクリレート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
B−3:アクリル酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(C)成分として、以下の(メタ)アクリルポリマーを準備した。
C−1:PMMA(東京化成工業株式会社製)
C−2:MMA/BMAコポリマー(商品名「NeoCryl B−725」、楠本化成株式会社製)
以下の重合開始剤を準備した。
重合開始剤1:クメンハイドロパーオキサイド(東京化成工業株式会社製)
重合開始剤2:t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(商品名「パーヘキシルND」日油株式会社製)
重合開始剤3:2,2−アゾビズ(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名「V−65」、富士フイルム和光純薬株式会社製)
以下の還元剤を準備した。
還元剤1:エチレンチオ尿素(東京化成工業株式会社製)
還元剤2:バナジルアセチルアセトナート(STREM CHEMICALS社製)
[接着剤セット]
(実施例1〜7及び比較例1)
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び重合開始剤を表1に示す配合量で混合し、第一液を得た。また、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び還元剤を表1に示す配合量で混合し、第二液を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた接着剤セットについて、下記の方法に従って接着強度を測定した。
被着体として、アルミニウム板(大きさ:25mm×100mm、厚み:2.0mm)を2枚準備し、スペーサーとしてシリコーンゴムシート(大きさ:30mm×30mm、厚み:0.5mm)の中心部分を10mm×15mmで打抜いた型を1枚準備した。シリコーンゴムシート型を設置したアルミニウム板に、自公転ミキサーで第一液と第二液との混合物を注入し、もう1枚のアルミニウム板で挟み固定した。次いで、表1に示す条件で混合物を硬化及び熱処理した後、シリコーンゴムシート型を取り除いて、評価サンプルを作製した。なお、表1中、室温は25℃を示す。
評価サンプルの引張りせん断試験を、オートグラフ(株式会社島津製作所製、型番:AGS−X)を使用し、1mm/分の引張り速度の条件下で行った。得られたひずみ−応力曲線の最大点応力をせん断接着強度とした。応力は、測定される荷重を接着面積(10mm×15mm)から算出した。
実施例7については、アルミニウム板に代えて、冷間圧延鋼板(大きさ:25mm×100mm、厚み:2mm)及びCFRP((大きさ:25mm×100mm、厚み:2mm)を用いた評価サンプルを更に作製し、それぞれ、接着強度を評価した。
Figure 2021031508
[接着剤]
(実施例8〜12及び比較例2〜4)
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び重合開始剤を表2に示す配合量(質量部)で混合し、接着剤を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた接着剤について、表2に示す条件で接着剤を硬化及び熱処理した以外は上記と同様の方法に従って、被着体としてアルミニウム板及び冷間圧延鋼板を用いた評価サンプルを作製し、接着強度を測定した。実施例8については、被着体としてCFRPを用いた評価サンプルについても、接着強度を評価した。
Figure 2021031508

Claims (6)

  1. 重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備え、
    前記第一液及び前記第二液の少なくとも一方が、オキサゾリン基を有するモノマーを更に含有する、接着剤セット。
  2. オキサゾリン基を有するモノマー及び重合開始剤を含有する、接着剤。
  3. 請求項1に記載の接着剤セットを用いて被着体同士を接着する工程を備え、
    前記工程において、前記被着体間に前記第一液及び前記第二液を配置して前記第一液及び前記第二液の混合物を硬化する、構造体の製造方法。
  4. 前記混合物を、100℃未満の温度で硬化させる、請求項3に記載の構造体の製造方法。
  5. 請求項2に記載の接着剤を用いて被着体同士を接着する工程を備え、
    前記工程において、前記被着体間に前記接着剤を配置して前記接着剤を硬化する、構造体の製造方法。
  6. 前記接着剤を、100℃未満の温度で硬化させる、請求項5に記載の構造体の製造方法。
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